JP3810389B2 - 人体関連圧力測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は人体に関する、舌、舌下筋肉、唇、頬、手、足、肛門などの可動部の機能を診断及びリハビリテーションの目的などで、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力、握力、肛門筋圧などの人体関連圧力の測定を行うために、弾性材料または可撓性材料から形成された中空体をプローブとして使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢者や障害者のQOL(Quality of Life)向上のために、摂食・嚥下機能や、握力などの人体の可動部に関する診断及び維持・回復が求められている。口腔関連機能に関して述べると、摂食・嚥下には舌の動きが深く関与しており、食塊の形成及び咽頭への送り込みには舌圧が必要となるため、舌圧の測定とその解析が重要な意味を持つが、舌圧の測定はほとんど行われていなかった。また、その他にも種々の目的で人体関連圧力を測定することが必要になることが考えられるが、従来はそのような手段はあまり知られていないのが実情である。
【0003】
口腔関連圧力測定の方法として舌圧の測定装置の例があり、これは測定前に予め絞り球により手動にて空気を送り込んで加圧されたバルーンをプローブとして用い、口腔にバルーン挿入して舌で押圧し、バルーンと連通した圧力センサーにおいて、空気圧を検出して電気信号に変換することにより舌圧を検出し、検出された舌圧を多目的コンピュータへ伝送し、舌圧の最大値を前記多目的コンピュータ上で動くプログラムにて判定するように構成されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、疲労度を判定する目的で、口腔にバルーンを挿入して舌で押圧し、所定の圧力に達してから、何分間その圧力を保持したかを計時するために、操作者は舌圧をモニターする数値や発光ダイオードによるレベルインジケーターを目視し、前記所定の圧力に達したことを操作者が確認してから測定装置に付属したタイマーを手動でスタートし、前記モニターする数値が前記所定の圧力値を下回ったときに、操作者は前記タイマースイッチを手動でストップして、圧力保持時間を測定するものもある(非特許文献1参照)。
【0005】
また、圧力導入型ひずみゲージ式圧力変換器を用いて中空体内部の空気圧を電気信号に変換するように構成し、血圧測定などの目的で医療用に使用される圧力検知器をそのまま使用したり、圧力検知部で検出されるバルーン内部の圧力を、モニターに表示したり、デジタルオシロレコーダにより連続的に記録する機能を備えるようにしたものもある(特許文献2参照)。
【特許文献1】
米国特許第5609161号明細書
【特許文献2】
特開2001−275994号公報(図1、図2)
【非特許文献1】
IOPI Northwest社、[online]、
〔平成15年5月検索〕、インターネット<URL:http://www.iopi.info/>
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
バルーンを用いた舌圧の測定では、測定の再現性を得るためにバルーンを所定の圧力に加圧調整する必要があるが、特許文献1明細書に開示された方法では、異なる被験者間でバルーンを交換する毎に、絞り球により手動でバルーンを加圧する必要があり、この作業が煩雑であり、また加圧の正確性と測定に至るまでの作業効率性に劣るという問題がある。また、バルーンの形状や材質を変更し他の人体部位への応用を計るには、そのバルーンに合った適正な圧力に、いちいち圧力設定値が書き込まれた資料などを見ながら前記絞り球により加圧調整しなければならないという煩わしい問題もある。
【0007】
また、圧力測定を行う上で、時々刻々と変化する大気圧の変動は誤差となるため、従来では測定前に測定装置にプローブが接続されていればこれを外すか、または大気圧開放弁を手動で開放し、圧力検出部に大気圧以外の圧力が加わっていないことを確認した上で、ゲージ圧調整用のトリマーを専用工具で調整し大気圧におけるゲージ圧をゼロに補正した後に、絞り球でバルーンを加圧する作業が必要であり、このように測定の準備段階が煩雑で、また前述した手順を忘れて前記圧力検出部に大気圧以外の圧力が加わった状態でゼロ点調整をしてしまうなどのケアレスミスも誘発するという問題もあった。
【0008】
また従来装置においては、測定された圧力表示はバルーンを加圧した圧力と人体にて押圧した圧力を合計した圧力が表示され、人体により押圧した圧力のみを求めるためには、押圧した圧力から押圧しないときの圧力をわざわざ計算機等を用いて減算しなければならないなどの煩わしさがあった。
【0009】
また、中空体内部を自動加圧及び圧力を測定するために従来の血圧測定などの目的で医療用に使用される電子血圧計を使用することも考えられるが、バルーンの形状や材質の変更に対応できないこと、ゲージ圧を自動校正できないこと、測定前にバルーンを自動加圧しても正確に所定の圧力に加圧できないか、または正確に所定の圧力に加圧する機構を付加すれば非常に高価な制御系が必要になってしまうなどの問題があった。
【0010】
また、摂食・嚥下時の嚥下舌圧の変動による舌圧波形の変化は図17(I)に示すようなピークが一つの単峰型、(II)に示すようなピークが2つの2峰型、その他として(III)に示すようなピークが3つ以上の型に大きく分類される。このとき、図18に示すように加齢による舌圧の低下に伴いピーク数が増加する傾向があることが判っており、口腔関連障害・嚥下反射や嚥下の特徴を解析・診断する上で舌圧波形のピーク数またはボトム数を求めることは重要な指標となるが、従来はこのような舌圧波形のピーク数またはボトム数を求める機能を有した装置は無かった。
【0011】
また、口腔関連機能を診断する目的で、口腔に弾性材料または可撓性材料から形成された中空体を挿入して舌で押圧し、被験者の年齢に応じた指標となる圧力に達してから、何分間その圧力を保持したかを計時するために、操作者は舌圧をモニターする数値やレベルインジケーターを目視し、前記指標となる圧力を上回ったことを操作者が確認してから測定装置に付属したタイマーを手動でスタートし、前記モニターする圧力値が前記指標となる圧力値を下回ったときに、操作者は前記タイマースイッチを手動でストップして、圧力保持時間を計時するものがあるが、手動での操作の煩わしさと測定の不正確さが欠点としてある。
