JP3809416B2 - 走査露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクに形成されたパターンを露光光を用いて基板に投影し転写する露光装置及びデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子などを製造するためのフォトリソグラフィ工程において、投影光学系を介してマスク(例えば、レチクル)のパターン像を感光性基板に投影し露光する露光装置が使用されている。近年、半導体集積回路は、微細化の方向で開発が進み、フォトリソグラフィ工程においては、フォトリソグラフィ光源の短波長化が進んでいる。
【0003】
しかしながら、真空紫外線、特に250nmよりも短い波長の光、例えば、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)、またはYAGレーザなどの高調波などの光を露光用光として用いる場合やX線を露光光として用いる場合などにおいて、酸素等による露光光の吸収などの影響で、露光光の強度が低下するなどの課題が生じていた。
【0004】
そこで、従来では、F2エキシマレーザのような光源を有する露光装置において、光路部分のみを密閉する密閉空間を形成し、例えば、窒素のような酸素を含まない気体によって密閉空間内のガスを置換し、露光光の透過率の低下を回避しようとしていた。
【0005】
図14A、図14Bは、投影光学系(鏡筒)の最終光学部材と感光性基板(ウエハ)との間の空間に不活性ガスを供給することによって該空間に不活性ガス雰囲気を形成して露光を実施する露光装置を示す図である。この露光装置では、露光領域上の空間とその周辺雰囲気とを分離するために該空間の周辺に遮蔽部材を設け、該空間内に露光領域周辺から不活性ガスを供給する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14A、図14Bに示す露光装置においては、ウエハ周辺の段差や隙間に溜まった雰囲気が空間内に移動するまで不活性ガスへ置換できず、ウエハ周辺を露光する際には空間内の不活性ガス濃度が低下し、また、ウエハステージが高速移動した場合には巻き込みの影響で不活性ガス濃度が低下し、照度ムラの原因となっていた。
【0007】
同様の問題は、レチクル周辺に不活性ガスを供給する場合にも当てはまり、レチクル周辺を露光する際には空間内の不活性ガス濃度が低下し、また、ウエハステージが高速移動した場合には巻き込みの影響で不活性ガス濃度が低下し、照度ムラの原因となっていた。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、投影光学系と基板ステージとの間の投影光学系の光路空間をその周囲の空間から適切に隔離することができる走査露光装置、およびそれを用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本願発明の走査露光装置は、マスクに形成されたパターンを基板に投影するための投影光学系と前記基板を保持し移動する基板ステージとを有する走査露光装置であって、前記投影光学系と前記基板ステージとの間の前記投影光学系の光路空間に不活性ガスの流れを形成するための、前記光路空間を含む空間を規定する規定部材と、前記規定部材に配された供給口および排出口を介し、かつ前記供給口からの不活性ガスの供給量より前記排出口からのガスの排出量を多くして、前記光路空間に不活性ガスの流れを形成する形成手段と、前記光路空間に関し前記供給口および前記排出口の外側において前記光路空間を囲むように前記規定部材に配された開口を介し、前記基板ステージに向かう方向に不活性ガスを噴出させる流体供給手段とを有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0011】
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1の露光装置の一部を示す図である。
【0012】
この露光装置は、例えば、不図示のF2エキシマレーザのような短波長レーザ光を照明光として発生する光源を備え、該光源の照明光(露光光)は適当な照明光学部材を介してレチクル(マスク)を均一に照明する。レチクルを透過した光(露光光)は、投影光学系101を構成する種々の光学部材を介してウエハステージ102上に載置されたウエハ103の表面上に到達し、ここにレチクルのパターンを結像する。
【0013】
ウエハ103が載置されるウエハステージ102は、3次元方向(XYZ方向)に移動可能に構成されている。レチクルのパターンは、ステッピング移動と露光とを繰り返す所謂ステッピングアンドリピート方式で、ウエハ103上に逐次投影され転写される。また、本発明をスキャン露光装置に適用した場合においても、ほぼ同じ構成となる。
【0014】
露光時には、温調された不活性ガス(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス等)を給気バルブ111を介して、投影光学系101下部の遮蔽部材115とウエハ103との間の、露光光が通過する空間及びその周辺を含む空間(以下、光路空間)116に給気口113から供給する。光路空間116に供給された不活性ガスの一部は、排気口114で回収され排気バルブ112を介して排気される。給気バルブ111、給気口113、排気口114、排気バルブ112等は、光路空間116に不活性ガス等のガスの流れを形成するガス流形成機構の一例である
