JP3807195B2 - 画像処理方法、及び画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機能などの複数の画像処理機能を有する画像処理装置に適用される画像処理操作方法、画像処理操作装置、及び画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばコンビニエンスストアや公共施設など、不特定の操作者(ユーザ)によって操作される場所に設置されている複写機などの画像処理装置においては、実行する画像処理動作の動作内容に対応して決められる料金を操作者に課金するなどの方法によって、画像処理装置を利用した画像処理動作の実行を制限する動作制限を行っている。
【0003】
このような画像処理装置での動作制限の解除方法としては、例えば、上記した課金に対する付設の課金装置へのコインの投入、アクセスカードやプリペイドカードの挿入、あるいは暗証番号の入力などの方法が用いられる。そして、画像処理装置は、操作者によるコインの投入等があったときに、動作制限の解除を行って、画像処理動作の実行が可能な状態に切り換えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの複写機などの画像処理装置においては、操作者による動作内容の設定など、画像処理動作についての操作をさせるためのユーザインターフェースとして、所定の位置に操作パネルが設けられている。この操作パネルは、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置や、タッチパネル、操作ボタンなどの入力装置を備えて構成される。
【0005】
ここで、上記のように画像処理動作に対して動作制限が行われる画像処理装置においては、動作制限が解除されていない状態にあるときには、操作パネルのディスプレイ上に、操作者に対してコインの投入を促すなど、動作制限の解除を指示する初期画面を表示している。このように、動作制限の解除前に表示される操作画面が1つの初期画面に固定されていると、操作者は、コインの投入などによる動作制限の解除を行わない限り、画像処理装置に対して一切の操作を行うことができず、操作性などの点で問題があった。
【0006】
特に、近年、複写(コピー)機能のみを有する通常の複写機に対して、複写機能に加えて、印刷(プリント)機能及び読取(スキャン)機能などの複数の画像処理機能を有して構成された複合機が多く用いられている。このような複合機においては、複数の画像処理機能の存在や、それぞれの画像処理機能の多様化などによって、実行可能な画像処理動作での動作内容の種類などが増大している。
【0007】
このとき、動作制限の解除前で初期画面が表示されている状態では、それぞれの画像処理動作の実行に必要な動作制限の具体的な解除条件、例えば、操作者が実行したい画像処理動作の動作内容に対応して課金される料金の金額などが、操作者に不明となったり、その画像処理装置で実行可能な動作内容、及びその範囲を事前に具体的に知ることができないなど、画像処理装置を利用する上で多くの問題を生じてしまう。
【0008】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の画像処理機能を有する画像処理装置において、動作制限にかかわらず、画像処理動作についての操作性が向上される画像処理操作方法、画像処理操作装置、及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による画像処理操作方法は、複数の画像処理機能を有する画像処理装置に用いられ、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作について操作させる画像処理操作方法であって、画像データを取得する画像取得ステップと、(1)画像処理動作に対する動作制限についての情報を取得する制限情報取得ステップと、(2)動作制限に基づいて、画像処理動作について操作が許容される許容操作範囲を設定する操作範囲設定ステップと、(3)許容操作範囲を参照して、画像処理動作について操作させるための操作画面を作成し、表示手段に表示する操作画面表示ステップと、を備えるとともに、(4)操作範囲設定ステップにおいて、動作制限にかかわらず、取得された画像データの内容を表示するための画面への画面移行、または少なくとも1つの画像データを選択させるための画面への画面移行の少なくとも一方を可能として許容操作範囲を設定することを特徴とする。
【0010】
また、画像処理操作装置は、複数の画像処理機能を有する画像処理装置に用いられ、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作について操作させる画像処理操作装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、(a)画像処理動作に対する動作制限についての情報を取得する制限情報取得手段と、(b)動作制限に基づいて、画像処理動作について操作が許容される許容操作範囲を設定する操作範囲設定手段と、(c)許容操作範囲を参照して、画像処理動作について操作させるための操作画面を作成し、表示手段に表示する操作画面表示制御手段と、を備えるとともに、(d)操作範囲設定手段は、動作制限にかかわらず、取得された画像データの内容を表示するための画面への画面移行、または少なくとも1つの画像データを選択させるための画面への画面移行の少なくとも一方を可能として許容操作範囲を設定することを特徴とする。
【0011】
上記した画像処理操作方法及び画像処理操作装置においては、画像処理装置内での動作制限の解除/非解除、または動作制限の範囲などの情報を取得するとともに、それらの動作制限の内容に基づいて、ユーザインターフェースでの許容される操作範囲を設定する。そして、動作制限が非解除の状態においても、その動作制限内となる所定の範囲において、初期画面からそれ以外の操作画面への画面移行を含む操作画面間の画面移行が可能となるように、許容操作範囲を設定している。
【0012】
これによって、動作制限の解除前でも、ユーザインターフェース上で表示または操作される画像処理機能の切り換えを行うことが可能となるなど、動作制限にかかわらず、画像処理装置における画像処理動作についての操作性が向上される画像処理操作方法及び操作装置が実現される。
【0013】
具体的な許容操作範囲の例としては、画像処理操作方法(画像処理操作装置)は、操作範囲設定ステップにおいて(操作範囲設定手段が)、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作のうちで、動作制限にかかわらず実行可能な画像処理動作についての操作画面への画面移行を可能として許容操作範囲を設定することができる。このような画像処理動作としては、例えば、無料での印刷が許可されているコンテンツについての印刷動作などがある。
【0014】
あるいは、操作範囲設定ステップにおいて(操作範囲設定手段は)、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作のうちで、動作制限によって実行が制限されている画像処理動作について、動作制限の範囲内での操作内容となる操作画面への画面移行を可能として許容操作範囲を設定することができる。このような動作制限の範囲内での操作としては、例えば、印刷しようとするコンテンツの事前の確認などがある。
【0015】
あるいは、操作範囲設定ステップにおいて(操作範囲設定手段は)、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作についての説明表示を行う操作画面への画面移行を可能として許容操作範囲を設定することができる。これによって、操作者は、各画像処理機能で利用が可能な動作内容の範囲や、それぞれの動作内容に対応する動作制限の解除条件などの情報を事前に確認することができる。
