JP3807239B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プロジェクタに関し、更に詳細には、液晶パネルを3個使用する3板式の液晶プロジェクタに組み込まれている光学素子、特に、液晶パネルの射出側の偏光板を冷却するための冷却機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタとして、3個の液晶パネルを使用する3板式の液晶プロジェクタが知られている。この3板式液晶プロジェクタは、光源と、光源から射出された光を三つの色光に分離する色分離光学系と、分離された三つの色光をそれぞれ変調する三つの液晶パネルと、各液晶パネルの前後にそれぞれ配置された一対の偏光板と、その三つの液晶パネルのそれぞれによって変調された後、偏光板を通過した色光を合成するクロス・ダイクロイックプリズム等による合成プリズムと、その合成プリズムによって合成された光を投写する投写光学系とを有している。ここでは、各液晶パネルの前後に配置された一対の偏光板のうち、液晶パネルの前方(光路上流側)に配置された偏光板を入射側偏光板、後方(光路下流側)に配置された偏光板を射出側偏光板と称することとする。
【0003】
上述のような液晶プロジェクタでは、入射側偏光板や射出側偏光板が光を吸収する際に熱が生じる。このような偏光板は、一般的に熱に弱く、劣化すると偏光選択特性が低下する可能性が有る。このうち、射出側偏光板は、投写される画像を最終的に決定するのに重要な役割を果たしているため、熱保護の観点から、温度常上昇を抑える必要がある。また、近年、液晶プロジェクタでは、光源から射出された偏光方向がランダムな光を一種類の偏光光に変換する偏光変換素子が用いられている。このような偏光変換素子を用いれば、入射側偏光板には偏光方向がほぼ統一された光が入射するため、入射側偏光板における発熱量はある程度低減することが可能である。しかしながら、射出側偏光板には、通常液晶パネルで変調されて偏光方向が一部変化した光が入射する。すなわち、偏光変換素子を採用した液晶プロジェクタでは、射出側偏光板の熱負荷が入射側偏光板の熱負荷よりも大きいことになる。よって、偏光変換素子を採用した液晶プロジェクタでは、特に、射出側偏光板の温度常上昇を抑えることが重要となる。
また、液晶パネルも、熱によって特性が変化したり、劣化したりする場合があるため、温度上昇を抑える必要がある。
【0004】
ここで、偏光板や液晶パネルの温度上昇を抑えるために、特開平10−48591号公報に示されているように、電動式の冷却ファンを合成プリズムの下方に配置し、冷却ファンによって作られた冷却風を合成プリズムの下方より射出側偏光板および液晶パネルに吹き付けて空冷することが従来行われている。
【0005】
また、液晶パネルと射出側偏光板との間に冷却液が充填された容器によってカセット化して液晶パネルと射出側偏光板を液冷するようにした液晶プロジェクタが、特開平11−202411号公報に示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷却ファンの冷却風によって液晶パネルや射出側偏光を冷却する空冷式のものでは、充分な冷却効果を得るためには、冷却ファンを大型化しなくてはならない。冷却ファンの大型化は、液晶プロジェクタの大型化のみならず、ファン騒音が大きくなる問題も生じる。
【0007】
また、特開平11−202411号公報に示されているようなカセット化による液冷では、液晶パネルと射出側偏光板を液冷することは可能である。しかし、液晶パネルと射出側偏光板とが冷却液によって熱的に接続されることになり、射出側偏光板の冷却が行われても、この射出側偏光板の熱が冷却液を媒体として液晶パネルに伝わり、液晶パネルの温度がかえって上昇してしまう可能性がある。また、液晶パネルと射出側偏光板との間に冷却液層が存在するため、例えば冷却液中に気泡や液の揺らぎが発生した場合、冷却液層を通過する光の偏光が乱れてしまう可能性がある。このような偏光の乱れが生じると、本来は通過するべきではない光が射出側偏光板を通過したり、逆に通過するべき光が射出側偏光板を通過できなかったりすることにより、投写画像の品質が低下する可能性がある。
【0008】