【0012】
またリハビリテーションの一環として、弾性材料または可撓性材料から形成された着脱可能な中空体を口にくわえ、または手に持ち、舌または手を動かして押圧と非押圧を繰り返し行う訓練もあるが、訓練の指標や動機付けになるものが無かった。
【0013】
また、口腔関連機能を診断する目的で、口腔に弾性材料または可撓性材料から形成された中空体を挿入して被験者の吸引力を診断するために、被験者の前記中空体の吸引に伴う前記中空体の膨張による前記中空体内部圧力の低下による最小値を測定表示する機能を持ったものが無かった。
【0014】
また、前記中空体を押圧または吸引したときの前記中空体内部の圧力変化率も口腔関連機能を診断する上で重要な指標となるが、前記圧力変化率を測定診断するものが無かった。
【0015】
また従来装置においては、年齢、性別、名前等といった被験者情報から年齢、性別等から階層化された標準値や個々の被験者に毎に設定されたデータから測定結果を自動で解析・診断するものが無かった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、口腔内に挿入可能なバルーンと、加圧エアを発生するエアーポンプと、該バルーンと該加圧エアーポンプとを接続して加圧エアを伝達するチューブと、口腔外において該チューブに接続され、該バルーン内の空気圧を検出する圧力検出手段と、前記バルーン及び該チューブ内を大気に開放する弁手段と、該加圧エアーポンプ及び該弁手段に信号を出力するとともに、所定の時間毎に前記圧力検出手段からの検出圧力値を所定の演算後、その演算圧力値を実測圧力値として出力する演算制御処理手段と、前記演算制御処理手段から出力されるデータを表示する表示手段と、各種データ・パラメータなどを記憶し、前記演算制御処理手段の演算圧力値を記憶する記憶手段と、前記演算制御処理手段に操作 信号を出力する操作手段とを備え、前記演算制御処理手段は、前記操作手段からの所定の操作信号を受けて、前記バルーン及び該チューブ内の圧力が大気圧になるように前記加圧エアーポンプを停止にして且つ前記弁手段を開放するように制御し、次に、前記バルーン及び該チューブ内の圧力が所定の圧力調整値になるように前記エアーポンプを作動させて且つ弁手段を閉塞させるように制御し、前記バルーン内が上記圧力調整値になった後において、次に、前記弁手段を閉塞させた状態のままで前記エアーポンプを停止にするように制御し、この状態において、バルーンの変形による変動する空気圧が該圧力検出手段によって検出され、この検出圧力値と前記圧力調整値とが前記演算制御処理手段にて演算され、その演算して得られた実測圧力値が前記表示手段に表示されることを特徴とする。
【0017】
大気圧の変動による測定誤差を除去するため測定前の人体関連測定装置のゲージ圧補正を自動で行い、測定に至るまでの準備時間を短縮し効率化を計るために、前記演算制御処理手段は前記操作手段の所定の操作に基づいて圧力調整手段(具体的には加圧エアーポンプ及び弁手段)を制御し、前記圧力検出手段の検出部の圧力が大気圧となるように調整し、前記圧力検出手段の検出値が安定化した時点での圧力値を大気圧と自動認識し、このときの圧力を大気圧補正値として前記記憶手段に記憶し、前記中空体すなわちバルーンを加圧後の時系列に検出される検出圧力値と前記大気圧補正値を前記演算制御処理手段により減算して正確なゲージ圧を求め表示することを特徴としている。
【0018】
また、異なる被験者間での前記中空体からなるプローブの交換や、人体の測定部位の違いによる形状や材質の異なる中空体への交換における測定前の前記中空体内部の加圧において、測定の再現性を高め安価な圧力調整手段を用いて人体のみによる押圧した圧力を求めるために、前記演算制御処理手段は前記操作手段の所定の操作に基づいて前記記憶手段に記憶された中空体内部の圧力調整値、または前記操作手段により選択された中空体に関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記中空体内部の圧力調整値をもとに、前記中空体内部の圧力が前記圧力調整値またはその近傍になるように前記圧力調整手段を制御し、調整後の中空体内部の圧力値をオフセット値として前記記憶手段に記憶させ、時系列に検出される検出圧力値と前記オフセット値を前記演算制御処理手段により減算することにより、圧力調整手段による調整誤差が生じても前記中空体内部の調整後の圧力値をゼロとする実測圧力値を測定表示できることを特徴としている。
【0019】
嚥下反射や嚥下の特徴や口腔関連障害を診断する上で重要な指標となる摂食・嚥下時の前記波形データに重畳する所定以上の振幅を持つ波動成分のピークまたはボトム点の数を計数及び確認するために前記演算制御処理手段は、前記波形データの所定の範囲、または前記操作手段の所定の操作により選択された任意の範囲、または所定の演算により求まる範囲における前記波形データに重畳する特徴のある波動成分のピークまたはボトムの数を計数するピークまたはボトム数計数手段を有し、前記表示手段に前記ピークまたはボトム点の数を表示するとともに前記表示された波形のピークまたはボトムの位置を強調表示することを特徴としている。
【0020】
口腔関連機能を診断する上で重要な被験者の年齢や性別などに応じた指標となる舌圧の保持時間の計時を正確かつ自動で行うため、前記人体関連圧力測定装置は時間間隔を計時する時間間隔計時手段を備え、時系列に検出される圧力値が所定の演算により求まる境界圧力値または前記記憶装置に予め記憶された境界圧力値以上あるいは境界圧力値以下に達した後に、前記時間間隔計時手段の計時を開始し、時系列に検出される圧力値が前記境界圧力値未満あるいは前記境界圧力値よりも大きくなった時点で、前記時間間隔計時手段が計時を停止し、前記計時開始から停止までの時間間隔を算出する圧力保持時間算出手段を有することを特徴としている。
【0021】
前記加圧された中空体を被験者は人体の可動部となる口にくわえたり、または手に持ったりして、舌または手を動かす等して押圧と非押圧を繰り返し行うリハビリテーションにおいて、リハビリテーションの指標や動機付けを行うため、前記演算制御処理手段は前記操作手段の所定の操作により上限圧力値及び下限圧力値を算出し、且つ前記記憶手段に記憶させると共に、時系列に検出される圧力値が前記下限圧力値から前記上限圧力値へ変位、または前記上限圧力値から前記下限圧力値へ変位したときの反復回数を計数する反復回数計数手段を有し、なお且つ前記演算制御処理手段は前記表示手段に前記反復回数計数値を表示させると共に、上述の時系列に検出される圧力値の変位または反復回数の計数値に関連付けて、前記人体関連圧力測定装置に内蔵または外部に接続された音・光・振動・映像等の人間の五感に作用する装置を駆動制御し、被験者にリハビリテーションの進行状態などを分かりやすく示すことを特徴としている。
