JP3810080B2 - 血液凝固カスケードにおける疾患を検出および治療するための方法および手段 - Google Patents
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Description
正常な止血の維持には、血液凝固に関与する促進−および抗−凝固機構の微妙なバランスが必要である。1つのタンパク質の機能不全で、出血傾向または血栓を生じる結果になりうる。凝固促進性タンパク質の1つの分子的欠失は、通常、出血傾向と関連し、これは代替療法により克服することができる。これは出血疾患である血友病Aにより最も良く説明され、この疾患は活性化第IX因子による第X因子から第Xa因子への転換に必須なコファクターである第VIII因子の機能不在と関連している(KaneおよびDavie.1988,Blood,vol.71,539-555)。出血傾向の診断は、当該技術分野で良く知られている簡単な研究室での試験により行われる。さらにより特異的なアッセイが開発され、これは幾つかの凝固促進性タンパク質の正しいレベルをモニターするために使用する、精製された凝固因子と共に発色基質を採用する。現在、出血傾向のある患者に観察される不全症の多くをモニターするために、適当な診断技術を利用できる。
最終的にAPCにより凝固促進性の第VおよびVIII因子の不活性化を生じる抗凝固経路は、かなり詳細に説明されている(Esmon,C.T.1993.Thromb.Haemost.vol.70,29-35)。プロテインSは第VおよびVIII因子の両方の不活性化に、コファクターとして関与しているが、第VおよびVIII因子の両方の開裂の触媒効率に対するプロテインSの影響は比較的小さい(Koedamら、1988,J.Clin.Invest.vol.82,1236-1243;KalafatisおよびMann,1993,J.Biol.Chem.,vol.268,27246-27257)。抗凝固経路に関与する1つのタンパク質の機能不在は、通常血栓に関連している。抗−凝固経路に関与する幾つかのタンパク質の分子的欠失が、血栓の発生に関連することが判明した。ホモ接合体プロテインC欠失は、代替−療法で修正できる重篤な血栓の発生に関連していることが明らかである(Dreyfusら、1991,N.Eng.J.Med.vol.325,1565-1568)。ヘテロ接合体プロテインCの欠失も、血栓の危険性の増加として証明されたが(Bertinaら、1982,Thromb.Haemost.vol.48,1-5)、少なくとも幾つかの症例では更なる因子が関与しているようである(Miletichら、1987,N.Eng.J.Med.vol.317,991-996)。プロテインCと同様に、プロテインSの欠失は、血栓の危険性の増加と関連している(Compら、1980,J.Clin.Invest.vol.74,2082-2088)。アンチ−トロンビンIII、フィブリノーゲンおよびプラスミノーゲンの比較的稀な遺伝的欠失も、血栓形成に関与していた。合わせて考えると、抗−凝固経路に関与する幾つかのタンパク質の欠失が、血栓形成の危険性の増加に関連している。しかし、上記に概説した欠失は血栓−塞栓疾患に罹患している10-30%以下の患者に関する説明を与える一方、残りの症例は説明されないままである(Heijboerら、1990,N.Eng.J.Med.22,1512-1516)。したがって、血栓−塞栓疾患に罹患している患者の診断は、症例の70−90%が不十分である。最近の進歩により、説明されない血栓の割合は40−60%に減少した。Dahlbackおよび共同研究者達は、多くの血栓を生じている患者において、APCに対する耐性を観察した(Dahlbackら、1993,proc.Natl.Acad.Sci.USA.vol.90,1004-1008)。活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)で測定されるような、APCによる凝固-時間の長期化に基づくアッセイが、欠陥を分析するために使用された。APCを添加した時にAPTTの延長は観察されず、抗−凝固経路の欠陥を示した。他のグループは、深静脈性血栓に罹患している患者を対象として、APC−耐性の発生を確認し、そしてより広範な研究を行い、血栓症に罹患している患者の20−40%がAPCに対する耐性を表すことを示した(Griffinら、1993,Blood,vol.82,1989-1993;Kosterら、1993,Lancet,vol.,342,1503-1506)。APC−耐性の表現型は静脈性血栓に羅患している患者に限るわけではない。幾つかの研究では、APC−耐性の発生率は正常な人口の約2−5%であることが証明された。APC−耐性の分子的基礎はかなり長い間不明なままである。最近の研究では、APC−耐性の表現型が精製された第V因子を病気の個体の血漿に加えることにより克服できたことを明らかにした(DahlbackおよびHildbrand、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.vol.91,1396-1400)。この観察はAPC−耐性が第V因子に関連していることを示唆しているが、APCに対する耐性の発生を分子レベルで十分に説明するものではない。
このような耐性に関する原因(1つ、または複数)が同定されれば、血栓疾患のより良い解明、ならびにそのような疾患のよりよい検出法、およびおそらく該疾患および血液凝固カスケードにおける他の疾患の新たな、そしてより良い治療法および予防法を導くだろう。
本発明は該耐性の有力な原因を同定し、そして該原因の検出法を与え、それは簡単な方法であり、かつその結果アッセイを行うことが簡単である。
1つの観点では、本発明は抗−凝固プロテインC系における先天的な欠陥を検出する方法を提供し、この方法は通常プロテインCの制御下で該凝固因子を活性化プロテインCが不活性化することを妨害する、1つ以上の凝固因子中の突然変異を同定することを含んで成る。特に本発明はそのような突然変異を、第Vおよび第VIII因子の、特に該タンパク質中のAPCに関する開裂部位に検出する方法を提供する。
本発明の別の観点では、APCの開裂部位で変異させ、かつ/またはAPC耐性を付与された突然変異した第V因子および第VIII因子タンパク質を提供する。
これまで、この凝固促進性タンパク質の不活性化を妨害する第VIII因子中のAPCについて、開裂部位での突然変異の発生に注意が向けられたことはなかった。精製したタンパク質を使用した研究で、第VIII因子の不活性化はペプチド結合Arg562-Gly563、ならびにペプチド結合Arg336-Met337での開裂を通して起こることが示された。APCによる第VIII因子の不活性化は、Arg562位での開裂と相関している(Fayら、1991,J.Biol.Chem.vol.266,20139-20145)。第VIII因子と同様に、コファクタータンパク質第V因子も、APCにより不活性化される。APCによる第V因子の不活性化は、ウシ第V因子について詳細に記載されている(KalafatisおよびMann,1993,J.Biol.Chem.,vol.268,27246-27257)。APCによるウシ第V因子のタンパク質溶解的不活性化は、重鎖のペプチド結合Arg306-Gln307、Arg505-Gly506およびArg662-Gln663で起こる。ウシ第V因子の軽鎖は、ペプチド結合Arg1752-Arg1753またはArg1753-Ala1754で開裂するが、この部位での開裂が活性の損失に関連するかどうかは不明である(KalafatisおよびMann,1993,J.Biol.Chem.,vol.268,27246-27257)。ヒトおよびウシ第V因子の配列比較により、2つのタンパク質の間にかなりの相同性が明らかである(Guintoら、1992,J.Biol.Chem.vol.267.2971-2978)。この相同性に基づき、APC−開裂部位がヒト第V因子について定められた(第2図、表Iを参照にされたい)。第VIII因子と同様に、第V因子のAPC開裂部位における突然変異は、凝固促進活性の長期化を生じ、そしてそれ自体が血栓形成の発生の有力な危険因子を構成する。これまで、血栓−塞栓疾患とAPC基質中のAPC−感受性領域での遺伝的欠失との間の関連の可能性は明らかにされていない。特発性血栓塞栓疾患の多発という観点から、APC基質のAPC感受性領域での遺伝的欠失をモニターする方法は、明らかに血栓塞栓疾患の診断に望ましい。
