JP3811121B2 - タイヤ空気圧監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ空気圧監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車(車両)のユーザにとって、始業点検の際、エンジンオイルやラジエータ冷却液の残量などは目視によって外部から容易に確認することができるが、タイヤの空気圧が適正か否かは外部から確認することが困難である。
【0003】
その意図から従来より、車両のタイヤに空気圧センサや送信アンテナなどを含むセンサユニットを取りつけ、タイヤ空気圧を示す出力を送信させると共に、車両の適宜位置に受信アンテナを含む監視ユニットを設けて前記出力を受信し、検出タイヤ空気圧が所定の空気圧を下回るとき、警告灯を点灯してユーザに報知するようにしたタイヤ空気圧監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、タイヤ空気圧の検出手法としては、上記の他、特許文献2で提案されるようにABS(Antilock Brake System)用の車輪速センサの出力から推定することも良く知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000─142043号公報(段落0009から0013、図1など)
【特許文献2】
特開平6−92114号公報(段落0021など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
タイヤに適正空気圧(推奨空気圧)を上回る過剰な空気が充填されると、車両が急旋回を行なったときなどに操縦安定性が低下する恐れがある。このため、タイヤに過剰な空気が充填されて適正空気圧を上回った場合、ユーザにその事実を報知し、タイヤ空気圧の調整を促すことが望ましい。しかしながら、上記した従来技術にあっては、いずれもタイヤ空気圧の低下を監視するに止まっていたため、改良の余地を残していた。
【0007】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、タイヤに適正空気圧(推奨空気圧)を上回る過剰な空気が充填されていることをユーザに報知できるようにしたタイヤ空気圧監視装置を提供することにある。
【0008】
ところで、長期間保管されていたタイヤを装着して車両を走行させると、タイヤに荷重が加わることによってホイールのビードシートとタイヤのビードが隙間無く嵌合され、タイヤの内部容積が増大して空気圧が低下することがある。このため、車両の製造過程(タイヤの保管時)において、タイヤ空気圧は、車両に装着した後のタイヤ空気圧の低下を見込むと共に、タイヤの型崩れを防止するため、適正空気圧より高い値に意図的に設定される。従って、タイヤに適正空気圧を上回る過剰な空気が充填されているか否かを監視した場合、意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧に関する不要な報知が発せられる恐れがある。
【0009】
また、意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧は、車両が完成した後(工場から出荷された後)、ユーザに引き渡される(納車される)前にディーラなどで適正空気圧に調整されるため、その調整作業が実施されたか否か容易に確認できることが望ましい。
【0010】
従って、この発明のさらなる目的は、車両の製造過程で意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧に関する不要な報知を防止すると共に、ユーザに引き渡される(納車される)前にタイヤ空気圧が適正空気圧に調整されたか否か容易に確認できるようにしたタイヤ空気監視装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、請求項1項において、車両に装着されたタイヤの空気圧を空気圧センサで検出し、検出値が適正空気圧より低い値に設定された第1の所定空気圧を下回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する低圧側空気圧監視手段を備えたタイヤ空気圧監視装置において、前記空気圧センサの検出値が、前記適正空気圧より高い値に設定された第2の所定空気圧を上回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する高圧側空気圧監視手段を備えると共に、前記高圧側空気圧監視手段の動作を、前記車両が製造された後、前記タイヤ空気圧が前記適正空気圧に調整されるまでの間、停止させるように構成した。