尚、図1中の矢印は、不活性ガスの流れを示している。また、アライメント光を透過させるために、遮蔽部材115の一部は透明部材で構成される。
【0015】
また、基本的には、周辺雰囲気に対して光路空間116を陽圧にする(周辺雰囲気の圧力に対して光路空間116の圧力を高くする)ことで、光路空間内の露光雰囲気の酸素濃度を低下させる。そのため、排気バルブ112を介して排気される排気量以上に光路空間116から周辺空間に漏れ出す不活性ガスの量は多い。光路空間116外に漏れ出した不活性ガスは、給気部121から供給される周辺雰囲気と共に排気部122で回収され排気される。
【0016】
また、光路空間116外に漏れ出した不活性ガスは、温調ガス(ドライエアまたは低濃度の不活性ガス等)が給気部121から供給され、周辺雰囲気と共に排気部122で回収され排気される。この周辺雰囲気により、露光領域周辺の温調がなされる。
【0017】
給気バルブ111及び排気バルブ112の開閉及び開度は環境制御器131で制御される。通常、給気バルブ111及び排気バルブ112は開放状態になっており、ステージ102の位置にかかわらず、不活性ガスは光路空間116内に常時供給されている。ただし、ウエハ交換時、メンテナンス時など、光路空間116下からステージ102が外れる場合は一時的に不活性ガスの供給を停止、もしくは供給量を少なくし、ウエハ交換後、もしくはメンテナンス終了後にステージ102が光路空間116下に再突入する前に供給を開始、もしくは供給量を戻す制御を行っても良い。
【0018】
また、環境制御器131及びステージ制御器132並びに不図示の他の制御器は、メインコントローラ133により、ウエハ交換、アライメント動作、露光動作等の種々の動作において統括的に制御される。メインコントローラ133による制御内容や露光装置の動作状態は、監視装置134によって監視される。
【0019】
ここで、光路空間116の内側に入ったり、外側に出たりする領域にある、ウエハ103周辺の隙間、或いはウエハステージ102上の段差部分の雰囲気の置換が不十分であるために、ウエハステージ102移動時に、周辺雰囲気を光路空間内に巻き込んでしまい、光路空間116内の酸素濃度が上昇する可能性があった。
【0020】
そこで、実施形態1では、光路空間116の周辺空間(特に光路空間116近傍の周辺の空間)の高さを制限し、所定空間150を形成するための部材151を設ける。光路空間116内部に存在する不活性ガスの平均濃度をP1、光路空間外部に存在する不活性ガスの平均濃度をP2とした場合、
P2<P<P1(条件1)
となる不活性ガスの平均濃度Pを維持するための所定空間150が光路空間116を囲む形で部材151とウエハ103の間に形成されることになる。この所定空間150の光路空間付近は、光路空間116内部の不活性ガス平均濃度とほぼ同じ濃度となり、所定空間150の外側に行くに従って、外部雰囲気の濃度に近づく。言い換えれば、部材151はウエハ103との間に隙間空間を形成して不活性ガス平均濃度Pの空間を形成している。
【0021】
ここで、所定空間150を形成するための部材151の下面(ウエハ側の面)とウエハとの距離H1(ウエハステージとの距離でも構わない。以下の文章において、「部材151またはその他の部材とウエハとの距離」という表現を用いる場合は、ウエハをウエハステージと置き換えても等価である。また、ウエハでなくレチクルに関しても、レチクルをレチクルステージに置き換えても等価である。)を、部材151の下面(ステージ側の面)のウエハ(ウエハステージ)と実質的に平行な所定の方向に関する幅L1の1/2倍以下、より好ましくは1/3倍以下にする(条件2)ことにより、所定空間内のガスの行き来が困難になるため、酸素等の露光光を吸収するガスを光路空間116内に巻き込む可能性を低くすることができる。ここで、前述の「ウエハと実質的に平行な所定の方向」とは、「給気口113からガスを供給する方向を含む、ウエハと垂直な平面と、ウエハ面を含む平面とが交わる直線の方向」、すなわち「光路空間内でのガスの流れの方向」でも良いし、「ウエハステージ102の走査露光方向」であっても構わない。
【0022】
また、所定空間150の高さH1(部材151の下面とウエハとの距離)が、投影光学系101の最もウエハ側の光学素子とウエハとの距離H0よりも短い(条件3)方が好ましい。できれば、所定空間150の高さが投影光学系101の最もウエハ側の光学素子とウエハとの距離の半分、より好ましくは1/4倍以下にすると良い。このようにすることにより、不活性ガス濃度の減少する場所を光路空間116から遠ざけ、光路空間116周辺の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することが可能である。
【0023】
また、所定空間150は、光路空間116の、光路空間116内のガス流の上流側(光路空間116の給気口側)にだけ形成しても良いし、光路空間116のガス流の上流側と下流側との両方に設けても良いし、また、光路空間116の全周に光路空間150を形成しても良い。
【0024】
