JP3806943B2 - ステッピングモータ、これを用いた印字装置又は紙送り装置、並びにプリンタ - Google Patents

ステッピングモータ、これを用いた印字装置又は紙送り装置、並びにプリンタ Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、振動及び騒音が低減されるステッピングモータ、及びこれを用いた印字装置又は紙送り装置並びにプリンタに関する。
背景技術
近年、入力された電気パルスに対応して機械角度を出力するステッピングモータは、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ等の複写機の紙送りやヘッド駆動、ドラム駆動等の動力として多用されている。
特に、高トルク、高精度が要求される機器には、モータを励磁せずとも永久磁石によって磁束が形成されるハイブリッド型ステッピングモータの採用が顕著である。これは、この種のステッピングモータによると、小型にして高トルクを出力する動力が康価に得られ、更に、高速、位置センサ/エンコーダが不要であることから、制御が容易であるという利点が歓迎されているためである。
例えば、図29に示すのは、ステッピングモータの固定子及び回転子の基本的な構成を示す断面図である。このステッピングモータは、複数の固定子極21を有する固定子2と、これらの固定子極21に対して隙間を介して配置した回転子3とを備え、回転子3に一定のピッチで回転子極歯31を設けるとともに、各固定子極21に回転子極31と対向する固定子極歯22を設けており、各固定子極21に配置した固定子コイル4をそれぞれ励磁することによって、出力軸5にトルクが生じるように構成されている。
また、近年では、機器の高速化及び高精度化に伴い、ステッピングモータ特有のディテントトルクに起因するモータ駆動時の振動や騒音が問題となっており、これらを如何に低減するかが重要な課題となっている。
その対策としては、従来より、固定子極歯のピッチを回転子極歯のピッチと異なるように設定することによって、ディテントトルクに含まれる高調波を低減する方法が採用されている。
一般に、回転子極歯のピッチをPR、固定子極歯のピッチをPS、固定子極歯の個数をmとするとき、
PS=PR{1±1/(m・ν)}
の関係にあると、ν次を含む複数の高調波が低減されることが知られており、このような構成は、例えば、特公平6−14779号等に開示されたステッピングモータにも採用されている。
これは、回転子極歯のピッチPRに対して、固定子極歯のピッチPSが
{PR/(m・ν)}
だけ狭く又は広くなるようにずらしてやると、各固定子極歯毎に生じるディテントトルクの位相が適宜ずれることによって、特定の高調波同士が打ち消し合うという構成である。
例えば図30は、従来のステッピングモータにおける回転子極歯31のピッチP1と、固定子極歯22のピッチP2とを示す説明図である。
同図の場合、一つの固定子極21には6個の固定子極歯22が設けられており、固定子極歯22のピッチPSは、3次高調波を低減するべく、回転子極歯31のピッチPRよりも(PR/18)だけ狭く(又は広く)なるように設定されている。また、この構成によって低減される高調波は、3次高調波のみならず、3の倍数次すなわち6,9,12次高調波等である。
実際に、図30に示すような固定子極6個を有する固定子と、回転子極歯38個の回転子とを用いて三相モータを構成し、そのディテントトルク特性を測定したところ、図31に示すような結果が得られた。
更に、このような測定を、複数個のモータを試作して繰り返し、それらのディテントトルク特性について高調波の次数を周波数解析したところ、図32に示すような結果が得られた。
また、これに対して、固定子極歯のピッチが回転子極歯のピッチと同じ固定子を用いて同様に構成及び周波数解析したところ、図33及び図34に示すような結果が得られた。
そして、これらの結果を比較すると、固定子極歯のピッチを図30に示すように設定したものでは、6次高調波や12次高調波が顕著に低減されていることが確認された。
尚、これらの図において、1次、2次高調波のばらつきは、固定子及び回転子の寸法誤差や回転軸の偏心等に起因するものと考えられる。
ところで、前述したようなステッピングモータにあっては、各次数の高調波の振幅がそれぞれ0gcmに近いほど振動や騒音が少ないとされる。
また、位相が異なる固定子極毎に生じる高調波は、互いに弱めあったり強めあったりするので、特に問題となるディテントトルクの次数は、その相数や固定子極数によって決まるとされている。
この点、三相モータであれば、4次高調波は三相構造のレイアウトによりキャンセルされてしまうので、特に問題となるのは6次高調波であるとされており、前述したような固定子極歯のピッチの設定は、このような条件に対応してなされている。
しかしながら、実際には、このような構成によって十分な静粛性を実現するのは非常に困難であった。
すなわち、相間や固定子極間のレイアウトによる効果を得ようとする場合は、モータの部品製造や組み立て工程における精度の制約が極めて厳密になり、結果的に、僅かな寸法誤差により十分な効果が得られなくなってしまうためである。
これは、図31乃至図34において、理論上6次高調波よりも問題とされないはずの4次高調波等が大きく現れていることからも確認される。
そこで発明は、以上の問題点に鑑みて、ディテントトルクの高調波を効率よく低減し、より静かで滑らかな回転が得られるステッピングモータを提供することを目的としている。
ところで、前述したように、ステッピングモータの駆動時にあっては、ディテントトルクを低減若しくは消去することにより、不要な振動及び騒音を低減するようにしている。
このディテントトルクとは、すなわち回転子に永久磁石等を設けることによって、固定子コイル等を励磁しなくとも回転子を一定の位置に保持しようとするトルクであって、所謂スティフネス特性で示されるような静止トルクとは区別される。
図29に示す固定子2及び回転子3の場合、回転子3の要所には永久磁石が配置されており、ディテントトルクは、固定子極21の各固定子極歯22と回転子3の回転子極歯31の間に存在し、モータ全体としては、各極歯間に存在するディテントトルクを合成したものとなる。すなわち、周方向に対して位相が異なる固定子極歯22と回転子極歯31との間で生じるディテントトルクが、互いに打ち消し合うように構成されている。
前述したディテントトルクは、一つの固定子極歯においては、回転子極歯のピッチと同じ周期の正弦波形で表されるものの、実際には、更にその高調波成分を含むので、図35に示すように、歪が存在する複雑な波形をしたものとなっている。
このような高調波成分は、回転子の滑らかな回転を妨害するので、これが、モータ駆動時の不要な振動や騒音の原因となっている。
とりわけ従来では、特開平9−308213号に開示されているように、各極歯のピッチを適宜設定することにより、対になる固定子極歯同士で特定の高調波同士を打ち消し合うように構成されたものもあるが、この場合は、固定子に対する回転子の偏心や倒れ等による磁気的アンバランスの影響を受けやすいので、十分とはいえなかった。
