JPH08331830A - インナロータ形及びアウタロータ形ハイブリッド形ステッピングモータ - Google Patents

インナロータ形及びアウタロータ形ハイブリッド形ステッピングモータ

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JPH08331830A
JPH08331830A JP15411895A JP15411895A JPH08331830A JP H08331830 A JPH08331830 A JP H08331830A JP 15411895 A JP15411895 A JP 15411895A JP 15411895 A JP15411895 A JP 15411895A JP H08331830 A JPH08331830 A JP H08331830A
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rotor
stator
magnetic
pole teeth
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JP15411895A
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Koki Isozaki
弘毅 礒崎
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Nidec Advanced Motor Corp
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Nidec Servo Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 磁極数を増大しないで多相化を可能にし、ま
た、複雑な駆動回路を形成しないで高分解能で高精度の
ステッピングモータを提供する。 【構成】 固定子S1の各磁極3a1乃至3a6は、隣接
する磁極交互に、磁極形状に対して線対称に、磁極の極
歯配設ピッチの1/4反対方向に偏位させ軸方向に対し
て交互に配設して構成し、各磁極3a1乃至3a6によっ
て形成した極歯数に対応する極歯10a1を同心的に形
成した第1の回転子磁極10A1と、永久磁石9を介し
て10A1と同一形状に形成した第2の回転子磁極10
1を1/2回転偏位して固定した第1の単位回転子R
1を固定子S1の半分の幅に対応させ、回転子RA1
同一形状の第2の単位回転子RB1を非磁性体11を介
し、第1の単位回転子RA1に対して極歯形成ピッチの
1/4回転偏位し固定子S1の他の半分の幅に対応させ
て構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転電機の構造に係り、
特にプリンタ、高速ファックス、PPC用複写機用等の
高速運転で精密な位置決め機能等を必要とするOA機器
に最適な高分解能で高精度のインナロータ形又はアウタ
ロータ形ハイブリッド形ステッピングモータの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石形ステッピングモータに可変リ
ラクタンス形ステッピングモータの構造を組み合わせた
ハイブリッド形ステッピングモータは、高精度、高トル
ク、小ステップ角が得られるが、例えば従来のインナロ
ータ形ハイブリッド形ステッピングモータ(以下モータ
と略称する)は図35、図36に示すような構造をして
いる。即ち、図35は従来のこの種のモータの一例の縦
断正面図を示し、図36は図35のX−X′断面図を示
している。図35、図36において、21は円筒状のケ
ーシングであって、ケーシング21は磁性体によって成
型した固定子鉄心22と一体に結合されている。固定子
鉄心22の内方向には、このモータの構造特性に対応し
た所定数の磁極23が等しい間隔で求心状に形成されて
いる。各磁極23には磁極23夫々を磁化するための巻
線24が嵌合されている。また、各磁極23の先端部に
は、このモータの構造特性に対応した数の極歯23aが
等しい間隔で形成されている。一般に、固定子鉄心22
と磁極23とは一枚の磁性体板からプレスの打ち抜きに
より成型し、成型板を所定枚数積層し、巻線24を嵌合
して固定子を形成している。
【0003】ケーシング21の両端には、エンドプレー
ト25、26が一体に結合されている。エンドプレート
25、26の中央部には夫々に軸受27a、27bが嵌
合され、1対の軸受27a、27bは回転軸28を回転
自在に支承している。回転軸28には、軸方向に着磁さ
れた永久磁石29が嵌合し固定されている。永久磁石2
9は円盤状の2個の回転子磁極30A、30Bによって
挟持されている。回転子磁極30Aと30B夫々の外周
には、固定子の磁極23に形成した極歯23aの形状と
間隔に対応させた形状と間隔で極歯30aを形成してお
り、第1の回転子磁極30Aの極歯30aと第2の回転
子磁極30Bの極歯30aとは1/2ピッチ回転偏位し
て結合されている。一般に、回転子の磁極も1枚の磁性
体板からプレスの打ち抜きにより成型し、成型板を所定
枚数積層して回転子を形成している。上述の構成のモー
タは固定子の巻線24に順次所定の順序で通電すること
によって、固定子の各極歯23aが順次回転磁化され
る。従って、この固定子の各極歯23aと永久磁石29
によって磁化されている回転子の各極歯30aとの相互
作用により、固定子の各磁化される極歯23aの回転に
つれて回転子は回転し、また、停止する。モータの相数
等の条件によって、上述した固定子の磁極23の数と極
歯23aの数及び回転子の極歯30aの数は変化する。
【0004】図37は従来の6相モータの巻線をモノフ
ァイラ(ユニファイラ)巻にし、12本のリード線を引
き出した結線例を示している。同図の上部に付した番号
は固定子の所定の磁極巻線を1Eとし、順次隣の磁極巻
線に対して数値を1ずつ上げながら24Eまでの番号を
付したものである。このモータに対する励磁電流は、図
37に示すように磁極巻線1E、13Eを同相に、7
E、19Eは逆相になるように直列接続した引出線A、
A′間、磁極巻線2E、14Eを同相に、8E、20E
は逆相になるように直列接続した引出線B、B′間、磁
極巻線3E、15Eは同相に、磁極巻線9E、21Eは
逆相になるように直列接続した引出線C、C′間、磁極
巻線4E、16Eを同相に、10E、22Eは逆相にな
るように直列接続した引出線D、D′間、磁極巻線5
E、17Eを同相に、11E、23Eは逆相になるよう
に直列接続した引出線E、E′間、磁極巻線6E、18
Eを同相に、12E、24Eは逆相になるように直列接
続した引出線F、F′間に夫々図38に示すように順次
印加される。図38は、図37に示した結線における1
相励磁の場合の励磁シーケンス例を示している。図38
において、縦方向には励磁電流を流通させる図37に示
した引出線の符号を示し、上部の横方向には励磁ステッ
プを示している。同図に示す各横方向の欄に示す上側の
矩形は、その引出線に対して所定方向に電流を流すこと
を示し、下側の矩形は、その引出線の上記とは反対方向
に電流を流すことを示している。同図において、図37
に示した引出線Aから引出線A′に向けて電流を流す状
態をステップ1とすると、次のステップ2には、引出線
Bから引出線B′に向けて電流を流すようにする。以下
順次ステップ6まで電流を流し、ステップ7においては
引出線A′から引出線Aの方向に電流を流す。以下順次
同様に各引出線に電流を供給して固定子の各磁極を励磁
する。従って、各固定子の磁極に順次現れる磁気極性が
回転し、対応する回転子の磁極(極歯)を吸引するの
で、モータの回転軸は回転する。
【0005】また、図39は従来構造の10相モータの
巻線をモノファイラ(ユニファイラ)巻にした状態の結
線例を、図40は図39に示す10相モータのモノファ
イラ巻きでの1相励磁の場合の励磁シーケンス例を示し
ている。読み方は前述した図37、図38と同一であ
る。
【0006】上述したステッピングモータの基本特性で
あるステップ角θSは、下記(1)式によって決定され
る。 θS=180°/(M×Z) ・・・・・・・・・・・・(1) 但し、(1)式に示すMは固定子の相数、Zは回転子の
極歯の数である。
【0007】上述したインナロータ形モータが、回転子
(ロータ)がモータの中心にあって固定子がその周囲に
構成されているのに対して、アウタロータ形モータは固
定子をモータの中心において回転子(ロータ)をその周
囲に構成させており、そのために回転機構等の構造は異
なるが、トルクを発生する基本構成はインナロータ形モ
ータと同様である。
【0008】シンクロナスインダクションモータについ
ては、米国特許第3206623号公報に開示のものが
ある。同公報に記載のシンクロナスインダクションモー
タは、巻線を嵌合し先端部に等間隔で極歯を設けた磁極
を、内部に向けて求心状に形成した環状の電極構造体で
ある2個の同一構造である固定子と、軸方向に着磁した
永久磁石とこの永久磁石の両側に外周に等間隔で極歯を
設けたエンドキャップ(磁極板)により形成して回転軸
に構成させ、相互の磁気的結合を遮蔽した2個の同一構
造の回転子とを対向して構成し、さらに永久磁石の両側
に形成したエンドキャップ(磁極板)同士の極歯の相互
位置関係は極歯を構成する1/2ピッチずらしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した、ステップ角
θSは1相の巻線に順次通電し励磁した場合に得られる
回転角度であって、そのモータの構造によって決定され
る。従って、分解能が高く制御性能の良いモータを得よ
うとすると、ステップ角を微小にすることが必要であ
る。ところで、上述のような、従来の構成によるモータ
(ハイブリッド形ステッピングモータ)のステップ角θ
Sは、前述したように(1)式によって示されるので、
ステップ角θSを小さくしようとすると、相数Mを多く
するか、回転子の極歯の数Zを多くしなければならな
い。例えば、極歯の数を50とすると、2相のモータ
(ハイブリッド形ステッピングモータ)の場合のステッ
プ角θSは上記(1)式からθS=180°/2×50=
1.8°となり、3相のモータの場合のステップ角θS
は、θS=180°/3×50=1.2°となり、5相
のモータの場合のステップ角は、θS=180°/5×
50=0.72°となる。
【0010】ところで、回転子は一般に前述したように
プレスの打ち抜きにより成型しているので、回転子の極
歯数はプレス型の精度能力等の工作技術によって決ま
る。従って、極歯の数は無制限に多くすることはできず
100枚位が上限である。また、相数を多くした場合、
6相モータを得るには24極の固定子磁極、10相モー
タを得るには40極の固定子磁極が夫々必要となる。こ
のように磁極が多くなると必然的にスロット面積が小さ
くなるので、小型のモータを得るには巻線の断面積、即
