JP3808779B2 - 信号変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号と電気信号との変換を行う信号変換装置に関し、特に、大型化することなく光信号線の接続性を向上させた信号変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光信号線である光ファイバケーブル及び電気信号線であるLANケーブルを接続して、光信号と電気信号との変換を可能にしている信号変換装置には種々のものが存在している。
【0003】
信号変換装置は、一般に建物の壁部等に取り付けて、外部より引き入れられる光ファイバケーブルを装置内部に引き込んで光接続を行うと共に、建物内に配索するLANケーブルの端末を接続し、建物内部のパーソナルコンピュータ等の各種電気機器へ光ファイバケーブルを介して各種情報の送受信を可能にしている。
【0004】
図13は、従来の一般的な信号変換装置100の分解斜視図であり、アッパーケース110とロアケース120の内部に、光信号及び電気信号を相互に変換する信号変換用の基板130が収容される。基板130の横方は光ファイバケーブルHの心線Haを巻回状態で収納する収納部となっている。基板130には心線Haの端末に融着したコネクタCを接続するレセプタクル131を設けると共に、LANケーブルLの端末のモジュラージャックLaを接続するLANポート132を設けている。なお、光ファイバケーブルHは、光信号の伝達性維持のため屈曲時には、屈曲半径を20mm以上に設定する必要があるため、前記収容部は20mm以上の屈曲半径を確保できる寸法を有している。
【0005】
なお、上述した光ファイバケーブルHは、心線Haの両側に2本のテンションメンバを平行に沿わせて被覆樹脂で被覆したタイプのものであり、光ファイバケーブルにはテンションメンバの付属しない同軸タイプのものも存在する。このような同軸タイプの光ファイバケーブルを図13に示す信号変換装置100に接続する場合、光ファイバケーブルの余長を収納する必要がない上、レセプタクル131が装置内部に設けてあるため、信号変換装置100に同軸タイプの光ファイバケーブルを接続するのは不適切であり、信号変換装置100とは異なる構成の信号変換装置が用いられることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の信号変換装置100において、光ファイバケーブルHの心線Haの端末のコネクタCをレセプタクル131に接続する場合、作業者がアッパーケース110を取り外して心線Haを巻回させた後、コネクタCをレセプタクル131に接続すべく、コネクタCの位置決めを行ってからレセプタクル131に接続する作業を行わなければならない。このため、コネクタCの接続の作業に時間及び手間がかかるという問題がある。
【0007】
また、信号変換装置100は、心線Haにテンションメンバの付属したタイプの光ファイバケーブルHとの接続を主目的として形成されているため、テンションメンバの付属しない同軸タイプの光ファイバケーブルを接続するのは困難である。このため、光ファイバケーブルを信号変換装置へ引き込むにあたって、上述した2つのタイプの光ファイバケーブルそれぞれに対応させて、2つのタイプの信号変換装置の製造を強いられる場合が多くなるという問題がある。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光ファイバケーブルのコネクタを保持する保持部を備えることにより、コネクタを接続部に接続する作業を効率よく行うことができる信号変換装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、光ファイバケーブルのコネクタを保持する保持部を備えることにより、テンションメンバの付属するタイプの光信号線だけでなく、テンションメンバの付属しない同軸タイプの光信号線であっても引き込むことができる信号変換装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る信号変換装置は、信号変換手段及び光信号の伝送用の光信号線のコネクタが接続される接続部を有する第1筐体と、該第1筐体に積層結合される第2筐体とを備える信号変換装置において、前記第2筐体は、前記コネクタを摺動自在に保持する保持部を有し、前記第1及び第2筐体が積層結合された場合、前記コネクタ及び接続部は、お互いに着脱可能な位置に対向して配置され、前記コネクタを摺動させることにより、前記コネクタが前記接続部と着脱すべくなしてあることを特徴とする。
