JP3807831B2 - ゴムと金属板の積層体の加熱装置 - Google Patents

ゴムと金属板の積層体の加熱装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未加硫ゴムと磁性体の金属板とを交互に積層した積層体を効率よく加熱および加硫できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムと金属板の積層体としては、例えば免震装置に用いられるものがある。この免震装置はビル、建物、橋梁、機械装置等の構造物の基礎に取り付けられるものであり、地震等による加振力に対する応答加速度を減少させ、加振力による被害を最小限にとどめるためのものである。
【0003】
このような免震装置に用いられるゴムと金属板との積層体は、ゴムと鋼板(金属板の代表例)を交互に積み重ね、加硫接着したものである。建物用の大型の免震装置の場合、設計荷重が750トン前後にもなり、その直径は1メートル前後の大きさになる。
【0004】
このようなゴムと金属板の積層体は、まず未加硫ゴムと金属板を積層して積層体を形成し、ついで、この積層体の外周をモールドで拘束し、前記積層体の上下から加圧しながら所定の加硫温度まで加熱することにより製造される。
【0005】
その加熱方法としては、従来から、熱盤等を用いて外部から加熱する方法が一般的であるが、未加硫ゴムの熱伝導性が悪いため、積層体を外部から加熱して内部まで熱が伝わらせるには時間がかかり過ぎるという問題があった。とくに、建物用など大型の免震装置の場合、加硫行程において10〜20時間という長時間を要しており、エネルギー効率および生産性が著しく悪かった。そこで、最近では、電磁誘導加熱により、内部の金属板を発熱させ、昇温した金属板からの熱伝導により内部から未加硫ゴムを加熱する方法が研究されている(未公開)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらまだ、この電磁誘導による加熱は、積層体のみならず、積層体の周囲のモールドなどを発熱させており、エネルギー効率を向上させるために、改善する余地があると考えられる。
【0007】
例えば、加圧時に積層体を拘束するためのモールドは、積層体へ導入される磁束の妨げにならないように、非または弱磁性体により形成されるが、なかでも、加工性が良く、強度が有り、低コストであるという観点からSUS304などのステンレス鋼板が好まれる。しかし一方で、ステンレス鋼板は導電性材料であり、磁界の影響下に置かれると、積層体を構成する金属板と同様に、体内に渦電流が発生し、発熱する。この渦電流(誘導電流)Iは、円筒状(モールド本体)および円盤状(上下蓋体)のモールドの外周を沿うように長い距離を流れると、外周長に相当する大きな抵抗Rがあるため、大きなパワーI2 ×Rで発熱する。このようなモールドの発熱は、場合によっては、積層体を構成する金属板より以上の高温となり、積層体の外周部と内奥部とでの温度格差が大きくなるため、加硫製品の品質を落とさしめる結果を招くおそれがある。
【0008】
また、モールド体内の渦電流や発熱したモールドからの熱がモールドからモールドと接触する加熱装置の各部に伝導すると、熱効率が低下するので所定温度に到達する加熱時間が長くなるばかりか、冷却工程においても装置全体を冷やさなければならなくなり、生産サイクルが長くなるという問題もある。
【0009】
一方で、加熱装置への渦電流や熱の伝導を避けるために、絶縁体や断熱材などをモールドの上下に置くと積層体へ流入する磁束が減少するという問題がある。すなわち、モールドを上下方向から挟持する上下プラテンは磁性体で形成されているため、上下プラテンを誘導コイルに近接させた状態で誘導コイルに通電すると、磁束は上下プラテンから、誘導コイルの軸心となる中空部に導入されるが、上下プラテンが断熱材などによって誘導コイルから遠ざけられると、誘導コイルからの磁束が上下プラテンのある上下方向に逃げてしまい、誘導コイルの中空部に流入する磁束が減少するのである。したがって、中空部に置かれる積層体を形成する金属板で発生する渦電流が減少し、うまく加熱できない。
【0010】
