JP3813459B2 - 異種光ファイバの接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モードフィールド径(MFD)が異なる異種光ファイバを接続するための異種光ファイバの接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信システムの大容量化が要求されており、この要求に応えるべく、単一モード光ファイバ(例えば1300nm零分散光ファイバ)と、この単一モード光ファイバの分散および分散スロープを補償する分散補償光ファイバ(例えば、DCF(Dispersion Compsating Fiber)、DSCF(Dispersion Slope Compsating Fiber)、RDF(Reverse Dispersion Fiber)等)とを接続し、例えば1550nm帯の高速通信を行う分散マネージメント線路が盛んに検討されている。このような分散マネージメント線路が光海底ケーブル等に使用される場合には、低損失かつ高強度な異種光ファイバの接続が望まれている。
【0003】
上記単一モード光ファイバである例えば1300nm零分散光ファイバの波長1550nmでのMFDは9〜11μmである。また、MFD拡大型単一モード光ファイバにおいては、MFDは11μm以上である。これに対して、負の高分散特性を持つ分散補償光ファイバは、比屈折率差Δが3%前後と高く、コア径が2〜3μmであり、MFDは5μm程度である。このように、分散補償光ファイバは、単一モード光ファイバに比べて、コア径およびMFDが小さい。
【0004】
このようなMFDが異なる異種光ファイバを接続すると、MFDの違いに起因して、接続損失が大きくなる。例えば、MFDが10μmである単一モード光ファイバと、MFDが5μmである分散補償光ファイバとを光軸を一致させて接続した場合の接続損失は、約1.94dBとなる。
【0005】
この接続損失増加を抑制するために、異種光ファイバの接続端面同士を接続した後に、例えばTEC法(Thermally Difused Expanded Core)による処理を行う。その処理とは、例えば、単一モード光ファイバと分散補償光ファイバとの接続部分を加熱し、これにより、コア内のGe(ドーパント)を拡散させて分散補償光ファイバのMFDを拡大して単一モード光ファイバのMFDに合わせる処理である。この処理を施すことによって、接続損失を大幅に低減できることとなる。
【0006】
図4には従来の異種光ファイバの接続工程の一例を示すフロー図が表されている。まず、例えば単一モード光ファイバと分散補償光ファイバというような異種光ファイバの各接続端部分の被覆層をそれぞれ除去して光ファイバの接続端部分を露出させる(ステップ101)。そして、それら各光ファイバの露出部分を洗浄する(ステップ102)。次に、その洗浄が成された各光ファイバの露出部分の表面に保護層を形成する(ステップ103)。
【0007】
その後、各光ファイバの先端部分を切断する(ステップ104)。然る後に、それら異種光ファイバの接続端面同士を突き合わせ配置して融着接続する(ステップ105)。上記光ファイバの切断処理と、光ファイバの融着接続処理とを行う際には、光ファイバの露出部分(先端部分)を例えば固定部材に形成されたV溝に配置し、その上側からクランプ部材によって押え付けることによって、上記光ファイバの露出部分を固定部材に位置決め固定される。このような把持固定状態で、上記切断処理や融着接続処理が行われる。上記ステップ103にて光ファイバの露出部分の表面に形成された保護層は、光ファイバへの把持固定の悪影響を軽減するためのものである。
【0008】
然る後に、前述した各光ファイバの接続端部分のMFDを合わせるための加熱処理を行う(ステップ106)。
【0009】
ところで、前記融着接続処理等に起因して異種光ファイバの接続部分の表面部には微小なクラックが発生している。このクラックによって異種光ファイバの接続部分の強度が低下することから、その強度劣化を防止するために、上記加熱処理後に、光ファイバの接続部分の表面部をエッチングしてクラックを除去する(ステップ107)。
【0010】
然る後に、光ファイバの露出部分の表面上に被覆層を形成して異種光ファイバの接続部分を被覆層によって覆う(ステップ108)。その後に、プルーフテストにより、異種光ファイバが規格通りに接続されたか否かが検査される(ステップ109)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、今までのやり方では、上記単一モード光ファイバと分散補償光ファイバの接続部分の平均的な破断強度は約1GPa程度であり、満足のいく強度が得られておらず、また、その強度のばらつきも非常に大きかった。