【0011】
第1発明においては、コネクタを接続部に対向させて保持する保持部を有することにより、作業者がコネクタの位置決めを行ってから接続部に接続する作業を行う必要がなくなり、コネクタを接続部に接続するために接続部に対向する位置にコネクタを保持させるだけで確実にコネクタ接続の作業を行うことができるので、作業効率がよい。また、テンションメンバを付属するタイプの光信号線だけでなく、テンションメンバの付属しない同軸タイプの光信号線であっても、保持部にコネクタを取り付けて、コネクタを接続部に対向させることができるので、1つのタイプの信号変換装置で2つのタイプの光信号線に対応でき、コストダウンをはかることができる。
【0012】
第2発明に係る信号変換装置は、第1発明において、前記保持部は、前記接続部の方向への摺動が可能な摺動部材と、該摺動部材を摺動させる被摺動部とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2発明においては、保持部が接続部の方向への摺動が可能な摺動部材を備えることにより、第1筐体と第2筐体とを積層結合した状態にて、摺動部材を摺動することでコネクタを接続部に容易に接続することができる。
【0014】
第3発明に係る信号変換装置は、第2発明において、前記被摺動部は溝形をなし、前記摺動部材は、前記被摺動部に嵌合する嵌合部と前記コネクタを挟持する挟持部とを有することを特徴とする。
【0015】
第3発明においては、コネクタを挟持する摺動部材を溝形の被摺動部に沿って摺動することで、コネクタを接続部にスムーズに導いて、確実にコネクタの接続ができるので、組み立て作業の効率を高めることができる。
なお、摺動部材は前記コネクタを挟持する挟持部と溝形の摺動部を有し、被摺動部は前記摺動部に嵌合する嵌合部を有する形態であってもよい。
【0016】
第4発明に係る信号変換装置は、信号変換手段及び光信号の伝送用の光信号線のコネクタが接続される接続部を有する第1筐体と、該第1筐体に積層結合される第2筐体とを備える信号変換装置において、前記第1筐体は前記接続部を前記コネクタと着脱する方向動可能な摺動部を備え、前記第2筐体は、前記コネクタを保持する保持部と、前記摺動部に対応する被摺動部を備え、前記第1筐体を摺動させることにより、前記コネクタが前記接続部と着脱すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
第4発明においては、第1筐体は接続部の接続方向への摺動部を備え、第2筐体は被摺動部を備えることにより、第1筐体自体を摺動して第2筐体へ結合することにより、第1筐体と第2筐体との結合と、コネクタの接続部への接続とを同時に行うことができ、組み立て作業性を向上することができる。
【0018】
第5発明に係る信号変換装置は、第4発明において、前記第1筐体は、前記第2筐体への結合側に、結合孔と前記摺動部としての凹部とを備え、前記第2筐体は、前記結合孔に挿入した状態で前記凹部が摺動可能な前記被摺動部としての凸部を有する結合突起を備えることを特徴とする。
【0019】
