JP3809880B2 - 振動制御系における伝達関数の短時間内取得方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動制御系における伝達関数の短時間内取得方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
普通、例えば各種振動試験用の振動発生装置に所望の波形の振動を発生させるに当たり、同振動発生装置による本番の振動試験に入る前に、同振動発生装置の振動を制御する振動制御系の上記所望の波形についての伝達関数を求めてから、得られた伝達関数の下に上記振動制御系を作動させて本番の振動試験に入る必要がある。本番の振動試験に入る前の、伝達関数を得るための予備的な振動発生プロセスは通常以下のようにして行なわれる。
【0003】
まず、振動制御系の振動発生用出力信号発生回路から、振動発生装置に発生させたい振動の波形すなわち制御目標波形と同じ波形時間のランダム波の電気信号を振動発生装置へ送るとともに、同振動発生装置が発生する振動を加速度ピックアップ等の振動検出手段により検出し、同振動検出手段が検出した振動発生装置の実際の振動の波形が上記制御目標波形に一致するように振動発生用出力信号発生回路が発生する振動発生用出力信号を修正し、再度振動発生用出力信号発生回路から修正後の振動発生用出力信号を上記振動発生装置へ送って振動発生装置を振動させ、振動検出手段が検出した振動発生装置の実際の振動の波形が、さらに上記制御目標波形に一致するように上記振動発生用出力信号発生回路が発生する振動発生用出力信号を修正する。このようにして振動発生装置の振動と振動発生用出力信号発生回路が発生する振動発生用出力信号の修正とを順次繰り返し実施して、振動制御系の制御目標波形についての伝達関数を正確な伝達関数に近づけて行き、正確な伝達関数に対する得られた伝達関数の誤差が殆ど無視できる程度に達した段階で、得られた伝達関数の下で振動試験の本番に入る。
【0004】
図3に、ある地震波を制御目標波形として、正確な伝達関数を得るための予備的な振動発生プロセスにおいて、振動発生装置の振動と振動制御系の振動発生用出力信号発生回路が発生する振動発生用出力信号の修正とを上述のようにして順次繰り返し実施したときの、得られた伝達関数の誤差率の変化の1例を、グラフaとして示す。同図において、横軸は加振回数を示し、振動発生用出力信号発生回路が発生する振動発生用出力信号に従って制御目標波形の波形時間の間、振動発生装置に振動を発生させるのを加振回数1回としている。その際、加振回数が重ねられる毎に、上述のようにして振動発生用出力信号が修正される。他方、図3の縦軸は下式で定義される伝達関数の誤差率を対数目盛で示す。
誤差率=Σ{(目標波形の振幅)2−(検出波形の振幅)2}/Σ(目標波形の振幅)2
【0005】
図3のグラフaに見られるように、加振回数が数回の間は誤差率が殆ど100%であり、加振回数が数回を越えてから誤差率が少しずつ減少し、加振回数が10回前後に至って誤差率が急激に減少するものの、加振回数が20回繰り返されても得られる伝達関数の誤差率は2%を下らない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本番の振動試験に入る前の、伝達関数を得るための予備的な振動発生プロセスにおいて、制御目標波形の波形時間が長ければ長い程、また許容可能な伝達関数を得るまでの加振回数が多ければ多い程、予備的な振動発生プロセスに多大な時間を費やすこととなる。
【0007】
そこで本発明は、許容範囲内の低い誤差率の伝達関数を得るまでの予備的な振動発生プロセスに要する時間を大幅に短縮することができるような、振動制御系における伝達関数の短時間内取得方法および装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得方法において、まず制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を第1次振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号により振動発生装置に振動を発生させる。同振動発生装置が発生した第1次振動を検出して得られる第1次検出振動波形を時間領域の関数としてフーリエ変換をすることにより第1次検出振動周波数領域波形に変換する。そして上記制御目標波形を時間領域の関数としてフーリエ変換をすることにより得られた制御目標周波数領域波形について設定した設定点数分の互いに相異なる設定周波数のうちから上記設定点数を縮減した1/nの点数の設定周波数を選択周波数として選択し、同選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数と直近下位の選択周波数との差に対する直近上位の選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完した後、上記制御目標周波数領域波形のスペクトル・データと上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの比を求める。さらに同比の値を上記ランダム波の周波数領域波形に乗じて第2次振動発生用周波数領域波形を作成し、同第2次振動発生用周波数領域波形を上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の第2次振動発生用時間領域波形に変換した後、同第2次振動発生用時間領域波形の新たな振動発生用出力信号により上記振動発生装置に第2次振動を発生させる。以後、上記第1次振動の場合と同様のデータ処理および演算処理を行ない、このような処理操作の回数を重ねて上記制御目標波形についての伝達関数を短時間内に取得する。
【0009】