【0016】
また、上記した許容操作範囲の具体例以外にも、動作制限内となる範囲であれば、適宜に許容操作範囲を設定することが可能である。
【0017】
また、操作画面は、操作画面表示ステップ(操作画面表示制御手段)において、画像処理動作について操作させるための操作内容を表示する操作内容表示領域と、複数の画像処理機能のそれぞれに対応する操作項目、または複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作に対応する操作項目を表示する操作項目表示領域と、を有する構成に作成されることを特徴とする。
【0018】
このとき、操作者は、その画像処理装置において利用可能、あるいはユーザインターフェース上で切り換え可能な画像処理機能または画像処理動作に関する情報を、初期画面を含む各操作画面において得ることができる。また、操作画面の画面移行が可能とされる上記した許容操作範囲を、各操作画面から確認することが可能となるなど、その操作性が向上される。
【0019】
さらに、表示されている操作画面から、操作項目表示領域内に表示されている操作項目を参照して、許容操作範囲内の他の操作画面への画面移行を行うことが可能とされていることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、操作画面中に表示されている操作項目を利用して、画面移行の指示を行うことが可能となる。具体的には、例えば、操作画面を表示する表示装置に対して入力装置としてタッチパネルを設け、各操作項目の表示部を画面移行を指示するボタン(操作項目ボタン)として用いる構成などがある。
【0021】
また、画像処理装置が有する画像処理機能については、画像処理操作方法は、複数の画像処理機能として、複写機能、印刷機能、及び読取機能の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0022】
さらに、印刷機能は、印刷機能による画像処理動作として、指定された記憶媒体から読み出された画像データによる印刷動作、及びネットワークから入力された画像データによる印刷動作を有するとともに、読取機能は、読取機能による画像処理動作として、指定された記憶媒体へと画像データを書き込む読取動作、及びネットワークへと画像データを出力する読取動作を有することとしても良い。
【0023】
これらの複写機能、印刷機能、及び読取機能は、複合機において多く備えられている機能であるが、このような画像処理機能を有する複合機に対しても、上記した画像処理操作方法及び操作装置が適用可能である。
【0024】
また、本発明による画像処理装置は、複数の画像処理機能を有する画像処理装置であって、原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取手段と、画像データに基づいて、用紙上に画像形成を行う画像形成手段と、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作に対する動作制限を指示する動作制限指示手段と、画像処理動作について操作させる上記した画像処理操作装置と、を備えることを特徴とする。
【0025】
このような構成によって、複数の画像処理機能を有する画像処理装置において、その画像処理動作に制限を加える動作制限にかかわらず、操作者に画像処理動作についての操作をさせるユーザインターフェースでの操作性が向上される画像処理装置が得られる。
【0026】
上記した画像処理装置としては、例えば、複数の画像処理機能として、画像読取手段で画像データを生成して、画像形成手段で画像形成を行う複写動作を画像処理動作として有する複写機能と、指定された記憶媒体から読み出された画像データ、またはネットワークから入力された画像データによって、画像形成手段で画像形成を行う印刷動作を有する印刷機能と、画像読取手段で画像データを生成して、指定された記憶媒体へと画像データを書き込み、またはネットワークへと画像データを出力する読取動作を有する読取機能と、の少なくとも1つを含む構成からなる複合機がある。
【0027】
また、これ以外にも、様々な構成または様々な画像処理機能を有する画像処理装置に対して、上記した画像処理操作方法及び画像処理操作装置を適用することが可能である。
また、本発明による画像処理方法は、スキャンによって画像データを取得するステップと、取得された画像データの内容を画面上に表示するステップと、画像データの保存に対応する動作制限の解除条件を表示するステップと、解除条件が満たされた場合に動作制限を解除するステップと、動作制限が解除されたことによって、動作制限を解除する前に指定された保存先に、画像データの保存を実行するステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明による画像処理装置は、スキャンによって画像データを取得する手段と、取得された画像データの内容を画面上に表示する手段と、画像データの保存に対応する動作制限の解除条件を表示する手段と、解除条件が満たされた場合に動作制限を解除する手段と、動作制限が解除されたことによって、動作制限を解除する前に指定された保存先に、画像データの保存を実行する手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による画像処理操作方法、画像処理操作装置、及びそれを用いた画像処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0029】
まず、画像処理操作装置が適用される複数の画像処理機能を有する画像処理装置(複合機)の一例として、複写機能を含む複数の画像処理機能を有する複合機(以下、複写複合機という)について、その構成を概略的に説明しておく。図1は、本発明による画像処理操作方法及び画像処理操作装置が適用される画像処理装置の一実施形態である複写複合機について示す構成図である。
【0030】
図1に示した複写複合機CMは、本体52と、本体52の上面に設置されたコピーガラス54を開閉自在に覆うように設けられた自動原稿搬送装置56とを備えて構成されており、コピーガラス54、自動原稿搬送装置56、及び原稿読取部58によって、画像を読み取るための画像読取部(画像読取手段)50が構成されている。
【0031】
本体52の内部には、自動原稿搬送装置56によってコピーガラス54上に搬送された移動原稿、または自動原稿搬送装置56を開いてコピーガラス54上に載置された固定原稿の画像を読み取って画像データに変換する原稿読取部58と、画像読取部50から受信した画像データに基づいて記録用紙(記録材、以下、単に用紙という)に可視画像を形成する画像形成部(画像形成手段)60と、画像形成部60に対して用紙を供給する給紙部(給紙手段)62とが設けられている。
【0032】
画像形成部60には、図1中のA方向(時計回り方向)に回転する感光体ドラム64(像担持体)とB方向(反時計回り方向)に回転する転写ロール65とが、転写位置Pにて近接するように設けられている。
【0033】
感光体ドラム64の周囲には、その回転方向に沿って、感光体ドラム64を一様に帯電させる帯電装置66、画像読取部50から受信した画像データに基づいてレーザビーム等を駆動し、感光体ドラム64の表面に静電潜像を形成する書込み装置68、感光体ドラム64上に形成された静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーで可視化し、現像画像を形成する4台の現像装置70が設けられており、さらに転写位置Pを挟んで、転写後に感光体ドラム64上に残留したトナーを除去するクリーニング装置72が設けられている。本実施形態の複写複合機CMは、上記したように4台の現像装置70が設置されることによって、フルカラー処理、白黒処理、単色カラー処理などによる画像形成が可能なカラー複写複合機に構成されている。
