JP3812909B2 - 単球及び/又は単球由来のマクロファージ選択除去フィルター装置 - Google Patents

単球及び/又は単球由来のマクロファージ選択除去フィルター装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、血液等の単球及び/又は単球由来のマクロファージを含有する血球浮遊液から単球及び/又は単球由来のマクロファージのみを選択的に除去するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、モノクローナル抗体を用いた細胞分離技術が発達し、免疫学、細胞生物学、血液学の分野で広範囲に用いられている。即ち、細胞分離技術を用いて血液等の細胞浮遊液から目的細胞のみを分離採取し、活性化、増殖等種々の操作を施した後、患者に輸注する等の操作が行われるようになった。
この一例として、自家骨髄移植における造血幹細胞及び/又は造血前駆細胞の選択採取が挙げられる。自家骨髄移植は、大量の抗癌剤及び/又は放射線療法の副作用である骨髄荒廃による致死的造血障害を、前もって患者本人から採取し凍結保存しておいた骨髄液等から採取した造血幹細胞を再輸注することで回避する治療方法である。ところが、癌患者の骨髄には癌細胞が浸潤している場合があり、これを再輸注することで癌が再発してしまう可能性がある。
また、他人の骨髄や末梢血を移植するいわゆる同種骨髄移植や同種末梢血移植の場合も、移植片対宿主病(GVHD)等の重い副作用を予防するために他の成分が混在しない造血幹細胞のみを移植することが重要な課題となってきた。
【0003】
現在知られている造血幹細胞等の選択的採取のための器具としては、抗体結合フラスコ、磁気ビーズ、アビジン−ビオチンカラム等がある(Hematopoietic Stem Cell,Alpha Med Press,1994,186−187)。しかし、これらは造血幹細胞/又は造血前駆細胞の回収率が十分ではない。その原因として、血液等の浮遊液中の単球の混在が指摘されている。この単球除去方法として、単球の抗原であるCD14に対する抗体と磁気ビーズを用いる方法も提案されているが、抗体を用いるためにコスト高である上、操作も繁雑である。
更に、最近、自己免疫性疾患や炎症性疾患患者の血液を体外に導き出して白血球を除去した後、再び患者に戻すいわゆるロイコアフェレーシスも盛んに行われるようになってきている。現在のところ、白血球の全成分を高率に除去しているが、除去される白血球成分中にはリンパ球中のT細胞等の有益な免疫細胞も含まれており、特に炎症性疾患においては単球由来のマクロファージが炎症部位に遊走して症状を悪化させることが知られており、単球のみを優先的且つ選択的に除去することも望まれるところである。
しかし、これまで、血球浮遊液から細胞径の違いと白血球の粘着性を利用して細孔直径が特定された繊維か又は多孔質材からなるフィルターを用いて血球浮遊液から白血球を捕捉する技術や、細孔直径の異なる2種のフィルターを段階的に用いて白血球の中のリンパ球だけを選択的に分取する技術は既に知られているものの、単球だけを1回の処理で選択的に捕捉、除去するフィルター装置は未だ知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、単球及び/又は単球由来のマクロファージを含有する血球浮遊液から単球及び/又はマクロファージのみを選択的に除去するための、操作性に優れたフィルター装置を提供することを目的とする。
白血球は大別して単球、顆粒球、リンパ球からなるが、単球はこの中で最も平均直径が大きい、即ち平均直径が約9〜12μmの細胞成分として知られている。しかしながら顆粒球の平均直径が約7〜9μm、又リンパ球が約5〜8μmとその差は微々たるものである上、個々の細胞によっては大きさが逆の場合も少なくないため、単球を他の白血球成分と篩い分けの原理のみで他の白血球成分と精度良く分離することは不可能である。
本発明者らが鋭意検討した結果、細胞成分が通過する細孔部分の断面積が単球の断面積よりも若干大きい細孔を有する特定の多孔質体を用いると意外なことに単球及び/又は単球由来のマクロファージのみが捕捉され、顆粒球とリンパ球は細孔を通過することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、平均細孔断面積が265μm350μm であり、かつ平均繊維径が10μmを超え20μm以下の不織布である多孔質フィルターを、液体の入口及び出口を有する容器に0.05g/cm 〜0.5g/cm の嵩密度で充填したことを特徴とする、細胞浮遊液中の単球及び/又は単球由来のマクロファージ選択除去フィルター装置である。
【0005】
