JP3806659B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラム内に洗濯物を収容して洗濯を行うドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば略水平方向に延びる軸線周りに回転可能な中空円柱状のドラム内に洗濯物を収容して洗濯を行うドラム式の洗濯機が知られている。この種の洗濯機は、例えばドラムの外側を取り囲む外槽を有しており、この外槽内に所定量の水を貯めた状態でドラムを回転させることにより、ドラム内の洗濯物をドラム内面に突設されたバッフルによって持ち上げ、ある程度の高さから水面に向けて自然落下させるといった動作(たたき洗い)を繰り返す洗い工程(通常洗い)により洗濯を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常、洗濯時には、洗浄性能を向上させるために洗剤が用いられる。
しかしながら、洗剤を用いた場合、ドラムの回転数を高くすると泡が大量に発生し、この泡が洗濯時に自然落下する洗濯物の水面に対する衝撃を和らげ、洗浄性能が低下する場合がある。
したがって、洗剤を用いた場合、ドラムの回転数をあまり高くすることができず、洗浄性能を十分に発揮できないという問題があった。
【0004】
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、洗剤を用いなくても十分な洗浄性能で洗濯を行うことができるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、洗濯時に水を貯めることができる外槽(5)と、この外槽内に設けられ、略水平方向または水平方向に対して所定の角度範囲内に設定された回転軸(51L、51R)を中心に回転させることにより、その内部に収容する洗濯物を洗濯できるドラム(4)とを備えたドラム式洗濯機であって、洗濯に使用する水を電気分解するための電解装置(60)を含み、上記電解装置により電気分解された水で洗濯を行う洗濯コースを備え、上記電解装置は、洗濯に使用する水を電気分解するために通電される電極(61)と、この電極を収容する電解槽(62)であって、外槽内の水を電解槽へ浸入させるための流入口(63A)と、電解槽内の水を外槽へと戻すための流出口(63B)とを有する電解槽とを含むとともに、上記流入口は、上記ドラムの周面壁(42)の接線方向に臨んでおり、上記ドラムは、洗い工程またはすすぎ工程が終了する際、上記外槽の水が上記流入口から上記電解槽内へスムーズに入り込む所定の一方向への回転状態から停止するようになっていることを特徴とするドラム式洗濯機である。
【0006】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0013】
この構成によれば、電解処理などの所定の処理により洗浄性能が向上された水を用いて洗濯が行われる。このとき、外槽内の水が流入口から電解装置内にスムーズに入り込む方向の回転状態からドラムが停止して、洗い工程やすすぎ工程が終了するようにすることにより、洗い工程やすすぎ工程中に洗濯物から出た糸くずなどの異物が電解装置内に入り込んだ場合でも、電解装置内にスムーズに水を通して、異物を外槽へと流し出すことができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、上記ドラム(4)は、洗い工程またはすすぎ工程が終了する直前に、洗濯時またはすすぎ時における通常の回転速度よりも高い一定速度(例えば60rpm以上)で上記所定の一方向に回転されてから停止するようになっていることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機である。
【0022】
この構成によれば、洗い工程やすすぎ工程が終了する直前のドラムの回転速度を、通常の回転速度よりも高い速度にすることにより、電解装置内の異物をよりスムーズに外槽へと流し出すことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るドラム式洗濯機を斜め上方から見た斜視図である。図1において、左手前側を前方、右奥側を後方として説明する。
このドラム式洗濯機の外観を構成する筐体1は、例えば洗濯物を収容する槽内に水流を発生させるためのパルセータを備えた渦巻式の縦型洗濯機用の洗濯機パンに設置可能なサイズに形成されている。また、床の上に設置されたときの高さ(床面から筐体1の上面1Aまでの高さ)がユーザの腰の高さぐらいとなるように設計されている。
【0024】
筐体1の上面1Aの手前側には、手前側に向かって低くなるように傾斜した傾斜面1Bが形成されており、筐体1の上面1Aから傾斜面1Bにかけて、開閉蓋14によって開閉可能な開口15が形成されている。開閉蓋14は、開口15のうち筐体1の上面1Aに形成された部分を覆う後蓋14Aと、傾斜面1Bに形成された部分を覆う前蓋14Bとを含む。後蓋14Aは、その後端が筐体1の上面1Aに回動自在に取り付けられており、前蓋14Bは、その後端が後蓋14Aの前端に回動自在に取り付けられている。前蓋14Bの前端部の左右両側は、開口15の左右の縁に沿って、前後方向にスライド可能に取り付けられている。
【0025】
