JP3807247B2 - 半導体ウェーハの剥離装置及び化合物半導体チップの製造方法 - Google Patents

半導体ウェーハの剥離装置及び化合物半導体チップの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着性を有する粘着シート(以下、単にシートともいう)上に貼着された半導体ウェーハを、そのシートから剥離させる方法及び装置に関し、さらには、その方法及び装置を用いて化合物半導体チップを製造する化合物半導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子に代表される化合物半導体チップは、LEC(Liquid Encapsulated Czochralski;液体封止引上)法等の公知の単結晶製造方法により製造された単結晶棒をスライスして得られる薄い基板上に、種々の半導体層を積層させた半導体ウェーハ(以下、単にウェーハともいう)を所望の大きさに分割することによって得られる。この製造方法について、図1を用いて各工程毎に細分して説明する。
【0003】
図1に示されるように、まず、LEC法等の公知の単結晶製造方法により製造された単結晶棒をスライスして得られる薄い基板5上に、例えばn型半導体層6およびp型半導体層7を積層させてp−n接合の形成された多層構造のウェーハ1を作製する(▲1▼ウェーハ作製工程)。次に、表面電極1c及び裏面電極1dを蒸着及びフォトリソプロセス等の方法により形成する(▲2▼電極形成工程)。次に、表面電極1c及び裏面電極1dをレジスト、ワックス等で保護しながら、ウェーハ1を切断する際にズレが生じないようにシート2に貼着して固定する(▲3▼シート貼着工程)。次に、ダイヤモンドカッター等の切削刃40を用いてウェーハ1にp−n接合の形成されている位置よりも深い位置まで切り込み溝を入れる。切り込み溝の深さは、一般にウェーハ1の厚みの1/3〜2/3程度とされる(▲4▼ハーフダイシング工程)。ハーフダイシングを行う代わりに、メサエッチングによりp−n接合の下端に至るメサ溝を形成する方法が採用されることもある。次に、ハーフダイシング工程によりウェーハ1に導入された加工歪を除去するためにエッチング液41中でエッチングする(▲5▼エッチング工程)。こののち、表面電極1cに塗布してあったレジストは適当な有機溶媒で除去する。
【0004】
このようにして、ハーフダイシングまたはメサエッチングによりp−n接合の下端に至る切り込み溝やメサ溝を形成すると、例えば発光素子においては、チップへと分離されるべき個々の領域の輝度をウェーハ1の段階で測定することができる。この方法はメサ輝度測定とも呼ばれ、ウェーハ1の製造段階で導入された結晶欠陥等に起因して輝度不足等の不具合が生じた部分を個々のチップに分割する前にマーキングしておくことにより、のちの工程において不良品を分別し易くなるという利点がある。メサ輝度測定は、表面電極1cと裏面電極1dとの間に電圧を印加することによって測定される。すなわち、裏面電極1dと電気的なコンタクトを取る必要があるので、ウェーハ1をシート2から一旦剥離させなければならない(▲6▼ウェーハ剥離工程)。
【0005】
シート2から剥離されたウェーハ1は、メサ輝度測定に代表される特性評価が行われたのち、スクライブ用粘着シート8に再び貼着される(▲7▼シート再貼着)。そして、約半分まで切りしろの入ったウェーハ1に機械的に力を加えて、個々のチップへと分離させチップ1’とされる(▲8▼スクライブブレーク工程)。メサエッチングによりメサ溝が形成されている場合は、スクライブブレーク工程の代わりにそのメサ溝に沿ってダイシングする。得られたチップ1’にボンディング、エポキシコーティング等の更なる処理を施してLED(Light Emitting Diode)を作製することができる。
【0006】