第Vおよび第VIII因子の両方に存在する多数のAPC開裂−部位が、記載され、そして文献から引用されているが、本発明はコファクタータンパク質第Vおよび第VIII因子中のAPCの新規開裂部位も含む。コファクタータンパク質VおよびVIII中のAPCの開裂−部位に関する遺伝的分析には、活性化プロテインCの開裂−部位を持つ第Vおよび第VIII因子のDNA−配列の選択的増幅、ならびに突然変異を生じた増幅断片のスクリーニングを必要とする。APC−開裂−部位での突然変異は、第Vおよび第VIII因子のAPC−開裂−部位を構成する、またはその周辺の1つのコドンの中の1つ以上の塩基対の欠失または置換と定義する。患者は突然変異についてホモ接合性またはヘテロ接合性のいずれかであることができる。RNA−増幅法による第Vおよび第VIII因子の配列の選択的増幅は、本発明により網羅される。活性化プロテインCの開裂−部位を持つ第Vおよび第VIII因子の配列の増幅用の出発材料は、RNA、逆転写酵素活性によりRNAから誘導されたcDNAまたはゲノムDNAを含んで成る。ゲノムDNAおよびRNAは、患者の組織または血液細胞に由来し、そして当該技術分野で一般的に周知な方法に従い単離される。第Vおよび第VIII因子中のAPCの開裂−部位での突然変異の検出は、制限する訳ではないが、以下の幾つかの方法により行うことができる:
1.選択的ハイブリダイゼーション:APCの開裂−部位に突然変異を含むRNA、cDNAまたはゲノムDNAと、APCの開裂−部位に突然変異を含まないRNA、cDNAまたはゲノムDNAとの間を選択するオリゴヌクレオチド−プライマーを設計する。該オリゴヌクレオチドプライマーは、野生型第Vおよび第VIII因子配列に関して1つ以上の誤対合を含んでよい。野生型第Vおよび第VIII因子配列は、文献において多型性を含み存在すると定められる。形成されたハイブリッドの検出は、制限するけではないが、標識ハイブリダイゼーションプローブ(この標識は直接的または間接的のいずれかであることができ、直接とは金ゾル、放射性同位体、蛍光物質等を意味する;そして間接標識は酵素を含むか、またはアビジンまたはストレプトアビジンとビオチンとのようなリガンド−アンチリガンド相互作用を介するか、あるいは二重鎖を認識する抗体の使用を通すなど)の使用を含む、当業者が利用できる多くの方法の任意の1つに従い行える。
2.誤対合PCR:もう1つのオリゴ−ヌクレオチドプライマーと結合している任意のオリゴ−ヌクレオチドプライマーは、突然変異を含むRNA、cDNAまたはゲノムDNAに由来する断片を選択的に増幅し、そして該開裂−部位に突然変異を持たないRNA、cDNAまたはゲノムDNAに由来する断片を増幅しない。また当業者により設計された、該開裂−部位に突然変異を持たないRNA、cDNAまたはゲノムDNAに由来する断片を選択的に増幅し、そして突然変異を持つRNA、cDNAまたはゲノムDNAに由来する断片を増幅しないオリゴ−ヌクレオチドプライマーも含む。該オリゴ−ヌクレオチドプライマーは、野生型第Vおよび第VIII因子配列に関して1つ以上の誤対合を含んでもよい。
3.PCR−増幅、その後の制限分析:この方法には、該開裂−部位を含む第Vおよび第VIII因子のDNA配列の一部を持つ断片の増幅、続いて該開裂部位に突然変異を持つ患者に由来するDNA配列中に存在するか、または天然の第Vおよび第VIII因子配列に存在するいずれかのDNA−配列を認識する制限酵素を用いて消化することを含む。表IIに、第V因子のアミノ酸Arg506位、ならびに第VIII因子のアミノ酸Arg336およびArg562位で、APCの開裂−部位の突然変異をモニターするために使用できるオリゴヌクレオチドプライマーを定めた。同様な手法で、第V因子のアミノ酸Arg306、Arg679およびArg1765ならびに他のAPC開裂−部位での突然変異の発生をモニターすることを計画できる。
4.シークエンシング分析:この方法は、該開裂−部位の周辺の、およびそれを構成するDNA配列の直接的な分析を含む。この方法は、該開裂−部位をコードするDNA−またはRNA配列を直接的に決定するために、現在利用できる、または当業者には利用できるであろう任意の手法を含む。
APCに関する該開裂−部位に突然変異を含むRNA、cDNAまたはゲノムDNAと、APCの開裂−部位に突然変異を含まないRNA、cDNAまたはゲノムDNAとの間を識別する他の方法は、当該技術分野の平均的な技術者により確認できる。該開裂−部位での変化の選択的検出を導くそのような変異は、本発明に属すると考える。
実施例1は、第V因子のアミノ酸Arg506位での突然変異の検出に関する詳細を提供し、そして本発明に開示するようなAPCの開裂−部位での突然変異の検出法の一般的な使用を説明する。
突然変異体因子が存在するという知見は、もちろん治療的にも説明できる。今回、なぜ特定の患者が血栓症にかかる高い危険性を有するのか、その原因が同定され、そして本発明により検出でき、欠失が検出された患者に正常な因子を提供することにより、あるいは患者に正常な因子も提供しながら遺伝子治療により正しい因子を患者に提供する(好ましくは部位−特異的相同的組換えを通して)ことのいずれかにより欠失を修正できることが明らかになった。
他方、今回、APC耐性を導く突然変異、あるいはむしろ突然変異の部位が同定され、該突然変異体を血栓疾患に直接的ではないかもしれないが、出血疾患の分野に大変限定的に、治療薬として使用できるようにもなった。
出血疾患の治療は通常、(部分的に)精製された凝固因子から成る調製物を用いた代替療法により行われている。最も普通の出血疾患は、第VIII因子の機能不在の結果による血友病Aである。血友病Aに罹患している患者の治療は、過去数年、劇的に改革された。初期には第VIII因子を含む寒冷沈降物が血友病A患者の治療に使用された。寒冷沈降物に由来する第VIII因子の部分精製により得られた中程度の純度の濃縮物により、治療が改善される。さらなる改善は、ほとんど排他的に第VIII因子から成る第VIII因子調製物を得るために、第VIII因子およびフォンビルブラント因子に対するるモノクローナル抗体の使用により提供される(Hoyer,L.W.,1994,N.Eng.J.Med.Vol.330,38-47)。最近、第VIII因子のcDNAが導入された動物細胞から得られた組換え第VIII因子が治療に利用できるようになった。組換えDNA法は、第VIII因子を量的に無制限に生成するための好機を提供する。さらに組換えDNA法は、第VIII因子の機能的特性を最適にすることがてき、それにより血友病Aに罹患している患者の治療が改善される。今回、本発明により、野生型第VIIIおよび第V因子よりもAPCに対してより耐性な、第VIIIおよび第V因子から誘導されるタンパク質を提供できる。本発明により、好ましくは第VIII因子のアミノ酸Arg336および/またはArg562位でAPC−開裂−部位の修飾の結果、APCによる不活性化に耐性の第VIII因子タンパク質を提供する。この種のタンパク質は当業者に周知な方法を使用することにより、例えばArg562をコードするコドンをIleコーディングコドンに置換した第VIII因子のcDNAを構築することにより成される。Arg562からIleへの突然変異を有する、cDNAをコードする第VIII因子は、もちろん例えばB−ドメインの大部分の欠失を含む更なる修飾を含んでもよい(Mertensら、1993,Br.J.Haematol.vol.85,133-142)。真核または原核細胞中での修飾した第VIII因子のcDNAの発現は、当業者に周知な方法に従い行える。あるいは、修飾した第VIII因子のcDNAは、トランスジェニック動物中で発現されるか、または遺伝子治療法に使用できるレトロウイルスベクターに導入することができる。またAPCの開裂−部位の少なくとも1つが修飾された、治療的に有用な第VIII因子−タンパク質を生成する別の方法がある。該タンパク質の精製は、モノクローナル抗体法または当業者が利用できる他の方法により行える。さらにAPC-開裂-部位で修飾された第VIII因子から成る、このような医薬的に有用なタンパク質は、当業者に周知な他の方法により精製できる。