【0034】
転写ロール65の内側であって転写位置Pに対向する位置には、感光体ドラム64の表面上に形成されたトナーによる現像画像を、給紙部62から供給されて感光体ドラム64と転写ロール65との間を搬送される用紙に転写する転写機74が備えられている。
【0035】
また、画像形成部60には、画像形成制御部75が設けられており、この画像形成制御部75によって帯電装置66、書き込み装置68、現像装置70を制御することで、感光体ドラム64の表面に付着するトナー量が制御される。さらに、画像形成部60には、転写機74によって用紙上に転写された画像を用紙に定着させる定着装置76が備えられている。
【0036】
画像形成部60へと用紙を供給する給紙部62は、本体52の下部に設けられており、用紙供給手段である3つの給紙トレイ78、80、82と、これらの給紙トレイ78、80、82のそれぞれに対して設けられた給紙機構84とを備えている。各給紙トレイ78、80、82は、画像形成を行う用紙を、用紙サイズや用紙厚さなどの用紙種類別に、それぞれ積層収容して供給するもので、本体52に対して着脱可能に装着されている。そして、これらのうちのいずれかの給紙トレイから用紙が送り出されることによって、画像形成部60での画像形成に対して用紙が供給される。
【0037】
給紙機構84は、給紙トレイ78、80、82内で最も上にある用紙に当接して用紙を順次送り出すピックアップローラ86と、このピックアップローラ86により送り出された用紙を受けて、画像形成部60に向けて重送を防止しながら用紙を送り出すローラ対であるフィードローラ88及びリタードローラ90により構成されている。ピックアップローラ86及びフィードローラ88は、図示しないモータの駆動により回転し、フィードローラ88と対をなすリタードローラ90は、フィードローラ88の回転に連れ回る。
【0038】
また、各給紙トレイ78、80、82から画像形成部60に向けて、数組のガイドローラ92によって用紙搬送路94が形成されている。これによって、各給紙トレイ78、80、82から送り出された用紙は、用紙搬送路94に沿って、転写位置P、定着装置76へと順次搬送され、画像形成が行われた後、定着装置76の下流側に設けられた排出ローラ96を介して、外部に排出される。
【0039】
この複写複合機CMには、所定の記憶媒体、または外部装置へのネットワークに対して画像データの入出力を行うため、コンピュータ端末などの入出力装置40が設置されている。この入出力装置40には、CD−ROM、FD、MOなどの記憶媒体に対して、画像データの読み出し及び書き込みを行うためのドライブ42、及びLANや外部への通信ネットワークなどのネットワークに対して、画像データの入力及び出力を行うための通信ポート44が設けられている。
【0040】
また、この複写複合機CMには、各画像処理機能によって実行されるそれぞれの画像処理動作の動作内容に応じて、操作者(ユーザ)に対して料金を課金して徴収するための課金装置(コピーベンダ)46が、接続ケーブル48を介して接続されている。
【0041】
図2は、図1に示した複写複合機の構成、及び複写複合機に適用される画像処理操作装置の一実施形態の構成について示すブロック図である。なお、この画像処理操作装置は、図1においては、複写複合機CMの装置内部の所定位置、例えば複写複合機CMの上面側の所定位置、に操作パネルなどとして設置されるか、または、複写複合機CMに操作端末などとして付設される構成が可能である。
【0042】
まず、複写複合機CMの概略的な構成、及びその複数の画像処理機能等について説明する。
【0043】
この複写複合機CMは、それぞれの画像処理動作において、指定された方法で画像データの入力を行う画像入力部30と、画像入力部30からの画像データについて、指定された方法で画像データの出力を行う画像出力部35と、これらの画像入力部30及び画像出力部35を用いた画像処理動作の実行を制御する画像処理制御部20と、を有して構成されている。
【0044】
本実施形態の画像入力部30及び画像出力部35においては、図2に示すように、それぞれ3つの方法による画像データの入力及び出力が可能とされている。すなわち、画像入力部30に対しては、画像読取部50、データ読出部31、及びデータ入力部32の3つの画像データ入力手段が設けられている。また、画像出力部40に対しては、同様に、画像形成部60、データ書込部36、及びデータ出力部37の3つの画像データ出力手段が設けられている。
【0045】
これらのうち、画像読取部50及び画像形成部60は、図1の複写複合機CMにおいて同じ符号で示した画像読取部50及び画像形成部60にそれぞれ対応している。また、データ読出部31及びデータ書込部36は、図1においては記憶媒体がセットされるドライブ42に対応しており、それぞれ、CD−ROM、FD、MOなどの指定された記憶媒体からの画像データの読み出し、及び記憶媒体への画像データの書き込みを行う。
【0046】
また、データ入力部32及びデータ出力部37は、図1においては通信ポート44に対応しており、それぞれ、通信ポート44に接続されたLANや外部への通信ネットワークなどのネットワーク(あるいはそのネットワークに接続された外部装置)からの画像データの入力、及びネットワークへの画像データの出力を行う。
【0047】
本複写複合機CMは、以上によって、複写機能を含む複数の画像処理機能を有する画像処理装置に構成されている。すなわち、図2に示した複写複合機CMでは、画像読取部50において原稿の画像を読み取って生成された画像データに基づいて、画像形成部60において用紙上に画像形成を行う通常の複写動作を実行するための複写(コピー)機能に加えて、印刷(プリント)機能による印刷動作、及び読取(スキャン)機能による読取動作の実行がそれぞれ可能とされている。
【0048】
ここで、印刷機能による画像処理動作としては、指定された記憶媒体からデータ読出部31を介して読み出された画像データによって画像形成部60で画像形成を行う印刷動作、及びネットワークからデータ入力部32を介して入力された画像データによって画像形成部60で画像形成を行う印刷動作が可能である。
【0049】
また、読取機能による画像処理動作としては、画像読取部50で生成された画像データをデータ書込部36を介して指定された記憶媒体へと書き込む読取動作、及び画像読取部50で生成された画像データをデータ出力部37を介してネットワークへと出力する読取動作が可能である。
【0050】
画像入力部30及び画像出力部35による上記した各画像処理動作は、それらの実行を制御する画像処理制御部20において、動作制限指示部21から指示される動作制限によって一定の制限を受けている。動作制限指示部21には、複写複合機CM内に設置されるか、または複写複合機CMに付設される動作制限装置22が接続されている。この動作制限装置22は、操作者が動作制限の解除/非解除を行うためのものであり、図1に示した実施形態の複写複合機CMにおいては、複写複合機CMに接続されて外部に設置されている課金装置46に相当している。
【0051】
この画像処理動作に対する動作制限では、より具体的には、主に画像出力の各動作に対して制限を行っている。図2に示した構成からなる複写複合機CMにおいては、画像形成部60による用紙上への画像形成、データ書込部36による記憶媒体への画像データの書き込み、及びデータ出力部37によるネットワークへの画像データの出力のそれぞれに対して、上記した動作制限が行われる。ただし、必要があれば、画像入力動作に対しても制限が行われる場合がある。