ユーザは、前蓋14Bに形成された把持部16を掴んで、前蓋14Bの後部を上方に持ち上げつつ、後方にスライドさせることにより、前蓋14Bと後蓋14Aとが上面1Aから上方に突き出すように折り畳まれた状態で、開口15を開放することができる。
傾斜面1Bにおける開口15の右側には、このドラム式洗濯機の運転に関する各種設定、および運転状況などの各種表示を行うための操作表示パネル17が配置されている。
【0026】
また、筐体1の左右両側面の略中央には、略円形の開口18が形成されていて、各開口18には、蓋19が嵌め込まれている(図1では右側面だけが見えている)。開口18は、いわゆるサービスハッチであって、蓋19を取り外して筐体1の内部に手を入れることにより、機内のメンテナンスを行うことができるようになっている。
図2は、ドラム式洗濯機の全体構成を示す縦断面図であり、左右方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を手前側から見た図である。また、図3および図4は、ドラム式洗濯機の縦断面図であり、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面をそれぞれ左側または右側から見た図である。
【0027】
図2〜図4を参照して、筐体1の内部には、略中空円柱状の外槽2が端面を左右にして設けられている。この外槽2の両端面は、端面壁21L、21Rで構成されている。
外槽2は、一対のダンパ3F、3Bおよび一対のコイルばね(図示せず)によって支持されている。具体的には、一対のダンパ3F、3Bは、筐体1の内底面と外槽2との間を連結していて、それぞれ外槽2の下方前寄りの位置および下方後寄りの位置を支持している。また、一対のコイルばねは、それぞれ筐体1の左右側面と外槽2とを連結しており、外槽2の端面壁21L、21Rの上端部後寄りの位置を支持している。
【0028】
外槽2の内部には、洗濯物を内部に収容するための略中空円柱状のドラム4が、端面を左右にして設けられている。ドラム4は、その軸線が外槽2の軸線に対してほぼ同軸になるように配置されている。ドラム4の両端面は、端面壁41L、41Rで構成されており、これらの端面壁41L、41Rの中心には、それぞれ回転軸51L、51Rが連結されている。回転軸51L、51Rは、それぞれ、筐体1の左右側面にほぼ直交する方向に設定された同一の回転軸線に沿って各端面壁41L、41Rから外側に向かって延びており、外槽2に取り付けられた軸受52L、52Rに回転可能に保持されている。
【0029】
外槽2の左側には、ドラム4を回転駆動させるためのモータ6が、ステータ6Aを介して外槽2の左端面壁21Lに取り付けられている。モータ6は、回転軸51Lの左端部に対してDD(ダイレクトドライブ)方式で結合された、いわゆるDDモータであって、モータ6のアウタロータ6Bが回転されることにより、回転軸51Lが回転され、ドラム4が外槽2内で軸線まわりに回転されるようになっている。
【0030】
ドラム4の周面壁42には、洗濯物の出し入れのための開口43が形成されている。そして、外槽2の周面壁21には、筐体1の開口15と対向する位置に開口22が形成されている。外槽2の開口22およびドラム4の開口43は、例えば、それぞれ外側(図2における上方)に向かって回動可能な開閉蓋22A、43Aにより開閉可能となっていて、これらの開閉蓋22A、43Aを開いた状態で洗濯物の出し入れを行うことができるようになっている。ドラム4の開閉蓋43Aは、外槽2の開閉蓋22Aを開閉させた時に、これと連動して自動的に開閉されるように構成されていてもよい。
【0031】
外槽2の左端面壁21Lの下部には、ドラム2の回転を所定のタイミングで停止させるためのロック機構10が取り付けられている。このロック機構10の働きにより、ドラム4は、その開口43が外槽2の開口22に対向する位置にくるように停止位置が制御されるようになっている。これにより、ドラム4の回転が停止した状態で、開閉蓋14、22A、43Aを開くことにより、ドラム4に対して斜め上方から、開口15、22、43を介して洗濯物の出し入れを行うことができる。
【0032】
筐体1の上面1Aの後部左側には、外部の水道設備等に至る給水ホースを接続するためのホース接続口71が設けられており(図3参照)、このホース接続口71から筐体1の内部に向かって給水管72が延びている。給水管72の途中には、給水バルブ73が設けられていて、通常は、この給水バルブ73が閉じた(オフした)状態とされることにより、給水ホースを介して供給されてくる水道水(以下、簡略して「水」と呼ぶ)が給水バルブ73よりも下流側に流れないようになっている。給水時には、給水バルブ73を開く(オンする)ことにより、給水ホースを介して供給されてくる水を、給水管72を介して外槽2内に供給することができる。
【0033】
外槽2の周面壁21の下端部右側には、排水口76が形成されており(図2参照)、この排水口76には排水管75が接続されている。排水管75の途中には、排水バルブ77が設けられていて、この排水バルブ77を閉じた(オフした)状態で給水を行うことにより、給水管72を介して供給される水を外槽2内に貯めることができる。また、外槽2内に貯まった水は、排水バルブ77を開く(オンする)ことにより、排水口76および排水管75を通して機外に排水することができる。
【0034】