【0022】
被験者情報から前述した測定結果を自動で解析・診断するために、前記演算制御処理手段は前記操作手段の所定の操作により入力された被験者情報(年齢、性別、名前など)を前記表示手段に表示し、前記波形データから算出した最大値、最小値、前記ピークまたはボトム点の数、前記圧力保持時間、前記反復回数計数値等の演算値を、前記記憶装置に記憶された年齢別等の階層別の標準値または、個々の被験者に関連付けされて前記記憶装置に記憶された値と比較判定し、判定結果を前記表示手段に表示することを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る人体関連圧力測定装置を口腔関連機能を測定するために応用した一実施例を示す概略図であり、図2は同実施例の口腔関連圧力測定器5を説明する概略図である。口腔関連圧力測定装置は、被験者1の口腔内に挿入された弾性材料または可撓性材料から成る着脱可能な中空体のバルーン2を含むプローブ3と、このプローブ3と可撓性のチューブ4で連通された口腔関連圧力測定器5からなるものであり、図1に示すように口腔関連圧力測定器5と通信ケーブル6にてオーディオビジュアル機器7やディスプレイ、スピーカ、バイブレーター、パーソナルコンピュータ等を接続または内蔵して使用することもできる。
【0024】
口腔関連圧力測定装器5は、各種演算制御処理を行うマイクロコンピュータ20からなる演算制御処理手段と、バルーン2の変形による空気圧の変動を検出する圧力検出手段30と、発信器51の出力を分周し、中央演算処理装置21に所定の時間毎に割り込み信号を発したり、時間間隔を計時したりするための複数のカウンター52からなる計時手段と、マイクロコンピュータ20に操作信号を与える複数の操作スイッチからなる操作手段60と、圧力値や波形等のデータを表示するLCD(液晶表示装置)等からなる表示手段70と、バルーン2内の空気圧を調整するためのエアーポンプ11及び電磁弁12及びそれらを駆動するためのドライバー13、14からなる圧力調整手段10と、中央演算処理装置21の制御プログラムが記憶されたROM22、演算データ等を一時記憶するためのRAM23、各種制御のためのデータ及びパラメータが記憶されたEEPROM24と被験者情報や波形データを格納するためのEEPROM26からなる記憶手段と、マイクロコンピュータ20に接続された装置の制御及びデータの受け渡しをするための入出力装置29と、パーソナルコンピュータまたはオーディオビジュアル機器7等との双方向通信を行うための通信装置80を備えている。
【0025】
前記圧力検出手段30は、バルーン2の変形による空気圧の変動を可撓性のチューブ4及び口腔関連圧力測定器5内部のチューブ42で連通された圧力センサー33により感知し、圧力センサー33からの電気信号を増幅器32によって増幅すると共に、増幅された信号をアナログ/ディジタルコンバーター31(以下A/Dコンバーターと呼ぶ)によってディジタル信号へ変換させて、マイクロコンピュータ20の入出力装置29に送信する。
【0026】
圧力センサー33、エアーポンプ11、電磁弁12は、可撓性のチューブ42〜44により連通されている。また電磁弁12には大気圧開放された可撓性のチューブ45が接続されており、マイクロコンピュータ20はドライバー37を制御することにより電磁弁12を操作し、前記可撓性のチューブ44、45を連通させて、前記可撓性のチューブ4を通して接続された前記バルーン2に至るまでの圧力を大気圧にしたり、チューブ45からの空気の流れを遮断して、電磁弁12から前記バルーン2に至る連通された空間を気密に保つことができる。
【0027】
口腔関連圧力測定器5の具体的な動作を図3〜図16を用いて以下に説明する。図3は表示手段70に表示される測定画面の1例を示したもの、図6は口腔関連圧力測定装置の主動作を説明する処理フローチャート、図7はスイッチ操作による分岐について説明する処理フローチャートであり、電源投入とともに中央演算処理装置21はROM22の制御プログラムを読み込んで実行を開始する(ステップS100)。タイマー割り込み等を禁止し(ステップS101)、演算等に用いる各種パラメータを初期化する(ステップS102)。次にEEPROM24に記憶されたデータを読み込み各種パラメータへのデータをセットする(ステップS103)。図3に示すような測定画面を表示手段70に表示した後(ステップS104)、タイマー割り込みを有効にし(ステップS105)、割り込み処理があるまで操作手段60となるスイッチの入力を監視する(ステップS200〜S216)。
【0028】
各種パラメータの初期化(ステップS102)において、割り込み処理1のみが有効で割り込みのタイミングは20mSになるように複数のカウンター52の一つを設定している。割り込み処理1の処理過程を次に説明する。割り込み用のカウンター52が20mSを計時すると割り込み処理が発生する(ステップS107)。割り込みカウンターを再び20mSにセットし(ステップS108)、A/Dコンバーター31からのデータをサンプリングし圧力単位kPa(キロパスカル)の圧力値に変換しRAM23に設定されたパラメータQへ代入記憶する(ステップS109)。
【0029】
次に、前記圧力値Qから後述するゲージ圧補正値G及びオフセット値Fを減算した実測圧力値をRAM23にDmaxの数だけ設定されたパラメータP(i)(iは0〜Dmaxの整数値)に割り込み処理1が発生するごとに順次記憶し(ステップS110)、表示手段70の測定画面上の波形表示部Wへ時間軸iの位置における前データ表示を消去し、座標[i,P(i)]へ最新のデーターをプロット表示する(ステップS111)。
【0030】