【0052】
複写複合機CMなどの画像処理装置でのこのような動作制限は、コンビニエンスストアや公共施設などに設置される画像処理装置において、不特定の操作者による画像処理動作の実行を、それぞれの動作内容に応じて制限するために行われる。動作制限の解除/非解除は、例えば図1のように動作制限装置22として課金装置46を設けている場合には、実行しようとする画像処理動作の動作内容に対応して決められる料金を操作者に課金するなどの方法によって行われる。
【0053】
具体的な動作制限の解除方法としては、上記した課金に対する課金装置46へのコインの投入、アクセスカードやプリペイドカードの挿入、あるいは暗証番号の入力などを解除条件とする方法がある。また、動作制限の解除範囲については、投入されたコインの金額等によって決定される。
【0054】
次に、この複写複合機CMに適用される画像処理操作装置、及びそれによる画像処理操作方法について説明する。
【0055】
画像処理制御部20が画像入力部30及び画像出力部35などを駆動制御して実行される画像処理動作の動作内容の設定や、動作開始または停止の指示等は、操作者に対するユーザインターフェースとして設けられた画像処理操作装置1での操作によって行われる。
【0056】
図2に示す画像処理操作装置1は、操作者に対して操作内容や操作方法などの必要な情報を示すための操作画面を表示する表示装置11と、表示装置11に表示された操作画面を参照して、操作者に動作内容の設定や動作指示などの操作をさせるための入力装置12と、入力装置12から入力された情報などに基づいて操作画面を作成して、表示装置11に表示する操作画面表示制御部13と、を備えて構成されている。
【0057】
表示装置11としては、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどが用いられ、その表示面に操作画面が表示される。一方、入力装置12としては、図2においては、表示装置11の表示面に対応するように設置されたタッチパネル12aを用いている。なお、入力装置12としては、タッチパネル12a以外にもマウスなどのポインティングデバイスや、テンキー及び各種の操作ボタンなどからなるキーボードなどを用い、あるいはそれらが併用される構成とすることも可能である。
【0058】
また、この画像処理操作装置1には、操作範囲設定部14と、制限情報取得部15とが設けられている。制限情報取得部15は、複写複合機CMの動作制限指示部21に接続されており、指示されている動作制限についての情報を取得する。操作範囲設定部14は、制限情報取得部15によって取得された動作制限に基づいて、操作者に対する許容操作範囲を設定する。また、操作画面表示制御部13は、操作範囲設定部14で設定された許容操作範囲を参照して、操作画面の作成及び表示等を行う。
【0059】
上記した構成の画像処理操作装置1における画像処理操作方法は、およそ以下のようになる。すなわち、制限情報取得部15は、各時点において、複写動作、印刷動作、及び読取動作の各画像処理動作の実行に対する動作制限についての情報を取得する(制限情報取得ステップ)。そして、制限情報取得部15は、取得された動作制限を操作範囲設定部14に通知する。
【0060】
操作範囲設定部14は、制限情報取得部15からの動作制限に基づいて、その時点で操作者に対して許容される画像処理操作装置1での操作範囲を指定する許容操作範囲を設定する(操作範囲設定ステップ)。許容操作範囲によって設定される内容としては、具体的には、その時点で画面移行が可能な操作画面の範囲や、動作制限の内容に対応した操作画面の選択または変更などがある。
【0061】
ここで、本実施形態による画像処理操作装置1においては、操作範囲設定部14は、各時点での動作制限にかかわらず、表示されている操作画面から、その操作画面での操作内容に含まれている画像処理機能に対して、同一の画像処理機能による画像処理動作についての他の操作画面への画面移行、または異なる画像処理機能による画像処理動作についての操作画面への画面移行の少なくとも一方を可能とするように、許容操作範囲を設定している。
【0062】
操作範囲設定部14で設定された許容操作範囲は、操作画面表示制御部13に指示される。そして、操作画面表示制御部13は、設定された許容操作範囲を参照して、操作画面の作成、変更、及び表示装置11への表示、あるいは入力装置12からの入力の受付等を行う(操作画面表示ステップ)。
【0063】
図3は、図2に示した画像処理操作装置に用いられるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。本画像処理操作装置1の各部のハードウェア制御機能、及び操作画面表示制御部13による操作画面の作成、表示及び操作などの制御のソフトウェア的機能などは、CPU1aによって行われる。CPU1aには、本装置の動作に必要なソフトウェアプログラム等が記憶されているROM1bと、DRAM等から構成されプログラム実行中に一時的にデータが記憶されるRAM1cとが接続されている。また、操作画面の作成に用いられる画面データ、各動作制限の内容に対応する許容操作範囲のデータなどの必要なデータは、ハードディスクなどの外部記憶装置1dに格納されている。
【0064】
そして、これらのCPU1a、ROM1b、RAM1cに対して、操作画面を表示する表示装置11と、操作画面にしたがって動作内容の設定や動作指示などの操作が行われるタッチパネル12aなどの入力装置12とが接続されて、画像処理操作装置1が構成される。
【0065】
上記した実施形態による複写複合機CM及び画像処理操作装置1においては、複写複合機CM内で動作制限指示部21によって指示される動作制限に関して、動作制限の解除/非解除、または動作制限の範囲などの情報を画像処理操作装置1の制限情報取得部15が取得し、その動作制限の内容に基づいて、操作範囲設定部14においてユーザインターフェースでの許容操作範囲を設定する。そして、動作制限の一部または全部が非解除の状態においても、その動作制限にかかわらず、その動作制限内となる所定の範囲において、他の操作画面への画面移行が可能なように許容操作範囲を設定している。
【0066】
これによって、動作制限の解除前には、動作制限の解除を促す初期画面のみを表示していた従来の画像処理操作装置に比べて、ユーザインターフェース上で表示または操作される画像処理機能や画像処理動作の切り換えを解除前に行うことが可能となるなど、動作制限にかかわらず、複写複合機CMに対する各画像処理動作についての操作性が向上される。
【0067】
特に、コンビニエンスストアなどに設置される複合機は、近年、画像処理機能や実行可能な画像処理動作がますます多様化しており、また、ネットワークに接続された1つの端末として位置付けられて、様々なサービスを利用する窓口として機能するようになりつつある。これに対して、上記した画像処理操作装置及び操作方法によれば、それら多くの機能を充分に活用することが可能な高い操作性を有する画像処理装置が実現される。
【0068】
ここで、操作範囲設定部14において設定される許容操作範囲の具体的な例としては、例えば、複数の画像処理機能(複写機能、印刷機能、及び読取機能)のそれぞれによる画像処理動作のうちで、動作制限にかかわらず実行可能な画像処理動作についての操作画面への画面移行を可能として許容操作範囲を設定することができる。
【0069】
上記した機能の多様化により、複合機において、動作制限が非解除の状態であっても実行可能な画像処理動作、例えば無料サービスによる画像処理動作が可能となる場合が考えられる。これに対して、上記の操作範囲で画面移行を可能とすることによって、動作制限にかかわらず、操作者は常に無料サービスを利用することが可能となる。