【0012】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、接続損失が低く、かつ、満足のいく強度を持つ異種光ファイバの接続状態を得ることができる異種光ファイバの接続方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、モードフィールド径が異なる異種光ファイバの接続端面同士を融着接続する処理と、その接続部分を加熱して当該接続部分の各光ファイバのモードフィールド径を合わせる加熱処理とを含む複数の処理を行う異種光ファイバの接続方法において、接続し合う光ファイバはそれぞれ被覆層により覆われており、それら各光ファイバの接続端部分の被覆層を除去した後に融着接続を行う構成と成し、異種光ファイバの接続工程における複数の処理のうち、少なくとも上記加熱処理は、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で行い、上記加熱処理後に、その加熱処理が施された領域を避けて光ファイバの表面に保護層を形成し、その後に、上記加熱処理が施された領域を含むエッチング処理領域の光ファイバ表面部分をエッチングすることを特徴として構成されている。
【0014】
第2の発明は、第1の発明の構成を備え、加熱処理を行う直前の処理として、少なくとも加熱処理対象の部位を洗浄することを特徴として構成されている。
【0015】
第3の発明は、第1又は第2の発明の構成を備え、エッチング処理領域の長さ区間は加熱処理が施された長さ区間以上、かつ、被覆層が除去されている区間未満の長さ区間であることを特徴として構成されている。
【0017】
本発明者が、異種光ファイバの接続部分の強度劣化の原因を探ったところ、その原因の一つが、接続部分の各光ファイバのモードフィールド径を合わせるための加熱処理を行う際の環境にあることが分かった。つまり、加熱処理を行う際に、異種光ファイバの接続部分の周囲に浮遊していた異物や、接続部分の表面に付着していた異物が、加熱処理により、異種光ファイバの接続部分の表面に焼き込まれ、その焼き込み異物に起因して異種光ファイバの接続部分に微小なクラックが発生する場合があり、そのクラックに起因して異種光ファイバの接続部分の強度が劣化することが分かった。
【0018】
なお、従来では、加熱処理の後に、異種光ファイバの接続部分の表面部をエッチングして表面部分のクラックを除去するための処理が行われていたが、加熱処理による焼き込み異物に起因したクラックは、そのエッチング処理によっては殆ど除去できないことが確認されている。
【0019】
この発明では、加熱処理を行う際には、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で加熱処理を行う構成とした。つまり、光ファイバの接続部分の周囲に浮遊している異物の量が非常に少ない環境下で、加熱処理が行われることとなり、加熱処理により異種光ファイバの接続部分の表面に焼き込まれる異物の量を大幅に削減することができる。これにより、焼き込み異物に起因したクラック発生を防止することができて、異種光ファイバの接続部分での強度劣化を回避することができる。
【0020】
特に、加熱処理の直前の処理として、光ファイバの接続部分を洗浄する処理を施すことにより、加熱処理を行う部位の表面に付着している異物が除去されるので、加熱処理により光ファイバの表面に焼き込まれる異物を殆ど無くすことができて、焼き込み異物に起因したクラック発生をほぼ確実に防止することができることとなる。
【0021】
このように、この発明では、異種光ファイバの接続部分の強度劣化を防止して、満足のいく強度を得ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0023】
前述したように、異種光ファイバの接続部分の強度劣化の原因の一つが、加熱処理を行う際の作業環境にあることが分かった。そこで、本発明者は、クリーン度が高い低塵空間内で加熱処理を行うことを考え、作業空間のクリーン度と、異種光ファイバの接続部分の強度との関係を実験により求めた。この実験結果に基づいて、満足のいく強度でもって異種光ファイバを接続させるためには、加熱処理の作業空間のクリーン度がクラス1000以下であればよいことが分かった。このことを踏まえて、本発明者は次に述べる異種光ファイバの接続方法の第1実施形態例を考え出した。
