JP3812541B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、温風と冷風との風量割合を調節して車室内に吹き出す空調風の温度を調節する、エアミックス方式の車両用空調装置がある(例えば、特許文献1参照)。図12は、上記空調装置と類似の空調装置であり、空調ケース21に開口するフェイス吹出口21aに向けて略直線上に延びる冷風通路23と、冷風通路23に温風を合流させる温風通路24とを備えている。また、冷風通路23内にて回動可能に配置され、フェイス吹出口21aを開閉するモードドア28を備えている。
【0003】
そして、冷風通路23内のうち温風通路24からの温風が合流するエアミックスチャンバ部23aとモードドア28とを、冷風通路23の延びる方向(図12の上下方向)に並べて配置している。
【0004】
【特許文献1】
特許第2970490号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、エアミックスチャンバ部23aとモードドア28とを、冷風通路23の延びる方向に並べて配置すると、冷風通路23の延びる方向に空調装置1が大型化してしまう。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、空調装置の所定方向への小型化を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調風を車室内に向けて吹き出す吹出口(21a)が形成された空調ケース(21)と、空調ケース(21)内に形成され、吹出口(21a)に向けて略直線状に延びる第1空気通路(23)と、空調ケース(21)内に形成され、第1空気通路(23)に空気を合流させる第2空気通路(24)と、第1空気通路(23)内にて回動可能に配置され、吹出口(21a)を開閉するモードドア(28)とを備える車両用空調装置において、
第1空気通路(23)内のうち第2空気通路(24)からの空気が合流するエアミックスチャンバ部(23a)とモードドア(28)とを、第1空気通路(23)の延びる方向に対して略垂直の方向に並べて配置し、
更に、モードドア(28)の下流側に吹出口(21a)とは別の開口部(21b)に向かって空気が流れる吹出空気通路を形成するとともに、
この吹出空気通路を第2空気通路(24)に対して前記略垂直の方向に並べて配置し、
この吹出空気通路と第2空気通路(24)との間を仕切り壁(26c)により仕切ることを特徴とする。
【0008】
これにより、エアミックスチャンバ部(23a)とモードドア(28)とを第1空気通路(23)の延びる方向に並べて配置する場合に比べて、第1空気通路(23)の延びる方向に空調ケース(21)を小型化でき、ひいては、当該方向への空調装置の小型化を図ることができる。
また、別の開口部(21b)に向かう吹出空気通路を第2空気通路(24)に対して前記略垂直の方向に並べて配置することによっても、空調装置の小型化に貢献できる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、第2空気通路は、温風を流通させる温風通路(24)であり、第1空気通路は、冷風を流通させる冷風通路(23)であり、吹出口は、車両乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出口(21a)であり、別の開口部は車両乗員の足元に向けて温風を吹き出すフット開口部(21b)であることを特徴としている。このようなレイアウトの空調装置に請求項1に記載の発明を採用して好適である。
【0010】
請求項3に記載の発明では、温風通路(24)内には、空気を加熱する暖房用熱交換器(25)が通路断面全域に亘って配置されており、暖房用熱交換器(25)のうち略垂直の方向の幅寸法範囲内に、エアミックスチャンバ部(23a)とモードドア(28)とを並べて配置したことを特徴とする。
【0011】
これにより、エアミックスチャンバ部(23a)とモードドア(28)とを上記略垂直の方向に並べて配置しつつも、上記略垂直の方向に空調ケース(21)が大型化してしまうことを抑制でき、好適である。
【0012】
請求項4に記載の発明では、空調ケース(21)には、フット開口部(21b)に向けて温風を吹き出すフット吹出口(23b)が形成されており、モードドア(28)は、フェイス吹出口(21a)およびフット吹出口(23b)を切替開閉するようになっていることを特徴とするので、フット吹出口(23b)を切替開閉する専用のドアをモードドア(28)とは別に設ける場合に比べて、ドアの数を減らすことができ、好適である。
【0013】