【0070】
このような画像処理動作としては、例えば、コンテンツのインデックスなど所定内容のコンテンツプリント、ネットワークを介して接続されている他の端末で既に料金が課金済であるコンテンツのプリント、アンケート調査などの公共のスキャン送信などが挙げられる。
【0071】
あるいは、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作のうちで、動作制限によって実行が制限されている画像処理動作について、動作制限の範囲内で操作可能な操作画面への画面移行を可能として許容操作範囲を設定することができる。
【0072】
このような操作範囲で画面移行を可能とすることによって、動作制限を解除する前であっても、操作者は利用したいサービスの画像処理動作を実行するために設定が必要な動作内容などを確認し、または、動作制限内で操作可能な範囲で事前に操作を行うことが可能となる。
【0073】
例えば、プリントサービスにおいては、まず、コンテンツの内容を無料で画面上で確認し、プリントしたいコンテンツを選択した後、選択したコンテンツに対応する金額のコインを投入するなどによって動作制限を解除してプリントを実行することができる。
【0074】
また、スキャンサービスにおいては、まず、スキャンした画像の内容を無料で画面上で確認した後、そのコンテンツに対応する金額のコインを投入するなどによって動作制限を解除して画像データの保存を実行することができる。さらに、これらの場合において、コンテンツや画像の確認後に、プリントまたはスキャンに必要な料金の金額を表示して、操作者にコインの投入を指示することも可能である。
【0075】
あるいは、複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作についての説明表示を行う操作画面への画面移行を可能として許容操作範囲を設定することができる。このような説明画面への画面移行を可能とすることによって、操作者は、各画像処理機能で利用が可能な動作内容の範囲や、それぞれの動作内容に対応する動作制限の解除条件などの情報を事前に確認することができる。
【0076】
また、上記した許容操作範囲の具体例以外にも、動作制限内となる範囲であれば、適宜に許容操作範囲を設定することが可能である。
【0077】
図2に示した画像処理操作装置1及び複写複合機CMにおける画像処理操作方法について、その一実施例での操作画面とともに、さらに具体的に説明する。
【0078】
ここで、以下に示す各操作画面に関する記載においては、表示装置11の表示面に対してタッチパネル12aを設置していることに対応して、操作画面中の各表示部または表示領域について、動作内容の設定や画面移行の指示、動作開始指示などに用いられる入力部として機能させることがあるものを「ボタン」と表記して、単に情報の表示等を行っているものと区別する。
【0079】
本実施例が適用される複写複合機CMは、図1及び図2に関して上記したように、複数の画像処理機能として複写(コピー)機能、印刷(プリント)機能、及び読取(スキャン)機能を有しており、画像処理操作装置1で操作者によって指示された動作内容、及び複写複合機CMでの動作制限に応じて、それぞれによる画像処理動作(複写動作、印刷動作、及び読取動作)を実行可能とされている。以下においては、各操作画面において、その画面での操作内容として表示される画像処理機能または画像処理動作を、操作項目によって表すこととする。
【0080】
本実施例での操作項目としては、具体的には、複写機能による複写動作を示す「コピー」、印刷機能による記憶媒体からの印刷動作を示す「ローカルプリント」、同じく印刷機能によるネットワークからの印刷動作を示す「ネットワークプリント」、読取機能による記憶媒体への読取動作を示す「ローカルスキャン」、及び同じく読取機能によるネットワークへの読取動作を示す「ネットワークスキャン」の5つの操作項目が用いられる。
【0081】
図4は、本実施例において、動作制限の解除前に通常の初期状態で表示されている操作画面(初期画面)100の構成を示す図である。初期画面100は、画面の下側に位置して、その操作画面で操作させる操作内容を表示する操作内容表示領域101と、画面の上側に位置して、複数の画像処理機能のそれぞれ、または複数の画像処理機能のそれぞれによる画像処理動作に対応する上記した操作項目を表示する操作項目表示領域106とを有して構成されている。
【0082】
この初期画面100においては、操作内容となる操作項目として「コピー」が選択されており、操作内容表示領域101には、動作制限の解除を促す「コピーをご利用の方はコインを入れてください。」との表示とともに、「コピー」動作に対して課金される料金の価格表と、4色のインクが用紙に供給される様子を示したフルカラー画像のアニメーションとが表示されている。すなわち、図4に示した初期画面100は、「コピ−」操作項目での動作内容等についての説明表示を行う説明画面として構成されている。また、本実施例では、動作制限を解除していない状態では、「コピー」操作項目に対しては、説明画面である初期画面100以外の操作画面に画面移行できないようになっている。
【0083】
一方、操作項目表示領域106には、その左側に、選択されている操作項目を表示する選択項目表示部107が設けられており、この初期画面100での操作内容として選択されている「コピー」操作項目が表示されている。
【0084】
また、操作項目表示領域106の選択項目表示部107の右側には、選択されている「コピー」操作項目以外の操作項目に対して、「ローカルプリント」操作項目ボタン108b、「ネットワークプリント」操作項目ボタン108c、「ローカルスキャン」操作項目ボタン108d、及び「ネットワークスキャン」操作項目ボタン108eの4つの操作項目ボタンが表示されている。これらの操作項目ボタン108b〜108eは、それぞれの操作項目を操作内容とする他の操作画面へと画面移行するための画面移行ボタンとして機能する。
【0085】
このように、操作画面100内に操作内容表示領域101とは別に操作項目表示領域106を設けて、各操作項目を表示しておくことによって、操作者は、複写複合機CMにおいて利用可能、あるいはユーザインターフェースである画像処理操作装置1で切り換え可能な画像処理機能または画像処理動作に関する情報を、初期画面100などの各操作画面において得ることができる。また、操作画面の画面移行が可能とされる上記した許容操作範囲を、各操作画面から確認することが可能となるなど、その操作性が向上される。
【0086】
また、上記のように、操作項目表示領域106内に表示される操作項目を、操作項目ボタンとして機能させるなど、操作項目表示領域内に表示されている操作項目を参照して、許容操作範囲内の他の操作画面への画面移行を行うことを可能としておけば、操作画面中に表示されている操作項目を利用して、操作項目を確認すると同時に画面移行の指示を行うことが可能となる。
【0087】
初期画面100において、動作制限が非解除の状態で「ローカルプリント」操作項目ボタン108bが押されたときに画面移行して表示される操作画面110の構成を図5に示す。「ローカルプリント」操作画面110は、初期画面100と同様に、画面下側の操作内容表示領域111と、画面上側の操作項目表示領域116とを有して構成されている。
【0088】
この操作画面110においては、上記したように操作項目として「ローカルプリント」が選択されており、操作内容表示領域111には、動作制限を参照して設定された許容操作範囲内で、操作者によって「ローカルプリント」についての操作をさせる操作内容が表示されている。