第5発明においては、第1筐体の結合孔に、第2筐体の結合突起を挿入した状態にて、第1筐体の凹部を、第2筐体の結合突起が有する凸部に摺動することで、第1筐体と第2筐体とを結合すると共に、コネクタを接続部に確実に接続することができるので、組み立て作業の効率を一段と高めることができる。また、結合突起の凸部が凹部に係合することにより、第1筐体と第2筐体との結合が強固になり、離脱を防止することができる。なお、結合孔は直線状だけでなく、屈曲した形状であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1は、本発明に係る信号変換装置であるメディアコンバータ1の実施の形態1の分解斜視図である。メディアコンバータ1は、信号変換手段を収容する第1筐体であるメインユニット2と、光ファイバケーブルHを収納する第2筐体であるロアケース3とを備えている。メインユニット2は、直方体形状の端部の1つを切り欠いた形状をなしており、ロアケース3は、メインユニット2の切り欠いた形状に対応させてコネクタ保持部4を設けている。コネクタ保持部4は、摺動が可能な摺動部材46(図2、3に図示)を有している。なお、光ファイバケーブルHは、心線Haの両側に2本のテンションメンバTM、TMを平行に沿わせて被覆樹脂Hbで被覆したタイプのものである。
【0021】
ロアケース3は、平面視で略矩形の底板部31の周囲に、上方へ向かって延びる縁状の側壁32を形成している。側壁32の一方の短辺側壁部32a及び一方の長辺側壁部32bが交わる角部近傍は、コネクタ保持部4の外枠を形成するため、側壁32よりも上方へメインユニット2の高さ分延設して、延設側壁部41が形成されている。延設側壁部41は上端に、ちょうどメインユニット2の切り欠いた箇所を塞ぐような略矩形の上板部42を設けている。上板部42の延設側壁部41側の長辺側には、図2に示すように、側壁32と同様の縁状の保持部側壁43が下方へ向かって設けられている。また、延設側壁部41の短辺側壁部32aから延設された側壁部分の端部には、溝44が設けられている。
【0022】
図2は、コネクタ保持部4とその近傍の正面図、図3は、図2のIII−III線の断面図である。上板部42の下面側には、保持部側壁43とほぼ同形の第1内側壁45aが、図3に示すように、保持部側壁43に並設されている。また、底板部31の上面側には、第1内側壁45aと上下に対向する位置に、第1内側壁45aと同形の第2内側壁45bが設けられている。これにより、第1内側壁45aと保持部側壁43との間、及び第2内側壁45bと長辺側壁部32bとの間に、上下に対向する凹溝47a、47bが形成されている。
【0023】
凹溝47a、47bには、摺動部材46が嵌合されている。摺動部材46は、長辺が上板部42の長辺よりも短い矩形の平板状の基部の対向する長辺側の端面に凸条46a、46bを凸設しており、凸条46a、46bが凹溝47a、47bに嵌合される嵌合部となっている。また、摺動部材46は、コネクタCの挟持部として、前記基部の、装置内側の面に、上下に対向する2枚の平板状の挟持部46d、46eを有している。挟持部46dと挟持部46eとの間の寸法は、コネクタCの接続圧に抗し得る挟持力を有する寸法に形成されている。
【0024】
摺動部材46の前記基部の、挟持部46d、46eを有している面と反対側の面には、図2に示すように、連続した凸条部が適宜の本数凸設された滑り止め部46cが形成されている。この滑り止め部46cに、作業者が指先を当てて上板部42の長辺方向へ押すことにより、摺動部材46は、挟持部46d、46eを摺動部、凹溝47a、47bを被摺動部として、凹溝47a、47bに沿って摺動することができ、このようにしてコネクタ保持部4が形成されている。
【0025】
なお、図1に示すロアケース3の短辺側壁部32aの、コネクタ保持部4が設けられている角部付近には、光ファイバケーブルHの引込部33が設けられている。底板部31上には、光ファイバケーブルH及びテンションメンバTM、TMの保持部材34a、34bがねじにより取り付けられている。
【0026】
また、ロアケース3の側壁32の内部は光ファイバケーブルHの心線Haを巻回状態で収納する収納部となっており、心線Haを案内する逆L字形のガイド突起35a、35a…及び枠形のガイド突起35b、35bが、底板部31上の適宜の位置に配設されている。さらに、コネクタ保持部4の近傍には、心線Haをコネクタ保持部4へ案内すべく、逆J字形のガイド突起36が配設されている。
【0027】