この発明は、上述の如き問題点の少なくとも一部を解消するためになされたもので、液晶パネルの射出側の偏光板を効果的に冷却し、優れた耐久性、さらには画像品質に優れたプロジェクタを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明によるプロジェクタは、三つの色光をそれぞれ変調する三つの液晶パネルと、前記三つの液晶パネルそれぞれの前方に配置された入射側偏光板と、前記三つの液晶パネルそれぞれの後方に配置された射出側偏光板と、前記三つの液晶パネルのそれぞれによって変調された色光を合成する合成プリズムと、前記合成プリズムによって合成された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、前記射出側偏光板はそれぞれ前記合成プリズムの側面がなす入射面に対向して配置され、前記射出側偏光板と前記合成プリズムの入射面との間に、内部に冷却液が充填された液冷手段が設けられているものである。
【0010】
この構成によれば、射出側偏光板が偏光板固定用基板を介して冷却液に直接的に接触することになる。したがって、射出側偏光板の冷却が効果的に行われる。また、各液晶パネルと各射出側偏光板との間に光の偏光を乱す原因となる冷却液が存在しないため、投写画像を劣化させることなく、かつ、効率の良い冷却が行われる。
なお、さらに、射出側偏光板と液晶パネルとを隔離して配置するようにすると、射出側偏光板で発生した熱が液晶パネルに伝わることがなくなるため、より冷却効率が向上する。また、液冷手段が投写光学系の焦点位置にある液晶パネルから離れた位置に配置されることになるため、例えば冷却液中にゴミが混入していても投写光学系に対して冷却液中のゴミはデフォーカスとなり、投写画像への悪影響を抑えることが可能となる。
【0011】
上記のプロジェクタにおいて、前記液冷手段は枠状部材を有し、前記枠状部材の一方の側部開口は、シールド基板により液密状態で閉じられており、前記枠状部材の他方の側部開口は、偏光板固定用基板により液密状態で閉じられており、前記射出側偏光板は、前記偏光板固定用基板に貼り付けられており、前記枠状部材と前記シールド基板と前記偏光板固定用基板とによって形成された密閉空間内に、冷却液が充填されている、という構造を採用することができる。
【0012】
この構造によれば、冷却手段を容易に構成することが可能となり、また、プロジェクタ内部への組み込みも容易となる。
【0013】
また、上記のプロジェクタにおいて、前記液冷手段は枠状部材を有し、前記枠状部材の一方の側部開口は、前記合成プリズムの入射面によって液密状態で閉じられており、前記枠状部材の他方の側部開口は、偏光板固定用基板により液密状態で閉じられており、前記射出側偏光板は、前記偏光板固定用基板に貼り付けられており、前記枠状部材と前記合成プリズムの入射面と前記偏光板固定用基板とによって形成された密閉空間内に、冷却液が充填されている、という構成を採用することも可能である。
【0014】
この構造によれば、射出側偏光板と合成プリズムの入射面との間に空気層が全く存在しない。従って、射出側偏光板通過後の境界面での屈折率変化を冷却液によって緩和し、合成プリズム入射面で反射して液晶パネル側に戻ってくるいわゆる戻り光を少なくできる。
【0015】
また、上記のような構成を採用したプロジェクタでは、前記合成プリズムの上部または/および下部には放熱ブロックが配置され、前記液冷手段は前記放熱ブロックと熱的に導通がとれるように接続されていることが好ましい。
【0016】
この構造によれば、射出側偏光板の冷却によって温度上昇した液冷手段の冷却液の熱を、枠状部材を介して、板状のものと比較して熱容量の大きいブロック状の形態をした放熱ブロックに伝え、この放熱ブロックにより大気中に放出することができる。従って、冷却液が高温になることなく、射出側偏光板の冷却がより効率良く行われる。
また、この放熱ブロックに放熱フィンを設ければ、さらに放熱効率が向上する。
【0017】
さらに、前記液冷手段を前記放熱ブロックに固定し、前記液冷手段を前記放熱ブロックを介して前記合成プリズムに固定するようにすれば、液冷手段の固定に特別なマウント部材を要さない。
【0018】
さらに、上述したプロジェクタにおいて、前記液冷手段には、前記液晶パネルを取り付けるための取り付け部が設けられ、前記液晶パネルは前記取り付け部を介して前記合成プリズムに固定されているという構成を採用することが好ましい。
【0019】