血友病A患者の治療において、過去20年間にわたって達成されたかなりの進歩という事実にもかかわらず、第VIII因子代替療法に付随する最大の問題が解決されていない。第VIII因子を用いて治療された血友病A患者の約5-20%が、第VIII因子−活性を抑制する抗体を生じる(Ehrenforthら、1992,Lancet,vol.339,594-598)。このいわゆる第VIII因子−インヒビターは通常、第VIII因子に暴露されてから5-20日の間に生じ、深刻な臨床的合併症を起こす(Aledort,L.1994.Am.J.of.Haemat.vol.47,208-217)。医薬調製物を含む様々な第VIII因子で治療した患者を対象とした第VIII因子−インヒビターの発生率の診査では、大きな差異はないことが明らかである。これらの観察は、第VIII因子−インヒビターの発生は通常、投与された第VIII因子調製物とは無関係であることを示唆している。血友病A患者を対象として、インヒビターの治療に関する幾つかの手法が確立された。低または中程度のレベルのインヒビターは通常、第VIII因子の高投与量で処置される(Hoyer,L.W.1994.N.Eng.J.Med.vol.330.38-47)。さらにインヒビターを生じた血友病A患者の中には、ブタ血漿から単離された第VIII因子で成功裏に治療された者もいた(Hayら、1990,Blood.vol.76,882-886)。後者の治療法は、ブタ第VIII因子に対するインヒビター−発生の危険性が付随し、そしてまさにこのことがブタの第VIII因子を含む調製物で治療した数名の血友病A患者で報告された。第VIII因子に対する阻害抗体のProtein-A-Sepharoseによる体外吸着が、高レベルの第VIII因子−インヒビターを有する血友病A患者で採用された(Nilssonら、1988,N.Eng.J.Med.vol.318,947-950)。この治療には特殊化された装置が必要であり、そして高レベルの第VIII因子−インヒビターを有する11名の患者のうち9名について成功したことが報告された。記載された様々な治療法の成果が定まらず、さらなる治療法がインヒビターを有する血友病A患者の治療に有用なことは明らかである。
インヒビターを有する血友病A患者の治療のために、一般的に確立された別の方法は、いわゆる“第VIII因子バイパス剤”の投与により提供される。初期にはプロトロンビン−複合体濃縮物(PCC)および活性化プロトロンビン複合体濃縮物(APCC)が、インヒビターを有する血友病A患者に使用された(Lusherら、1980,N.Eng.J.Med.vol.303,421-425;Sjamsoedinら、1981,N.Eng.J.Med.vol.305,717-721)。PCCを用いた治療は部分的にのみ有効であると考えられ、そして治療した患者の幾人かには心筋梗塞および播種性の脈管内凝固が付随した。APCCはPCCと比較してより効果的であると考えられるが、PCC中に存在する活性化凝固因子の投与が、APCCで処置した患者に観察される、フィブリノペプチドAレベルの上昇により証明されるような血栓形成を生じることがある。活性化第VII因子は、インヒビターを有する血友病A患者の治療に使用された(Hedner,UおよびW.Kisiel、1983.J.Clin.Invest.71,1836-1841;Hednerら、1988,Lancet,309,1193)。さらに、組織因子、ならびに第Xa因子およびリン脂質混合物の両方が、第VIII因子−欠失のイヌのモデルで成功裏に使用された(O'Brienら、1988.J.Clin.Invest.vol.82,206-211;Gilesら、1988,Brit.J.Haematol.Vol.69,491-497)。この時点で、第VIIa因子、組織因子および第Xa因子とリン脂質との混合物の“第VIII因子バイパス剤”として効力は不明である。さらに、PCCおよびAPCCの両方が、症例の約30-50%に十分な治療を提供しない。明らかに第VIII因子バイパス剤として使用できる、さらなる医薬調製物の存在が必要である。
本発明は、第VIII因子バイパスを提供し、これは本発明の血栓症において危険因子として関与したタンパク質に基づく。これらのタンパク質は、制限するわけではないが、該タンパク質のAPC耐性を誘導するようにAPCの開裂−部位で修飾した第V因子タンパク質、あるいは匹敵する生物活性を有する(種類においてであり、特に量ではない)そのようなタンパク質の断片、または誘導体である。
本出願において前述したアッセイは、APCの開裂−部位で修飾されたコファクター分子第Vおよび第VIII因子を含む物質を確認するために使用できる。このような突然変異したタンパク質を有する患者に由来するそのような血漿の確認後、所定量のハイパーコアギュラント(hypercoagulant)コファクター−タンパク質を含む調製物を作成できる。あるいは、APC−開裂−部位で修飾したタンパク質は、真核または原核細胞および/またはトランスジェニック動物中で、修飾したタンパク質の発現が関与する組換えDNA法を通して得ることができる。また、遺伝子治療法(制限するわけではないがレトロウイルスベクターの使用を含む)が関与する方法による、Arg506のAPC−開裂−部位または他のAPC−開裂−部位で修飾された第V因子タンパク質の治療的使用も含まれる。該タンパク質の精製は、モノクローナル抗体法、血漿分画法または当業者に利用できる任意の他の方法により行うことができる。さらにAPC−開裂−部位で修飾された第V因子から成る、このような医薬的に有用なタンパク質は、非−修飾第V因子も含むタンパク質の混合物から精製できる。精製には、1つ以上のAPC開裂−部位で修飾された第V因子を特異的に認識するモノクローナル抗体、または当業者に周知な他の方法による精製を含むことができる。
第V因子−タンパク質は、アミノ酸位Arg306および/またはArg506および/またはArg679で修飾した。APC−開裂−部位に先立つアルギニン−残基を、Gln、Ileまたは任意の他のアミノ酸に変えることができる。アミノ酸置換Arg506-GlnまたはAPC−開裂-部位の他の修飾を含む第V因子の治療的使用は、インヒビターを持つ血友病A患者の治療に有用になるだろう。静脈性血栓症の患者に観察されるような、血栓−形成を促進するアミノ酸置換Arg506-Glnを含む第V因子の能力に基づき、このタンパク質は“第VIII因子バイパス剤”として有用となるだろう。インヒビターを有する血友病A患者の現在の治療効力の限界、および高い経費という観点から、該第V因子を含む医薬調製物がより効果的となることが証明される。この治療用調製物は、アミノ酸置換Arg506-Glnを含む精製された第V因子から成ることができる。あるいはこのような修飾された第V因子は、治療用調製物の成分でもよい。該調製物は、プロトロンビン複合体濃縮物(PCC)または活性化プロトロンビン複合体濃縮物(APCC)のような、血漿に由来する任意の治療用調製物でよい。
