JP3809338B2 - ディーゼルエンジンのメカニカルガバナ - Google Patents

ディーゼルエンジンのメカニカルガバナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンのメカニカルガバナに関する。
【0002】
【発明の前提技術】
本発明は、次の技術を前提としている。
すなわち、図2(A)に示すように、クランク軸でウェイト駆動軸(1)を連動できるようにし、ウェイト駆動軸(1)にウェイトホルダ(2)を固定し、
図3(A)に示すように、ウェイトホルダ(2)に複数対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)を設け、各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)同士を対向させ、
図1(A)に示すように、この両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)にそれぞれ軸挿通孔(4a)(4b)を設け、両軸挿通孔(4a)(4b)にウェイト枢軸(5)の両端部を挿通し、各ウェイト枢軸(5)を各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設し、各ウェイト枢軸(5)にそれぞれガバナウェイト(6)を揺動自在に枢支し、
図2(A)に示すように、スリーブ案内軸(8)にガバナスリーブ(7)をスライド自在に外嵌し、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)をガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)に接当させ、ガバナスリーブ(7)の出力部(7c)をガバナレバー(18)の入力部(18a)に接当させた、ディーゼルエンジンのメカニカルガバナ。
【0003】
【従来の技術】
従来、上記前提技術を備えたディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおけるウェイト駆動軸の固定構造として、図9に示すものがある。
この従来技術では、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一のウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した第1の突出部分(9a)を、第一の軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、軸挿通孔(4a)に挿通させた第一の挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、第一の軸挿通孔(4a)の内周面に密着させて固定している。
【0004】
しかし、ウェイト枢軸(5)の第二の端部のうち、第二の軸挿通孔(4b)に挿通させた第二の挿通部分(10b)は、第二の軸挿通孔(4b)に隙間ばめしている。なお、ウェイト枢軸(5)の第二の端部のうち、第二のウェイト枢軸支持板(3b)から外側に突出した第二の突出部分(9b)は、フランジ状に形成されてはいるが、これは図9(B)に示すように、ウェイト枢軸(5)に予め形成されていたもので、ウェイト枢軸(5)の第二の挿通部分(10b)を第二の軸挿通孔(4b)に挿通させた後に押し潰したものではない。また、ウェイト枢軸(5)の両端部は、ウェイト枢軸(5)の廻り止めを防止する手段を備えていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次の問題がある(図9参照)。
《1》ガバナの精度が低下しやすい。
エンジンの振動によって第一の軸挿通孔(4a)の内周面と第一の挿通部分(10a)との密着が緩むと、ウェイト枢軸(5)がエンジンの振動によって自転し始める。このため、両挿通部分(10a)(10b)と両軸挿通孔(4a)(4b)の内周面とが相互に磨耗し、ウェイト枢軸(5)の位置がずれ、ガバナウェイト(6)の揺動中心が狂い、ガバナの精度が低下しやすい。
【0006】
《2》ガバナの耐久性が低い。
エンジンの振動により、隙間ばめされたウェイト枢軸(5)の第二の挿通部分(10b)を自由端として、ウェイト枢軸(5)が揺動する。このため、揺動中心側に位置する第一のウェイト枢軸支持板(3a)に曲げの繰り返し応力がかかり、これが破損しやすく、ガバナの耐久性が低い。
【0007】
本発明の課題は、上記問題点を解決できるディーゼルエンジンのメカニカルガバナを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
前記前提技術において、
図1および図3に示すように、 対向する各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の一方のウェイト枢軸支持板(3a)の軸挿通孔(4a)は、他方のウェイト枢軸支持板(3b)の軸挿通孔(4b)より小径になるように形成され、ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の各対は、径が異なる軸挿通孔(4a)(4b)が交互に位置し、かつウェイト駆動軸(1)の周方向に等間隔に配置されるようにウェイトホルダ(2)に設けられ、各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設する各ウェイト枢軸(5)は、長手状円柱部分の一端部のみに段落ち面(30a)と突起部分とを備え、突起部分は前記小径の軸挿通孔(4a)に挿通され、段落ち面(30a)は、前記小径の軸挿通孔(4a)の周縁部に当接し、ウェイト枢軸(5)の両端部のうち、両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)から外側に突出した両突出部分(9a)(9b)を、両軸挿通孔(4a)(4b)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、ウェイト枢軸(5)の両端部のうち、両軸挿通孔(4a)(4b)に挿通させた両挿通部分(10a)(10b)を、その径方向に膨らませて、両軸挿通孔(4a)(4b)の内周面に密着させて固定したことを特徴とする。