すなわち、固定子極歯と回転子極歯との空隙長は通常数十μmと非常に狭いため、そのような打ち消し合いは、回転子の偏心や倒れ等によると、双方の極歯における高調波の大きさに差異が生じることによって、不完全になってしまう。
また、リラクタンスモータ極形状とトルク特性:電気学会回転機研究会RM−95−55には、ステータの歯幅よりロータの歯幅が狭い場合と広い場合のインダクタンス分布を比較して、それら2つの中間を取るように見ると、インダクタンスの空間分布が非常に正弦波に近くなる場合があることから、歯幅の違うロータを積層したものを考えることもできるとの記載があるが、これは、その構成が明確でないことから、実用には程遠く、更に、前述したような回転子の偏心や倒れ等による不都合を解決し得るものでもなかった。
そこで本発明は、以上の問題点を考慮し、ディテントトルクによる不要な振動及び騒音を低減することができるステッピングモータを提供することを目的としている。
ところで、図36は、従来の二相ハイブリッド型ステッピングモータの極歯の配置を示す展開図である。固定子極21には6つの極歯が配置され、そのピッチはいずれも等しく4θs(但し、θsは基本ステップ角)である。しかしステッピングモータは、その動作原理から振動・騒音を伴う。永久磁石起磁力により、回転子の回転角に対し周期的に発生するディテントトルクを有するからである。そのため、振動・騒音を低減することを目的に、モータを構成する部品の精度や、その部品を組立てる精度を向上する技術が考えられてきた。また、ディテントトルクの高調波成分を低減するために、固定子極の極歯のピッチをずらす工夫もなされてきた。
図37は従来のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、極歯のピッチをずらした場合の、極歯の位置関係を示す展開図である。図37のモータの極歯は、固定子極21の6つの極歯22を等ピッチに配置した位置から、2つの極歯22c,22dはずらさず、2つの極歯22a,22bを進み方向にずらし、2つの極歯22e,22fを遅れ方向にずらして形成してある。尚、図37において進み方向は右方向とする。
この場合のトルクの各次数成分を示したグラフを、図38に示す。図38は、図37のように歯をずらしたモータにおいて、極歯のずれと、本モータのトルクの各次数成分の関係を示している。但し、等ピッチに配置した位置から極歯をずらす量(機械角)をα、ずれピッチdt、基本ステップ角θsで表すと、下記(1)式の関係がある。
α=dt・4θs ・・・(1)
また、トルクのν次成分T(ν)は次式により得た。
Figure 0003806943
但し、kνはν次の高調波係数、θmは極歯の位置を表す電気角、nは各固定子極の極歯の数であり、ここではn=6である。dtはずれピッチであり、簡単のためνに関係のない諸々の係数は全て1とした。
図38より以下の内容がわかる。トルクの高調波成分はdpとともに振動的に増減する。そのため、適当なdpの値を選択することにより、どの歯もずらさない場合に比べ、トルクの高調波成分を減少させることができる。特にモータ全体としてみれば、原理的にディテントトルクとなって現れる成分は、2PKe次(但し、Pはステッピングモータの相数、Keは正の整数)の高調波成分であり、それ以外の成分は打ち消し合い現れない。したがって二相モータにおいては、dp=0.063、0.083、0.167、0.188のいずれかに設定すれば、4次成分をゼロにでき、ディテントトルクを低減できる。ところが、主トルクとなる基本波(1次)成分は、dpの増加とともに減少する。したがって、dpはなるべく小さな値を選ぶのがよい。すなわち、4次成分をゼロにするにはdp=0.063がよい。しかしこの場合でも、基本波成分は88%まで低下する。但し、ここでは材料の非線形性は考慮していない。
更にこの現象を、材料の非線形性まで考慮して解析した図39で説明する。図39は、コンピュータを用いてモータの固定子極21aと、回転子極歯31について、磁束の流れを解析したものである。図39は固定子極の極歯22を等ピッチに配置したモータの例で、(a)は回転子の極歯31と固定子の極歯22の中心が一致し極歯同士が対向した場合、(b)はそこから回転子が1/2ピッチ回転し極歯同士が対向しない場合、をそれぞれ表す。ここでモータの主トルクは、磁石から出た磁束のうち固定子巻線に鎖交する有効磁束に比例する。また有効磁束は(a)の極歯同士が対向する場合の磁束と、(b)の極歯同士が対向しない場合の磁束の差で表される。したがって、(a)と(b)の磁束の差が大きいほど、モータの主トルクも大きい。
次に、図37で示すように極歯をずらしたモータの例を図40に示す。図39と同様に、(a)は回転子の極歯31と固定子のずらさない極歯22dの中心が一致し極歯同士が対向した場合、(b)はそこから回転子が1/2ピッチ回転し極歯同士が対向しない場合、をそれぞれ表す。図40ではピッチをずらした極歯の影響により、(a)では磁束が流れ難く、(b)では磁束が流れ易くなっている。その結果、極歯を等ピッチに配置したモータ(図39)に比べ、(a)と(b)の磁束の差が小さくなり、88%まで低下する。これが主トルクの減少を表している。
このようにディテントトルクを低減しようとすると、主トルクの低下も招いてしまい、実用上十分なトルクが得られないという問題があった。
そこで本発明は、固定子極に複数の極歯が備えられるステッピングモータにおいて、そのいずれかの極歯のピッチをずらし、ディテントトルクの高調波成分を効果的に低減させて動作時の振動・騒音を抑制すると同時に、トルクの基本波(1次)成分の低下を抑え、トルク性能の改善を可能とするハイブリッド型ステッピングモータを提供することを目的としている。
発明の開示
本願第1請求項に記載した発明は、複数の固定子極を有する固定子と、前記固定子極に対して隙間を介して配置した回転子とを備え、前記回転子に一定のピッチP1で回転子極歯を設けるとともに、前記固定子極に前記回転子極歯と対向する固定子極歯を設けたステッピングモータにおいて、
前記固定子極には、m個の前記固定子極歯からなる歯群をn組設け、
前記歯群内における前記固定子極歯のピッチP2は、
P2≠P1
の関係にあるとともに、前記歯群のピッチP3は、
P3≠m・P1
P3≠m・P2
の関係にある構成のステッピングモータである。但し、P1、P2及びP3は電気角、m及びnは2以上の整数である。
このように、本発明のステッピングモータは、歯群内における固定子極歯のピッチP2を回転子極歯のピッチP1と異ならせることによって高調波を低減するとともに、歯群のピッチP3によっても高調波を低減し、その結果、より多くの次数の高調波が低減されるように構成したものである。以下に、その考え方について説明する。
まず、固定子極の歯群内においては、固定子極歯のピッチP2が回転子極歯のピッチP1と異なることから、このずれに対応する次式の高調波が低減されることとなる。
