JP3807251B2 - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグが、運転者の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、運転者の膝を保護する装置としては、特開平9−123862号公報等に開示されるように、ステアリングホイール下方のコラムカバー下部側に配置されて、作動時にコラムカバー上部の下面側に向かって展開膨張するエアバッグを備えたエアバッグ装置があった。
【0003】
上記構成のエアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグが、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターとともに、ケースに収納されて、コラムカバー下部側に配置される構成であった。
【0004】
通常、車両において上記構成のエアバッグ装置が配置される部位付近は、ステアリングコラムや、チルト機構、テレスコピック機構、及び、パーキングブレーキ装置等が接近して配置される構成であるため、膝保護用のエアバッグ装置を配置させるための大きな収納スペースを確保し難かった。特に、昨今では、コラムカバー下部側に物入れ等を配置させる場合もあって、エアバッグ装置におけるケースの軸直交方向の幅寸法を確保し難かった。そこで、エアバッグ装置を、ケースの軸直交方向の幅寸法をできるだけ小さくしてコンパクトにすることが望まれている。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ケースの軸直交方向の幅寸法を小さくして、狭い収納スペースに配置させることが可能な膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、エアバッグ及びインフレーターを収納してステアリングコラムの下方位置に配置されるケースと、を備えて構成されて、
ケースが、車両後方側を開口として、略四角筒形状の周壁部と、周壁部の車両前方側を覆う底壁部と、を備え、
膨張用ガスを流入させたエアバッグが、ケースの開口から車両後方側へ突出して展開膨張し、運転者の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置であって、
インフレーターが、ディスクタイプとして、軸方向をケース周壁部の軸方向と略直交させて、ケースの周壁部に取付固定されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
請求項1に係る膝保護用エアバッグ装置では、ディスクタイプのインフレーターを、軸方向をケース周壁部の軸方向と略直交させるように、ケースの周壁部に取付固定している構成である。即ち、ディスクタイプのインフレーターは、軸方向の長さ寸法より外径寸法の長さ寸法を長くしており、軸方向がケース周壁部の軸方向と略直交となるように、インフレーターをケースの周壁部に取付固定する構成とすれば、周壁部におけるインフレーターを取付固定した壁部からインフレーターと対向する壁部までの距離を、インフレーターの軸方向の長さ寸法にケース内に折り畳まれて収納されるエアバッグの収納スペースを確保可能な寸法を加えた寸法に設定すればよい。そのため、例えば、インフレーターを周壁部における上下方向側に配置される壁部に固定させれば、ケース周壁部の軸直交方向である上下方向の幅寸法を小さくすることができ、インフレーターを周壁部における左右方向側に配置される壁部に固定させれば、ケース周壁部の軸直交方向である左右方向の幅寸法を小さくすることができる。その結果、インフレーターをケースの底壁部に取付固定する場合に比して、ケースの軸直交方向の幅寸法を小さくすることができる。
【0011】