また、この変形例として、図2に示すように、所定空間150を形成するとともに、光路空間116を仕切る機能も兼ねた仕切部材152を構成しても良い。ここで、仕切部材152の下面とウエハとの距離が、投影光学系の最もウエハ側の光学素子とウエハとの距離よりも短くなるように仕切部材152を設ける。また、この変形例においても、前述の条件2と同様に、所定空間150を形成する部材152下端からウエハ103までの距離H1が、所定空間150を形成する部材152の幅L1(「ウエハと実質的な平行な方向」の幅)の1/2倍以下、好ましくは1/3倍以下であるのが好ましい。周辺雰囲気の流れの速度、光路空間116から漏れ出す不活性ガスの流速、ウエハステージ102の駆動速度にもよるが、H1がL1の1/2倍以上の場合では、所定空間150を形成する部材152の下の不活性ガス濃度はかなり悪くなるからである。このような高さ制限を行うことで、周辺の流れに対して、光路空間116から漏れ出した不活性ガスを流れにくくし、溜まった不活性ガスで、ウエハステージ102移動時の巻き込みの影響を抑え、ウエハ103周辺に溜まった雰囲気の置換を行うことで、パージ空間の不活性ガス濃度を安定化することが可能である。
【0025】
また、図3、図4に示すように上記比率を満たす開口板158を光路空間下側に備えても良い。図3は給気口113、排気口114、アライメント光を透過するためのガラス部材104と投影光学系101で囲まれた光路空間116の下側に開口板158を設け、開口板158下側に所定空間150を形成する断面図である。また、図4は図3の開口板158を下から見た図である。この実施形態では、排気口114を設けているが、排気口114は必ずしも必要ではない。更に、排気口114の個所に給気口を設けても良い。
【0026】
また、ここで、給気口113から光路空間116に不活性ガスを供給すると共に、給気口にガスを供給する給気手段から配管を分岐して、或いは別の給気手段を用いて、所定空間150に不活性ガスを供給するようにしても良い。ここで、不活性ガスを供給する所定空間150は、光路空間116の、ガス流の上流側の所定空間であることが好ましい。
【0027】
[実施形態2]
実施形態2では、図5に示すように、所定空間150を形成する部材下部に光路空間116周辺を多重(図5では、遮蔽部材115と合わせて二重)に囲むような仕切部材153を設け、この仕切部材153の形成する隙間に光路空間116から漏れ出した不活性ガスを溜めることで、ウエハ103周辺の段差・隙間に溜まった雰囲気の置換を行うと伴に、ウエハステージ102の巻き込みの影響や周辺雰囲気の影響を抑えることが可能になる。特に、図5では、仕切部材153を光路空間116外側に光路空間116を囲むように配置している。また、仕切部材153の下端からウエハ103までの距離は、図5においては遮蔽部材115の下端からウエハ103までの距離と実質的に同じ距離としているが、勿論お互いに距離が異なっても構わない。
【0028】
また、この変形例として、図6では、複数枚の仕切部材153群を設けた場合の構成である。この仕切部材153群の仕切部材の枚数が多ければ、それだけ光路空間116に向かって高濃度の不活性ガスを溜めることができるので、ウエハ103周辺に存在する溝や段差の置換を光路空間116のよりはなれたところで行うことができる。そのため、光路空間116内の不活性ガス濃度をより高濃度に安定化することが可能である。
【0029】
更に、別の変形例として、図7に示すように、実施形態1の図2の所定空間150を形成する部材152の代わりに、部材152の下面に複数の溝を設けた部材154を配置することで、同様の効果を得ることが可能である。この溝は、図5や図6の仕切部材152や仕切部材153群と同じように、光路空間116を多重に囲むように配置した溝である。この溝の深さは、投影光学系101の最終光学部材からウエハ103までの高さ以下にすることが好ましい。あまり深くすると、溝の内部の置換に時間を要するために、ウエハ103周辺の隙間や段差の内部に溜まった雰囲気の置換を遅くすることになるからである。
【0030】
ここで、図5における光路空間116を周辺雰囲気と隔てる遮蔽部材115と仕切部材153との距離、図6においては遮蔽部材115と仕切部材153群のうち最も投影光学系101の光軸から離れた仕切部材153との距離が遮蔽部材115と仕切部材153の下端のうち最もウエハに近い下端とウエハとの距離の2倍以上となるのがこのましい。また、図7においては部材154の紙面と平行で投影光学系の光軸を含む面内における幅(言い換えると前述の「ウエハ実質的に平行な所定の方向」の幅)が、部材154の下面とウエハとの距離の2倍以上であることが好ましい。さらに好ましくは、2倍以上ではなく、3倍以上とするのが良い。
【0031】
また、ここで、給気口113から光路空間116に不活性ガスを供給すると共に、給気口にガスを供給する給気手段から配管を分岐して、或いは別の給気手段を用いて、1つまたは複数の所定空間150に、不活性ガスを供給するようにしても良い。(後述の図9、図10参照)ここで、不活性ガスを供給する所定空間150は、光路空間116の、ガス流の上流側に配置されている所定空間150であることが好ましい。また、排気側に関しても同様に、所定空間150からガスを排気するようにしても良い。この排気側の場合は、ガス流の下流側に設けられた所定空間150からガスを排気するのが好ましい。
【0032】
勿論本実施形態2においても、前述のように条件2は勿論のこと、条件1、条件3も満たすように構成することが好ましい。この場合、条件3におけるH1は、遮蔽部材115の最もウエハ側の端(最もステージ側の端)からウエハ(ステージ)までの距離に相当する。
【0033】
[実施形態3]
実施形態3では、図8に示すように、実施形態2の図7の部材154と給気口113と排気口114を一体化にした、内部に給気口163及び排気口164を有する部材155を構成したものである。このような構成にすることで、部品数を減らすことができる。また、部材155に形成する溝の高さは、光路空間116周辺、つまり、光路空間116を中心とした場合の部材115の内側ほど溝の深さを浅くし、外側ほど溝の深さを深くしている。