ところで、請求項1ないし4のいずれか1つの発明の一実施形態として、第1空気通路(23)内のうち、エアミックスチャンバ部(23a)と前記モードドア(28)とが並ぶ方向の一方の側にエアミックスチャンバ部(23a)を寄せて配置し、他方の側にモードドア(28)を寄せて配置することが挙げられる。しかしながら、このような配置では、吹出口(21a)の中心位置が、第1空気通路(23)を流通する空気のうちエアミックスチャンバ部(23a)の空気流れ下流における主流の向きからずれた位置となってしまい、吹出口(21a)から空調風を吹き出すときの圧力損失が大きくなってしまう。
【0014】
これに対し、請求項5に記載の発明では、エアミックスチャンバ部(23a)をモードドア(28)の両側に並べて配置したことを特徴とするので、吹出口(21a)の中心位置を上述の主流の向きに一致させることを容易にできる。よって、吹出口(21a)から空調風を吹き出すときの圧力損失の低減を図ることができる。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る車両用空調装置の室内ユニット部1を示す斜視図であり、図2は図1の縦断面図である。室内ユニット部1は車室内前部の計器盤(図示せず)内側において車両幅(左右)方向の略中央部に配置される。その際、室内ユニット部1は車両の上下前後左右方向に対して図1の矢印のように搭載される。なお、図2は、車両左右方向に対して垂直な面を示す断面図であり、後述する空調ケース21のうちの最も右側の部位における断面を示している。
【0018】
図1および図2に示すように、室内ユニット部1は、大別して、送風機ユニット10と空調ユニット20とに分けられ、車室内前部の計器盤周辺に搭載される。両ユニット10、20は車両前後方向に並べて配置され、送風機ユニット10は空調ユニット20の車両前方側に配置されている。
【0019】
送風機ユニット10は、電動モータ11により回転駆動される遠心式送風ファン12をスクロール状の樹脂製ファンケーシング13内に収容して構成されている。送風ファンの回転軸14は車両幅方向に向いているので、遠心式送風ファン12の吸入口(図示せず)は室内ユニット部10の車両幅方向の片側(本実施形態では車両左側)の側面部に位置する。
【0020】
そして、この吸入口部に図示しない内外気切替箱が接続され、この内外気切替箱を通して吸入される内気(車室内空気)または外気(車室外空気)を送風ファンにより送風する。送風された空気は車両前方から後方に向かって矢印f1に示すように流れ、空調ユニット20に導入される。
【0021】
空調ユニット20は空気通路を形成する空調ケース21を備え、空調ケース21内には冷凍サイクルの蒸発器(冷房用熱交換器)22が配置されている。蒸発器22は全体として薄型矩形状に形成されているもので、図示しない偏平状のチューブおよびこのチューブ相互の間に接合されたコルゲートフィンからなる熱交換用コア部を備えている。
【0022】
当該コア部のコア面22aは、車両左右方向に対して略平行となるように配置されている。また、当該コア面22aは空気通路断面全域に亘って配置されている。よって、送風機ユニット10から送風された空気f1の全てが、蒸発器22の熱交換用コア部のチューブとコルゲートフィンとの間隙部を通過して冷却されて冷風となる。
【0023】
空調ケース21の上部には、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出口21aが形成されている。フェイス吹出口21aは、蒸発器22のコア面22aの直上に位置している。そして、空調ケース21内には、蒸発器22のコア面22aからフェイス吹出口21aまで冷風を流通させる冷風通路(第1空気通路)23が形成されている。冷風通路23は上下方向に略直線状に延びるように形成され、最大冷房運転時の空調ケース21内における冷風の圧力損失を最小限にすることを図っている。
【0024】
因みに、車両用の空調装置では、最大暖房時の暖房能力よりも最大冷房時の冷房能力を優先して設計することが望まれる。すなわち、空調ケース21内における最大暖房時の温風圧力損失よりも最大冷房時の冷風圧力損失を低減することを優先させることが望まれる。そこで、本実施形態においても、冷風通路23を略直線状に延びるように形成している。
【0025】
なお、フェイス吹出口21aには図示しない分岐ダクトが接続され、当該分岐ダクトにより、計器盤に設けられたデフロスタ吹出グリルおよびフェイス吹出グリルに空調風が導かれる。デフロスタ吹出グリルはフロントウインドシールドに向けて空調風を吹き出し、フェイス吹出グリルは乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すものである。
【0026】
また、空調ケース21内には、蒸発器22を通過した冷風を冷風通路23から分岐させ、再び冷風通路23に空気を合流させる温風通路(第2空気通路)24が形成されている。当該温風通路24は、冷風通路23の車両前方側に開口する分岐口24aから、冷風通路23のうち分岐口24aの上方部分に開口する合流口24bにいたるまでの空気通路を形成し、下方から上方に向けて車両前方側に凸となるUターン状に空気を流通させるものである。