ち、銅量が多くとれないという問題があるほか、巻線工
程に複雑な作業を必要とすると共に加工工数が多くなっ
て製造原価が高くつくという問題があった。そのため
に、5相モータが小型ハイブリッド形ステッピングモー
タの実用上の限界であった。従って分解能は、5相モー
タで極歯の数を100とした場合の前述した(1)式に
より下記演算によって得られるように、ステップ角θS
は0.36度が限界であった。 θS=180°/5×100=0.36°
【0011】上述した0.36度以上の分解能を得るに
は、マイクロステップ駆動を行う必要がある。しかしな
がら、マイクロステップ駆動によると、回転子の静止位
置は各相に流す電流の相対値で決まるため、各巻線に供
給する電流値のばらつき、スイッチング素子の特性のば
らつき等によって、分解能の精度向上は困難であった。
また、マイクロステップ駆動のためには、複雑な駆動回
路が必要であって高価になるという問題があった。ま
た、米国特許第3206623号公報に開示のものは、
図35、図36によって、前述した従来のステッピング
モータと類似構造をした2組の同一構造の固定子と回転
子とを単に軸方向に連結したシンクロナスインダクショ
ンモータであって、従来のシンクロナスインダクション
モータよりも大なるトルク(2倍のトルク)を得ようと
するものである。本技術を適用したモータはステッピン
グモータと同様にパルス電源による駆動も可能である
が、分解能が低く精度の良い回転を得ることはできな
い。上述した従来の技術の説明ではインナロータ形ハイ
ブリッド形ステッピングモータの構造例によって、その
問題点について説明したが、アウタロータ形ハイブリッ
ド形ステッピングモータについても、類似同様の問題点
が存在する。本発明は従来のものの上記課題(問題点)
を解決し、磁極数を増大しないで多相化を可能にし、よ
って、モータのサイズを大きくすることなく、また、複
雑な駆動回路を形成しないで、高分解能で高精度のモー
タ(ステッピングモータ)を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に基づくインナロ
ータ形ハイブリッド形ステッピングモータは、環状磁性
体の内面から円中心に向けて求心状に等ピッチで2m
(但し、m≧3の整数)個の磁極を設け、各磁極は隣接
する磁極交互に、当該磁極形状に対して線対称に複数個
の極歯を形成した半分と、前記磁極の極歯配設ピッチの
1/4偏位させ前記と同一ピッチで同数の極歯を形成し
た残りの磁極の半分とを軸方向に配設して形成し、さら
に各磁極に励磁用巻線を巻き回して固定子を構成し、こ
の固定子の外面との間に所定間隙を設けて、固定子の極
歯数に対応する数の極歯を同心的放射状に形成した第1
の回転子磁極と、この第1の回転子磁極と同一形状に形
成した第2の回転子磁極とを相互に極歯形成ピッチの1
/2回転偏位し永久磁石を介して固定した第1の単位回
転子を前記固定子の半分の幅に対応させ、第1の単位回
転子と同一形状の第2の単位回転子を非磁性体を介し、
第1の単位回転子に対して極歯形成ピッチの1/4回転
偏位し固定子の他の半分の幅に対応させて成る回転子を
備えて構成した。
【0013】また、これに代えてアウタロータ形ハイブ
リッド形ステッピングモータにおいては、環状磁性体の
内面から円中心に向けて求心状に等ピッチで2m(但
し、m≧3の整数)個の磁極を設け、各磁極は隣接する
磁極交互に、当該磁極形状に対して線対称に複数個の極
歯を形成した半分と、前記磁極の極歯配設ピッチの1/
4偏位させ前記と同一ピッチで同数の極歯を形成した残
りの磁極の半分とを軸方向に配設して形成し、さらに各
磁極に励磁用巻線を巻き回して固定子を構成し、この固
定子の外面との間に所定間隙を設けて固定子の極歯数に
対応する数の極歯を同心的放射状に形成した第1の回転
子磁極と、この第1の回転子磁極と同一形状に形成した
第2の回転子磁極とを相互に極歯形成ピッチの1/2回
転偏位し永久磁石を介して固定した第1の単位回転子を
固定子の半分の幅に対応させ、この第1の単位回転子と
同一形状の第2の単位回転子を非磁性体を介し、第1の
単位回転子に対して極歯形成ピッチの1/4回転偏位し
固定子の他の半分の幅に対応させて成る回転子としても
良い。
【0014】また、6極6相のインナロータ形及びアウ
タロータ形ハイブリッド形ステッピングモータの場合
は、固定子の磁極の数を6個に形成し、回転子の極歯数
Zは下記(2)式の関係を満足するように形成するのが
望ましく、6相12極のインナロータ形及びアウタロー
タ形ハイブリッド形ステッピングモータは、固定子の磁
極の数を12個に形成し、回転子の極歯数Zは下記
(2)式の関係を満足するように形成すると共に、固定
子には相互に180度偏位した磁極が同極になるように
励磁するのが望ましい。10相10極のインナロータ形
及びアウタロータ形ハイブリッド形ステッピングモータ
は、固定子の磁極の数を10個に形成し、回転子の極歯
数Zは下記(4)式の関係を満足するように形成するの
が望ましく、10相20極のインナロータ形及びアウタ
ロータ形ハイブリッド形ステッピングモータは、固定子
の磁極の数を20個に形成し、回転子の極歯数Zは下式
の関係を満足するように形成すると共に、固定子には相
互に180度ずれた磁極が同極になるように励磁するの
が望ましい。 Z=3n±1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) Z=6n±4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) Z=5n±2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) Z=10n±4・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5) 但し、上記(2)式乃至(5)式においてnはn≧1の
整数である。上述した固定子は、磁極の先端部に対称に
極歯を形成した磁極と、線対称に極歯を形成した磁極の
磁歯配設ピッチの1/4偏位させて極歯を形成した磁極
を交互に形成した磁性体板を所定枚数積層し、さらに磁
性体板と同一形状に形成した磁性体板を磁極形成ピッチ
回転させて所定枚数積層して各積層体を固定し、巻線を
巻き回して構成するのが望ましく、固定子の極歯形成ピ
ッチτSと回転子の極歯形成ピッチτRとを下記(6)式
の関係を満足するように形成するのが望ましい。 0.75τR≦τS≦1.25τR ・・・・・・・・・・(6) さらに、固定子の180度位置にある磁極は、同極にな
るように励磁するのが良い。そのためには、同一方向の
励磁電流で180度位置にある磁極は同極になるように
励磁用巻線の巻方向を統一するのが望ましい。
【0015】
【作用】上述のような構成においては、固定子の磁極の
数を増大することなく多相ステッピングモータとしての
機能が発揮される。従って、小型で精度の良い高分解能
のステッピングモータが得られる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
する。各実施例の構成図において、従来の技術で図3
5、36によって示したものと相当の構成要素は同一の
符号を使用し、その詳細な説明は省略する。 実施例1:図1は本発明に基づき形成した6相6極モー
タ(インナロータ形ハイブリッド形ステッピングモー
タ)の縦断正面図を、図2は図1のX−X′断面を示し
ている。図1、図2において、1は円筒状のケーシング
であって、ケーシング1は内部に固定子S1の固定子鉄
心2を形成する環状部でケーシング1と一体に結合され
ている。固定子S1は固定子鉄心2部の内方向に、この
モータの構造特性に対応した6個の磁極3a1〜3a6
等しい間隔角度で求心状に形成されていて、各磁極には
詳細を後述するように電流を流して所定の方向に順次磁
化するための巻線4a1〜4a6が巻き回されている。図
2は各巻線を象徴化して記し、各巻線に示した符号×と
符号・は、夫々巻線方向の基準が、例えば符号×から符
号・に向けて電流を流すのが巻線方向の基準であるとい
う意味で示している。また、各磁極3a1〜3a6の先端
部には詳細を後述するように、磁極の中心線に対して線
対称に設けた極歯3k1と同一方向に極歯ピッチの1/
4偏位させて形成させた極歯3k1とが軸方向にほぼ2
分して形成され、6個の磁極の内1個おきの3個の磁極
3a1、3a3、3a5と他の1個おきの3個の磁極3
2、3a4、3a6とは夫々同一形状であるが、隣接す
る磁極相互には2種の磁極の配設側を交差させている。
上述した磁極及び極歯の各間隔角度は、所定の半径上で
は、その円周面におけるピッチに比例する。円形モータ
の場合、寸法間隔は計測する半径の位置で変化するが、
角度は変化しないので、以降磁極の間隔等の表示は角度
によって行い、間隔をピッチと称して説明する。
【0017】ケーシング1の両端にはエンドプレート
5、6が一体に結合されている。エンドプレート5、6
の中央部には夫々に軸受7a、7bが嵌合され、1対の
軸受7a、7bは回転軸8を回転自在に支承している。
回転軸8には、固定子の半分に対向させた位置に固定子
1の内面との間に所定間隙をあけて第1の単位回転子
RA1が結合されており、固定子の他の半分に対向させ
た位置に固定子S1の内面との間に所定間隙をあけて第
2の単位回転子RB1が結合されている。上述した第1
の単位回転子RA1と第2の単位回転子RB1との間には
所定幅の環状に形成した非磁性体11を介在させてい
る。第1の単位回転子RA1及び第2の単位回転子RB1
は同一構造であって、2個の回転子磁極10A1、10
1が夫々回転軸8の軸方向に着磁された永久磁石9を
挟持し固定されている。2個の回転子磁極10A1と1
0B1夫々の外周には固定子の各磁極に形成した極歯3
1の形状とピッチに対応させた所定の形状とピッチで
極歯10a1を形成している。後述するように、第1の
回転子磁極10A1の極歯10a1と第2の回転子磁極1
0B1の極歯10a1とは極歯10a1を形成したピッチ
の1/2偏位させて結合させ、第1の単位回転子RA1
と第2の単位回転子RB1とは、極歯10a1を形成する
ピッチの1/4偏位して結合されている。
【0018】次に、図3を参照して固定子の作成方法の
例を説明する。固定子は環状の固定子鉄心2の内部に、
先端部に所定数の極歯3k1を等ピッチτS1で磁極の中
心線に対して線対称に形成した同一形状の磁極P
1-Aと、先端部に磁極P1-Aと同一形状で同一個数の極歯
3k1を等ピッチτS1で極歯ピッチの1/4、即ち、τ
1/4偏位させて形成した同一形状の磁極P1-Bとを交
互に各3個、総計で6個求心状に形成した磁性材板(以
下固定子鉄板と称す)SP1を所定枚数極歯が重なるよ
うに積層して固定子S1の片側半分を構成する。従っ
て、上述した相互に隣接する磁極P1-Aと磁極P1-Bとの
間隔角度θS1は360°/6、即ち60度に形成され
ている。次に、上記の構成体に対して磁極のピッチ、即
