JP3807149B2 - 船外機の潤滑構造 - Google Patents

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4サイクルエンジンのシリンダーブロック内部に形成されたオイル分配通路からシリンダーヘッドおよび他のオイル通路にオイルを供給するように構成された船外機の潤滑構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
4サイクルエンジンを搭載する船外機の多くは、略平板状に形成されたエンジンホルダーの上にエンジンが縦置き(クランク軸が直立する姿勢)に搭載され、エンジンホルダーの下方にオイルパンが設置され、エンジンホルダー等に設けられたオイルポンプがエンジンのカム軸やクランク軸により直接駆動されるように構成されている。
【0003】
オイルポンプが駆動されると、オイルパン内に貯溜されたオイルがオイルポンプに吸い上げられ、オイルフィルターに濾過されてメインオイルギャラリーに圧送され、ここからクランクジャーナル(クランク軸受)やコンロッド、シリンダー、ピストン等に供給される。
【0004】
クランクジャーナルに供給されたオイルの一部は、クランクジャーナルから延びるオイル分配通路(シリンダーブロック内部に形成される)を経てシリンダーヘッド側に流れ、シリンダーヘッド内に設けられたカムジャーナル(カム軸受)や動弁装置等を潤滑する。このようにエンジン内部の潤滑に供されたオイルは、エンジン下面に開口する多数のオイル戻り孔からオイルパンに戻される。
【0005】
また、4サイクルエンジンの場合、クランク軸の回転をチェーンやベルトでカム軸に伝達しているが、チェーン伝達による場合、チェーン伝達機構がエンジンの下面側に設けられ、エンジン潤滑後のオイルによりチェーンやスプロケットが潤滑される。さらに、このチェーン伝達機構に併設されるチェーンテンショナーが油圧作動式の場合は、前記オイル分配通路から分岐するテンショナーオイル通路によりチェーンテンショナーのテンションアジャスターにオイルが供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような船外機の縦置きエンジンにおいて、前述のようなオイル分配通路をシリンダーブロックの内部に形成しようとすると、エンジン内部レイアウトの都合により様々な制約を受ける。
【0007】
即ち、シリンダーブロックの内部には複数のシリンダーやその周囲を取り巻くウォータージャケット等が形成されているが、これらシリンダーやウォータージャケット、あるいは前記チェーン伝達機構等に干渉しないようにオイル分配通路を位置付ける必要がある。しかも、オイル分配通路の形成によりシリンダーブロックに駄肉が付きやすく、これに起因してエンジン重量やエンジン幅が増大してしまう懸念もある。
【0008】
また、オイル分配通路自体や、オイル分配通路から分岐する他のオイル通路は、ドリル加工等の機械加工により形成されるが、その加工には高い工作精度が要求され、エンジンの製造コストを高める原因となっている。その上、鋳物であるシリンダーブロックの内部にオイル通路を機械加工すると、鋳造欠陥部(内部の細かい巣等)にオイル通路が連通し、オイル漏れや油圧低下等の不具合が起きる懸念がある。したがって、シリンダーブロックの鋳造時にオイル通路を同時に鋳抜き形成するのが望ましいが、オイル通路が長いと鋳抜くのが困難になるので、やはり機械加工に依存せざるを得ない。
【0009】
本発明に係る船外機の潤滑構造は、上記問題点を解決するべく発明されたものであり、その第1の目的は、エンジン内部レイアウトによる制約を受けることなく、またエンジン重量やエンジン幅を増大させることなくオイル分配通路を形成可能にすることにある。
【0010】