本発明にいう細胞浮遊液とは、少なくとも単球及び/又は単球由来のマクロファージを含む液をいう。具体例としては、骨髄液、臍帯血又は抹消血、G−CSF、GM−CSF等の造血因子を投与した抹消血、全血或はこれらを比重遠心分離により得た単核球細胞浮遊液或はバフィーコート等が挙げられる。
本発明にいう多孔質フィルターは、単球及び/又は単球由来のマクロファージを含む細胞浮遊液と接触して生物学的作用である食作用や、粘着や静電的、或は疎水的等の化学的相互作用により単球及び/又は単球由来のマクロファージを優先的に一部又は実質的に全部捕捉、除去する部材をいう。
本発明に用いられる多孔質フィルターとしては、不織布、織布、綿布等繊維材料からなるものや、スポンジ、ゲル、多孔質膜等の多孔質体からなるものが挙げられる。この中でも比表面積が大きく、且つ多数の細孔を有する不織布やスポンジ状の多孔質体が好適に用いられる。
またその材質としては水不溶性であれば如何なる材質も使用可能であるが、成形性や滅菌時の安定性、安全性から好ましいものを例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、ポリスチレン及びその誘導体、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート等の合成高分子化合物であり、これら化合物の単量体の単独重合体、共重合体、ブロック重合体及び上記高分子化合物のブレンド及びアロイ化したものを含むものや、セルロース及び/又はその誘導体等の再生繊維及び上述の合成高分子化合物とのブレンド、アロイ化したものを含むもの等が挙げられる。
【0006】
本発明にいう多孔質フィルターの平均細孔断面積は、フィルターを血液の流れ方向に対して垂直方向に切断したときその切断面に分散している個々の細孔を円又は楕円とみなし、それらについて求めた面積の相加平均値である。細孔の形状が円又は楕円とみなし得ない場合、例えば細孔が直線状の繊維で囲まれた多角形に近似している場合は、最も狭い孔幅部分と最も太い孔幅部分の長さを相加平均して求まる値をその孔の細孔径として面積を算出する。
平均細孔断面積は多孔質フィルターの表層からフィルターの厚み方向に対して0.5mm以内の任意の深度部の切断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、目視により撮影面上に分散している細孔の直径又は長径が1μm未満の細孔を除き、ランダムに100個以上測定して求める。最も簡便且つ測定者の習熟度による誤差が生じにくい測定手法として、電子顕微鏡を用いて任意の切断面の細孔を撮影し、これを公知のコンピュータによる画像解析処理によって細孔部と細孔壁部とに色調のコントラストをつけて細孔部を明確化して個々の細孔部の面積を相加平均する方法が好ましく挙げられる。
上述の測定方法によって求められる本発明の多孔質フィルターの平均細孔断面積は265μm350μ ある。
【0007】
本発明に用いられる多孔質フィルターは微視的に見ると捕捉対象細胞である単球よりもやや大きめの細孔からなる。ところが意外なことに単球及び/又は単球由来のマクロファージのみが選択的に捕捉され、他のリンパ球や顆粒球は実質的に全く捕捉されないのである。即ち単球及び/又は単球由来のマクロファージは細孔のサイズよりも小さいので、従来の篩い分けの原理から考えると細孔壁に接触しそこに引っ掛かったままになる機会が少なく、到底高率に捕捉されることは予想されないのであるが、本発明者等が検討した結果、本発明の特徴を有する大きめの断面積を有する細孔が、単球及び/又は単球由来のマクロファージがその食作用によってフィルター壁を異物と認識してそこに吸着するのに適した大きさであることを突き止めたのである。
多孔質フィルターの平均細孔断面積が265μm 未満では、単球以外の細胞成分が捕 捉される可能性がある。又平均細孔断面積が350μm を越えると単球とフィルター壁との接触頻度が低下してしまうため単球の食作用がもはや十分に発揮されなくなり、単球の捕捉率が著しく低下してしまう。
【0008】
本発明に用いられる多孔質フィルターには、表面に親水性を付与することも好ましい。親水性を付与することにより被処理細胞浮遊液に存在する他の細胞の非特異吸着を防止するのに有効にはたらく。表面を親水化する場合、血液等の細胞浮遊液中の蛋白質の吸着を抑制する目的で水酸基を導入することも好ましい。又非特異吸着を抑制するためにカチオン性基を導入することは静電的な作用が期待できるので好ましい。ここにいうカチオン性基とは、アミン類及びアミン誘導体等が含まれ、3級及び4級アミノ基が挙げられる。
多孔質フィルター表面への親水性付与は、各種官能基を共有結合、イオン結合、疎水結合等で表面に結合させれば良い。結合方法としては、放射線グラフト、コーティング等いずれの方法を用いても良好である。