【0089】
具体的には、本実施例での操作内容表示領域111は、表示領域111内の右側に位置して、操作させる操作メニューを表示する操作メニュー表示領域112と、表示領域111内の左側に位置して、複数の操作メニューに対応するメニュー項目を表示するメニュー項目表示領域113とを有して構成されている。また、メニュー項目表示領域113内の上方には、設定内容をクリアして設定をやり直すための設定やり直しボタン113aが配置されている。
【0090】
図5に示した操作画面110は、「ローカルプリント」に関する操作メニューのうちで「CD入れ替え」操作メニューに対応するものであり、操作メニュー表示領域112は、メニュー項目表示領域113内の「CD入れ替え」メニュー項目ボタン113bがタグ状に接続されて表示されている。
【0091】
操作メニュー表示領域112の上部には、指示表示窓112aが設けられており、記憶媒体であるCDのセットを指示する操作内容が表示されている。また、指示表示窓112aの右下方には、CDをセットする操作を行うためのCD取り出しボタン112b及びCD挿入ボタン112cが表示されている。また、この操作画面110は、「ローカルプリント」操作項目での動作内容等についての説明表示を行う説明画面の役割も果たしており、ボタン112b、112cの左側には、CD内のコンテンツによるプリントに関する説明と、CDの入れ替えの様子を示したアニメーションとが表示されている。
【0092】
一方、操作項目表示領域116には、その左側に、選択されている「ローカルプリント」操作項目を表示する選択項目表示部117が設けられている。また、選択項目表示部117の右側には、「コピー」操作項目ボタン118a、「ネットワークプリント」操作項目ボタン118c、「ローカルスキャン」操作項目ボタン118d、及び「ネットワークスキャン」操作項目ボタン118eが表示されている。
【0093】
次に、初期画面100において、動作制限が非解除の状態で「ネットワークプリント」操作項目ボタン108cが押されたときに画面移行して表示される操作画面120の構成を図6に示す。「ネットワークプリント」操作画面120は、画面下側の操作内容表示領域121と、画面上側の操作項目表示領域126とを有して構成されている。
【0094】
この操作画面120においては、上記したように操作項目として「ネットワークプリント」が選択されており、操作内容表示領域121には、動作制限を参照して設定された許容操作範囲内で、操作者によって「ネットワークプリント」についての操作をさせる操作内容が表示されている。
【0095】
具体的には、操作内容表示領域121は、操作画面110での操作内容表示領域111と同様に、右側の操作メニュー表示領域122と、左側のメニュー項目表示領域123とを有して構成されている。また、メニュー項目表示領域123内の上方には、設定やり直しボタン123aが配置されている。
【0096】
図6に示した操作画面120は、「ネットワークプリント」に関する操作メニューのうちで「暗証番号」操作メニューに対応するものであり、操作メニュー表示領域122は、メニュー項目表示領域123内の「暗証番号」メニュー項目ボタン123bがタグ状に接続されて表示されている。
【0097】
操作メニュー表示領域122の上部には、指示表示窓122aに、暗証番号の入力を指示する操作内容が表示されている。また、指示表示窓122aの右下方には、暗証番号の入力を行うための暗証番号入力部122bが表示されている。また、この操作画面120は、「ネットワークプリント」操作項目の説明画面の役割も果たしており、入力部122bの左側に、その説明が表示されている。なお、「ネットワークプリント」における暗証番号の入力は、ネットワークによって接続されている他の端末からの画像データを特定し、その画像データによってプリントを行う場合に用いられる。
【0098】
一方、操作項目表示領域126には、その左側に、選択されている「ネットワークプリント」操作項目を表示する選択項目表示部127が設けられている。また、選択項目表示部127の右側には、「コピー」操作項目ボタン128a、「ローカルプリント」操作項目ボタン128b、「ローカルスキャン」操作項目ボタン128d、及び「ネットワークスキャン」操作項目ボタン128eが表示されている。
【0099】
以上、図5及び図6の操作画面110、120に示したように、本実施例においては、動作制限が解除されていない状態においても、図4の初期画面100から、「ローカルプリント」操作画面110または「ネットワークプリント」操作画面120へと画面移行することができる。また、「ローカルスキャン」及び「ネットワークスキャン」についても、初期画面100において操作項目ボタン108d、108eをそれぞれ押すことによって、同様に対応する操作画面へ画面移行することが可能である。
【0100】
これによって、操作者は、コインの投入などによる動作制限の解除を行う前に、初期画面100に表示されている「コピー」の説明表示以外にも、他の操作項目(他の画像処理機能、画像処理動作)に操作内容を切り換えて、その操作項目についての説明表示を見ることができる。また、動作制限によって実行が制限されている画像処理動作について、動作制限の範囲内で事前に操作を行うことが可能となる。あるいは、その画像処理動作が動作制限を受けないものであれば、動作制限の非解除にかかわらず、画像処理動作の動作内容を設定し、実行することが可能となる。
【0101】
例えば、図5に示した「ローカルプリント」操作画面110では、指示にしたがってCDを入れ替えた後、さらに、「ローカルプリント」の他の操作画面に画面移行して、CDからのコンテンツの確認、選択などの操作を行うことができる。また、図6に示した「ネットワークプリント」操作画面120についても同様である。あるいは、例えば操作画面120において、暗証番号によって特定されたコンテンツによるプリント動作が、既に他の端末で課金済のものであれば、動作制限の非解除にかかわらず、その画像処理動作を実行可能な状態とすることもできる。
【0102】
動作制限が非解除の状態で、同一の操作項目(同一の画像処理機能、画像処理動作)について複数の操作画面を順次画面移行していく場合について、「ネットワークスキャン」操作項目を例として説明しておく。
【0103】
初期画面100において、動作制限が非解除の状態で「ネットワークスキャン」操作項目ボタン108eが押されると、図7に示す操作画面130が表示される。操作画面130の構成は、図5、図6に示した操作画面110、120と同様であり、画面下側の操作内容表示領域131と、画面上側の操作項目表示領域136とを有して構成されている。また、操作内容表示領域131は、右側の操作メニュー表示領域132と、左側のメニュー項目表示領域133とを有して構成されている。
【0104】
図7に示した操作画面130は、「ネットワークスキャン」に関する操作メニューのうちで「ネット先」操作メニューに対応するものである。操作メニュー表示領域132の上部には、指示表示窓132aに、画像データのネットワーク上での保存先のアドレスの指定を指示する操作内容が表示されている。また、指示表示窓132aの右下方には、アドレスの入力を行うためのアドレス入力部132bが表示されている。さらに、その左側には、「ネットワークスキャン」についての説明、及びそれ以外の動作内容について特別な設定を行う場合の設定項目ボタン132cが表示されている。
【0105】
この操作画面130においてアドレスの入力を終了し、確認ボタン132dが押されると、図8に示す「ネットワークスキャン」についての次の操作画面140に画面移行する。操作画面140は、画面下側の操作内容表示領域141と、画面上側の操作項目表示領域146とを有して構成されている。また、操作内容表示領域141は、右側の操作メニュー表示領域142と、左側のメニュー項目表示領域143とを有して構成されている。