また、本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置は、制御目標波形を時間領域の関数として処理し同制御目標波形を表す制御目標時間領域波形信号を発生する制御目標時間領域波形信号発生手段と、同制御目標時間領域波形信号発生手段から送られた制御目標時間領域波形信号に基づき上記制御目標時間領域波形をフーリエ変換を通して制御目標周波数領域波形に変換し制御目標周波数領域波形信号を発生する制御目標周波数領域波形信号発生手段とを備える。他方、本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置は、上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号を発生することができる振動発生用出力信号発生手段と、同振動発生用出力信号発生手段から送られた上記振動発生用出力信号に従って振動を発生する振動発生装置と、同振動発生装置が発生した振動を検出する振動検出手段とを備える。本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置は、さらに、上記振動検出手段が検出した振動に基づいて検出振動波形を表す検出振動時間領域波形信号を発生する検出振動時間領域波形信号発生手段と、同検出振動時間領域波形信号発生手段から送られた検出振動時間領域波形信号に基づき同検出振動時間領域波形をフーリエ変換を通して検出振動周波数領域波形に変換するとともに上記制御目標周波数領域波形について定めた設定周波数のうちから設定点数を縮減した1/nの点数の設定周波数を選択周波数として選択し、同選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数と直近下位の選択周波数との差に対する直近上位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完して上記検出振動周波数領域波形の補完波形を表す検出振動周波数領域補完波形信号を発生する検出振動周波数領域補完波形信号発生手段とを備える。また、本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置は、上記制御目標周波数領域波形信号発生手段から送られた上記制御目標周波数領域波形信号と上記検出振動周波数領域補完波形信号発生手段から送られた上記検出振動周波数領域補完波形信号との各信号値の比を演算して比信号を発生する除算器と、同除算器から送られた比信号を上記ランダム波の周波数領域波形を表すランダム波周波数領域波形信号に乗じて同ランダム波周波数領域波形を修正し振動発生用周波数領域波形の修正波形を表す振動発生用周波数領域修正波形信号を発生する振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段とを備え、上記振動発生用出力信号発生手段が、上記振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段から送られた振動発生用周波数領域修正波形信号に基づき上記振動発生用周波数領域修正波形を振動発生用時間領域修正波形に変換し、同振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を新たな振動発生用出力信号として、上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を上記振動発生装置へ送ることができるように構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。図1に本発明の1実施の形態に係る振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置の信号処理系統を示す。同図において、振動制御系1の制御目標時間領域波形信号発生手段8は、例えばある特定の地震波形等のリファレンス波形よりなる制御目標波形を時間領域の関数として処理し同制御目標波形を表す制御目標時間領域波形信号を発生するように構成されており、同制御目標時間領域波形信号発生手段8の出力信号は、制御目標周波数領域波形信号発生手段9へと送られる。制御目標周波数領域波形信号発生手段9は、制御目標時間領域波形信号発生手段8から送られた制御目標時間領域波形信号に基づき、上記制御目標時間領域波形をフーリエ変換を通して制御目標周波数領域波形に変換して制御目標周波数領域波形信号を発生し、発生した制御目標周波数領域波形信号を除算器7へ送る。
【0011】
他方、振動制御系1は、振動発生装置3へ振動発生用出力信号を発生する振動発生用出力信号発生手段2を備えており、この振動発生用出力信号発生手段2が、上記の特定の地震波形等のリファレンス波形よりなる上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号を発生することができるように構成されている。正確な伝達関数を得るための予備的な振動発生プロセスにおいて、振動発生装置3は、振動発生用出力信号発生手段2から送られた上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を第1次の振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号に従って第1次の振動を発生する。
【0012】
振動発生装置3が発生した振動は、例えば加速度ピックアップ等の振動検出手段4により検出される。振動検出手段4が発生した振動検出データ信号は、振動制御系1の検出振動時間領域波形信号発生手段5へ送られる。検出振動時間領域波形信号発生手段5は、振動検出手段4から送られた振動検出データ信号に基づいて、検出された振動の波形を表す検出振動時間領域波形信号を発生し、発生した検出振動時間領域波形信号を出力信号として検出振動周波数領域補完波形信号発生手段6へ送る。
【0013】