親水性を付与するために導入する官能基の例を示すと、繰り返し単位が2から100のポリエチレングリコール鎖、水酸基、アミド基、エーテル基、エステル基等が挙げられる。
親水性を与えるポリエチレングリコール鎖を有するモノマーとしては、末端メトキシメタクリレート、末端メトキシアクリレート、又末端に1つ以上の重合性の官能基を有する繰り返し単位が2〜15のポリエチレングリコール鎖を有するモノマーが挙がられる。
又、親水性を与える水酸基を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1−ヒドロキシエチルアクリレート、1,2−ジヒドロキシエチルメタクリレート、2,2−ジヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルアルコール、酢酸ビニル等が挙げられる。
親水性を与えるその他の置換基を有するモノマーの例を示すと、アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる多孔質フィルターは、繊維からなるものにあっては溶融紡糸法やフラッシュ紡糸法等で好ましく製造され、更に必要に応じて製造された繊維媒体に圧縮や熱収縮、任意の液体による処理等の2次的な加工を施し、本発明で規定する細孔サイズに制御される。又、多孔質体からなるものは、公知の常圧又は加圧発泡法、押出発泡法、射出発泡法、等の発泡分解法、溶剤気散法、気体混入法、化学反応法、溶出法、燒結法等で製造され、その後上述の繊維の場合と同様、必要に応じて2次加工を施し、本発明で規定する細孔サイズに制御する。
【0009】
不織布等の繊維状のフィルターを用いる場合、繊維径が孔径及び細孔分布に寄与する為、その有効な平均繊維直径を示すことも重要である。本発明の平均繊維直径の測定は走査電子顕微鏡で繊維状のフィルターの表面を撮影し、目視により撮影面上に分散している糸の直径をランダムに100個以上測定して求める。機械的強度及びモノサイト捕捉性能において有効なフィルターの繊維直径は10μmを超え、20μm以下である必要があり、より好ましくは、12μm以上18μm以下、更に好ましくは13μm以上17μm以下である。平均繊維直径が10μm以下になると他の白血球の直径よりも小さくなる為、非特異的な吸着性が増大し、選択性が低下する為好ましくない。一方20μmを超えるとモノサイドの接触頻度が低下し除去効率が低くなる為好ましくない。
【0010】
本発明において多孔質フィルターは細胞浮遊液の入口及び出口を有する任意の容器に0.05〜0.5g/cm3 の嵩密度で充填される。0.05g/cm3 未満では十分な大きさの細孔を安定して確保することが難しく、物理的に安定した強度を有するフィルター装置が実現しにくい。又、0.5g/cm3 を越える多孔質フィルターでは本発明の要件を満たす細孔を実現することは難しい。好ましい充填密度は0.1g/cm3 〜0.4g/cm3 、更に好ましくは0.15g/cm3 〜0.3m3 である。
容器の大きさは処理対象細胞浮遊液の量と処理速度等を考慮して適宜設定する。又、容器の形状や多孔質フィルターの充填方法に特に限定はないが、効率の観点から考えれば、入口から導入された細胞浮遊液が接触し得る多孔質フィルターの表(おもて)面の面積(以下、フィルター表面積という)を大きく確保しつつ同時に容器容積が小さいものが好ましい。又、単球の捕捉率を考えれば多孔質フィルターの厚みが薄すぎるものは好ましくない。しかし、細胞浮遊液を連続的に供給して単球を持続的に高効率で捕捉するためには、フィルター厚みが大きすぎるのも圧力損失の増大を招き処理速度を低下させる要因となるので好ましくない。フィルターの厚みは、その形状にも依るが、実用的な範囲として0.1mm〜50mm、好ましくは0.1mm〜40mmがよく、又、フィルター表面積の実用的な範囲は製造上の容易さ及び一般的な処理細胞浮遊液量から考えると0.5cm2 〜300cm2 が良く、小型化及び操作性から0.5cm2 〜250cm2 、より好ましくは0.5cm2 〜200cm2 である。
【0011】
本発明の装置の最も単純な装置構造としては、例えば、特開昭62−243561号公報の図1に示すように、円筒状の容器の両端に細胞浮遊液の入口、出口ノズルを設け、その中にマカロニ状、即ち芯部が中空の円筒状多孔質フィルターを装填して、細胞浮遊液を該多孔質フィルターの外周面側から供給し内周面側に処理済み細胞浮遊液を回収してそれを容器外に出口ノズルを経て導出させる形のものが挙げられる。この場合、多孔質フィルターは薄い不織布シートからなるものを多重に巻いてマカロニ状にしたものでも良いし、マカロニ状に繊維又は多孔質体を充填又は成形したものでも良い。或は比表面積を高くするために、シート状のフィルターを細かいプリーツに加工した後に多重に巻くのも好ましい。