上記したように、ハーフダイシング工程においてはウェーハを粘着シートに貼着・固定して加工を行うのが一般的である。これは、ダイシングソーがウェーハに接触したときにウェーハが移動して切断すべき位置にズレが生じないようにするためである。ウェーハをシートに貼着し、さらにウェーハを取り囲む形態で金属製のフレームをシートに貼着すると、ウェーハはより強固に位置決め固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、メサ輝度測定等の特性評価を行うためには上記したように、シートに固定したウェーハを一旦剥離させなければならない。しかしながら、ウェーハには切り込み溝が形成されているため、この剥離工程において、ウェーハに割れが発生してしまうことがしばしば問題となる。特に、化合物半導体ウェーハは、ウェーハ自体がとても薄いので非常に割れやすい。そこで、この剥離作業はすべて手作業にて慎重に行うのが確実とされている。ところが、最も確実とされる手作業による剥離作業においてさえ、しばしば割れが生じてしまう。
【0008】
このようなウェーハの割れに関する問題は、ウェーハを粘着シートから剥離させる工程における歩留まりを大きく低下させる原因となっている。この問題に鑑み、本発明は、ウェーハの割れを抑制しつつ、ウェーハを粘着シートから剥離させるための方法及びそのための装置を提供するという課題を持つ。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記課題を解決するための本発明の半導体ウェーハの剥離方法は、
半導体ウェーハの主面に貼着された粘着シートを、前記半導体ウェーハから剥離させる方法において、
前記粘着シートにおける前記半導体ウェーハから剥離した部分を既剥離領域、それ以外の部分を未剥離領域としたとき、それら既剥離領域と未剥離領域との境界を直線状に維持しつつ、前記半導体ウェーハの主面に沿って前記境界を移動させることにより、前記半導体ウェーハから前記粘着シートを剥離させることを特徴とする。
【0010】
本発明者らは、従来の方法によりウェーハを粘着シートから剥離させる際に、なぜ割れが生じてしまうのかということを検討し、上記本発明を完成させるに至った。ウェーハを粘着シートから剥離させる際に割れが生ずるのは、ウェーハに無理な力が作用したときである。上記本発明においては、粘着シートにおける半導体ウェーハからの既剥離領域と未剥離領域との境界(以下、剥離境界という)を直線状に維持することにより、ウェーハに働く力の分布が均一になる。ひいてはウェーハに無理な力が作用することを最小限に留めることができるので、この結果、割れの発生を減じることができる。
【0011】
上記直線状の剥離境界は、例えば直線状のエッジと支持面とを有する支持体の該支持面に、半導体ウェーハが貼着された粘着シートを重ね合わせ、さらに、その支持体から粘着シートを延出させてエッジにて折り曲げることにより形成することができる。そして、その状態を維持しつつ支持体に対して粘着シートを相対的に移動させることによりシートからウェーハを剥離させることができる。
【0012】
上記支持体のエッジは、シートが密着状態でスライドしても破れないように、適度なアールを有することが望ましい。上記支持体は、例えば直線状の端部を有する板状部材で構成することができる。より具体的には、粘着シートのウェーハが貼着されていない側を、板状部材で構成された支持体の主表面に重ね合わせ、板状部材の直線状部位、すなわち、その板状部材に形成された直線状のエッジからシート端が延出するように位置させて延出した部分をエッジにて折り返すと、シートには直線状の折り返し線が形成される。そしてその折り返し線を直線状態に、かつ粘着シートを支持体に重ね合わせた状態に維持しつつ、折り返した方向に粘着シートを移動させていくと、シートとともにウェーハも板状部材の主表面上をスライドしていく。ウェーハが板状部材のエッジにさしかかると、そのエッジ位置にてウェーハとシートとが離間し、板状部材の主表面上からウェーハの端部が延出する。このようにして、シートとウェーハとが次々と離間していき、ついにはウェーハ全体がシートから剥離するに至る。
【0013】
このような本発明は、例えば単結晶シリコンウェーハに対しても有効であるが、割れの発生が特に問題となりやすいハーフダイスされた化合物半導体ウェーハに対して絶大な効果を発揮する。
【0014】