次に、P(i)のi=0〜Dmaxの間における最大値、及び最小値を比較演算により求め(ステップS112)、前記表示手段70に最大値L10、最小値L11として表示する。ここで、最大値及び最小値は最初の割り込み処理の時点での圧力値を初期値として最大値となるパラメータMAX及び最小値となるパラメータMINに記憶し、割り込み処理1によってデーターサンプリングを行う毎に前記パラメータMAX及びMINと逐次比較することにより、MAXよりも大きければ最大値としてMAXを最新の最大値データとし、MINよりも小さければ最小値としてMINを最新の最小値データーとして更新記憶及び表示しても良い。
【0031】
次に、波形表示部Wの波形データ上に表示されたカーソルCS1、CS2は図7のスイッチ操作のフローチャート上においてカーソルスイッチの操作(ステップS204、S212)により時間軸方向に移動可能であり、時間軸CS1及びCS2の位置における圧力値Ps1、Ps2を測定画面(L7、L8)に表示し、及びCS1、CS2が位置するサンプリング時間Ts1、Ts2より単位時間当たりの圧力変化率(Ps2−Ps1)/(Ts2−Ts1)を算出し測定画面(L9)に表示する(ステップS113)。
【0032】
ここで単位時間当たりの圧力変化率は測定画面に表示されたカーソル位置における波形データを基に算出する方式を述べたが、マイクロコンピュータ20が波形データの記憶領域P(0)〜P(Dmax)までの範囲における予め設定されていた条件により、その条件に基づく圧力変化率を自動で算出表示しても良い。
【0033】
次に、ゲージ圧(=Q−G)、オフセット補正値(=Q−G−F)及びオフセット値(=F)を測定画面(L4〜L6)にそれぞれ表示する(ステップS114)。
【0034】
次に、ステップS118以降について説明する(ステップS115〜S117は後述する)。波形表示の時間軸方向の最大表示数はDmaxであり、iがDmax以上になったかどうかを判定する(ステップS118)。iがDmaxよりも大きくなり表示範囲を超えないよう、再び時間軸ゼロの点から波形をプロット表示するためにi=0(ステップS120)とする。iがDmaxよりも小さければiをインクリメントし(ステップS119)、時間軸プロット位置を進める。
【0035】
次に、被験者情報やプローブ選定・入力や、これらに関連付けされて記憶された標準値や各種パラメータ等の入力及び読み出しについて説明する。図7はスイッチ操作による分岐について説明する処理フローチャートであり、設定スイッチを押したかどうかを判定し(ステップS200)、設定スイッチが押されていれば割り込みを禁止して(ステップS206)、図4に示すような設定画面が表示手段70に表示され、複数のスイッチ操作により被験者情報や各種演算処理に伴う条件設定や各種パラメータの入力・選択及びEEPROM24、26への読み出し及び書き込み記憶が可能となる(ステップS207)。
【0036】
図4の設定画面には、プローブの種類を選択表示するL20、選択されたプローブに関連付けられてEEPROM24に記憶された圧力調整値を表示するL21、被験者名または被験者ナンバーとして入力表示されたL22、被験者の年齢として入力表示されたL23、被験者の性別として選択表示されたL24、前記単位時間当たりの圧力変化率を自動で演算して求めるか、前記カーソル間での圧力変化率を求めるかを選択表示するためのL26、後述するピーク点の計数を波形表示された全範囲で自動で行うか、前記カーソル間で行うかを選択表示するためのL27、前記被験者の年齢(L23)に基づく年齢層及び性別(L24)に関連付けられてEEPROM24に階層記憶された被験者の口腔関連機能を診断する上での基準となる標準値の一覧より前記バルーン2を舌で押圧したときの最大舌圧の標準的な値となる押圧舌圧、及び前記バルーン2を舌を使って吸引したときの標準的な値となる吸引舌圧を読み出し表示されたL28及びL29、後述する圧力保持時間を計時・表示及び診断するために、押圧か吸引を選択表示するためのL30、前記被験者の年齢(L23)に基づく年齢層及び性別(L24)及び前記選定された押圧または吸引に関連付けられてEEPROM24に階層記憶された標準値の一覧から圧力保持時間(L31)、境界圧力値(L32)及び、リハビリテーションを行うための反復回数(L33)が読み出し表示される。
【0037】
図5は上述のEEPROM24に階層記憶された舌圧標準値の一覧の一部を示すもので、この表を用いて具体的に説明すると、年齢45(L23)、性別は男(L24)が入力されると、マイクロコンピュータ20はEEPROM24に階層記憶された図5から40代のCMの行にあるデータを参照し、前記表示手段70へ前述した方法に基づいて図4の設定画面を表示する。
【0038】
前記標準値は被験者個々に合わせた設定値としてEEPROM26に記憶可能であり、標準値を用いるか個々の被験者に合わせた設定値を表示及び各種演算に使用するかは前記操作手段60となる複数のスイッチの一つを操作することで選択可能であり、どちらを選択しているかは設定画面L34に選択表示される。
【0039】
ここでは示さないが終了スイッチを押すことによって、図3の測定画面が再び表示され(ステップS208)、割り込み処理を許可し(ステップS209)スイッチ操作による処理フローチャートを終了する。
【0040】
次に、前記摂食・嚥下時の嚥下舌圧の変動による舌圧波形の変化の一例としてサンプリングされた波形データが図11であった場合、表示された波形データのピーク位置及びピーク数を自動検出する方法を図7及び図10〜12を参照して説明する。図7のスイッチ操作のフローチャートにおいて、ピーク検出スイッチを押したかどうかを判定し(ステップS201)、ピーク検出スイッチが押されていれば、タイマー割り込みを禁止し(図11、ステップS400)、ピークを検出する各種パラメータを初期化する(ステップS401)。次に波形データが記憶された前記P(i)からピークの時間的位置を自動検出する方法について図11を参照して説明する。ここで図11に示すt0〜t6は前記P(i)の時間的位置を示すiの値であるとする。
【0041】
まず、マイクロコンピュータ20は摂食・嚥下時の舌圧の変動による前記バルーン2の内部圧力の変動開始点t0及び変動終了点t6を求め(ステップS402)、t0〜t6におけるピーク点t1、t3、t5及びボトム点t2、t4を検出記憶する(ステップS403)。次にt1〜t5のそれぞれの圧力値P(t1)〜P(t5)の隣接するピークとボトムの圧力差の絶対値(|P(t1)−P(t2)|、|P(t3)−P(t2)|、…、|P(t5)−P(t4)|)の平均値Htを求め(ステップS404)、t1〜t5の隣接するピークとボトムの圧力差がHtの1/2以上であれば、その点に主要なピークがあると判定し、その判定されたピークの位置(t3及びt5)を図12に示すように波形表示画面にマーカーM1、M2として強調表示し(ステップS405)、表示手段70の測定画面上にピーク数の合計を算出表示する(ステップS406、図3のL14)。