更に、m個の固定子極歯からなる1組の歯群は、m個の回転子極歯に対応する1個の極歯と仮定することができる。従って、歯群のピッチP3がm個の回転子極歯のピッチm・P1と異なることから、このずれに対応する次数の高調波も低減されることとなる。
また、歯群のピッチP3が、歯群内における固定子極歯のピッチP2のm倍であると、固定子極歯のピッチが複数の歯群に亘って一定となり、歯群と歯群との境界が失われてしまうため、歯群のピッチP3は、歯群内における固定子極歯のピッチP2のm倍とは異なるようにしている。
このように、本発明のステッピングモータによると、一つの固定子極においてより多くの次数の高調波が低減されるので、高調波が効率よく低減されて、より静かで滑らかな回転が得られる。
更に、本願第1請求項に記載した発明は、
「ν=6、ν’=4」又は「ν=4、ν’=6」
「m=2」または「m=3」
の関係にある構成のステッピングモータである。
但し、ν及びν’は低減される4次又は6次高調波の次数、iはmの倍数でない正の整数、i’はnの倍数でない正の整数である。
一般に、回転子極歯のピッチPRと、固定子極歯のピッチPSとが、PS=PR{1±1/(m・ν)}の関係にあると、ν次を含む複数の高調波が低減されることが知られている。
また、各次高調波はそれぞれ所定の周期の正弦波で表されることから、このような固定子極歯のずれは、{PR/(m・ν)}のi倍(iはmの倍数でない正の整数)であってもよい訳である。
従って、本発明では、これに基づく構成を、請求項1の構成に概括した。
すなわち、歯群内における固定子極歯のピッチP2は、回転子極歯のピッチP1に対して、
P2=P1{1±i/(m・ν)}
の関係にあるので、ν次を含む複数の高調波が低減される。
また、歯群のピッチP3は、m個の回転子極歯のピッチm・P1に対して、
P3=m・P1{1±i’/(n・ν’)}
の関係にあると、ν’次を含む複数の高調波が低減されるのであるが、ここで、歯群で生じる高調波は、m個の固定子極歯毎に分解できることから、m個の回転子極歯に対する歯群のピッチのずれは、(1/m)であってもよい。
従って、この式は、
P3=m・P1{1±i’/(n・ν’・m)}
P3=P1(m±i’/n・ν’)
となる。
このように、本発明のステッピングモータによると、ν及びν’次を含む複数の高調波を低減することができる。
とりわけ、本請求項のように、4次及び6次高調波を低減する場合は、これらの式にν=4、ν’=6、又は、ν=6、ν’=4を代入することによって、歯群内における固定子極歯のピッチP2及び歯群のピッチP3が設定される。
尚、この際、i及びi’の値は、任意に設定される。
これにより、4次高調波と6次高調波を同時にゼロにすることが可能となる。
すなわち、従来のステッピングモータ、例えば特開平9−37537号公報に記載されているステッピングモータのように、nが3以上の整数であってmが4以上の偶数のとき、前記n個の固定子磁極に夫々m個の固定子極歯を有し、該固定子極歯の第(m/2)番目と第[(m/2)+1]番目との極歯ピッチを(τ±θ0)とし、他の極歯ピッチをτとする場合に、
|(2π−τ)<π/12
とした技術を開示している。
ところが、この構成では、τをどのように選択しても4次高調波と6次高調波を同時にゼロにすることができない。
また、本願第2請求項に記載した発明は、複数の固定子極を有する固定子と、前記固定子極に対して隙間を介して配置した回転子とを備え、前記複数の固定子極に固定子極歯を設けるとともに、前記回転子に回転子極歯を設けたステッピングモータにおいて、前記回転子は、前記回転子極歯の位相が異なる2つの回転子鉄心部を有し、前記固定子及び前記一方の回転子鉄心部、並びに、前記固定子及び前記他方の回転子鉄心部は、前記回転子の回転軸方向に、前記固定子極歯と前記回転子極歯の一方又は双方の歯幅が異なる複数の層を有する構成のステッピングモータである。
このように、本発明のステッピングモータによると、回転子は、回転子極歯の位相が異なる2つの回転子鉄心部を有し、固定子及び一方の回転子鉄心部、並びに、固定子及び他方の回転子鉄心部は、前記回転子の回転軸方向に、前記固定子極歯と前記回転子極歯の一方又は双方の歯幅が異なる複数の層を有するので、一つの固定子極歯と一方の回転子鉄心部の回転子極歯、並びに、一つの固定子極歯と他方の回転子鉄心部の回転子極歯との間で生じるディテントトルクの波形が、各層におけるディテントトルクを合成することによってそれぞれ正弦波に近似されて、その結果、これらのディテントトルクが正確に打ち消し合うことによって、ディテントトルクによる不要な振動及び騒音が低減される。
特に、従来では、各極歯のピッチを適宜設定することにより、対になる固定子極歯同士で高調波を打ち消し合うように構成されたものもあるが、この場合は、固定子に対する回転子の偏心や倒れ等による磁気的アンバランスの影響を受けやすく、十分とはいえないのに対し、本発明では、このようなディテントトルクの波形が、各層におけるディテントトルクを合成することによって正弦波に近似されるので、固定子に対する回転子の偏心や倒れ等による磁気的アンバランスの影響が回避され、その結果、ディテントトルクの不要な増大が抑制される。
本願第請求項に記載した発明は、請求項において、前記歯幅が異なる複数の層は、少なくとも3つの層からなる構成のステッピングモータである。
このように、本発明のステッピングモータによると、歯幅が異なる複数の層は、少なくとも3つの層からなるので、一つの固定子極歯におけるディテントトルクが、より正弦波に近似される。
本願第請求項に記載した発明は、請求項において、前記回転子極歯の歯幅比は前記回転子の回転軸方向に亘って一様であるとともに、前記固定子及び前記回転子鉄心部は、前記固定子極歯の歯幅比と前記回転子極歯の歯幅比との平均が0.25〜0.29の層と、0.33〜0.35の層と、0.40〜0.42の層とを有する構成のステッピングモータである。
本発明のステッピングモータのように、回転子極歯の歯幅比は回転子の回転軸方向に亘って一様であるとともに、固定子及び回転子鉄心部は、固定子極歯の歯幅比と前記回転子極歯の歯幅比との平均が0.25〜0.29の層と、0.33〜0.35の層と、0.40〜0.42の層とを有すると、ディテントトルクに含まれる高調波成分の割合が、比較的小さくできることが実験によって確認された。すなわち、歯幅比をこれらの範囲で設定すると、高調波によるディテントトルクの波形の歪が確実に低減される。
本願第請求項に記載した発明は、請求項乃至のいずれかにおいて、前記固定子及び前記2つの回転鉄心部における前記歯幅が異なる複数の層は、前記回転子の回転軸方向に向って対称的に設けた構成のステッピングモータである。
このように、本発明のステッピングモータによると、固定子及び2つの回転子鉄心部における歯幅が異なる複数の層は、回転子の回転軸方向に向かって対称的に設けたので、回転子の支持の安定性が確保される。
すなわち、歯幅が異なる層を積層すると、モータ駆動時には各層毎に異なるトルクが生じるので、回転子の支持バランスが悪化する虞があるものの、本発明では、そのような事態が回避される。