【0027】
従って、蒸発器22を通過した冷風は矢印f2、f3に示すように分岐され、冷風f2は、冷風通路23内をフェイス吹出口21aに向けて上下方向に直線的に流通する。一方、冷風f3は、温風通路24内を矢印f4に示すようにUターン状に流通して冷風通路23内に再び流入し、冷風f2と合流する。
【0028】
温風通路24内には、ヒータコア(暖房用熱交換器)25が配置されている。ヒータコア25も全体として薄型矩形状に形成されているもので、車両エンジンからの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱するもので、図示しない偏平状のチューブおよびこのチューブ相互の間に接合されたコルゲートフィンからなる熱交換用コア部を備えている。
【0029】
当該コア部のコア面25aは、車両左右方向に対して略平行となるように配置されている。また、当該コア面25aは温風通路24断面全域に亘って配置されている。よって、温風通路24に分岐された冷風f3の全てが、ヒータコア25の熱交換用コア部のチューブとコルゲートフィンとの間隙部を通過して加熱されて温風f4となる。
【0030】
ヒータコア25を通過した温風f4は、ガイド壁26bに衝突して上述のようにUターン状に流通して合流部24bに導かれる。ここで、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図、図5は図3のC−C断面図、図6は図3のD−D断面図であり、これらの図3〜図6に示すように、ヒータコア25を通過した温風f4のうち車両左右方向左側に分布する温風f4aは、略水平に拡がるガイド壁26aに衝突して車両左右方向右側に案内された後、合流口24bに導かれる。
【0031】
一方、温風f4のうち車両左右方向右側に分布する温風f4bは、図2に示すようにヒータコア25を通過後そのままUターン状に流通して合流口24bに導かれる。
【0032】
ここで、冷風通路23内には、分岐口24aを開閉することにより温風通路24を開閉するとともに冷風通路23を開閉するエアミックスドア27が設けられている。
【0033】
エアミックスドア27は、空調ケース21に回転可能に支持された回転軸27aと、回転軸27aと一体的に回動する板ドア部27bとから構成されている。また、エアミックスドア27は、回転軸27aが車両左右方向に延びるように配置されている。また、回転軸27aが分岐口24aの上方に位置するように配置されている。
【0034】
このエアミックスドア27の回動により、冷風通路23を流通する冷風f2の風量と、温風通路24を流通する温風f4との風量割合を調節するようになっている。
【0035】
冷風通路23内のうち、温風通路24からの温風f4が合流する部分(合流口24b近傍部分)には、図2〜図5中の一点鎖線に示すエアミックスチャンバ部23aが形成されている。このエアミックスチャンバ部23aにて、冷風通路23の冷風f2と温風通路24の温風f4とが混合し、所望の温度の空調風となる。
【0036】
冷風通路23のうちエアミックスチャンバ部23aの空気流れ下流部分には、乗員の足元へ向けて温風を吹き出すフット吹出口23bが開口している。図6に示すように、フット吹出口23bはガイド壁26aの上方に位置し、かつ、混合口24bと水平方向に並んで配置されている。本実施形態では、混合口24bの車両左側にフット吹出口23bを配置している。
【0037】
そして、フット吹出口23bに流入した温風は、空調ケース21のうち車両前方側の面に開口するフット開口部21bに流入し、図示しないフットダクトにより乗員の足元まで導かれるようになっている。
【0038】
なお、空調ケース21内のうちフット吹出口23bからフット開口部21bまでの空気通路と温風通路24とは、図3〜5に示すように、仕切壁26cにより仕切られている。
【0039】
冷風通路23内には、フット吹出口23bとフェイス吹出口21aとを切替開閉するモードドア28が配置されている。モードドア28は、空調ケース21に回転可能に支持された回転軸28aと、回転軸28aと一体的に回動する板ドア部28bとから構成されている。また、モードドア28は、回転軸28aが車両左右方向に延びるように配置されている。また、回転軸28aがエアミックスチャンバ部23aの上方に位置するように配置されている。
【0040】
そして、モードドア28の板ドア部28bとエアミックスチャンバ部23aとは、冷風通路23の延びる方向(本実施形態では上下方向)に対して略垂直の方向(本実施形態では車両左右方向)に並べて配置されている。
【0041】
また、ヒータコア25のうち上記略垂直の方向の幅寸法範囲(図3および図4中の符号Lに示す範囲)内に、エアミックスチャンバ部23aとモードドア28とを並べて配置している。