また、上記本発明の半導体ウェーハの剥離方法は、化合物半導体ウェーハを粘着シートに貼着してハーフダイスする工程と、ハーフダイスした化合物半導体ウェーハを上記した半導体ウェーハの剥離方法を用いて粘着シートから剥離させる工程と、粘着シートから剥離させたハーフダイスウェーハを化合物半導体チップに分離させる工程とを含む半導体チップの製造方法において好適に採用できる。本発明の半導体チップの製造方法によると、ハーフダイスされた化合物半導体ウェーハであっても割れを抑制しつつ粘着シートからウェーハを剥離させることができるので、半導体チップ製造工程全体の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
【0015】
また、上記した本発明の半導体ウェーハの剥離方法を応用すべく、本発明者らが検討を重ねた結果、以下に示す構成の半導体ウェーハの剥離装置を発明するに至った。すなわち、本発明の半導体ウェーハの剥離装置は、
窓状のウェーハフレームの内側にて該ウェーハフレームとともに粘着シートの表面に貼着された半導体ウェーハから前記粘着シートを剥離するための装置であって、
自身の表面が前記粘着シートの裏面側を支持する支持面とされ、自身のスライド方向前方側に直線状のエッジを有し、前記粘着シートの前記ウェーハフレームから延出するシート延出部が該エッジにて自身の裏面側に曲げ返されるスライド板と、
自身の上面にて前記スライド板の裏面両縁部を支持しつつ、その状態で前記スライド板を前記上面上でスライドさせるフレーム部と、
該フレーム部において前記スライド板の下方に設けられ、前記シート延出部を前記スライド板の裏面と自身の上面との間で挟み込んで形で保持するシート端保持部とを有し、
前記シート延出部を前記シート端保持部と前記スライド板との間にて挟み込んだ状態で、前記スライド板を前記フレーム部及び前記シート端保持部上でスライド移動させることにより、前記粘着シートが前記エッジを経て前記スライド板の裏面に沿って回り込むとともに、前記粘着シートの前記半導体ウェーハから剥離した部分を既剥離領域、それ以外の部分を未剥離領域とするとき、それら既剥離領域と未剥離領域との境界が前記エッジにて前記粘着シートに形成され、該エッジにて前記境界を直線状に維持しつつ前記半導体ウェーハの主面に沿って該境界を移動させる形で前記半導体ウェーハから前記粘着シートを剥離するようにしたことを特徴とする
【0016】
上記本発明の半導体ウェーハの剥離装置は、前述した半導体ウェーハの剥離方法をそのまま適用して装置化したものであり、装置が粘着テープ及びウェーハに及ぼす作用は全く前述した通りであり、かつ同様の効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。
図1は、化合物半導体チップの製造方法の一例を示す工程説明図である。製造工程の概要は前述した通りである。
【0018】
図1に示される製造工程の一工程である“▲4▼ハーフダイス工程”の前に、ウェーハ1は、例えば図2に示されるようにシート2に貼着されて固定されたのち、ダイシング装置にセットされる(図1▲3▼シート貼着工程)。シート2は、例えば一方の面に粘着性を有する略正方形状のものが使用できる。そのシート2の中央付近に、ウェーハ1の外縁からシート2が完全に延出する形態でウェーハ1を貼着させる。さらに、同じ貼着面にウェーハ1を取り囲むようにして窓状のウェーハフレーム3を貼着させてウェーハ貼着体4を形成する。すなわち、ここで言うウェーハ貼着体4とはウェーハ1、シート2及びウェーハフレーム3の集合体を呼称するものである。ウェーハフレーム3は、シート2によじれ、しわ等が生じないようにする固定具であり、その形状は問われないが、通常、ダイシング装置の規格に合わせて用意される。また、略正方形状のシート2に略長方形状のウェーハフレーム3を図2に示されるように重ね合わせれば、ウェーハフレーム3の外縁より延出したシート2のシート延出部2aが自ずと形成される。このシート延出部2aは、後述するように、本発明のウェーハ剥離装置を使用する際に有用である。ウェーハフレーム3は例えばステンレス製、シート2は片面に粘着性を付与した塩化ビニルシート製でよい。
【0019】
このようにして、ウェーハ1はシート2及びウェーハフレーム3に対して位置決め固定される。このウェーハ貼着体4を、ダイシング装置内の所定位置にセットし、先に示したようにウェーハ1に切削刃を当接させてハーフダイスを施す(図1▲4▼ハーフダイシング工程)。