【0034】
ここで、部材155の内側の溝の深さを浅くする理由は、その内側ほど置換時間を短く、その内側ほど高濃度に維持するためである。また、部材155の外側ほど溝の深さを深くする理由は、外側ほど周辺雰囲気の影響を受けやすく、少ない容積では過渡的な変化で内部の不活性ガス濃度が急激に減少してしまうので、容積を増やし周辺雰囲気の侵入による不活性ガス濃度の減少を抑えるためである。この過渡的な現象とは、ウエハステージ102の急な反転動作や、ウエハ103周辺の段差や溝の光路空間116への突入などを示す。
【0035】
尚、図8では、部材155に形成する溝の深さを、光路空間116付近ほど浅くしたが、深さを変えるのではなく、溝の幅を光路空間116から外側ほど広くすることで同様の効果を得ることができる。
【0036】
また、変形例として、図9に示すように、図8の部材155の内部の給気口163及び排気口164から多重配置になっている溝それぞれに抜ける開口157を有する部材156を構成することで、溝内部の雰囲気を効果的に置換することができる。この場合、溝への開口157は、給気口163及び排気口164の開口に比べ十分小さい必要がある。開口157が大きくなると溝内部の雰囲気が給気口163及び排気口164内部に侵入して、光路空間116内の不活性ガス濃度が減少してしまうためである。また、溝それぞれに対応する開口157は外側の溝ほど、その開口面積ほど小さくすることが好ましい。
【0037】
また、部品数を減らすために、実施形態1の図1や図2、実施形態2の図5に対しても、所定空間150を形成する部材と給気口と排気口を一体化させて構成しても良い。
【0038】
更に、別の変形例として、図10に示すように、実施形態2の図6の構成に対し、光路空間116内部の排気効率を上げるために、光路空間116を形成する遮蔽部材115に開口126を設けた遮蔽部材125を構成し、この開口126から漏れ出した不活性ガスを光路空間116下側から漏れ出した不活性ガス同様に仕切部材153群の内側に噴出するように構成してもよい。この場合、開口126を設ける位置は、光路空間116内の流速の遅くなる場所に設けることで、光路空間116内の排気効率を上げることができる。これにより、光路空間116内の置換時間を短縮することが可能になる。また、仕切部材153群下端からウエハ103までの距離は、光路空間116内の排気を効果的に行うために、遮蔽部材125の下端からウエハ103までの距離よりも大きくすることが好ましい。
【0039】
尚、これまでの実施形態では、光路空間116に排気口を持たせていたが、周辺雰囲気を回収することを考慮すると排気口をもう一つの給気口として使用しても良い。排気口を給気口として使用することで、同じ消費量であっても周辺の影響をより受けにくくすることが可能である。
【0040】
また、本実施形態3においても、前述の条件1,2,3は勿論満たすように構成するのが好ましい。この場合のH1は、部材154の下端(ステージ側の面、ステージと対向する面)とウエハ(ステージ)までの距離となり、L1は部材154の下端の不活性ガスの流れ方向(不活性ガスを供給する方向)の幅、もしくは、この露光装置が走査型の場合は、走査方向の幅とすれば良い。
【0041】
[実施形態4]
実施形態1〜3において、投影光学系とウエハステージとの間に適用された発明は、照明光学系とレチクルステージとの間、及び、レチクルステージと投影光学系との間に対しても適用することができる。図11は、本発明を投影光学系とウエハステージとの間、照明光学系とレチクルステージとの間、及び、レチクルステージと投影光学系との間に対して適用した露光装置を示す図である。
【0042】
図11に示す露光装置では、投影光学系302の最終光学部材(カバーガラス)311とウエハチャック303(ウエハ305)との間の第1光路空間314については、給気バルブ312を介して第1光路空間314に不活性ガスを供給する第1給気部341、及び排気バルブ313を介して第1光路空間314から不活性ガス等を排気する第1排気部342が設けられている。そして、第1光路空間314周辺の高さを制限するための第1所定空間401を形成する部材501を設ける。これにより、不活性ガス濃度の減少する場所を第1光路空間314から遠ざけ、第1光路空間314周辺の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。
【0043】
また、レチクル(マスク)322を照明する照明光学系301とレチクルステージ321(レチクル322)との間の第2光路空間326については、給気バルブ327を介して第2光路空間326に不活性ガスを供給する第2給気部351、及び排気バルブ328を介して第2光路空間326から不活性ガス等を排気する第2排気部352が設けられている。そして、第2光路空間326周辺の高さを制限するための第2所定空間403を形成する部材503を設ける。これにより、不活性ガス濃度の減少する場所を第2光路空間326から遠ざけ、第2光路空間326周辺の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。
【0044】