この構造によれば、液晶パネルが取り付け部を介して合成プリズムの入射面に取り付けられることになるため、液晶パネルとプリズムの入射面の相対的な位置関係の変動を防ぐことが可能となる。従って、投写光学系のバックフォーカスと液晶パネルとの位置関係の変動を防ぎやすくなり、高画質な状態を維持しやすくなる。また、液晶パネルの取り付け構造が簡素化されるため、装置の小型化を図る点でも有利である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明にかかるプロジェクタの実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、この発明によるプロジェクタの全体構成を示している。プロジェクタは、大別して、照明光学系10、色分離光学系20、光変調装置としての3枚の液晶パネル40R、40G、40Bと、色合成光学系50と、投写光学系60とを有している。
【0022】
照明光学系10は、メタルハライドランプ等による光源ランプ11と、凹面鏡12と、複数の小レンズをM行N列のマトリックス状に配列された第1のレンズアレイ13と、反射ミラー14と、複数の小レンズをM行N列のマトリックス状に配列された第2のレンズアレイ15と、偏光変換素子17と、重畳レンズ16を有し、3枚の液晶パネル40R、40G、40Bの有効領域全域をほぼ均一に、かつほぼ一種類の偏光光によって照明する。このような照明光学系は公知であり、例えば、特開平9−311297号公報、特開平10−39136号公報、特開平10−177151号公報、特開平11−212023号公報、特開平11−242186号公報に開示されているため、その詳細な説明は省略する。
【0023】
色分離光学系20は、2枚のダイクロイックミラー21、22と、1枚の反射ミラー23とを有し、照明光学系10から射出された光束を、三つの色光に分離する。
【0024】
ダイクロイックミラー21は、光束における赤色成分の色光のみを透過して他の色成分(緑色成分、青色成分)の色光を反射する。ダイクロイックミラー21を透過した赤色成分の色光は、反射ミラー23で反射してフィールドレンズ28を通って赤色光用の液晶パネル40Rに到達する。
【0025】
ダイクロイックミラー22は、ダイクロイックミラー21で反射した緑色成分と青色成分の色光うち、緑色成分のみを反射し、青色成分の色光を透過する。ダイクロイックミラー21で反射した緑色成分の色光は、フィールドレンズ29を通って緑色光用の液晶パネル40Gに到達する。ダイクロイックミラー22を透過した青色成分の色光は、リレーレンズ26、27、反射ミラー24、25、並びにフィールドレンズ30によって構成されるリレー光学系を通って青色光用の液晶パネル40Bに到達する。
【0026】
なお、青色系にリレーレンズ系が用いられているのは、青色系の光路の長さが、他の色光における光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。
【0027】
3枚の液晶パネル40R、40G、40Bのそれぞれの前方には入射側偏光板41R、41G、41Bが、後方には射出側偏光板42R、42G、42Bがそれぞれ平行配置されている。液晶パネル40R、40G、40Bは、それぞれ、与えられた画像信号に従って偏光方向を変調する。射出側偏光板42R、42G、42Bは、変調された光のうち、所定の偏光光のみを透過するよう透過軸を設定されており、液晶パネル40R、40G、40Bから射出された変調光のうち、特定の偏光光のみを透過する。これにより、液晶パネル40R、40G、40Bのそれぞれに与えられた画像信号に従った画像が光の三色別に形成される。
【0028】
色合成光学系50は、合成プリズムとしてクロス・ダイクロイックプリズム51を有している。クロス・ダイクロイックプリズム51は、赤色光を反射する誘電体多層膜52と、青色光を反射する誘電体多層膜53とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成されたものである。クロス・ダイクロイックプリズム51は、液晶パネル40R、40G、40Bから射出された後、射出側偏光板42R、42G、42Bを透過した色光を合成してカラー画像を投写するための合成光を作成する。
【0029】
投写光学系60は、投写用のレンズ群61を有しており、クロス・ダイクロイックプリズム51で合成された合成光をスクリーン100へ向けて投写する。
【0030】