【0020】
ハーフダイシング工程が終了し、さらに、エッチングによる加工歪の除去(図1▲5▼エッチング工程)が終了したのち、ウェーハ1をシート2から剥離させる。このウェーハ1のシート2からの剥離工程において、図3に示される本発明の半導体ウェーハの剥離装置200を使用する。半導体ウェーハ剥離装置200は、前述したウェーハ貼着体4を支持する支持体であるスライド板200aと、該スライド板200aをセットして剥離操作を実行するためのフレーム部200bとからなり、それぞれ分離可能に構成されている。
【0021】
まず、スライド板200aは全体として略正方形あるいは略長方形の板状部材で構成され、ウェーハ貼着体4をウェーハ1が貼着されていない側から支持するためのシート支持面10pを有する。シート支持面10pの先端部は、シート貼着体4において形成されたシート2の延出部2aを掛けまわして支持するためのエッジ部12とされている。シート支持面10p及びその反対側の面(スライド板裏面という)10qは平面とされる。エッジ部12は直線状のエッジ12’を含んでなる。スライド板200aの形状は、ウェーハ貼着体4を支持するための支持面と、外周縁の少なくとも一部に直線状のエッジとを有する形状であれば特に問われない。
【0022】
ウェーハ貼着体4はそのシート支持面10p上を滑り移動可能とされており、かつスライド板裏面10qは、後述するフレーム部200bの備えるガイド部21aと接して滑り移動可能とされている。エッジ部12におけるエッジ12’は、シート2がこの位置を順次滑り移動していくとき、シート2が破れることのない程度に微小なアールを有する。スライド板200aのエッジ部12とは反対側の端部には、フレーム部200bにセットされたのちに押圧されるべきゴム材等により構成された押圧部11が設けられている。この押圧部11に、所定のスライド方向への押圧力が加えられることにより、スライド板200aはフレーム部200b上をそのスライド方向に移動していくものとされる。
【0023】
このスライド板200aのエッジ部12を含む周縁部に、樹脂製のテープ等を貼ることにより、スライド板200aと後述するフレーム部200bの備えるガイド部21aとの滑り、及びシート2のエッジ12’での滑りが良好になるので、後述する剥離操作がスムーズに行える。また、スライド板200aの各コーナーはカットされており、シート2がコーナーに引っ掛かることによりウェーハ貼着体4の滑り移動が妨げられることを防止している。
【0024】
フレーム部200bは、合板、金属板及び合成樹脂板等からなる台座20上に各部が設けられた構造を有する。まず、スライド板200aの裏面10qと接してこれを厚み方向に支持し、さらに滑り移動を可能とする1組の略平行なガイド部21aが設けられている。そして、スライド板200aを誘導する、同じく1組の略平行なガイド部21bが、ガイド部21aにそれぞれ隣接して設けられている。ガイド部21bによって形成される平行間距離は、ガイド部21a上にスライド板200aが丁度位置できる距離に調整されている。この結果、スライド板200aは、フレーム部200bにセットされたとき、ガイド部21a及び21bの長手方向に沿う方向にのみ滑り移動可能となる。すなわち、スライド板200aにおいてはエッジ部12側、ウェーハ貼着体4においてはシート延出部2a側が滑り移動可能方向とされる。
【0025】
また、1組の略平行なガイド部21aのそれぞれを介するかたちで、シート端保持部24が形成されている。このシート保持端部24は、シート延出部2aをスライド板200aのエッジ部12にて折り曲げ(折り返しも含む)、スライド板200aの裏面10qに回り込ませたのち、貼着・固定するためのものである。シート延出部2aの粘着面をシート保持端部24に固着させることにより、シート2の先端部がフレーム部200bに固定された形となる。なお、ガイド部21aの平行間距離は、エッジ12’と平行な方向に定義されるシート2の幅よりも短いため、シート延出部2aはシート端保持部24とともにガイド部21aにも固着される。これらの固定方法は、スライド板200aの滑り移動を妨げないものであれば、例えばピン止め等の機械的な固定方法を採用してもよい。