又、処理細胞浮遊液量が少量の場合には、例えば、特開昭59−48173号公報の図2に示すように、ディスク状の容器にシート状のフィルターを挟んだ状態で充填しフィルターを介して対向する位置に細胞浮遊液の入口、出口がそれぞれ設けられた装置構造も好適に用いられる。ディスク状装置の場合はフィルターの表(おもて)面積(Scm2 )に比べてフィルターを含む容器内側厚み(Dcm)が薄いものが好ましく、S/D比は10〜500cmが好ましい。又、ディスクの形状は円形、多角形等が好適例であるが、液の出口に向かって錘状に先細りとなる形状も良い。
【0012】
又本発明の単球及び/又はマクロファージ選択除去フィルター装置は、多孔質フィルターの上流部に該多孔質フィルターよりも目の粗い別のフィルターを積層してもよい。或いは、多孔質フィルター自体が実質的に平均細孔断面積が連続的又は段階的に減少する構造であるものでもよい。このような平均細孔断面積が連続的又は段階的に減少する構造は、平均細孔断面積の異なる複数のフィルターを積層してなるものでも、或いは予め平均細孔断面積が連続的に減少するように成形されているものでもよい。更に本発明の単球及び/又はマクロファージ選択除去フィルター装置においては、被処理対象細胞浮遊液によっては、多孔質フィルターの上流にマイクロアグリゲート等による多孔質フィルターの目詰まりを防ぐため、平均細孔断面積が500〜5000μm のプレフィルターを設けることもできる。
本発明の単球及び/又はマクロファージ選択除去フィルター装置はオートクレーブ等の熱滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、γ線滅菌、電子線滅菌等の放射線滅菌、紫外線滅菌など、公知の任意の方法によって滅菌された後に実用に供せられる。
【0013】
【実施例】
以下に、具体例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径12μm、平均細1断面積265μm2 、嵩密度0.2g/cm3 )シートをフィルター部厚みが1.8cmになるように中空円筒状に巻き、これを両端に液体の入口及び出口を有する2.0cmφ×15cmの中空状容器に充填した。フィルターの最内周部と最外周部にはメッシュ状の支持体を設けてフィルター部を固定した。
遠心分離器及び比重遠心法により分離、採取した単核球浮遊液を、カルシウムイオン、マグネシウムイオン不含HBSSにより希釈し、1.0×108 個/20mlに調整した。この単核球浮遊液を検体として用いた。
この単核球浮遊液20mlをペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。
装置に導入する前と後の単球数は公知のフローサイトメトリー法で、抗CD14抗体を標識として測定した。この時の単球除去率は98.1%であった。この時の他の細胞の除去率は、CD3陽性細胞が30%、CD34陽性細胞が50%であった。
【0014】
【比較例1】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径42μm、平均細孔断面積620μm2 、嵩密度0.2g/cm3 )シートを実施例1と同様のフィルター装置に組み立てた。
実施例1と同様の被処理液単核球浮遊液を20ml、ペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。
装置に導入する前と後の単球数は公知のフローサイトメトリー法で、抗CD14抗体を標識として測定した。この時の単球除去率は23.2%であった。この時の他の細胞の除去率は、CD3陽性細胞が10%、CD34陽性細胞が5%であった。
【0015】
【実施例2】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径19μm、平均細孔断面積326μm2 、嵩密度0.2g/cm3 )シートをフィルター部厚みが1.8cmになるように中空円筒状に巻き、これを両端に液体の入口及び出口を有する2.0cmφ×5cmの中空状容器に充填した。フィルターの最内周部と最外周部にはメッシュ状の支持体を設けてフィルター部を固定した。
遠心分離器及び比重遠心法により分離、採取した単核球浮遊液を、カルシウムイオン、マグネシウムイオン不含HBSSにより希釈し、1.5×108 個/20mlに調整した。この単核球浮遊液を検体として用いた。
この単核球浮遊液20mlをペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。
装置に導入する前と後の単球数は公知のフローサイトメトリー法で、抗CD14抗体を標識として測定した。この時の単球除去率は89.2%であった。この時の他の細胞の除去率は、CD3陽性細胞が20%、CD34陽性細胞が20%であった。
【0016】