また、本発明に係る船外機の潤滑構造の第2の目的は、オイル分配通路およびオイル分配通路からオイル供給を受ける他のオイル通路を容易に形成可能にすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る船外機の潤滑構造は、請求項1に記載したように、4サイクルエンジンがそのクランク軸を直立させる姿勢で縦置きに搭載され、上記クランク軸の回転をカム軸に伝達するチェーン伝達機構が上記エンジンの下面側に設けられる一方、シリンダーブロックの内部にクランクジャーナルから分岐してシリンダーヘッドに通じるオイル分配通路が形成された船外機の潤滑構造において、上記オイル分配通路をエンジンの最下部のシリンダーと上記チェーン伝達機構の間の高さに形成すると共に、前記オイル分配通路の前記最下部のシリンダーに平行する区間を、シリンダー軸方向で最下部のシリンダーを形成する壁部と、前記チェーン伝達機構の直上部に位置する壁部との交点付近に形成したことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る船外機の潤滑構造は、請求項2に記載したように、請求項1の構成において前記シリンダーブロックの接合面および前記シリンダーヘッドの接合面の少なくとも一方にオイル溝を凹設し、このオイル溝に、前記オイル分配通路と、オイル分配通路からオイル供給を受ける他のオイル通路を連通させた。
【0014】
そして、本発明に係る船外機の潤滑構造は、請求項3に記載したように、請求項2の構成において前記他のオイル通路を前記オイル分配通路に対し平行に形成した。
【0015】
また、本発明に係る船外機の潤滑構造は、請求項4に記載したように、請求項1の構成において前記オイル分配通路の少なくとも一端を前記シリンダーブロックに鋳抜き形成した。
【0016】
請求項1のように船外機の潤滑構造を構成すれば、最下部のシリンダーやチェーン伝達機構の位置等による制約を受けることなくオイル分配通路をシリンダーブロックの内部に設けることができ、オイル分配通路の形成自由度が高まる。また、円筒形のシリンダー壁部と、平板状に形成されたチェーン伝達機構直上部の壁部との交点付近におけるデッドスペース的な位置に、オイル分配通路の前記最下部のシリンダーに沿う区間が形成されるので、エンジン重量やエンジン幅を増大させることなくオイル分配通路を形成することができる。
【0018】
さらに、請求項2のように構成した場合、シリンダーブロックとシリンダーヘッドが接合されると、シリンダーブロックの接合面またはシリンダーヘッドの接合面の少なくとも一方に形成されたオイル溝が閉塞されて管状の通路となり、このオイル溝に連通するオイル分配通路と他のオイル通路が互いに連通する。これにより、他のオイル通路の形状を直線化してその形成を容易にすることができる。また、オイル溝自体はシリンダーブロックやシリンダーヘッドの鋳造時に鋳抜き形成することができ、機械加工により形成する必要がないので、容易に設けることができる。
【0019】
そして、請求項3のように、オイル分配通路に平行して他のオイル通路を形成すれば、オイル分配通路と他のオイル通路を機械加工により形成する場合における加工性が向上し、オイル分配通路と他のオイル通路の形成が容易になる。
【0020】
また、請求項4のようにオイル分配通路の少なくとも一端を鋳抜き形成すれば、オイル分配通路の残る区間を機械加工により形成したとしても、その加工長さを短縮することができ、その分だけオイル分配通路の形成が容易になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る船外機の一例を示す左側面図である。
【0022】
この船外機1の最上部に搭載されているエンジン2は、例えば直列3気筒の4サイクルエンジンであり、そのクランク軸3が直立するように縦置きに、略平板状のエンジンホルダー4の上に固定されている。また、エンジンホルダー4の下面にはオイルパン5が固定され、オイルパン5の下部にドライブハウジング6とギヤハウジング7が順に固定されている。
【0023】
エンジン2は、クランクケース9とシリンダーブロック10とシリンダーヘッド11とヘッドカバー12が前方から順に配列されて形作られ、このエンジン2全体とエンジンホルダー4とオイルパン5の部分がエンジンカバー13(図1参照)に覆われて防水されている。
【0024】
エンジン2のクランク軸3下端にはドライブ軸15が回転一体に連結され、このドライブ軸15は下方に延びてエンジンホルダー4とオイルパン5とドライブハウジング6の内部を縦貫し、ギヤハウジング7内に達する。ギヤハウジング7内にはプロペラ軸16が水平(前後)方向に軸支され、その後端にスクリュープロペラ17が回転一体に設けられている。
【0025】