【0009】
(請求項2の発明)
前記前提技術において、
図7に示すように、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一のウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した第一の突出部分(9a)を、第一の軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一の軸挿通孔(4a)に挿通させた第一の挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、第一の軸挿通孔(4a)の内周面に密着させて固定するとともに、
ウェイト枢軸(5)の第二の端部に、圧入体挿入孔(11)を設け、この圧入体挿入孔(11)に圧入体(12)を挿入することにより、ウェイト枢軸(5)の第二の端部のうち、第二の軸挿通孔(4b)に挿通させた第二の挿通部分(10b)を、その径方向に膨らませて、第二の軸挿通孔(4b)の内周面に密着させて固定したことを特徴とする。
【0010】
(請求項3の発明)
前記前提技術において、
図1(A)〜(E)、図7(A)〜(E)、または図8に示すように、ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、軸挿通孔(4a)に挿通させる挿通部分(10a)の外周に複数の廻り止め係合部(13a)(13a)を設けるとともに、その軸挿通孔(4a)の内周に複数の廻り止め係止部(14a)(14a)を設け、上記ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、ウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した突出部分(9a)を、上記軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、上記ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、上記軸挿通孔(4a)に挿通させた挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、上記軸挿通孔(4a)の内周面に密着させるとともに、複数の廻り止め係合部(13a)(13a)を複数の廻り止め係止部(14a)(14a)に密着させて、上記挿通部分(10a)をその軸挿通孔(4a)に固定したことを特徴とする。
【0011】
(請求項4の発明)
請求項1または請求項2のいずれかに記載したディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
図1または図7に示すように、突出端部(9a)を押し潰す側のウェイト枢軸(5)の端部のうち、軸挿通孔(4a)に挿通させる挿通部分(10a)の外周に廻り止め係合部(13a)を設けるとともに、その軸挿通孔(4a)の内周に廻り止め係止部(14a)を設け、上記突出部分(9a)を押し潰すことにより、廻り止め係合部(13a)を廻り止め係止部(14a)に密着させたことを特徴とする。
【0012】
(請求項5の発明)
請求項1から請求項4のいずれかに記載したディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
図5(A)に示すように、エンジン負荷が定格負荷から無負荷に減少した場合には、エンジン回転数の上昇により、各ガバナウェイト(6)の遠心方向への揺動角(14)が増加し、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)がガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)の中心側から外周側に向けて摺動しながら、ガバナスリーブ(7)を燃料減量スライド方向(15)に向けて押し出すように構成し、
ガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)を、中心側から外周側に行くに従って、ガバナスリーブ(7)の燃料減量側スライド方向(15)に向かって次第に後退するテーパ形状または曲面形状とした、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の作用及び効果】
(請求項1または請求項2の発明)
請求項1または請求項2の発明は、次の作用効果を奏する(図1または図7参照)。
《1》ガバナの精度が低下しにくい。
エンジンの振動によってウェイト枢軸(5)の一端側の軸挿通孔(4a)の内周面と挿通部分(10a)との密着が緩んでも、ウェイト枢軸(5)の他端側の密着が緩まない限り、ウェイト枢軸(5)は自転しない。前記「発明が解決しようとする課題」の《1》で述べたように、ウェイト枢軸(5)が自転すると、両挿通部分(10a)(10b)と両軸挿通孔(4a)(4b)の内周面とが相互に磨耗し、ウェイト枢軸(5)の位置がずれ、ガバナウェイト(6)の揺動中心が狂い、ガバナの精度が低下しやすい。しかし、本発明では、ウェイト枢軸(5)が自転しにくいため、このような問題が起こりにくく、ガバナの精度が低下しにくい。
【0014】
《2》ガバナの耐久性が高い。