更に、本願第請求項に記載した発明は、請求項乃至のいずれかにおいて、固定子極の極歯のうち少なくとも1つの極歯をずらして配置し、極歯のピッチを他と異ならせ、かつずらした極歯のうち少なくとも1つの極歯の先端を切り落として傾斜部分を形成し、極歯の形状を他の極歯と異ならせたステッピングモータである。
このように極歯の形状を設定すると、磁束の流れ易さをかえることでトルクの基本波(1次)成分を増加できる。その結果、ディテントトルクの高調波成分を効果的に低減させ、動作時の振動・騒音を抑制すると同時に、主トルクの減少を抑えるため、トルク性能を改善できる。
ここで、極歯の形状を異ならせると、空隙パーミアンスが変化するが、これに相当する分だけ歯幅を増加させることで、空隙パーミアンスを一定に保つことができる。しかし、形状を異ならせた極歯と形状を異ならせない極歯で歯元の幅が異なる。
そこで本願第請求項に記載した発明は、請求項において、ずらさない極歯の先端も切り落として傾斜部分を形成し、歯元の幅を全て同一に設定するステッピングモータである。
このように極歯の形状を設定しても、トルクの基本波(1次)成分を増加できる。その結果、動作時の振動・騒音を抑制すると同時に、トルク性能を改善できる。
本願のステッピングモータは、より静かで滑らかな回転が得られ、位置決め精度も向上するので、オフィス機器、とりわけプリンタの印字装置や紙送り装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、ステッピングモータを示す側面断面図である。
【図2】本発明の具体例に係り、回転子極歯及び固定子極歯を示す説明図である。
【図3】本発明の具体例に係り、回転子極歯及び固定子極歯を示す説明図である。
【図4】本発明の具体例に係り、ディテントトルクの測定結果を示す模式図である。
【図5】本発明の具体例に係り、高調波の次数を周波数解析した結果を示す模式図である。
【図6】本発明の具体例に係り、回転子極歯及び固定子極歯を示す説明図である。
【図7】本発明の具体例に係り、ディテントトルクの測定結果を示す模式図である。
【図8】本発明の具体例に係り、高調波の次数を周波数解析した結果を示す模式図である。
【図9】本発明の具体例に係り、回転子極歯及び固定子極歯を示す説明図である。
【図10】本発明の具体例に係り、ディテントトルクの測定結果を示す模式図である。
【図11】本発明の具体例に係り、高調波の次数を周波数解析した結果を示す模式図である。
【図12】本発明の具体例に係り、ステッピングモータを示す断面図である。
【図13】本発明の具体例に係り、(A)は第1の層における固定子および回転子を示す断面図であり、(B)は第2の層における固定子及び回転子を示す断面図であり、(C)は第3の層における固定子及び回転子を示す断面図である。
【図14】本発明の具体例に係り、一つの固定子極歯について、第1の層で生じるディテントトルク特性を示す図である。
【図15】本発明の具体例に係り、一つの固定子極歯について、第2の層で生じるディテントトルク特性を示す図である。
【図16】本発明の具体例に係り、一つの固定子極歯について、第3の層で生じるディテントトルク特性を示す図である。
【図17】本発明の具体例に係り、一つの固定子極歯と一方の回転子鉄心部の回転子極歯との間で生じるディテントトルク特性を示す図である。
【図18】本発明の具体例に係り、第1の層において、ディテントトルクに含まれる高調波成分の割合を示す図である。
【図19】本発明の具体例に係り、第2の層において、ディテントトルクに含まれる高調波の割合を示す図である。
【図20】本発明の具体例に係り、第3の層において、ディテントトルクに含まれる高調波成分の割合を示す図である。
【図21】本発明の具体例に係り、偏心に伴うステッピングモータ全体のディテントトルクの変化を示す図である。
【図22】本発明のモータの、極歯の相互位置関係と形状を示す展開図である。
【図23】本発明のモータの、磁束の流れを解析した図である。
【図24】本発明の他の具体例におけるモータの、極歯の相互位置関係と形状を示す展開図である。
【図25】本発明の他の具体例におけるモータの、極歯の相互位置関係と形状を示す展開図である。
【図26】本発明の他の具体例におけるモータの、磁束の流れを解析した図である。
【図27】本発明に係るステッピングモータをプリンタの印字ヘッド駆動に用いた状態を示す斜視図である。
【図28】本発明に係るステッピングモータをプリンタの紙送りローラ駆動に用いた状態を示す斜視図である。
【図29】従来例に係り、固定子及び回転子の基本的な構成を示す横断面図である。
【図30】従来例に係り、回転子極歯及び固定子極歯を示す説明図である。
【図31】従来例に係り、ディテントトルクの測定結果を示す模式図である。
【図32】従来例に係り、高調波の次数を周波数解析した結果を示す模式図である。
【図33】従来例に係り、ディテントトルクの測定結果を示す模式図である。
【図34】従来例に係り、高調波の次数を周波数解析した結果を示す模式図である。
【図35】従来例に係り、一つの固定子極歯と回転子極歯との間で生じるディテントトルク特性を示す図である。
【図36】従来のモータの極歯の相互位置関係と形状を示す展開図である。
【図37】従来の他のモータの、極歯の相互位置関係と形状を示す展開図である。
【図38】従来のモータの極歯のずれとトルクとの関係を示すグラフである。
【図39】従来のモータの磁束の流れを解析した図である。
【図40】従来の他のモータの磁束の流れを解析した図である。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明の具体例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本例のステッピングモータ1は、円筒状に形成されるとともに、その内側に所定の間隔で6個の固定子極21を有する固定子2と、固定子2の内部に配置された回転子3と、前記複数の固定子極21にそれぞれ配置された固定子コイル4と、回転子3の回転軸たる出力軸5と、回転子3の要所に配置された円盤状の永久磁石6とを備え、各固定子コイル4をそれぞれ励磁することによって、出力軸5にトルクが生じるように構成された三相モータである。図中の7は出力軸5の軸受け、8は固定子2及び軸受け7を保持するブラケットである
また、固定子極21の先端には、所定の間隔で固定子極歯22を設けており、回転子3の外周には、所定の間隔で回転子極歯31を設けている。尚、固定子極歯22及び回転子極歯31の基本的な構成については、前述した図29のものと共通するので、同一の符号を付して図面を省略する。
これらの図に示すように、本例の回転子3には、26個の回転子極歯31を一定のピッチP1で設けている。
また、各固定子極21には、それぞれ、2個の固定子極歯22からなる歯群23を2組設けており、各歯群23内における固定子極歯22のピッチP2は、P1(1−1/12)となるように設定しており、歯群23のピッチP3は、P1(2−1/8)となるように設定している。ここで、P1、P2及びP3は電気角である。
