JP3813288B2 - 半導体製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜ポリシリコンを製造する方法に関する。より詳しく言えば、本発明は、アモルファスシリコンに比べて高い移動度を示すポリシリコンを絶縁膜の上に形成する方法に関する。このような移動度の高いポリシリコンは、特にLCDデイスプレイ、太陽電池、半導体デバイス等における半導体材料として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜のポリシリコン(以下「ポリ−Si」)の作製は、(1)アモルファスシリコン(以下「a−Si」)の薄膜に600℃程度の熱処理を50時間ほど加えて結晶化する方法、(2)a−Siをレーザーのエネルギーを加えて熔融させ、冷却時に結晶化させてポリ−Siを形成する方法、(3)600℃以上の温度において化学気相成長(CVD)及び物理蒸着(PVD)法で形成する方法、のうちのいずれかで行われている。
【0003】
a−Siを熱処理してポリ−Siを作る方法は、熱処理の初期段階に結晶の核を形成させ、それを成長させることにより結晶化をはかるものであるが、この方法では600℃という熱処理温度に長時間さらすことが必要であり、そのためガラス基板上でポリ−Siを作製するような用途には不向きである。また、この方法で成長させた結晶内には積層欠陥や双晶が多量に含まれており、結晶性のよいポリ−Si膜は得られない。
【0004】
a−Siをレーザーでアニールしてポリ−Siを作製する方法では、上記(1)〜(3)の方法の中で結晶性が最も優れた膜が得られる。しかし、a−Siをレーザーで結晶化する場合、高品質の結晶を作製するためには大きなレーザーエネルギーを必要とする、そして大きなレーザーエネルギーを利用した時、均一なポリ−Si膜が得られない、などの問題点がある。
【0005】
CVDやPVDを利用してポリ−Siを結晶成長させる方法は、600℃以上という熱処理温度を必要とする。そのため、ガラス基板上にポリ−Siを成長させようとするとガラス基板がこの熱処理に耐えられないといった不都合がある。また、600以下で成長させた場合、結晶性が十分ではなく、高い移動度を示す結晶を得ることができない。
【0006】
これらの方法のほかにも、ポリ−Siを製造することができる方法として、a−Siの中に金属不純物をドープして形成した金属シリサイドを核として熱処理によりシリコン結晶を成長させる金属誘起結晶成長方法が知られている。この方法によれば、結晶成長温度を600℃以下にすることが可能であり、成長させた結晶は良好な結晶性と高い移動度を示すことが知られている。とは言え、シリコン結晶の成長には長時間を要しており、ガラス基板上での結晶の製造にとって600℃近い温度でそのように長時間熱処理することはガラス基板の変形等の不都合を招きかねない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの従来技術の問題を解決するため、600℃未満の温度においてより短い時間で結晶性の良好なポリ−Siの半導体薄膜を製造するのを可能にする方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、アモルファスシリコン(a−Si)中に金属不純物をドープして形成させた金属シリサイドを核として熱処理により半導体シリコンの結晶を成長させる半導体製造方法であって、ドープする金属として当該金属元素の同位体のうち質量数の小さいものを使用することを特徴とする。また、金属不純物をドープされるアモルファスシリコンについても、質量数の小さい同位体(28Si)を使用するのが有利である。28Siの濃度を高くしたアモルファスシリコンを使用する場合には、金属不純物は質量数の小さいものをドープしてもよく、あるいは質量数を特に調整していない自然に存在するままの金属をドープしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、a−Si中に金属不純物をドープして形成させた金属シリサイドを核として熱処理によりシリコン結晶を成長させる金属誘起結晶成長方法を利用する。この成長方法では、a−Si内において結晶性シリコンと格子定数が一致したシリサイドが形成され、これが結晶核として作用することが必要になる(図1(a))。そして次に、この金属シリサイドを核としてシリコン結晶が成長(図1(b))するためには、金属シリサイドの部分にシリコンが流入することが必要となる。
【0010】
シリサイドの形成速度は金属不純物の拡散によって支配される。金属の拡散係数が大きい方が核形成に対して有利である。一方、このシリサイドを核としてシリコンの結晶成長が進行する過程では、シリコンがシリサイドへ流入する速度によって結晶成長が支配される。従って、核となるシリサイド前面でa−Siがシリサイドに変化する速度が重要な物理的パラメーターになる。すなわち、金属の拡散係数とシリコンの自己拡散係数が大きいとシリコンが結晶化しやすいことになる。
【0011】
不純物としてドープされる金属の拡散係数は、その金属元素の質量数に左右され、質量数が小さいほど元素は軽くなるので拡散係数は大きくなる。従って、ド−プする金属は当該金属元素の同位体のうちの質量数の小さいものを使用するのが、核となる金属シリサイドの形成にとって有利である。また、この場合の同位体は放射性のものでなく安定な同位体であるべきである。
【0012】
a−Si中にドープする金属としては、結晶性シリコンの成長にとって都合のよいようにシリコンと格子定数が一致したシリサイドを形成するものが好ましい。そのような都合のよい金属の例としては、アルミニウム、金、銅、ニッケル、白金等を挙げることができ、このほかにも例えばリチウム、鉄、銀、クロム、マンガン、コバルト、パラジウム等を使用することが可能である。これらの金属元素の特定の質量数の同位体は、商業的に入手することができる。また、2種類以上の金属元素を使用し、各金属元素のうちの質量数の小さいものをドープするようにしても差し支えない。
【0013】