ウェイト枢軸(5)に自由端がないため、エンジンが振動しても、ウェイト枢軸(5)が揺動しない。前記「発明が解決しようとする課題」の《2》で述べたように、ウェイト枢軸(5)が揺動すると、揺動中心側に位置するウェイト枢軸支持板(3a)に曲げの繰り返し応力がかかり、これが破損しやすく、ガバナの耐久性が低い。しかし、本発明では、ウェイト枢軸(5)が揺動しないため、このような問題が起こりにくく、ガバナの耐久性が高い。
【0015】
(請求項3の発明)
請求項3の発明は、前記「発明の作用及び効果」の《1》と同様の次の作用効果を奏する(図1(A)〜(E)、図7(A)〜(E)、または図8参照)。
《4》ガバナの精度が低下しにくい。
エンジンの振動によって一端側の軸挿通孔(4a)の内周面と挿通部分(10a)との密着が緩んでも、複数の廻り止め係合部(13a)(13a)と複数の廻り止め係止部(14a)(14a)とが相互磨耗して、廻り止め機能が無くならない限り、ウェイト枢軸(5)は自転しない。前記「発明が解決しようとする課題」の《1》で述べたように、ウェイト枢軸(5)が自転すると、両挿通部分(10a)(10b)と両軸挿通孔(4a)(4b)の内周面とが相互に磨耗し、ウェイト枢軸(5)の位置がずれ、ガバナウェイト(6)の揺動中心が狂い、ガバナの精度が低下しやすい。しかし、本発明では、ウェイト枢軸(5)が自転しにくいため、このような問題が起こりにくく、ガバナの精度が低下しにくい。
【0016】
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1または図7参照)。
《5》ガバナの精度の低下を抑制する機能が強化される。
エンジンの振動によって、ウェイト枢軸(5)の一端側の軸挿通孔(4a)の内周面と軸挿通部(10a)との密着が緩んでも、ウェイト枢軸(5)の他端側の密着が緩み、かつ、廻り止め係合部(13a)と廻り止め係止部(14a)とが相互磨耗して、廻り止め機能が無くならない限り、ウェイト枢軸(5)は自転しない。このため、前記請求項1または請求項2の作用効果《1》で説明した機能、すなわち、ガバナの精度の低下を抑制する機能が強化される。
【0017】
(請求項5の発明)
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図5(A)参照)。
《6》ガバナ差を小さくすることができる。
図5(A)に示すように、ウェイト接当面(7b)が、その外周側に行くに従って、燃料減量側スライド方向(15)に向かって次第に後退する形状であるため、図5(B)に示すように、ウェイト接当面(7b)がスライド方向(15)に対して直交するフラット形状である場合に比べ、無負荷でのガバナウェイト(6)の開き角(14)が大きくなり、低い回転数で大きなガバナ力を得ることができる。このため、図6に破線と実線で示すように、フラットなウェイト接当面を用いた場合の無負荷最高回転速度(N1)に比べ、バネ定数が同じであれば、無負荷最高回転速度(N2)を低くすることができ、ガバナ差を小さくすることができる。
【0018】
《7》回転のハンチングを抑制することができる。
無負荷最高回転速度を低くする機能があるため、図6に鎖線と破線で示すように、ガバナスプリング(16)のバネ定数をある程度大きくしても、その無負荷最高回転速度(N3)を、フラットなウェイト接当面を用いた場合の無負荷最高回転速度(N1)と同程度か、或いはこれよりも低くすることができ、ガバナ差を許容範囲内に止めておくことができる。このようにして、ガバナスプリング(16)のバネ定数を大きくした場合には、ガバナスプリング(16)の伸縮振動が抑制され、エンジン回転のハンチングを抑制することができる。
【0019】
《8》定格負荷出力の調整が正確に行える。
定格負荷出力時におけるガバナスプリング(16)のバネ力(16a)を大きく設定すると、これに伴って負荷最高回転速度は高まるが、本発明は、無負荷最高回転速度を低くする機能があるため、ガバナ差を許容範囲内に止めておくことができる。このため、定格負荷出力時におけるガバナスプリング(16)のバネ力(16a)を大きく設定することが可能となり、この場合には、定格負荷出力の調整時にガバナレバー(18)が燃料制限ボルト(17)に強く押し付けられる。このため、定格負荷出力の調整のため、燃料制限ボルト(17)を進退させても、ガバナレバー(18)は、燃料制限ボルト(17)に強く押しつけられているため、燃料制限ボルト(17)から離れることなく、その動きに正確に追従する。このため、定格負荷出力の調節が正確に行える。
【0020】
《9》ガバナの調量精度が高い。
ガバナスリーブ(7)のウェイト接当面(7b)を、テーパ形状又は球面形状としているため、図3(B)に示すように、ガバナスリーブ(7)のウェイト接当面(7b)とガバナウェイト(6)の出力部(6a)との複数の接当個所(6b)が点接触となる。このため、仮に、ウェイト枢軸(5)の突出端部(9a)(9b)の押し潰しに伴ってウェイト枢軸(5)の姿勢が傾き、ガバナウェイト(6)の出力部(6a)の姿勢が傾いても、各接当個所(6b)のずれは殆どなく、各接当個所(6b)が適正位置に保持される。このため、各接当個所(6b)のずれによる、ガバナスリーブ(7)の姿勢の傾きがなく、ガバナスリーブ(7)の進退作動が安定し、ガバナの調量精度が高い。
【0021】
《10》ガバナスリーブとスリーブ案内軸の耐久性が高い。
ガバナスリーブ(7)の姿勢の傾きがないため、スリーブ案内軸(8)に対するガバナスリーブ(7)の片当たりを抑制することができる。このため、ガバナスリーブ(7)とスリーブ案内軸(8)の相互の偏磨耗を抑制することができ、これらの耐久性が高い。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図6は本発明の第一実施形態を説明する図で、この実施形態では、多気筒の縦型ディーゼルエンジンを用いる。
【0023】