ドライブ軸15がプロペラ軸16に交わる部分にはベベルギヤ機構18とクラッチシフター19が設けられ、ドライブ軸15の回転はベベルギヤ機構18を介してプロペラ軸16に伝達され、スクリュープロペラ17が回転して推進力が発生する。また、クラッチシフター19により、常に一定方向に回転するドライブ軸15の回転が正逆方向に切り換えられてプロペラ軸16に伝達され、船外機1(船体)の前進、後進が選定される。
【0026】
上記のように構成された船外機1の本体の前部には、船舶の船尾板に固定されるクランプブラケット21が設けられる。クランプブラケット21にはチルト軸22を介してスイベルブラケット23が設けられ、このスイベルブラケット23内に鉛直に、かつ回動自在に軸支された操舵軸24の上端と下端に、それぞれアッパーマウントブラケット(ステアリングブラケット)25とロアーマウントブラケット26が回動一体に設けられている。
【0027】
そして、エンジンホルダー4の前縁付近に設けられた左右一対のアッパーマウントユニット27がアッパーマウントブラケット25に連結され、ドライブハウジング6の左右両側に設けられた一対のロアーマウントユニット28がロアーマウントブラケット26に連結される。これにより、船外機1の本体は、クランプブラケット21に対し、操舵軸24を中心に左右に回動(操舵)可能であるとともに、チルト軸22を中心に上方にチルトアップすることができる。
【0028】
図2は、エンジン2の下部とエンジンホルダー4とオイルパン5を拡大した左側面図であり、図3は図2のIII−III線に沿うエンジン2の横断面図である。また、図4は図2のIV−IV矢視によるエンジン2の下面図であり、図5は図1のV−V矢視によるシリンダーブロック10の後面図である。
【0029】
図3に示すように、シリンダーブロック10の前側にクランクケース9が複数の固定ボルト31で接合固定され、シリンダーブロック10の後側の接合面10aにシリンダーヘッド11の接合面11aが接合されて複数の固定ボルト32で固定される。そして、クランクケース9とシリンダーブロック10の間に形成される複数(ここでは上下方向に4箇所)のクランクジャーナルに33よりクランク軸3が回転自在に支持され、シリンダーヘッド11の内部に複数形成されたカムジャーナル34にカム軸35が軸支される。カム軸35により、シリンダーヘッド11に内蔵された図示しない動弁装置が駆動される。
【0030】
図4に示すように、エンジン2の下面側にはチェーン伝達機構37が設けられている。このチェーン伝達機構37は、クランク軸3の回転を2分の1に減速してカム軸35に伝達する機構であり、クランク軸3の下端に回転一体に設けられたドライブスプロケット38と、カム軸35の下端に回転一体に設けられたドリブンスプロケット39と、これら2つのスプロケット38,39の周囲に巻装されたタイミングチェーン40と、このタイミングチェーン40のテンションを適正に調整するチェーンテンショナー41およびテンションアジャスター42と、タイミングチェーン40の走行を安定させるチェーンガイド43とを備えて構成されている。
【0031】
チェーンテンショナー41は弓状に湾曲した形状であり、その一端がピボットボルト44でクランクケース9の下面に回動自在に軸支され、自由端側がテンションアジャスター42によりタイミングチェーン40の緩み側のチェーンラインの外側に押圧される。また、チェーンガイド43はタイミングチェーン40の張り側のチェーンラインの外側に沿うように設けられる。
【0032】
シリンダーブロック10の最下部右側には下方に開口するアジャスターボックス46(図3〜図5参照)が形成され、このアジャスターボックス46の下面開口部を液密に閉塞するようにテンションアジャスター42が2本のボルト47で固定される。アジャスターボックス46内には後述するオイルポンプ55から吐出されるオイルが供給され、その油圧によりテンションアジャスター42から押圧子48が延び出し、チェーンテンショナー41の自由端側を押圧する。これにより、チェーンテンショナー41がタイミングチェーン40の緩み側のチェーンラインに圧接され、タイミングチェーン40の緩みが吸収される。
【0033】