要約すると、本発明は特定の血栓疾患を検出する手段および方法を提供し、そしてそのような疾患の原因(すなわちAPC耐性を)確認することにより、本発明は例えば遺伝子治療を通じて、該疾患を修正する手段も提供する。一方、反対の性質の疾患、出血性疾患を治療するための治療薬も提供し、それではAPC耐性を有する突然変異した第Vおよび第VIII因子を、その過剰な凝固促進活性のために使用できる。本発明はどのように得られたにせよ、そのような治療薬の誘導体および/または断片に広がることは明らかである。当業者は患者に投与すべき治療薬の投与量をどのように決定するかを知っており、その投与量は疾患の程度、治療する患者の体重、選択した治療薬の比活性等の多数の因子に依存する。当業者に直ぐに明らかでない場合は、投与量は当該技術分野で周知な方法により、特に選択した治療薬の投与量を増加させながら、齧歯類のような動物への投与、そして後に(健康な)ボランティアへの投与を含むいわゆる投与量設定試験(dose findind study)を通して得ることができる。一般的にヒトに与える投与量は、1日に、体重1kgあたり1−500、より好ましくは5−50単位の間であろう。本発明の薬剤を投与できる医薬組成物は、当該技術分野で周知である。この薬剤はタンパク質−様物質であり、したがってタンパク質に適することが知られている配合物は、本発明の薬剤に適する。これらは単独で、または他の治療薬と一緒に与えることができる。これらは、所定の凝固活性の量の微妙なバランスをとるために、正常な第VIIIおよび/または第V因子と一緒に与えることもできる。
本発明を、以下の実施例でより詳細に説明する。
実施例1
静脈性の血栓−塞栓に罹患している患者の第V因子のアミノ酸Arg506位での活性化プロテインCの開裂−部位での突然変異の同定
対比静脈造影および/または肺血管造影により確認された、特発性の血栓−塞栓が発現した(再発)27名の患者を、第V因子のアミノ酸Arg506位で突然変異の発生について調査した。分析した患者にはいずれも、アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインSまたはプラスミノーゲンの後天的、または先天的欠失が無かった。血液凝固およびフィブリン溶解の日常的なスクリーニングでは、異常は無かった。末梢血リンパ球を血液からFicoll-Paque密度勾配遠心により単離した。RNAを末梢血リンパ球から、RNAzol B法を使用して単離し(WAK化学、バッド ホーンブルグv.d.H.、独国)、そしてcDNAは本質的に以前に記載されたように調製した(Cuypersら、1992,J.Clin.Microbiol.vol.30,3220-3224)。患者は以下のオリゴ−ヌクレオチドプライマーを使用して第V因子のアミノ酸Arg506位での突然変異の存在について分析された:5'TGTAAGAGCAGATCCCTGGACTCG3'(プライマー506-1;センス;ヒト第V因子のヌクレオチド1576-1600、ヌクレオチド1は第V因子の開始−コドンの第一ヌクレオチドに対応する);5'CATCACGTTTCACCTCATCAGC3'(プライマー506-2;アンチ−センス;ヒト第V因子のヌクレオチド1708-1730。オリゴ−ヌクレオチドプライマー506-1は、天然の第V因子配列について、下線を引いた2つの誤対合を含む。2つの誤対合は隣のArg506をコードするCGAコドンと一緒に、オリゴヌクレオチドプライマー506-1および506-2を用いた増幅の際に、制限酵素NruIの制限-部位を導入する(表IIを参照にされたい)。静脈性血栓−塞栓に罹患している数名の患者から単離したcDNAの、オリゴヌクレオチド−プライマー506-1および506-2を使用するPCRによる増幅で、アミノ酸Arg506位にAPC開裂−部位を含む第V因子の一部をコードする154塩基対(bp)の断片を得た。アミノ酸Arg506位での突然変異の発生は、増幅した断片を制限酵素NruIにより消化してモニターした。
図3、レーン2では、NruIで消化できる増幅断片を表し、130bpの断片を生じる。NruIは増幅したPCR-断片を消化できるので、この個体(個体A)にはアミノ酸Arg506での突然変異は存在しない。図3、レーン4において、NruIにより一部消化された増幅断片を表すが、この個体(個体B)の第V因子の1つの対立遺伝子のアミノ酸Arg506位に、突然変異が存在することを示す。個体Bのアミノ酸Arg506位での突然変異の存在を確認するために、以下の方法を採用した。第V因子cDNAのより大きい部分を増幅するために、オリゴヌクレオチド−プライマーを設計した;5'ATCAGAGCAGTTCAACCAGGG3'(プライマー506-5;センス、ヒト第V因子のヌクレオチド1414-1435)および5'CATCACGTTTCACCTCATCAGG3'(プライマー506-2アンチセンス;ヒト第V因子のヌクレオチド1708-1730)。プライマー506-2および506-5を用いたPCRによる増幅は、316塩基対(bp)の断片を生じ、これはアミノ酸Arg506位にAPC開裂-部位を含む第V因子の一部をコードする。アミノ酸Arg506位での突然変異の発生は、増幅した断片を直接シークエンシングすることによりモニターした(図4)。明らかに個体Bにおいて、コドンArg506内に突然変異が存在する;このコドンの第二塩基対で“G”および“A”の両方が観察されるので、個体Bでは第V因子の遺伝子の1つの対立遺伝子中にArg506(CGA)からGln(CAA)への置換を生じている。直接的シークエンシングを個体Aにも使用し、これではオリゴヌクレオチド−プライマー506-1および506-2を用いた増幅から生じる154bp断片の消化時に、異常な制限パターンは示さなかった(図3;レーン2を参照にされたい)。個体Aの直接的シークエンシングは、第V因子のアミノ酸Arg506位での突然変異を明らかにしなかった(図4;左パネル)。これらの結果は明らかに、ここで使用した様々なアッセイがヒト第V因子のアミノ酸Arg506位での突然変異を検出できることを示している。
次に、血液凝固第V因子の活性化プロテインC(APC)感受性領域内の点突然変異の発生について、特発性(再発)血栓塞栓を記録した27名のすべての患者を分析した。オリゴヌクレオチドプライマー506-1および506-2を用いた増幅を使用して、NruI消化ならびに増幅した断片の直接的シークエンシングの後、これらの患者の10名がGからAへの1つの転移を表し、そしてArg506からGln506への突然変異についてヘテロ接合性であることが見られた。記載したこの方法は、血栓塞栓疾患に罹患している患者の約35%に分子欠失を定めることができ、これは本発明に記載された方法が使用できる前には診断できなかった。
得られた結果は、血栓塞栓疾患に罹患している患者の第V因子のAPC−開裂部位での突然変異発生のモニタリングが、特発性血栓塞栓症の診断に大きな突破口となることを示している。
これまでの章に記載したように、10名の個体はArg506からGlnへの突然変異についてヘテロ接合性であることが判明した。シークエンシング分析では、調査したすべての場合で1つのヌクレオチド“G”から“A”への置換が存在することが明らかになった。
表IIIに示したオリゴヌクレオチドプライマーに基づき、この1つの塩基−対置換の存在をモニターするためのアッセイを開発した。研究したすべての患者のゲノムDNAを、標準的方法を使用して単離した。オリゴヌクレオチド−プライマー506-5および506-6を用いたPCRによる増幅では、調査した患者で206bpの断片を生じる。オリゴヌクレオチド−プライマー506-5および506-7を用いたPCR-増幅で、調査したすべての患者で206bpの断片を生じる。最後に、Arg506からGln置換に特異的なオリゴヌクレオチド−プライマー506-5および506-8を用いたPCR-増幅で、Arg506からGln置換についてヘテロ接合性である10名の患者だけが206bpの断片を生じる。Arg506からGlnへの突然変異を持たない患者については、これらのオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCR増幅の後に生成物は観察されない。
結論として、第V因子のアミノ酸Arg506位での突然変異を診断できる数種の方法を記載した。これらの手法の、血栓-塞栓疾患に罹患している患者への適用能は、これらアッセイの血栓-塞栓疾患の診断への利用性を明らかに示している。
実施例2;活性化プロテインCの開裂部位に突然変異が有る、または無い第V因子を含む血漿中のトロンビン生成。