各液晶パネル40R、40G、40Bの後方に配置された射出側偏光板42R、42G、42Bは、それぞれ、クロス・ダイクロイックプリズム51の側面がなす入射面54、55、56に対向して配置されている。そして、各射出側偏光板42R、42G、42Bのとクロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54、55、56との間には、内部に冷却液71(図2参照)が充填された液冷手段70が設けられている。
【0031】
つぎに、液冷手段70の詳細構成を、図2、図3を用いて説明する。なお、3つの液冷手段70は、すべて同一構成であるので、ここでは、射出側偏光板42Rとクロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54との間に配置されたものを代表して説明する。また、3つの液冷手段70において、共通する部品には同一の符合を付けてある。図2では、射出側偏光板42R、42Bとクロス・ダイクロイックプリズム51との間に配置された液冷手段70しか表されていないが、射出側偏光板42Gとクロス・ダイクロイックプリズム51との間に配置された液冷手段70もそれらと同一構成である。
【0032】
液冷手段70は、アルミニウム等の熱伝導率が高い金属により構成された四角形状の枠状部材72を有している。枠状部材72の一方の側部開口は、四角枠状の押さえ板73、シリコンパッキング74と共に、シールド基板75によって液密状態で閉じられている。また、他方の側部開口は、四角枠状の押さえ板76、シリコンパッキング77と共に、偏光板固定用基板78によって液密状態で閉じられている。枠状部材72、シールド基板75、偏光板固定用基板78によって形成された密閉空間内は冷却液室となっており、ここに冷却液71が充填されている。偏光板固定用基板78には、射出側偏光板42Rが貼り付けられている。基板75、78は、ガラス、樹脂、サファイア等、光透過性の材料で形成することが可能である。中でも、熱伝導率が高いという点で、サファイア基板が好ましい。特に、熱の発生源である射出側偏光板42Rが貼りつけられる偏光板固定用基板78は、サファイア基板とすることが好ましい。押さえ板73、76は、アルミニウム等の熱伝導率が高い金属により構成されている。
【0033】
クロス・ダイクロイックプリズム51の上部と下部のそれぞれにはアルミニウム等の熱伝導率が高い金属により構成された放熱ブロック79、81が配置されている。枠状部材72、押さえ板73、76は、放熱ブロック79、81の側面部にネジ82によって固定され、放熱ブロック79、81より支持されている。枠状部材72、押さえ板73、76は、間に、シリコンパッキング74、シールド基板75、シリコンパッキング77、射出側偏光板42Rおよび偏光板固定用基板78を挟んだ状態で、上下四隅を取り付けネジ82により共締めされている。このような固定構造により、枠状部材72は押さえ板73を介して放熱ブロック79、81と熱的に導通がとれるように接続される。なお、偏光板42Rは偏光板固定用基板78に貼りつけられている。従って、偏光板42Rの面積は押さえ板76よりも一回り小さくすることが可能であり、また、必ずしも偏光板基板を押さえ板76と偏光板固定用基板78との間に挟む必要はない。
【0034】
放熱ブロック79は多数の放熱フィン80を有している。放熱ブロック79、81は、クロス・ダイクロイックプリズム51に固定されて上下のプリズム固定ベース83、84に固定されている。放熱ブロック81の下方には電動式の冷却ファン85が設けられている。
【0035】
液晶パネル40Rは取り付け具86によってプリズム固定ベース84に固定され、入射側偏光板41Rは取り付け具87、88によって偏光板固定用基板89と共にプリズム固定ベース枠体84に固定されている。基板89は、先に説明した基板75、78と同様、ガラス、樹脂、サファイア等、光透過性の材料で形成することが可能である。中でも、熱伝導率が高いという点で、サファイア基板が好ましい。また、取り付け具86、87、88は、アルミニウム等の熱伝導率が高い金属によって構成することが好ましい。なお、これらの取り付け構造は、他の液晶パネル40G、40B、入射側偏光板41G、41Bについても同じである。
【0036】