ち60度回転し偏位させて、上述と同一形状に形成した
固定子鉄板SP1を上記と同枚数、又はほぼ同枚数、極
歯が重なるように積層して固定子S1の残り片側半分を
構成する。固定子S1は前述したように非磁性体11を
挟んで形成した2個の単位回転子に対向させるように形
成するので、各単位回転子が夫々確実に固定子の片側半
分に対向するように構成できるなら、半分ずつを同一枚
数にする必要はない。夫々の固定子鉄板はプレスによる
打ち抜き加工によって作成すれば良く、各回転子を構成
する回転子磁極も所定形状の磁性材板をプレスによって
打ち抜いた後所定枚数重ねて構成すれば良い。
【0019】上述の方法によって形成された固定子の磁
極部の構造を、図4によって説明する。図4(A)には
固定子S1を形成する所定の磁極3a1、3a3、3a5
内の一つを示し、図4(B)には図4(A)に示した磁
極3a1、3a3、3a5の内の一つに隣接した磁極3
2、3a4、3a6の内の一つを示している。固定子S1
は前述したように形成しているので、図4(A)に示す
固定子S1の各磁極は、所定数の極歯3k1を磁極に対し
て線対称に備えた半分P1-Aと同一個数の極歯3k1を極
歯ピッチの1/4偏位させて備えた半分P1-Bによって
形成されている。即ち、磁極のP1-A部には極歯が磁極
に対して対称に、磁極のP1-B部には極歯が磁極に対し
て非対称に形成されている。一方、図4(B)に示す磁
極は図4(A)に示した磁極とは反対側に磁極に対して
線対称に所定数の極歯3k1を備え、他の半分には極歯
3k1を極歯ピッチの1/4偏位されて備えている。
【0020】図5は回転子の極歯の位置関係を拡大して
示している。図5に示した条件においては、永久磁石9
の着磁方向によって、第1の単位回転子RA1の第1の
回転子磁極10A1の極歯10a1と第2の単位回転子R
1の第1の回転子磁極10A1の極歯10a1とはN極
に、第1の単位回転子RA1の第2の回転子磁極10B1
の極歯10a1と第2の単位回転子RB1の第2の回転子
磁極10B1の極歯10a1とはS極に着磁されている。
各磁極に設けた極歯10a1のピッチは同一であるが、
このピッチをτR1とすると、第1の回転子磁極10A1
の極歯10a1と第2の回転子磁極10B1の極歯10a
1との間の間隔角度は、第1の単位回転子RA1と第2の
単位回転子RB1ともτR1/2、第1の単位回転子RA
1の第1の回転子磁極10A1の極歯10a1と第2の単
位回転子RB1の第1の回転子磁極10A1の極歯10a
1との間隔角度及び第1の単位回転子RA1の第2の回転
子磁極10B1の極歯10a1と第2の単位回転子RB1
の第2の回転子磁極10B1の極歯10a1との間隔角度
はいずれもτR1/4に形成する。
【0021】図6、図7、図8の各図には、本モータを
構成する固定子と回転子夫々の極歯の前述した(6)式
に示した相互関係を分解して示している。即ち、図6は
固定子の極歯の形成ピッチτS1と回転子の極歯の形成
ピッチτR1が下記(7)式によって示される条件の場
合、図7は固定子の極歯の形成ピッチτS1と回転子の
極歯の形成ピッチτR1とが下記(8)式によって示さ
れる条件の場合、図8は固定子の極歯の形成ピッチτS
1と回転子の極歯の形成ピッチτR1とが(9)式によっ
て示される条件の場合を示している。 τR1=τS1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) 0.75τR1≦τS1<τR1 ・・・・・・・・・・・(8) τR1<τS1≦1.25τR1 ・・・・・・・・・・・(9) 図6、図7、図8の各図において、3a1-1は固定子S1
を形成する磁極部3a1、3a3、3a5の内の所定の一
つの極歯が線対称に形成されている磁極部で、3b1
極歯が非対称に形成されている磁極部、3a1-2は上記
の磁極部に隣接する磁極部3a2、3a4、3a6の内の
所定の一つの極歯線対称部、3b1-2は極歯非対称部を
夫々示している。
【0022】前述したように、非対称に形成された極歯
は対称に形成された極歯に対して極歯ピッチの1/4偏
位しており、第1の単位回転子の極歯と第2の単位回転
子の極歯とは極歯ピッチの1/4偏位しているので、図
から明らかなように、固定子磁極の極歯と回転子の極歯
との関係位置はいずれの半分においても等しくなる。例
えば、図6において、磁極部3a1-1の極歯が第1の単
位回転子RA1-1の第1の回転子磁極10A1-1の極歯に
対向しているタイミングには、同じ磁極の磁極部3b
1-1の極歯が第2の単位回転子RB1-1の第1の回転子磁
極10A1-1の極歯に対向する。上述した(7)式の条
件における状態を示す図6において、10A1-1は第1
の単位回転子RA1-1及び第2の単位回転子RB1-1夫々
の第1の回転子磁極、10B1-1は第1の単位回転子R
1-1及び第2の単位回転子RB1-1夫々の第2の回転子
磁極を示していて、Nは永久磁石9によってN極に着磁
された極歯、Sは永久磁石9によってS極に着磁された
極歯を夫々示している。θS1は固定子の磁極のピッ
チ、τS1は固定子の極歯のピッチを夫々示し、τR1-1
は回転子の極歯のピッチを示している。また、α1-1
固定子の所定の磁極の極歯と回転子の極歯の位置が一致
した状態で、隣接する固定子の磁極の極歯と回転子の極
歯との間隔角度を示している。従って、本実施例に示す
6相6極モータの固定子の磁極のピッチθS1は、36
0°/6であり、(2)式で示したように下記(10)
式で示される条件の場合、α1-1はτR1-1/12にな
る。 Z1-1=3n±1 ・・・・・・・・・・・・・・・・(10) 但し、Z1-1は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0023】図7は、(8)式の条件における状態を示
す図で、同図において、10A1-2は第1の単位回転子
RA1-2及び第2の単位回転子RB1-2夫々の第1の回転
子磁極、10B1-2は第1の単位回転子RA1-2及び第2
の単位回転子RB1-2夫々の第2の回転子磁極を示して
いて、Nは永久磁石9によってN極に着磁された極歯、
Sは永久磁石9によってS極に着磁された極歯を夫々示
している。固定子は図6と同一条件なのでθS1は固定
子の磁極のピッチ、τS1は固定子の極歯のピッチを夫
々示し、τR1-2は回転子の極歯のピッチを示してい
る。また、α1-2は固定子の所定の磁極の極歯と回転子
の極歯の位置が一致した状態で、隣接する固定子の磁極
の上記と相当する位置の極歯と回転子の極歯との間隔角
度を示している。従って、本実施例に示す6相6極モー
タの固定子の磁極のピッチθS1は、360°/6であ
り、(2)式で示したように下記(11)式で示される
条件の場合、α1-2はτR1-2/12になる。 Z1-2=3n±1 ・・・・・・・・・・・・・・・・(11) 但し、Z1-2は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0024】図8は、(9)式の条件における状態を示
す図で、同図において、10A1-3は第1の単位回転子
RA1-3及び第2の単位回転子RB1-3夫々の第1の回転
子磁極、10B1-3は第1の単位回転子RA1-3及び第2
の単位回転子RB1-3夫々の第2の回転子磁極を示して
いて、Nは永久磁石9によってN極に着磁された極歯、
Sは永久磁石9によってS極に着磁された極歯を夫々示
している。固定子は図6と同一条件なのでθS1は固定
子の磁極のピッチ、τS1は固定子の極歯のピッチを夫
々示し、τR1-3は回転子の極歯のピッチを示してい
る。また、α1-3は固定子の所定の磁極の極歯と回転子
の極歯の位置が一致した状態で、隣接する固定子の上記
と相当する位置の極歯と回転子の極歯との間隔角度を示
している。従って、本実施例に示す6相6極モータの固
定子の磁極のピッチθS1は、360°/6であり、
(2)式で示したように下記(12)式で示される条件
の場合、α1-3はτR1-3/12になる。 Z1-3=3n±1・・・・・・・・・・・・・・・・・(12) 但し、Z1-3は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0025】図9は、本実施例のモータにおいて、上述
したnを1から変化させた条件における各回転子磁極の
磁歯の歯数(Zで示す)と、このモータのステップ角と
の関係を示す図表である。同図において、歯数Zが3n
+1の場合と3n−1の場合において、夫々nを1から
順次増加した場合のステップ角を縦方向に示している。
【0026】図10は、本実施例におけるモノファイラ
巻線の接続状態を示している。同図において、A、A′
は巻線4a1の引出線、D、D′は巻線4a2の引出線、
B、B′は巻線4a3の引出線、E、E′は巻線4a4
引出線、C、C′は巻線4a5の引出線、F、F′は巻
線4a6の各引出線であって、これらの各端子に駆動用
の励磁電流出力回路が接続される。
【0027】次に、上述した構成のモータの駆動作用を
図11、図12によって説明する。図11において、横
軸には動作ステップの流れ(シーケンス)をステップ1
からステップ15まで示し、ステップ16以降の図示を
省略している。縦方向には前述した各引出線を示し、各
引出線を示す横軸には、各ステップに対応させてパルス
電流を供給するタイミングを四辺形で示している。各引
出線を示す横線の上側に記す四辺形は、例えば引出線A
から引出線A′へ、各引出線を示す横線の下側に記す四
辺形は、逆に、引出線A′から引出線Aへ電流を流すこ
とを示している。即ち、図11に示すように、各引出線
に順次パルス電流を流すことによって、このモータは前
述したステップ角ずつ回転する。
【0028】図12は上述した実施例に基くモータの前
述した(7)式に記した条件である固定子の極歯のピッ
チτS1と回転子の極歯のピッチτR1が等しい場合の固
定子と回転子との位置関係を示す展開図で、横方向には
左から右に向けて順次固定子の磁極部3a1、3a2、3
3、3a4、3a5、3a6及び3a1を再度示してい
る。図12は縦方向には、図11に示したステップに対
応してステップ1からステップ4までを示し、ステップ
5以降は図示を省略している。各ステップには、図6に
示した磁極を備えた固定子全体を展開して示していて、
上段から、各磁極の片半分部、即ち、3a1-1、3
1-2、3a1-3、3b1-4、3a1-5、3b1-6、3
1-1、第1の単位回転子RA1の第1の回転子磁極10
1、第1の単位回転子RA1の第2の回転子磁極10B
1、上述した各磁極の他の片半分部、即ち、3b1-1、3
1-2、3b1-3、3a1-4、3b1-5、3a1-6、3
1-1、第2の単位回転子RB1の第1の回転子磁極10
1、第2の単位回転子RB1の第2の回転子磁極10B
1を示している。上述した3a1-1乃至3a1-6は極歯が
磁極に対して線対称に配設された磁極部3b1-1乃至3
