JP3812218B2 - インクジェットインキ - Google Patents
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Description
【産業上の技術分野】
本発明は、耐光性および密着性の優れたインクジェットインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス、金属、プラスチックス等へのマーキング方法として、可変情報を容易に印字できるインクジェット方式が汎用されている。
このようなインキとしては、油性の染料および塩酢ビ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等をメチルエチルケトン、アルコール等の溶剤に溶解したものが使用されている。
しかしながら、染料を用いたインキは、耐光性が十分でなく屋外等の耐光性を必要とする用途には不適であった。
そこで耐光性を必要とする用途においては、耐光性の強い顔料の使用が考えられている。
また、プラスチックフィルムにおいても、ポリオレフィン系フィルム、フッ素樹脂フィルム等においては、十分な密着性を得ることは困難である。そこで、これらのフィルムには、コロナ放電処理等の表面処理を行い、密着性の向上が図られている。
しかしながら、それでも塩酢ビ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等による樹脂を用いたインキでは密着性が十分得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来接着力が不十分で印字が困難とされてきた基材に対しても十分な密着性を有するインクジェットインキを得ることを目的として開発したものであり、表面処理をしたポリオレフィンフィルム、表面処理をしたフッ素樹脂フィルム、塩ビフィルム、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、金属、ガラス等の非浸透性の材料に対して十分な密着性を得ることのできるインクジェットインキに関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、顔料、下記式(1)又は式(2)で示される脂環式ポリオールとカプロラクタム重縮合物とジイソシアネートとから導かれるポリウレタン樹脂および揮発性有機溶剤からなることを特徴とするインクジェットインキに関する。
【化2】
(式中、x、y、n、mは、それぞれ1〜10の整数を示す。)
【0009】
本発明において顔料は、無機顔料、有機顔料が使用できる。無機顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄、コバルトブルー等がある。有機顔料としては、キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、縮合アゾ系、イソインドリン系、ジケトピロロピロール系等がある。有機顔料は上記のように耐光性の良好なものが好ましいが、耐光性を特に必要としない用途においては、上記の顔料に制限を受けない。
【0010】
有機顔料の具体例としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトー ルレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系、チオインジゴ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット、ジケトピロロピロール等がある。
【0011】
顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、151、153、154、181、166、168、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I. ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー 15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
【0012】
これらの顔料の平均粒径としては、0.3μm以下が好ましく、10〜300nmの範囲とし、最大粒径が1μ以下となるようにして分散する。平均粒径が0.3μmよりも大きいとインキの分散の安定性が悪く、沈降物の発生が多くなり、特に最大粒径が1μ以上になるとこの沈降が著しい。また、平均粒径が10nm以下では、粒径が細かすぎ、耐光性においての劣化を生じ安くなる場合が有る。
【0013】
本発明の顔料は、微細な顔料粒子であるが、インクジェットインキとするには、さらに加える顔料分散剤とともに分散機による分散を行い安定な分散液とすることが好ましい。
このような顔料は画像の十分な濃度および記録後の十分な耐光性を得るため、インクジェットインキ中に0.5〜10重量%含むことが望ましい。
【0014】
本発明のポリウレタン樹脂は、非浸透性の材料に対して、良好な密着性を有するものであり、特に、ポリオレフィン系フィルム、フッ素樹脂フィルム等の密着性の得られにくい材料に対しても、通常の表面処理を施すことで、強固な密着性が得られる。
【0015】
本発明のポリウレタン樹脂のポリオール成分である脂環式ポリオールは、1,6−ヘキサンジオール、ジメチル−1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどの分子中に脂環式構造を含むポリオールであり、特に一般式(1)または一般式(2)で示される脂環式ポリオールが好ましい。
【0016】
本発明のポリウレタン樹脂は、脂環式ポリオールとジイソシアネートとの反応により得られたイソシアネート末端ウレタンプレポリマーに反応停止剤を加えて合成されるものであるか、脂環式ポリオールと下記のようなカプロラクタムの誘導体から構成される重縮合物と混合物にジイソシアネートを反応させたイソシアネート末端ウレタンプレポリマーに反応停止剤を加えて合成されるものであることが好ましい。
【0017】
ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の有機ジイソシアネートを例示できる。
【0018】
ポリオールとして脂環式ポリオール以外のポリオールを使用することができる。これらのポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ポリオキシエチレン、プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等がある。
【0019】
また、アジピン酸、琥珀酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の2塩基酸、これらのエステルもしくは酸ハライド、線状のポリエステルポリオール、ジオール等のε−カプロラクタム、α−メチル−ε−カプロラクタム、バレロラクタム等を付加重合させたポリカプロラクタムジオール、ポリバレロラクタムジオール、さらに、ジオールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキサイド等の付加重合によるポリエーテルポリオール、ジオールとジアリルカーボネート、ジアルキルカーボネート等の縮合によるポリカーボネートジオール等も一部用いることができる。