【0042】
なお、本実施形態では、冷風通路23のうち上記略垂直の方向の幅寸法と、ヒータコア25のうち上記略垂直の方向の幅寸法とが、略同一となるように構成されている。
【0043】
図1ないし図6では、モードドア28が、フット吹出口23bおよびフェイス吹出口21aをともに開ける位置に回動した状態を示している。よって、エアミックスチャンバ部23bにて混合した空調風は分岐して、フット吹出口23bおよびフェイス吹出口21aに向けて流通する。
【0044】
空調風のうちフット吹出口23bに向かう空調風は、モードドア28の板ドア部28bに案内されて、矢印f5に示すように、車両後方側に凸となるUターン状に車両右側から左側に向けて流通してフット吹出口23bに流入する。一方、空調風のうちフェイス吹出口21aに向かう空調風は、矢印f6に示すように、エアミックスチャンバ部23bから車両後方かつ上方に向けて流れた後フェイス吹出口21aに流入する。
【0045】
また、冷風通路23を下方から上方に直線的に流通した冷風f2は、以下に説明する第1冷風f2a、第2冷風f2b、第3冷風f2cの流れに分岐する。第1冷風f2aは、図4、図5に示すように、上述したエアミックスチャンバ部23bに向けて流通して温風f4と混合する。
【0046】
第2冷風f2bは、図3、図4、図6に示すように、モードドア28に案内されてモードドア28に対してフット吹出口23bの側に流通して、フット吹出口23bに流入する。そして、エアミックスチャンバ部23aからフット吹出口23に流入する空調風f5と混合する。
【0047】
第3冷風f2cは、図3〜図6に示すように、モードドア28に対してフット吹出口23bの側に流通してフェイス吹出口21aに流入する。そして、エアミックスチャンバ部23aからフェイス吹出口21aフット吹出口23に流入する空調風f6と混合する。
【0048】
なお、エアミックスドア27およびモードドア28の回転軸27a、28aは、図示しないリンク機構を介して操作機構に連結されて駆動される。当該整操作機構は、サーボモータを用いたオート機構で構成しても、乗員の手動操作力によるマニュアル機構のいずれでもよい。
【0049】
次に、上記構成に基いて本第1実施形態の作動を説明する。
【0050】
空調装置の作動スイッチ(図示せず)が投入されて、送風機ユニット10の送風ファン12が回転すると、内外気切替箱(図示せず)から吸入された空気(内気または外気)は、空調ユニット20に流入し、蒸発器22を通過して冷却される。そして、蒸発器22により冷却された冷風は、エアミックスドア27の開度(回動位置)に従って、温風通路24へ流入してヒータコア25により加熱される温風f4と、ヒータコア25をバイパスして冷風通路23を上方に流通する冷風f2とに振り分けられる。そして、温風通路12を流通した温風f4と冷風通路23を流通した冷風f2とが、エアミックスチャンバ部23aにて混合して所定温度の空調風となる。
【0051】
この所定温度の空調風は、モードドア28により選択された吹出口、すなわち、フェイス吹出口21aおよびフット吹出口23bの少なくとも一方に流入して、車室内へ吹き出される。
【0052】
すなわち、フェイスモード時には、モードドア28がフット吹出口23bを全閉し、フェイス吹出口21aを全開する位置に操作されて、フェイス吹出口21a、分岐ダクト、フェイス吹出グリルを通して車室内乗員の上半身側へ冷風を吹き出す。
【0053】
また、フットモード時には、モードドア28がフット吹出口23bを全開し、フェイス吹出口21aを全閉する位置に操作されて、フット吹出口23b、フット開口部21b、フットダクトを通して乗員足元側へ温風を吹き出す。
【0054】
また、バイレベルモード時には、モードドア28がフット吹出口23bとフェイス吹出口21aの両方を開口する中間位置(図1〜図6の実線位置)に操作されて、上述したようにフェイス吹出口21aとフット吹出口23bの両方を通して、車室内乗員の上半身側および足元側へ空調風を吹き出す。
【0055】
以上により、本実施形態によれば、モードドア28の板ドア部28bとエアミックスチャンバ部23aとは、冷風通路23の延びる方向(本実施形態では上下方向)に対して略垂直の方向(本実施形態では車両左右方向)に並べて配置しているので、エアミックスチャンバ部23aとモードドア28とを冷風通路23の延びる方向に並べて配置する場合に比べて、冷風通路23の延びる方向に空調ケース21を小型化でき、ひいては、当該方向への室内ユニット部1の小型化を図ることができる。
【0056】
因みに、室内ユニット部1の車両への搭載レイアウトによっては、冷風通路23の延びる方向への室内ユニット部1の小型化が望まれる場合がある。このような場合に、本実施形態を採用して好適である。