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたものであり、未加硫ゴムと磁性体の金属板とを交互に積層した積層体を迅速に効率よく加熱できる装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項にかかる発明は、未加硫ゴムと金属板を交互に積層した積層体の全方位を拘束するモールドを備えており、該モールド内に収納された状態で電磁誘導加熱を行うよう構成されてなる加熱装置であって、前記モールドの外周に誘導コイルを、そのコイルの軸心と積層体の積層方向の中心が一致するように配設するとともに、前記モールドの上下に、前記誘導コイルの端面を覆いうる幅を有する磁束誘導板を配置して、モールドに収納された前記積層体への磁束の流入を促進させるよう構成されてなるものである。磁束誘導板は磁性体であり、モールドの上下、つまり誘導コイルの端面近傍に置かれ、誘導コイルからの磁束を磁束誘導板体内から積層体へと導く。この磁束誘導板を置くことによって、他の磁性体(加熱装置の一部、上下プラテンなど)に影響されることがなく、常に一定の磁束が積層体に導入される。なお、前記効果を減じさせない範囲で、磁束誘導板とモールドとの間に絶縁材を挿入し、渦電流が2部材の間で大きくなるのを防ぐようにしてもよい。
【0018】
請求項にかかる発明は、請求項に記載の発明に加えて、前記磁束誘導体が、渦電流の発生を抑制するためのスリットまたは分断部を有してなるものであり、そのスリットまたは分断部と前記モールドに設けられたスリットまたは分断部とが一致するように配設されてなるものである。モールドと磁束誘導板との間で発生する渦電流を抑制し、発熱量が増大しないようにする。
【0019】
請求項にかかる発明は、ゴムと金属板を交互に積層した積層体の外周に誘導コイルを、そのコイルの軸心と積層体の積層方向の中心が一致するように配設してなる加熱装置であって、前記誘導コイルの軸方向の端面近傍に、該誘導コイルの端面を覆いうる幅を有する磁束誘導板を設けて、前記誘導コイルの軸心となる中空部に配置された前記積層体への磁束の流入を促進させるよう構成されてなることを特徴としている。磁束誘導板は、磁性体である。より磁界を強められるという観点からは、強磁性体であることが好ましい。磁束誘導板は誘導コイルの軸方向の端面近傍に設けられ、磁束を誘導コイルの軸心となる中空部へ導くことができ、中空部の磁界を強めることができる。したがって、中空部に配置される積層体の加熱を効率よく行うことができる。磁束誘導板は、磁性体であればよい(例SS材、SUS材など)。大きさは、誘導コイルの外周に匹敵し、厚さは、2mm以上である。このような磁束誘導板を設けておくことによって、たとえば、加圧機構を備えた加熱装置の場合、モールドがセットされる上下プラテン(磁性体)の位置を自由に設定することができる。つまり、断熱や絶縁のために上下プラテンとモールドの間に断熱材や絶縁体を設け、上下プラテンをモールドか遠ざけておいても、誘導コイルの軸心の中空部に置かれた積層体へ流入する磁束を減少させることがない。
【0020】
請求項にかかる発明は、請求項に記載の発明に加えて、前記磁束誘導板が、渦電流の発生を抑制するためのスリットまたは分断部を有してなるものである。磁束誘導板の発熱を抑えられる。
【0021】
請求項にかかる発明は、請求項またはに記載の発明に加えて、前記磁束誘導板と加熱装置のモールドセット部との間に断熱材または絶縁材を挿入してなるものである。加熱装置との間に断熱材または絶縁材を挿入しても、磁束は、磁束誘導板からを積層体に導かれるので、減少することはない。
【0022】
【本発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、図1乃至図9に基づいて、本発明の加熱装置に適用されるモールドの実施態様例を説明する。
【0023】
図1において、このモールド1は、モールド本体2と上下蓋体3、4とに分割されている。モールド本体2は筒状であり、内側の中空部には積層体が装入され、加圧時に上下方向(軸方向)から加圧される積層体の外周を拘束する。モールド本体2は、図示例のような円筒形状の他4角筒形状など、3角以上の多角形状が可能であるが、収納される積層体の外周に沿った形状となる。上下蓋体3、4は、モールド本体2の開口端を塞ぐものであり、モールド本体2の外周に等しい大きさと形状を備えている。これら分割体(モールド本体2と上下蓋体3、4)は、それぞれ電気的に分断されている。すなわち、図1に示されるように、導電性材料からなるモールド本体2と接する上下蓋体3、4は非導電性材料で形成される。モールド本体2の体内で発生する渦電流は、上下蓋体3、4に伝わることがなく、発熱量が抑えられる。
【0024】
また、図2に示されるように、モールド本体2を非導電体で、上下蓋体3、4を導電体で形成してもよい。
【0025】
さらに、図3に示されるように、モールド本体2と上下蓋体3、4との間に絶縁体5、6を設けてもよい。
【0026】