従って、請求項1の膝保護用エアバッグ装置では、ケースの軸直交方向の幅寸法を小さくして、狭い収納スペースに配置させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明の第1実施形態である膝保護用エアバッグ装置(以下「エアバッグ装置」と省略する)M1を、図1〜3に示す。エアバッグ装置M1は、コラムカバー8の下方に配置される保持部材としての板状の保持プレート17に保持されている。保持プレート17は、図4に示すように、コラムカバー8の下方で、コラムカバー8における車内側を覆って、左右方向の両端を、左右に配置された車両のフレーム部FC・FRに、それぞれ、ボルト止めして固定されている。エアバッグ装置M1は、折り畳まれたエアバッグ26と、エアバッグ26に膨張用ガスを供給するシリンダタイプのインフレーター21と、エアバッグ26とインフレーター21とを収納するケース19と、折り畳まれたエアバッグ26を覆うエアバッグカバー12と、を備えて構成されている。そして、エアバッグ装置M1は、ケース19を、保持プレート17の車両前方側に配置させるようにして、保持プレート17に取り付けられている。
【0018】
コラムカバー8は、例えば、略四角筒形状の合成樹脂製として、ステアリングホイール1の下方のステアリングコラム3を覆うように、ステアリングコラム3の軸方向に沿って配設されている。即ち、コラムカバー8は、車両前方側を下方に配置させて、車両後方側を上方に配置させるように、後上がりに傾斜して配設されている。さらに、コラムカバー8の下面8aは、略長方形形状とし、車両前後方向で、後上がりの曲面上に形成されている。
【0019】
ステアリングコラム3は、図1に示すように、ステアリングホイール1に連結されるメインシャフト4と、メインシャフト4の周囲を覆うコラムチューブ5と、を備えて構成され、メインシャフト4とコラムチューブ5との間には、ステアリングホイール1のリング面の角度を調整可能な図示しないチルト機構や、ステアリングホイール1をシャフトの軸方向に移動させて停止可能な図示しないテレスコピック機構等が、配設されている。
【0020】
ケース19は、例えば、板金製として、図1〜3に示すように、略四角筒形状の周壁部19aと、周壁部19aの車両前方側を塞ぐ略長方形形状の底壁部19bと、を備えて構成されている。周壁部19aの車両後方側における開口19c周縁には、ケース19を保持プレート17に取り付けるためのフランジ部19dが外方に突出して形成されている。そして、実施形態では、ケース19は、図1〜3に示すように、保持プレート17に、フランジ部19dを利用して、図示しないボルト等で取付固定されている。また、ケース19は、図1に示すように、収納したエアバッグ26がケース19から突出する際に、コラムカバー8の下面8aに沿って突出するように、周壁部19aの軸方向Oをコラムカバー下面8aに沿うように(ステアリングコラム3の軸方向に沿うように)、配設されている。
【0021】
また、周壁部19aにおける上部側壁部19eには、図1〜3に示すように、インフレーター21の後述するボルト23bを挿通させて、インフレーター21をケース19に取り付けるための取付孔19fが形成されている。ケース19は、図1〜3に示すように、周壁部19aにおける上部側壁部19eにインフレーター21を取付固定して、ケース19内におけるインフレーター21の左右両側に、折り畳まれたエアバッグ26を収納する構成である。
【0022】
インフレーター21は、図1〜3・5・6に示すように、電気信号を入力させて膨張用ガスGを吐出可能に構成されたシリンダタイプの略円柱状の本体22と、二つのブラケット部23・23と、を備えて構成されている。そして、インフレーター21は、図1・2に示すように、軸方向COが、ケース周壁部19aの軸方向Oと略平行となるように、ケース19内に配置されている。本体22は、膨張用ガスを吐出させるための複数のガス吐出口22aを、車両前方側端部付近に配設させて、実施形態の場合、ステアリングホイール1に搭載された図示しないエアバッグ装置を作動させる制御装置からの電気信号を、ステアリングホイール用エアバッグ装置と同時に入力させて、作動されることとなる。各ブラケット部23は、縮径させるように塑性変形させて、本体22を挟持可能な板金製の保持環23aと、保持環23aから突出するボルト23bと、から構成されている。インフレーター21は、本体22にブラケット部23・23を組み付けて、エアバッグ26に包まれた状態で、エアバッグ26から突出するボルト23b・23bをケース19の取付孔19f・19fに挿通させ、ケース19にナット24・24止めすることにより、ケース19に取付固定されている。また、本体22には、図示しないリード線が結線されている。
【0023】