検出振動周波数領域補完波形信号発生手段6は、検出振動時間領域波形信号発生手段5から送られた検出振動時間領域波形信号に基づき、同検出振動時間領域波形をフーリエ変換を通して検出振動周波数領域波形に変換する。そして、上記制御目標周波数領域波形について定めた例えば図2の設定周波数Aの列において第0番から第16番まで例示したような0Hz,1.25Hz、2.5Hz、・・・等の設定周波数Aのうちから設定点数を縮減した1/nの点数、例えば1/4の点数の設定周波数を、例えば図2の選択周波数Bの列において第0番から第4番まで例示したような0Hz、5Hz,10Hz、・・・等の選択周波数Bとして選択し、選択周波数Bに関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数B間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数Bと直近下位の選択周波数Bとの差に対する直近上位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数Bに関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完して上記検出振動周波数領域波形の補完波形を表す検出振動周波数領域補完波形信号を発生し、発生した検出振動周波数領域補完波形信号を出力信号として除算器7へ送る。
【0014】
上述の直線補完演算の1例を以下に示す。例えば制御目標周波数領域波形に係る0番目の設定周波数0Hzのスペクトル・データをc0とし、同制御目標波形に係る4番目の設定周波数5Hzのスペクトル・データをc5とすると、検出振動周波数領域補完波形に係る0番目の設定周波数0Hzから4番目の設定周波数5Hzまでのスペクトル・データは、それぞれ以下の通りである。
0番目の設定周波数0Hzに対応する選択周波数のスペクトル・データ:c0
1番目の設定周波数1.25Hzに対応する補完スペクトル・データ:c1
c1=c0+(c5−c0)×(1/4)
2番目の設定周波数2.5Hzに対応する補完スペクトル・データ:c2
c2=c0+(c5−c0)×(2/4)
3番目の設定周波数3.75Hzに対応する補完スペクトル・データ:c3
c3=c0+(c5−c0)×(3/4)
4番目の設定周波数5Hzに対応する選択周波数のスペクトル・データ:c5
【0015】
除算器7は、制御目標周波数領域波形信号発生手段9から送られた上記制御目標周波数領域波形信号と検出振動周波数領域補完波形信号発生手段6から送られた上記検出振動周波数領域補完波形信号との各信号値の比を演算して比信号を発生する。除算器7が発生した比信号は、乗算器10へ送られる。乗算器10において、除算器7から送られた比信号は、振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段11が発生する振動発生用周波数領域修正波形信号に乗算器10において乗算される。振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段11は、上記ランダム波の周波数領域波形を表すランダム波周波数領域波形信号を発生し、発生したランダム波周波数領域波形信号を乗算器10へ送ることにより、ランダム波周波数領域波形を修正し振動発生用周波数領域波形の修正波形を表す振動発生用周波数領域修正波形信号を発生し、発生した振動発生用周波数領域修正波形信号を、振動発生用出力信号発生手段2へ送るとともに、上述のように乗算器10へ、フィードバック信号として送る。
【0016】
振動発生用出力信号発生手段2は、振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段 11から送られた振動発生用周波数領域修正波形信号に基づき、振動発生用周波数領域修正波形を振動発生用時間領域修正波形に変換し、上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を第2次の振動発生用時間領域波形信号として振動発生装置3へ送ることができるように構成されている。
【0017】
制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の第2次振動発生用時間領域波形信号を振動発生装置3へ送って振動発生装置3を振動させた後は、上記第1次の振動の場合と同様のデータ処理および演算処理を行ない、このような処理操作の回数を重ねて、上記制御目標波形についての伝達関数の誤差率を低減させて行く。
【0018】
このようにして、図3のグラフaの場合の地震波の波形時間の32分の1に短縮された波形時間のランダム波を用いた予備的な振動発生プロセスにおける加振回数を15回経てから、図3のグラフaの場合の地震波と同じ地震波を制御目標波形とし、同グラフaの場合に使用した装置と同じ装置を使用して、振動発生装置に制御目標波形の全波形時間にわたる振動を繰り返し発生させたときの、各次毎の伝達関数の誤差率の変化を、グラフbとして示す。グラフbに見られるように、第1回目の加振時において誤差率が略20%近くまで低下しており、その後誤差率は急激に低下し、5回目の加振時において伝達関数の誤差率は2%を下回っている。しかも、ランダム波を用いた予備的な振動発生プロセスに要した時間を考慮しても、本発明により、許容可能な誤差率の伝達関数を得るまでに要する時間が、従来要していた時間よりも遥かに短縮される。
【0019】
【発明の効果】
まず、本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得方法によれば、以下のような効果が得られる。