次に、図1に示すメインユニット2について説明する。図4は、メインユニット2の分解斜視図である。メインユニット2は、メインケース21、信号変換手段である基板22、アンダープレート23により構成される。
【0028】
アンダープレート23は、図1に示したロアケース3の底板部31と同形の略矩形の角の1つが切り欠かれた形状の底板部231の周囲に、縁状の側壁232を形成している。底板部231の上方には基板22が載置される。基板22は、底板部231とほぼ同形に形成された、光信号及び電気信号を相互に変換する信号変換用の基板である。基板22上には、略矩形に切り欠かれて形成された短辺に沿って、心線Haの接続部であるレセプタクル22aが、コネクタ保持部4と対向する向きに設けられている。また、基板22上には、略矩形に切り欠かれた短辺に沿って、レセプタクル22aと同じ向きに、LANケーブルLの端末のモジュラージャックLaを接続するLANポート22b、及び設定スイッチ部22cが設けられている。
【0029】
メインケース21は、アンダープレート23の底板部231と同形の上板部211の周囲に、下方へ向かって延びる側壁212を形成しており、側壁212は基板22を覆うことができる高さを有している。また、側壁212は、レセプタクル22a、LANポート22bの接続面、設定スイッチ部22cの操作面を覆わないように、夫々の外形に相当する形状に切り欠かれている。このようなメインケース21を、アンダープレート23上の基板22を上方から覆うように載置することにより、図1に示すように、略直方体の端部が切り欠かれた形状に組み立てられる。なお、メインユニット2の組み立ては、予め製造時等に行う。
【0030】
以下に、メディアコンバータ1において、光ファイバケーブルHをメディアコンバータ1内に引き込み、コネクタCをレセプタクル22aに接続する方法について説明する。
【0031】
まず、図1に示したように、光ファイバケーブルHをロアケース3に収納する方法について説明する。光ファイバケーブルHは作業性、後の設置場所変更等を考慮することにより余長部分を有しており、その余長部分の、ロアケース3の内側に引き込んで保持部材34aにより保持される箇所から端末に至るまでの部分の被覆樹脂Hbを除去し、心線HaとテンションメンバTM、TMを露出させる。テンションメンバTM、TMは保持部材34bに保持される箇所より端末側を切除する。
【0032】
上述したように処理した光ファイバケーブルHを、引込部33からロアケース3の内部へ引き込み、保持部材34aにより保持させる。そして、露出した心線Haを保持部材34bに配置すると共に、心線Haの両側のテンションメンバTM、TMを保持部材34bにて保持させる。その後、テンションメンバ保持部材34bにより配置された心線Haの端末に、コネクタCを融着する。
【0033】
心線Haの余長部分は、適宜の位置に配設されたガイド突起35a、35a…、及びガイド突起35b、35bに引っ掛けることにより、2周分巻回するように案内される。そして、心線Haを、ガイド突起36に引っ掛けることにより、コネクタC近傍の心線Haは、コネクタ保持部4へ案内される。
【0034】
このようにして余長部分が収納された心線Haの端末のコネクタCを、図3に示すように、コネクタ保持部4の摺動部材46の挟持部である挟持部46dと挟持部46eとの間に挟持させる。この際、図2に示したように、コネクタCの先端を延設側壁部41と反対側へ向け、さらに、先端を摺動部材46から突出した状態に挟持させ、摺動部材46を延設側壁部41側に寄せておく。
【0035】
上述したようにコネクタCをコネクタ保持部4に取り付けた後、図1に示す形状に予め組み立てられているメインユニット2の端部の切り欠かれた形状の部分を、ロアケース3のコネクタ保持部4に嵌合させる。この状態において、メインユニット2をロアケース3の上に積層固定することにより、メディアコンバータ1全体として図5(a)に示すように略直方体形状に組み立てられる。
【0036】