【0106】
「ネットワークスキャン」においては、動作制限はスキャンした画像データのネットワークへの出力動作を制限しているので、スキャンによる画像データの取得については、動作制限にかかわらず実行することが可能である。操作画面140は、この画像データの取得の実行開始を指示させるためのものであり、操作メニュー表示領域142には、指示表示窓142aに、スキャン開始を指示する操作内容が表示されるとともに、スキャン開始ボタン142bが表示されている。
【0107】
この操作画面140においてスキャン開始ボタン142bが押されると、図9に示す操作画面150に画面移行する。操作画面150は、画面下側の操作内容表示領域151と、画面上側の操作項目表示領域156とを有して構成されている。
【0108】
ここで、この操作画面150は、指示された画像データの取得の実行中に表示される実行画面であり、そのため、操作画面110〜140とは構成が異なっている。すなわち、操作内容表示領域151には、初期画面100と同様にメニュー項目表示領域が設けられておらず、スキャンを実行中であることを表示している指示表示窓154が上部に設けられているとともに、その下方に位置する実行メニュー表示領域155には、実行中のスキャンについて必要な表示がされている。また、操作項目表示領域156には、「ネットワークスキャン」以外の他の操作項目に切り換えることができないため、選択項目表示部157のみが設けられており、各操作項目ボタンは表示されていない。
【0109】
画像データの取得が終了すると、図10に示す操作画面160に画面移行する。操作画面160は、操作画面150と同様に、画面下側の操作内容表示領域161と、画面上側の操作項目表示領域166とを有して構成されている。操作内容表示領域161には、データ保存の実行を指示する操作内容が表示されている指示表示窓164と、指示メニュー表示領域165とが表示されている。また、操作項目表示領域166には、選択項目表示部167のみが設けられている。
【0110】
この操作画面160の段階では、スキャン動作の全体として、スキャンが終了した画像データを指定されたアドレスのネット先に保存する画像出力動作を残すのみである。このため、指示メニュー表示領域165には、画像データを保存してスキャン動作を完了するための動作制限の解除に必要な課金の金額(解除条件)を表示する解除条件表示部165aが設けられている。
【0111】
指示メニュー表示領域165には、続けてスキャンボタン165b、スキャン中止ボタン165c、及びデータ保存ボタン165dの3つのボタンが表示されている。このうち、続けてスキャンボタン165bが押された場合には、次の原稿に対するスキャンと画像データの取得が続けて実行される。また、スキャン中止ボタン165cが押された場合には、スキャンしていた画像データをクリアしてスキャン動作を中止し、所定の操作画面(例えば初期画面100、または操作画面130など)へと画面移行する。
【0112】
また、データ保存ボタン165dは、スキャンによって取得された画像データの指定されたネット先への保存の実行を指示するボタンである。このボタン165dは、動作制限が非解除の状態では押すことができないようになっている。ここで、操作者は、解除条件表示部165aでの表示によって、データ保存の実行を可能とするために動作制限を解除するのに必要とされる金額を確認することができる。そして、その金額のコインを課金装置に投入すると、動作制限が解除され、データ保存ボタン165dを押して、既に読み取られている画像データのネット先への保存を実行することが可能な状態となる。
【0113】
このように、動作制限の解除前に、同一の操作項目に対して複数の操作画面へと画面移行させることによって、操作者は、利用したいサービスの画像処理動作を実行するために設定が必要な動作内容などを解除前に確認し、または、動作制限内で操作可能な範囲で事前に操作を行うことが可能となる。また、上記のように、事前操作で設定された動作内容に対する動作制限の解除条件を表示することとしておけば、操作者は、確認した解除条件にしたがって動作制限を解除して、事前に動作内容を設定した画像処理動作を実行することができる。
【0114】
以上述べたように、動作制限の一部または全部が非解除の状態においても、その動作制限にかかわらず、その動作制限内となる所定の範囲において、他の操作画面への画面移行が可能なように画像処理操作装置における許容操作範囲を設定することによって、画像処理動作についての操作性が向上された画像処理装置が実現される。
【0115】
なお、画像処理機能間の切り換えについて、特開平10−93740号公報に示された複写装置がある。この複写装置では、複写機能及びファックス機能を有しており、ファックス文書を受信した場合にファックス機能へと切り換えるなど、印字制限にかかわらずファックス機能への切り換えを可能としている。しかしながら、上記した複写装置は、操作者によるユーザインターフェース上での操作とは関係なく文書等を受信するファックス機能を対象とするもので、ユーザインターフェースでの操作者による操作内容の切り換えを行うものではなく、したがって、その操作性は向上されていない。
【0116】
これに対して、本発明による画像処理装置は、ユーザインターフェースとして適用される画像処理操作装置において、複数の画像処理機能の切り換えなど、所定範囲内での操作画面の画面移行が可能となるように、操作者に対する許容操作範囲を設定するものである。これによって、画像処理機能及び画像処理動作が多様化した複合機などの画像処理装置に対して、操作者による画像処理動作についての操作性を、上記したように様々に向上することが可能となる。
【0117】
本発明による画像処理操作方法、画像処理操作装置、及び画像処理装置は、上記した実施形態及び実施例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、画像処理装置が有する画像処理機能については、上記した複写機能、印刷機能、及び読取機能に限らず、他の画像処理機能やその組み合わせであっても良い。
【0118】
また、上記した実施例での操作画面では、初期画面から他の操作項目の操作画面に画面移行した後でも、それぞれの操作画面に表示されている操作項目ボタンによって、初期画面を経由せずに直ちに別の操作項目についての操作画面に画面移行することができる。
【0119】
また、上記した実施例においては「コピー」操作項目に対しては、初期画面100以外の操作画面に画面移行できないようになっていたが、「コピー」についても動作制限の範囲内で画面移行を許容する構成としても良い。
【0120】
例えば、図4に示した初期画面100において、操作内容表示領域101の所定の位置に、画面移行ボタンを表示する。そして、画面移行ボタンが押されたら、図11に示す操作画面170に画面移行するようにしておく。
【0121】
「コピー」操作画面170は、操作画面110などと同様の構成となっており、画面下側の操作内容表示領域171と、画面上側の操作項目表示領域176とを有して構成されている。また、操作内容表示領域171は、「コピーの種類」操作メニューを表示している右側の操作メニュー表示領域172と、左側のメニュー項目表示領域173とを有して構成されている。この操作画面170において、「フルカラー」、「白黒」、「単色カラー」などの「コピーの種類」が設定される。
【0122】