【0057】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、エアミックスチャンバ部23aをモードドア28の片側に並べて配置しているのに対し、本実施形態では、エアミックスチャンバ部23aをモードドア28の両側に並べて配置している。
【0058】
なお、上記第1実施形態では、送風機ユニット10および空調ユニット20を、計器盤内側のうち車両左右方向略中央部分にて前後方向に並べて配置しているが、本実施形態では、計器盤内側のうち車両左右方向略中央部分に空調ユニット20を配置し、送風機ユニット10を空調ユニット20に対して助手席側にオフセットするように配置している。
【0059】
図7は、本実施形態に係る車両用空調装置の室内ユニット部1の縦断面図であり、図8は図7のE−E断面図、図9は図7のF−F断面図、図10は図8のG−G断面図、図11は図8のH−H断面図であり、以下、これらの図7〜図11を用いて本実施形態の具体的構成を説明する。なお、説明しない部分の構成については上記第1実施形態の構成と同じである。
【0060】
温風通路24は、ヒータコア25の空気流れ下流側にて、後述の下部通路24U、右部通路24R、左部通路24Lを有する形状に形成され、合流口24bは図9に示すように断面コの字形状に形成される。コの字を構成する下部分に合流する通路を下部通路24U、右部分に合流する通路を右部通路24R、左部分に合流する通路を左部通路24Lと呼ぶ。下部通路24Uはガイド壁26aに沿って車両前後方向に延びる。右部通路24Rは仕切壁26cの車両右側に沿って車両前後方向に延びる。左部通路24Lは仕切壁26cの車両左側にて車両前後方向に延びる。
【0061】
そして、ヒータコア25を通過した温風f4のうち車両左右方向左側に分布する温風f4Lは、仕切壁26cに案内されながら左部通路24Lを流通して合流口24bに導かれる。ヒータコア25を通過した温風f4のうち車両左右方向右側に分布する温風f4Rは、仕切壁26cに案内されながら右部通路24Rを流通して合流口24bに導かれる。ヒータコア25を通過した温風f4のうち車両左右方向中央に分布する温風f4Uは、ガイド壁26aに案内されながら下部通路24Uを流通して合流口24bに導かれる。
【0062】
合流口24bが上述のように断面コの字形状に形成されることにともなって、エアミックスチャンバ部23aも図9に示すように断面コの字形状に形成される。従って、冷風通路23の延びる方向(本実施形態では上下方向)に対して略垂直の方向(本実施形態では車両左右方向)において、モードドア28の板ドア部28bの両側にエアミックスチャンバ部23aが並べて配置されることとなる。
【0063】
また、エアミックスチャンバ部23aにて、冷風通路23の冷風f2と温風通路24の温風f4とが混合して得られた所望の温度の空調風は、分岐して、フット吹出口23bおよびフェイス吹出口21aに向けて流通する。
【0064】
空調風のうちフット吹出口23bに向かう空調風は、モードドア28の板ドア部28bに案内されて、矢印f5L、f5R、f5Uに示すように、車両後方側に凸となるUターン状に流通してフット吹出口23bに流入する。
【0065】
一方、空調風のうちフェイス吹出口21aに向かう空調風は、矢印f6L、f6R、f6Uに示すように、エアミックスチャンバ部23bから車両後方かつ上方に向けて流れた後フェイス吹出口21aに流入する。
【0066】
また、冷風通路23を下方から上方に直線的に流通した冷風f2のうち上記第1実施形態で説明した第1冷風f2aおよび第2冷風f2bは、上述したエアミックスチャンバ部23bに向けて流通して温風f4と混合する。
【0067】
第3冷風f2cは、図3〜図6に示すように、モードドア28に対してフット吹出口23bの側に流通してフェイス吹出口21aに流入する。そして、エアミックスチャンバ部23aからフェイス吹出口21aフット吹出口23に流入する空調風f6L、f6R、f6Uと混合する。
【0068】
なお、本実施形態では、空調ケース21のうちフット吹出口23bの下流側にデフロスタ吹出口21cを形成しており、デフロスタ吹出口21cとフット開口部21bとを切替開閉するデフロスタドア29が備えられている。当該デフロスタドア29は、空調ケース21に回転可能に支持された回転軸29aと、回転軸29aと一体的に回動する板ドア部29bとから構成されている。
【0069】
以上により、本実施形態によれば、エアミックスチャンバ部23aをモードドア28の両側に並べて配置するので、フェイス吹出口21aの中心位置(図9中の符号Pに示す位置)を、冷風通路23を流通する冷風のうちエアミックスチャンバ部23aの空気流れ下流における主流の向きに一致させることを容易にできる。よって、フェイス吹出口21aから冷風を吹き出すときの圧力損失の低減を図ることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、モードドア28の左右両側に位置する右部通路24Rおよび左部通路24Lにおけるエアミックスチャンバ部23aに加え、下方側にも下部通路24Uにおけるエアミックスチャンバ部23aが存在するが、モードドア28の両側にエアミックスチャンバ部23aを有するため、下方のエアミックスチャンバ部23aを小さくすることができる。よって、第1実施形態の効果と同様に、冷風通路23の延びる方向に空調ケース21を小型化できる。