【実施例3】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径12μm、平均細孔断面積265μm2 、嵩密度0.1g/cm3 )シートをフィルター部厚みが3.3cmになるように中空円筒状に巻き、更にその外側にポリエチレンテレフタレートからなる別の不織布(平均繊維直径19μm、平均細孔断面積326μm2 、嵩密度0.1g/cm3 )シートをフィルター部厚みが3.0cmになるように巻きつけたフィルター材を、両端に液体の入口及び出口を有する6.5cmφ×15cmの円筒状容器に充填した。フィルターの最内周部と最外周部にはメッシュ状の支持体を設けてフィルター部を固定した。
ACD−A液を8:1の比で加えた牛血液2000mlを、ペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。白血球の回収率は70%であった。
このときの白血球分画は、公知のメイギムザ細胞染色法で染色し、細胞を100個識別し、フィルター装置カラム前後の細胞分率と白血球の回収率よりそれぞれの細胞の回収率を求めた。この時の単球除去率は75.1%であった。また、他の細胞の除去率は、リンパ球25%、顆粒球35%であった。
【0017】
【比較例2】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径2.3μm、平均細孔断面積1.8μm2 、嵩密度0.1g/cm3 )シートをフィルター部厚みが3.3cmになるように中空円筒状に巻き、更にその外側にポリエチレンテレフタレートからなる別の不織布(平均繊維直径19μm、平均細孔断面積326μm2 、嵩密度0.1g/cm3 )シートをフィルター部厚みが3.0cmになるように巻きつけたフィルター材を、両端に液体の入口及び出口を有する6.5cmφ×15cmの円筒状容器に充填した。フィルターの最内周部と最外周部にはメッシュ状の支持体を設けてフィルター部を固定した。
実施例3と同様の被処理液を、ペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。白血球の回収率は10%、単球除去率は95.1%であった。また、他の細胞の回収率は、リンパ球83%、顆粒球95%であった。
【0018】
【実施例4】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径15μm、平均細孔断面積350μm2 、嵩密度0.1g/cm3 )シートをフィルター部厚みが1.5cmになるように対向位置に液の入口、出口を有する4.5cm×4.5cmの四角形の扁平容器に充填した。
ACD−A液を8:1の比で加えた牛血液20mlを、ペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。白血球の回収率は70%であった。
このときの白血球分画は、公知のメイギムザ細胞染色法で染色し、細胞を100個識別し、フィルター装置カラム前後の細胞分率と白血球の回収率よりそれぞれの細胞の回収率を求めた。この時の単球除去率は77.1%であった。また、他の細胞の除去率は、リンパ球21%、顆粒球41%であった。
【0019】
【比較例3】
ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(平均繊維直径40μm、平均細孔断面積3162μm2 、嵩密度0.1g/cm3 )シートを用いて実施例4と同様のフィルター装置を作製した。
ACD−A液を8:1の比で加えた牛血液20mlを、ペリスタポンプを用いて流速5ml/分で上記フィルター装置の入口側に送液して装置出口から処理後の液を回収した。白血球の回収率は95%であった。
このときの白血球分画は、公知のメイギムザ細胞染色法で染色し、細胞を100個識別し、フィルター装置カラム前後の細胞分率と白血球の回収率よりそれぞれの細胞の回収率を求めた。この時の単球除去率は5%であった。また、他の細胞の回収率は、リンパ球90%、顆粒球96%であった。
【0020】
【発明の効果】
本発明の単球及び/又はマクロファージ選択除去フィルター装置は、末梢血幹細胞移植時の単球除去用、骨髄移植時の単球除去用、輸血用及び炎症性疾患患者血からの単球の除去等に好適であり、単に被処理細胞浮遊液を該装置に通すのみの極めて簡単な操作で単球が優先的に除去される。

Claims (1)

  1. 平均細孔断面積が265μm350μm であり、かつ平均繊維径 が10μmを超え20μm以下の不織布である多孔質フィルターを、液体の入口及び出口を有する容器に0.05g/cm 0.5g/cm の嵩密度で充填したことを特徴とする、細胞浮遊液中の単球及び/又は単球由来のマクロファージ選択除去フィルター装置。
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