【0012】
タイヤに装着された空気圧センサの検出値が適正空気圧より低い値に設定された第1の所定空気圧を下回るとき、タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する低圧側空気圧監視手段に加え、前記空気圧センサの検出値が前記適正空気圧より高い値に設定された第2の所定空気圧を上回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する高圧側空気圧監視手段を備えるように構成したので、タイヤに適正空気圧(推奨空気圧)を上回る過剰な空気が充填されていることをユーザに報知することができる。
【0014】
また、高圧側空気圧監視手段の動作を、車両が製造された後、タイヤ空気圧が適正空気圧に調整されるまでの間、停止させる、即ち、タイヤ空気圧が適正空気圧を上回っていてもその事実を報知しないように構成したので、車両の製造過程で意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧に関する不要な報知を防止することができる。
【0015】
また、請求項2項にあっては、前記高圧側空気圧監視手段の動作が停止されていることを報知する報知手段を備えるように構成した。
【0016】
請求項1項で記載した如く、高圧側空気圧監視手段の動作は、車両が製造された後、タイヤ空気圧が適正空気圧に調整されるまでの間停止される、換言すれば、タイヤ空気圧が適正空気圧に調整されるとその動作が開始されるので、高圧側空気圧監視手段の動作が停止されていることを報知する報知手段を設けることで、車両がユーザに引き渡される(納車される)前にタイヤ空気圧が適正空気圧に調整されたか否か容易に確認することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1はその一つの実施の形態に係るタイヤ空気圧監視装置を全体的に示す概略説明図である。
【0019】
符号10はそのタイヤ空気圧監視装置を示し、タイヤ空気圧監視装置10は、車両12に装着された符号14で総称する4個のタイヤのそれぞれに配置された、符号16で総称する4個のセンサユニットと、車両12の室内の適宜位置に搭載される1個の監視ユニット20を備える。尚、4個のタイヤ14およびそれに対応するセンサユニットは、具体的には、図示の如く、前右側FRを14FRあるいは16FR、後右側RRを14RRあるいは16RR、前左側FLを14FLあるいは16FL、後左側RLを14RLあるいは16RLで示す。
【0020】
図2はセンサユニット16の構造を示す説明断面図である。
【0021】
図示の如く、センサユニット16は、金属製のホイールディスク(リム)14aに装着された空気注入用のバルブ14bと一体的に構成される。ホイールディスク14aとバルブ14bの間にはグロメット(ブッシュ)14b1が介挿され、バルブ14bのステム14b2の外周に突出して形成されるフランジ部14b3と、ナット14b4(およびワッシャ14b5)でグロメット14b1を挟持することにより、バルブ14bは図示位置に固定される。バルブ14bは、ホイールディスク14aの内部側において拡大され、そこにセンサユニット16の本体16aが接続される。尚、符号14b6はキャップを、14b7は空気充填用のバルブコアを示す。
【0022】
図3は、センサユニット16の本体16aの構成を詳細に示すブロック図である。
【0023】
センサユニット16の本体16aは、CPU22と、ホイールディスク14aの内部の空気圧、即ち、タイヤ空気圧を示す出力を生じる圧力センサ(空気圧センサ)24と、その部位の温度(タイヤの内部温度)を示す出力を生じる温度センサ26を備える。センサ24,26の出力は、A/D変換回路(図示せず)を介してデジタル値に変換され、CPU22に入力される。尚、CPU22および圧力センサ24などの構成部品は、1枚の回路基板28の上に一体的に搭載されてワンチップ化される。
【0024】
また、本体16aには、電源(リチウム電池)30が配置されてCPU22の動作電源として機能する。また、本体16aには送信アンテナ32と受信アンテナ34が設けられて圧力センサ24と温度センサ26の出力を監視ユニット20に送信する一方、監視ユニット20からの送信を受信する。
【0025】
図3では図示は省略するが、電源30とCPU22の間の電源回路の適宜位置には電圧センサが設けられ、電源30の出力電圧に応じた信号を出力する。電圧センサの出力もA/D変換され、CPU22に入力される。