また、レチクルステージ321と投影光学系302との間の第3光路空間325については、給気バルブ323を介して第3光路空間325に不活性ガスを供給する第3給気部345、及び排気バルブ324を介して第3光路空間325から不活性ガス等を排気する第3排気部346が設けられている。そして、第3光路空間325周辺の高さを制限するための第3所定空間403を形成する部材503を設ける。これにより、不活性ガス濃度の減少する場所を第3光路空間325から遠ざけ、第3光路空間325周辺の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。
【0045】
このようにして、第1〜第3光路空間314、326、325周辺の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。
【0046】
また、実施形態1と同様に、図11の露光装置において、各給気バルブ及び排気バルブの開閉及び開度は環境制御器(不図示)で制御される。また、レチクルステージ321はウエハステージ304と同期しつつステージ制御器(不図示)により制御される。環境制御器及びステージ制御器並びに不図示の他の制御器は、メインコントローラ(不図示)により、ウエハ交換、アライメント動作、露光動作等の種々の動作において統括的に制御される。メインコントローラによる制御内容や露光装置の動作状態は、監視装置(不図示)によって監視される。
【0047】
更に、不活性ガスの平均濃度Pを維持する所定空間の形成の形態としては、これ以外に実施形態2、3の中で説明したものに置き換えても良い。
【0048】
また、本実施形態4に関しても、前述の条件1,2,3は満足するように構成するのが好ましい。
【0049】
[実施形態5]
図15は本発明の実施形態5の露光装置の一部を示す図である。
【0050】
給気バルブ111を介して給気口113から光路空間116に不活性ガスを供給し、排気口114により排気バルブ112を介して光路空間116に供給した不活性ガスの一部は回収される。
【0051】
一方向から不活性ガスが供給される場合、光路空間116から所定空間150に漏れ出す不活性ガスの量は所定空間150内において比較すると、+X方向(排気口側)に多くなり、開口板158からウエハ103面までの距離が長ければ漏れ出す量の差は顕著になる。そこで、給気口113の下面からウエハ103に向かって不活性ガスを噴出す給気口を追加する。図16は図15の開口板158を下(−Y方向)から見た図である。スリット状の開口を給気口113及び開口板158に設けることで、給気口113下側の所定空間150の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。
【0052】
また、変形例として、図17に示すように、光路空間116に供給する不活性ガスの供給と所定空間150に供給する不活性ガスの供給を分離し、別々の流量制御器MFC1、MFC2により供給量を制御しても良い。図15の場合、開口から所定空間150に不活性ガスを供給する際にステージ動作時の巻き込むによりステージ周辺の雰囲気が入り込み、開口近辺の不活性ガス濃度は減少し、給気口113内部の不活性ガス濃度も減少することがある。しかし、図17に示すように供給系を分離することにより、給気口113から供給される不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。
【0053】
また、図16ではスリット状の開口を設けていたが、変形例として、図18に示すように円弧上の開口を光路空間116を囲むように配置することで、光路空間周辺雰囲気の影響をより受けにくくすることができる。
【0054】
また、変形例として図19に示すように、図16の開口板158上の開口を設けた場所の所定空間150側に溝を設け、溝に数箇所の開口(図では5個所)を設け、不活性ガスを開口板158からウエハ面側に噴出しても良い。開口板158からウエハ103面までの距離が2mm以下と短い場合、前記溝に不活性ガスが満たされることになり、給気口113下側の所定空間150の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。また、図19の開口の大きさは、図16の開口の大きさに比べ、開口の大きさを最小限に抑えることができるので、周辺の雰囲気を巻き込んだ際にも、供給源への不活性ガスの低下を抑えることが可能である。
【0055】
なお、図18、19の場合も図15に示すように光路空間116に供給する不活性ガスの供給と所定空間150に供給する不活性ガスの供給を共通にしても良いし、図17に示すように光路空間116に供給する不活性ガスの供給と所定空間150に供給する不活性ガスの供給を分離し、別々の流量制御器MFC1、MFC2により供給量を制御することで、給気口113から供給される不活性ガス濃度を高濃度に安定化しても良い。
【0056】
また、変形例を図20、21に示す。この変形例は図15,16の実施例の開口板158に光路空間116の周囲を囲むように溝を設けた例である。開口板158からウエハ103面までの距離が2mm以下と短い場合、前記溝に不活性ガスが満たされることになり光路空間116の周囲を高濃度の不活性ガスで安定化することができる。また、図22に示すように図17の実施例に対し、排気口114の下部にも不活性ガスの噴出し開口を追加することで、排気口側側からの周辺雰囲気の巻き込みによる不活性ガスの濃度低下を抑えることができる。図22においては、給気量をMFC1,MFC2,MFC3と異なる流量制御器で流量を制御することができるので、構成に応じて流量を最適化することが可能である。
【0057】