すなわち、4次高調波及び6次高調波を低減するべく、m=2、n=2、ν=6、ν’=4、及び、任意の値たるi=1、i’=1を前述した式に代入して、
P2=P1{1−1/(2×6)}
P2=P1(1−1/12)
が求められるとともに、
P3=P1{2−1/(2×4)}
P3=P1(2−1/8)
が求められる。また、
m・P2=P1(2−1/6)
であることから、
P3≠m・P2
が成立する。
尚、回転子極歯31のピッチP1、歯群23内における固定子極歯22のピッチP2、及び歯群23のピッチP3は、図2では、それらの凹凸に合せて示したが、或は図3に示すように、隣接する回転子極歯31、固定子極歯22、又は歯群23の中心から中心を示すようにしてもよい。
本例のステッピングモータ1のディテントトルク特性を測定したところ、図4に示すような結果が得られた。
更に、このような測定を、複数個のモータを試作して繰り返し、それらのディテントトルク特性について高調波の次数を周波数解析したところ、図5に示すような結果が得られた。
図3及び図4に示す本例の結果を、固定子極歯のピッチと回転子極歯のピッチが等しい従来の三相モータによる結果(図33及び図34参照)と比較すると、4次高調波、6次高調波、及びその他の高調波が顕著に低減されていることが確認された。
また、本例の結果を、固定子極歯のピッチをPS=PR{1±1/(m・ν)}の関係に基いて設定した従来の三相モータの結果(図31及び図32参照)と比較すると、特に4次高調波が顕著に低減されていることが確認された。
このように、本例のステッピングモータによると、一つの固定子極においてより多くの次数の高調波を低減することができるので、高調波が効率よく低減されて、より静かで滑らかな回転が得られる。
すなわち従来では、三相モータであれば、特に問題となるのは6次高調波であるとされており、固定子極歯のピッチの設定は、このような条件に対応してなされているものの、実際には、相間や固定子極間のレイアウトによる効果を得ようとする場合は、モータの部品製造や組み立て工程における精度の制約が極めて厳密になり、十分な静粛性を実現するのは非常に困難であったが、本例では、一つの固定子極において4次高調波と6次高調波とを低減するので、そのような問題を回避することができる。
次に、本発明の別具体例について、図6から図8を用いて説明する。
本例の場合、一定のピッチP1で38個の回転子極歯31を有する回転子3を用いるとともに、極歯固定子極21には、3個の固定子極歯22からなる歯群23を2組設けており、歯群23内における固定子極歯22のピッチP2と、歯群23のピッチP3を設定することによって、高調波を低減するように構成している。尚、その他の構成については、前述した具体例と同様であるので、共通する箇所には同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
本例では、4次高調波及び6次高調波を低減するべく、m=3、n=2、ν=4、ν’=6、及び任意の値たるi=1、i’=1を前述した式に代入して、
P2=P1{1−1/(3×4)}
P2=P1(1−1/12)
が求められるとともに、
P3=P1{3−1/(2×6)}
P3=P1(3−1/12)
が求められる。また、
m・P2=P1(3−1/4)
であることから、
P3≠m・P2
が成立する。
本例のものについてディテントトルク特性を測定したところ、図7に示すような結果が得られた。
更に、このような測定を、複数個のモータを試作して繰り返し、それらのディテントトルク特性について高調波の次数を周波数解析したところ、図8に示すような結果が得られた。
これらの図に示すように、本例の場合も4次高調波、6次高調波、及びその他の高調波が顕著に低減されていることが確認された。
更に、本発明の他の具体例について、図9から図11を用いて説明する。
本例のステッピングモータは、32個の回転子極歯31を有する回転子3と、6個の固定子極21を有する固定子2を用いた三相構造のものであり、各固定子極21には、それぞれ5個の固定子極歯22を設けている。
本例の場合、固定子極歯22のピッチPSは、回転子極歯31のピッチPRに対して、
PS=PR(1−1/10)
の関係で設定している。
すなわち、4次高調波と6次高調波を低減するには、
PS=PR{1±i/(m・4)}
且つ
PS=PR{1±i’/(m・6)}
の関係にあればよいので、これらの式にm=5、i=2、i’=3を代入することにより、前記の関係が求められる。
尚ここで、i及びi’は、5の倍数でない正の整数であって、
i/2=i’/3
の関係を満たすように設定している。
そして、本例のものについてディテントトルク特性を測定したところ、図10に示すような結果が得られた。
更に、このような測定を、複数個のモータを試作して繰り返し、それらのディテントトルク特性について高調波の次数を周波数解析したところ、図11に示すような結果が得られた。
図10及び図11に示す本例の結果を、固定子極歯のピッチと回転子極歯のピッチが等しい従来の三相モータによる結果(図33及び図34参照)と比較すると、4次高調波、6次高調波、及びその他の高調波が顕著に低減されていることが確認された。
また、本例の結果を、固定子極歯のピッチをPS=PR{1±1/(m・ν)}の関係に基づいて設定した従来の三相モータの結果(図31及び図32参照)と比較すると、特に4次高調波が顕著に低減されていることが確認された。
このように、本例の三相ステッピングモータによると、一つの固定子極において、4次高調波を低減できるとともに、6次高調波を低減できる。
次に、本発明の他の具体例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図12及び図13に示すように、本例のステッピングモータ1は、円筒状に形成されるとともに、前例のステッピングモータと同様に、その内側に所定の間隔で複数の固定子極21を有する固定子2と、固定子2の内部に配置された回転子3と、前記複数の固定子極21にそれぞれ配置された固定子コイル4と、回転子3の回転軸たる出力軸5と、回転子3の要所に配置された円盤状の永久磁石6とを備え、各固定子コイル4をそれぞれ励磁することによって、出力軸5にトルクが生じるように構成されている。図中の7は出力軸5の軸受け、8は固定子2及び軸受け7を保持するブラケットである。
また、各固定子極21の先端には、所定の間隔で固定子極歯22を設けており、回転子3の外周には、所定の間隔で回転子極歯31を設けている。尚、前述した図29と共通する点については、同一の符号を付して図面を省略する。
そして、本例の回転子3は、回転子極歯31の位相が異なる2つの回転子鉄心部3a,3bを有する。
更に、固定子2及び一方の回転子鉄心部3a、並びに、固定子2及び他方の回転子鉄心部3bは、それぞれ、回転子3の回転軸方向に、固定子極歯22の歯幅が異なる第1の層Aと、第2の層Bと、第3の層Cとを有する。
すなわち、回転子極歯31の歯幅を回転子3の回転軸方向に亘って一様に形成しているのに対し、固定子極歯22の歯幅は、第1の層Aでは回転子極歯31よりも大きく形成し、第2の層Bでは回転子極歯31とほぼ同じに形成し、第3の層Cでは回転子極歯31よりも小さく形成している。