上記の構成によれば、射出側偏光板42R、42G、42Bで発生した熱は、冷却液71によって冷却される。これに伴って冷却液71の温度は上昇するが、冷却液71の熱は、枠状部材72を経て放熱ブロック79、81に伝わる。そして、これら放熱ブロック79、81より、大気中に放出される。これにより、冷却液71の温度が高温になることなく、射出側偏光板42R、42G、42Bの冷却が効率よく行われる。
【0037】
さらに、放熱ブロック79は放熱フィン付きの放熱ブロックであるから、放熱ブロック79の放熱効率が向上する。放熱ブロック81は、放熱フィン付きではないが、冷却ファン85による冷却風を受け、空冷される。なお、放熱ブロック79、放熱ブロック81は、図4に示されているように、側方部に放熱フィン90を有するような放熱フィン付き放熱ブロックで構成することもできる。
【0038】
さらに、上述の構成によれば、射出側偏光板42R、42G、42Bが、偏光板固定用基板78を介して冷却液71に直接的に接触しているため、例えば耐液性の低い有機材料を使った射出側偏光板であっても、射出側偏光板42R、42G、42Bの冷却が効果的に行われる。また、各液晶パネル40R、40G、40Bと各射出側偏光板42R、42G、42Bとの間に光の偏光を乱す原因となり得る冷却液71が存在しないため、投写画像を劣化させることなく、かつ、効率の良い冷却が行われる。
【0039】
さらにまた、上記の構成によれば、射出側偏光板42R、42G、42Bが液晶パネル40R、40G、40Bと隔離された状態で配置されている。したがって、射出側偏光板42R、42G、42Bで発生した熱が液晶パネル40R、40G、40Bに熱が伝わることなく、射出側偏光板42R、42G、42Bや液晶パネル40R、40G、40Bの冷却効率を向上させることが可能となる。また、液冷手段70が投写光学系60の焦点位置にある液晶パネル40R、40G、40Bから離れた位置に配置されることになるため、例えば冷却液71中にゴミが混入していても、投写光学系60に対して冷却液71中のゴミはデフォーカスとなり、投写画像への悪影響を抑えることが可能となる。また、
【0040】
さらに、冷却手段70をクロス・ダイクロイックプリズム51と別構成としているため、冷却手段70を容易に構成することが可能となり、また、プロジェクタ内部への組み込みも容易である。
【0041】
図5は、液冷手段70に関する他の実施の形態を示している。液冷手段なお、図5において、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0042】
この実施の形態では、上述した実施の形態における押さえ板73とシールド基板75とが省略されている。本実施形態において、枠状部材72の一方の側部開口は、クロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54によって、直接、液密状態で閉じられている。そして、クロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54、偏光板固定用基板78、枠状部材72によって囲まれた空間を冷却液室とし、ここに冷却液71を充填している。
【0043】
この構造では、射出側偏光板42Rとクロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54との間に空気層が全く存在しない。従って、先に説明した実施形態における効果に加え、射出側偏光板42R通過後の境界面での屈折率変化を冷却液71によって緩和し、クロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54で反射して液晶パネル40R側に戻ってくるいわゆる戻り光を少なくできるという効果が得られる。これらのことは、他の液晶パネル40G、40Bの射出側偏光板42G、42Bについても同じである。これにより、投写画像のコントラストを高めることができる。
【0044】
図6、図7は、液冷手段70に関する他の実施の形態を示している。なお、図6、図7においても、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0045】
図2、3、図6、7に示した液冷手段70では、液晶パネル40R、40G、40Bを、取り付け具86によってプリズム固定ベース84に固定するようにしていたが、この実施の形態では、押さえ板76に固定するようにしている。押さえ板76の四隅近傍には、取り付けピン91が一体的に設けられている。取り付けピン91には液晶パネル40Rに形成された貫通孔92が通され、接着剤93によって取り付けピン91と液晶パネル40Rとが固着されている。