一方、図5に示すように、シリンダーブロック10の内部には3本の水平なシリンダー#1,#2,#3が縦1列に形成されており、その周囲に冷却水循環用のウォータージャケット51が形成されている。シリンダー#1,#2,#3の左方には排気通路52が縦長に形成され、その周囲にもウォータージャケット53が形成されている(図3も参照)。なお、図4に示すように排気通路52はエンジン2の下面に開口し、さらにエンジンホルダー4やドライブハウジング6に形成された排気通路(非図示)に整合する。
【0034】
各シリンダー#1,#2,#3内には図示しないピストンが挿入され、ピストンはコンロッド(非図示)を介してクランク軸3のクランクピン3a(図1参照)に連結され、各シリンダー#1,#2,#3内におけるピストンの往復運動がクランク軸3の回転運動に変換される。
【0035】
他方、図1および図2に示すように、エンジンホルダー4の後部にはオイルポンプ55が設けられている。このオイルポンプ55の主軸56は上方に延びてエンジン2のカム軸35下端に回転一体に嵌合されているので、エンジン2の作動とともにオイルポンプ55がカム軸35に駆動される。
【0036】
オイルポンプ55の吸入側からはオイルストレーナー57が延びてオイルパン5の底部まで垂下している。また、オイルポンプ55の吐出側から延びるオイル吐出通路58がエンジンホルダー4の内部とシリンダーブロック10およびクランクケース9の内部を通って前方に延び、クランクケース9の下部前面に設けられたオイルフィルター室59に繋がる(図3、図4も参照)。オイルフィルター室59にはオイルフィルター60(図1、図2参照)が取着される。
【0037】
図3に示すように、オイルフィルター室59の出口部からはフィルターオイル通路61が水平に延び、その他端がメインオイルギャラリー62に繋がっている。メインオイルギャラリー62は、図4にも示すように、クランクケース9の外面(前面)に沿って縦方向に長く形成されている。
【0038】
また、メインオイルギャラリー62から水平に延びるクランクオイル通路64がクランクジャーナル33に繋がる。クランクオイル通路64はメインオイルギャラリー62の長手方向に沿って上下4本形成され、それぞれが4つのクランクジャーナル33に対応する。
【0039】
さらに、最下部のクランクジャーナル33から1本のオイル分配通路65が分岐している。このオイル分配通路65はシリンダーブロック10の内部を通り、その他端がシリンダーブロック10の後面、即ちシリンダーヘッド11との接合面10aに開口する(図5、図7、図8参照)。図7に示すように、オイル分配通路65は、クランクジャーナル33から斜めに側方(右方)へ延びる斜行区間65aと、エンジン2のシリンダー軸線Cに平行する平行区間65bとからなる。斜行区間65aと、平行区間65bの後半部分は、シリンダーブロック10の鋳造時に鋳抜き形成され、平行区間65bの前半部分は、平行区間65bの後半部分側からドリル加工等の機械加工を行って形成される。
【0040】
図6に示すように、オイル分配通路65は、最下部のシリンダー#3とチェーン伝達機構37の間の高さに形成されており、その平行区間65bが、最下シリンダー#3を形成する壁部66と、チェーン伝達機構37の直上部に位置する壁部67との交点付近に形成されてシリンダー#3の軸心Cの右斜め下方に位置し、かつシリンダー#3に平行している。
【0041】
一方、図3、図5および図7、図8に拡大して示すように、シリンダーブロック10の接合面10aにはオイル溝70が凹設されている。このオイル溝70の一端にはオイル分配通路65の開口部が連通し、オイル溝70の他端にはテンショナーオイル通路71の開口部が連通する。テンショナーオイル通路71は、特許請求の範囲の請求項3に記載した『他のオイル通路』に該当するオイル通路であり、オイル分配通路65に対し平行になるようにドリル加工等で形成され、前述したアジャスターボックス46に連通している。
【0042】
図3に示すように、シリンダーブロック10の接合面10aにはシリンダーヘッド11の接合面11aが液密に接合されるので、接合面10aに形成されたオイル溝70が接合面11aに閉塞されて管状の通路となる。そして、オイル分配通路65とテンショナーオイル通路71が、オイル溝70に中継されて互いに連通する。なお、オイル溝70の途中にはシリンダーヘッド11をシリンダーブロック10に締結する固定ボルト32の通し孔72が交差しているが、この通し孔72の外端部の内径はオイル溝70の断面積を減少させないよう充分大きく設定されている。