同様にして、シリコンについてもその自己拡散係数は質量数に左右され、本発明の目的にとっては質量数の小さいものが好ましい。シリコンの同位体は、質量数が28、29、30のものが存在する。従って、質量数28のものを使用するのが好適である。
【0014】
本発明によれば、600℃より低い温度において、典型的には450〜550℃程度の温度で、相対的に短い時間でシリコン結晶を得ることができる。そのため、例えばガラスのように耐熱温度が600℃程度である基板を使ってポリ−Siを製造するような場合においても、基板に損傷を与えることがない。また、得られるシリコン結晶は金属シリサイドを核として成長した、高い移動度を示す針上の結晶であることから、半導体材料として使用するのに好適である。こうしたことから、本発明の方法はガラス基板上に多数のトランジスタ回路を作製することが必要なLCDディスプレーの製造用途に特に適している。
【0015】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明する。言うまでもなく、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0016】
ここでは、ニッケル(自然存在率は58Ni=68.27%,60Ni=26.10%,61Ni=1.13%,62Ni=3.59%,64Ni=0.91%)の同位体効果を利用した場合について説明する。
【0017】
図2に示したように、ガラス基板1の上にSiH4 を利用したプラズマCVD法でa−Si膜2(厚み500Å(50nm))を形成した。次いで、この膜2の表面に、a−Si中に1019/cm3 ほどの濃度でニッケルをドープするような量の58Ni(抽出率99%)の薄膜3を蒸着により付着させた。また、別のa−Si膜の上にやはりa−Si中に1019/cm3 ほどの濃度でニッケルをドープするような量の64Ni(抽出率99%)を付着させた。不純物金属を付着させる方法としては、このほかに溶液を塗布して乾燥する方法等があり、またa−Si中にイオン注入により不純物金属を直接ド−プすることも可能である。
【0018】
その後、付着させたニッケルの金属不純物を450℃で熱処理して熱拡散させることによりa−Si内にドープした。続いて550℃で熱処理することにより核形成(シリサイド形成)とSiの結晶成長を行わせた。
【0019】
図3に、58Niをドープした場合と64Niをドープした場合についてそれぞれ得られた熱処理時間に対し結晶化率をプロットしたグラフを示す。結晶化率はラマン散乱により測定した。この図から、軽い質量数を有する同位体を利用した結晶では短い時間でシリコンの結晶化率が高くなっていることが分かる。
【0020】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、低温且つ短時間の熱処理で、移動度の高いシリコン半導体結晶を固相成長させることができる。従って、本発明は移動度の高い半導体結晶を必要とする半導体デバイスや太陽電池等の分野に広く応用することができる。とりわけ、本発明はガラスの耐熱温度よりも相当低い温度での熱処理を可能にすることから、ガラス基板上に多数のトランジスタ回路を製作するLCDディスプレーの製造分野にとって大変有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で利用する金属誘起結晶成長方法を説明する図であって、(a)は結晶核となる金属シリサイドの形成を説明する図であり、(b)は金属シリサイドを核としてシリコン結晶が成長する様子を示す図である。
【図2】実施例で使用した材料を説明する図である。
【図3】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ガラス基板
2…アモルファスシリコン膜
3…ドープ用ニッケルの膜
Claims (5)
- アモルファスシリコン中に金属不純物をドープして形成させた金属シリサイドを核として熱処理により半導体シリコンの結晶を成長させる半導体製造方法であって、ドープする金属として当該金属元素の同位体のうち質量数の小さいものを使用することを特徴とする半導体製造方法。
- 前記アモルファスシリコンとして28Siを濃縮してその濃度を高くしたシリコンを使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記アモルファスシリコンに2種類以上の金属不純物をドープし、各金属元素の同位体のうちの質量数の小さいものを使用する、請求項1又は2記載の方法。
- アモルファスシリコン中に金属不純物をドープして形成させた金属シリサイドを核として熱処理により半導体シリコンの結晶を成長させる半導体製造方法であって、28Siを濃縮してその濃度を高くしたアモルファスシリコンを使用することを特徴とする半導体製造方法。
- ドープする前記金属不純物がアルミニウム、金、銅、ニッケル、白金、リチウム、鉄、銀、クロム、マンガン、コバルト及びパラジウムのうちの少なくとも1種である、請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
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JP05032697A JP3813288B2 (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 半導体製造方法 |
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JP (1) | JP3813288B2 (ja) |
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1997
- 1997-03-05 JP JP05032697A patent/JP3813288B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10245296A (ja) | 1998-09-14 |
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