このエンジンの構成は、次の通りである。
図4に示すように、シリンダブロック(図外)の横側にポンプ収容ケース(20)を設け、ポンプ収容ケース(20)の後部にガバナ収容ケース(21)を組み付けている。ポンプ収容ケース(20)内には、その上部に燃料噴射ポンプ(22)を収容し、その下部に燃料噴射カム軸(23)を架設している。燃料噴射カム軸(23)の後端部からウェイト駆動軸(1)を導出し、ここから更にスリーブ案内軸(8)を導出している。ウェイト駆動軸(1)は、燃料噴射カム軸(23)の後端軸受け(24)を貫通し、ガバナ収容ケース(21)内に侵入している。スリーブ案内軸(8)は、ガバナ収容ケース(21)内に収容されている。ウェイト駆動軸(1)とスリーブ案内軸(8)とは、クランク軸で連動される燃料噴射カム軸(23)と一体に回転する。
【0024】
ガバナ収容ケース(20)内には、メカニカルガバナ(25)を収容している。メカニカルガバナ(25)は、ガバナスプリング(16)とガバナレバー(18)とガバナスリーブ(7)とガバナウェイト(6)とウェイトホルダ(2)とを備えている。ガバナスプリング(16)は、調速レバー(26)とガバナレバー(18)との間に架設されている。ガバナレバー(18)は、ガバナ収容ケース(21)内に架設したレバー枢軸(27)で揺動自在に枢支されている。ガバナレバー(18)の出力部(18a)には、連動ロッド(28)を介して燃料噴射ポンプ(22)の燃料調量ラック(29)を連動連結してある。ウェイトホルダ(2)は、ウェイト駆動軸(1)に固定され、三個のガバナウェイト(6)が、ウェイトホルダ(2)に支持されている。ガバナスリーブ(7)は、スリーブ案内軸(8)にスライド自在に外嵌されている。このメカニカルガバナ(25)は、ガバナスプリング(16)のバネ力と、ガバナウェイト(6)で発生するガバナ力との不釣合い力により、ガバナレバー(18)を揺動させ、燃料調量ラック(29)の調量を行う。
【0025】
ガバナウェイト(6)の取り付け構造と、ガバナ力の伝達構造は、次の通りである。
図3(A)に示すように、ウェイトホルダ(2)に三対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)を設け、各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)同士を対向させている。図1(A)に示すように、この両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)にそれぞれ軸挿通孔(4a)(4b)を設け、両軸挿通孔(4a)(4b)にウェイト枢軸(5)の両端部を挿通し、各ウェイト枢軸(5)を各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設し、各ウェイト枢軸(5)にそれぞれガバナウェイト(6)を揺動自在に枢支している。図2(A)に示すように、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)をガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)に接当させ、ガバナスリーブ(7)の出力部(7c)をガバナレバー(18)の入力部(18a)に接当させている。ガバナ力は、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)からガバナスリーブ(7)を介してガバナレバー(18)の入力部(18a)に伝達される。
【0026】
ウェイト枢軸(5)の固定構造は、次の通りである。
図1は第一実施形態に係るウェイト枢軸の固定構造を示しており、図1(A)〜(C)は基本例、図1(D)(E)は第一変更例、図1(F)(G)は第二変更例をそれぞれ示している。
図1(A)〜(C)に示す基本例では、図1(B)に示すように、ウェイト枢軸(5)は、長手状円柱部分の一端部に段落ち面(30a)と小径の短い円柱部分(突起部分、以下同じ)とを備え、短い円柱部分の周面には、相互反対側の二箇所に円柱周面をその中心方向に後退させたフラットな廻り止め係合部(13a)(13a)を形成している。図1(B)に示すように、短い円柱部分を挿通させる軸挿通孔(4a)は、丸孔で、その相互反対側の2箇所に孔内周面をその中心方向に進出させたフラットな廻り止め係止部(14a)(14a)を備えている。他方の軸挿通孔(4b)は、単なる丸孔で、廻り止めはない。
【0027】
ウェイト枢軸(5)の固定は、次のようにして行う。すなわち、図1(A)に示すように、両軸挿通孔(4a)(4b)にウェイト枢軸(5)の両端部を挿通し、ウェイト枢軸(5)の両端部のうち、両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)から外側に突出した両突出部分(9a)(9b)を、両軸挿通孔(4a)(4b)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰す。これにより、ウェイト枢軸(5)の両端部のうち、両軸挿通孔(4a)(4b)に挿通させた両挿通部分(10a)(10b)を、その径方向に膨らませて、両軸挿通孔(4a)(4b)の内周面に密着させて固定するとともに、二箇所の廻り止め係合部(13a)(13a)を二箇所の廻り止め係止部(14a)(14a)に密着させて、上記挿通部分(10a)をその軸挿通孔(4a)に固定する。
【0028】
図1(D)(E)に示す第一変更例では、短い円柱部分の周面に軸長方向に沿う多数のローレット溝で廻り止め係合部(13a)を形成し、この円柱部分を挿通させる軸挿通孔(4a)は、この円柱部分と嵌り合う形状とし、多数の廻り止め係止部(14a)を備えている。他の構造は、基本例と同じにしている。