また、図4に示されるように、モールド本体2が導電体であり、上下蓋体3、4が非導電体であるときにも、モールド本体2の体内に発生する渦電流が大きくなる場合、たとえば、筒状のモールド本体2の外周に沿って矢印7のように電流が流れる場合、縦にスリット8を入れることにより大きな渦電流をカットし、発熱を抑えることができる。
【0027】
さらに、図5の(a)に示されるように、モールド本体2にスリット8を入れても、上下蓋体3、4が導電性材料である場合には、その間に絶縁体5、6を設けておくと、図5の(b)に示されるように、スリット8で一端分断された電流が矢印のように上下蓋体を経由することがなく、この部分9、10での発熱を防ぐことができる。
【0028】
また、図6に示されるように、上下蓋体3、4にスリット11、12を設けることによっても、上下蓋体3、4に矢印13のような大きな渦電流が発生するのを防ぐことができ、発熱を抑えることができる。
【0029】
さらに、図7に示されるように、上下蓋体3、4に、短いスリット14を多数設けても長い1つのスリット11、12を有するものと同様の効果が得られる。
【0030】
図8に示されるように、モールド本体2および上下蓋体3、4をともに導電性材料で形成する場合には、モールド本体2と上下蓋体3、4の間に絶縁体5、6を設け、モールド本体2および上下蓋体3、4のそれぞれにスリット8、11、12を設けておく。
【0031】
図示例では、3つの部分(モールド本体2と上下蓋体3、4)に分割されたものを挙げているが、本発明ではこれに限らず、さらに細かく分割することによって、さらに渦電流を小さく抑えることができる。また、導電性材料に設けられる電気的分断手段としてのスリットまたは分断部に絶縁材を挟み込むなどしてもよい。
【0032】
導電性材料として好適な材料には、強度、低コスト、加工性の良さなどからSUS304のようなステンレス鋼材が挙げられる、このステンレス鋼材は、非または弱磁性体でもあり、積層体への磁束の流入を妨げることはなく、その点でもモールドを形成するには好ましい材料ということができる。本発明では、このような導電性材料を用いても、渦電流を極力小さくでき、非導電性材料を用いたときと同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、非導電材料としては、耐熱性および耐圧力性の良好な、セラミック、熱硬化性樹脂(例えば、ポリイミド、エポキシ等)などを用いることができる。非導電性材料でモールドの分割体を形成した場合、電気的分断手段としてのスリットや分断部を設けなくてよいので形成が容易である。
【0034】
絶縁板5、6は、モールド本体2の外径および内径と等しい環状の薄板であり、高温に耐えれるように、ポリイミド、テフロンなどの樹脂製であることが好ましい。
【0035】
図9に示されるモールド50は、積層体の高さに応じてモールド本体52の段差52a、52bの間の高さを変えれるよう構成されたものである。このモールド50は、モールド本体52、上下蓋体53、54の他に内環51と追加用蓋体55を有している。
【0036】
図9において、積層体60および積層体61は、それぞれ金属板62とゴム63を積層し、その外周を環状のゴム64でくるんで金属板62を完全にゴム内に埋設させたものであるが、金属板62の枚数によって、積層体60の方が背が高くなっている。また、積層体の積層方向端面には、連結用金属板65、66が設けられる。この連結用金属板65、66には、取り付け用のネジ孔などが設けられるため、径が大きくなっている。
【0037】
図9の(a)では、背の高い積層体60に対応するため、モールド本体の段差52aの上に内環51を載せるようになっている。加硫前には、内環51の上面51aと連結用金属板66との間に加圧用に空間が設けられるが、加硫が終了すると内環51の上面51aと連結用金属板66とは接する。一方、図9の(b)では、背の低い積層体61のために、内環51は除かれ追加用蓋体55が設けられる。加圧機構によって上下蓋体53、54が押圧されると、追加用蓋体55によって上蓋体53からの押圧力が積層体61に到達する。内環51および追加用蓋体55は、2以上としてもよい。
【0038】
本発明では、図9に示されるように、内環51や追加用蓋体55を有するモールド50においても好適に利用される。すなわち、内環51や追加用蓋体55を非導電性材料で形成したり、絶縁体を挟んだり、スリットや分断部を設けたりすることによって、内環51や追加用蓋体55で発生する渦電流を抑制することができる。
【0039】