【0026】
ガイド部21bには金属、樹脂及び木材等のいずれの材料も使用できる。他方、ガイド部21aは、スライド板200aの滑り移動がスムーズに行えるよう、例えばゴム材等の樹脂により構成されるとよい。シート保持端部24は、シート延出部2aが確実に固定されればよく、例えばガイド部21aと同じものを好適に使用できる。
【0027】
フレーム部200bにおけるスライド板200aの移動方向前方、すなわちシート保持端部24よりも前方側には、シート2より剥離して自然落下してくるウェーハ1を受け止め、回収するためのウェーハ回収部25が設けられている。このウェーハ回収部25は、ウェーハ1をピンセット等でつまみ易くするための溝部25aを有するとともに、台座20の高さを底上げしており、落下してくるウェーハ1に加わる衝撃を緩和する効果もある。
【0028】
また、シート保持端部24よりもスライド板200aの移動方向前方側には、スライド板200aの誘導を補助する補助ガイド部23がガイド部21bに取り付けられており、スライド板200aがシート保持端部24よりも移動方向前方にきたときに、台座20の厚み方向にスライド板200aが移動することを阻止している。なお、剥離操作中にスライド板200aが台座20の厚み方向に移動することが考えられない場合には、この補助ガイド部23は省略されていても構わない。
【0029】
フレーム部200bにおけるスライド板200aの移動方向とは逆側の端部には、ねじ等により突起部26が形成されている。この突起部26と、同じくねじ等で形成されたスライド板200aの突起部13とをゴム等で繋ぐことにより、スライド板200aをスライドさせるべく、その押圧部11を押圧した際に、スライド板200aが急激に移動して、操作が正確に行えなくなることを防止している。
【0030】
次に、この半導体ウェーハ剥離装置200を使用して、ウェーハ貼着体4からウェーハ1を実際に剥離させる一連の動作を、スライド板200aの移動方向に平行、かつウェーハ1の厚み方向に垂直な断面図(図4)を参照しつつ説明する。
【0031】
図4は、ウェーハ貼着体4がスライド板200aに、そのスライド板200aがフレーム部200bの所定位置にセットされるときの様子を示している。まず、ウェーハ貼着体4におけるシート2の裏面(ウェーハ1及びウェーハフレーム3が貼着されていない側の面)と、スライド板200aのシート支持面10p(スライド板200aの主表面)とが接するようにウェーハ貼着体4をスライド板200aに載置する。そして、スライド板200aのエッジ部12において、シート延出部2aをスライド板裏面10q側に回りこませるように折り返したのち、折り返した部分がフレーム部200bのシート端保持部24及びガイド部21aに丁度固着されるように、スライド板200aをフレーム部200bに載置(セット)する。
【0032】
フレーム部200bには、シート2の大きさ、すなわちウェーハ貼着体4及びスライド板200aの大きさに合わせて、ガイド部21a及び21bのそれぞれの平行間距離を自在に調節できるような機構を設けてもよい。そのようにすれば、どのような大きさのウェーハ貼着体4にも同一のフレーム部200bで対応できる。
【0033】
図5は、図4に続く剥離工程を段階的に示した説明図であり、ウェーハ剥離装置200を部分的に拡大して示している。まず図5(a)は、図4で示した通りにウェーハ貼着体4及びスライド板200aを所定位置にセットしたときの状態を示している。シート延出部2aは、エッジ12’にてウェーハ貼着体4の面内方向と離間する方向に方向転換しており、さらにスライド板200aの裏面10qに回りこんで、シート端保持部24及びガイド部21aに固着・固定されている。すなわち、シート延出部2aの一部はガイド部21a上に位置するので、スライド板200aとガイド部21aとに挟み込まれる形となる。
【0034】
図5(a)に示した状態を保ちつつ、押圧部11等を押圧してスライド板200aをエッジ12’の方向に移動させることにより、シート2がウェーハフレーム3より剥離して図5(b)に示す状態になる。ウェーハ貼着体4及びフレーム部200bに対して、スライド板200aが相対移動するに伴い、シート2の裏面がエッジ部12により押圧され、シート2に直線形態の折り返し線が形成され保持される。