図1(F)(G)に示す第二変更例では、短い円柱部分の周面に一箇所だけフラットな廻り止め係合部(13a)を設け、この円柱部分を挿通させる軸挿通孔(4a)にも一箇所だけフラットな廻り止め係止部(14a)を設けている。他の構造は、基本例と同じにしている。
なお、図1(D)〜(G)中、図1(A)〜(C)に示す基本例と同一の要素には、同一の符号を付しておく。
【0029】
ガバナ力の伝達構造は、次の通りである。
図5(A)に示すように、エンジン負荷が定格負荷から無負荷に減少した場合には、エンジン回転数の上昇により、各ガバナウェイト(6)の遠心方向への揺動角(14)が増加し、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)がガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)の中心側から外周側に向けて摺動しながら、ガバナスリーブ(7)を燃料減量スライド方向(15)に向けて押し出すように構成している。ガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)を、中心側から外周側に行くに従って、ガバナスリーブ(7)の燃料減量側スライド方向(15)に向かって次第に後退するテーパ形状としている。テーパ形状に代えて球面等の曲面形状としてもよい。なお、図2(C)に示すように、ガバナウェイト(6)の出力部(6a)は、円柱周面形状になっている。また、図3(B)に示すように、ガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のうえ(7b)に対する各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)の三箇所の接当個所(6b)は、いずれも点接触であり、ウェイト接当面(7b)の周方向に等間隔で配置される。
【0030】
ガバナ力の伝達構造に基づく機能は、次の通りである。
図5(B)は、比較例を示しており、この比較例では、ガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)が、ガバナスリーブ(7)の燃料減量側スライド方向(15)に対して直交するフラット形状であり、他の構造は、第一実施形態と同じにしてある。図5(A)に示す第一実施形態では、ウェイト接当面(7b)が、その外周側に行くに従って、燃料減量側スライド方向(15)に向かって次第に後退する形状であるため、図5(B)に示す比較例に比べ、無負荷でのガバナウェイト(6)の開き角(14)が大きくなり、低い回転数で大きなガバナ力を得ることができる。このため、図6に破線と実線で示すように、フラットなウェイト接当面を用いた場合の無負荷最高回転速度(N1)に比べ、バネ定数が同じであれば、無負荷最高回転速度(N2)を低くすることができ、ガバナ差を小さくすることができる。また、図5(A)に示す第一実施形態では、無負荷最高回転速度を低くする機能があるため、図6に鎖線と破線で示すように、ガバナスプリング(16)のバネ定数をある程度大きくしても、その無負荷最高回転速度(N3)を、フラットなウェイト接当面を用いた場合の無負荷最高回転速度(N1)よりも低くすることができ、ガバナ差を許容範囲内に止めておくことができる。ガバナ差は、無負荷最高回転速度をNXとし、定格負荷回転速度をN0とした場合、(NX−N0)/N0で表される。
【0031】
図7は第二実施形態に係るウェイト枢軸の固定構造を示しており、図7(A)〜(C)は基本例、図7(D)(E)は第一変更例、図7(F)(G)は第二変更例をそれぞれ示している。
この第二実施形態では、ウェイト枢軸(5)の第一の端部については、図1に示す第一実施形態と同様にして固定する。すなわち、図7(A)に示すように、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一のウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した第一の突出部分(9a)を、第一の軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一の軸挿通孔(4a)に挿通させた第一の挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、第一の軸挿通孔(4a)の内周面に密着させて固定する。
【0032】
しかし、ウェイト枢軸(5)の第二の端部については、図1に示す第一実施形態とは異なる手段で固定する。すなわち、図7(A)に示すように、ウェイト枢軸(5)の第二の端部に、圧入体挿入孔(11)を設け、この圧入体挿入孔(11)に圧入体(12)を挿入することにより、ウェイト枢軸(5)の第二の端部のうち、第二の軸挿通孔(4b)に挿通させた第二の挿通部分(10b)を、その径方向に膨らませて、第二の軸挿通孔(4b)の内周面に密着させて固定している。図7(B)(F)に示すように、第二端部には、予めフランジを形成しており、軸挿通孔(4b)に挿通した後の押し潰しは行わず、その代わりに圧入体(12)を挿入する。
他の構造は、第一実施形態と同じにしている。図7中、図1に示す第一実施形態と同一の要素には、同一の符号を付しておく。なお、図7(A)〜(C)に示す基本例は図1(A)〜(C)に示す基本例と対応し、図7(D)(E)に示す第一変更例は図1(D)(E)に示す第一変更例と対応し、図7(F)(G)に示す第二変更例は図1(F)(G)に示す第二変更例と対応する。
【0033】
図8は第三実施形態に係るウェイト枢軸の固定構造を示しており、図8(A)〜(C)は基本例、図8(D)(E)は変更例をそれぞれ示している。