【0026】
図1の説明に戻ると、監視ユニット20は、車室内の適宜位置に配置されてハウジング20a内に収容された本体20b(図1で図示省略)と、タイヤ14のそれぞれの付近に配置されてハウジング内に収容された、符号40で総称する4個の受信アンテナと、符号42で総称する4個の送信アンテナを備える。即ち、監視ユニット20は、タイヤ14FRから14RLに対応して配置された受信アンテナ40FRから40RLと、送信アンテナ42FRから42RLを備える。受信アンテナ40と送信アンテナ42は、同軸ケーブル44を介してハウジング20a内の本体20bに接続される。
【0027】
さらに、監視ユニット20は、車両12の運転席のダッシュボードに配置されたインディケータ46を備える。インディケータ46と監視ユニット20のハウジング20a内の本体20bは、ハーネス48を介して接続される。
【0028】
図4は、監視ユニット20の本体20bなどの構成を詳細に示す説明ブロック図である。
【0029】
図示の如く、監視ユニット20の本体20bは、CPU52を備える。CPU52も、センサユニット16の本体16aと同様、1枚の回路基板54の上に搭載されてワンチップ化される。CPU52は、前記した受信アンテナ40を介してセンサユニット16からのデータを受信すると共に、送信アンテナ42を介して後述するようにデータを送信する。
【0030】
インディケータ46は、第1、第2の警告灯46a,46bと、5個の表示パネル46c,46d,46e,46f,46gを備える。インディケータ46は、前記したように、本体20bに接続、より詳しくはそのCPU52に接続される。
【0031】
ここで、CPU52の動作電源について説明すると、図示の如く、監視ユニット20において、インディケータ46は車両12に搭載された車載バッテリ電源56にイグニション・スイッチ58を介して接続され、ユーザがイグニション・スイッチ58をオンしたとき、通電されて動作(表示)電源を供給される。
【0032】
それに対し、監視ユニット20において、CPU52は、車載バッテリ電源56と独立に設けられた第2のバッテリ電源60に定電源回路62を介して接続される。前記したように、センサユニット16の電源30はリチウム電池であることから、センサユニット16はタイヤ空気圧などを示す出力を、イグニション・スイッチ58がオフ、即ち、車両12のエンジン(図示せず)が停止されるときも検出(測定)して送信すると共に、監視ユニット20も常時その送信を受信して後述するようにタイヤ空気圧などが適正か否か判定する。
【0033】
さらに、インディケータ46は、CPU52から第1、第2の警告灯46a,46bや表示パネル46cなどの点灯指示信号が出力されたときは、その出力は信号線481を介してスイッチング回路64に送られてスイッチング回路64をオンして車載バッテリ電源56から動作電源を供給される。即ち、インディケータ46は、CPU52においてタイヤ空気圧などが不適正と判定されたときは、イグニッション・スイッチ58のオン・オフの如何に関わらず点灯されるため、ユーザは容易に始業点検を行なうことができる。尚、インディケータ46に動作電源が供給されると、その信号が信号線482(および図示しない遅延回路)を介してCPU52に入力され、CPU52は遅延時間後にインディケータ46の起動を認識する。
【0034】
図5は、CPU52のタイヤ空気圧などの検出・送信動作を示すタイム・チャートである。
【0035】
同図(a)は、タイヤ空気圧が適正な状態(適正か否かの判断については後述する)のときのタイム・チャートである。
【0036】
タイヤ空気圧が適正な場合にあっては、センサユニット16においてCPU22は測定周期(例えば7.0sec)ごとにセンサ出力をA/D変換して入力する(読み込む)と共に、送信周期(例えば4.0minから8.0min)ごとに入力値(検出値)を監視ユニット20に接続された受信アンテナ40へ送信する。尚、送信周期は4個のセンサユニット16ごとに僅かずつずらされる。
【0037】
尚、センサユニット16の送信アンテナ32から監視ユニット20に接続された受信アンテナ40を介してのデータ送信は、周波数は315MHzで行われる。また、後述するように、監視ユニット20の送信アンテナ42からセンサユニット16の受信アンテナ34を介してのデータ送信も、同一の周波数で行われる。
【0038】