一つの固定子極歯22と一方の回転子鉄心部3aの回転子極歯31の間において、又は、一つの固定子極歯22と他方の回転子鉄心部3bの回転子極歯31との間において、第1の層A、第2の層B、第3の層Cで生じるディテントトルクは、図14乃至図16に示すように、互いに異なる波形のものとなる。
従って、これらの間で生じるディテントトルクの波形は、第1の層A、第2の層B、及び第3の層Cで生じるディテントトルクの波形を合成したものであって、図17に示すように、これらの各層で生じるディテントトルクの波形より正弦波に近似したものとなる。
その結果、ステッピングモータ1全体としては、周方向に対して位相が異なる固定子極歯22と回転子極歯31との間で生じるディテントトルクが、互いに正確に打ち消し合い、モータ駆動時にあっては、ディテントトルクによる不要な振動及び騒音が低減される。
また本例では、固定子2及び2つの回転子鉄心部3a,3bにおいて、各層は、順次、第1の層A、第2の層B、第3の層C、第3の層C、第2の層B、第1の層Aとなるように設けている(図12参照)。尚、永久磁石6は、両回転子鉄心部3a,3bの間に介在している。
すなわち、2つの回転子鉄心部3a,3bには、歯幅が異なる複数の層を対称的に設けたので、回転子3の支持の安定性が確保される。
尚、各層にて異なる波形のディテントトルクが生じるという点では、前述したように固定子極歯22の歯幅を異ならせる他に、回転子極歯31の歯幅を異ならせるようにしてもよく、更には、これら双方の歯幅を異ならせるようにしてもよい。
また、各層の厚さは、本例では均等であるが、それぞれに生じるディテントトルクの波形や大きさに応じて適宜設定するようにしてもよい。
図18乃至図20は、一つの固定子極歯におけるディテントトルクに含まれる高調波成分の割合を示す図である。
本例では、固定子極歯22の歯幅比と回転子極歯31の歯幅比との平均は、第1の層Aでは0.25、第2の層Bでは0.33、第3の層では0.42となるように設定しており、ここで、各層において歯幅比の平均を変えることによって、ディテントトルクに含まれる2次高調波成分乃至4次高調波成分の割合を計測した。
尚、歯幅比とは、固定子極歯22又は回転子極歯31の歯幅をその極歯のピッチで割った値であって、回転子3の回転軸周囲において極歯の占める割合である。また、これらの歯幅やピッチは、回転子3の回転軸周囲に対する角度で表される。
すなわち、回転子極歯31の歯幅比は、回転子3の回転軸方向に亘って0.34である一方、固定子極歯22の歯幅比は、第1の層Aでは0.16、第2の層Bでは0.32、第3の層Cでは0.50であって、これらの図に示すのは、このような構成の固定子2及び回転子3について、固定子極歯22の歯幅比を変えることにより第1の層の歯幅比の平均を変えた場合(図18参照)、同じく第2の層の歯幅比の平均を変えた場合(図19参照)、同じく第3の歯幅比の平均を変えた場合(図20参照)における2次高調波成分乃至4次高調波成分の割合である。
これらの図に示すように、ディテントトルクに含まれる2次高調波成分乃至4次高調波成分の割合は、固定子極歯22の歯幅比と回転子極歯31の歯幅比との平均によって変化し、この歯幅比の平均が第1の層Aで0.25〜0.29、第2の層Bで0.33〜0.35、第3の層Cで0.40〜0.42であると、およそ10%以下であり、高調波の主成分を比較的小さくでき、ディテントトルクの波形の歪みを低減することができる。
また、回転子極歯31の歯幅比が回転子3の回転軸方向に亘って0.32の場合についても同様の測定を行ったところ、ディテントトルクに含まれる2次高調波成分乃至4次高調波成分の割合は、各層における固定子極歯22の歯幅比と回転子極歯31の歯幅比との平均が前記と同様に、第1の層Aで0.25〜0.29、第2の層Bで0.33〜0.35、第3の層Cで0.40〜0.42の範囲であると、およそ10%以下になることが確認された。
このように、ディテントトルクにおける高調波の影響は、このような範囲で歯幅比を設定することにより低減される。
また、図21は、出力軸5の偏心に伴うステッピングモータ1全体のディテントトルクの最大値変化を示す図である。
同図において、白点でプロットしたものは、各極歯のピッチを適宜設定することにより、心ずれが0mmの状態でディテントトルクの最大値が本例とほぼ同等になるように構成した従来のものを示す。その固定子極歯及び回転子極歯の歯幅は、固定子の回転軸方向に対して同一である
これらを比較すると、本例の場合は、心ずれに伴うディテントトルクの増大が低減されていることが確認される。
これは、従来の場合、対になる固定子極歯同士で高調波を打ち消し合う構成であるため、固定子に対する回転子の偏心や倒れ等による磁気的アンバランスの影響を受けやすいのに対し、本例の場合、一つの固定子極歯22と回転子鉄心部3a(又は3b)の回転子極歯31との間で生じるディテントトルクの波形を、各層におけるディテントトルクを合成することによって正弦波に近似するので、固定子2に対する回転子3の偏心や倒れ等による磁気的アンバランスの影響が回避されるためである。
尚、高調波をより効率よく低減する点では、固定子極歯22と回転子極歯31の一方又は双方の歯幅が異なる層を設けたうえ、更に、固定子極歯22のピッチを適宜設定するように構成してもよい。
以上説明したように、本例のステッピングモータによると、回転子は、回転子極歯の位相が異なる2つの回転子鉄心部を有し、固定子及び一方の回転子鉄心部、並びに、固定子及び他方の回転子鉄心部は、前記回転子の回転軸方向に、前記固定子極歯と前記回転子極歯の一方又は双方の歯幅が異なる複数の層を有するので、一つの固定子極歯と一方の回転子鉄心部の回転子極歯、並びに、一つの固定子極歯と他方の回転子鉄心部の回転子極歯との間で生じるディテントトルクの波形を、各層におけるディテントトルクを合成することによってそれぞれ正弦波に近似することができ、その結果、これらのディテントトルクが正確に打ち消し合うことによって、ディテントトルクによる不要な振動及び騒音を低減することができる。
特に、従来では、各極歯のピッチを適宜設定することにより、対になる固定子極歯同士で高調波を打ち消し合うすように構成されたものもあるが、この場合は、固定子に対する回転子の偏心や倒れ等によ磁気的アンバランスの影響を受けやすく、十分とはいえないのに対し、本例では、このようなディテントトルクの波形が、各層におけるディテントトルクを合成することによって正弦波に近似されるので、固定子に対する回転子の偏心や倒れ等による磁気的アンバランスの影響が回避され、その結果、ディテントトルクの不要な増大が抑制される。
また、本例のステッピングモータによると、歯幅が異なる複数の層は、少なくとも3つの層からなるので、一つの固定子極歯におけるディテントトルクを、より正弦波に近似することができる。