実施例1に記載した方法の利用性は、血栓-塞栓疾患に罹患している患者の診断に限定されるのではなく、健康な血液提供者に由来する血漿の凝固促進性の可能性の評価も含む。凝固促進性と抗−凝固経路の間のバランスを評価するために、簡単な試験法を開発した。これは過剰な抗−凝固活性化プロテインCの存在下での、凝固促進性トロンビンの生成に基づく。このアッセイは以下のように行われた。最初に50μlのクエン酸を加えた、血小板が少ない(platelet-poor)血漿を、350μlの希釈緩衝液(50mM Tris(pH7.3)および0.1%(重量/容量)のウシ血清アルブミン(シグマ化学社:Sigma Chemical Co.,セントルイス、米国))を含むプラスチック試験管に加えた。次に400μlのAPTT試薬(クロモジェニックス社:Chromogenix AB.、メルンダル、スウェーデン)をリン脂質源として加え、そして凝固系を活性化するためにコロイドシリカを加えた。この混合物を37℃で5分間インキューベーションした後、400μlの予め暖めたTris/アルブミン希釈緩衝液(25mM CaCl2および1μg/mlの精製ヒト活性化プロテインCを含む)を加えた(Kisiel,1979,J.Clin.Invest.vol.64,761-769)。
定期的に、45μlの試料を取り出した。これらを直ちに5μlの0.25M EDTAと混合し、さらなるトロンビンの形成を停止させた。続いて試料をTris/アルブミン緩衝液で5-20倍に希釈し、発色体基質S2238(クロモジェニックス社、メルンダル、スウェーデン)の水溶液(1.0mM終濃度)と混合した。405nmの吸収を分光光度的にモニターした。吸収増加の割合をトロンビンのモル濃度に換算するために、このアッセイを精製したヒトトロンビンでキャリブレーションした(Mertensら、1985,Thromb.Haemostasis vol.54,654-660)。図5はこのアッセイで生成したトロンビンを表し、使用した血漿試料は第V因子の遺伝子型がArg506/Arg506、Arg506/Gln506およびGln506/Gln506とすでに証明された3名の明らかな血液提供者に由来し、実施例1に記載のPCR法を使用した。図5から証明されるように、このアッセイ系のトロンビン生成は、第V因子のアミノ酸506位でのArgからGlnへの突然変異の存在に完全に依存した。さらに、トロンビン生成の程度はこの突然変異についてホモ接合性およびヘテロ接合性の提供者の血漿間で明らかに区別された。これらのデータは、活性化プロテインCの開裂部位で突然変異を持つ第V因子が、ヒト血漿の全体的な凝固促進性の可能性に大いに貢献する、通常にはない強力な凝固促進性物質であることを示す。
実施例3:ヒト血漿に由来する第V因子−含有画分の調製。
現在の血漿分画スキームにおいて、第V因子を故意に濃縮させた画分を調製するための特別な工程は計画されなかった。血漿から第V因子を精製する方法は、従来の沈殿法およびクロマトグラフィー法の両方により(スズキら、1982,J.Biol.Chem.,vol.257,6556-6564)、ならびに免疫アフィニティークロマトグラフィーにより(Katzmannら、1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.vol.78,162-166)、よく確立された。しかし工業的規模については、これらの方法の利用性は、緊急に必要とされている第VIII因子および免疫グロブリンのような生成物を犠牲にして第V因子を生成するので限界がある。
第V因子の単離は、好ましくは通例の血漿分画スキームに適合すべきであるので、様々な通常の血漿画分が第V因子の有力な供給源として評価された。画分は、市販されている第V因子欠失血漿(バクスター:Baxter、デューディンゲン、スイス)およびヒト組織トロンボパスチン(Thromborel(商標)-S、ベーリング:Behring、マールブルグ、独国)を使用して、古典的な1−段階凝固アッセイを使用して第V因子の活性について分析した(Biggs,1976,ヒトの血液凝固、止血および血栓(Human blood coagulation,haemostasis and thrombosis)、第2版、Blackwell、オックスフォード、第310-364頁)。試験した分画法は、アルブミンおよび免疫グロブリンの通常のエタノール分画に先立ち、寒冷沈降法および陰イオン交換法から成っていた(Brummelhuis、血漿タンパク質分画法(Methods of plasma protein fractionation)、(J.M.Curling編集)、1980、アカデミック出版、ロンドン、第117-128頁)。6つの異なる画分の分析は、第1工程で、最初の第V因子の活性の約80%が寒冷沈降血漿中に回収されたことを示した。第2工程で、第V因子の活性の実質的な量(少なくとも50%)が、プロトロンビン複合体濃縮物(PCC)の調製に使用スル陰イオン交換樹脂(DEAE-SephadexA-50)(ファルマシア:Pharmacia、ウプサラ、スウェーデン)に吸着したことが示された。記載されたように洗浄および溶出した後(Brummelhuis、同上)、生成したPCCは様々な濃度の(5から20%の間)初の第V因子の活性を含むことが判明した。寒冷沈降血漿の10ml部分を使用する小規模の実験で、第V因子の収量が(1)DEAE-Sephadexの量を寒冷沈降血漿1kgあたり少なくとも1.5gに増加させること、(2)寒冷沈降血漿を希釈して吸着工程中のイオン強度を下げること、(3)溶出前の洗浄条件のイオン強度を下げること、または(4)これらの改良を組み合わせることにより、向上できることが示された。
PCC調製の改良法を使用することにより、この血漿画分中に初の第V因子の最高30%まで得ることが可能であると思われた。第V因子活性およびタンパク質含量をアッセイすることによるこの画分の純度の評価は(Bradford,1976,Anal.Biochem.vol 72,248-254)、0.4単位/mgの比活性であることを示し、これは25-倍の精製度に相当する。したがってPCC調製の改良法で、第VIII因子、アルブミンまたは免疫グロブリン生成物の調製を妨害することなく、第V因子が濃縮された血漿画分を提供する。この部分的に精製された第V因子を上記に参照した従来の、または免疫アフィニティー法により、さらに所望の純度に精製するための供給材料として役立たせることができる。
実施例4:第V因子の506位がArgまたはGlnである血漿について選択した供給血漿から調製した第V因子−含有画分中のトロンビンの生成。
部分精製した第V因子の調製のために、血液をクエン酸塩−含有の標準抗凝固物中に集めた。細胞を遠心(5,000gで15分間)により集め、そして上清血漿を凍結し、そして-30℃未満で使用するまで保存した。個人の血漿試料は、実施例2に記載した方法によりスクリーニングし、そしてトロンビン生成プロフィールから明らかな表現型に従い、3つ基準に分類した(図5を参照にされたい)。すべての場合で、同提供者からの末梢血リンパ球を単離して、実施例1に記載したようにPCR分析により遺伝子型を確認した。血漿を次に4℃で解凍し、そして寒冷沈降物を遠心(2,000gで5分間)により集めた。同じ表現型の寒冷沈降血漿をプールし、そしてDEAE-Sephadex A-50(ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン)を1kgの血漿あたり1.5gの乾燥重量で加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、そして陰イオン交換樹脂を回収するためにカラムに移した。カラムは154mMのNaClを含む10mMクエン酸三-ナトリウム(pH7.0)の緩衝液を使用して洗浄し、そして第V因子が濃縮されたPCC−画分を、0.7MのNaClを含有する同緩衝液で溶出した。この工程で、ヘテロ接合体提供者からの第V因子のArg506、Gln506型または、これら2つの混合物を含む3つの異なるPCC−画分を得た。