また、図23に示すように開口板158の光路空間116の周囲を囲むように溝を設け、溝に数箇所の開口(図では10個所)を設け、不活性ガスを開口板158からウエハ面側に噴出しても良い。また、図24に示すように光路空間116を部分的に囲むように溝を設け、溝に数箇所の開口(図では10個所)を設け、不活性ガスを開口板158からウエハ面側に噴出しても良い。
【0058】
図23、24の場合も、図15に示すように光路空間116に供給する不活性ガスの供給と所定空間150に供給する不活性ガスの供給を共通にしても良いし、図22に示すように光路空間116に供給する不活性ガスの供給と所定空間150に供給する不活性ガスの供給を分離し、別々の流量制御器MFC1、MFC2,MFC3により供給量を制御することで、給気口113から供給される不活性ガス濃度を高濃度に安定化しても良い。
【0059】
また、これまでの実施例では光路空間116への不活性ガスの供給量の設定は排気量以上であることを前提にしていた。これは光路空間を周辺の空間に対して、陽圧に設定しないと周辺雰囲気を吸い込むことにより、光路空間内部の不活性ガス濃度が減少し、露光光の透過率が減少するからである。しかし、図23、24の構成において、光路空間116に供給する不活性ガスの供給と所定空間150に供給する不活性ガスの供給を分離し、別々の流量制御器MFC1、MFC2,MFC3により供給量を制御する場合には、光路空間116が所定空間150に対し圧力が低くなったとしても、所定空間150への不活性ガスの供給量を多く設定することで、光路空間内の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することができる。そのため、露光時にウエハ面上から発生するコンタミネーションの排気を効率よく行うために、排気量を大きくすることができる。
【0060】
ここで、開口板158を別途設ける必要は無く、給気手段、排気手段に開口部を設けるようにしても良い。
【0061】
また、開口板158(給気手段、排気手段の下面(ウエハ側の面)とウエハとの距離を、光路空間116の外周と開口板158の外周との距離の、ウエハと実質的に平行な所定の方向に関する幅の1/2倍以下、より好ましくは1/3倍以下にすることにより、所定空間内のガスの行き来が困難になるため、酸素等の露光光を吸収するガスを光路空間116内に巻き込む可能性を低くすることができる。
【0062】
また、所定空間150の高さ(開口板158の下面とウエハとの距離)が、投影光学系101の最もウエハ側の光学素子とウエハとの距離よりも短い方が好ましい。できれば、所定空間150の高さが投影光学系101の最もウエハ側の光学素子とウエハとの距離の半分、より好ましくは1/4倍以下にすると良い。このようにすることにより、不活性ガス濃度の減少する場所を光路空間116から遠ざけ、光路空間116周辺の不活性ガス濃度を高濃度に安定化することが可能である。
【0063】
また、所定空間150は、光路空間116の、光路空間116内のガス流の上流側(光路空間116の給気口側)にだけ形成しても良いし、光路空間116のガス流の上流側と下流側との両方に設けても良いし、また、光路空間116の全周に光路空間150を形成しても良い。
【0064】
また、この実施形態5に関しては、条件2,3を満たす旨の記載を行ったが、これに限らず、条件1を満たすように構成すると尚良い。
【0065】
[露光装置の応用例]
次に上記の露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。
【0066】
図12は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク作製)では、設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)では、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
【0067】
次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7で、これを出荷する。
【0068】
図13は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。
【0069】
ステップ11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、上記の露光装置によって回路パターンをウエハに転写する。ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【0070】
ここで、上記実施の形態のポイントは以下のようにまとめることができる。
【0071】
(実施態様1)
マスクに形成されたパターンを露光光を用いて基板に投影し転写する露光装置であって、ステージと、光学系と、前記ステージと前記光学系との間の露光光が通過する空間を含む光路空間に不活性ガスの流れを形成するガス流形成機構と、前記露光装置内で前記光路空間外にある周辺空間と前記光路空間との間に、所定空間を形成する部材と、前記所定空間に不活性ガスを供給するガス供給機構とを備えることを特徴とする露光装置。
【0072】
(実施態様2)
前記ガス供給機構が、前記ガス流形成機構から分岐したものであることを特徴とする実施態様1記載の装置。
【0073】
(実施態様3)
マスクに形成されたパターンを露光光を用いて基板に投影し転写する露光装置であって、ステージと、光学系と、前記ステージと前記光学系との間の露光光が通過する空間を含む光路空間に不活性ガスの流れを形成するガス流形成機構と、前記露光装置内で前記光路空間外にある周辺空間と、前記光路空間との間に、所定空間を形成する部材とを備えており、前記部材の前記不活性ガスの流れの方向に関する幅が、前記部材と前記ステージとの距離の2倍以上であることを特徴とする露光装置。