以下、各操作メニューに対応する操作画面に順次画面移行しつつ必要な設定を終えると、最終的に、図12に示す操作画面180に画面移行する。操作画面180は、同様に、画面下側の操作内容表示領域181と、画面上側の操作項目表示領域186とを有して構成されている。また、操作内容表示領域181は、右側の操作メニュー表示領域182と、左側のメニュー項目表示領域183とを有して構成されている。
【0123】
操作メニュー表示領域182には、設定された動作内容によってコピー動作を実行するための動作解除に必要な課金の金額を表示する解除条件表示部182aと、コピー動作の開始を指示するためのコピー開始ボタン182bが表示されている。そして、操作者が確認された金額のコインを課金装置に投入すると、動作制限が解除され、コピー開始ボタン182bを押して、コピー動作を実行することが可能な状態となる。
【0124】
また、初期画面については、図4に示した初期画面100では「コピー」操作項目が操作内容として選択されていたが、これ以外にも、各操作項目が並列に表示されるように初期画面を構成しても良い。この場合には、初期画面においては、並列に表示されている各操作項目がその操作内容となる。
【0125】
このような初期画面の例を図13に示す。この初期画面190には、その上部に「サービスを選択して下さい。」との画像処理機能の選択を指示する操作内容が表示されており、その下方に、コピー機能表示領域191、プリント機能表示領域192、及びスキャン機能表示領域193が設けられている。
【0126】
そして、各表示領域191〜193には、それぞれ、「コピー」操作項目ボタン191a、「ローカルプリント」操作項目ボタン192a、「ネットワークプリント」操作項目ボタン192b、「ローカルスキャン」操作項目ボタン193a、及び「ネットワークスキャン」操作項目ボタン193bが表示されており、これらの操作項目ボタンを押すことによって、対応する操作項目の操作画面へと画面移行することができる。
【0127】
【発明の効果】
本発明による画像処理操作方法、画像処理操作装置、及び画像処理装置は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、画像処理装置内での動作制限の解除/非解除、または動作制限の範囲などの情報を画像処理操作装置で取得するとともに、それらの動作制限の内容に基づいて、ユーザインターフェースでの許容される操作範囲を設定する。そして、動作制限が非解除の状態においても、その動作制限内となる所定の範囲において、初期画面からそれ以外の操作画面への画面移行を含む操作画面間の画面移行が可能となるように、許容操作範囲を設定している。
【0128】
これによって、動作制限の解除前でも、ユーザインターフェース上で表示または操作される画像処理機能の切り換えを行うことが可能となるなど、動作制限にかかわらず、画像処理動作についての操作性が向上される画像処理操作方法、画像処理操作装置、及び画像処理装置が実現される。
【0129】
特に、コンビニエンスストアなどに設置される複合機は、近年、画像処理機能や実行可能な画像処理動作がますます多様化しており、また、ネットワークに接続された1つの端末として位置付けられて、様々なサービスを利用する窓口として機能するようになりつつある。これに対して、上記した画像処理操作装置及び操作方法によれば、それら多くの機能を充分に活用することが可能な高い操作性を有する画像処理装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理操作装置が適用される画像処理装置の一実施形態である複写複合機について示す構成図である。
【図2】図1に示した複写複合機の構成、及び複写複合機に適用される画像処理操作装置の一実施形態の構成について示すブロック図である。
【図3】図2に示した画像処理操作装置に用いられるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図2に示した画像処理操作装置における画像処理操作方法の一実施例において動作制限の解除前に表示される初期画面の構成を示す図である。
【図5】ローカルプリントに対する操作画面の構成の一例を示す図である。
【図6】ネットワークプリントに対する操作画面の構成の一例を示す図である。
【図7】ネットワークスキャンに対する操作画面の構成の一例を示す図である。
【図8】ネットワークスキャンに対する操作画面の構成の他の例を示す図である。
【図9】ネットワークスキャンに対する操作画面の構成の他の例を示す図である。
【図10】ネットワークスキャンに対する操作画面の構成の他の例を示す図である。
【図11】コピーに対する操作画面の構成の一例を示す図である。
【図12】コピーに対する操作画面の構成の他の例を示す図である。
【図13】動作制限の解除前に表示される初期画面の構成の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…画像処理操作装置、11…表示装置、12…入力装置、12a…タッチパネル、13…操作画面表示制御部、14…操作範囲設定部、15…制限情報取得部、
20…画像処理制御部、21…動作制限指示部、22…動作制限装置、30…画像入力部、31…データ読出部、32…データ入力部、35…画像出力部、36…データ書込部、37…データ出力部、
CM…複写複合機、40…入出力装置、42…ドライブ、44…通信ポート、46…課金装置、48…接続ケーブル、50…画像読取部、52…本体、60…画像形成部、62…給紙部、
100…初期画面、101…操作内容表示領域、106…操作項目表示領域、107…選択項目表示部、108…操作項目ボタン。
Claims (6)
- スキャンによって画像データを取得するステップと、
取得された前記画像データの内容を画面上に表示するステップと、
前記画像データの保存に対応する動作制限の解除条件を表示するステップと、
前記解除条件が満たされた場合に前記動作制限を解除するステップと、
前記動作制限が解除されたことによって、前記動作制限を解除する前に指定された保存先に、前記画像データの保存を実行するステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 前記画像データの保存を実行するステップにおいて、前記保存先が、前記動作制限を解除する前に指定された記憶媒体であることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記画像データの保存を実行するステップにおいて、前記保存先が、前記動作制限を解除する前に指定されたネットワーク上の指定アドレスであることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記動作制限の前記解除条件は、画像処理動作の内容に対応して決められる料金に対する条件であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の画像処理方法。
- 前記動作制限の前記解除条件は、画像処理動作の内容に対応して決められた暗証番号を入力する条件であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の画像処理方法。
- スキャンによって画像データを取得する手段と、
取得された前記画像データの内容を画面上に表示する手段と、
前記画像データの保存に対応する動作制限の解除条件を表示する手段と、
前記解除条件が満たされた場合に前記動作制限を解除する手段と、
前記動作制限が解除されたことによって、前記動作制限を解除する前に指定された保存先に、前記画像データの保存を実行する手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
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