ドラム4の周面壁42には、多数の通水孔(図示せず)が穿設されており、外槽2内に供給された水は、これらの通水孔を通ってドラム4内に流入するようになっている。また、ドラム4の周面壁42の内面には、洗濯物を持ち上げるためのバッフル(図示せず)が、円周方向の所定等角度毎(例えば120°毎)に1つずつ(計3つ)、それぞれ左右方向に延びるように設けられている。
本実施形態では、洗い時においては、給水バルブ73および排水バルブ77のオン/オフ制御、およびモータ6の回転制御が組み合わされることにより、ドラム4内の洗濯物をバッフルによって持ち上げ、ある程度の高さから外槽2内に貯められた水の水面に向けて自然落下させるといった動作(たたき洗い)を繰り返す通常洗いの洗い工程の他、後に詳述する排水洗い、脱水洗い、ゆりかご洗いなどの種々の洗い工程で洗濯を行うことができるようになっている。
【0035】
脱水時には、ドラム4が高速回転(例えば300〜1000rpm)されて、ドラム4内の洗濯物に含まれる水が遠心力により絞り出され、この洗濯物から出た水分が通水孔を通って外槽2側へ飛散する。
排水管75は、その途中で右側に向かって分岐している。外槽2の右端面壁21Rの下端部には、エアトラップ11が取り付けられて、このエアトラップ11は分岐した排水管75に接続されている。エアトラップ11には、水位センサ(図示せず)が備えられており、この水位センサでエアトラップ11内の空気の圧力を検知することにより、外槽2内の水位を検知することができるようになっている。
【0036】
外槽2内の最下部には、温水ヒータ12が設けられている。この温水ヒータ12を用いて外槽2内に貯められた水を温めることにより、適当な水温で洗濯を行うことができる。
脱水時のドラム4の振動を低減するために、ドラム4の右端面壁41Rの外側(右側)の面には、その周縁部に複数個(例えば8個)の貯水箱8が取り付けられている。これらの貯水箱8は、例えば一面に開口81を有する直方体形状に形成されていて、それぞれの開口81を回転中心(回転軸51R)に向けた状態でほぼ等角度間隔(例えば45°毎)で配置されている。給水管72から外槽2内に供給される水の一部は、ドラム4の回転に伴って各貯水箱8の開口81が描く軌道上に向けて放水できるようになっており、ドラム4を所定速度(例えば80〜100rpm)で回転させつつ放水を行うことで、各貯水箱8に遠心力によって水を貯留することができるようになっている。
【0037】
洗濯物の偏在によってドラム4に偏心荷重が生じている場合には、各貯水箱8にほぼ満杯の水を貯留させ、その状態から、偏心荷重と最も近接した位置にある貯水箱8から水をこぼすようにドラム4の回転速度を(例えば100rpmから50rpmへと)瞬間的に落とす制御をする。貯水箱8から水がこぼれることによる重量の減少分が偏心荷重に見合う程度であれば、両者が打ち消し合い、ドラム4に生じている偏心荷重が小さくなるので、偏心荷重(洗濯物の偏在)に起因する振動を小さくすることができる。
【0038】
脱水時のドラム4の振動をさらに抑制するために、ドラム4の左端面壁41Lの外側(左側)の面には、その周縁部に円環形状の流体バランサ9が取り付けられている。流体バランサ9の内部には、円周方向に沿った4本の流路91が形成されており、各流路91には、それぞれ所定量の液体が封入されている。また、各流路91内には、円周方向の所定角度毎(例えば約60°毎)に仕切板(図示せず)が設けられており、各流路91内の液体は、この仕切板と流体バランサ9の内面との間の隙間を介して自由に流通することができるようになっている。これにより、流体バランサ9内の液体は、ドラム4が相対的に低い所定速度(約100rpm)で回転している間は、洗濯物の偏在に起因する振動とほぼ同位相の振動を生じるように偏在し、ドラム4の回転速度が相対的に高い所定速度(約300rpm)を超えると、洗濯物の偏在に起因する振動とは逆位相の振動を生じるように偏在する。したがって、ドラム4の高速回転時には、洗濯物の偏在に起因する振動を流体バランサ9内の液体の偏在による振動によって打ち消すことができ、ドラム4の振動を抑制することができる。
【0039】
このドラム式洗濯機は、脱水後の洗濯物を乾燥させる機能も有しており、外槽2の右端面壁21Rの外側(右側)の面には、乾燥機能のための乾燥ユニットUが取り付けられている。図4に示すように、乾燥ユニットUは、外槽2の内部に連通する吸込口30から吸い込まれた外槽2内の空気を上方へ導くための風路を構成する風路部材31と、この風路部材31の終端部(上端部)に配置され、風路部材31からの空気を外槽2内へと送り込むためのファン32と、ファン32からの空気を外槽2内に導くための乾燥用フード33と、乾燥用フード33内に配置され、外槽2内に送り込む空気を温めるための温風ヒータ34とを含む。吸込口30は、例えば図4において紙面奥側に延びる導入路(図示せず)を介して外槽2の内部に連通していて、この導入路は、例えば外槽2の周面壁21の左右方向略中央部から外槽2の内部に連通している。
【0040】
乾燥時には、乾燥ユニットUから外槽2内に温風を吹き込みつつ、ドラム4を回転させることにより、ドラム4内の洗濯物をバッフルによって持ち上げ、ある程度の高さから自然落下させるといった動作を繰り返す。これにより、洗濯物を良好に乾燥させることができる。