保持プレート17は、板金製であり、図1〜4に示すように、コラムカバー8の周囲を覆うインストルメントパネル(以下「インパネ」と省略する)10の下部側に配置されるものであり、保持プレート17の車内側は、エアバッグカバー12により覆われている。また、保持プレート17には、ケース19の開口19cと連通するように開口17aが形成されている。
【0024】
また、エアバッグカバー12は、実施形態の場合、図1〜4に示すように、保持プレート17の車両後方側の面に取付固定されており、折り畳んだエアバッグ26の車両後方側を覆うとともに、保持プレート17の車内側の面を覆う内装材としての役目も果たしている。エアバッグカバー12には、ケース19の開口19cの配置位置に、展開膨張するエアバッグ26に押されて車内側へ開くように、略長方形板状の扉部14が形成されている。この扉部14は、周囲に車内側から見て逆U字形状となる薄肉の破断予定部13を配設させ、下縁にインテグラルヒンジからなるヒンジ部15を配設させて構成されている。扉部14は、エアバッグ26の展開膨張時、エアバッグ26に押されて破断予定部13を破断させ、ヒンジ部15を開き時の回転中心として、車内側の下方側へ開くこととなる。
【0025】
エアバッグ26は、可撓性を有したポリエステルやポリアミド等の織布から形成されて、展開膨張完了時の形状を、図4・5に示すように、コラムカバー8の下面8a側を覆い可能な略楕円形状としている。そして、エアバッグ26は、実施形態の場合には、図6に示すように、周壁が、厚さ方向で対向する上面側(車両前方側)の上側布27と、下面側(車両後方側)の下側布28と、を備えて構成されている。
【0026】
また、エアバッグ26は、図6に示すように、展開膨張時に厚さ寸法を略一定とするように、上側・下側布27・28相互を連結する連結手段としてのテザー29を複数(実施形態では3つ)配設させている。このうち、エアバッグ26の車両前方側に配置されるテザー29・29は、インフレーター21を挟むように、インフレーター21の左右方向に2つ配置されている。また、上側布27には、インフレーター21の各ボルト23bを挿通させる挿通孔27aが形成されている。
【0027】
次に、エアバッグ装置M1の車両への搭載について説明をする。まず、インフレーター21を内蔵した状態で、エアバッグ26を折り畳む。このとき、インフレーター21の各ボルト23bは、それぞれ、エアバッグ26に形成される各挿通孔27aから突出させておく。また、本体22から延びる図示しないリード線は、エアバッグ26における所定の図示しない挿通孔から出しておく。そして、エアバッグ26の折り畳み後、破断可能な図示しないラッピングフィルムでくるみ、各ボルト23bを、ラッピングフィルムから突出させ、突出した各ボルト23bに薄肉状の図示しないスプリングナットを組み付ける。次いで、折り畳まれたエアバッグ26を、インフレーター21ごとケース19内に挿入して、各ボルト23bを、ケース19の各取付孔19fを経てケース19から突出させ、突出した各ボルト23bを、ナット24を使用してケース19に取り付けることにより、折り畳まれたエアバッグ26とインフレーター21とをケース19内に収納する。また、インフレーター本体22から延びる図示しないリード線は、ラッピングフィルムから出すとともに、ケース19の図示しない挿通孔から出しておく。
【0028】
そして、ケース19に収納されたエアバッグ装置M1を、フランジ部19dを利用して保持プレート17に取付固定して、アセンブリー化し、エアバッグカバー12を取付済みの保持プレート17の左右方向の両端を、左右に配置された車両のフレーム部FC・FRに、それぞれ、ボルト止めして固定する。そして、図示しないリード線を制御回路に結線して、インパネ10等を車両に装着すれば、図1〜4に示すように、エアバッグ装置M1を車両に搭載することができる。
【0029】
車両へのエアバッグ装置M1の搭載後、インフレーター本体22に所定の電気信号が入力されれば、図5に示すように、ガス吐出口22aから膨張用ガスGが吐出されて、エアバッグ26が膨張し、図示しないラッピングフィルムを破断するとともに、エアバッグカバー12の扉部14を押し開いて、コラムカバー下面8aに沿うように、上方に向かって展開膨張することとなる。
【0030】