図5(b)は、図5(a)に示す組み立て状態から、作業者が指先を摺動部材46の滑り止め部46cに当てて、対向するレセプタクル22aの方向へ押すことにより、摺動部材46が摺動した後の状態である。摺動部材46が、図3に示した凹溝47a、47bに沿って摺動するのに伴って、摺動部材46に挟持されているコネクタCはレセプタクル22aの方向へ誘導され、レセプタクル22aに接続される。このように、メディアコンバータ1は、コネクタCとレセプタクル22aとの位置合わせに注意することなく短時間で容易にコネクタCの接続作業ができるようにしている。
【0037】
なお、本実施の形態においては、光ファイバケーブルHとして、心線Haの両側に2本のテンションメンバTM、TMを平行に沿わせて被覆樹脂Hbで被覆したタイプのものを使用したが、テンションメンバの付属しない同軸タイプの光ファイバケーブルを使用することも可能である。この場合に、メディアコンバータ1を用いて光接続を行う方法について、以下に説明する。
【0038】
同軸タイプの光ファイバケーブルの端末にコネクタを融着し、ロアケース3のコネクタ保持部4の摺動部材46に、前記コネクタを、前述したコネクタCと同様に挟持させ、図1に示すコネクタ保持部4の溝44に前記光ファイバケーブルを挿通させる。そして、前述した場合と同様にメインユニット2をロアケース3の上に積層固定する。そして、図5に基づいて前述したように、摺動部材46の滑り止め部46cに作業者が指先を当てて、レセプタクル22aの方向へ押すことにより、摺動部材46が摺動し、コネクタはレセプタクル22aに接続される。
【0039】
実施の形態2
図6は、本発明に係る信号変換装置であるメディアコンバータ5の実施の形態2の分解斜視図である。
実施の形態2のメディアコンバータ5は、コネクタCが、第2筐体であるロアケース7のコネクタ保持部8に固定保持され、信号変換手段を収容する第1筐体であるメインユニット6が摺動することによりコネクタCが、基板61に設けられたレセプタクル62に接続される構成となっている。
【0040】
ロアケース7は、実施の形態1のロアケース3と略同形の形状及び構成であるが、コネクタ保持部8の構成及び底板部71の略中央に2つの結合突起77、77を有している点が異なる。具体的にはコネクタ保持部8の外枠を形成するため、側壁72の一方の短辺側壁部72a及び一方の長辺側壁部72bが交わる角部近傍は、メインユニット6の切り欠かれた部分を連続するような略L字形の延設側壁部81が形成されている。延設側壁部81は上端に、メインユニット6の切り欠いた箇所を塞ぐような略矩形の上板部82を有している。また、延設側壁部81には、実施の形態1の溝44と同形の溝83が設けられている。
【0041】
コネクタ保持部8は外枠の内部に、図7に示すように、延設側壁部81の長辺側の面に、上下に対向する2枚の平板状の挟持部84a、84bを有している。挟持部84aと挟持部84bとの間の寸法は、コネクタCの接続圧に抗し得る挟持力を有する寸法に形成されており、このようにしてコネクタ保持部8が形成されている。
【0042】
また、図6に示す底板部71の略中央に凸設された結合突起77、77は、全体が、短辺側壁部72aと対向する短辺側壁部72c方向に折れ曲がるL字形状であり、短辺側壁部72aに平行な板状片である垂直部771、771の上端に、板状片である係合凸部772、772を水平方向に凸設させている。係合凸部772、772の底板部71の短辺方向の幅は、垂直部771の底板部71の短辺方向の幅よりも大きく形成されている。これにより、係合凸部772、772は長辺側壁部72b側の端部を垂直部771、771の端部よりも凸設させている。上記以外は、実施の形態1と同様の形状及び構成にしている。
【0043】
次に、図6に示したメインユニット6について説明する。図8は、メインユニット6の分解斜視図である。メインユニット6は、実施の形態1のメインユニット2と略同形の形状及び構成であるが、アンダープレート63の略中央部に結合孔91、91及び凹部92、92を有している点が異なる。アンダープレート63は、実施の形態1のアンダープレート23と同形の底板部64と側壁65とを有する。側壁65は、底板部64の形状に対応して、切り欠かれた角側の短辺側壁部65a、これに対向する短辺側壁部65c、及び切り欠かれた角側の長辺側壁部65b、これに対向する長辺側壁部65dを有している。