また、センサユニット16からの送信データは、図6に示すように、IDパルス列(後述)、およびその他の圧力センサ出力(デジタル変換値)、温度センサ出力(デジタル変換値)および電圧センサ出力(デジタル変換値)を示すパルス列の順で結合された、例えば56ビットの信号(IDパルス列が32ビット、圧力センサ出力、温度センサ出力および電圧センサ出力を示すパルス列がそれぞれ8ビット)を1単位として構成される。
【0039】
IDパルス列は同図の下部に示すように、4個のセンサユニット16が対応する、1セット分(4個)のタイヤ14のそれぞれに個別に添付されるバーコードからなる。即ち、バーコードは、車両12を工場から出荷するとき、前記した14FLなどの4個のタイヤごとに別々に付与されると共に、車両12が異なるときは別々に付与される。従って、1つのバーコード(IDパルス列)は、対象となる車両群の中のある一つのタイヤを特定する。
【0040】
監視ユニット20にあってCPU52は、4個のタイヤ14のいずれかの検出タイヤ空気圧が不適正であると判断されるとき、インディケータ46の第1の警告灯46aなどを点灯すると共に、送信アンテナ42および受信アンテナ34を介してセンサユニット16に送信周期切り換え信号を出力する。CPU52は、そのとき、前記したIDパルス列を付して送信する。
【0041】
従って、そのIDパルス列で特定されるセンサユニット16FRから16RLのいずれかにおいて、該当するCPU22は送信周期切り換え信号が自己宛ての指令であることを認識し、送信周期を切り換える。
【0042】
さらに、ユーザが車両12を購入した後、タイヤ14のローテーションを実施することもあり得ることから、監視ユニット20においてCPU52は、センサユニット16の送信アンテナ32から送信され、監視ユニット20に接続された受信アンテナ40で受信される4個の送信データの中、受信強度(電波強度)が最も高いものを、対応するタイヤのセンサユニット16からの送信データと判別する。
【0043】
受信アンテナ40FRを例にとって具体的に説明する。今、前述の図1に示す如く、受信アンテナ40FRに最も近いタイヤが14FRである場合、送信間隔ごとに順次送信される4個のタイヤについての送信データの中、受信アンテナ40FRの受信強度が最も高いのはセンサユニット16FRからの信号であるから、CPU52は、センサユニット16FRからの送信データを車両の右前輪FRの情報と判別する。
【0044】
他方、タイヤ14のローテーションを実施した結果、受信アンテナ40FRに最も近いタイヤが14RLとなり、よって受信アンテナ40FRに最も近いセンサユニットが16RLになったとすると、受信アンテナ40FRは、センサユニット16RLからの送信データの受信強度が最も高くなる。CPU52は、その最も受信強度が高いセンサユニット16RLからの送信データを車両の右前輪の情報と判別し、CPU52に書き込まれている車両の右前輪を示すIDパルスを、センサユニット16FRのものからセンサユニット16RLのものに置き換える。
【0045】
図5の説明に戻ると、同図(b)はタイヤ空気圧が不適正な状態にある場合のタイム・チャートである。
【0046】
その場合にあっては、監視ユニット20は、前記したように、送信周期切り換え信号を出力する。従って、センサユニット16は同一の測定周期(例えば7.0sec)ごとにセンサ出力をA/D変換して読み込むと共に、送信周期切り換え信号に応じて送信周期を短縮、例えば7.0secとする。
【0047】
これは、センサユニット16の電源30の蓄電容量が限られていることから、タイヤ空気圧などが適正な状態にある限り、送信周期を長くして電源電圧の消耗を可能な限り回避すると共に、タイヤ空気圧が適正な状態にないと判断されたときは、監視頻度を上げて速やかに報知することが望ましいためである。
【0048】
図7は、監視ユニット20、より正確にはそのCPU52の動作を機能的に示す説明ブロック図である。
【0049】
CPU52は、センサユニット16から送信アンテナ32を介して送信された、4個のタイヤ14についての空気圧を示す信号を受信アンテナ40を介して入力し、低圧側比較ブロック52aで入力値(圧力センサ24の検出値。以下「検出タイヤ空気圧」という)を第1の所定空気圧と比較する。第1の所定空気圧としては、推奨空気圧(Recommended Cold Pressure 。車両12が放置されてタイヤ14が冷却しきったときの適正空気圧で、車種により予め設定される値)を0.8倍して得た値、即ち、推奨空気圧(適正空気圧)より低い値を使用する。
【0050】