【0042】
ピークを求める方法は上述した方法に限られる訳ではなく、例えば周波数解析を行い、特定の振幅を持つ周波数成分を抽出し、この振幅の半値をHtとして記憶し前記同様にピークを求める方法もある。また、ノイズ成分や不要な波動成分がピークとして検出されないように、予め移動平均を行いノイズ成分や不要な波動成分の除去を行ったり、所定の周波数以下の成分を抽出して、これからピークを求める方法もある。また、ピーク点ではなくボトム点の位置を強調表示及びボトム点の数を表示しても良い。
【0043】
次にピーク検出SWを再び押したかどうかを判定し(ステップS407)、ピーク検出スイッチを押していれば再び割り込み処理を許可し(ステップS408)、ピーク検出の処理フローチャートを終了する。
【0044】
次に、圧力保持時間を自動計時し表示する方法について図7、8、13、14を参照して説明する。まず、図7のスイッチ操作の処理フローチャートにおいて圧力保持時間測定スイッチを押したかどうかを判定し(ステップS202)、圧力保持時間測定スイッチを押していれば、図8に示す圧力保持時間の計時及び表示を行う処理フローチャートへ分岐するためのパラメータS_flagを1、及び計時を開始したかどうかを判定するためのパラメータStをゼロ、計時時間を算出するためのパラメータNをゼロ、境界圧力値(図4のL32で設定された値)をパラメータP1に代入記憶し、計時時間の測定が押圧によるものであれば境界圧力値P1未満の値としてP2を、吸引によるものであれば境界圧力値P1よりも大きい値としてP2を演算代入記憶する(ステップS210)。
【0045】
次に、割り込み処理1において、S_flag=1かどうかを判定する(図6、ステップS115)。S_flag=1であれば図8の圧力保持時間を計時する処理フローチャートへ分岐し次の処理を行う。
【0046】
まず、押圧か吸引のどちらの保持時間を計時するかを判定し(ステップS301)、押圧時の保持時間を計時する場合、時系列に検出される圧力値P(i)と境界圧力値P1とを比較し(ステップS302)、P(i)がP1よりも小さければ計時を開始するための判定パラメータStを判定し(ステップS306)、St=0つまり圧力保持時間の計時を開始してから以前の割り込み処理1でP(i)が境界圧力値P1以上になっていなければ計時用パラメータNはゼロのままであり、割り込み時間間隔20mSと計時用パラメータNとを掛け合わせた数値を圧力保持時間として測定画面図3のL12に表示する(ステップS305)。ここで、P(i)が境界圧力値P1以上になるまではN=0のままであり、以降の割り込み処理が発生しても圧力保持時間をゼロとして表示し続ける(図13の0〜t10の間)。
【0047】
引き続き割り込み処理1が発生し、P(i)が境界圧力値P1以上になれば計時を開始するための判定パラメータSt=1とし(ステップS303)、計時用のパラメータNをインクリメントする(ステップS304)。割り込み時間20mSと計時用パラメータNとを掛け合わせた数値を圧力保持時間として測定画面図3のL12に表示する(ステップS305)。以降割り込み処理1が発生しP(i)>P2を保持し続けているのであれば計時用パラメータNをインクリメントし、保持時間の更新表示を行う(図13のt10〜t11の間)。
【0048】
以降の割り込み処理においてP(i)がP2よりも小さくなったかを判定する(ステップS307)。P(i)<P2であれば、S_flag=0とし圧力保持時間の計時が終了したことを前記測定画面に表示し(ステップS308)、最終的な圧力保持時間が表示され(ステップS305)、図8の計時時間測定用のフローチャートを抜けることにより、再び圧力保持時間測定スイッチを押すまで、前記方法で求められた圧力保持時間を表示し続ける。
【0049】
吸引における処理(ステップS309〜S315)においても、押圧における処理手順と同様な処理となるので詳細な説明は省略するが、図14を例に挙げると、圧力がP1以下になってからP2以上になるt12〜t13の範囲にて計時を行い前記同様に図3に示すような測定画面のL12へ圧力保持時間として表示される。
【0050】
次に舌によるバルーン2の押圧・非押圧または、吸引・非吸引を繰り返し行うリハビリテーションにおける反復回数の計数表示について図7、15、16を参照して説明する。図7のスイッチ操作による処理フローチャートにおいて、リセットスイッチを押したかどうかを判定し(ステップS203)、スイッチを押していれば、反復回数の計数パラメータJをゼロセットし、測定画面の反復回数(図3のL13)をゼロに表示し(ステップS211)、図7のスイッチ操作の処理フローチャートを抜け、割り込み処理1が発生するごとに、時系列に検出された圧力値が反復変位したかどうかを判定し、反復回数を計数及び表示する(ステップS116)。
【0051】
図4に示す設定画面において押圧が選択されたものとし(L30)、押圧時における反復の判定及び反復回数の計数方法について図15を参照して説明する。P3及びP4は設定画面における前記押圧舌圧L28に示す値から算出されるか、または各種パラメータの初期化(ステップS102)で算出された、上限圧力値及び下限圧力値であり、一例としてP3=0.8×(押圧舌圧)、P4=0.2×(押圧舌圧)として算出されるものとする。
【0052】
前記時系列に検出される波形データP(i)が下限圧力値P4から上限圧力値P3へ変位したとき前記反復回数を計数するためのパラメータJをインクリメントし、図3の測定画面に反復回数L13として表示する。図15の例であると時間t20、t21、t22の時点においてパラメータJのインクリメント及び反復回数としてJを表示している。
【0053】
吸引における反復回数の計数表示の処理においても上述した押圧における処理手順と同様な処理となるので詳細説明は省略するが、図4の吸引舌圧L29からP3、P4を求め、図16の例で示すと、t23、t24、t25においてパラメータJのインクリメント及び反復回数としてJを表示する。
【0054】