3つのPCC画分のトロンビン生成の可能性を評価するために、PCCを0.2から0.3単位/mlの間の第V因子活性に、50mMTris(pH7.3)および0.1%(重量/容量)ウシ血清アルブミンを含む緩衝液で希釈した。さらに凝固系を活性化するために、トロンビン生成は400μlの希釈PCC、400μlのAPTT試薬および400μlのTris/アルブミン緩衝液(25mMのCaCl2、1μg/mlの精製ヒト活性化プロテインCおよび1/2000-希釈トロンボプラスチン試薬(Tromborel(商標)、ベーリング、マールブルグ、独国)を使用して、実施例2に詳細に記載した同方法により評価した。実施例2に記載した方法を使用して、定期的間隔で試料を定量するために取り出し、そしてトロンビン生成プロフィールを作成した(図6を参照にされたい)。図6から明らかなように、トロンビン生成は、第V因子のアミノ酸506位のArgからGln突然変異の存在に大きく依存した。さらにトロンビン生成の程度は、突然変異についてホモ接合性およびヘテロ接合性の提供者に由来するPCCの間で明らかに異なっていた。
これらのデータは、活性化プロテインCの開裂部位に突然変異を持つ第V因子の強力な凝固促進作用は、完全な血漿に限られるのではなく、PCCのような第V因子−濃縮血漿画分中でも等しく現れることを実証している。第V因子−含有血漿画分の調製の第1工程として、該突然変異について供給血漿をスクリーニングすることは、したがって活性化プロテインCの存在中でのトロンビン生成に関して大きく異なる医薬調製物を導く。図6から明らかなようにこの知見は、PCCの効力を向上させるために望まれるような、PCCの凝固促進性の可能性を減らし、これが現在知られているPCCの血栓形成性を減少するか、または第VIII因子または他の凝固因子に対する阻害抗体を持つ患者の治療において、PCCの凝固促進性を増大させるために有利である。
実施例5:活性化プロテインCの開裂部位に突然変異を持つ第V因子は、第VIII因子インヒビターバイパス活性を表す。
血漿を重篤な血友病Aおよび第VIII因子と対するインヒビターを持つ患者から集めた。この抗−第VIII因子の力価は、いわゆる“ベセスダアッセイ(Bethesda assey)”を使用して測定し(Kasperら、1975,Thromb.Diath.Haemorrh.vol.34,869-872)、40ベセスダ単位であることが分かった。このような、この高力価は第VIII因子を用いた通常の代替療法では禁止されている。100μlの患者血漿に、部分精製した第V因子を最終濃度が0.5単位/mlになるように供給した。この第V因子は、実施例4に詳細に記載したように、アミノ酸506位にArgからGlnの突然変異が存在するために選択された血漿から精製した。混合物を次に、50mMのTris(pH7.3)および0.1%(重量/容量)のウシ血清アルブミンを含む緩衝液を使用して、400μlに希釈した。トロンビン生成は実施例2に詳細に記載した同方法により、400μlのAPTT試薬および400μlのTris/アルブミン緩衝液(25mM、そして1/8000倍希釈のトロンボプラスチン試薬を含む)を使用して評価した(実施例4を参照にされたい)。実施例2に記載した方法を使用して、定期的にトロンビンの定量のために試料を取り出し、そしてトロンビン生成プロフィールを作成した(図7を参照にされたい)。図7から明らかなように、第V因子の添加無し、またはアミノ酸506位がArgの第V因子を添加した後には、わずか少量のトロンビン生成が検出されただけであった。しかしアミノ酸506位でArgからGlnへの突然変異を有する第V因子の存在で、トロンビン生成は正常な、血友病ではない血漿中と同じであった。これは第V因子のArg506→Gln変異体を含んで成る医薬調製物が、第VIII因子バイパス活性を表し、そしてそれ自体が凝固血管の修正に利用性を持つことを示している。
実施例6:活性化プロテインCの開裂部位ニ突然変異を有する第VIII因子分子の構築。
実施例2および4に示すように、活性化プロテインCの開裂部位に突然変異を有するコファクター分子は、正常な健康な血液提供者の血漿中で生じることができ、そして変異体コファクターは精製前に提供者の血漿をスクリーニングすることにより選択的に得ることができる。そのような変異体を得ることは、正常な提供者群でのそれらの存在率から、限界があるかもしれない。そのような限界は、その変異体を組換えDNA法を使用して生成することにより克服できる。この方法の例は以下の記載により与えられるが、それは活性化プロテインCの開裂部位Arg562で置換を含む第VIII因子cDNAの構築および発現を概略している。この記載は平均的な当業者が、同様な置換をコファクター分子第VIII因子中の他の開裂部位で作成するための例である(図1を参照にされたい)。すでに第VIII因子cDNAのB−ドメイン欠失形態をコードするプラスミドpCLB-BPVdB695を記載した(Mertensら、Br.J.Haematol.vol.85,133-142)。Arg562がIleに置換している第VIII因子cDNAを調製するために、ポリメラーゼ連鎖反応を利用した。1206bp断片は、プラスミドpCLB-BPVdB695を鋳型として使用して、以下のオリゴヌクレオチド−プライマーを使用して増幅した:F8-547S 5'CTGGTAAAAGACTTGAAT 3'(第VIII因子 cDNAのヌクレオチド547-565);センスおよびF8-1732AS 5' CTGGTTTCCATTTTGATCTAC 3&apos(第VIII因子のcDNAのヌクレオチド1732-1753;アンチセンス誤対合に下線を付した)。さらに306bpの断片は、プラスミドpCLB-BPVdB695を鋳型として使用して、以下のオリゴヌクレオチド−プライマーを使用して増幅した:F8-1732S 5' GTAGATCAAAATGGAAACCAG 3'(第VIII因子のヌクレオチド1732-1753;センス誤対合に下線を付した)およびF8-2020AS 5' GTGTTTGAAGGTATATCC 3'(第VIII因子のヌクレオチド2020-2038);アンチセンス。反応条件は次の通りである:2' 90℃、20' 50℃、3' 72℃;45" 90℃で37回、90" 50℃、3' 72℃;5' 65℃、1mMのdNTPs、10倍のPfu-ポリメラーゼ反応緩衝液、50pMolのプライマーH1およびH2ならびに2.5UのPfu-ポリメラーゼ(ストラタジーン:Stratagene、ケンブリッジ、英国)の存在下。306bp断片および1206bp断片を、低融点アガロースゲル電気泳動法で精製し、続いてフェノール抽出した。精製した断片は、オリゴヌクレオチド-プライマーF8-547SおよびF8-2020ASを使用して、上記の反応条件を使用して、1491bp断片を増幅するための鋳型とした。生成した1491bp断片をApalI(853位)およびKpnI(1811位)で消化し、そして生成したApalI−KpnIを、pCLB-BPVdB695の対応するApaI−KpnI断片と置き換えるために使用した。生成したプラスミドをpCLB-BPVdB695RI562と命名し、そしてArg562→Ile突然変異を含むApalI−KpnI断片の配列を、オリゴヌクレオチド−シークエンシングにより確認した。C127細胞を、10%ウシ胎児血清、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを補充したIscove's培地で維持した。C127細胞のサブコンフルエントな単層を、本質的に記載されているように(GrahamおよびVan der Eb、1973,Virology vol.52,456-467)、リン酸−カルシウムを使用してトランスフェクションした。プラスミドpCLB-BPVdB695RI562(20μg)を、pGKhyg(1μg;Ten Rieleら、1990,Nature vol.348,649-651)でコートランスフェクションした。トランスフェクション、そしてトランスフェクションした細胞を200μg/mlのヒグロマイシンで選択した後、個々のクローンを単離し、そして選択培地で増殖させた。