1-6は極歯が磁極に対して非線対称に配設された磁極
部である。また、Nは、N極に着磁された極歯、Sは、
S極に着磁された極歯を夫々示していて、モータの回転
状況を示すために、回転子の所定の極歯に・マークを記
している。
【0029】今、図11に示したように、ステップ1に
おいて、引出線Aから引出線A′に向けて電流を流す
と、固定子の磁極3a1がS極に励磁される。従って、
第1の単位回転子RA1と第2の単位回転子RB1両方の
第1の回転子磁極10A1の近接する磁極であるN極の
極歯が吸引される。ステップ1においては、固定子の極
歯と回転子の極歯との間の関係位置は下記のようにな
る。即ち、固定子の磁極3a1に隣接する磁極3a2の極
歯と近接する回転子のN極の極歯との間隔角度α2-1
τR1/12、固定子の磁極3a2に隣接する磁極3a3
の極歯と近接する回転子のS極の極歯との間隔角度α
3-1は2τR1/12、固定子の磁極3a3に隣接する磁
極3a4の極歯と近接する回転子のS極の極歯との間隔
角度α4-1は3τR1/12、固定子の磁極3a4に隣接
する磁極3a5の極歯と近接する回転子のN極の極歯と
の間隔角度α5-1は4τR1/12、固定子の磁極3a5
に隣接する磁極3a6の極歯と近接する回転子のN極の
極歯との間隔角度α6-1は5τR1/12、固定子の磁極
3a6に隣接する磁極3a1の極歯と近接する回転子のS
極の極歯との間隔角度α7-1は6τR1/12である。ス
テップ2以降においては、ステップ1で励磁した磁極3
1-1と励磁する磁極以外の図示は省略する。
【0030】ステップ2において、引出線Dから引出線
D′に向けて電流を流すと、固定子の磁極3a2がS極
に励磁される。従って、第1の回転子磁極10A1と第
2の単位回転子RB1の両方の第1の回転子磁極10A1
の近接する磁極であるN極の極歯が吸引される。ステッ
プ1で固定子の磁極3a1に吸引されていた第1の単位
回転子RA1の第1の回転子磁極10A1の所定の極歯と
固定子の磁極3a1の対応した極歯との間隔角度βはτ
1/12になる。このτR1/12がステップ角であ
る。
【0031】ステップ3において、引出線B′から引出
線Bに向けて電流を流すと、固定子の磁極3a3はN極
に励磁される。従って、第1の単位回転子RA1と第2
の単位回転子RB1の両方の第2の回転子磁極10B1
S極である極歯が吸引される。モータが、さらに1ステ
ップ角回転するので、ステップ1で固定子の磁極3a1
に吸引されていた第1の単位回転子RA1の第1の回転
子磁極10A1と固定子の磁極3a1との間隔角度βは2
τR1/12になる。
【0032】ステップ4において、引出線E′から引出
線Eに向けて電流を流すと、固定子の磁極3a4はN極
に励磁される。従って、第1の単位回転子RA1と第2
の単位回転子RB1の両方の第2の回転子磁極10B1
S極である極歯が吸引される。モータが、さらに1ステ
ップ角回転するので、ステップ1で固定子の磁極3a1
に吸引されていた第1の単位回転子RA1の第1の回転
子磁極10A1の所定の極歯と固定子の磁極3a1に対応
した極歯との間隔角度βは3τR1/12になる。即
ち、ステップが進むごとにステップ角τR1/12ずつ
回転する。
【0033】以降、上述と同様に、図11に示したステ
ップを循環し繰り返すことによってモータはステップ角
であるτR1/12ずつ回転を継続する。
【0034】実施例2:次に、本発明を6相12極モー
タ(インナロータ形ハイブリッド形ステッピングモー
タ)に適用した実施例2を図13乃至図19によって実
施例1をも参照して説明する。各図において、実施例1
で示した要素機能と相当する要素機能は同一符号を付す
か符号のサフィックスを変えて記し、詳細説明は省略す
る。図13は6相12極モータの縦断正面図、図14は
図13のX−X′断面を示している。図13、図14に
おいて、S2は固定子であって、固定子鉄心2の内方向
に12個の磁極3b1、乃至3b12が等しい角度間隔で
求心状に形成されていて、実施例1同様、各磁極は交互
に極歯の形成位置を交差させている。即ち、各磁極の先
端部には、所定の数の極歯3k2が等しいピッチで形成
されていて、磁極3b1、3b3、3b5、3b7、3
9、3b11には、極歯を磁極に対して線対称に設けた
半分と非対称に設けた半分を軸方向に形成し、磁極3b
2、3b4、3b6、3b8、3b10、3b12には、上記の
磁極とは反対並びに磁極に対して線対称に設けた半分と
非対称に設けた半分を設けている。上記各磁極には巻線
4b1乃至4b12が巻き回されている。
【0035】回転軸8には、固定子S2の内面との間に
所定間隙をあけて第1の単位回転子RA2が結合されて
おり、固定子S2の他の半分に対向させた位置に固定子
2の内面との間に所定間隙をあけて第2の単位回転子
RB2が結合されている。上述した第1の単位回転子R
2と第2の単位回転子RB2との間には所定幅の環状に
形成した非磁性体11を介在させている。第1の単位回
転子RA2及び第2の単位回転子RB2は同一構造であっ
て、2個の回転子磁極10A2、10B2が夫々回転軸8
の軸方向に着磁された永久磁石9を挟持し固定されてい
る。2個の回転子磁極10A2と10B2夫々の外周に
は、固定子の各磁極に形成した極歯3k2の形状とピッ
チに対応させた所定の形状とピッチで極歯10a2を形
成している。各極歯10a2の位置関係は、実施例1同
様、また、後述するように、第1の回転子磁極10A2
の極歯10a2と第2の回転子磁極10B2の極歯10a
2とは、極歯10a2を形成したピッチの1/2偏位させ
て結合させ、第1の単位回転子RA2と第2の単位回転
子RB2とは、極歯10a2を形成したピッチの1/4偏
位して結合されている。
【0036】次に、図15、図16を参照して固定子の
作成方法の例を説明する。図15に示すように、固定子
は環状の固定子鉄心2の内部に、先端部に所定数の極歯
3k2を等ピッチτS2で磁極の中心線に対して線対称に
形成した同一形状の磁極P2-Aと、先端部に磁極P2-A
同一形状同一個数の極歯3k2を等ピッチτS2で極歯ピ
ッチの1/4、即ち、τS2/4偏位させて形成した同
一形状の磁極P2-Bとを交互に各6個、総計で12個求
心状に形成した磁性材板(以下固定子鉄板と称す)SP
2を所定枚数極歯が重なるように積層して固定子S2の片
側半分を構成する。従って、上述した相互に隣接する磁
極P2-Aと磁極P2-Bとの間隔角度θS2は360°/1
2 即ち30度に形成されている。次に、上記の構成体
に対して磁極のピッチ、即ち30度回転し偏位させて、
上述と同一形状に形成した固定子鉄板SP2を上記と同
枚数、又はほぼ同枚数、極歯が重なるように積層して固
定子S2の残り片側半分を構成する。上述した固定子S2
は非磁性体11を挟んで形成した2個の単位回転子に対
向させるように形成するので、各単位回転子が夫々確実
に固定子の片半分に対向するように構成できるなら、半
分ずつを同一枚数にする必要はない。夫々の固定子鉄板
はプレスによる打ち抜き加工によって作成すれば良く、
各回転子を構成する回転子磁極も所定形状の磁性材板を
プレスによって打ち抜いた後所定枚数重ねて構成すれば
良い。
【0037】上述の方法によって形成された固定子の磁
極部の構造を図16に示している。即ち、図16(A)
には固定子S2を形成する所定の磁極3b1、3b3、3
5、3b7、3b9、3b11の内の一つを示し、図16
(B)には図16(A)に示す、磁極3b1、3b3、3
5、3b7、3b9、3b11の内の一つに隣接した磁極
3b2、3b4、3b6、3b8、3b10、3b12の内の一
つを示している。固定子S2は実施例1同様、図16
(A)に示す固定子S2の各磁極は、所定数の極歯3k2
を磁極に対して線対称に設けた半分P2-Aと極歯3k2
極歯ピッチの1/4偏位させて磁極に対して非対称に設
けた半分P2-Bとによって形成されている。一方、図1
6(B)に示す磁極は、磁極に対して線対称に極歯3k
2を設けた半分P2-Aと、磁極を極歯ピッチの1/4偏位
させて非対称に設けた半分P2-Bを図16(A)に示し
た磁極とは反対側に形成している。
【0038】図17は回転子を形成する各回転子磁極の
極歯の関係を拡大して示している。図17においては、
永久磁石9の着磁方向によって、第1の単位回転子RA
2の第1の回転子磁極10A2の極歯10a2と第2の単
位回転子RB2の第1の回転子磁極10A2の極歯10a
2とはN極に、第1の単位回転子RA2の第2の回転子磁
極10B2の極歯10a2と第2の単位回転子RB2の第
2の回転子磁極10B2の極歯10a2とはS極に着磁さ
れている。また、各回転子の磁極に設けた極歯10a2
のピッチをτR2とすると、第1の回転子磁極10A2
極歯10a2と第2の回転子磁極10B2の極歯10a2
との間の間隔角度はτR2/2、第1の単位回転子RA2
の第1の回転子磁極10A2の極歯10a2と第2の単位
回転子RB2の第1の回転子磁極10A2の極歯10a2
との間隔角度、及び第1の単位回転子RA2の第2の回
転子磁極10B2の極歯10a2と第2の単位回転子RB
2の第2の回転子磁極10B2の極歯10a2との間隔角
度は、いずれもτR2/4に形成する。
【0039】上記構造の固定子と回転子との各極歯構成
は、実施例1に示した(7)式、(8)式、(9)式に
対して本実施例を対応させて、符号τR1をτR2に、符
号τS1をτS2に変換させた下記(13)式、(14)
式、(15)式夫々の条件において、図6、図7、図8
を参照して固定子の磁極に形成する極歯と回転子磁極に
形成する極歯との関係が示される。 τR2=τS2・・・・・・・・・・・・・・・・・・(13) 0.75τR2≦τS2<τR2 ・・・・・・・・・・(14) τR2<τS2≦1.25τR2 ・・・・・・・・・・(15)
【0040】即ち、固定子と回転子との各極歯の相互位
置関係は、実施例1について図6、図7、図8によって
説明した状況と同一なので図示は省略するが、図6、図
7、図8に示した各符号を、固定子の所定の磁極の極歯
対称部3a1-1、3a1-2を夫々3a2-13a2-2に、極歯
非対称部3b1-1、3b1-2を夫々3b2-1、3b2-2に、
固定子の磁極のピッチθS1=360°/6をθS2=3
60°/12に、固定子の極歯のピッチτS1をτS
2に、第1の単位回転子RA1-1、RA1-2、RA1-3を夫
々RA2-1、RA2-2、RA2-3に、第2の単位回転子R
1をRB2に、第1の回転子磁極10A1-1、10
1-2、10A1-3を夫々10A2-1、10A2-2、10A
2-3に、回転子の極歯のピッチτR1-1、τR1-2、τR
1-3を夫々、τR2-1、τR2-2、τR2-3に、固定子の所
定の磁極の極歯と回転子の極歯の位置が一致した状態
で、隣接する固定子の極歯と回転子の極歯との間隔角度
α1-1、α1-2、α1-3をα2-1、α2-2、α2-3に、夫々置
換することによって、そのまま利用できる。