そして、実施形態のエアバッグ装置M1では、シリンダタイプのインフレーター21を、軸方向COがケース周壁部19aの軸方向Oと略平行となるように配置させている構成である。即ち、シリンダタイプのインフレーター21は、図2・3に示すように、外径寸法D1より軸方向COの長さ寸法w1を長くしているため、軸方向COがケース周壁部19aの軸方向Oと略平行となるように、インフレーター21をケース19内に配置させる構成とすれば、ケース19の軸直交方向となる上下・左右方向の幅寸法w2・w3を、インフレーター21の外径寸法D1に、ケース19内に折り畳まれて収納されるエアバッグ26の収納スペースを確保可能な寸法を加えた寸法に設定すればよい。その結果、軸方向COをケース周壁部19aの軸方向Oと略直交させてインフレーター21をケース19内に配置させる場合に比して、ケース19の軸直交方向となる上下・左右方向の幅寸法w2・w3を小さくすることができる。
【0031】
従って、実施形態のエアバッグ装置M1では、ケース19の軸直交方向の幅寸法w2・w3を小さくして、狭い収納スペースに配置させることができる。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態であるエアバッグ装置M2について説明をする。エアバッグ装置M2は、図7に示すように、インフレーターとして、ディスクタイプのインフレーター35を使用する構成である。エアバッグ装置M2は、インフレーター35及びケース32以外は、前述のエアバッグ装置M1と同様の構成であり、同一の図符号を付して説明を省略する。
【0033】
エアバッグ装置M2は、折り畳まれたエアバッグ26と、エアバッグ26に膨張用ガスを供給するディスクタイプのインフレーター35と、エアバッグ26とインフレーター35とを収納するケース32と、を備えて構成されている。そして、エアバッグ装置M2は、前述のエアバッグ装置M1と同様に、ケース32を、保持プレート17の車両前方側に配置させるようにして、保持プレート17に取り付けられている。
【0034】
ケース32は、図7〜9に示すように、略四角筒形状の周壁部32aと、周壁部32aの車両前方側を塞ぐ略長方形状の底壁部32bと、を備えて構成されている。そして、周壁部32aの車両後方側における開口32c周縁には、前述のケース19と同様に、ケース32を保持プレート17に取り付けるためのフランジ部32dが外方に突出して形成されている。そして、周壁部32aにおける上部側壁部32eには、図7〜9に示すように、インフレーター35の後述する本体35aを挿通させるための挿通孔32fと、インフレーター35をケース32に取り付けるための4本のボルト38を挿通させる4つの取付孔32gと、が形成されている。ケース32は、図7〜9に示すように、周壁部32aの上部側壁部32eにインフレーター35を取付固定して、ケース32内におけるインフレーター35の下方側に、折り畳まれたエアバッグ26を収納する構成である。
【0035】
インフレーター35は、図7〜9に示すように、ディスクタイプであり、電気信号を入力させて膨張用ガスGを吐出可能に構成された略円柱状の本体35aと、本体35aの外周面から突出する略四角環状のフランジ部35bと、を備えている。本体35aの下方側の端部には、複数のガス吐出口35cが形成されており、フランジ部35bには、エアバッグ26内に配置されるリテーナ37に形成されるボルト38を挿通させるための挿通孔35cが4つ形成されている。また、本体35aには、図示しないリード線が結線されている。
【0036】
インフレーター35とエアバッグ26とは、エアバッグ26内に配置される略四角環状のリテーナ37に形成される各ボルト38を、図9に示すように、エアバッグ26の後述する挿通孔27a・ケース32の取付孔32g・インフレーター35のフランジ部35bに形成される挿通孔35dに挿通させて、それぞれ、ナット39止めすることにより、ケース32の上部側壁部32eに取付固定されている。そして、インフレーター35は、図7に示すように、その軸方向DOをケース周壁部32aの軸方向Oと略直交させて、ケース32の上部側壁部32e(周壁部32a)に取付固定されることとなる。
【0037】
また、保持プレート17には、前述のエアバッグ装置M1と同様に、ケース32の開口32cと連通するように開口17aが形成されており、エアバッグカバー12には、前述のエアバッグ装置M1と同様に、周囲に車内側から見て逆U字形状となる薄肉の破断予定部13を配設させて構成される下開きの扉部14が配置されている。