図5および図6は、それぞれ外槽2を取り出して見た右断面図および正面図であって、ドラム4は省略して示している。図5および図6を参照して、外槽2の周面壁21の下部には、その左端部の外側(手前側)の面に、外槽2内に貯められた水を電気分解するための電解装置60が取り付けられている。
【0041】
電解装置60は、内部に複数枚の電極板61を備えた中空状の電解槽62と、電解槽62を外槽2に接続して、外槽2内の水を電解槽62内に流通させるための2本の接続管63A、63Bとを有する。
外槽2の周面壁21には、電解装置60の取付位置に、各接続管63A、63Bに対応する入口管64Aおよび出口管64Bが外方に突出して設けられている。入口管64Aおよび出口管64Bは、上下方向に並べて配置されていて、それぞれ略水平方向手前側に突出している。下側に配置された入口管64Aは、外槽2の周面壁21の最下端から接線方向に延び出している。また、外槽2の周面壁21の最下部には、入口管64Aの延長線上に対向するように段差面23が形成されている。上記構成により、外槽2内に配置されたドラム4を図5における反時計回りに回転(正転)させた場合、このドラム4の回転に伴って流動する外槽2内の水が段差面23で手前側(図5における左側)に跳ね返り、入口管64Aから電解槽62内にスムーズに入り込むようになっている。
【0042】
入口管64Aは、外槽2の周面壁21の最下部から接線方向に沿って延びる構成に限らず、この接線方向に対して傾斜した方向に延びるような構成であってもよい。
電解装置60は、その各接続管63A、63Bが対応する入口管64Aおよび出口管64Bにパッキン65を介して接続されると共に、電解槽62に設けられた複数(例えば4つ)のねじ孔66を通して外槽2の周面壁21にねじがねじ込まれることにより、外槽2に取り付けられる。これにより、電解槽62がドラム4の周面壁42に対向した状態で、外槽2の周面壁21に沿うように斜めに取り付けられて、外槽2内の水を電解槽62内に取込可能となる。
【0043】
電解槽62には、例えばその左側面から左側に、1対の接続端子67が突出して設けられている(図6参照)。これらの接続端子67は、電解槽62内の複数枚の電極板61に接続されており、当該ドラム洗濯機の内部に設けられた電源部の+極および−極に接続された2本のリード線を、それぞれ防水コネクタ(図示せず)を介して上記1対の接続端子67に接続することにより、複数枚の電極板61を通電することができるようになっている。電極板61を通電することにより、外槽2から電解装置60に取り込まれた水を電解処理することができる。
【0044】
電極板61を通電した状態で電解装置60内に水(水道水)が取り込まれると、水道水の成分である水と塩素とが化学的に反応して、活性酸素(O2 -)や次亜塩素酸(HClO)などが生成される。これらの生成物が生成された電解処理後の水(電解水)を用いて洗濯を行うことにより、洗濯物から出た汚れが再び洗濯物に付着するのを防止できると共に、殺菌効果により洗濯物を殺菌することができるので、洗剤を用いなくても十分な洗浄性能で洗濯を行うことができる。
【0045】
本実施形態では、電解槽62がドラム4の周面壁42に対向した状態で設けられているので、ドラム4の回転に伴い流動する外槽2内の水が、入口管64Aから出口管64Bへとスムーズに電解槽62内を流れる。したがって、電気分解が促進されるので、洗浄性能を向上することができる。
また、電解槽62が外槽2の周面壁21に沿うように斜めに設けられているので、外槽2の下部手前側(図5における左側下部)のコーナー部に、狭い取付スペースで電解装置60を配置することができる。
【0046】
入口管64Aおよび出口管64Bは、高低差を有する状態で設けられているので、ドラムの回転に伴い流動する外槽2内の水の流れが、入口管64A近傍と出口管64B近傍とで異なる。したがって、電解装置60内の水の流れを良くすることができるので、電気分解が促進され、洗浄性能が向上する。
また、排水時には、高さの高い出口管64B側から高さの低い入口管64A側へと電解装置60内の水が流れるので、電解装置60内に水が貯まったままになるのを防止できる。したがって、電極板61の腐食を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0047】
電解装置60は、当該電解装置60と外槽2とを連結する4本のねじを緩めて、2本の接続管63A、63Bとそれぞれに対応する入口管64Aおよび出口管64Bとの接続を外すことにより着脱自在である。したがって、電解装置60を取り外してメンテナンスを行うことができるので、電解装置60の寿命を延ばすことができる。
本実施形態では、乾燥ユニットUの働きにより、ドラム4内の洗濯物だけでなく、電解装置60内部に含まれる電極板61も乾かすことができる。したがって、電極板61の腐食を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0048】
入口管64Aは、外槽2の周面壁21の最下部から所定の角度範囲内(例えば約20°以内)の位置に対して、当該周面壁21の接線方向に臨んでいるような構成であってもよい。
図7は、本実施形態の変形例に係る電解装置60の取付位置を説明するための概略断面図である。