【0041】本実施例に示す6相12極モータにおいて
は、固定子の極歯と回転子の極歯とのピッチの関係が
(13)式で示される場合、回転子磁極の極歯の数を
(3)式で示したように、下記(16)式で示される条
件を満足させると、固定子の所定の磁極で、この磁極の
極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣接する固定
子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角度α2-1
はτR2-1/12になる。 Z2-1=6n±4 ・・・・・・・・・・・・・・・・(16) 但し、Z2-1は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0042】また、固定子の極歯と回転子の極歯とのピ
ッチの関係が(14)式で示される場合、回転子磁極の
極歯の数を(3)式で示したように、下記(17)式で
示される条件を満足させると、固定子の所定の磁極で、
この磁極の極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣
接する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔
角度α2-2はτR2-2/12になる。 Z2-2=6n±4 ・・・・・・・・・・・・・・・・(17) 但し、Z2-2は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0043】また、固定子の極歯と回転子の極歯とのピ
ッチの関係が(15)式で示される場合、回転子磁極の
極歯の数を(3)式で示したように、下記(18)式で
示される条件を満足させると、固定子の所定の磁極で、
この磁極の極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣
接する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔
角度α2-3はτR2-3/12になる。 Z2-3=6n±4 ・・・・・・・・・・・・・・・・(18) 但し、Z2-3は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0044】図18に、本実施例のモータにおいて、上
述したnを1から変化させた条件における各回転子磁極
の磁歯の歯数(Zで記す)と、このモータのステップ角
との関係を示している。即ち、歯数Zが6n+4の場合
と6n−4の場合において、夫々nを1から順次増加し
た場合のステップ角を縦方向に示している。
【0045】図19は、本実施例におけるモノファイラ
巻線の接続状態を示している。図19において、A、
A′は巻線4b1と巻線4b7とを直列接続した回路の引
出線、以下、同様にD、D′は巻線4b2と巻線4b8
を、B、B′は巻線4b3と巻線4b9とを、E、E′は
巻線4b4と巻線4b10とを、C、C′は巻線4b5と巻
線4b11とを、F、F′は巻線4b6と巻線4b12とを
夫々直列接続した回路の引出線であって、これらの各端
子に駆動用のパルス出力回路が接続される。
【0046】上述した構成のモータの駆動は、実施例1
で図11によって示したフローと同一のフローによって
実行される。従って、その動作は実施例1の説明で図1
2に示した展開図に上述した段落33乃至44の説明を
参照して固定子の磁極を6極分追加し、回転子の磁極の
位置を固定子の磁極の位置に対応させて記載することに
よって同様に示され、図11に示したフローに従って、
各引出線に順次パルス電流を供給するごとにステップ角
であるτR2/12rずつ歩進し回転を継続する。
【0047】実施例3:次に、本発明を10相10極モ
ータ(インナロータ形ハイブリッド形ステッピングモー
タ)に適用した実施例を図20乃至図27によって説明
する。実施例1、実施例2で6相6極モータ又は6相1
2極モータについて説明した内容を10相10極モータ
に転換して容易に理解できる事項については、その図示
説明は省略する。また、実施例1で示した要素機能と相
当する要素機能は同一符号を付すか符号のサフィックス
を変えて示し、詳細説明は省略する。動作については、
例えば、各巻線に対する駆動電流の印加による働き等は
磁極を展開した図6、図7、図8等を参照し、磁極や磁
歯のピッチ等に対応させてステップ角の違いを理解すれ
ば良い。
【0048】図20は10相10極モータの縦断正面
図、図21は図20のX−X′断面を示している。図2
0、図21において、S3は後述する磁極の回転軸方向
の1/2、又はほぼ1/2の幅単位で極歯を極歯形成ピ
ッチの1/4偏位させた固定子である。固定子S3は固
定子鉄心2の内方向に10個の磁極3c1乃至3c10
等しい角度間隔で求心状に形成されていて、各磁極は交
互に極歯の形成位置を交差させている。即ち、各磁極の
先端部には所定の数の極歯3k3が等しいピッチで形成
されていて、磁極3c1、3c3、3c5、3c7、3c9
には、極歯を磁極に対して線対称に設けた半分と非対称
に設けた半分を軸方向に形成し、磁極3c2、3c4、3
6、3c8、3c10には、上記の磁極とは反対並びに磁
極に対して線対称に設けた半分と非対称に設けた半分を
設けている。上記各磁極には、巻線4c1乃至4c10
巻き回されている。
【0049】回転軸8には、固定子S3の内面との間に
所定間隙をあけて第1の単位回転子RA3が結合されて
おり、固定子S3の他の半分に対向させた位置に固定子
3の内面との間に所定間隙をあけて第2の単位回転子
RB3が結合されている。上述した第1の単位回転子R
3と第2の単位回転子RB3との間には所定幅の環状に
形成した非磁性体11を介在させている。第1の単位回
転子RA3及び第2の単位回転子RB3は同一構造であっ
て、2個の回転子磁極10A3、10B3が夫々回転軸8
の軸方向に着磁された永久磁石9を挟持し固定されてい
る。2個の回転子磁極10A3と10B3夫々の外周に
は、固定子の各磁極に形成した極歯3k3の形状とピッ
チに対応させた所定の形状とピッチで極歯10a3を形
成している。各極歯10a3の位置関係は、後述するよ
うに第1の回転子磁極10A3の極歯10a3と第2の回
転子磁極10B3の極歯10a3とは、極歯10a3を形
成したピッチの1/2偏位させて結合させ、第1の単位
回転子RA3と第2の単位回転子RB3とは、極歯10a
3を形成したピッチの1/4偏位して結合されている。
【0050】図22によって、10相10極モータに適
用する固定子の作成方法の例を説明する。固定子は環状
の固定子鉄心2の内部に、先端部に所定数の極歯3k3
を等ピッチτS3で磁極の中心線に対して線対称に形成
した同一形状の磁極P3-Aと、先端部に磁極P3-Aと同一
形状、同一個数の極歯3k3を等τS3ピッチで極歯ピッ
チの1/4即ち、τS3/4偏位させて形成した同一形
状の磁極P3-Bとを交互に各5個、総計で10個求心状
に形成した磁性材板(以下固定子鉄板と称す)SP3
所定枚数極歯が重なるように積層して固定子S3の片側
半分を構成する。従って、上述した相互に隣接する磁極
3-Aと磁極P3-Bとの間隔角度θS3は360°/10
即ち36度に形成されている。次に、上記の構成体に
対して磁極のピッチ、即ち36度回転し偏位させて、上
述と同一形状に形成した固定子鉄板SP3を上記と同枚
数、又はほぼ同枚数、極歯が重なるように積層して固定
子S3の残り片側半分を構成する。固定子S3は実施例1
又は実施例2同様、また、後述するように非磁性体11
を挟んで形成した2個の単位回転子に対向させるように
形成するので、各単位回転子が夫々確実に固定子の片半
分に対向するように構成できるなら、半分ずつを同一枚
数にする必要はない。夫々の固定子鉄板はプレスによる
打ち抜き加工によって作成すれば良く、各回転子を構成
する回転子磁極も所定形状の磁性材板をプレスによって
打ち抜いた後所定枚数重ねて構成すれば良い。
【0051】上述の方法によって形成された固定子の磁
極部の構造は、図23のように構成されている。即ち、
図23(A)に示す固定子S3の磁極は、所定数の極歯
3k3を磁極に対して線対称に設けた半分P3-Aと極歯3
3を極歯ピッチの1/4偏位させ磁極に対して非対称
に設けた半分P3-Bとによって形成されている。一方、
同図(B)に示す磁極は、磁極に対して線対称に極歯3
3を設けた半分P3-Aと、磁極を極歯ピッチの1/4偏
位させて非対称に設けた半分P3-Bを同図(A)に示し
た磁極とは反対側に形成している。
【0052】図24は回転子を形成する各回転子磁極の
極歯の関係を拡大して示している。図24においては、
永久磁石9の着磁方向によって、第1の単位回転子RA
3の第1の回転子磁極10A3の極歯10a3と第2の単
位回転子RB3の第1の回転子磁極10A3の極歯10a
3とはN極に、第1の単位回転子RA3の第2の回転子磁
極10B3の極歯10a3と第2の単位回転子RB3の第
2の回転子磁極10B3の極歯10a3とはS極に着磁さ
れている。また、各回転子の磁極に設けた極歯10a3
のピッチをτR3とすると、第1の回転子磁極10A3
極歯10a3と第2の回転子磁極10B3の歯10a3
の間の間隔角度はτR3/2、第1の単位回転子RA3
第1の回転子磁極10A3の極歯10a3と第2の単位回
転子RB3の第1の回転子磁極10A3の極歯10a3
の間隔角度、及び第1の単位回転子RA3の第2の回転
子磁極10B3の極歯10a3と第2の単位回転子RB3
の第2の回転子磁極10B3の極歯10a3との間隔角度
は、いずれもτR3/4に形成する。
【0053】上記構造の固定子と回転子との各極歯構成
は、実施例1に示した(7)式、(8)式、(9)式に
対して本実施例を対応させて、符号τR1をτR3に、符
号τS1をτS3に変換させた下記(19)式、(20)
式、(21)式夫々の条件において、図6、図7、図8
を参照して固定子の磁極に形成する極歯と回転子磁極に
形成する極歯との関係が示される。 τR3=τS3・・・・・・・・・・・・・・・・・・(19) 0.75τR3≦τS3<τR3 ・・・・・・・・・・(20) τR3<τS3≦1.25τR3 ・・・・・・・・・・(21)
【0054】即ち、固定子と回転子との各極歯の相互位
置関係は、実施例1について図6、図7、図8によって
説明した状況と同一なので図示は省略するが、図6、図
7、図8に示した各符号を、固定子の所定の磁極の極歯
対称部3a1-1、3a1-2を夫々3a3-1、3a3-2に、極
歯非対称部3b1-1、3b1-2を夫々3b3-1、3b
3-2に、固定子の磁極のピッチθS1=360°/6をθ
3=360°/10に、固定子の極歯のピッチτS1
τS3に、第1の単位回転子RA1-1、RA1-2、RA1-3
を夫々RA3-1、RA3-2、RA3-3に、第2の単位回転
子RB1をRB3に、第1の回転子磁極10A1-1、10
1-2、10A1-3を夫々10A3-1、10A3-2、10A