第VIII因子の分泌は、第Xa因子の発色基質を使用して(Coatest Factor VIII、クロモジェニックス、メルンダル、スウェーデン)、第VIII因子が第Xa因子の第IXa−依存性転換のためのコファクターとして機能する能力を測定することによりモニターした。第VIII因子抗原は、すでに特性が決定されたモノクローナル抗体(Lentingら、1994,J.Biol.Chem.vol 269,7150-7155)を使用して決定した。第VIII因子の軽鎖に対するモノクローナル抗体CLB-CAg12を固相として使用し、一方ペルオキシダーゼ−標識モノクローナル抗体CLB-CAg117(これも第VIII因子の軽鎖に対する)は、結合した第VIII因子の量を定量するために使用した。40名の健康な提供者のプールに由来する正常血漿を標準として使用した。有意な第VIII因子量を生産するpCLB-BPVdB695RI562でトランスフェクトした細胞から派生したクローンを、使用するまで液体窒素中で保存した。pCLB-BPVdB695RI562でトランスフェクトした細胞から派生した1つのクローンを、コンフルエントになるまで成長させ、そして続いて上記に概説したようにコファクター活性および抗原を測定した。アミノ酸Arg562位で修飾された第VIII因子−タンパク質は、56mU/mlのコファクター-活性を表した。抗原レベルを、続いて72mU/mlと決定した。
これらのデータは、活性化プロテインCの開裂部位で修飾されたコファクタンー分子が、真核細胞中で発現できることを示す。これらの変異体コファクター分子は、すでに確立されているように(Mertensら、1993,Br.J.Haematol.vol.85,133-142)、免疫−アフィニティークロマトグラフィー法により最も都合よく精製される。精製後、修飾されたコファクタータンパク質を、止血疾患を打ち消すための治療用調製物中に配合できる。
実施例7:活性化プロテインCの開裂部位に突然変異を有する第V因子分子の構築
実施例1に示すように、活性化プロテインCの開裂部位に突然変異を有するコファクター分子は、血栓−塞栓疾患に罹患している患者、ならびに正常な健康な血液提供者の血漿中に生じうる。実施例4において、血漿から得た、そのような修飾されたコファクターは、修飾分子と比較した時にトロンビン−生成の増加を示すことが明らかである。さらに実施例5において、置換Arg506→Glnを持つ第V因子分子は、“第VIII因子バイパス剤”として機能できることが示されている。そのような変異体を得ることは、正常な提供者群中でのその存在率から限界があるかもしれない。そのような限界は、その変異体を組換えDNA法を使用して生成することにより克服できる。この方法の例は以下の記載により提供されるが、それは活性化プロテインCの開裂部位Arg506に置換を含む第V因子cDNAの構築を概略する。この記載は平均的な当業者が、同様な置換をコファクター分子第V因子中の他の開裂部位に作成するための例である。第V因子のcDNAは本質的に記載されているように(Jennyら、1987,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vol,84,4846-4850)単離する。第V因子のcDNAの5'末端を、第V因子の開始−コドンで重複するNspI部位に挿入した二本鎖合成リンカー(5' AATGTCGACAAAGCCACCATG3'、センス;5' GTGGCTTTGTCGACATT3'、アンチセンス)を使用することにより修飾する。第V因子のcDNAの3'末端は以下のように修飾される:588bpの断片を増幅するために、オリゴヌクレオチド-プライマーFV-7(5' AATGCGGCCGCGGGGTTTTTGAATGTTCA 3'ヌクレオチド6679-6697;アンチ−センス)を、オリゴヌクレオチド−プライマーFV-8(5' GTGGCTAGATATATTAGGATC 3' ヌクレオチド6109-6130;センス)と共に使用する。反応条件は:2' 90℃、20' 55℃、3" 72℃;45" 90℃で37回、90" 55℃、3' 72℃;5' 65℃、1mM dNTPs、10倍のPfu-ポリメラーゼ反応緩衝液、50pMolのプライマーFV-7およびFV-8ならびに2.5UのPfu-ポリメラーゼ(ストラタジーン、ケンブリッジ、英国)の存在下。生成した断片をXhoIおよびNotIで消化し(第V因子のヌクレオチド6137-6697)、そして生成した断片をSphI-XhoI断片(第V因子のヌクレオチド5134-6137)、第V因子のcDNAの修飾5'末端を含むSalI-SphI断片(ヌクレオチド1-5134)、およびXhoIおよびNotI(ファルマシア-LKB、ウプサラ、スウェーデン)で消化したベクターpBPVと一緒にライゲーションに使用する。生成した構築物をpCLB-PBVFVと命名する。
第V因子のArg506でAPC−開裂部位に突然変異を含む第V因子のcDNAを構築するために、オリゴヌクレオチド−プライマー506-11(5' CTGTATTCCTTGCCTGTCCAG 3' ヌクレオチド1591-1612;アンチ-センス)を、オリゴヌクレオチド−プライマーFV-2(5'TTGCAAGCTGGGATGCAGGCT 3';ヌクレオチド946-967;センス)と共に使用して、666bp断片を増幅する。反応条件は:2' 90℃、20' 55℃、3' 72℃;45" 90℃で37回、90" 55℃、3' 72℃;5' 65℃、1mMのdNTPs、10倍のPfu-ポリメラーゼ反応緩衝液、50pMolのプライマー506-11およびFV-2ならびに2.5UのPfu-ポリメラーゼ(ストラタジーン、ケンブリッジ、英国)の存在下。同様に、オリゴヌクレオチド−プライマー506-12(5' CTGGACAGGCAAGGAATACAG 3';ヌクレオチド1591-1612;センス)およびオリゴヌクレオチド−プライマー506-2(5' CATCACGTTTCACCTCATCAGG 3';ヌクレオチド1708-1730;アンチセンス)を、上記の反応条件を使用して139bp断片を増幅するために使用する。オリゴヌクレオチド−プライマー505-2およびFV-2を使用して784bp断片を増幅するために、139bp断片および666bp断片の両方を使用する。生成した断片をKpnI(ヌクレオチド位1674)およびPstI(ヌクレオチド位1068)で消化し、そしてArg506→Gln突然変異を含む第V因子断片を、プラスミドpCLB-BPV-FVの対応する断片と置き換えるために使用する。生成したプラスミドをpCLB-BPVFVRQ506と命名し、そしてArg506→Gln突然変異を含むPstI-KpnI断片の配列をオリゴヌクレオチド−シークエンシングで確認する。
これらのデータは、活性化プロテインCの開裂部位で修飾された第V因子分子が構築でき、そして真核細胞発現ベクター中にクローン化できることを示している。これらの変異体コファクター分子は、記載された方法(Kaneら、1990,Biochemistry vol.29,6762-6768)により、最も都合よく真核細胞中で発現する。修飾されたタンパク質の精製は、好ましくは免疫−アフィニティークロマトグラフィー法により、第V因子についてすでに確立されているように行われる(Katzmannら、1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.vol.78,162-166)。
【図面の簡単な説明】
図1は第VIII因子中のトロンビンおよびAPCについてそれぞれ、活性化および不活性化部位を示す。棒の上に、第VIII因子中のトロンビンに関する開裂−部位を表す。このタンパク質の凝固促進機能を妨害するアミノ酸Arg372およびArg1689位での突然変異は、血友病Aを生じることが示された。棒の下に、Arg336およびArg562位でのAPC開裂部位を示した。この部位の突然変異は、第VIII因子の凝固促進活性を長期化し、血栓形式傾向を生じるようである。
図2は第V因子中のトロンビンおよびAPCについてそれぞれ、活性化および不活性化部位を示す。棒の上に、トロンビンに関する開裂−部位を表す。未だ、第V因子のこれらアミノ酸位で突然変異は示されていない。棒の下に、アミノ酸Arg306、Arg506、Arg679およびArg1765位のAPC開裂部位を示した。