(1)制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を第1次振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号により振動発生装置に振動を発生させ、同振動発生装置が発生した第1次振動を検出して得られる第1次検出振動波形を時間領域の関数としてフーリエ変換をすることにより第1次検出振動周波数領域波形に変換し、上記制御目標波形を時間領域の関数としてフーリエ変換をすることにより得られた制御目標周波数領域波形について設定した設定点数分の互いに相異なる設定周波数のうちから上記設定点数を縮減した1/nの点数の設定周波数を選択周波数として選択し、同選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数と直近下位の選択周波数との差に対する直近上位の選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完した後、上記制御目標周波数領域波形のスペクトル・データと上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの比を求め、同比の値を上記ランダム波の周波数領域波形に乗じて第2次振動発生用周波数領域波形を作成し、同第2次振動発生用周波数領域波形を上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の第2次振動発生用時間領域波形に変換した後、同第2次振動発生用時間領域波形の新たな振動発生用出力信号により上記振動発生装置に第2次振動を発生させ、以後上記第1次振動の場合と同様のデータ処理および演算処理を行ない、このような処理操作の回数を重ねて上記制御目標波形についての伝達関数を短時間内に取得するようにしたので、許容範囲内の低い誤差率の伝達関数を得るまでの予備的な振動発生プロセスに要する時間を大幅に短縮することができる(請求項1)。
次に、本発明の振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置によれば、以下のような効果が得られる。
(2)制御目標波形を時間領域の関数として処理し同制御目標波形を表す制御目標時間領域波形信号を発生する制御目標時間領域波形信号発生手段と、同制御目標時間領域波形信号発生手段から送られた制御目標時間領域波形信号に基づき上記制御目標時間領域波形をフーリエ変換を通して制御目標周波数領域波形に変換し制御目標周波数領域波形信号を発生する制御目標周波数領域波形信号発生手段と、上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号を発生することができる振動発生用出力信号発生手段と、同振動発生用出力信号発生手段から送られた上記振動発生用出力信号に従って振動を発生する振動発生装置と、同振動発生装置が発生した振動を検出する振動検出手段と、同振動検出手段が検出した振動に基づいて検出振動波形を表す検出振動時間領域波形信号を発生する検出振動時間領域波形信号発生手段と、同検出振動時間領域波形信号発生手段から送られた検出振動時間領域波形信号に基づき同検出振動時間領域波形をフーリエ変換を通して検出振動周波数領域波形に変換するとともに上記制御目標周波数領域波形について定めた設定周波数のうちから設定点数を縮減した1/nの点数の設定周波数を選択周波数として選択し、同選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数と直近下位の選択周波数との差に対する直近上位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完して上記検出振動周波数領域波形の補完波形を表す検出振動周波数領域補完波形信号を発生する検出振動周波数領域補完波形信号発生手段と、上記制御目標周波数領域波形信号発生手段から送られた上記制御目標周波数領域波形信号と上記検出振動周波数領域補完波形信号発生手段から送られた上記検出振動周波数領域補完波形信号との各信号値の比を演算して比信号を発生する除算器と、同除算器から送られた比信号を上記ランダム波の周波数領域波形を表すランダム波周波数領域波形信号に乗じて同ランダム波周波数領域波形を修正し振動発生用周波数領域波形の修正波形を表す振動発生用周波数領域修正波形信号を発生する振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段とを備え、上記振動発生用出力信号発生手段が、上記振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段から送られた振動発生用周波数領域修正波形信号に基づき上記振動発生用周波数領域修正波形を振動発生用時間領域修正波形に変換し同振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を新たな振動発生用出力信号として上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を上記振動発生装置へ送ることができるように構成されているので、許容範囲内の低い誤差率の伝達関数を得るまでの予備的な振動発生プロセスに要する時間を大幅に短縮する装置が得られる(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態に係る振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置の信号処理系統図である。
【図2】図1の振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置における制御目標周波数領域波形について設定した設定周波数とランダム波周波数領域波形について選択した選択周波数との関係を示す説明図である。
【図3】 従来の手法に従って制御目標波形を振動発生用出力信号として振動を繰り返し発生させたときの誤差率の変化と、本発明の方法に従った予備的な振動発生プロセスを経てから制御目標波形を振動発生用出力信号として振動を繰り返し発生させたときの誤差率の変化とを対比して示すグラフである。
【符号の説明】
1 振動制御系
2 振動発生用出力信号発生手段
3 振動発生装置
4 加速度ピックアップ等の振動検出手段
5 検出振動時間領域波形信号発生手段
6 検出振動周波数領域補完波形信号発生手段
7 除算器
8 制御目標時間領域波形信号発生手段
9 制御目標周波数領域波形信号発生手段