【0044】
底板部64の結合孔91、91は、ロアケース7の結合突起77、77を挿入する箇所に設けられている。図9の斜視図及び図10の上面図に示すように、結合孔91、91は、底板部64の長辺方向に延びる太幅部91a、91aの短辺側壁部65c側の端部に、底板部64の長辺側壁部65d方向に延びる連結部91b、91bを連結させ、連結部91b、91bの短辺側壁部65c側の端部に、短辺側壁部65c方向に延びる細幅部91c、91cを連結させている。これにより、結合孔91、91は2回屈曲させた形状に形成されている。なお、太幅部91a、91aは結合突起77、77を通過させて挿入できる寸法に形成されている。細幅部91c、91cの幅は、結合突起77、77の垂直部771、771を挿入させて摺動でき、かつ、挿入状態において係合凸部772、772が係合できる寸法に形成されている。
【0045】
また、結合孔91、91の長辺側壁部65b及び短辺側壁部65c側には、結合突起77、77を結合孔91、91に挿入した状態でメインユニット6を摺動すべく、結合孔91に沿った形状の凹部92が底板部64に形成されている。なお、結合孔91の凹部92を形成した箇所は底板部64の下面より凸設させてある。
【0046】
このような構成により、メインユニット6は、実施の形態1のメインユニット2と同様にして、図6に示すように、略直方体の端部が切り欠かれた形状に組み立てられる。
【0047】
以下に、メディアコンバータ5において、光ファイバケーブルHをメディアコンバータ5内に引き込み、コネクタCをレセプタクル62に接続する方法について説明する。光ファイバケーブルHのロアケース7への収納は実施の形態1と同様に行う。
【0048】
実施の形態1と同様に余長部分が収納された心線Haの端末のコネクタCを、図7に示すように、コネクタ保持部8の挟持部84aと挟持部84bとの間に挟持させる。この際、コネクタCの先端をコネクタ保持部8から突出させた状態に挟持させる。
【0049】
コネクタCをコネクタ保持部8に挟持させることで固定した後、図6に示す形状に予め組み立てられているメインユニット6をロアケース7に、以下のようにして積層結合する。
【0050】
メインユニット6をロアケース7の上方から覆うようにして、図11(a)の上面図に示すように、ロアケース7の結合突起77、77をメインユニット6の底部の結合孔91、91の太幅部91a、91aに挿入する。図中において、結合突起77、77はハッチングしている。この状態からメインユニット6を矢符Aにて示すように、図中の下方向かつ左方向へ摺動させる。
【0051】
摺動させることにより、図11(b)に示すように、係合凸部772、772が凹部92、92に係合した状態となる。この状態からメインユニット6を矢符Bにて示すように、図中の上方向から左方向へ連続的に摺動させて、結合突起77、77を結合孔91、91の連結部91b、91bから細幅部91c、91cへ摺動させる。
【0052】
摺動させることにより、図12に示すように、細幅部91c、91cの端部の凹部92、92に、結合突起77、77の係合凸部772、772を係合し、メインユニット6はロアケース7に積層結合すると同時に、コネクタ保持部8がメインユニット6の切り欠かれた部分に嵌合され、コネクタCはレセプタクル62に接続する。このように、メディアコンバータ5は、コネクタCとレセプタクル62との位置合わせに注意することなく短時間で容易にコネクタCの接続作業ができるようにしている。
【0053】
また、係合凸部772、772が、凹部92、92に係合することにより、メインユニット6とロアケース7との結合が強固になり、離脱するのを防ぐようになっている。
【0054】
なお、本実施の形態においては、光ファイバケーブルHとして、心線Haの両側に2本のテンションメンバTM、TMを平行に沿わせて被覆樹脂Hbで被覆したタイプのものを使用したが、テンションメンバの付属しない同軸タイプの光ファイバケーブルを使用することも、実施の形態1の場合と同様に可能である。この場合に、メディアコンバータ5を用いて光接続を行う方法について、以下に説明する。