この第三実施形態では、ウェイト枢軸(5)の第一の端部については、図1に示す第一実施形態と同様にして固定する。すなわち、図8(A)に示すように、ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、軸挿通孔(4a)に挿通させる挿通部分(10a)の外周に複数の廻り止め係合部(13a)(13a)を設けるとともに、その軸挿通孔(4a)の内周に複数の廻り止め係止部(14a)(14a)を設け、上記ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、ウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した突出部分(9a)を、上記軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、上記ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、上記軸挿通孔(4a)に挿通させた挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、上記軸挿通孔(4a)の内周面に密着させるとともに、複数の廻り止め係合部(13a)(13a)を複数の廻り止め係止部(14a)(14a)に密着させて、上記挿通部分(10a)をその軸挿通孔(4a)に固定する。
【0034】
しかし、ウェイト枢軸(5)の他端部については、図1に示す第一実施形態とは異なる手段で固定する。すなわち、図8(A)に示すように、ウェイト枢軸(5)の他端部は、軸挿通孔(4b)に単に挿通させるだけで、押し潰しは行わない。図8(B)(D)に示すように、ウェイト枢軸(5)の他端部には、予めフランジを形成している。
他の構造は、第一実施形態の基本例及び第一変更例と同じにしている。図8中、図1(A)〜(E)に示す第一実施形態及び第一変更例と同一の要素には、同一の符号を付しておく。なお、図8(A)〜(C)に示す基本例は図1(A)〜(C)に示す基本例と対応し、図8(D)(E)に示す変更例は図1(D)(E)に示す第一変更例と対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るウェイト枢軸の固定構造を説明する図で、図1(A)は基本例の図2(A)I−I線断面図、図1(B)は基本例で用いるウェイト枢軸の斜視図、図1(C)は基本例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図、図1(D)は第一変更例で用いるウェイト枢軸の正面図、図1(E)は第一変更例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図、図1(F)は第ニ変更例で用いるウェイト枢軸の斜視図、図1(G)は第二変更例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図である。
【図2】図1の固定構造を備えたメカニカルガバナを説明する図で、図2(A)はガバナスリーブとガバナウェイトの縦断側面図、図2(B)はガバナスリーブの入力部の縦断側面拡大図、図2(C)はガバナウェイトの出力部の斜視拡大図である。
【図3】図2のメカニカルガバナを説明する図で、図3(A)はウェイトホルダに取り付けたガバナウェイトの正面図、図3(B)はガバナウェイトの接当個所を説明するガバナスリーブのウェイト接当面の正面図である。
【図4】図2のメカニカルガバナの周辺を示す縦断面図である。
【図5】図5(A)は図2のメカニカルガバナの模式図、図5(B)は比較例に係るメカニカルガバナの模式図である。
【図6】図5(A)(B)に示すメカニカルガバナの各機能に基づく出力線図のグラフである。
【図7】本発明の第ニ実施形態に係るウェイト枢軸の固定構造を説明する図で、図7(A)は基本例の図2(A)I−I線断面相当図、図7(B)は基本例で用いるウェイト枢軸の斜視図、図7(C)は基本例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図、図7(D)は第一変更例で用いるウェイト枢軸の正面図、図7(E)は第一変更例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図、図7(F)は第二変更例で用いるウェイト枢軸の斜視図、図7(G)は第ニ変更例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係るウェイト枢軸の固定構造を説明する図で、図8(A)は基本例の図2(A)I−I線断面相当図、図8(B)は基本例で用いるウェイト枢軸の斜視図、図8(C)は基本例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図、図8(D)は変更例で用いるウェイト枢軸の正面図、図8(E)は変更例で用いる一方のウェイト枢軸支持板の正面図である。
【図9】従来技術に係るウェイト枢軸の固定構造を説明する図で、図9(A)は図1(A)相当図、図9(B)は図1(B)相当図、図9(C)は図1(C)相当図である。
【符号の説明】
(1)…ウェイト駆動軸、(2)…ウェイトホルダ、(3a)(3b)…ウェイト枢軸支持板、(4a)(4b)…軸挿通孔、(5)…ウェイト枢軸、(6)…ガバナウェイト、(6a)…出力部、(7)…ガバナスリーブ、(7a)…入力部、(7b)…ウェイト接当面、(8)…スリーブ案内軸、(8a)…入力部、(9a)(9b)…突出部分、(10a)(10b)…挿通部分、(11)…圧入体挿入孔、(12)…圧入体、(13a)(13a)…廻り止め係合部、(14a)(14a)…廻り止め係止部、(15)…燃料減量側スライド方向、(16)…ガバナスプリング、(17)…燃料制限ボルト、(18)…ガバナレバー、(18a)…出力部。

Claims (5)