これらの部位の突然変異は、第V因子の凝固促進性を長期化し、血栓形成傾向を生じるようである。
図3は第V因子のアミノ酸Arg506位に突然変異を持たない患者(個体A)、および突然変異を持つ患者(個体B)の分析を示す。レーン1.個体AのcDNAに由来するオリゴヌクレオチド−プライマー506-1および506-2で増幅した154bp断片。レーン2.NruIで消化した後の個体Aの同断片。レーン3.個体BのcDNAに由来するオリゴヌクレオチド−プライマー560-1および506-2で増幅した154bp断片。レーン4.NruIで消化した後の個体Bの同断片。レーン5.100bpラダー。
図4は、患者の第V因子のcDNAの配列分析を与える。個体Bに由来する第V因子のcDNA、Arg506からGlnへの突然変異についてヘテロ接合体を右パネルに示す。ヘテロ接合性は、第V因子のコドンArg506(CGA/CAA)の第二塩基対で、“G”および“A”の両方の発生が記録される(矢印で示すように)。左のパネルでは、突然変異を持たない個体Aの配列分析を示す。矢印は、コドンArg506(CGA/CGA)の第二塩基対で観察された1つの“G”を示す。
図5は、アミノ酸506位の活性化プロテインCの開裂部位に、突然変異が有る、または無い第V因子を含む血漿中のトロンビン生成を示す。血漿は、第V因子の遺伝型がArg506/Arg506、Arg506/Gln506およびGln506/Gln506の3名の異なる提供者から得た。
図6は、第V因子の遺伝型がArg506/Arg506、Arg506/Gln506およびGln506/Gln506について選択された提供者の血漿からのプロトロンビン複合体濃縮物として調製した、部分精製第V因子中のトロンビン生成を表す。
図7は、重篤な血友病Aおよび第VIII因子に対して高力価インヒビターを有する患者の血漿中のトロンビン形成を表す。トロンビン形成は、外因性の第V因子の存在により完全に正常化されているが、ただし外因性の第V因子は活性化プロテインCの開裂部位にArg506からGlnへの突然変異を有する。
表I:第VIIIおよび第V因子中のAPC開裂−部位。ヒト第VIII因子中の開裂−部位は、APC消化第VIII因子の開裂生成物のアミノ酸シークエンシングにより確認された。ヒト第V因子中の開裂−部位は、ウシ第V因子との相同性に基づいている。APCによるウシ第V因子の消化により生成したタンパク質溶解断片のアミノ酸シークエンシングを、正しい開裂−部位を決定するために使用した。第Vおよび第VIII因子のアミノ酸1は、シグナルペプチド後の第一アミノ酸に対応する。第Vおよび第VIII因子のヌクレオチド1は、開始−コドンの第一ヌクレオチドに対応する。
ヒト第VIII因子(アミノ酸配列Ser328−Asp345;ヌクレオチド1039−1090):
ヒト第VIII因子(アミノ酸配列Cys554−Arg571;ヌクレオチド1717−1768):
ヒト第V因子(アミノ酸配列Ile298−Gln315;ヌクレオチド976−1027):
ヒト第V因子(アミノ酸配列Cys498−Glu515;ヌクレオチド1576−1627):
ヒト第V因子(アミノ酸配列Pro671−Glu688;ヌクレオチド2095−2146):
ヒト第V因子(アミノ酸配列Glu1757−Ser1774;ヌクレオチド5353−5404):
表II:第V因子のアミノ酸Arg506位、ならびに第VIII因子のArg336位およびArg562位のAPC開裂-部位で突然変異を検出するために使用したオリゴヌクレオチドプライマーの一覧表。第Vおよび第VIII因子の野生型配列に関して、オリゴヌクレオチド−プライマー中の誤対合に下線を付している。野生型の第Vおよび第VIII因子配列に由来する適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて命名したプライマーのPCR増幅後、制限−部位を持つ断片を生成する。特定のコドンでの突然変異の存在は、この制限−部位を破壊し、したがってAPCに関する開裂−部位で突然変異をモニターするために使用できる。
ヒト第VIII因子(アミノ酸配列Ser328−Asp345;ヌクレオチド1039−1090):
オリゴヌクレオチド プライマー 336−1(センス:ヌクレオチド1039−1064):
オリゴヌクレオチド プライマー 336−2(センス:ヌクレオチド1039−1063):
オリゴヌクレオチド プライマー 336−3(アンチ−センス:ヌクレオチド1180−1201):
ヒト第VIII因子(アミノ酸配列Cys554−Arg571;ヌクレオチド1717−1768):
オリゴヌクレオチド プライマー 562−5(センス:ヌクレオチド1717−1741):
オリゴヌクレオチド プライマー 526−6(アンチ−センス:ヌクレオチド2020−2038):
ヒト第V因子(アミノ酸配列Cys498−Glu515;ヌクレオチド1576ー1627):
オリゴヌクレオチド プライマー 506−1(センス:ヌクレオチド1576−1600):
オリゴヌクレオチド プライマー 506−2(アンチ−センス:ヌクレオチド1708−1730):
表III:Arg506からGln置換を診断するための、第V因子cDNAおよびゲノム配列の両方に由来するオリゴヌクレオチドプライマー。第V因子遺伝子のイントロン10のヌクレオチド1−8に由来するプライマーの部分を太く示す。オリゴヌクレオチド−プライマー506-8は、オリゴヌクレオチドプライマー506-7に関して“C”から“T”への置換を含み、これは明細書に記載したArg506からGln置換に相当する(下線)。
(センス;第V因子cDNAのヌクレオチド1414−1435)
(アンチ−センス;第V因子遺伝子のヌクレオチド 1602−1612および第V因子遺伝子のイントロン10のヌクレオチド1−8)
(アンチ−センス;第V因子遺伝子のcDNAヌクレオチド 1601−1612および第V因子遺伝子のイントロン10のヌクレオチド1−8)
(アンチ−センス;第V因子遺伝子のヌクレオチド 1062−1612および第V因子遺伝子のイントロン10のヌクレオチド1−8)
Claims (12)
- 活性化プロテインCに対して耐性である血液凝固第V因子を有効成分とする血液凝固カスケードにおける疾患を治療するための医薬製剤であって、該血液凝固第V因子が活性化プロテインCの開裂部位306位および506位の少なくとも1つに突然変異を有することを特徴とする医薬製剤。
- 突然変異が306位および/または506位におけるアルギニン残基の置換突然変異である請求項1記載の医薬製剤。
- 突然変異が306位に存在する請求項1または2記載の医薬製剤。
- 突然変異が506位に存在する請求項1または2記載の医薬製剤。
- 突然変異が306位および506位に存在する請求項1または2記載の医薬製剤。
- 血液凝固第V因子が活性化プロテインCに対して耐性である
第V因子を発現する遺伝子操作された細胞または生物体から得られる請求項1〜5のいずれかに記載の医薬製剤。 - 血液凝固第V因子が活性化プロテインCに対して耐性を示す個体の血液もしくは血漿から得られる請求項1〜5のいずれかに記載の医薬製剤。
- 少なくとも1種の追加の凝固因子をさらに含む請求項1〜7のいずれかに記載の医薬製剤。
- 少なくとも1種の追加の凝固因子が第II因子、第VII因子、第IX因子および第X因子からなる群より選ばれる請求項8記載の医薬製剤。
- 製薬学的に許容されうる担体、希釈剤、または助剤をさらに含む請求項1〜9のいずれかに記載の医薬製剤。
- 血液凝固カスケードにおける疾患が第VIII因子、第IX因子、第VII因子および第X因子からなる群より選ばれる少なくとも1種の凝固因子の欠失に起因する請求項1記載の医薬製剤。
- 疾患が凝固因子に対するインヒビターまたは抗体の存在により悪化する請求項11記載の医薬製剤。
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