CPU52は、低圧側比較ブロック52aにおいて4個のタイヤの1つまたは2以上に関する検出タイヤ空気圧が第1の所定空気圧を下回っていると判断されるとき、そのタイヤが空気圧不足(不適正)と判定し、点灯指示信号(報知指示信号)をインディケータ46に出力し、第1の警告灯46aを点灯させると共に、アンテナ42,34を介してセンサユニット16に前記した送信周期切り換え信号を出力する。
【0051】
他方、低圧側比較ブロック52aにおいて4個のタイヤの全ての空気圧が第1の所定空気圧以上と判断されるときは、高圧側比較動作停止判定ブロック52bに進む。
【0052】
高圧側比較動作停止判定ブロック52bは、タイヤ14に過剰な空気が充填されているか否かの判定動作を停止すべきか否か判定する(具体的な判定動作については後述する)。CPU52は、高圧側比較動作停止判定ブロック52bで高圧側比較動作を停止すべきと判定されるとき、点滅指示信号をインディケータ46に出力し、第1の警告灯46aを点滅させる。他方、高圧側比較動作停止判定ブロック52bにおいて高圧側比較動作を実行すべきと判定されるときは、高圧側比較ブロック52cに進む。
【0053】
高圧側比較ブロック52cは、検出タイヤ空気圧が第2の所定空気圧を上回っているか否か判断する。第2の所定空気圧としては、推奨空気圧を1.3倍して得た値、即ち、推奨空気圧(適正空気圧)より高い値を使用する。
【0054】
CPU52は、高圧側比較ブロック52cで検出タイヤ空気圧が第2の所定空気圧を上回っていると判断されるとき、そのタイヤが空気圧過剰(不適正)と判定し、同様に点灯指示信号を出力し、第1の警告灯46aを点灯させると共に、アンテナ42,34を介してセンサユニット16に送信周期切り換え信号を出力する。
【0055】
他方、高圧側比較ブロック52cで検出タイヤ空気圧が第2の所定空気圧以下であると判断されるとき、即ち、検出タイヤ空気圧が第1の所定空気圧以上であると共に、第2の所定空気圧以下であると判断されるときは、そのタイヤの空気圧が適正であると判定し、消灯指示信号を出力して第1の警告灯46aを消灯させる。
【0056】
このように、検出タイヤ空気圧が推奨空気圧(適正空気圧)より高い値に設定された第2の所定空気圧を上回るとき、タイヤ空気圧が不適正と判定して報知するようにしたので、タイヤ空気圧の低下のみならず、タイヤに適正空気圧(推奨空気圧)を上回る過剰な空気が充填されていることをユーザに報知することができる。
【0057】
図7ブロック図の説明を続けると、CPU52はさらに、センサユニット16からアンテナ32,40を介して送信された、4個のタイヤ14についてのホイールディスク14a内の温度、即ち、タイヤの内部温度を示す温度センサ26の出力を入力し、温度比較ブロック52dで入力値(以下「検出内部温度」という)を所定温度(例えば80℃)と比較する。
【0058】
CPU52は、温度比較ブロック52dにおいて4個のタイヤの1つまたは2以上の検出内部温度が所定温度以上と判断されるときは点灯指示信号を出力し、第1の警告灯46aを点灯させると共に、検出内部温度が所定温度未満と判断されるときは消灯信号を出力し、第1の警告灯46aを消灯させる。
【0059】
ここで、CPU52は点灯指示信号を出力して第1の警告灯46aを点灯させるとき、前記したIDパルス列に従って表示パネル46cに図示される車両図形の4個のタイヤの中の対応するものを表示させる。表示パネル46cは、タイヤ14が空気圧過剰、空気圧不足、または内部温度過上昇のいずれの状態にあるかをユーザが把握できるように、タイヤ14の状態に応じて点灯する色や点滅の仕方が相違させられる。尚、表示パネル46cの点灯色や点滅の仕方を相違させるのに代え、タイヤ14の状態を文言で表示しても良い。
【0060】
さらに、CPU52は、センサユニット16からアンテナ32,40を介して送信された電源30の出力電圧を示す電圧センサの出力を入力し、電圧比較ブロック52eで入力値(以下「検出電圧」という)を所定電圧(例えば1.8V)と比較する。
【0061】
CPU52は、電圧比較ブロック52eにおいて検出電圧が所定電圧未満と判断されるときは点灯指示信号を出力し、第2の警告灯46bを点灯させると共に、検出電圧が所定電圧以上と判断されるときは消灯指示信号を出力し、第2の警告灯46bを消灯させる。
【0062】
次いで、図8を参照して前記した高圧側比較動作停止判定ブロック52bの判定動作について説明する。図8は、前記した高圧側比較動作停止判定ブロック52bの判定動作を示すフロー・チャートである。
【0063】
以下説明すると、先ず、S10において、イグニション・スイッチ58がオンされているか否か判断する。
【0064】