【0038】
そして、エアバッグ装置M2で使用するエアバッグ26は、図10・11に示すように、テザー29を3箇所に配置させている。このうち、エアバッグ26の車両前方側に配置されるテザー29・29は、前述のエアバッグ装置M1と同様に、インフレーター35を挟むように、インフレーター45の左右方向に2つ配置されている。また、上側布27には、リテーナ37の各ボルト38を挿通させるための挿通孔27aと、インフレーター35の本体35aを挿通させるための円形に開口した挿通孔27bと、が形成されている。
【0039】
エアバッグ装置M2は、上述したように、ディスクタイプのインフレーター35を、軸方向DOをケース周壁部32aの軸方向Oと略直交させるように、ケース32の上部側壁部32e(周壁部32a)に取付固定している構成である。即ち、ディスクタイプのインフレーター35は、図7に示すように、軸方向DOの長さ寸法(厚さ寸法)w4よりもリテーナ37を含めた外径寸法D2を長くしているため、軸方向DOがケース32の周壁部32aと略直交するように、インフレーター35をケース32の上部側壁部32e(周壁部32a)に取付固定すれば、周壁部32aにおける上部側壁部32eから上部側壁部32eと対向する下部側に配置される壁部32hまでの距離、即ち、ケース周壁部32aの軸直交方向となる上下方向の幅寸法w5を、インフレーター35の軸方向DOの長さ寸法(厚さ寸法)w4に、ケース32内に折り畳まれて収納されるエアバッグ26の収納スペースを確保可能な寸法を加えた寸法に設定すればよい。その結果、インフレーター35を、軸方向DOがケース周壁部32aの軸方向Oと平行となるように、ケース32の底壁部32bに取付固定する場合に比して、ケース周壁部32aの軸直交方向となる上下方向の幅寸法w5を小さくすることができる。
【0040】
従って、実施形態のエアバッグ装置M2では、ケース32の軸直交方向の幅寸法w5を小さくして、狭い収納スペースに配置させることができる。
【0041】
なお、エアバッグ装置M2の作動時には、インフレーター35のガス吐出口35cから膨張用ガスGが吐出されれば、エアバッグ26が、前述のエアバッグ装置M1と同様に、エアバッグカバー12の扉部14を押し開くようにして展開膨張することとなる。
【0042】
また、実施形態では、周壁部32aにおける上部側壁部32eにインフレーター35を取付固定しているが、インフレーター35を配置させる位置はこれに限られるものではなく、周壁部32aにおける下部側壁部32h、もしくは、左右側壁部に配置させてもよい。インフレーター35を周壁部32aにおける左右側壁部に配置させる場合には、ケース周壁部32aの軸直交方向である左右方向の幅寸法w6(図9参照)を小さくすることが可能となる。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態であるエアバッグ装置M3について説明をする。エアバッグ装置M3は、図12に示すように、シリンダタイプのインフレーター45が、ケース42内に折り畳まれて収納されたエアバッグ26に膨張用ガスを供給するガス供給路46を有して、ケース42の外方に配置されている構成である。そして、エアバッグ装置M3は、インフレーター45、ガス供給路46、及び、ケース42以外は、前述のエアバッグ装置M1・M2と同様の構成であり、同一の図符号を付して説明を省略する。
【0044】
ケース42は、図13・14に示すように、略四角筒形状の周壁部42aと、周壁部42aの車両前方側を塞ぐ略長方形形状の底壁部42bと、を備えて構成されている。そして、周壁部42aの車両後方側における開口42c周縁には、前述のケース19・32と同様に、ケース42を保持プレート17に取り付けるためのフランジ部42dが外方に突出して形成されている。そして、ケース42の底壁部42bには、図13に示すように、ガス供給路46を挿通させるための挿通孔42eが形成されている。ケース42は、図13・14に示すように、周壁部42aにおける下部側壁部42f近傍に、ケース周壁部42aの軸方向Oと略平行となるようにガス供給路46の後述する端部46bを配置させ、ケース42内におけるガス供給路46の左右両側に、折り畳まれたエアバッグ26を収納する構成である。