次にリハビリテーションの動機付けとなる人体関連圧力測定器5に接続された人間の五感に作用する装置の駆動方法について図15、図16を参照して説明する。まず、前記バルーン2を舌で押圧・非押圧または吸引・非吸引を繰り返し行う前述したリハビリテーションにおいて、所定の時間内にテンポ良く行わせることを目的とした場合の被験者1への動機付けの方法について説明する。図1のオーディオビジュアル機器7は口腔関連圧力測定器5の通信装置80よりトリガー信号を受信する毎に、tr秒だけオーディオビジュアル機器7より音を発するものとする。前記トリガー信号が、前記反復計数Jをインクリメントする毎に前記通信装置80より前記トリガー信号を発するようにし、図15及び図16に示すように、前記パラメータJをインクリメントするタイミングt20〜t25におて前記通信装置よりトリガー信号が発せられ、これに伴い前記オーディオビジュアル機器7はtr秒間音を発する。
【0055】
前記トリガー信号を発してからtr秒以内で前記パラメータJのインクリメントが新たに発生すれば、前記通信装置80より再び前記トリガー信号が発せられ、前記オーディオビジュアル機器7より発せられる音は連続して聞こえ、前記tr秒以内で反復運動を繰り返し行っていることが被験者1に認識される。前記トリガー信号が前記tr秒よりも長い時間の後に発せられた場合は、前記オーディオビジュアル機器7より発せられる音は途切れて被験者に聞こえるため、被験者1は反復運動のスピードが遅いと認識できる。これにより、被験者1にリハビリテーションの目的とする反復運動をテンポ良く行っているかどうかを認識させることで、リハビリテーションの動機付けを行う。
【0056】
また、図4の設定画面にリハビリテーションを行う反復回数を目標回数として設定し(L33)、反復運動による前記パラメータJのインクリメントに応じて前記目標回数に近づく毎に、反復回数に応じて変化するアニメーションを図3の測定画面に表示(AN)しても良いし、前記オーディービジュアル機器7より発する音の音程を変えるなどしても良い。また、被験者の手に持たせたバイブレーターを振動させたり光の点滅で知らせたりとリハビリテーションの進行具合に応じて人間の五感に作用する機器を制御することにより、強い動機付けを行うことができる。
【0057】
次に圧力調整スイッチを押したとき、中空体となるバルーン2内部の圧力補正及び加圧調整する方法について図9を参照して説明する。図7において、圧力調整スイッチを押したかどうかを判定し(ステップS205)、圧力調整スイッチを押していれば、図9の処理フローチャートへ分岐する。
【0058】
タイマー割り込みを禁止し(ステップS500)、エアーポンプ11を停止する(ステップS501)。ドライバー14を制御して電磁弁12からプローブ3に至るまでの連通された空間を大気圧開放し(ステップS502)、中空体内部を含めた連通された空間の圧力が大気圧に安定化するまで待ち(ステップS503)、内部圧力が安定化した時点での圧力値をゲージ圧補正値として、パラメーターGへ記憶する(ステップS504)。
【0059】
次に電磁弁12をドライバー14により制御し、大気圧に連通されたチューブ45を遮断し、電磁弁12からバルーン2に至る連通された空間を気密に保つ(ステップS505)。エアーポンプ11をドライバー13で駆動し(ステップS506)、前記電磁弁12からバルーン2に至る連通された空間の加圧を開始する。図4の設定画面に表示された圧力調整値L21に前記密閉された空間の圧力が達したかを検出し(ステップS507)、加圧調整値に達したと判定したとき、ドライバー13を制御しエアーポンプ11を停止する(ステップS508)。このときの圧力値をオフセット値Fとして記憶し(ステップS509)、圧力調整の終了を表示手段70へ表示して知らせる(ステップS510)。割り込みを許可し(ステップS511)、加圧調整シーケンスを抜ける。
【0060】
次に、設定画面で入力・選択表示された被験者情報から上述した前記波形データの演算処理により求まる最大値、最小値、前記波形データの圧力変化率、前記圧力保持時間、前記波動成分のピークやボトム点の数、及び前記反復回数計数値の測定演算値を、前記記憶装置に記憶された階層別の標準値または、個々の被験者と関連付けされて前記記憶手段に記憶された値と比較判定表示する方法について説明する。図6の割り込み処理1のステップS117において、前記測定演算値と前記設定画面に表示された各種値を比較し、標準値または被験者個々に設定された値よりも上回っていれば良と判定し、標準値または被験者個々に設定された値を所定の計数を乗じた値よりも下回っていれば不良と判定し、前記測定画面に上述した方法で測定された値とともに判定結果を表示する。
【0061】
例えば、図4の設定画面に示すように被験者が男性、年齢が45歳と入力及び選択していれば、男性で40代データとなる標準値の押圧舌圧25kPa(L28)及び吸引舌圧−20kPa(L29)と前記パラメータMAX、MINと比較判定し、MAXは押圧舌圧の標準値25kPaよりも大きいので「良」と表示し(L10)、MINは標準値の吸引舌圧−20kPaよりも大きいので「不良」と表示する(L11)。その他の測定演算値についても同様に判定表示する。
【0062】
次に、設定画面で設定された被験者情報や各種演算処理に伴う条件設定や各種パラメータと共に前記波形データを記憶保存及び読み出し表示する方法について図7を参照して説明する。データ記憶スイッチを押したかどうかを判定し(ステップS213)、データ記憶スイッチを押していれば、前記設定画面において表示された前記被験者情報及び前記被験者情報と関連付けて前記各種パラメータ、波形データを前記EEPROM26に記憶する(ステップS215)。
【0063】
また、データ読み出しスイッチを押しているかどうかを判定し(ステップS214)、データ読み出しスイッチが押されていれば、表示手段70に前記設定画面を表示する。そして、図4に示すように被験者情報として表示されたL22はプルダウンメニューとなっており、既にEEPROM26に記憶された被験者情報となるナンバーや名前の一覧が表示されるので、これを前記操作手段60の選択スイッチによりナンバーや名前を選択することにより、これに関連付けされて記憶された各種パラメータや波形データがEEPROM26より読み出し表示される。
【0064】
本発明は以上の実施例に限られるものではなく、例えば検出された圧力値を通信装置80により各種データ、パラメータ等としてパーソナルコンピュータへ伝送し、パーソナルコンピュータ上にて前述した各種演算表示、データの保存等を行っても良い。