また、本例のステッピングモータによると、回転子極歯の歯幅比は回転子の回転軸方向に亘って一様であるとともに、固定子及び回転子鉄心部は、固定子極歯の歯幅比と前記回転子極歯の歯幅比との平均が0.25〜0.29の層と、0.33〜0.35の層と、0.40〜0.42の層とを有するので、ディテントトルクに含まれる高調波成分の割合を、比較的小さくすることができる。すなわち、歯幅比をこれらの範囲で設定すると、高調波によるディテントトルクの波形の歪を確実に低減することができる。
また、本例のステッピングモータによると、固定子及び2つの回転子鉄心部における歯幅が異なる複数の層は、回転子の回転軸方向に向って対称的に設けたので、回転子の支持の安定性を確保することができる。
すなわち、歯幅が異なる層を積層すると、モータ駆動時には各層毎に異なるトルクが生じるので、回転子の支持バランスが悪化する虞があるものの、本例では、そのような事態を回避することができる。
次に、本発明の他の具体例を説明する。ここでは、二相ハイブリッド型ステッピングモータを例に採って説明する。
図22は、二相ハイブリッド型ステッピングモータの固定子極21の一つを抜粋し、極歯22の相互位置関係と形状を展開して示した図である。尚、二相ハイブリッド型ステッピングモータにおいては、複数の固定子極21は、等間隔となるように所定の角度だけ回転して形成される。その結果、回転子のN側の極歯に対し、A相固定子極2aの極歯22の位相が一致したとき、B相固定子極の極歯22は、極歯の1/4ピッチずれて形成される。また、回転子のS側の極歯に対し、A相固定子極2aの極歯22は2/4ピッチずれ、B相固定子極の極歯22は3/4ピッチずれて形成される。そのため、ステップモータは励磁により極歯の1/4ピッチずつ回転制御することが可能となる。
従って、一般にPをステッピングモータの相数、Nを回転子の極歯の数とすると、ステップ数2PN、基本ステップ角θsで制御することが可能となる。ただし、基本ステップ角θsは下記(2)式により示される。
θs=360°/(2PN) ・・・(2)
尚、本具体例では、N=50、回転子の外径をφ25mmとした。
図22において、モータの極歯は、各固定子極21の6つの極歯22を等ピッチ(4θs)に配置した位置から、2つの極歯22c,22dはずらさず、2つの極歯22a,22bを進み方向にずらし、2つの極歯22e,22fを遅れ方向にずらして形成してある。これにより、トルクの4次成分をゼロとし、ディテントトルクの高調波成分の低減を可能としている。なお、図22において進み方向は右方向とする。
そして、進み方向にずらした2つの極歯は、進み方向側(右側)の先端を切り落とし、傾斜部分25を設けている。また、遅れ方向にずらした2つの極歯は、遅れ方向側(左側)の先端を切り落とし、傾斜部分25を設けている。すなわち、いずれもずらした方向側の先端を切り落とし、傾斜部分を設けている。
また、各々の極歯部分の空隙パーミアンスは、極歯に傾斜部分を形成することにより変化し、その結果磁気的な中心位置は移動する。その方向は、ディテントトルクを低減する目的のためにピッチをずらした方向と逆側である。そのため、その移動量だけ各極歯のずらし量を増加させてある。
ここで、空隙パーミアンスと磁気的な中心位置は次の様に求めた。まず回転子の極歯と固定子の極歯同士が対向した場合に、パーミアンスを求めようとする部分の空隙を周方向に沿って微小区間に分割する。そして、各区間毎に極歯間の距離、すなわち空隙部の磁路長を算出し、パーミアンスに換算する。その後、分割した区間全体に渡ってパーミアンスを積分し、空隙パーミアンスとした。次に磁気的中心位置だが、これは仮に極歯をある位置で周方向に2分割したとし、分割した各々の空隙パーミアンスが等しくなる位置を磁気的な中心位置とした。
更に上述の通り、各々の極歯部分の空隙パーミアンスは、極歯に傾斜部分を形成することにより低下する。そのためこれに相当する分だけ歯幅を増加し、低下分を補い空隙パーミアンスを一定に保っている。そしてここでも、歯の磁気的な中心位置は、歯幅を増加することにより、ディテントトルクを低減するためにピッチをずらした方向と逆側に移動する。そのため、その移動量だけさらに各極歯のピッチをずらしてある。すなわち、本実施例の極歯のずれ量α’と従来例の極歯のずれ量αとの間には下記(3)式の関係がある。
α’=α+(極歯に傾斜部分を形成することによる磁気的中心位置のずれ量)+(歯幅を増加することによる磁気的中心位置のずれ量)・・(3)
尚、図22中のピッチをずらした極歯に記した中心線は、幾何学的な中心位置を示しており、磁気的な中心位置ではない。また本実施例では、好適な例として傾斜部分25の寸法(図22中のa、b)、及び極歯22cの歯幅Tとの関係を下記(4)、(5)の関係式で設定し、aは0.35mm、bは0.53mmとした。
a=0.7×T ・・・(4)
b=1.5×a ・・・(5)
以上のように、本具体例の極歯の磁気的な中心位置は、従来例の極歯の中心位置に等しい。また極歯部分の空隙パーミアンスも同様に従来例のものと等しい。これらの結果、当初の目的であるディテントトルクの高調波成分を低減し、モータの振動・騒音を抑制することができる。その上、トルクの基本波(1次)成分を増加できる。この様子を示したものが図23である。図23は、コンピュータを用いてモータの固定子極21a、回転子極歯31について、材料の非線形性を考慮し、磁束の流れを解析したものである。図23は本具体例のモータの例で、(a)は回転子の極歯31と固定子の極歯22dの中心が一致し極歯同士が対向した場合、(b)はそこから回転子が1/2ピッチ回転し極歯同士が対向しない場合、をそれぞれ表す。従来の、極歯22に傾斜部分を形成しないモータ(図40)と比較すると、極歯同士が対向した場合の磁束はほぼ等しい。一方、極歯同士が対向しない場合は磁束が流れ難くなっている。その結果、(a)と(b)の磁束の差は大きくなっている。これを、磁束22を等ピッチに配置したモータ(図39)と比較すると、(a)と(b)の磁束の差は、従来は88%まで低下していたが、本具体例ではその低下が91%に抑えられている。すなわち、極歯の先端を切り落とし傾斜部分を形成することで、トルクは3%改善される。
尚、本具体例では、ピッチをずらした極歯4枚全てに傾斜部分を形成しているが、傾斜部分を設ける極歯の枚数はこれに限らず任意の数でよい。例えば、ピッチをずらした極歯4枚のうち2枚の極歯22a,22fのみに傾斜部分を設けた例を図24に示す。この例でも(a)と(b)の磁束の差は90%までしか低下せず、極歯の先端を切り落とし傾斜部分を形成することで、トルクは改善される。
また、本具体例では、先端に傾斜部分を設けた極歯の歯元の幅の方が、他よりも大きくなっているが、単に歯幅を異ならせたのではない。本発明は、特に極歯同士が対向しない場合に、空隙部の磁路長を増加でき、その結果トルクの基本波(1次)成分を増加できることを特徴とするからである。また、先端に傾斜部分を設けているだけで、歯元の幅は減らしていないため、従来に比べ飽和が増すといった不都合を生じることもない。