【0043】
また、シリンダーヘッド11の内部にはヘッドオイル通路74が形成されている(図3参照)。このヘッドオイル通路74の一端は接合面11aに開口してシリンダーブロック10のオイル分配通路65(オイル溝70)に整合し、ヘッドオイル通路74の他端はカムジャーナル34に繋がる。なお、オイル溝70をシリンダーヘッド11の接合面11a側に形成し、ここにヘッドオイル通路74を連通させたり、シリンダーブロック10とシリンダーヘッド11の両方の接合面10a,11aにオイル溝70を形成して互いを整合させる等してもよい。
【0044】
エンジン2が作動してオイルポンプ55が駆動されると、オイルパン5内に貯溜されたオイルがオイルストレーナー57を経てオイルポンプ55に吸入され、オイルポンプ55から吐出されたオイルはオイル吐出通路58を経てオイルフィルター室59に入り、オイルフィルター60により濾過される。
【0045】
濾過されたオイルは、フィルターオイル通路61とメインオイルギャラリー62とクランクオイル通路64を経て各クランクジャーナル33に供給され、クランクジャーナル33を潤滑した後、クランク軸3の内部に形成された軸内オイル通路75とオイル分配通路65とヘッドオイル通路74を経てカムジャーナル34に供給され、カムジャーナル34を潤滑する。
【0046】
また、オイル分配通路65からオイル溝70とテンショナーオイル通路71を経てアジャスターボックス46内にオイルが導かれ、その油圧により前述の如くテンションアジャスター42が作動する。
【0047】
さらに、クランクジャーナル33を潤滑したオイルの一部は、図示しないコンロッド大端部の潤滑に供され、さらにその一部がシリンダー#1〜#3やピストン(非図示)の内面、コンロッド小端部等に吹き付けられて潤滑および冷却を行う。
【0048】
このように、エンジン2の内部潤滑および冷却に供されたオイルは、重力に従いエンジン2の内部を下方に落下し、エンジン2の下面に開口する多数のオイル戻り孔76(図3、図4参照)を抜け、さらにエンジンホルダー4に形成された多数のオイル通し孔(非図示)通ってオイルパン5に戻る。
【0049】
船外機1の潤滑構造は以上のようになっている。この潤滑構造では、シリンダーブロック10の内部に形成されるオイル分配通路65が、最下シリンダー#3とチェーン伝達機構37の間の高さに形成されているため、最下シリンダー#3やその周囲のウォータージャケット51、あるいはチェーン伝達機構37の位置等による制約を受けることなくオイル分配通路65を形成することができ、オイル分配通路65の形成自由度が非常に高められている。なお、この実施形態ではオイル吐出通路58の下流側区間も最下シリンダー#3とチェーン伝達機構37の間の高さに形成されており、オイル吐出通路58の形成自由度も同様に高められている。
【0050】
また、オイル分配通路65の平行区間65bが、最下シリンダー#3を形成する壁部66とチェーン伝達機構37の直上部に位置する壁部67との交点付近に形成されているので、円筒形の壁部66と平板状の壁部67との交点付近における楔形断面状のデッドスペース的な位置に平行区間65bが位置し、これによりエンジン重量やエンジン幅を増大させることなくオイル分配通路65を形成することができる。
【0051】
一方、シリンダーブロック10の接合面10aに凹設したオイル溝70によってオイル分配通路65(平行区間65b)とテンショナーオイル通路71を連通させる構造となっているので、テンショナーオイル通路71をごく単純な直線通路状に形成し、その加工を容易にすることができる。しかも、テンショナーオイル通路71がオイル分配通路65に対し平行に形成されているので、テンショナーオイル通路71をドリル加工等の機械加工により形成する場合には、オイル分配通路65(平行区間65bの前半部分)の機械加工と同時に加工することができ、この点でもテンショナーオイル通路71の形成が容易である。また、オイル溝70自体は、機械加工に依存することなく、シリンダーブロック10の鋳造時に鋳抜き形成が可能なので、極めて容易に設けることができる。
【0052】