さらに、モールド体内で発生した渦電流が加熱装置本体に伝導しないように、上下蓋体3、4と加熱装置との間に絶縁体を設けておくことが好ましい。例えば、図10に示されるように、上下蓋体2と、加熱装置の上プラテン14との間に絶縁体16を挿入する。上プラテン14は、支柱15を介してフレームに固定されており、図示されない下プラテンは、加圧シリンダを介してフレームに固定される。したがって、上下プラテン(モールドセット部)の間にセットされたモールドは、加圧シリンダの駆動により加圧される。モールド体内で渦電流が発生し、上下プラテンより加圧装置本体に伝導すると、渦電流が長い距離を流れるため発熱し、熱効率が低下する。したがって、上下蓋体3、4を導電性材料で形成する場合には、絶縁体16を配置しておくことが好ましい。また、モールドで発熱した熱が加熱装置本体に伝導し、加熱装置が加熱されても熱効率が低下するので、絶縁体が断熱材として機能することも、同様に好ましい。また、上下プラテンの一部を非導電性材料で形成してもよい。
【0040】
一方、図10に示されるように、上下プラテンと上下蓋体3、4との間に絶縁体または断熱材が挿入されると、上下プラテンがモールドから遠ざかる。このことによって、上下プラテンの磁束誘導機能が損なわれる。上下プラテンは磁性体であり、誘導コイルの端面近傍に設けられて誘導コイルからの磁束を誘導コイルの軸心となる中空部に磁束を導く機能を有していたが、上下プラテンが遠ざかると、誘導コイルからの磁束が、上下方向に分散されて中空部に入り難くなるのである。そこで、図11乃至図15に示されるように、磁束誘導板3を設けて磁束を中空部に導くよう構成することが好ましい。
【0041】
次に、このような機能を有する磁束誘導板について、図11乃至図15に基づいて説明する。磁束誘導板を設けることによって、積層体への磁束を減じさせることなく、上下プラテンと磁束誘導板との間に絶縁体または断熱材を設けることができるので、加熱装置全体の発熱および加熱を防いで、熱効率を高めることができる。
【0042】
図11において、この加硫装置30は、加圧機構の加圧面となる上下プラテン31、32を備えており、積層体33はモールド34内に収納され、モールド34の外周には誘導コイル35が配設されている。誘導コイル35と上プラテン31との間には、誘導コイル35から上プラテン31にむけて、絶縁体36、磁束誘導板37、断熱体38がこの順に設けられている。誘導コイル35から下プラテン32にむけても同様に、絶縁体36、磁束誘導板37、断熱体38がこの順に設けられている。
【0043】
磁束誘導板37は、図11に示されるように、誘導コイル35の外周とほぼ等しい大きさを有し、誘導コイル35の端部近辺を覆うように置かれる。その形状は、図12または図13に示される円盤状のものの他、図14に示されるように、上下プラテン31、32に合わせた矩形であってもよい。また、前述した上下蓋体3、4と同様に、渦電流の発生を抑制するための構造を有していることが好ましく、図12に示されるように、2個割に分断したり、図13に示されるように、スリットをもうけてもよい。スリットの長さは、破線で示されるようにできるだけ長くすることが好ましい。磁束誘導板37は、磁性体であればよい。
【0044】
図11に示されるように、モールド34と磁束誘導板37のあいだには絶縁体36が挿入されることが、やはり渦電流を抑制するという観点から好ましいが、誘導コイルの磁界の強度との関係から、上下蓋体と接触状態で置かれることが好ましいばあいもある。そのばあい、図14に示されるように、磁束誘導板37のスリットまたは分断部と上下蓋体3、4のスリット11、12が一致するように置かれることが好ましい。
【0045】
断熱材38は、主に磁束誘導板37が発熱した場合の熱が加熱装置全体へ伝導しないように設けられるものであるが、絶縁体としての機能も有している。すなわち、加圧機構の上下プラテン31は、一般にSS材、ステンレスなど導電体で形成される。磁束誘導板37で発生した渦電流が上下プラテン31に伝導すると発熱量が大きくなるのでエネルギーロスとなる。断熱材は、そのエネルギーロスも防ぐことができる。なお、磁束が上下プラテン31まで漏れて上下プラテンが発熱するおそれがあるときには、断熱材の厚さを大きくして上下プラテンをされに遠ざけるか、上下プラテンを非導電性材料で形成してもよい。
【0046】
次に、図15に基づいて磁束誘導板による磁束の状態変化を、磁束誘導板がないときと比較して説明する。
【0047】
図15において、41は上蓋体、42は断熱材、43は上プラテン、44は誘導コイルであり、図15の(a)では、磁束誘導板45が、上蓋体41と上プラテン43との間に設けられている。図15の(b)に示されるように、誘導コイル44の上下に磁束誘導板45がない場合、磁束が空間に発散してしまい、加熱対象物である積層体46に流入する磁束が少なくなってしまっている。そこで、図15の(a)のように、磁束誘導板45を設けると、誘導コイル44からの磁束は磁性体である磁束誘導板45に導かれて積層体46へ流入することがわかる。