【0074】
(実施態様4)
前記部材の前記不活性ガスの流れの方向に関する幅が、前記部材と前記ステージとの距離の3倍以上であることを特徴とする実施態様3記載の装置。
【0075】
(実施態様5)
前記部材の前記不活性ガスの流れの方向に関する幅が前記部材の下端の幅であり、前記部材と前記ステージとの距離が前記部材の下端と前記ステージとの距離であることを特徴とする実施態様3又は4記載の装置。
【0076】
(実施態様6)
前記所定空間に不活性ガスを供給するガス供給機構を有することを特徴とする実施態様3乃至5いずれか記載の装置。
【0077】
(実施態様6)
マスクに形成されたパターンを露光光を用いて基板に投影し転写する露光装置であって、ステージと、光学系と、前記ステージと前記光学系との間の露光光が通過する空間を含む光路空間に不活性ガスの流れを形成するガス流形成機構と、前記露光装置内で前記光路空間外にある周辺空間と前記光路空間との間に、所定空間を形成する部材とを備えており、前記部材と前記ステージとの距離が、前記光学系が有する光学素子のうち最も前記ステージに近い光学素子と前記ステージとの距離より短いことを特徴とする露光装置。
【0078】
(実施態様7)
前記部材と前記ステージとの距離が、前記光学系が有する光学素子のうち最も前記ステージに近い光学素子と前記ステージとの距離の半分以下であることを特徴とする実施態様6記載の装置。
【0079】
(実施態様8)
前記部材と前記ステージとの距離が、前記光学系が有する光学素子のうち最も前記ステージに近い光学素子と前記ステージとの距離の1/4倍以下であることを特徴とする実施態様6又は7記載の装置。
【0080】
(実施態様9)
前記ステージに最も近い光学素子は、前記光学系の光路上において前記ステージに最も近い光学素子のことであることを特徴とする実施態様6乃至8いずれか記載の装置。
【0081】
(実施態様10)
マスクに形成されたパターンを露光光を用いて基板に投影し転写する露光装置であって、ステージと、光学系と、前記ステージと前記光学系との間の露光光が通過する空間を含む光路空間に不活性ガスを流入させるガス流形成機構と、前記露光装置内で前記光路空間外にある周辺空間と、前記光路空間との間に、所定空間を形成する部材とを備えており、前記部材は、前記所定空間内に、前記不活性ガスの流れ方向に幅を持つ溝(隙間、凹部、凹み)を少なくとも1つ形成することを特徴とする露光装置。
【0082】
(実施態様11)
前記少なくとも1つの溝から不活性ガスを供給することを特徴とする実施態様10記載の露光装置。
【0083】
(実施態様12)
前記部材は前記光路空間を囲むように設けられた複数の仕切り部材を有することを特徴とする実施態様10又は11記載の露光装置。
【0084】
(実施態様13)
前記少なくとも1つの溝が、前記光路空間の全周を囲むことを特徴とする実施態様10乃至12いずれか記載の露光装置。
【0085】
(実施態様14)
マスクに形成されたパターンを露光光を用いて基板に投影し転写する露光装置であって、ステージと、光学系と、前記ステージと前記光学系との間の露光光が通過する空間を含む光路空間に不活性ガスの流れを形成するガス流形成機構と、前記ガス流形成機構周辺と前記ステージとの間に、前記光路空間内部に存在する不活性ガスの平均濃度P1、光路空間外部に存在する不活性ガス平均濃度をP2とした場合、
P2<P<P1
となる不活性ガスの平均濃度Pを維持する所定空間を形成するための部材を有することを特徴とする露光装置。
【0086】
(実施態様15)
前記部材は、前記光路空間に対して前記ガスの流れの上流方向にあることを特徴とする実施態様1乃至14いずれか記載の露光装置。
【0087】
(実施態様16)
前記装置が、前記マスクと前記基板とを走査しつつ露光を行う装置であって、前記部材は、前記光路空間に対して前記マスク及び/又は基板の走査方向に配置されていることを特徴とする実施態様1乃至15いずれか記載の露光装置。
【0088】
(実施態様17)
前記部材は前記光路空間の前記ガスの流れの上流側に溝又は開口部又は凹部又は隙間を有することを特徴とする実施態様1乃至16いずれか記載の露光装置。
【0089】
(実施態様18)
前記部材は前記溝を複数有しており、該複数の溝のうち第1の溝の深さは、該第1の溝よりも前記光路空間から遠い第2の溝の深さよりも浅いことを特徴とする実施態様1乃至17いずれか記載の露光装置。
【0090】
(実施態様19)
前記部材の内部に、前記ガス流形成機構の給気口への前記ガスの流路及び/又は前記ガス流形成気候の排気口からの前記ガスの流路が形成されていることを特徴とする実施態様1乃至18いずれか記載の露光装置。
【0091】
(実施態様20)
前記ステージが前記マスクを載置したステージであり、前記光学系が前記マスクからの光を前記基板に導く投影光学系であることを特徴とする実施態様1乃至19いずれか記載の露光装置。
【0092】
(実施態様21)
前記ステージが前記マスクを載置したステージであり、前記光学系が前記マスクからの光を前記基板に導く投影光学系であることを特徴とする実施態様1乃至19いずれか記載の露光装置。
【0093】
(実施態様22)
前記ステージが前記基板を載置したステージであり、前記光学系が前記マスクからの光を前記基板に導く投影光学系であることを特徴とする実施態様1乃至19いずれか記載の露光装置。