【0055】
同軸タイプの光ファイバケーブルの端末にコネクタを融着し、ロアケース7のコネクタ保持部8の挟持部84aと挟持部84bとの間に、前記コネクタを、前述したコネクタCと同様に挟持させ、図6に示すコネクタ保持部8の溝83に前記光ファイバケーブルを挿通させる。そして、図11及び図12に基づいて前述したように、メインユニット6のアンダープレート63の結合孔91、91に、ロアケース7の結合突起77、77を挿入させてメインユニット6を摺動させることにより、メインユニット6がロアケース7に積層結合すると同時に、コネクタがレセプタクル62に接続する。
【0056】
また、本実施の形態においては、結合孔91、91は2回屈曲させた形状に形成されているが、この形状に限定されるものではなく、さらに屈曲させた形状、又は直線状であってもよい。
【0057】
また、本実施の形態においては、メインユニット6が結合孔91、91及び凹部92、92を備え、ロアケース7が、係合凸部772、772を有する結合突起77、77を備えることにより、結合突起77、77が結合孔91、91に挿入した状態でメインユニット6を摺動させる形態としたが、これに限定するものではなく、例えば、以下に示す形態であってもよい。
【0058】
図6に示すロアケース7が、側壁72の長辺側壁部72b、及び長辺側壁部72bに対向する長辺側壁部72dの夫々の外側にさらに1枚ずつ外側壁部を設けることにより夫々2枚の側壁部の間に溝を備え、さらに前記溝の夫々の短辺側壁部72a側の端に壁を設けるべく、短辺側壁部72aの両端を延設させて短辺延設側壁部を備える形状とする。また、メインユニット6は、図8に示すアンダープレート63の側壁65の長辺側壁部65b、65dを下方に延設して形成され、ロアケース7が備える前記溝に嵌合することができる嵌合部を備える形状とする。
【0059】
上述した形状により、アンダープレート63の前記嵌合部の短辺側壁部65a側の端部を、ロアケース7の前記溝の短辺側壁部72c側の端に嵌合する。そして、アンダープレート63の前記嵌合部を、ロアケース7の前記溝に沿って短辺側壁部72a側へ摺動させる。このように摺動させて、アンダープレート63の前記嵌合部の短辺側壁部65a側の端面を、ロアケース7の前記短辺延設側壁部に当接させる。これにより、メインユニット6をロアケース7に積層固定すると同時に、コネクタをレセプタクル62に接続する。
【0060】
さらに、本実施の形態のメディアコンバータ5が備えるメインユニット6の結合孔91、91、凹部92、92、及びロアケース7の係合凸部772、772を有する結合突起77、77、又は、上述したメインユニット6の前記嵌合部及びロアケース7の前記溝を、実施の形態1のメディアコンバータ1に適用することも可能である。
【0061】
【発明の効果】
第1発明によれば、コネクタを接続部に対向させて保持する保持部を有することにより、作業者がコネクタの位置決めを行ってから接続部に接続する作業を行う必要がなくなり、コネクタを接続部に接続するために接続部に対向する位置にコネクタを保持させるだけで確実にコネクタ接続の作業を行うことができるので、作業効率がよい。また、テンションメンバを付属するタイプの光信号線だけでなく、テンションメンバの付属しない同軸タイプの光信号線であっても、保持部にコネクタを取り付けて、コネクタを接続部に対向させることができるので、1つのタイプの信号変換装置で2つのタイプの光信号線に対応でき、コストダウンをはかることができる。
【0062】
第2発明によれば、保持部が接続部の方向への摺動が可能な摺動部材を備えることにより、第1筐体と第2筐体とを積層結合した状態にて、摺動部材を摺動することでコネクタを接続部に容易に接続することができる。
【0063】
第3発明によれば、コネクタを挟持する摺動部材を溝形の被摺動部に沿って摺動することで、コネクタを接続部にスムーズに導いて、確実にコネクタの接続ができるので、組み立て作業の効率を高めることができる。
【0064】