3-3に、回転子の極歯のピッチτR1-1、τR1-2、τR
1-3を夫々、τR3-1、τR3-2、τR3-3に、固定子の所
定の磁極の極歯と回転子の極歯の位置が一致した状態
で、隣接する固定子の極歯と回転子の極歯との間隔角度
α1-1、α1-2、α1-3をα3-1、α3-2、α3-3に、夫々置
換することによって、そのまま利用できる。
【0055】本実施例に示す10相10極モータにおい
ては、固定子の極歯と回転子の極歯とのピッチの関係が
(19)式で示される場合、回転子磁極の極歯の数を
(4)式で示したように、下記(22)式で示される条
件を満足させると固定子の所定の磁極で、この磁極の極
歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣接する固定子
の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角度α3-1
τR3-1/20になる。 Z3-1=5n±2 ・・・・・・・・・・・・・・・・(22) 但し、Z3-1は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0056】また、固定子の極歯と回転子の極歯とのピ
ッチの関係が(20)式で示される場合、回転子磁極の
極歯の数を(4)式で示したように、下記(23)式で
示される条件を満足させると固定子の所定の磁極で、こ
の磁極の極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣接
する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角
度α3-2はτR3-2/20になる。 Z3-2=5n±2 ・・・・・・・・・・・・・・・・(23) 但し、Z3-2は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0057】また、固定子の極歯と回転子の極歯とのピ
ッチの関係が(21)式で示される場合、回転子磁極の
極歯の数を(4)式で示したように、下記(24)式で
示される条件を満足させると固定子の所定の磁極で、こ
の磁極の極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣接
する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角
度α3-3はτR3-3/20になる。 Z3-3=5n±2 ・・・・・・・・・・・・・・・・(24) 但し、Z3-3は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0058】図25に、本実施例のモータにおいて、上
述したnを1から変化させた条件における各回転子磁極
の極歯の歯数(Zと記す)と、このモータのステップ角
との関係例を示している。即ち、歯数Zが5n+2の場
合と5n−2の場合において、夫々nを1から順次増加
した場合のステップ角を縦方向に示している。
【0059】図26は、本実施例におけるモノファイラ
巻線の接続状態を示している。図26において、A、
A′は巻線4c1の引出線、F、F′は巻線4c2の引出
線、B、B′は巻線4c3の引出線、G、G′は巻線4
4の引出線、C、C′は巻線4c5の引出線、H、H′
は巻線4c6の引出線、D、D′は巻線4c7の引出線、
I、I′は巻線4c8の引出線、E、E′は巻線4c9
引出線、J、J′は巻線4c10の引出線であって、これ
らの各端子に駆動用の励磁電流出力回路が接続される。
【0060】上述した構成のモータの駆動は実施例1、
実施例2において、図11によって示したフローと同
様、図27に示すフローによって実行される。図27に
おいて、横軸には動作ステップの流れ(シーケンス)を
ステップ1からステップ22まで示し、ステップ23以
降の図示を省略している。縦方向には前述した各引出線
を示し、各引出線を示す横軸には各ステップに対応させ
てパルス電流を供給するタイミングを四辺形で示してい
る。各引出線を示す横線の上側に示す四辺形は、例えば
引出線Aから引出線A′へ電流を流し、各引出線を示す
横線の下側に示す四辺形は、引出線A′から引出線Aへ
電流を流すことを示している。従って、図27に示すよ
うに各引出線に順次パルス電流を流すことによって、こ
のモータは前述したステップ角ずつ歩進し回転する。即
ち、その動作は実施例1の説明で図12に示した展開図
を、上述した段落46乃至58の説明を参照して固定子
の磁極を10極に変換し、回転子の磁極の位置を固定子
の磁極の位置に対応させて記載することによって同様に
示され、図27に示したフローに従って、各引出線に順
次パルス電流を供給するごとにステップ角であるτR3
/20ずつ回転を継続し、20パルスで極歯1ピッチ分
回転する。
【0061】実施例4:次に、本発明を10相20極モ
ータ(インナロータ形ハイブリッド形ステッピングモー
タ)に適用した実施例を図28乃至図34によって説明
する。実施例1乃至実施例3で6相6極モータ、6相1
2極モータ、10相10極モータについて説明した内容
を10相20極モータに転換し容易に理解できる事項
は、その図示説明は省略する。動作については、例えば
各巻線に対する駆動電流の印加による働き等は磁極を展
開した図6、図7、図8等を参照し、磁極や磁歯のピッ
チ等に対応させてステップ角の違いを理解すれば良い。
また、各図については、実施例1の構成要素と相当の構
成要素は同一の符号を使用するかサフィックスを変えて
示し、説明は省略する。
【0062】図28は10相20極モータの縦断正面
図、図29は図28のX−X′断面を示している。図2
8、図29において、S4 は固定子であって、固定子鉄
心2の内方向に20個の磁極3d1乃至3d20が等しい
角度間隔で求心状に形成されていて、各磁極は交互に極
歯の形成形状を交差させている。即ち、各磁極の先端部
には所定の数の極歯3k4が等しいピッチで形成されて
いて、磁極3d1、3d3、3d5、3d7、3d9、3d
11、3d13、3d15、3d17、3d19には、極歯を磁極
に対して線対称に設けた半分と非対称に設けた半分を軸
方向同一側に形成し、磁極3d2、3d4、3d6、3
8、3d10、3d12、3d14、3d16、3d18、3d
20には、上記の磁極とは軸の反対方向側に磁極に対して
線対称に設けた半分と非対称に設けた半分を設けてい
る。上記各磁極には、巻線4d1乃至4d20が夫々巻き
回されている。また、各磁極の先端部には、このモータ
の構造特性に対応した数の極歯3k4が等しい角度間隔
で形成されている。
【0063】回転軸8には、固定子S4の内面との間に
所定間隙をあけて第1の単位回転子RA4が結合されて
おり、固定子S4の他の半分に対向させた位置に固定子
4の内面との間に所定間隙をあけて第2の単位回転子
RB4が結合されている。上述した第1の単位回転子R
4と第2の単位回転子RB4との間には所定幅の環状形
状に形成した非磁性体11を介在させている。第1の単
位回転子RA4及び第2の単位回転子RB4は同一構造で
あって、2個の回転子磁極10A4、10B4が夫々回転
軸8の軸方向に着磁された永久磁石9を挟持し固定され
ている。2個の回転子磁極10A4と10B4夫々の外周
には、固定子の各磁極に形成した極歯3k4の形状とピ
ッチに対応させた所定の形状とピッチで極歯10a4
形成している。各極歯10a4の位置関係は後述するよ
うに、第1の回転子磁極10A4の極歯10a4と第2の
回転子磁極10B4の極歯10a4とは、極歯10a4
形成したピッチの1/2偏位させて結合させ、第1の単
位回転子RA4と第2の単位回転子RB4とは、極歯10
4を形成したピッチの1/4偏位して結合されてい
る。
【0064】図30によって、10相20極モータに適
用する固定子の作成方法の例を説明する。固定子は環状
の固定子鉄心2の内部に、先端部に所定数の極歯3k4
を等ピッチτS4で磁極の中心線に対して線対称に形成
した同一形状の磁極P4-Aと、先端部に磁極P4-Aと同一
形状、同一個数の極歯3k4を等ピッチτS4で磁極ピッ
チの1/4、即ち、τS4/4偏位させて形成した同一
形状の磁極P4-Bとを交互に各5個、総計で10個求心
状に形成した磁性材板(以下固定子鉄板と称す)SP4
を所定枚数極歯が重なるように積層して固定子S4の片
側半分を構成する。従って、上述した相互に隣接する磁
極P4-Aと磁極P4-Bとの角度間隔θS4は360°/2
0 即ち18度に形成されている。次に、上記の構成体
に対して磁極のピッチ、即ち18度回転偏位させて、上
述と同一形状に形成した固定子鉄板SP4を上記と同枚
数、又はほぼ同一枚数極歯が重なるように積層して固定
子S4の残り片側半分を構成する。固定子S4は、非磁性
体11を挟んで形成した2個の単位回転子に対向させる
ように形成するので、各単位回転子が夫々確実に固定子
の片半分に対向するように構成できるなら、半分ずつを
同一枚数にする必要はない。夫々の固定子鉄板はプレス
による打ち抜き加工によって作成すれば良く、各回転子
を構成する回転子磁極も所定形状の磁性材板をプレスに
よって打ち抜いた後所定枚数重ねて構成すれば良い。
【0065】固定子の磁極部の構造は実施例1乃至実施
例3で示した図5、図17、図21同様、図31に示す
ように構成されている。即ち、図31(A)に示す固定
子S4の磁極は所定数の極歯3k4を磁極に対して線対称
に設けた半分P4-Aと極歯3k4を極歯のピッチ1/4偏
位させて磁極に対して非対称に設けた半分P4-Bとによ
って形成されている。一方、図31(B)に示す磁極
は、磁極に対して線対称に極歯3k4を設けた半分P4-A
と、磁極を極歯ピッチの1/4偏位させて非対称に設け
た半分P4-Bを図31(A)に示した磁極とは反対側に
形成している。
【0066】図32には、回転子を形成する各回転子磁
極の極歯の関係を拡大して示している。図32におい
て、永久磁石9の着磁方向によって、第1の単位回転子
RA4の第1の回転子磁極10A4の極歯10a4と第2
の単位回転子RB4の第1の回転子磁極10A4の極歯1
0a4とはN極に、第1の単位回転子RA4の第2の回転
子磁極10B4の極歯10a4と第2の単位回転子RB4
の第2の回転子磁極10B4の極歯10a4とはS極に着
磁されている。また、各回転子の磁極に設けた極歯10
4のピッチをτR4とすると、第1の回転子磁極10A
4の極歯10a4と第2の回転子磁極10B4の極歯10
4との間の間隔角度はτR4/2、第1の単位回転子R
4の第1の回転子磁極10A4の極歯10a4と第2の
単位回転子RB4の第1の回転子磁極10A4の極歯10
4との間隔角度、及び第1の単位回転子RA4の第2の
回転子磁極10B4の極歯10a4と第2の単位回転子R
4の第2の回転子磁極10B4の極歯10a4との間隔
角度は、いずれもτR4/4に形成する。
【0067】上記構造の固定子と回転子との各極歯構成