【0094】
(実施態様23)
前記ガス流形成機構は、前記マスクからの光を前記基板に導く投影光学系と前記基板を載置したステージとの間の第1光路空間に不活性ガスの流れを形成するように配置された第1ガス流形成機構と、光源からの光で前記マスクを照明する照明系と該マスクを保持するマスクステージとの間の第2光路空間に不活性ガスの流れを形成するように配置された第2ガス流形成機構と、前記マスクステージと前記投影光学系との間の第3光路空間に不活性ガスの流れを形成するように配置された第3ガス流形成機構とを備えることを特徴とする実施態様1乃至22いずれか記載の露光装置。
【0095】
(実施態様24)
デバイスの製造方法は以下を備える;
実施態様1乃至23いずれか記載の露光装置を用いて前記基板を露光する工程、前記露光した基板を現像する工程。
【0096】
ただ、本発明は上述の実施形態に限らず、本発明と同様の主旨の他の構成を採用しても構わない。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、投影光学系と基板ステージとの間の投影光学系の光路空間をその周囲の空間から適切に隔離することができる走査露光装置、およびそれを用いたデバイス製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の露光装置の一部を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1の図1の露光装置の変形例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1の図1の露光装置の別の変形例を示す図である。
【図4】図3の変形例を下から見た図である。
【図5】本発明の実施形態2の露光装置の一部を示す図である。
【図6】本発明の実施形態2の図5の露光装置の変形例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態2の別の露光装置の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態3の露光装置の一部を示す図である。
【図9】本発明の実施形態3の図8の露光装置の変形例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態3の別の露光装置の一部を示す図である。
【図11】本発明の実施形態4のレチクル周辺を含む露光装置の一部を示す図である。
【図12】半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローチャートである。
【図13】半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローチャートである。
【図14】A:従来の露光装置の一部を示す図である。B:従来の露光装置の一部を示す図である。
【図15】本発明の実施形態5の露光装置の一部を示す図である。
【図16】本発明の実施形態5の図15の開口板の位置において下から見た図である。
【図17】本発明の実施形態5の別の露光装置の一部を示す図である。
【図18】本発明の実施形態5の図16の露光装置の変形例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態5の図16の露光装置の変形例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態5の別の露光装置の一部を示す図である。
【図21】本発明の実施形態5の図20の開口板の位置において下から見た図である。
【図22】本発明の実施形態5の別の露光装置の一部を示す図である。
【図23】本発明の実施形態5の別の露光装置の一部を示す図である。
【図24】本発明の実施形態5の別の露光装置の一部を示す図である。
【符号の説明】
101 投影光学系
102 ウエハステージ
103 ウエハ
111 給気バルブ
112 排気バルブ
113 給気口
114 排気口
116 光路空間
150 所定空間
158 開口板
Claims (4)
- マスクに形成されたパターンを基板に投影するための投影光学系と前記基板を保持し移動する基板ステージとを有する走査露光装置であって、
前記投影光学系と前記基板ステージとの間の前記投影光学系の光路空間に不活性ガスの流れを形成するための、前記光路空間を含む空間を規定する規定部材と、
前記規定部材に配された供給口および排出口を介し、かつ前記供給口からの不活性ガスの供給量より前記排出口からのガスの排出量を多くして、前記光路空間に不活性ガスの流れを形成する形成手段と、
前記光路空間に関し前記供給口および前記排出口の外側において前記光路空間を囲むように前記規定部材に配された開口を介し、前記基板ステージに向かう方向に不活性ガスを噴出させる流体供給手段と
を有することを特徴とする走査露光装置。 - 前記形成手段は窒素ガスおよびヘリウムガスのいずれかの流れを形成することを特徴とする請求項1に記載の走査露光装置。
- 前記流体供給手段は窒素ガスおよびヘリウムガスのいずれかを供給することを特徴とする請求項1または2に記載の走査露光装置。
- 請求項1〜3のいずれか記載の走査露光装置を用いて基板を露光する工程を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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