図25は、本発明の他の具体例に係り、二相ハイブリッド型ステッピングモータの固定子極21の一つを抜粋し、極歯22の相互位置関係と形状を展開して示した図である。図25のモータの極歯は、前例と同様に各固定子極21の6つの極歯22を等ピッチ(4θs)に配置した位置から、2つの極歯22c,22dはずらさず、2つの極歯22a,22bを進み方向にずらし、2つの極歯22e,22fを遅れ方向にずらして形成してある。尚、図25においても進み方向は右方向とする。
そして、進み方向又は遅れ方向にずらした極歯は、いずれもずらした方向側の先端を切り落とし、傾斜部分25を設けている。また、各々の極歯の磁気的な中心位置は、極歯に傾斜部分を形成することにより、ピッチをずらした方向と逆側に移動する。そのため、その移動量だけ各極歯のずらし量を増加させてある。さらに、各々の極歯の部分の空隙パーミアンスは、極歯に傾斜部分を形成することにより低下する。そのためこれに相当する分だけ歯幅を増加し、低下分を補い空隙パーミアンスを一定に保っている。そしてここでも、歯の磁気的な中心位置は、歯幅を増加することにより、ピッチをずらした方向と逆側に移動する。そのため、その移動量だけさらに各極歯のピッチをずらしてある。
更に本例のモータでは、ずらさない極歯22c,22dも先端を切り落として傾斜部分25を設け、歯元の幅Wを全て同一に設定している。ただし、ずらさない極歯22c,22dはその両端を切り落として傾斜部分25を設けているため、磁気的な中心位置は移動しない。尚、本具体例では、好適な例として歯元の幅Wの寸法を0.73mmとした。
これにより、本具体例においても当初の目的であるディテントトルクの高調波成分を低減し、モータの振動・騒音を抑制することができる。その上、トルクの基本波(1次)成分を増加できる。この様子を示したものが図26である。図26は本モータの例で、(a)は回転子の極歯31と固定子の極歯22dの中心が一致し極歯同士が対向した場合、(b)はそこから回転子が1/2ピッチ回転し極歯同士が対向しない場合、をそれぞれ表す。従来の、極歯22に傾斜部分を形成しないモータ(図40)と比較すると、極歯同士が対向した場合の磁束はほぼ等しいが、極歯同士が対向しない場合は磁束が流れ難い。その結果、(a)と(b)の磁束の差は大きくなっている。これを、極歯22を等ピッチに配置したモータ(図39)と比較すると、(a)と(b)の磁束の差は90%までしか低下しない。すなわち、歯元の幅を同一に設定するか否かによらず、極歯の先端を切り落とし傾斜部分を形成することで、トルクは改善される。
また、上述した具体例では、二相のハイブリッド型ステッピングモータを対象に説明したが、二相に限らず一般にP相のステッピングモータについても同様に適用できる。また、極歯の先端は直線状に切り落としているが、これに限らず曲線状、例えば円弧状に切り落としても同様な効果が得られる。
図27は、上述したステッピングモータ1でプリンタ10の印字ヘッド11を駆動するもので、ステッピングモータ1の出力軸5にプーリ12を固着し、他方には従動プーリ13を設け、これらのプーリ間に、印字ヘッド11を固着した伝達ベルト14を巻回させて印字装置を構成している。各列のステッピングモータ1は、高調波を効率よく低減することができ、延いては、より静かで滑らかな回転が得られるとともに、位置決め精度も向上するので、プリンタの印字ヘッドを駆動する印字装置用のモータに好適である。
図28は、上述したステッピングモータ1でプリンタ10の紙送りローラ15を駆動するもので、ステッピングモータ1の出力軸5にギア16を固着し、伝達ギア17を介して、駆動力を紙送りローラ15に伝達する。この紙送り装置の場合も、ステッピングモータ1は、高調波を効率よく低減することができ、延いては、より静かで滑らかな回転が得られるとともに、位置決め精度も向上するので、プリンタの紙送りローラを駆動する紙送り装置用のモータにうってつけである。
産業上の利用可能性
本発明に係るステッピングモータは、より静かで滑らかな回転が得られ、位置決め精度も向上するので、オフィス機器、とりわけプリンタの各種駆動モータに好適である。

Claims (7)

  1. 複数の固定子極を有する固定子と、前記固定子極に対して隙間を介して配置した回転子とを備え、前記回転子に一定のピッチP1で回転子極歯を設けるとともに、前記固定子極に前記回転子極歯と対向する固定子極歯を設けたステッピングモータにおいて、
    前記固定子極には、m個の前記固定子極歯からなる歯群をn組設け、
    前記歯群内における前記固定子極歯のピッチP2は、
    P2≠P1
    の関係にあるとともに、前記歯群のピッチP3は、
    P3≠m・P1
    P3≠m・P2
    の関係にあり、
    更に、前記歯群内における前記固定子極歯のピッチP2は、
    P2=P1{1±i/(m・ν)}
    の関係にあるとともに、前記歯群のピッチP3は、
    P3=P1{m±i’/(n・ν’)}
    の関係にあり、
    加えて、
    「ν=6、ν’=4」又は「ν=4、ν’=6」
    「m=2」又は「m=3」
    の関係にあることを特徴とするステッピングモータ。
    但し、P1、P2及びP3は電気角、は2以上の整数、また、ν及びν’は低減される4次又は6次高調波の次数、iはmの倍数でない正の整数、i’はnの倍数でない正の整数である。
  2. 複数の固定子極を有する固定子と、前記固定子極に対して隙間を介して配置した回転子とを備え、前記複数の固定子極に固定子極歯を設けるとともに、前記回転子に回転子極歯を設けたステッピングモータにおいて、
    前記回転子は、前記回転子極歯の位相が異なる2つの回転子鉄心部を有し、前記固定子及び前記一方の回転子鉄心部、並びに、前記固定子及び前記他方の回転子鉄心部は、前記回転子の回転軸方向に、前記固定子極歯と前記回転子極歯の一方又は双方の歯幅が異なる複数の層を有することを特徴とするステッピングモータ。
  3. 前記歯幅が異なる複数の層は、少なくとも3つの層からなることを特徴とする請求項2記載のステッピングモータ。
  4. 前記回転子極歯の歯幅比は前記回転子の回転軸方向に亘って一様であるとともに、前記固定子及び前記回転子鉄心部は、前記固定子極歯の歯幅比と前記回転子極歯の歯幅比との平均が0.25〜0.29の層と、0.33〜0.35の層と、0.40〜0.42の層とを有することを特徴とする請求項3記載のステッピングモータ。
  5. 前記固定子及び前記2つの回転鉄心部における前記歯幅が異なる複数の層は、前記回転子の回転軸方向に向って対称的に設けたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載のステッピングモータ。
  6. 前記固定子極の極歯のうち少なくとも1つの極歯をずらして配置し、極歯のピッチを他と異ならせ、ずらした極歯のうち少なくとも1つの極歯に傾斜部分を形成したことを特徴とする請求項2乃至5いずれか記載のステッピングモータ。
  7. 上記のずらした極歯に傾斜部分を形成し、かつずらさない極歯にも傾斜部分を形成したことを特徴とする請求項6記載のステッピングモータ。
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