【0024】
図1のフロー図に基づいて、第1実施形態例を説明する。
【0025】
まず、ステップS1において、単一モード光ファイバと分散補償光ファイバというような、MFD(モードフィールド径)が異なる異種光ファイバ1,2の各接続端部分の被覆層3を除去する(図3参照)。そして、ステップS2において、その露出した各光ファイバ1,2の接続端部分を洗浄し、ステップS3において、それら各光ファイバ1,2の先端部分を設定の長さ分だけ切断する。その後に、ステップS4において、それら切断後の各光ファイバ1,2の先端面(接続端面)同士を突き合わせて融着接続する。
【0026】
ところで、従来では、被覆層3が除去されて露出している光ファイバ1,2の各接続端部分を把持固定した状態で、光ファイバの切断処理や、融着接続処理を行っていた。そのため、その把持固定による悪影響が光ファイバ1,2へ及ぶのを抑制するために、光ファイバ1,2の露出部分に保護層を形成してから、切断処理や融着接続を行っていた。しかし、加熱処理中に、その保護層が燃焼して多量の異物が発生し、異種光ファイバ1,2の接続部分の周囲に浮遊して、前述したような異物の焼き込みが発生してクラック発生の原因の一つとなっていた。
【0027】
そこで、この第1実施形態例では、光ファイバ1,2の切断処理や、融着接続処理を行う際には、被覆層3によって覆われている部位をそれぞれ把持して、各光ファイバ1,2の位置決め固定を行う構成とした。これにより、従来のような保護層を形成しなくて済む構成とした。このため、保護層に起因した加熱処理中の異物発生を無くすことができる。
【0028】
次に、ステップS5において、異種光ファイバ1,2のMFDを合わせるための加熱処理を行う。この加熱処理は、前述したように、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で行われる。
【0029】
また、この加熱処理を行う際には、異種光ファイバ1,2のうちの一方側の端部を光源に接続し、他端側の端部をパワーメータ等に接続する。そして、上記光源から光を入射させ、他方側の端部から出射した光をパワーメータにより検出して、異種光ファイバ1,2の接続部分の接続損失をモニタしながら、上記加熱処理を行う。そのモニタされた接続損失が予め定めた設定値(例えば、波長1550nmでの接続損失が0.1dB以下)となったときに、加熱処理を終了する。
【0030】
その後、ステップS6において、異種光ファイバ1,2の露出部分の表面に、予め定めたエッチング処理領域を避けて保護層を形成する。この第1実施形態例では、エッチング処理領域の長さ区間LEは、前記加熱処理が施される領域の長さ区間LH以上、かつ、被覆層3が除去されている区間(ベアファイバ区間LB)未満の長さ区間(LH≦LE<LB)である。
【0031】
次に、ステップS7において、上記エッチング処理領域の光ファイバ表面部分をエッチング処理する。このエッチング処理により、異種光ファイバ1,2の接続部分の表面部に形成されたクラックを除去する。
【0032】
然る後に、ステップS8において、光ファイバ1,2の露出部分を再び被覆し、ステップS9において、それら異種光ファイバ1,2の接続部分のプルーフテストを行う。
【0033】
この第1実施形態例によれば、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内、つまり、浮遊している異物の量が非常に少なく環境下で加熱処理が行われる。その上、加熱処理の前に、光ファイバ1,2の露出部分に保護層を形成しなくて済む構成としたので、加熱処理中に、保護層に起因した異物が発生することを回避することができる。これらのことによって、異種光ファイバ1,2の接続部分の表面に焼き込まれる異物の量を大幅に低減することができる。よって、焼き込み異物に起因したクラック発生を防止することができて、クラックに起因した異種光ファイバの接続部分の強度劣化を防止することができる。
【0034】
また、この第1実施形態例では、エッチング処理を行う前に、異種光ファイバ1,2の露出部分に、エッチング処理領域を除いて保護層を形成し、この保護層によってエッチング処理が不要な領域を保護する構成とした。これにより、エッチングが不要な領域をも余計にエッチングされてしまって光ファイバ1,2の強度が弱くなるという事態発生を抑制することができる。
【0035】