【0065】
また、人体の測定部位の違いによる形状や材質の異なる中空体を含むプローブ3の交換において、図4の設定画面上のL20はプルダウンメニューとなっており、使用するプローブ名またはプローブ番号を選択スイッチにより選択することで、選択されたプローブ3に関連する設定画面を表示し、選択されたプローブ3に関連する各種パラメータ等を入力可能に表示するものである。
【0066】
また、プローブ3にプローブ番号が書き込まれたメモリー等を内蔵させ、前記チューブ4に配線を施し、この配線は前記プローブ番号が書き込まれたメモリーと人体関連圧力測定器5とを通信装置を介して接続され、プローブの種類を自動認識させることも可能である。
【0067】
また、被験者情報等を記憶する媒体を人体関連圧力測定器5より着脱可能なコンパクトフラッシュメモリーやハードディスク等とすることもできる。また、前記通信装置80はインターネット等のネットワークと接続可能な通信装置とし、前記被験者情報や各種データ等をネットワークを通じてサーバに伝送し、サーバにて前記被験者情報等を一元的に管理及び診断するための遠隔医療にも応用可能である。また、被験者を自動認識するための指紋照合装置や被験者個々が持つIDカード等を読み込むための装置を前記人体関連圧力測定器5に備えることもできる。
【0068】
また、中空体内部の加圧媒体は空気ではなく、液体としても良い。
【0069】
以上によって、舌圧を簡便に測定・診断及びリハビリテーションをすることができる方法と装置を提供することができるが、本発明は舌圧測定に限られたものではなく、舌、舌下筋肉、唇、頬、手、足、肛門、人体内部などの可動部の人体関連圧力の測定を行う装置として使用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の人体関連圧力測定装置は、大気圧の変動による測定誤差を除去するため測定前の人体関連測定装置のゲージ圧ゼロ点補正を自動で行うことができるため、測定に至るまでの準備時間を短縮し効率化を計ることができる。また、異なる被験者間での前記中空体からなるプローブの交換や、人体の測定部位の違いによる形状や材質の異なるプローブへの交換における測定前の前記中空体内部の圧力調整について、測定の再現性を高め、安価な圧力調整手段を用いて人体のみによる押圧した圧力を求めることができる。
【0071】
更に、圧力測定のデータを波形データとして表示することが可能となり、また前記波形データに重畳する所定の振幅を持つ波動成分のピーク点の数を計数すると共にピークの位置を強調表示することができるため、舌圧測定については、嚥下反射や嚥下の特徴を解析する上で重要な指標が簡便な作業により判明することができる。
【0072】
また、圧力の保持時間の測定や基準値との比較・判定を自動で行うことができるため、舌圧測定については口腔関連機能を診断する上で重要な指標となる舌圧保持時間の測定を簡便かつ正確に行うことができると共に、被験者情報から測定結果を自動で解析・診断することができる。
【0073】
また、加圧された中空体の押圧と非押圧を繰り返し行うリハビリテーションにおいて、リハビリテーションの指標や動機付けを行うことができ、更に、音・光・振動・映像等の人間の五感に作用する装置を駆動制御して被験者にリハビリテーションの進行状態などを分かりやすく示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る人体関連圧力測定装置の実施例の構成を示す概略図である。
【図2】 本発明に係る圧力測定器の実施例を示す概略図である。
【図3】 表示手段に表示される測定画面の一例を示すものである。
【図4】 表示手段に表示される設定画面の一例を示すものである。
【図5】 階層記憶された舌圧標準値の一覧の一部を示す表でる。
【図6】 人体関連圧力測定装置の主動作を説明する処理フローチャートである。
【図7】 スイッチ操作による分岐について説明する処理フローチャートである。
【図8】 圧力保持時間の計時及び表示を説明する処理フローチャートである。
【図9】 加圧処理について説明する処理フローチャートである。
【図10】 波形データのピークを検出する動作について説明する処理フローチャートである。
【図11】 表示手段の波形表示部に表示されたデータの一例を示すもので、波形データの立ち上がり変化開始点及び立ち下がり変化開始点を説明するものである。
【図12】 表示手段の波形表示部に表示されたデータの一例を示すもので、抽出されたピーク点にマーカーを表示したものである。
【図13】 中空体の押圧による反復回数計算及び圧力保持時間算出の説明するものである。
【図14】 表示手段の波形表示部に表示されたデータの一例を示すもので、中空体の吸引による反復回数計算及び圧力保持時間算出の説明するものである。
【図15】 表示手段の波形表示部に表示されたデータの一例を示すもので、中空体の押圧・非押圧による反復回数の計数表示を説明するものである。
【図16】 表示手段の波形表示部に表示されたデータの一例を示すもので、中空体の吸引・非吸引による反復回数の計数表示を説明するものである。
【図17】 摂食・嚥下時の嚥下舌圧の変動による舌圧波形を示すデータで(I)はピークが一つの単峰型、(II)はピークが2つの2峰型、(III)はピークが3つ以上の型である。
【図18】 摂食・嚥下時の舌圧波形のピーク数による分類の割合を年齢別に表した円グラフである。
【符号の説明】
1 被験者
2 バルーン
3 プローブ
4 チューブ
5 舌圧測定器
6 通信ケーブル
7 オーディオビジュアル機器
10 圧力調整手段
11 エアーポンプ
12 電磁弁
13、14 ドライバー
20 マイクロコンピュータ
21 中央演算処理装置
22 ROM
23 RAM
24、26 EEPROM
29 入出力装置
30 圧力検出手段
31 A/Dコンバーター
32 増幅器
33 圧力センサー
51 クロック
52 カウンター
60 操作手段
70 表示手段
80 通信装置

Claims (13)