第4発明によれば、第1筐体は接続部の接続方向への摺動部を備え、第2筐体は被摺動部を備えることにより、第1筐体自体を摺動して第2筐体へ結合することにより、第1筐体と第2筐体との結合と、コネクタの接続部への接続とを同時に行うことができ、組み立て作業性を向上することができる。
【0065】
第5発明によれば、第1筐体の結合孔に、第2筐体の結合突起を挿入した状態にて、第1筐体の凹部を、第2筐体の結合突起が有する凸部に摺動することで、第1筐体と第2筐体とを結合すると共に、コネクタを接続部に確実に接続することができるので、組み立て作業の効率を一段と高めることができる。また、結合突起の凸部が凹部に係合することにより、第1筐体と第2筐体との結合が強固になり、離脱を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメディアコンバータの実施の形態1の分解斜視図である。
【図2】コネクタ保持部とその近傍の正面図である。
【図3】図2のIII−III線の断面図である。
【図4】メインユニットの分解斜視図である。
【図5】メディアコンバータの斜視図である。
【図6】本発明に係るメディアコンバータの実施の形態2の分解斜視図である。
【図7】コネクタ保持部とその近傍を拡大した斜視図である。
【図8】メインユニットの分解斜視図である。
【図9】メインユニットが有する結合孔近傍の拡大図である。
【図10】アンダープレートの上面図である。
【図11】メディアコンバータの上面図である。
【図12】メディアコンバータの上面図である。
【図13】従来の信号変換装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
1、5 メディアコンバータ(信号変換装置)
2、6 メインユニット(第1筐体)
22、61 基板(信号変換手段)
22a、62 レセプタクル(接続部)
3、7 ロアケース(第2筐体)
4、8 コネクタ保持部
46 摺動部材
77 結合突起
772係合凸部
91 結合孔
92 凹部
C コネクタ
H 光ファイバケーブル
Ha 心線

Claims (5)

  1. 信号変換手段及び光信号の伝送用の光信号線のコネクタが接続される接続部を有する第1筐体と、該第1筐体に積層結合される第2筐体とを備える信号変換装置において、
    前記第2筐体は、
    前記コネクタを摺動自在に保持する保持部を有し、
    前記第1及び第2筐体が積層結合された場合、前記コネクタ及び接続部は、お互いに着脱可能な位置に対向して配置され、
    前記コネクタを摺動させることにより、前記コネクタが前記接続部と着脱すべくなしてあることを特徴とする信号変換装置。
  2. 前記保持部は、前記接続部の方向への摺動が可能な摺動部材と、該摺動部材を摺動させる被摺動部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の信号変換装置。
  3. 前記被摺動部は溝形をなし、前記摺動部材は、前記被摺動部に嵌合する嵌合部と前記コネクタを挟持する挟持部とを有することを特徴とする請求項2に記載の信号変換装置。
  4. 信号変換手段及び光信号の伝送用の光信号線のコネクタが接続される接続部を有する第1筐体と、該第1筐体に積層結合される第2筐体とを備える信号変換装置において、
    前記第1筐体は
    前記接続部を前記コネクタと着脱する方向動可能な摺動部を備え、
    前記第2筐体は
    前記コネクタを保持する保持部と、
    前記摺動部に対応する被摺動部
    を備え
    前記第1筐体を摺動させることにより、前記コネクタが前記接続部と着脱すべくなしてあることを特徴とする信号変換装置。
  5. 前記第1筐体は、前記第2筐体への結合側に、結合孔と前記摺動部としての凹部とを備え、前記第2筐体は、前記結合孔に挿入した状態で前記凹部が摺動可能な前記被摺動部としての凸部を有する結合突起を備えることを特徴とする請求項4に記載の信号変換装置。
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