【0046】
この構造によれば、液晶パネル40Rが押さえ板76を介してクロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54に取り付けられることになるため、先に説明した実施形態における効果に加え、液晶パネル40Rとクロス・ダイクロイックプリズム51の入射面54の相対的な位置関係の変動を防ぐことが可能となる。従って、投写光学系60のバックフォーカスと液晶パネル40Rとの位置関係の変動を防ぎやすくなり、高画質な状態を維持しやすくなる。また、液晶パネル40Rの取り付け構造が簡素化されるため、装置の小型化を図る点でも有利である。なお、以上のような効果は、他の液晶パネル40G、40Bについても同じである。
【0047】
液晶パネル40Rの取り付けは、上述したようなピン嵌合式に限られることはなく、図8、図9に示されているように、押さえ板76に一対の嵌合片94を設け、押さえ板76の先端を液晶パネル40Rに形成された嵌合凹部95に嵌め込むことにより行うこともできる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その用紙を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態では、3枚の液晶パネル40R、40G、40Bの有効領域全域をほぼ均一にかつほぼ一種類の偏光光によって照明するために、2つのレンズアレイ12、13、偏光変換素子17、重畳レンズ16を用いた照明光学系10を採用していたが、この発明は、これらの光学要素を用いないプロジェクタにも適用可能である。
(2)また、照明光学系10の構成は、図1に示したものには限られない。3枚の液晶パネル40R、40G、40Bの有効領域全域をほぼ均一にかつほぼ一種類の偏光光によって照明することが可能な構成であれば、どのような構成であっても構わない。
(3)上記実施形態では、各液晶パネル40R、40G、40Bと射出側偏光板42R、42G、42Bとを隔離して配置していたが、各液晶パネル40R、40G、40Bに射出側偏光板42R、42G、42Bを貼り付けた状態で配置しても良い。ただし、冷却効率の観点では、これらを隔離して配置したほうがより好ましい。
(4)プロジェクタとしては、投写面を観察する方向から画像投写を行うフロントプロジェクタと、投写面を観察する方向とは反対側から画像投写を行うリアプロジェクタとがあるが、上記実施例の構成は、いずれにも適用可能である。なお、リアプロジェクタの場合には、図1に示した照明光学系10から投写光学系60までの光学系を、筐体の内部に配置する。また、筐体の前面に透過型のスクリーン100を設ける。さらに、必要に応じて、筐体内部に、投写光学系60から射出された光を透過型のスクリーン100に導く反射ミラーを1枚以上配置すればよい。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、本発明によるプロジェクタによれば、偏光板固定用基板を介して射出側偏光板が冷却液に直接的に接触するため、例えば耐液性の低い有機材料を使った射出側偏光板であっても、冷却液による射出側偏光板の冷却が効果的に行われ、優れた耐久性が得られる。そして、液晶パネルと射出側偏光板との間に光の偏光を乱す原因となり得る冷却液が存在しないため、投写画像を劣化させることなく、かつ、効率の良い冷却が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるプロジェクタの全体構成を示す構成図である。
【図2】この発明によるプロジェクタの一つの実施形態における要部を示す断面図である。
【図3】この発明によるプロジェクタの一つの実施形態における要部を示す分解斜視図である。
【図4】この発明によるプロジェクタで使用される放熱フィン付き放熱ブロックを示す斜視図である。
【図5】この発明によるプロジェクタの他の実施形態における要部を示す断面図である。
【図6】この発明によるプロジェクタの他の実施形態における要部を示す断片的な断面図である。
【図7】この発明によるプロジェクタの他の実施形態における要部を示す斜視図である。
【図8】この発明によるプロジェクタの他の実施形態における要部を示す断片的な断面図である。