S10で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、S10で肯定されるときはS12に進み、検出タイヤ空気圧が前記した第2の所定空気圧より大きい状態が1輪でも継続しているか否か判断する。換言すれば、車両の製造過程においてタイヤの型崩れなどを防止するために、タイヤ空気圧を推奨空気圧(適正空気圧)より意図的に高くした状態が継続しているか否か判断する。
【0065】
S12で肯定されるときは、次いでS14に進み、高圧側比較動作停止と判定して前記した高圧側比較ブロック52cの動作を停止させると共に、S16に進み、第1の警告灯46aに点滅指示信号を出力して第1の警告灯46aを点滅させ、高圧側比較ブロック52cの動作が停止されていることを報知する。他方、S12で否定されるときは、次いでS18に進み、高圧側比較ブロック52cの動作を実行させる。
【0066】
前述したように、保管されていたタイヤを装着して車両を走行させると、タイヤに荷重が加わることによってホイールのビードシートとタイヤのビードが隙間無く嵌合され、タイヤの内部容積が増大して空気圧が低下することがある。このため、車両の製造過程(タイヤの保管時)においてタイヤ空気圧は、車両に装着した後のタイヤ空気圧の低下を見込むと共に、タイヤの型崩れを防止するため、推奨空気圧より意図的に高い値(例えば、推奨空気圧が2.0から2.2kg/cm2のとき、2.9から3.0kg/cm2程度)に設定される。尚、車両の製造過程において意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧は、車両が製造された後(工場から出荷された後)、納車前にディーラなどで推奨空気圧に調整される。
【0067】
そこで、この実施の形態にあっては、車両が製造された後、ユーザに引き渡される(納車される)前にディーラなどでタイヤ空気圧が推奨空気圧(適正空気圧)に調整されるまでの間、高圧側比較ブロック52cの動作を停止させる、即ち、タイヤ空気圧が推奨空気圧を上回っていてもその事実を報知しないようにした。これにより、車両の製造過程で意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧に関する不要な報知を防止することができる。
【0068】
また、高圧側比較ブロック52cの動作は、車両が製造された後、タイヤ空気圧が推奨空気圧に調整されるまでの間停止される、換言すれば、タイヤ空気圧が推奨空気圧に調整されるとその動作が開始されるので、高圧側比較ブロック52cの動作が停止されていることを第1の警告灯46aを点滅させて報知する(即ち、第1の警告灯46aが点滅していれば、タイヤ空気圧が推奨空気圧に調整されていないことを示す)ことにより、車両がユーザに引き渡される(納車される)前にタイヤ空気圧が推奨空気圧(適正空気圧)に調整されたか否か容易に確認することができる。
【0069】
上記の如く、この実施の形態にあっては、車両12に装着されたタイヤ14の空気圧を空気圧センサ(圧力センサ24)で検出し、検出値(検出タイヤ空気圧)が適正空気圧(推奨空気圧)より低い値に設定された第1の所定空気圧を下回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する低圧側空気圧監視手段(センサユニット16、監視ユニット20(具体的にはCPU52の中の低圧側比較ブロック52a)、インディケータ46(具体的にはその中の第1の警告灯46a))を備えたタイヤ空気圧監視装置10において、前記空気圧センサの検出値が、前記適正空気圧より高い値に設定された第2の所定空気圧を上回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する高圧側空気圧監視手段(センサユニット16、監視ユニット20(具体的にはCPU52の中の高圧側比較ブロック52c)、インディケータ46(具体的にはその中の第1の警告灯46a))を備えるように構成した。
【0070】
また、前記車両が製造された後、前記タイヤ空気圧が前記適正空気圧に調整されるまでの間、前記高圧側空気圧監視手段の動作を停止させる(監視ユニット20(具体的にはCPU52の中の高圧側比較動作停止判定ブロック52b)、図8のS12,S14)ように構成した。
【0071】
また、前記高圧側空気圧監視手段の動作が停止されていることを報知する報知手段(監視ユニット20(具体的にはCPU52の中の高圧側比較動作停止判定ブロック52b)、インディケータ46(具体的にはその中の第1の警告灯46a)、図8のS16)を備えるように構成した。
【0072】