10 乗算器
11 振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段
12 フィードバック回路
A 制御目標周波数領域波形についての設定周波数
B ランダム波周波数領域波形についての選択周波数
a 従来の手法による伝達関数の誤差率の変化を示すグラフ
b 本発明の方法による伝達関数の誤差率の変化を示すグラフ
Claims (2)
- 制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を第1次振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号により振動発生装置に振動を発生させ、同振動発生装置が発生した第1次振動を検出して得られる第1次検出振動波形を時間領域の関数としてフーリエ変換をすることにより第1次検出振動周波数領域波形に変換し、上記制御目標波形を時間領域の関数としてフーリエ変換をすることにより得られた制御目標周波数領域波形について設定した設定点数分の互いに相異なる設定周波数のうちから同設定点数を縮減した1/nの点数の設定周波数を選択周波数として選択し、同選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数と直近下位の選択周波数との差に対する直近上位の選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数に関する上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完した後、上記制御目標周波数領域波形のスペクトル・データと上記第1次検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの比を求め、同比の値を上記ランダム波の周波数領域波形に乗じて第2次振動発生用周波数領域波形を作成し、同第2次振動発生用周波数領域波形を上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の第2次振動発生用時間領域波形に変換した後、同第2次振動発生用時間領域波形の新たな振動発生用出力信号により上記振動発生装置に第2次振動を発生させ、以後上記第1次振動の場合と同様のデータ処理および演算処理を行ない、このような処理操作の回数を重ねて上記制御目標波形についての伝達関数を短時間内に取得することを特徴とする、振動制御系における伝達関数の短時間内取得方法。
- 制御目標波形を時間領域の関数として処理し同制御目標波形を表す制御目標時間領域波形信号を発生する制御目標時間領域波形信号発生手段と、同制御目標時間領域波形信号発生手段から送られた制御目標時間領域波形信号に基づき上記制御目標時間領域波形をフーリエ変換を通して制御目標周波数領域波形に変換し制御目標周波数領域波形信号を発生する制御目標周波数領域波形信号発生手段と、上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間のランダム波を振動発生用時間領域波形とする振動発生用出力信号を発生することができる振動発生用出力信号発生手段と、同振動発生用出力信号発生手段から送られた上記振動発生用出力信号に従って振動を発生する振動発生装置と、同振動発生装置が発生した振動を検出する振動検出手段と、同振動検出手段が検出した振動に基づいて検出振動波形を表す検出振動時間領域波形信号を発生する検出振動時間領域波形信号発生手段と、同検出振動時間領域波形信号発生手段から送られた検出振動時間領域波形信号に基づき同検出振動時間領域波形をフーリエ変換を通して検出振動周波数領域波形に変換するとともに上記制御目標周波数領域波形について定めた設定周波数のうちから設定点数を縮減した1/nの点数の設定周波数を選択周波数として選択し、同選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データはそのまま利用し、上記各選択周波数間の上記設定周波数に関するスペクトル・データについては、直近上位の選択周波数と直近下位の選択周波数との差に対する直近上位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データと直近下位の選択周波数に関する上記検出振動周波数領域波形のスペクトル・データとの差を勾配とする比例配分による直線補完演算により補完して上記検出振動周波数領域波形の補完波形を表す検出振動周波数領域補完波形信号を発生する検出振動周波数領域補完波形信号発生手段と、上記制御目標周波数領域波形信号発生手段から送られた上記制御目標周波数領域波形信号と上記検出振動周波数領域補完波形信号発生手段から送られた上記検出振動周波数領域補完波形信号との各信号値の比を演算して比信号を発生する除算器と、同除算器から送られた比信号を上記ランダム波の周波数領域波形を表すランダム波周波数領域波形信号に乗じて同ランダム波周波数領域波形を修正し振動発生用周波数領域波形の修正波形を表す振動発生用周波数領域修正波形信号を発生する振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段とを備え、上記振動発生用出力信号発生手段が、上記振動発生用周波数領域修正波形信号発生手段から送られた振動発生用周波数領域修正波形信号に基づき上記振動発生用周波数領域修正波形を振動発生用時間領域修正波形に変換し同振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を新たな振動発生用出力信号として上記制御目標波形の波形時間を短縮した1/nの波形時間の振動発生用時間領域修正波形を表す振動発生用時間領域修正波形信号を上記振動発生装置へ送ることができるように構成されていることを特徴とする、振動制御系における伝達関数の短時間内取得装置。
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