図7では、電解装置60の入口管64Aは、外槽2の周面壁21の最下部から図7における時計回りに10°の角度位置に対して、周面壁21の接線方向に臨んでいる。これにより、入口管64Aは、水平方向に対して10°だけ傾斜した方向に延びることとなる。この構成によれば、入口管64Aが、周面壁21の最下部から(手前側に)少しずれた位置に対して接線方向に臨んでいるので、上記実施形態のように周面壁21の最下部から接線方向に臨んでいる場合と比較して、洗濯物から出た糸くずなどの異物が電解装置60内に入りにくくなる。また、洗濯終了後にドラム4が停止した状態で、電解装置60内の水や異物を傾斜して臨む入口管64Aを介して外槽2内に残らず流し出すことができる。
【0049】
図8は、本実施形態に係るドラム式洗濯機の電気的構成を示すブロック図である。当該ドラム式洗濯機の全体の制御を司るマイクロコンピュータ(マイコン)80は、CPU84、A/D変換器85、RAM86、ROM87などを含んで構成されており、ROM87には、各洗い工程(通常洗い、排水洗い、脱水洗い、ゆりかご洗いなど)を制御するための運転プログラムが予め格納されている。操作表示パネル17は、マイクロコンピュータ80に対して入出力可能に接続されている。これにより、ユーザの操作に応じた入力信号がマイクロコンピュータ80に与えられると共に、マイクロコンピュータ80からの出力信号に応じて運転状況などの各種情報が操作表示パネル17の表示部に表示されるようになっている。
【0050】
給水バルブ73および排水バルブ77は、バルブ駆動部78を介してマイクロコンピュータ80に接続されている。バルブ駆動部78は、マイクロコンピュータ80からの出力信号に応じて給水バルブ73および排水バルブ77を開閉させるようになっている。
マイクロコンピュータ80は、機能的に回転速度制御部81と水位測定部82とを含む。
【0051】
モータ6は、インバータ制御部6Cを介してマイクロコンピュータ80に接続されている。マイクロコンピュータ80の回転速度制御部81は、回転速度指示信号をインバータ制御部6Cに送信し、インバータ制御部6Cは、この指示信号をPWM信号に変換して、このPWM信号に応じた駆動電圧をモータ6に印加する。これにより、モータ6のアウタロータ6Bが所望の回転速度で回転し、ドラム4が回転する。
【0052】
エアトラップ11に備えられた水位センサ11Aは、マイクロコンピュータ80に対して入力可能に接続されていて、水位測定部82は、水位センサからの入力信号に基づいてエアトラップ11内の空気の圧力を検知し、外槽2内の水位を測定する。マイクロコンピュータ80は、この水位測定部82による測定結果に基づいてバルブ駆動部78を制御し、給水バルブ73および排水バルブ77を開閉させることで、外槽2内の水を所望の水位とすることができる。
【0053】
以下、図9〜11を参照して、本実施形態に係るドラム式洗濯機の各洗い工程(排水洗い、脱水洗い、ゆりかご洗い)について詳細に説明する。
図9は、排水洗いコースにおけるマイクロコンピュータ80による制御の流れを示すフローチャートである。
ユーザが操作表示パネル17を操作して、排水洗いコースを選択すると、以下に説明するような排水洗いの洗い工程を含む洗濯コース(排水洗いコース)が実行される。まず、外槽2内に水が貯まっていない状態から給水バルブ73がオンされ(ステップS1)、給水が開始される。そして、外槽2内の水が例えば20リットルの水量に相当する水位になると、給水バルブ73がオフされ(ステップS2)、給水が停止される。この20リットルという水量は、例えば、同じ容量の洗濯物に対して通常洗いを行う場合の水量(30リットル)よりも少ない水量である。
【0054】
その後、ドラム4の回転制御が開始され(ステップS3)、例えば30秒間の正転と30秒間の反転とが3秒間のインターバル(モータ6への通電をオフしている期間)を挟んで交互に行われる。このとき、ドラム4の正転/反転時の回転速度は、例えば40rpmである。そして、ドラム4の回転制御の開始から例えば2分が経過すると、ドラム4の回転が停止される(ステップS4)。
ステップS3〜S4のドラム4の回転制御中は、電解装置60への通電はオン状態とされ、外槽2内の水が電気分解される。また、この回転制御中は、ドラム4内の洗濯物がバッフルによって持ち上げられ、ある程度の高さから水面に向けて自然落下するといった動作が繰り返され、ドラム4内に収容された洗濯物に電解水を含ませることができる。
【0055】
その後、排水バルブ77がオンされ(ステップS5)、排水が開始される。そして、外槽2内の水が例えば10リットルの水量に相当する水位(洗濯物が水に浸からない程度の水位)になると、排水バルブ77がオフされ(ステップS6)、再びドラム4の回転制御が開始される(ステップS7)。このドラム4の回転制御中は、例えば30秒間の正転と15秒間の反転とが3秒間のインターバルを挟んで交互に行われる。このとき、ドラム4の正転時の回転速度は、例えば40rpmであって、反転時の回転速度は、例えば80rpmである。そして、ドラム4の回転制御の開始から例えば15分が経過すると、ドラム4の回転が停止される(ステップS8)。
【0056】
ステップS7〜S8は排水洗いの洗い工程であって、この回転制御中は、ドラム4内の洗濯物がバッフルによって持ち上げられ、ある程度の高さから自然落下するといった動作が繰り返されるが、外槽2内の水量が10リットル程度であるので、自然落下する洗濯物は、通常洗いのように水面にあたるのではなく、ドラム4の内面およびバッフルに直接あたる。この場合、通常洗いのように自然落下する洗濯物が水面にあたり、衝撃が和らげられるということがないので、たたき洗いの効果が向上する。