【図9】この発明によるプロジェクタの他の実施形態における要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 照明光学系
11 光源ランプ
12 凹面鏡
13 第1のレンズアレイ
14 反射ミラー
15 第2のレンズアレイ
16 重畳レンズ
20 色分離光学系
21、22 ダイクロイックミラー
23、24、25 反射ミラー
26、27 リレーレンズ
28、29、30 フィールドレンズ
40R、40G、40B 液晶パネル
41R、41G、41B 入射側偏光板
42R、42G、42B 射出側偏光板
50 色合成光学系
51 クロス・ダイクロイックプリズム
52、53 誘電体多層膜
54、55、56 入射面
60 投写光学系
61 レンズ群
70 液冷手段
71 冷却液
72 枠状部材
73 押さえ板
74 シリコンパッキング
75 シールド基板
76 押さえ板
77 シリコンパッキング
78 偏光板固定用基板
79 放熱ブロック
80 放熱フィン
81 放熱ブロック
82 取り付けネジ
83、84 プリズム固定ベース
85 冷却ファン
86、87、88 取り付け具
89 偏光板固定用基板
90 放熱フィン
91 取り付けピン
92 貫通孔
93 接着剤
94 嵌合片
95 嵌合凹部
Claims (7)
- 三つの色光をそれぞれ変調する三つの液晶パネルと、前記三つの液晶パネルそれぞれの前方に配置された入射側偏光板と、前記三つの液晶パネルそれぞれの後方に配置された射出側偏光板と、前記三つの液晶パネルのそれぞれによって変調された色光を合成する合成プリズムと、前記合成プリズムによって合成された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、
前記射出側偏光板はそれぞれ前記合成プリズムの側面がなす入射面に対向して配置され、前記射出側偏光板と前記合成プリズムの入射面との間に、内部に冷却液が充填された液冷手段が設けられ、
前記射出側偏光板と前記液晶パネルとは隔離して配置され、前記射出側偏光板と前記液晶パネルとの間に、内部に冷却液が充填された液冷手段は設けられていないことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記液冷手段は枠状部材を有し、
前記枠状部材の一方の側部開口は、シールド基板により液密状態で閉じられており、
前記枠状部材の他方の側部開口は、偏光板固定用基板により液密状態で閉じられており、
前記射出側偏光板は、前記偏光板固定用基板に貼り付けられており、
前記枠状部材と前記シールド基板と前記偏光板固定用基板とによって形成された密閉空間内に、冷却液が充填されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記液冷手段は枠状部材を有し、
前記枠状部材の一方の側部開口は、前記合成プリズムの入射面によって液密状態で閉じられており、
前記枠状部材の他方の側部開口は、偏光板固定用基板により液密状態で閉じられており、
前記射出側偏光板は、前記偏光板固定用基板に貼り付けられており、
前記枠状部材と前記合成プリズムの入射面と前記偏光板固定用基板とによって形成された密閉空間内に、冷却液が充填されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項2または3に記載のプロジェクタにおいて、
前記合成プリズムの上部または/および下部に放熱ブロックが配置され、
前記液冷手段は、前記放熱ブロックと熱的に導通がとれるように接続されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記放熱ブロックには放熱フィンが設けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4または5に記載のプロジェクタにおいて、
前記液冷手段は前記放熱ブロックに固定され、
前記液冷手段は前記放熱ブロックを介して前記合成プリズムに固定されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載のプロジェクタにおいて、
前記液冷手段には、前記液晶パネルを取り付けるための取り付け部が設けられ、
前記液晶パネルは前記取り付け部を介して前記合成プリズムに固定されていることを特徴とするプロジェクタ。
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