【0045】
ガス供給路46は、パイプ状に形成されて、図12に示すように、一方の端部46aを、インフレーター45に連結させ、他方の端部46bを、ケース42内に折り畳まれて収納されるエアバッグ26に連結させる構成である。インフレーター45は、ケース42の車両前方側におけるフロアパネル等のフレームFFに取付固定されている。ガス供給路46の端部46bは、図13に示すように、ケース42に形成される挿通孔42e及びエアバッグ26に形成される挿通孔26cを挿通して、エアバッグ26内に挿入されており、エアバッグ26内に膨張用ガスGを流入させる複数のガス吐出口46cが、端部46bの軸方向に沿って形成されている。そして、エアバッグ26とガス供給路46とは、図13に示すように、クランプ47により連結固定されている。
【0046】
また、保持プレート17には、前述のエアバッグ装置M1・M2と同様に、ケース52の開口52cと連通するように開口17aが形成されており、エアバッグカバー12には、前述のエアバッグ装置M1・M2と同様に、周囲に車内側から見て逆U字形状となる薄肉の破断予定部13を配設させて構成される下開きの扉部14が配置されている。
【0047】
エアバッグ装置M3をこのような構成とすれば、インフレーター45はケース42内に配置されず、ケース42内には、折り畳まれたエアバッグ26と、エアバッグ26に膨張用ガスGを供給するガス供給路46のみが配置されることとなる。このガス供給路46は、ガス発生機構を設けなくてもよく、膨張用ガスGを通過させるだけでよいことから、インフレーター45に比して容積を小さくすることができる。例えば、実施形態のガス供給路46は、シリンダタイプのインフレーターに比して、外径寸法D3を小さくできるため、シリンダタイプのインフレーター21をケース19内に配置させたエアバッグ装置M1に比して、ケース周壁部42aの軸直交方向となる上下・左右方向の幅寸法w7・w8を、一層、小さくすることができる。
【0048】
従って、実施形態のエアバッグ装置M3では、ケースの軸直交方向の幅寸法w7・w8を小さくして、狭い収納スペースに配置させることができる。
【0049】
また、ガス供給路46における端部46a・46b間の中間部46dは、エアバッグ装置M3の周囲に配置される部材と干渉しないように折曲させて配設されていればよいことから、周囲が狭くとも、容易に配設することが可能である。
【0050】
そして、エアバッグ装置M3では、インフレーター45が作動すれば、インフレーター45からの膨張用ガスGが、ガス供給路46を経て、ガス吐出口46cからエアバッグ26内に吐出される。そして、膨張するエアバッグ26が、エアバッグカバー12の扉部14を押し開くようにして展開膨張することとなる。
【0051】
また、インフレーター45をケース42と別位置に配設させる場合には、図15〜17に示すエアバッグ装置M4のように、ガス供給路46の端部46bを、ケース周壁部42aの軸方向Oと略直交するように、ケース42内に配置させる構成としてもよい。エアバッグ装置M4は、ガス供給路46の端部46bをケース周壁部42aの軸方向Oと略直交するように、ケース42内に配置させる以外は、前述のエアバッグ装置M3と同様の構成であり、同一の図符号を付して説明を省略する。
【0052】
また、エアバッグ装置M4では、ガス供給路46を挿通させるための挿通孔42eは、図17に示すように、ケース周壁部42aに形成されている。そして、ケース42は、図16・17に示すように、底壁部42b近傍に、ケース周壁部42aの軸方向Oと略直交するように、底壁部42bの長手方向に沿わせてガス供給路46を配置させ、ケース42内におけるガス供給路46の車両後方側に、折り畳まれたエアバッグ26を収納する構成である。
【0053】
エアバッグ装置M4をこのような構成とすれば、ガス供給路46はシリンダタイプのインフレーターに比して、外径寸法D3を小さくしていることから、例えば、図1〜3に示すシリンダタイプのインフレーター21を、エアバッグ装置M4と同様に、軸方向がケース周壁部19aの軸方向Oと略直交するように、ケース19内に配置させる場合に比して、ケース周壁部42aの軸直交方向となる上下方向の幅寸法w9を小さくすることができる。また、このような構成とした場合には、ケース42の車両前方側への奥行き寸法w10も小さくすることができる。