したがって、この第1実施形態例により、異種光ファイバ1,2の接続部分に満足のいく強度を持たせることができる。
【0036】
以下に、第2実施形態例を説明する。この第2実施形態例において特徴的なことは、図2に示されるように、加熱処理を行う直前の処理として、加熱処理対象の部位を洗浄する処理を行う(図2のステップS15)構成としたことである。それ以外の構成は第1実施形態例とほぼ同様であり、この第2実施形態例の説明では、第1実施形態例と同一構成部分の重複説明は省略する。
【0037】
この第2実施形態例では、上記のように、加熱処理を行う直前の処理として、異種光ファイバ1,2の接続部分の洗浄を行う。この洗浄は、例えば、アルコール、アセトン、強酸(硫酸、塩酸、硝酸等)、弱酸(強酸を純水で希釈したものも含む)等の洗浄液を用いて行うものであり、例えば、光ファイバ1,2の接続部分を洗浄液に漬けて洗浄する。
【0038】
この第2実施形態例によれば、加熱処理の直前に異種光ファイバ1,2の接続部分を洗浄することによって、異種光ファイバ1,2の接続部分の表面から異物が取り除かれる。これにより、異種光ファイバ1,2の接続部分に異物が殆ど付着していない状態で加熱処理を行うことができることとなる。
【0039】
したがって、この第2実施形態例では、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で、つまり、浮遊している異物が非常に少ない環境下で、しかも、異種光ファイバ1,2の接続部分に殆ど異物が付着していない状態で、加熱処理が行われることとなり、加熱処理により、異種光ファイバ1,2の接続部分の表面に焼き込まれる異物の量を格段に減少することができる。これにより、より一層確実に、焼き込み異物に起因したクラック発生を抑制することができて、強度劣化を回避することができる。
【0040】
本発明者は、この第2実施形態例の効果と、前記第1実施形態例の効果とを実験により確認している。その実験とは、次に示すような4通りの接続手法でもって異種光ファイバ1,2を接続して、それら4種(種類A〜種類D)の異種光ファイバ1,2の接続部分に関して、それぞれ、破断強度を調べた。
【0041】
上記種類Aは、従来の接続手法(図4参照)でもって光ファイバ1,2を接続し、エッチング処理領域の長さ区間LEが、加熱処理領域の長さ区間LH以上かつ被覆層3が除去されている区間LB未満の長さ区間(LH≦LE<LB)であるものである。種類Bは、第1実施形態例に示した接続手法(図1参照)でもって光ファイバ1,2を接続し、エッチング処理領域の長さ区間は、種類Aと同様である。種類Cは、第2実施形態例に示した接続手法(図2参照)でもって光ファイバ1,2を接続し、エッチング処理領域の長さ区間は、種類Aと同様である。種類Dも、第2実施形態例に示した接続手法(図2参照)でもって光ファイバ1,2を接続したが、エッチング処理領域の長さ区間LEが、被覆層3が除去されている区間LB以上(LE≧LB)の長さ区間であるものである。
【0042】
なお、種類A〜種類Dは、何れも、MFD拡大型単一モード光ファイバと分散補償光ファイバを接続したものである。そのMFD拡大型単一モード光ファイバは、コアがGeO2ドープシリカにより形成され、クラッドが純シリカにより形成されており、MFDが12μmのものである。また、分散補償光ファイバのコアは、コアがGeO2高濃度ドープシリカにより形成され、クラッドが純シリカにより形成されており、MFDは4.9μmのものである。また、この実験では、各種毎に10サンプルずつ作製し、それら10サンプルの平均破断強度と、その標準偏差σとを求めた。その実験結果が表1に示されている。
【0043】
【表1】
【0044】
この表1に示されているように、異種光ファイバ1,2を従来の接続手法により接続したもの(種類A)に比べて、第1と第2の各実施形態例に示した接続手法でもって異種光ファイバ1,2を接続したもの(種類B、C、D)は、接続部分の強度が格段に向上し、かつ、強度のばらつきも抑制できていることが確認できる。また、種類Cと種類Dの比較から分かるように、クラック除去に必要な領域のみをエッチング処理することにより、接続部分の強度を高めることができ、また、強度のばらつきを抑制できることが確認できる。
【0045】
このように、第1実施形態例と第2実施形態例の効果は実験によっても確認されている。
【0046】