【0057】
なお、ステップS7〜S8のドラム4の回転制御中は、電解装置60への通電はオフ状態とされ、外槽2内の水の電気分解は行われない。
その後、排水バルブ77がオンされることにより排水が開始され(ステップS9)、外槽2内の水が全て排水されると脱水工程へと移り、脱水工程が終わった時点で排水洗いコースが終了する。
この排水洗いの効果を確認するために、本願発明者は、30リットルの水を外槽2内に貯めた状態で行った通常洗い(ドラム4の30秒間の正転と30秒間の反転(正転/反転時の回転速度は40rpm)とを3秒間のインターバルを挟んで交互に行う)における洗浄性能と、30リットルの水を給水した後、洗濯物が水に浸からない程度まで排水してから行った排水洗いにおける洗浄性能とを調べた。
【0058】
この洗浄性能の試験では、ドラム4内に所定量(たとえば4.5kg)の洗濯物と共にJIS規格の人工汚染布(人工的に汚した綿布)を収容して洗濯を行い、洗濯前と洗濯後の汚染布に照射した光の反射率を測定することにより、JISに基づく洗浄度Dを求めた(JIS C9606 電気洗濯機)。洗浄度Dは、下記式に従って算出される。
D=(Rw−Rl)/(Ro−Rl)
ただし、Rwは汚染布洗濯後の反射率(%)であり、Rlは汚染布洗濯前の反射率(%)であり、Roは原布(人工的に汚す前の綿布)の反射率(%)である。
【0059】
さらに、得られた洗浄度Dから洗浄比(JIS指定標準洗濯機の洗浄度を1.0とした場合の洗浄度Dの比率)を求めた。通常洗いと排水洗いとでそれぞれ2回ずつ行った洗浄性能試験の結果得られた洗浄比を、表1に示す。なお、洗浄比の値が大きいほど、洗浄性能が高い旨を示している。
【0060】
【表1】
【0061】
この結果から、通常洗いと比較して、排水洗いの方が洗浄比が約2割大きく、洗浄性能が高いことが判る。
図10は、脱水洗いコースにおけるマイクロコンピュータ80による制御の流れを示すフローチャートである。
ユーザが操作表示パネル17を操作して、脱水洗いコースを選択すると、以下に説明するような脱水洗いの洗い工程を含む洗濯コース(脱水洗いコース)が実行される。まず、外槽2内に水が貯まっていない状態から給水バルブ73がオンされ(ステップT1)、給水が開始される。そして、外槽2内の水が例えば30リットルの水量に相当する水位になると、給水バルブ73がオフされ(ステップT2)、給水が停止される。
【0062】
その後、ドラム4の回転制御が開始され(ステップT3)、例えば30秒間の正転と30秒間の反転とが3秒間のインターバルを挟んで交互に行われる。このとき、ドラム4の正転/反転時の回転速度は、例えば40rpmである。そして、ドラム4の回転制御の開始から例えば10分が経過すると、ドラム4の回転が停止される(ステップT4)。
ステップT3〜T4は通常洗いの洗い工程であって、このドラム4の回転制御中は、電解装置60への通電はオン状態とされ、外槽2内の水が電気分解される。また、この回転制御中は、ドラム4内の洗濯物がバッフルによって持ち上げられ、ある程度の高さから水面に向けて自然落下するといった動作が繰り返され、ドラム4内に収容された洗濯物を電解水を用いてたたき洗いすることができる。
【0063】
その後、排水バルブ77がオンされ(ステップT5)、排水が開始される。そして、外槽2内の水が全て排水されると、再びドラム4の回転制御が開始される(ステップT6)。このドラム4の回転制御中は、例えば300〜1000rpmでドラム4が一方向(例えば正転方向)に高速回転され、ドラム4内の洗濯物の水分が十分飛散する程度の時間(約5分)が経過すると、ドラム4の回転が停止される(ステップT7)。
【0064】
ステップT6〜T7は脱水洗いの洗い工程であって、この回転制御中は、洗濯物がドラム4の内面に張り付き、洗濯物に含まれる水分が遠心力で飛散する際に、洗濯物に含まれる汚れも一緒に飛散するので、洗浄性能が向上する。
ドラム4の回転が停止されると(ステップT7)、排水バルブ77がオフされ(ステップT8)、その後、給水バルブ73がオンされることにより給水が開始される(ステップT9)。そして、外槽2内の水が例えば30リットルの水量に相当する水位になると、給水バルブ73がオフされ(ステップT10)、給水が停止される。
【0065】
その後、ドラム4の回転制御が開始され(ステップT11)、例えば30秒間の正転と30秒間の反転とが3秒間のインターバルを挟んで交互に行われる。このとき、ドラム4の正転/反転時の回転速度は、例えば40rpmである。そして、ドラム4の回転制御の開始から例えば2分が経過すると、ドラム4の回転が停止される(ステップT12)。ステップT11〜T12のドラム4の回転制御中は、電解装置60への通電はオン状態とされ、ドラム4内に収容された洗濯物を電解水を用いてたたき洗いすることができる。
【0066】
その後、排水バルブ77がオンされることにより排水が開始され(ステップT13)、外槽2内の水が全て排水されると脱水工程へと移り、脱水工程が終わった時点で脱水洗いコースが終了する。
ただし、ステップT11〜T12のドラム4の回転制御中は、電解装置60への通電をオフ状態としてもよい。この場合、上記のような制御内容に限らず、例えば給水量を30リットルではなく10リットルとして、ドラム4の正転/反転時の回転速度を80rpmとすれば、好適にたたき洗いを行うことができる。