【0054】
なお、上記各エアバッグ装置M1〜M4では、ケース19・32・42と保持プレート17とを別体で形成しているが、ケース19・32・42を保持プレート17とともに、板金等の金属材を利用したプレス加工や溶接、あるいは、アルミニウム等の軽合金材料を利用したダイカスト鋳造等によって、一体的に形成してもよい。さらにまた、上記各エアバッグ装置M1〜M4では、エアバッグを収納するケース19・32・42を、保持プレート17に保持させて配設させているが、ケース19・32・42を、例えば、ステアリングコラム3におけるコラムチューブ5の移動しない部位に、ブラケット等を利用して、コラムカバー8自体の内部に配設させる構成としてもよい。あるいは、コラムカバー8の下方にインパネ10のロアパネルが配設される場合には、そのロアパネル内に、ケース19・32・42を収納して配設させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である膝保護用エアバッグ装置の使用状態を示す断面図である。
【図2】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置の断面図である。
【図3】図2のIII−III部位の断面図である。
【図4】同実施形態のコラムカバー付近の正面図である。
【図5】同実施形態で使用するエアバッグの平面図である。
【図6】図5のVI−VI部位の拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態である膝保護用エアバッグ装置の断面図である。
【図8】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置を図7のVIII方向から見た正面図である。
【図9】図8のIX−IX部位の断面図である。
【図10】同実施形態で使用するエアバッグの平面図である。
【図11】図10のXI−XI部位の拡大断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態である膝保護用エアバッグ装置の概略図である。
【図13】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置の断面図である。
【図14】図13のXIV−XIV部位の断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態である膝保護用エアバッグ装置の概略図である。
【図16】同実施形態の膝保護用エアバッグ装置の断面図である。
【図17】図16のXVII−XVII部位の断面図である。
【符号の説明】
12 エアバッグカバー
13 破断予定部
14 扉部
15 ヒンジ部
17 保持プレート
17a 開口
19 ケース
19a 周壁部
19b 底壁部
21 インフレーター
26 エアバッグ
32 ケース
32a 周壁部
32b 底壁部
35 インフレーター
42 ケース
42a 周壁部
42b 底壁部
45 インフレーター
46 ガス供給路
M1・M2・M3・M4 膝保護用エアバッグ装置
O ケース周壁部の軸方向

Claims (1)

  1. 折り畳まれたエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、前記エアバッグ及び前記インフレーターを収納してステアリングコラムの下方位置に配置されるケースと、を備えて構成されて、
    前記ケースが、車両後方側を開口として、略四角筒形状の周壁部と、該周壁部の車両前方側を覆う底壁部と、を備え、
    膨張用ガスを流入させた前記エアバッグが、前記ケースの開口から車両後方側へ突出して展開膨張し、運転者の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置であって、
    前記インフレーターが、ディスクタイプとして、軸方向を前記ケース周壁部の軸方向と略直交させて、前記ケースの周壁部に取付固定されていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置
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