なお、この発明では上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で加熱処理が行われていたが、例えば、融着接続処理から例えばエッチング処理までを上記低塵空間内で行う構成としてもよい。このように、少なくとも加熱処理を上記低塵空間内で行う構成とすればよく、低塵空間内で行う処理は加熱処理だけに限定されるものではない。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で加熱処理を行う構成としたので、異種光ファイバの接続部分の周囲に浮遊している異物が非常に少ない環境下で、加熱処理が行われることとなり、異種光ファイバの接続部分の表面に焼き込まれる異物の量を大幅に削減することができる。これにより、焼き込み異物に起因したクラック発生を抑制することができて、異種光ファイバの接続部分の強度劣化を抑制することが可能となり、満足のいく強度を持たせることができる。また、この発明によれば、加熱処理後に、光ファイバの表面に保護層を形成し、その後に、エッチング処理領域の光ファイバ表面部分のエッチングを行うので、エッチングにより、融着接続処理等に起因した異種光ファイバの接続部分の表面部のクラックを除去することができて、クラックに起因した異種光ファイバの接続部分の強度劣化を抑制することができる。その上、エッチング処理が不要な領域は保護層により保護されているので、エッチング処理が不要な領域をも余分にエッチングされて強度が劣化してしまう事態の発生を防止することができる。さらに、保護層は加熱処理後に形成するので、加熱処理中に、保護層が燃焼して異物が発生し、その異物を焼き込んでしまう問題の発生を回避することができる。
【0048】
加熱処理を行う直前に、少なくとも加熱処理対象の部位を洗浄するものにあっては、その洗浄によって、異種光ファイバの接続部分の表面から異物が除去された直後に加熱処理が行われることとなる。つまり、異種光ファイバの接続部分の周囲に浮遊している異物の量が少ない上に、その接続部分の表面に付着している異物の量も減少させた状態で、加熱処理が行われることとなるから、接続部分の表面に焼き込まれる異物の量を格段に削減することができる。よって、焼き込み異物に起因したクラックを殆ど無くすことができ、異種光ファイバの接続部分の強度劣化をより効果的に抑制することができて、異種光ファイバの接続部分の強度を従来のものに比べて飛躍的に向上させることができる。
【0050】
エッチング処理領域の長さ区間は、加熱処理が施された長さ区間以上、かつ、被覆層が除去されている区間未満の長さ区間であるものにあっては、強度劣化を招くクラックをエッチングにより的確に除去することができ、しかも、エッチングが不要な領域をも余分に除去して強度を劣化してしまうという事態発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例における異種光ファイバの接続工程を示すフロー図である。
【図2】第2実施形態例における異種光ファイバの接続工程を示すフロー図である。
【図3】異種光ファイバの接続端部分を突き合わせ接続した状態を模式的に示したモデル図である。
【図4】異種光ファイバの接続工程の従来例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1,2 光ファイバ
3 被覆層
Claims (3)
- モードフィールド径が異なる異種光ファイバの接続端面同士を融着接続する処理と、その接続部分を加熱して当該接続部分の各光ファイバのモードフィールド径を合わせる加熱処理とを含む複数の処理を行う異種光ファイバの接続方法において、接続し合う光ファイバはそれぞれ被覆層により覆われており、それら各光ファイバの接続端部分の被覆層を除去した後に融着接続を行う構成と成し、異種光ファイバの接続工程における複数の処理のうち、少なくとも上記加熱処理は、クリーン度がクラス1000以下の低塵空間内で行い、上記加熱処理後に、その加熱処理が施された領域を避けて光ファイバの表面に保護層を形成し、その後に、上記加熱処理が施された領域を含むエッチング処理領域の光ファイバ表面部分をエッチングすることを特徴とした異種光ファイバの接続方法。
- 加熱処理を行う直前の処理として、少なくとも加熱処理対象の部位を洗浄することを特徴とした請求項1記載の異種光ファイバの接続方法。
- エッチング処理領域の長さ区間は加熱処理が施された長さ区間以上、かつ、被覆層が除去されている区間未満の長さ区間であることを特徴とした請求項1または請求項2記載の異種光ファイバの接続方法。
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