は、実施例1に示した、(7)式、(8)式、(9)式
に対して本実施例を対応させて、符号τR1をτR4に、
符号τS1をτS4に変換させた下記(25)式、(2
6)式、(27)式夫々の条件において、図6、図7、
図8を参照して固定子の磁極に形成する極歯と回転子磁
極に形成する極歯との関係が示される。 τR4=τS4・・・・・・・・・・・・・・・・・・(25) 0.75τR4≦τS4<τR4 ・・・・・・・・・・(26) τR4<τS4≦1.25τR4 ・・・・・・・・・・(27)
【0068】即ち、固定子と回転子との各極歯の相互位
置関係は、実施例1について図6、図7、図8によって
説明した状況と同一なので図示は省略するが、図6、図
7、図8に示した各符号を、固定子の所定の磁極の極歯
対称部3a1-1、3a1-2を夫々3a4-13a4-2に、極歯
非対称部3b1-1、3b1-2を夫々3b4-1、3b4-2に、
固定子の磁極のピッチθS1=360°/6をθS4=3
60°/20に、固定子の極歯のピッチτS1をτS
4に、第1の単位回転子RA1-1、RA1-2、RA1-3を夫
々RA4-1、RA4-2、RA4-3に、第2の単位回転子R
1をRB4に、第1の回転子磁極10A1-1、10
1-2、10A1-3を夫々10A4-1、10A4-2、10A
4-3に、回転子の極歯のピッチτR1-1、τR1-2、τR
1-3、を夫々、τR4-1、τR4-2、τR4-3に、固定子の
所定の磁極の極歯と回転子の極歯の位置が一致した状態
で、隣接する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間
隔角度α1-1、α1-2、α1-3をα4-1、α4-2、α4-3に、
夫々置換することによって、そのまま利用できる。
【0069】本実施例に示す10相20極モータにおい
ては、固定子の極歯と回転子の極歯とのピッチの関係が
(25)式で示される場合、回転子磁極の極歯の数を
(5)式で示したように、下記(28)式で示される条
件を満足させると固定子の所定の磁極で、この磁極の極
歯と回転子の極歯とを一致させた場合に、隣接する固定
子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角度α4-1
はτR4-1/20になる。 Z4-1=10n±4 ・・・・・・・・・・・・・・・(28) 但し、Z4-1は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0070】また、固定子の極歯と回転子の極歯とのピ
ッチの関係が(26)式で示される場合、回転子磁極の
極歯の数を(5)式で示したように、下記(29)式で
示される条件を満足させると固定子の所定の磁極で、こ
の磁極の極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣接
する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角
度α4-2はτR4-2/20になる。 Z4-2=10n±4 ・・・・・・・・・・・・・・・(29) 但し、Z4-2は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0071】また、固定子の極歯と回転子の極歯とのピ
ッチの関係が(27)式で示される場合、回転子磁極の
極歯の数を(5)式で示したように、下記(30)式で
示される条件を満足させると固定子の所定の磁極で、こ
の磁極の極歯と回転子の極歯とを一致させた場合に隣接
する固定子の磁極の極歯と回転子の極歯との間の間隔角
度α4-3はτR4-3/20になる。 Z4-3=10n±4 ・・・・・・・・・・・・・・・(30) 但し、Z4-3は各回転子磁極の極歯の数、nは1に等し
いか1よりも大なる整数である。
【0072】図33に、本実施例のモータにおいて、上
述したnを1から変化させた条件における各回転子磁極
の磁歯の歯数(Zで記す)と、このモータのステップ角
との関係例を示している。即ち、歯数Zが10n+4の
場合と10n−4の場合において、夫々nを1から順次
増加した場合のステップ角を縦方向に示している。
【0073】図34は、本実施例におけるモノファイラ
巻線の接続状態を示している。図34において、A、
A′は巻線4d1と巻線4d11を直列接続した回路の引
出線、以下、同様にF、F′は巻線4d2と巻線4d12
を、B、B′は巻線4d3と巻線4d13を、G、G′は
巻線4d4と巻線4d14をC、C′は巻線4d5と巻線4
15を、H、H′は巻線4d6と巻線4d16を、D、
D′は巻線4d7と巻線4d17を、I、I′は巻線4d8
と巻線4d18を、E、E′は巻線4d9と巻線4d
19を、J、J′は巻線4d10と巻線4d20を夫々直列接
続した回路の引出線であって、これらの各端子に駆動用
の励磁電流出力回路が接続される。
【0074】上述した構成のモータの駆動は実施例3に
おいて示したフローと同様、図27に示したフローによ
って実行される。即ち、その動作は実施例1の説明で図
12に示した展開図を、前述した本実施例の構成と働き
の説明を参照して固定子の磁極を20極に変換し回転子
の磁極の位置を固定子の磁極の位置に対応させて記載す
ることによって同様に示され、図27に示すフローに従
って、各引出線に順次パルス電流を供給するごとにステ
ップ角であるτR4/20ずつ回転を継続し、20パル
スで極歯1ピッチ分回転する。
【0075】実施例5:上述した実施例1乃至実施例4
においては、夫々本発明の技術思想をインナロータ形ハ
イブリッド形ステッピングモータに適用した例を説明し
たが、アウタロータ形ハイブリッド形ステッピングモー
タに対しても同一の技術思想を適用することができる。
即ち、詳細な図示説明は省略するが、実施例1乃至実施
例4で説明したインナロータ形ハイブリッド形ステッピ
ングモータにおける固定子鉄心を形成する環状磁性体の
内面から円中心に向けて求心状に等ピッチで、2m(但
し、m≧3の整数)個の磁極を設けた固定子の磁極を固
定子鉄心を形成する円筒面から放射状に形成する。即
ち、この磁極は磁極形状に対して線対称に極歯を形成し
た単位磁極と磁極の磁歯配設ピッチの1/4偏位させて
極歯を形成した単位磁極とを交互に交差して各磁極を形
成し、各磁極に励磁用巻線を巻き回して固定子を構成す
る。この固定子の外面との間に所定間隙を設けて固定子
の極歯数に対応する数の極歯を同心的放射状に形成した
第1の回転子磁極と、第1の回転子磁極と同一形状に形
成した第2の回転子磁極とを相互に極歯形成ピッチの1
/2回転偏位し永久磁石を介して固定した第1の単位回
転子を前記した固定子の半分の幅に対応させ、第1の単
位回転子と同一形状の第2の単位回転子を非磁性体を介
し、第1の単位回転子に対して極歯形成ピッチの1/4
回転偏位した環状の回転子にすれば良い。本実施例の構
造においても、実施例1乃至実施例4に夫々示したよう
に、用途と必要特性に対応させ磁極と相数を設定して作
動させることができる。
【0076】上述の実施例は本発明の技術思想を実現す
る一例を示したものであって、そのモータの用途と用途
に対応した回転速度や所望されるトルク、状況に適した
電源条件等に対応して適切に応用改変しても良いことは
当然である。例えば、実施例の説明では、6相6極、6
相12極、10相10極、10相20極の場合について
説明したが、固定子の磁極の数は2m(但し、m≧3の
整数)個であれば良く、回転子の極歯の数は、前述した
(2)、(3)、(4)、(5)の各式を満足し、ま
た、固定子の極歯形成ピッチと回転子の極歯形成ピッチ
とは前述した(6)式の関係を満足するようにすれば良
い。磁極の製造方法も上述した形状が得られれば任意の
手段で成形させれば良い。
【0077】
【発明の効果】本発明に基づくインナロータ形又はアウ
タロータ形ハイブリッド形ステッピングモータは上述の
ように構成し作動するようにしたので、次のような優れ
た効果を有する。 (1)従来のインナロータ形又はアウタロータ形いずれの
多相形ハイブリッド形ステッピングモータを得るにも相
数に対応する多数の固定子磁極が必要であったが、従来
よりも大幅に減少させた少数の磁極で実現できるように
なった。 (2)例えば、6相ステッピングモータには24個の固定
子磁極が必要であったが、6乃至12個の固定子磁極で
実現できるようになった。 (3)10相ステッピングモータには40個の固定子磁極
が必要であったが、10乃至20個の固定子磁極で実現
できるようになった。 (4)固定子磁極の数を減らすことができたので、多相ス
テッピングモータでありながら、その小型化が可能にな
った。 (5)固定子磁極の数を減らすことができたので、巻線の
数が減ると同時に巻線の加工費が大幅に削減できる。 (6)磁極を磁性材板で成形すれば所定の構造が容易低廉
で得られる。 (7)上述の結果、従来製作困難であった多相ステッピン
グモータが低価格で実現できる。 (8)上述のような構造の多相ステッピングモータの実現
によって、回転子の極歯のピッチを小さくして多数設け
なくても、従来市販されているステッピングンモータよ
りも微少なステップ角が得られるようになった。 (9)微少ステップ角が得られるので、ステッピングモー
タの分解能が向上される。 (10)分解能の向上によって、精度の良い回転制御が実現
され、従来サーボモータに頼る必要のあった回転システ
ムに対するステッピングモータの適用を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術思想に基づき形成した実施例1
(6相6極インナロータ形ハイブリッド形ステッピング
モータ)の縦断正面図である。
【図2】図1のX−X′断面図である。
【図3】実施例1の固定子を形成する磁性材板(固定子
鉄板)の形状を説明する平面図である。
【図4】実施例1の固定子の磁極先端部形状を説明する
もので、同図(A)は所定の磁極部の斜視図、同図
(B)は同図(A)に示す磁極部に隣接する磁極部の斜
視図である。
【図5】実施例1における回転子を構成する単位回転子
の4個の磁極に設けた極歯の関係を拡大して示している
回転子先端部の拡大側面概要図である。
【図6】実施例1において、固定子の極歯のピッチ(間
隔角度)と回転子の極歯のピッチ(間隔角度)が等しい
場合における固定子の極歯と回転子の極歯との位置関係
を説明する固定子と回転子の極歯部の展開説明図であ
る。
【図7】実施例1において、固定子の極歯のピッチ(間
隔角度)が回転子の極歯のピッチ(間隔角度)よりも小
さく、且つ、回転子のピッチ極歯の(間隔角度)の0.
75倍に等しいか、より大なる場合における固定子の極
歯と回転子の極歯との位置関係を説明する固定子と回転
子の極歯部の展開説明図である。
【図8】実施例1において、固定子の極歯のピッチ(間
隔角度)が回転子の極歯のピッチ(間隔角度)よりも大
きく、且つ、回転子の極歯のピッチ(間隔角度)の1.