【0071】
(他の実施形態)
上記第1および第2実施形態では、第1空気通路23の直線的に延びる方向が上下方向であったが、本発明の第1空気通路23の直線的に延びる方向は上下方向に限られるものではなく、例えば車両左右方向、前後方向等の水平方向であってもよい。
【0072】
また、本発明は、冷房用熱交換器22が略水平に配置された空調装置にも適用できるし、冷房用熱交換器22が略垂直に配置された空調装置にも適用できる。また、暖房用熱交換器25が略水平に配置された空調装置にも適用できるし、暖房用熱交換器25が略水平に配置された空調装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の室内ユニット部を示す斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】図3のC−C断面図である。
【図6】図3のD−D断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両用空調装置の室内ユニット部の縦断面図である。
【図8】図7のE−E断面図である。
【図9】図7のF−F断面図である。
【図10】図8のG−G断面図である。
【図11】図8のH−H断面図である。
【図12】従来の車両用空調装置の室内ユニット部を示す斜視図である。
【符号の説明】
21…空調ケース、21a…フェイス吹出口、
23…冷風通路(第1空気通路)、23a…エアミックスチャンバ部、
24…温風通路(第2空気通路)、28…モードドア。
Claims (5)
- 空調風を車室内に向けて吹き出す吹出口(21a)が形成された空調ケース(21)と、
前記空調ケース(21)内に形成され、前記吹出口(21a)に向けて略直線状に延びる第1空気通路(23)と、
前記空調ケース(21)内に形成され、前記第1空気通路(23)に空気を合流させる第2空気通路(24)と、
前記第1空気通路(23)内にて回動可能に配置され、前記吹出口(21a)を開閉するモードドア(28)とを備える車両用空調装置において、
前記第1空気通路(23)内のうち前記第2空気通路(24)からの空気が合流するエアミックスチャンバ部(23a)と前記モードドア(28)とを、前記第1空気通路(23)の延びる方向に対して略垂直の方向に並べて配置し、
更に、前記モードドア(28)の下流側に前記吹出口(21a)とは別の開口部(21b)に向かって空気が流れる吹出空気通路を形成するとともに、
前記吹出空気通路を前記第2空気通路(24)に対して前記略垂直の方向に並べて配置し、
前記吹出空気通路と前記第2空気通路(24)との間を仕切り壁(26c)により仕切ることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記第2空気通路は、温風を流通させる温風通路(24)であり、
前記第1空気通路は、冷風を流通させる冷風通路(23)であり、
前記吹出口は、車両乗員の上半身に向けて前記冷風を吹き出すフェイス吹出口(21a)であり、
前記別の開口部は車両乗員の足元に向けて前記温風を吹き出すフット開口部(21b)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記温風通路(24)内には、空気を加熱する暖房用熱交換器(25)が通路断面全域に亘って配置されており、
前記暖房用熱交換器(25)のうち前記略垂直の方向の幅寸法範囲内に、前記エアミックスチャンバ部(23a)と前記モードドア(28)とを並べて配置したことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。 - 前記空調ケース(21)には、前記フット開口部(21b)に向けて前記温風を吹き出すフット吹出口(23b)が形成されており、
前記モードドア(28)は、前記フェイス吹出口(21a)および前記フット吹出口(23b)を切替開閉するようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用空調装置。 - 前記エアミックスチャンバ部(23a)を前記モードドア(28)の両側に並べて配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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