【0067】
この脱水洗いの効果を確認するために、本願発明者は、30リットルの水を外槽2内に貯めた状態で、ドラム4の30秒間の正転と30秒間の反転(正転/反転時の回転速度は40rpm)とを3秒間のインターバルを挟んで交互に30分間行った後脱水を行う「脱水洗いなし」の洗いにおける洗浄性能と、ドラム4の30秒間の正転と30秒間の反転(正転/反転時の回転速度は40rpm)とを3秒間のインターバルを挟んで交互に10分間行った後に排水して脱水洗いを行うという動作を3回繰り返して行う「脱水洗い3回プラス」の洗いにおける洗浄性能とを調べた。
【0068】
この洗浄性能の試験では、排水洗いの場合の洗浄性能試験と同様に、ドラム4内に4.5kgの洗濯物と共に人工汚染布を収容して洗濯を行い、洗濯前と洗濯後の汚染布に照射した光の反射率を測定することにより、洗浄度Dを求め、さらに、得られた洗浄度Dから洗浄比を求めた。600rpmの回転速度で脱水および脱水洗いを行った場合と、880rpmの回転速度で脱水および脱水洗いを行った場合とでそれぞれ得られた洗浄比、ならびに同じ回転速度における「脱水洗いなし」の洗浄比に対する「脱水洗い3回プラス」の洗浄比の増加分を、表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
この結果から、「脱水洗いなし」の洗いと比較して、「脱水洗い3回プラス」の洗いの方が、600rpmの回転速度で約2割、880rpmの回転速度で約4割ほど洗浄比が大きく、洗浄性能が高いことが判る。
図11は、ゆりかご洗いコースにおけるマイクロコンピュータ80による制御の流れを示すフローチャートである。
ユーザが操作表示パネル17を操作して、ゆりかご洗いコースを選択すると、以下に説明するようなゆりかご洗いの洗い工程を含む洗濯コース(ゆりかご洗いコース)が実行される。まず、外槽2内に水が貯まっていない状態から給水バルブ73がオンされ(ステップE1)、給水が開始される。そして、外槽2内の水が例えば30リットルの水量に相当する水位になると、給水バルブ73がオフされ(ステップE2)、給水が停止される。
【0071】
その後、ドラム4の回転制御が開始され(ステップE3)、例えばドラム4の正転/反転が1/3〜2/3回転の角度範囲内(120°〜240°)で繰り返される。このとき、ドラム4の正転/反転時の回転速度は、例えば40rpmであって、3秒間の正転/反転の繰り返しが、3秒間のインターバルを挟んで行われる。そして、ドラム4の回転制御の開始から例えば15分が経過すると、ドラム4の回転が停止される(ステップE4)。
【0072】
ステップE3〜E4はゆりかご洗いの洗い工程であって、このドラム4の回転制御中は、電解装置60への通電はオン状態とされ、外槽2内の水が電気分解される。この回転制御中は、ドラム4の正転/反転を小刻みに繰り返すことでドラム4が揺動し、ドラム4内の洗濯物がドラム4の内面およびバッフルに擦れるので、洗浄性能が向上する。
その後、排水バルブ77がオンされることにより排水が開始され(ステップE5)、外槽2内の水が全て排水されると脱水工程へと移り、脱水工程が終わった時点でゆりかご洗いコースが終了する。
【0073】
図9〜11において説明した洗濯コース(排水洗いコース、脱水洗いコース、ゆりかご洗いコース)で洗濯を行うことにより、本実施形態に係るドラム式洗濯機では、洗剤を用いなくても十分な洗浄性能で洗濯を行うことができる。ただし、洗濯コースは上記3つのコースに限らず、例えば上記洗い工程(通常洗い、排水洗い、脱水洗い、ゆりかご洗い)を適当に組み合わせた洗濯コースを設定してもよい。
【0074】
本実施形態では、ドラム4は、入口管64Aから電解槽62内にスムーズに入り込む方向、すなわち図5における反時計回り(正転)の回転状態から停止して、洗い工程が終了するようになっている。この場合、洗い工程中に洗濯物から出た糸くずなどの異物が電解槽62内に入り込んだ場合でも、ドラム4を正転させることにより、電解槽62内にスムーズに水を通して、異物を外槽2へと流し出すことができる。
【0075】
このとき、洗い工程が終了する直前のドラム4の正転方向の回転速度を高速(例えば60rpm以上)にすれば、電解槽62内の異物をよりスムーズに外槽2へと流し出すことができる。
図12は、本発明の他の実施形態に係るドラム式洗濯機の洗い工程の一例について説明するための図であって、外槽2およびドラム4を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た図である。なお、第1の実施形態と同様の構成部分については、図に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係るドラム式洗濯機の洗い工程では、ドラム4が、例えば図12における時計回りの一方向にのみ回転し、その回転速度が断続的に変化するようになっている。ドラム4を一方向にのみ回転させるので、正転/反転を繰り返す場合と比較して、ドラム4を回転させるモータ6の温度上昇を抑制することができる。ただし、ドラム4の回転方向は、時計回りではなく反時計回りであってもよい。
【0077】
具体的には、洗い工程が開始するとまず、図12(a)に示すようにドラム4が停止した状態で、外槽2内への給水が開始される。そして、外槽2内の水が例えば30リットルの水量に相当する水位になると、ドラム4の回転制御が開始される。