【0035】
ウェーハフレーム3より剥離したシート2の幅方向における端部は、エッジ12’を通過して順次ガイド部21aに固着されていく。このことは、エッジ12’におけるシート2の直線形態の折り線部を維持することに寄与しており、シート2にしわ、よじれ等が生ずることを防止している。折り線部にしわ、よじれ等が生じて直線状に維持されなくなると、エッジ12’においてシート2に常に均一な力が働かなくなる。ひいては、シート2からまさに剥離しようとするウェーハ1に対して余分な力が働いてしまい、割れの生ずる原因となって好ましくない。
【0036】
剥離動作中において、ウェーハ貼着体4はスライド板200aのシート支持面10p上を滑り移動しており、スライド板200aに対して相対移動している。また、スライド板200aはガイド部21a上を滑り移動することにより、フレーム部200bに対して相対移動している。さらに、スライド板200aはウェーハフレーム3から剥離したシート2に対しても相対移動している。以上より、フレーム部200bに対して最も多く相対移動するのはウェーハ貼着体4であり、ついでスライド板200aとなる。よって、操作を続けていくと図5(c)に示すようにウェーハ1は、その一部がスライド板200aのシート支持面10p上から延出するに至る。
【0037】
図5(c)に示される状態において、シート2の直線形態の折り線部は、ウェーハ1からの既剥離領域と未剥離領域との境界をなしている。そして、その境界が直線状に維持されつつ、ウェーハ1の主表面に沿って移動することにより、ウェーハ1がシート2から剥離するに至る。剥離したウェーハ1は、フレーム部200bに設けられたウェーハ回収部25に割れることなく落下する。
【0038】
なお、本発明者らの検討の結果、エッジ部12におけるシート2の方向転換の角度が180°、すなわちシート2におけるウェーハフレーム3からの既剥離領域と未剥離領域とが互いに平行になるようにするとより望ましいことが分かり、本発明においてこの形態が採用されている。さらに、安定した剥離動作を実現するためには、シート2とシート支持面10pとの密着状態が保たれるとよいので、剥離操作中は、ウェーハフレーム3を厚み方向に押圧して付勢しつつスライド板200aを滑り移動させるとよい。あるいは押圧する代わりに、厚み方向にウェーハフレーム3を固定する何らかの機構を設けてもよい。
【0039】
図6は、ウェーハ剥離装置の変形例を示す図である。このウェーハ剥離装置200’においては、先に示した例におけるスライド板200aに相当する部分が省略され、ウェーハ貼着体4の搬送方法として、ベルト駆動部30を採用している。エッジ12’を有するシート支持体40はベルト駆動部30とは別に設けることができる。また、シート延出部2aを、互いに異なる方向に回転し合うローラー部32でチャックして引き込むことにより、ウェーハフレーム3及びウェーハ1の移動方向とは異なる方向にシート2を移動させて、ウェーハ1をエッジ12’位置にてシート2から剥離させることができる。もちろんその間、ウェーハフレーム3を付勢して、ウェーハ貼着体4とシート支持体40との密着性が保たれるようにすればより望ましい。
【0040】
【実施例】
塩化ビニル製の粘着シートに貼着されている半導体ウェーハを粘着シートから剥離させる工程におけるウェーハの割れの発生率を、本発明の半導体ウェーハの剥離装置を用いて行う場合と、手作業で行う場合とで比較した。本発明の半導体ウェーハの剥離装置を用いて剥離させる場合は、図2に示されるようにウェーハフレーム3が粘着テープに貼着された状態で剥離操作を行った。操作の詳細は本実施の形態に記載の通りである。手作業の場合には、ウェーハフレーム3を取り除いた状態で剥離操作を行った。半導体ウェーハとしては、GaP単結晶基板上にGaAsPエピタキシャル層を積層させた、厚さが約300μmの発光素子用GaAsP半導体ウェーハを使用した。なお、この発光素子用GaAsP半導体ウェーハはハーフダイシング工程を経て得られたハーフダイスウェーハであり、約150μmの深さまでハーフダイスされたものである。
【0041】