  1. クランク軸でウェイト駆動軸(1)を連動できるようにし、ウェイト駆動軸(1)にウェイトホルダ(2)を固定し、ウェイトホルダ(2)に複数対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)を設け、各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)同士を対向させ、この両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)にそれぞれ軸挿通孔(4a)(4b)を設け、両軸挿通孔(4a)(4b)にウェイト枢軸(5)の両端部を挿通し、各ウェイト枢軸(5)を各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設し、各ウェイト枢軸(5)にそれぞれガバナウェイト(6)を揺動自在に枢支し、スリーブ案内軸(8)にガバナスリーブ(7)をスライド自在に外嵌し、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)をガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)に接当させ、ガバナスリーブ(7)の出力部(7c)をガバナレバー(18)の入力部(18a)に接当させた、ディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
    対向する各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の一方のウェイト枢軸支持板(3a)の軸挿通孔(4a)は、他方のウェイト枢軸支持板(3b)の軸挿通孔(4b)より小径になるように形成され、
    ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の各対は、径が異なる軸挿通孔(4a)(4b)が交互に位置し、かつウェイト駆動軸(1)の周方向に等間隔に配置されるようにウェイトホルダ(2)に一体的に設けられ、
    各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設する各ウェイト枢軸(5)は、長手状円柱部分の一端部のみに段落ち面(30a)と突起部分とを備え、突起部分は前記小径の軸挿通孔(4a)に挿通され、段落ち面(30a)は、前記小径の軸挿通孔(4a)の周縁部に当接し、
    ウェイト枢軸(5)の両端部のうち、両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)から外側に突出した両突出部分(9a)(9b)を、両軸挿通孔(4a)(4b)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、ウェイト枢軸(5)の両端部のうち、両軸挿通孔(4a)(4b)に挿通させた両挿通部分(10a)(10b)を、その径方向に膨らませて、両軸挿通孔(4a)(4b)の内周面に密着させて固定した、ことを特徴とするディーゼルエンジンのメカニカルガバナ。
  2. クランク軸でウェイト駆動軸(1)を連動できるようにし、ウェイト駆動軸(1)にウェイトホルダ(2)を固定し、ウェイトホルダ(2)に複数対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)を設け、各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)同士を対向させ、この両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)にそれぞれ軸挿通孔(4a)(4b)を設け、両軸挿通孔(4a)(4b)にウェイト枢軸(5)の両端部を挿通し、各ウェイト枢軸(5)を各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設し、各ウェイト枢軸(5)にそれぞれガバナウェイト(6)を揺動自在に枢支し、スリーブ案内軸(8)にガバナスリーブ(7)をスライド自在に外嵌し、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)をガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)に接当させ、ガバナスリーブ(7)の出力部(7c)をガバナレバー(18)の入力部(18a)に接当させた、ディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
    対向する各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の一方のウェイト枢軸支持板(3a)の軸挿通孔(4a)は、他方のウェイト枢軸支持板(3b)の軸挿通孔(4b)より小径になるように形成され、
    ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の各対は、径が異なる軸挿通孔(4a)(4b)が交互に位置し、かつウェイト駆動軸(1)の周方向に等間隔に配置されるようにウェイトホルダ(2)に一体的に設けられ、
    各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設する各ウェイト枢軸(5)は、長手状円柱部分の一端部のみに段落ち面(30a)と突起部分とを備え、突起部分は前記小径の軸挿通孔(4a)に挿通され、段落ち面(30a)は、前記小径の軸挿通孔(4a)の周縁部に当接し、
    ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一のウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した第一の突出部分(9a)を、第一の軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、ウェイト枢軸(5)の第一の端部のうち、第一の軸挿通孔(4a)に挿通させた第一の挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、第一の軸挿通孔(4a)の内周面に密着させて固定するとともに、
    ウェイト枢軸(5)の第二の端部に、圧入体挿入孔(11)を設け、この圧入体挿入孔(11)に圧入体(12)を挿入することにより、ウェイト枢軸(5)の第二の端部のうち、第二の軸挿通孔(4b)に挿通させた第二の挿通部分(10b)を、その径方向に膨らませて、第二の軸挿通孔(4b)の内周面に密着させて固定した、ことを特徴とするディーゼルエンジンのメカニカルガバナ。
  3. クランク軸でウェイト駆動軸(1)を連動できるようにし、ウェイト駆動軸(1)にウェイトホルダ(2)を固定し、ウェイトホルダ(2)に複数対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)を設け、各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)同士を対向させ、この両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)にそれぞれ軸挿通孔(4a)(4b)を設け、両軸挿通孔(4a)(4b)にウェイト枢軸(5)の両端部を挿通し、各ウェイト枢軸(5)を各対の両ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設し、各ウェイト枢軸(5)にそれぞれガバナウェイト(6)を揺動自在に枢支し、スリーブ案内軸(8)にガバナスリーブ(7)をスライド自在に外嵌し、各ガバナウェイト(6)の出力部(6a)をガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)に接当させ、ガバナスリーブ(7)の出力部(7c)をガバナレバー(18)の入力部(18a)に接当させた、ディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
    対向する各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の一方のウェイト枢軸支持板(3a)の軸挿通孔(4a)は、他方のウェイト枢軸支持板(3b)の軸挿通孔(4b)より小径になるように形成され、
    ウェイト枢軸支持板(3a)(3b)の各対は、径が異なる軸挿通孔(4a)(4b)が交互に位置し、かつウェイト駆動軸(1)の周方向に等間隔に配置されるようにウェイトホルダ(2)に一体的に設けられ、
    各対のウェイト枢軸支持板(3a)(3b)間に架設する各ウェイト枢軸(5)は、長手状円柱部分の一端部のみに段落ち面(30a)と突起部分とを備え、突起部分は前記小径の軸挿通孔(4a)に挿通され、段落ち面(30a)は、前記小径の軸挿通孔(4a)の周縁部に当接し、
    ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、軸挿通孔(4a)に挿通させる挿通部分(10a)の外周に複数の廻り止め係合部(13a)(13a)を設けるとともに、その軸挿通孔(4a)の内周に複数の廻り止め係止部(14a)(14a)を設け、上記ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、ウェイト枢軸支持板(3a)から外側に突出した突出部分(9a)を、上記軸挿通孔(4a)の周肉部の表面に沿ってフランジ状に押し潰すことにより、上記ウェイト枢軸(5)の一端部のうち、上記軸挿通孔(4a)に挿通させた挿通部分(10a)を、その径方向に膨らませて、上記軸挿通孔(4a)の内周面に密着させるとともに、複数の廻り止め係合部(13a)(13a)を複数の廻り止め係止部(14a)(14a)に密着させて、上記挿通部分(10a)をその軸挿通孔(4a)に固定した、ことを特徴とするディーゼルエンジンのメカニカルガバナ。
  4. 請求項1または請求項2のいずれかに記載したディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
    突出端部(9a)を押し潰す側のウェイト枢軸(5)の端部のうち、軸挿通孔(4a)に挿通させる挿通部分(10a)の外周に廻り止め係合部(13a)を設けるとともに、その軸挿通孔(4a)の内周に廻り止め係合部(14a)を設け、上記突出部分(9a)を押し潰すことにより、廻り止め係合部(13a)を廻り止め係止部(14a)に密着させた、ことを特徴とするディーゼルエンジンのメカニカルガバナ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載したディーゼルエンジンのメカニカルガバナにおいて、
    エンジン負荷が定格負荷から無負荷に減少した場合には、エンジン回転数の上昇により、各ガバナウェイト(6)の遠心方向への揺動角(14)が増加し、複数のガバナウェイト(6)の出力部(6a)がガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)の中心側から外周側に向けて摺動しながら、ガバナスリーブ(7)を燃料減量側スライド方向(15)に向けて押し出すように構成し、
    ガバナスリーブ(7)の入力部(7a)のウェイト接当面(7b)を、中心側から外周側に行くに従って、ガバナスリーブ(7)の燃料減量側スライド方向(15)に向かって次第に後退するテーパ形状または曲面形状とした、ことを特徴とするディーゼルエンジンのメカニカルガバナ。
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