【0020】
しかしながら、カプロラクタムから誘導される重縮合物をポリオールの一部とし、脂環式ポリオールとともに使用すると密着性の良好なインキが得られる。
カプロラクタムの重縮合物としては、カプロラクタム・ラウリルラクタム・ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸・セバシン酸重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンジアミン・セバシン酸・トリメチルヘキサメチレンジアミン重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンジアミン・トリメシン酸重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンアジバミド・ヘキサメチレンセバカミド・ラウリルラクタム重縮合物、カプロラクタム・ポリオキシエチレンビスプロピルアジパミド重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンアジパミド重縮合物、カプロラクタム・アジピン酸・ヘキサメチレンジアミン・トリメチルヘキサメチレンジアミン重縮合物、カプロラクタム・ポリエチレングリコールジアンモニウムアジペート・ヘキサメチレンジアミン・イソフタル酸塩重縮合物、カプロラクタム・ポリエチレングリコールジアンモニムアジペート・ヘキサメチレンジアミン・セバシン酸塩重縮合物、カプロラクタム・ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸・5−ナトリウムスルホイソフタル酸・イソフタル酸重縮合物、カプロラクタム・N−エチルピペラジンアジパミド重縮合物が例示できる。
【0021】
イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーの製造は、溶剤の存在下または不存在下で、ジイソシアネートのイソシアネート基とポリオールのヒドロキシル基が1<NCO/OH<2の条件を満たすように原料を仕込むことによって行われる。
【0022】
本発明にて、ポリウレタンプレポリマーの連鎖停止剤としては、モノアミンまたは一価のアルコールを用いることができる。モノアミンとしては、ジブチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン等が例示できる。一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等を例示できる。
【0023】
本発明におけるポリウレタン樹脂としては、重量平均分子量において10000〜100000のものが使用でき、溶解性およびインキとしたときの適度な粘度調整および密着性においては、35000〜55000の重量平均分子量が良好である。上記よりも分子量が大きいと、粘度の調整および吐出時の安定性が得られにくくなり、上記よりも分子量が小さいと密着性、耐擦過性等において十分な性能が得られ難くなる。
【0024】
本発明のポリウレタン樹脂は、良好な密着性を得ることができるが、顔料の安定した分散を行うための分散剤としてもその効果を有している。
ポリウレタン樹脂は、そのもの単独においても良好な密着性を有するが、必要に応じ、さらに他の樹脂をもちいることができる。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩酢ビ樹脂、ニトロセルロース、セルロースエステル、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の溶解に使用する有機溶剤は、樹脂の溶解性および基材への十分な濡れおよび適度な乾燥性を有するように選択する。
【0025】
有機溶剤としては、アセトン、メチエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジオキサン、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0026】
本発明のポリウレタン樹脂は、分散性を良好とする樹脂であるが、さらに分散性の向上をはかるため顔料分散剤を用いることもできる。
このような顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合体、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物塩、特殊芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等であり、具体的には、BYK Chemie社製のAnti−Terra−U、Anti−Terra−203/204、Disperbyk−101、107、110、130、161、162、163、164、165、166、170、400、Bykumen、BYK−P104、P105、P104S、240S、Lactimon、Efka CHEMICALS社製の、エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766、エフカポリマー100、150、400、401、402、403、450、451、452、453、745、共栄社化学社製、フローレン TG−710、フローノンSH−290、SP−1000、ポリフローNo.50E、No・300 楠本化成社製、ディスパロン KS−860、873SN、874、#2150、#7004、花王社製、デモールRN、N、MS、C、SN−B、EP、ホモゲノールL−18、エマルゲン920、930、931、935、950、985、アセタミン24、86、ゼネカ社製、Solsperse17000、24000、13940、13240、日光ケミカル社製、ニッコールT106、MYS−IEX、Hexagline 4a−U、等の商品を例示することができる。
【0027】
また、上記顔料分散剤とともに、あるいは上記顔料分散剤を用いずに、分散性を向上させるため、下記一般式(A)で示される顔料分散剤を使用することができる。
一般式(A) P−〔X−Y−Z−N(R1 )R 2 〕p
(但し、式中、Pは有機色素残基、複素環残基または芳香族多環残基を表し、、Xは直接結合またはS、C、N、O、Hから選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合理的な組合せからなる2価の結合基を表し、Yは直接結合、−NR−(但し,RはHまたは炭素数1〜18のアルキル基)または−O−を表し、Zは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R1 、R 2はそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基を表し(R1 、R 2とが一体となって環を形成してもよい。)、pは1〜3の整数を示す)
【0028】
一般式(A)におけるPは、アゾ系、フタロシアニン、キナクリドン、ベンズイミダゾール、アントラキノン系、ペリレン、ペリノン、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリノン、キノフタロン、トリフェニルメタン、ナフタレン、アントラセン、アクリドン等の骨格がある。