尚、上記において、点灯指示信号および点滅指示信号をインディケータ46に送出して第1の警告灯46aを点灯あるいは点滅させるようにしたが、リモートキーレスエントリなどの携帯端末器に警告灯を設け、そこに点灯(点滅)指示信号を送出するようにしても良い。
【0073】
また、報知手段として視覚的に報知するインディケータ46を用いたが、音声で報知するスピーカ、ブザーなどを用いても良く、さらには両者を用いても良い。
【0074】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、タイヤに装着された空気圧センサの検出値が適正空気圧より低い値に設定された第1の所定空気圧を下回るとき、タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する低圧側空気圧監視手段に加え、前記空気圧センサの検出値が前記適正空気圧より高い値に設定された第2の所定空気圧を上回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する高圧側空気圧監視手段を備えるように構成したので、タイヤに適正空気圧(推奨空気圧)を上回る過剰な空気が充填されていることをユーザに報知することができる。
【0075】
また、高圧側空気圧監視手段の動作を、車両が製造された後、タイヤ空気圧が適正空気圧に調整されるまでの間、停止させる、即ち、タイヤ空気圧が適正空気圧を上回っていてもその事実を報知しないように構成したので、車両の製造過程で意図的に高い値に設定されたタイヤ空気圧に関する不要な報知を防止することができる。
【0076】
請求項2項にあっては、高圧側空気圧監視手段の動作は車両が製造された後、タイヤ空気圧が適正空気圧に調整されるまでの間停止される、換言すれば、タイヤ空気圧が適正空気圧に調整されるとその動作が開始されることから、高圧側空気圧監視手段の動作が停止されていることを報知する報知手段を設けることで、車両がユーザに引き渡される(納車される)前にタイヤ空気圧が適正空気圧に調整されたか否か容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係るタイヤ空気圧監視装置を全体的に示す概略説明図である。
【図2】図1装置の中のセンサユニットの構造を示す説明断面図である。
【図3】図1装置の中のセンサユニットの本体の構成を詳細に示すブロック図である。
【図4】図1の中の監視ユニットの本体などの構成を詳細に示す説明ブロック図である。
【図5】図2のセンサユニットの検出・送信動作を示すタイム・チャートである。
【図6】図2のセンサユニットの送信データの構成を示す説明図である。
【図7】図4の監視ユニットの本体のCPUの動作を機能的に示す説明ブロック図である。
【図8】図7のCPUの動作の中、高圧側比較動作停止判定ブロックの動作を示すフロー・チャートである。
【符号の説明】
10 タイヤ空気圧監視装置
12 車両
14 タイヤ
16 センサユニット(低圧側空気圧監視手段および高圧側空気圧監視手段)
20 監視ユニット(低圧側空気圧監視手段および高圧側空気圧監視手段)
24 圧力センサ(空気圧センサ)
46 インディケータ(報知手段)
46a 第1の警告灯(報知手段)
52 (監視ユニットの)CPU
52a 低圧側比較ブロック(低圧側空気圧監視手段)
52b 高圧側比較動作停止判定ブロック
52c 高圧側比較ブロック(高圧側空気圧監視手段)
Claims (2)
- 車両に装着されたタイヤの空気圧を空気圧センサで検出し、検出値が適正空気圧より低い値に設定された第1の所定空気圧を下回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する低圧側空気圧監視手段を備えたタイヤ空気圧監視装置において、前記空気圧センサの検出値が、前記適正空気圧より高い値に設定された第2の所定空気圧を上回るとき、前記タイヤ空気圧が不適正と判定して報知する高圧側空気圧監視手段を備えると共に、前記高圧側空気圧監視手段の動作を、前記車両が製造された後、前記タイヤ空気圧が前記適正空気圧に調整されるまでの間、停止させることを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。
- 前記高圧側空気圧監視手段の動作が停止されていることを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1項記載のタイヤ空気圧監視装置。
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