以上の条件にて、それぞれ約500枚のウェーハについて剥離操作を行ったところ、手作業で行った場合の割れ発生率は11.8%、本発明の半導体ウェーハの剥離装置を使用した場合の割れの発生率は0%であった。すなわち、全く割れが発生しなかった。このように、本発明の半導体ウェーハの剥離装置による割れの抑制効果は本実施例からも明らかである。
【0042】
【発明の効果】
以上、本発明の半導体ウェーハの剥離方法、およびその方法を転用した本発明の半導体ウェーハの剥離装置を使用すれば、粘着シートに貼着された半導体ウェーハの剥離作業をウェーハの割れを発生させることなく、しかも誰でも容易に行える。割れの発生を抑制できるという本願発明の効果は、非常に割れやすいハーフダイシングされた化合物半導体ウェーハにおいて特に顕著である。ウェーハの割れを防ぐことができれば、化合物半導体ウェーハの製造工程における歩留まりを飛躍的に向上させることが可能となる。
【0043】
なお、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲にて種々の態様で実施できることはいうまでもない。また、図面は、理解のための模式的な図であることを断っておく。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物半導体チップの製造方法を示す工程説明図。
【図2】ウェーハ貼着体の上面図及びウェーハ厚み方向と平行な断面図。
【図3】本発明の半導体ウェーハの剥離装置の斜視図。
【図4】半導体ウェーハの剥離装置のスライド板移動方向と平行な断面図。
【図5】図4に続くウェーハの剥離過程を説明する断面図。
【図6】半導体ウェーハの剥離装置の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 半導体ウェーハ
1’ 化合物半導体チップ
2 粘着シート
2a シート延出部
10p シート支持面(スライド板主表面)
12 エッジ部
12’ エッジ
21a,21b ガイド部
24 シート端保持部
200 ウェーハ剥離装置
200a スライド板(支持体)
200b フレーム部

Claims (2)

  1. 窓状のウェーハフレームの内側にて該ウェーハフレームとともに粘着シートの表面に貼着された半導体ウェーハから前記粘着シートを剥離するための装置であって、
    自身の表面が前記粘着シートの裏面側を支持する支持面とされ、自身のスライド方向前方側に直線状のエッジを有し、前記粘着シートの前記ウェーハフレームから延出するシート延出部が該エッジにて自身の裏面側に曲げ返されるスライド板と、
    自身の上面にて前記スライド板の裏面両縁部を支持しつつ、その状態で前記スライド板を前記上面上でスライドさせるフレーム部と、
    該フレーム部において前記スライド板の下方に設けられ、前記シート延出部を前記スライド板の裏面と自身の上面との間で挟み込んで形で保持するシート端保持部とを有し、
    前記シート延出部を前記シート端保持部と前記スライド板との間にて挟み込んだ状態で、前記スライド板を前記フレーム部及び前記シート端保持部上でスライド移動させることにより、前記粘着シートが前記エッジを経て前記スライド板の裏面に沿って回り込むとともに、前記粘着シートの前記半導体ウェーハから剥離した部分を既剥離領域、それ以外の部分を未剥離領域とするとき、それら既剥離領域と未剥離領域との境界が前記エッジにて前記粘着シートに形成され、該エッジにて前記境界を直線状に維持しつつ前記半導体ウェーハの主面に沿って該境界を移動させる形で前記半導体ウェーハから前記粘着シートを剥離するようにしたことを特徴とする半導体ウェーハの剥離装置。
  2. 化合物半導体チップの製造方法において、
    化合物半導体ウェーハを粘着シートに貼着してハーフダイスする工程と、
    ハーフダイスした前記化合物半導体ウェーハを請求項1記載の半導体ウェーハの剥離装置を用いて前記粘着シートから剥離させる工程と、
    前記粘着シートから剥離させたハーフダイスウェーハを化合物半導体チップに分離させる工程と、
    を含むことを特徴とする化合物半導体チップの製造方法。
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