【0029】
なお、有機顔料と顔料分散剤(A)におけるPは、通常色相の関係から同一の系のものが組み合わされ、特に青色顔料に対してはフタロシアニン系残基、赤色顔料に対してはキナクリドン系残基、黄色顔料に対してはベンズイミダゾール系残基のものを組み合わせることが好ましい。
一般式(A)中、Xを構成する2価の結合基は、−SO2 −、−CO−、−CH2 −、−O−、−COO−、−NH−、−CH2 S−、−CH2 NHCOCH2 −等がある。
【0030】
顔料分散剤の量はインキ中に0.1〜10重量部を配合することが好ましい。
本発明のインクジェットインキは、インキを造る際の分散については、サンドミル等の通常の分散機で分散することができ、顔料の微細化に多大な分散時間、過剰な分散エネルギーを必要としないため、インキ成分の分散時の変質を招きにくい。したがって、安定したインキの組成が形成される。
【0031】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例】
以下実施例に基づいて説明する。例中の部は、重量部を示す。
合成例1
脂環式ポリオール(一般式(1)においてx、y、mがそれぞれ7、nが5の化合物)24重量部にイソホロンジイソシアネート66部を加えて、加熱反応を行ったのち、カプロラクタム重縮合物(カプロラクタム・ポリエチレングリコールジアンモニウムアジペート・ヘキサメチレンジアミンイソフタル酸塩およびヘキサメチレンジアミンセバシン酸塩重縮合物)177.5部を加えてさらに加熱反応させる。この反応物をジブチルアミンおよびジエチルアミノプロピルアミンの酢酸エチルおよびイソプロピルアルコール溶液中に滴下して反応させ、加熱熟成してウレタン樹脂を取り出す。
合成例2〜5
表1に記載されたジイソシアネートおよび脂環式ポリオール、カプロラクタム重縮合物を反応させ、反応停止剤よる調整をおこないポリウレタン樹脂を製造した。
【0032】
【表1】
【0033】
A:一般式(1)においてx、y、mがそれぞれ7、nが5の化合物
B:一般式(2)においてx、y、mがそれぞれ7、nが5の化合物
a:カプロラクタム・ポリエチレングリコールジアンモニウムアジペート・ヘキサメチレンジアミンイソフタル酸塩およびヘキサメチレンジアミンセバシン酸塩重縮合物
b:カプロラクタム・ポリオキシエチレンビスプロピルアジパミド重縮合物
c:カプロラクタム・ポリエチレングリコールジアミンアジパミド・ヘキサメチレンイソフタラミド重縮合物
【0034】
顔料の調整
P1 粗製銅フタロシアニン(東洋インキ製造社製 銅フタロシアニン):250部、塩化ナトリウム:2500部、青色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(CH2 )4 CH3 )2 〕3 、Pは銅フタロシアニン残基)25部およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、3時間混練した。つぎにこの混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌しスラリー状とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、その後、スプレードライをして乾燥した顔料分散剤処理顔料を得た。
【0035】
P2 赤顔料(ヘキスト社製 ポスターパーム ピンクE):250部、塩化ナトリウム:2500部およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、3時間混練した。つぎにこの混合物を2.5リットルの温水に投入し80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状た後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除き処理顔料を得た。
【0036】
P3 黄色顔料(ヘキスト社製 ポーパーム エロー H3G):250部、塩化ナトリウム:2500部およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、3時間混練した。つぎにこの混合物を2.5リットルの温水に投入し80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状た後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、その後、スプレードライをして乾燥した処理顔料を得た。
【0037】
P4 赤顔料(ヘキスト社製 ポスターパーム ピンクE):250部、塩化ナトリウム:2500部、赤色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(CH2 )4 N(CH3 )2 〕3 、Pはキナクリドン残基)10部およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をステンレス製1ガロンニーダーにし込み、3時間混練した。つぎにこの混合物を2.5リットルの温水に投入し80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除き顔料分散剤処理顔料を得た。
【0038】
インキの製造
表2の条件にてサンドミルによる分散を行い、分散後、3μのメンブランフィルターで濾過し、インキを製造した。
【0039】
【表2】
【0040】
得られたインキについて下記項目の試験を行った。結果を表3に示した。
[濾過性]一定時間内に直径90mmの1μおよび3.0μのメンブランルターにて濾過できた量。
[粘度]B型粘度計を用いて25℃にて測定した。
[平均粒径]レーザー回折方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−1000」)で測定した。
[印字状態]この記録液をウィレット社製のプリンタ(PLUS707タイプ)にて、表面処理フッ素樹脂フィルムに印字を行った。記録物の印字状態を目視評価した。
[噴射特性]連続印字中のノズルの噴射状態を印字物によって評価した。
良:所定位置に正確に連続印字できている。
不良:連続印字したにも関わらず、途中に欠損を生じたり、所定位置に印 れていない。
[透明性]インクジェット用OHPシートに1・5ミルのアプリケーターに ンキを展色したした時の透明性を目視にて評価した。
[密着性]表面処理フッ素樹脂フィルムの印字面にセロハンテープを張りつけ、ひきはがしたときの密着状態で評価した。
[耐光性]フェードメーターによる600時間後のΔE ○ 10以下
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】
本発明のインクジェットインキは、表面処理フッ素樹脂フィルムのような密着性の得られにくい被印刷体であっても良好な密着性を得ることができる。また、書類の作成、ダンボールのマーキング、ナンバリング等の分野でも利用することができる。
また、本発明のインクジェットインキはヘッドでのインキの吐出安定性および再溶解性にも優れる。したがって、染料よりも耐光性のよい記録物となる。
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