【0049】
【発明の効果】
請求項に記載の発明によると、誘導コイルからの磁束を積層体に導く磁束誘導板を設けたので、上下プラテンなど、モールドの真直に置かれる磁性体の位置によって積層体へ流入する磁束が影響をうけることがなく、安定した磁束を積層体へ流入させることができる。したがって、上下プラテンとモールドの間に断熱材や絶縁体を設けて、モールド体内で発生する渦電流や高温になったモールドからの熱が上下プラテンへ伝導しないようにすることができる。したがって、さらに熱効率よく加熱することができる。
【0050】
請求項に記載の発明によると、磁束誘導板を上下蓋体の上に直におくようなばあいでも、それぞれのスリットまたは分断部を一致させておくことにより、上蓋体(または下蓋体)と磁束誘導板の体内で発生する渦電流を抑制することができる。
【0051】
請求項乃至に記載の発明によると、モールドを用いない加熱においても、同様に、磁束誘導板により積層体に浸透する磁束を強め、効率よく電磁誘導加熱を行うことができる。磁束誘導板にスリットまたは分断部を設けたものでは、磁束誘導板の体内で発生する渦電流を抑制することができる。また、磁束誘導板と加熱装置との間に絶縁材または断熱材を設けたものでは、装置が加熱されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱装置に用いられるモールドの一実施例の説明図である。
【図2】モールドの他の実施例の説明図である。
【図3】モールドのさらに他の実施例の説明図である。
【図4】モールドの他の実施例の説明図である。
【図5】モールドのさらに他の実施例の説明図である。
【図6】モールドの他の実施例の説明図である。
【図7】モールドのさらに他の実施例の説明図である。
【図8】モールドの他の実施例の説明図である。
【図9】モールドのさらに他の実施例の説明図である。
【図10】本発明の加熱装置の一実施例の説明図である。
【図11】本発明の加熱装置の一実施例の断面説明図である。
【図12】磁束誘導板の一例の説明図である。
【図13】磁束誘導板の他の例の説明図である。
【図14】図11の加熱装置の分解説明図である。
【図15】磁束誘導板の効果を示す磁束分布図である。
【符号の説明】
1、34、50 モールド
2 52 モールド本体
3、41、53 上蓋体
4、54 下蓋体
5、6 絶縁体
8、11、12、14 スリット
33、46、60、61 積層体
62、65、66 金属板
63 ゴム
14、31、43 上プラテン
16 絶縁体(断熱材)
30 加熱装置
32 下プラテン
34 モールド
35、44 誘導コイル
37、45 磁束誘導板
38、42 断熱材(絶縁体)

Claims (5)

  1. 未加硫ゴムと金属板を交互に積層した積層体の全方位を拘束するモールドを備えており、該モールド内に収納された状態で電磁誘導加熱を行うよう構成されてなる加熱装置であって、
    前記モールドの外周に誘導コイルを、そのコイルの軸心と積層体の積層方向の中心が一致するように配設するとともに、
    前記モールドの上下に、前記誘導コイルの端面を覆いうる幅を有する磁束誘導板を配置して、モールドに収納された前記積層体への磁束の流入を促進させるよう構成されてなるものであることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記磁束誘導板が渦電流の発生を抑制するためのスリットまたは分断部を有しており、そのスリットまたは分断部と前記モールドに設けられたスリットまたは分断部とが一致するように配設されてなる請求項記載の加熱装置。
  3. ゴムと金属板を交互に積層した積層体の外周に誘導コイルを、そのコイルの軸心と積層体の積層方向の中心が一致するように配設してなる加熱装置であって、
    前記誘導コイルの軸方向の端面近傍に、該誘導コイルの端面を覆いうる幅を有する磁束誘導板を設けて、前記誘導コイルの軸心となる中空部に配置された前記積層体への磁束の流入を促進させるよう構成されてなることを特徴とする加熱装置。
  4. 前記磁束誘導板が、渦電流の発生を抑制するためのスリットまたは分断部を有してなる請求項記載の加熱装置。
  5. 前記磁束誘導板と加熱装置のモールドセット部との間に断熱材または絶縁材を挿入してなる請求項または記載の加熱装置。
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