  1. 口腔内に挿入可能なバルーンと、加圧エアを発生するエアーポンプと、該バルーンと該加圧エアーポンプとを接続して加圧エアを伝達するチューブと、口腔外において該チューブに接続され、該バルーン内の空気圧を検出する圧力検出手段と、前記バルーン及び該チューブ内を大気に開放する弁手段と、該加圧エアーポンプ及び該弁手段に信号を出力するとともに、所定の時間毎に前記圧力検出手段からの検出圧力値を所定の演算後、その演算圧力値を実測圧力値として出力する演算制御処理手段と、前記演算制御処理手段から出力されるデータを表示する表示手段と、各種データ・パラメータなどを記憶し、前記演算制御処理手段の演算圧力値を記憶する記憶手段と、前記演算制御処理手段に操作信号を出力する操作手段とを備え、前記演算制御処理手段は、前記操作手段からの所定の操作信号を受けて、前記バルーン及び該チューブ内の圧力が大気圧になるように前記加圧エアーポンプを停止にして且つ前記弁手段を開放するように制御し、次に、前記バルーン及び該チューブ内の圧力が所定の圧力調整値になるように前記エアーポンプを作動させて且つ弁手段を閉塞させるように制御し、前記バルーン内が上記圧力調整値になった後において、次に、前記弁手段を閉塞させた状態のままで前記エアーポンプを停止にするように制御し、この状態において、バルーンの変形による変動する空気圧が該圧力検出手段によって検出され、この検出圧力値と前記圧力調整値とが前記演算制御処理手段にて演算され、その演算して得られた実測圧力値が前記表示手段に表示されることを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  2. 請求項 1 記載の口腔関連圧力測定装置において、前記バルーンは取外し可能に前記チューブに取付けられていることを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  3. 請求項 1 又は2記載の口腔関連圧力測定装置において、前記操作手段からの所定の操作信号を受けて、前記演算制御処理手段が、前記バルーン及び該チューブ内の圧力が大気圧になるように前記エアーポンプを停止し且つ前記弁手段を開放するように制御した時に、前記圧力検出手段で検出した圧力が大気圧となるように調整して安定した時点での圧力値を自動認識し、この圧力値を大気圧補正値として前記記憶手段に出力することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  4. 請求項3記載の口腔関連圧力測定装置において、前記演算制御処理手段は、上記大気圧補正値に基づいて、前記実測圧力値から前記大気圧補正値を減算してゲージ圧を求めて出力することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の口腔関連圧力測定装置において、上記演算制御処理手段は、前記バルーン内部の圧力が前記圧力調整値になるように前記エアーポンプ及び前記弁手段を制御し、この制御後に実際に検出されるバルーン内部の圧力値をオフセット値として前記記憶手段に記憶させ、前記検出圧力値と前記オフセット値を前記演算制御処理手段により減算して実測圧力値を求め、この実測圧力値を前記表示手段に表示することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の口腔関連圧力測定装置において、前記演算制御処理手段は前記実測圧力値を時系列に波形データとして演算処理して出力し、表示手段は、該波形データを表示することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  7. 請求項6に記載の口腔関連圧力測定装置において、前記演算制御処理手段は前記波形データの最大値、最小値、及び前記波形データの圧力変化率を算出し、上記表示手段は前記 波形データの最大値、最小値、及び前記波形データの圧力変化率を表示することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  8. 請求項6又は7に記載の口腔関連圧力測定装置において、上記演算制御処理手段は、前記波形データの所定の範囲において、前記実測圧力値の変動開始点及び変動終了点を求め、該変動開始点及び該変動終了点間のピーク点及びボトム点の少なくとも一方を求め、前記ピーク点及びボトム点の少なくとも一方の数を計数算出し、上記表示手段はこの計数算出値を表示することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の口腔関連圧力測定装置において、前記記憶手段に前記圧力調整値が複数種記憶されており、前記操作手段の所定の操作により、該複数種の圧力調整値から選定された圧力調整値になるように前記エアーポンプ及び前記弁手段を自動で制御することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の口腔関連圧力測定装置において、前記口腔関連圧力測定装置は時間間隔を計時する時間間隔計時手段を備え、前記演算制御処理手段は前記検出圧力値が所定に設定された境界圧力値を越えた時点から時間間隔計時手段の計時を開始し、前記検出圧力値が該境界圧力値を下回った時点で時間間隔計時手段の計時を停止し、計時開始から停止までの時間間隔を算出する圧力保持時間算出手段を有することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の口腔関連圧力測定装置において、前記演算制御処理手段は、前記操作手段の所定の操作により上限圧力値及び下限圧力値を算出し、前記検出圧力値が前記下限圧力値から前記上限圧力値へ変位、または前記上限圧力値から前記下限圧力値へ変位したときの反復回数を計数する反復回数計数手段を有することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  12. 請求項11に記載の口腔関連圧力測定装置において、前記口腔関連圧力測定装置は、音・光・振動・映像等の人間の五感に作用する五感作用装置を備え、前記演算制御処理手段は、前記圧力値への変位に関連させて該五感作用装置を駆動制御することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
  13. 請求項6ないし12のいずれか1つに記載の口腔関連圧力測定装置において、前記演算制御処理手段は前記操作手段の所定の操作により入力された被験者情報を前記表示手段に表示し、且つ前記被験者情報を前記記憶装置に記憶する被験者情報処理手段を有し、前記演算制御処理手段で演算処理される各種演算データを、前記被験者情報に関連して演算修正する被験者修正手段を有することを特徴とする口腔関連圧力測定装置。
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