25倍より小さい場合における固定子の極歯と回転子の
極歯との位置関係を説明する固定子と回転子の極歯部の
展開説明図である。
【図9】実施例1のステッピングモータにおいて、回転
子の極歯数とステップ角との関係を示す図表である。
【図10】実施例1におけるモノファイラ巻線の接続状
態を示す結線図である。
【図11】実施例1、実施例2のバイポーラ駆動におけ
る1相励磁の場合の励磁シーケンス図である。
【図12】実施例1の固定子の極歯のピッチ(間隔角
度)と回転子の極歯のピッチ(間隔角度)が等しい場合
において、図11に示す励磁シーケンスによる実行時に
おける固定子の極歯と回転子の極歯との位置関係を説明
する固定子と回転子の極歯部の展開説明図である。
【図13】本発明の実施例2(6相12極インナロータ
形ハイブリッド形ステッピングモータ)の縦断正面図で
ある。
【図14】図13のX−X′断面図である。
【図15】実施例2の固定子を形成する磁性材板(固定
子鉄板)の形状を説明する平面図である。
【図16】実施例2における固定子の磁極先端部形状を
説明するもので、同図(A)は所定の磁極部の斜視図、
同図(B)は同図(A)に示す磁極部に隣接する磁極部
の斜視図である。
【図17】実施例2の回転子を構成する単位回転子の4
個の磁極に設けた極歯の関係を拡大して示している回転
子先端部の拡大側面概要図である。
【図18】実施例2のステッピングモータにおいて、回
転子の極歯数とステップ角との関係を示す図表である。
【図19】実施例2におけるモノファイラ巻線の接続状
態を示す結線図である。
【図20】本発明の技術思想に基づき形成した実施例3
(10相10極インナロータ形ハイブリッド形ステッピ
ングモータ)の縦断正面図である。
【図21】図20のX−X′断面図である。
【図22】実施例3の固定子を形成する磁性材板(固定
子鉄板)の形状を説明する平面図である。
【図23】実施例3における固定子の磁極先端部形状を
説明するもので、同図(A)は所定の磁極部の斜視図、
同図(B)は同図(A)に示す磁極部に隣接する磁極部
の斜視図である。
【図24】実施例3の回転子を構成する2個の単位磁極
に設けた極歯の関係を拡大して示している回転子先端部
の拡大側面概要図である。
【図25】実施例3のステッピングモータにおいて、回
転子の極歯数とステップ角との関係を示す図表である。
【図26】実施例3におけるモノファイラ巻線の接続状
態を示す結線図である。
【図27】実施例3、実施例4のバイポーラ駆動におけ
る1相励磁の場合の励磁シーケンス図である。
【図28】本発明の実施例4(10相20極インナロー
タ形ハイブリッド形ステッピングモータ)の縦断正面図
である。
【図29】図28のX−X′断面図である。
【図30】実施例4の固定子を形成する磁性材板(固定
子鉄板)の形状を説明する平面図である。
【図31】実施例4における固定子の磁極先端部形状を
説明するもので、同図(A)には所定の磁極部の斜視
図、同図(B)は同図(A)に示す磁極部に隣接する磁
極部の斜視図である。
【図32】実施例4の回転子を構成する2個の単位磁極
に設けた極歯の位置関係を拡大して示している回転子先
端部の拡大側面概要図である。
【図33】実施例4のステッピングモータにおいて、回
転子の極歯数とステップ角との関係を示す図表である。
【図34】実施例4におけるモノファイラ巻線の接続状
態を示す結線図である。
【図35】従来のインナロータ形ハイブリッド形ステッ
ピングモータの縦断正面図である。
【図36】図35のX−X′断面図である。
【図37】従来構造のインナロータ形6相ステッピング
モータのモノファイラ巻きでの結線図である。
【図38】従来構造のインナロータ形6相ステッピング
モータのモノファイラ巻きでの1相励磁の場合の励磁シ
ーケンス図である。
【図39】従来構造のインナロータ形10相ステッピン
グモータのモノファイラ巻きでの結線図である。
【図40】従来構造のインナロータ形10相ステッピン
グモータのモノファイラ巻きでの1相励磁の場合の励磁
シーケンス図である。
【符号の説明】
2:固定子鉄心 3a1〜3a6、3b1〜3b12、3c1〜3c10、3d1
〜3d20:固定子の磁極 3k1〜3k4:固定子の極歯 3a1-1〜3a1-6:固定子の対称極歯部 3b1-1〜3b1-6:固定子の非対称極歯部 4a1〜4a6、4b1〜4b12、4c1〜4c10、4d1
〜4d20:巻線 8:回転軸 9:永久磁石 10A1、10A1-1〜10A1-3、10B1、10B1-1
〜10B1-3、10A2、10B2、10A3、10B3
10A4、10B4:回転子磁極 10a1〜10a4:回転子の極歯 11:非磁性体 A、A′乃至J、J′:巻線の引出線 P1-A、P2-A、P3-A、P4-A;固定子磁極の極歯対象部 P1-B、P2-B、P3-B、P4-B;固定子磁極の極歯非対象
部 RA1〜RA4、RB1〜RB4:単位回転子 S1〜S4:固定子 SP1〜SP4:磁性材板(固定子鉄板) α1-1、α1-2、α1-3、α2-1、α3-1、α4-1、α5-1
α6-1、α7-1:固定子の極歯と回転子の極歯との間隔角
度 β:ステップ角とその倍数 θS1〜θS4:固定子の磁極間ピッチ(間隔角度) τR1、τR1-1、τR1-2、τR1-3、τR2、τR3、τ
4:回転子の極歯間ピッチ(間隔角度) τS1〜τS4:固定子の磁極の極歯間ピッチ(間隔角
度)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状磁性体の内面から円中心に向け求心
    状に等ピッチで夫々が励磁用の巻線を巻き回し先端部に
    複数所定個の極歯を等ピッチで形成した2m個の磁極を
    有する固定子と、上記固定子の極歯に対応する軸方向に
    着磁した永久磁石により磁化した極歯を有して、軸受に
    回転自在に支承した回転子とを備えたインナロータ形ハ
    イブリッド形ステッピングモータにおいて、各磁極は隣
    接する磁極交互に、当該磁極形状に対して線対称に複数
    個の極歯を形成した半分と、前記磁極の極歯配設ピッチ
    の1/4偏位させ、前記と同一ピッチで同数の極歯を形
    成した残りの磁極の半分とを軸方向に配設して形成し、
    前記各磁極に励磁用巻線を巻き回した固定子と該固定子
    の外面との間に所定間隙を設けて、前記固定子の極歯数
    に対応する数の極歯を同心的放射状に形成した第1の回
    転子磁極と、該第1の回転子磁極と同一形状に形成した
    第2の回転子磁極とを相互に極歯形成ピッチの1/2回
    転偏位し永久磁石を介して固定した第1の単位回転子を
    前記固定子の半分の幅に対応させ、該第1の単位回転子
    と同一形状の第2の単位回転子を非磁性体を介し、前記
    第1の単位回転子に対して極歯形成ピッチの1/4回転
    偏位し前記固定子の他の半分の幅に対応させて構成した
    回転子とを備えるようにしたことを特徴とするインナロ
    ータ形ハイブリッド形ステッピングモータ。但し、m≧
    3の整数とする。
  2. 【請求項2】 円筒状磁性体の円筒面から放射状に等ピ
    ッチで夫々が励磁用の巻線を巻き回し先端部に複数所定
    個の極歯を等ピッチで形成した2m個の固定子と、上記
    固定子の極歯に対応する軸方向に着磁した永久磁石によ
    り磁化した極歯を有して、軸受に回転自在に支承した回
    転子を備えたアウタロータ形ハイブリッド形ステッピン
    グモータにおいて、各磁極は隣接する磁極交互に、当該
    磁極形状に対して線対称に複数個の極歯を形成した半分
    と、前記磁極の極歯配設ピッチの1/4偏位させ、前記
    と同一ピッチで同数の極歯を形成した残りの磁極の半分
    とを軸方向に配設して形成し、前記各磁極に励磁用巻線
    を巻き回した固定子と、該固定子の外面との間に所定間
    隙を設けて、前記固定子の極歯数に対応する数の極歯を
    同心的放射状に形成した第1の回転子磁極と、該第1の
    回転子磁極と同一形状に形成した第2の回転子磁極とを
    相互に極歯形成ピッチの1/2回転偏位し永久磁石を介
    して固定した第1の単位回転子を前記固定子の半分の幅
    に対応させ、該第1の単位回転子と同一形状の第2の単
    位回転子を非磁性体を介し、前記第1の単位回転子に対
    して極歯形成ピッチの1/4回転偏位し前記固定子の他
    の半分の幅に対応させて構成した回転子を備えるように
    したことを特徴とするアウタロータ形ハイブリッド形ス
    テッピングモータ。但し、m≧3の整数とする。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインナロータ形ハイブリ
    ッド形ステッピングモータ又は請求項2記載のアウタロ
    ータ形ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、前
    記固定子の磁極の数を6個に形成し、回転子の極歯数Z
    は下式の関係を満足するように形成した6相6極のイン
    ナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ステッピ
    ングモータ。 Z=3n±1 但し、n≧1の整数とする。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインナロータ形ハイブリ
    ッド形ステッピングモータ又は請求項2記載のアウタロ
    ータ形ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、前
    記固定子の磁極の数を12個に形成し、回転子の極歯数
    Zは下式の関係を満足するように形成した6相12極の
    インナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ステ
    ッピングモータ。 Z=6n±4 但し、n≧1の整数とする。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のインナロータ形ハイブリ
    ッド形ステッピングモータ又は請求項2記載のアウタロ
    ータ形ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、前
    記固定子の磁極の数を10個に形成し、回転子の極歯数
    Zは下式の関係を満足するように形成した10相10極
    のインナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ス
    テッピングモータ。 Z=5n±2 但し、n≧1の整数とする。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のインナロータ形ハイブリ
    ッド形ステッピングモータ又は請求項2記載のアウタロ
    ータ形ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、前
    記固定子の磁極の数を20個に形成し、回転子の極歯数
    Zは下式の関係を満足するように形成した10相20極
    のインナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ス
    テッピングモータ。 Z=10n±4 但し、n≧1の整数とする。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のイン
    ナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ステッピ
    ングモータにおいて、各固定子は所定形状寸法の磁極の
    先端部に、該磁極形状に対して線対称に極歯を形成した
    m個の磁極と、前記線対称に極歯を形成した磁極の磁歯
    配設ピッチの1/4偏位させて極歯を形成したm個の磁
    極を交互に形成した磁性体板を所定枚数積層し、さらに
    前記磁性体板と同一形状に形成した磁性体板を180°
    /m回転偏位して所定枚数積層して各積層体を固定し、
    巻線を巻き回して構成したインナロータ形又はアウタロ
    ータ形ハイブリッド形ステッピングモータ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のイン
    ナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ステッピ
    ングモータにおいて、固定子の極歯形成ピッチτSと回
    転子の極歯形成ピッチτRとを下式の関係を満足するよ
    うに形成したインナロータ形又はアウタロータ形ハイブ
    リッド形ステッピングモータ。 0.75τR≦τS≦1.25τR
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のイン
    ナロータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ステッピ
    ングモータにおいて、前記固定子は当該固定子に巻き回
    した巻線に対する励磁電流の供給によって、相互に18
    0度ずれた磁極が同極になるように形成されたインナロ
    ータ形又はアウタロータ形ハイブリッド形ステッピング
    モータ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999050952A1 (fr) * 1998-03-26 1999-10-07 Seiko Epson Corporation Moteur pas-a-pas, dispositif d'impression utilisant ce moteur ou dispositif alimentateur de papier, et imprimante
EP1672771A3 (en) * 2004-12-15 2009-07-08 Sanyo Denki Co., Ltd. Rotor for hybrid type stepping motor and manufacturing method thereof
JP2010263786A (ja) * 2010-08-23 2010-11-18 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の製造方法
CN109391048A (zh) * 2017-08-14 2019-02-26 上海鸣志电器股份有限公司 一种步进电机定子及具有该定子的电机

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