さらに、オイル分配通路65の斜行区間65aと、平行区間65bの後半部分が、シリンダーブロック10の鋳造と同時に鋳抜き形成されるので、機械加工に依存するのは平行区間65bの前半部分の短い長さのみであり、このようにオイル分配通路65が機械加工される長さが短いので、オイル分配通路65の形成が容易であり、しかも機械加工区間がシリンダーブロック10内部の鋳造欠陥部に連通してオイル漏れや油圧低下等の不具合が起きる確率も低くなる。なお、このようにオイル分配通路65の両端を鋳抜き形成するのが理想的だが、オイル分配通路65の一端のみを鋳抜き形成しても効果がある。
【0053】
また、この実施形態ではアジャスターボックス46とテンショナーオイル通路71がシリンダーブロック10側に形成されているが、両者46,71をシリンダーヘッド11側に形成してもよい。また、この実施形態ではテンショナーオイル通路71がオイル分配通路65からオイル供給を受けるオイル通路の一例として挙げられているが、他のオイル通路をオイル溝70に連通させてオイル分配通路65からオイルを供給してもよい。さらに、オイル溝70に連通させるオイル通路は1本のみに限定されず、複数のオイル通路をオイル溝70に連通させてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る船外機の潤滑構造によれば、エンジン内部レイアウトによる制約を受けることなく、またエンジン重量やエンジン幅を増大させることなくオイル分配通路を形成可能にするとともに、オイル分配通路およびオイル分配通路からオイル供給を受ける他のオイル通路を容易に形成可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船外機の一例を示す左側面図。
【図2】エンジンの下部とエンジンホルダーとオイルパンを拡大した左側面図。
【図3】図2のIII−III線に沿うエンジンの横断面図。
【図4】図2のIV−IV矢視によるエンジンの下面図。
【図5】図1のV−V矢視によるシリンダーブロックの後面図。
【図6】図3のVI−VI線に沿う縦断面により本発明の一実施形態を示す図。
【図7】オイル分配通路、オイル溝、アジャスターボックス、テンショナーオイル通路等の拡大図。
【図8】図5のVIII部拡大図。
【符号の説明】
1 船外機
2 エンジン
3 クランク軸
4 エンジンホルダー
5 オイルパン
9 クランクケース
10 シリンダーブロック
10a シリンダーブロックの接合面
11 シリンダーヘッド
11a シリンダーヘッドの接合面
33 クランクジャーナル
35 カム軸
37 チェーン伝達機構
55 オイルポンプ
62 メインオイルギャラリー
65 オイル分配通路
65a オイル分配通路の斜行区間
65b オイル分配通路の平行区間
66,67 壁部
70 オイル溝
71 オイル分配通路からオイル供給を受けるテンショナーオイル通路
#3 最下部のシリンダー

Claims (4)

  1. 4サイクルエンジンがそのクランク軸を直立させる姿勢で縦置きに搭載され、上記クランク軸の回転をカム軸に伝達するチェーン伝達機構が上記エンジンの下面側に設けられる一方、シリンダーブロックの内部にクランクジャーナルから分岐してシリンダーヘッドに通じるオイル分配通路が形成された船外機の潤滑構造において、上記オイル分配通路をエンジンの最下部のシリンダーと上記チェーン伝達機構の間の高さに形成すると共に、前記オイル分配通路の前記最下部のシリンダーに平行する区間を、シリンダー軸方向で最下部のシリンダーを形成する壁部と、前記チェーン伝達機構の直上部に位置する壁部との交点付近に形成したことを特徴とする船外機の潤滑構造。
  2. 前記シリンダーブロックの接合面および前記シリンダーヘッドの接合面の少なくとも一方にオイル溝を凹設し、このオイル溝に、前記オイル分配通路と、オイル分配通路からオイル供給を受ける他のオイル通路を連通させた請求項1に記載の船外機の潤滑構造。
  3. 前記他のオイル通路を前記オイル分配通路に対し平行に形成した請求項2に記載の船外機の潤滑構造。
  4. 前記オイル分配通路の少なくとも一端を前記シリンダーブロックに鋳抜き形成した請求項1に記載の船外機の潤滑構造。
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