ドラム4の回転制御は、まず、例えば5〜20rpmの低速域における回転速度で行われる(図12(b)参照)。この低速域での回転制御においては、遠心力が小さいので、ドラム4内の洗濯物がバッフル44によって持ち上げられない。したがって、ドラム4内の洗濯物は、ドラム4の下部に溜まった状態のまま、ドラム4の内面およびバッフル44に擦れるようにしてこすり洗いが達成される。
【0078】
所定時間が経過すると、ドラム4の回転速度が例えば20〜60rpmの中速域に切り替わる(図12(c)参照)。この中速域での回転制御においては、ドラム4内の洗濯物がバッフルによって持ち上げられ、ある程度の高さから自然落下するといった動作が繰り返されることにより、たたき洗いが達成される。
さらに所定時間が経過すると、再び図12(b)に示すような低速域におけるドラム4の回転制御が行われた後、回転速度が例えば60〜200rpmの高速域に切り替わる(図12(d)参照)。この高速域での回転制御においては、第1の実施形態における脱水洗いの場合と同様に、洗濯物がドラム4の内面に張り付き、洗濯物に含まれる水分が遠心力で飛散する際に洗濯物に含まれる汚れも一緒に飛散する。本実施形態では、外槽2内に水が貯まった状態で脱水洗いを行うことにより、ドラム4と共に回転する洗濯物が外槽2の下部を通る度に水分が補給され、その水分が脱水されるという動作が繰り返されるため、洗浄性能が向上する。
【0079】
上述のようなドラム4の一連の回転制御が所定回数繰り返されることにより、洗剤を用いなくても十分な洗浄性能で洗濯を行うことができる。また、ドラム4の回転速度を変化させることにより、ドラム4内の洗濯物が絡むのを防止できる。ただし、ドラム4の一連の回転制御は、上記組み合わせ(低速−中速−低速−高速)に限らず、他の組み合わせ(例えば低速−中速−高速)であってもよい。また、本実施形態では、ドラム4の回転速度が断続的に変化する構成について説明したが、回転速度が徐々に(連続的に)変化するような構成であってもよいし、常に一定速度で回転するような構成であってもよい。
【0080】
図12においては、第1の実施形態のような電解装置60が示されていないが、第1の実施形態と同様に、外槽2の周面壁21に電解装置60が取り付けられていてもよい。本実施形態では、ドラム4が一方向にのみ回転するので、外槽2内の水が効率的に電解装置60に入り込み、洗浄性能が向上する。
また、ドラム4が一方向にのみ回転するので、洗濯時には、外槽2の下部に貯まった水がドラム4の回転方向下流側(図12における左側)に偏った状態となる。したがって、第1の実施形態と同様にドラム4の手前側下部(図12における左側下部)に電解装置60を配置すれば、少ない水量でも洗濯時に常に電解装置60内を水で満たされた状態とすることができるので、洗濯時に外槽2内に貯める水量を少なくすることができる。外槽2内に貯める水量を少なくした場合、ドラム4が中速域(20〜60rpm)で回転しているときに、バッフルによって持ち上げられて自然落下する洗濯物がドラム4の内面およびバッフルに直接あたるので、たたき洗いの効果が向上する。
【0081】
ドラム4の周面壁42の外面には、例えばドラム4の軸線方向に沿って延びる突条45が、円周方向の所定等角度毎(例えば30°毎)に1つずつ(計12個)設けられている。これにより、外槽2内に水を貯めた状態でドラム4を回転させると、突条45の働きで水に流れが生じるので、洗浄性能が向上する。特に、外槽2の周面壁21に電解装置60を設けた場合には、外槽2内の水がさらに効率よく電解装置60内に入り込むので、洗浄性能をより向上できる。
【0082】
外槽2の周面壁21に電解装置60を配置した場合、第1の実施形態のように、入口管64Aが外槽2の周面壁21の最下端から接線方向に沿って延びる構成であってもよいし、この接線方向に対して傾斜した方向に延びるような構成であってもよい。また、図7において説明した変形例のように、入口管64Aが、外槽2の周面壁21の最下部から所定の角度範囲内(例えば約20°以内)の位置に対して、当該周面壁21の接線方向に臨んでいるような構成であってもよい。この場合、第1の実施形態と同様に、入口管64Aが出口管64Bよりも下方に配置されていることが好ましい。
【0083】
外槽2内の水に流れを与える手段は、突条45に限らず、例えばドラム4の周面壁42の外面に複数設けられた突出部などであってもよい。また、外槽2内の水に流れを与える手段は、ドラム4の周面壁42に設けられている構成に限らず、例えばドラム4の端面壁41L、41Rに設けられていてもよいし、当該端面壁41L、41Rに取り付けられた貯水箱8や流体バランサ9などに設けられていてもよい。
【0084】
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、本発明に係るドラム式洗濯機は、洗剤を用いて洗濯を行うことも可能な構成であってもよい。この場合、すすぎ工程の終了時にも、ドラム4を、入口管64Aから電解槽62内にスムーズに入り込む方向の回転状態から停止させることにより、電解槽62内に入り込んだ異物を外槽2へと流し出すことができるようになっていてもよい。
【0085】
電解装置60は、上記実施形態の取付位置に限らず、例えば外槽2内に配置されていてもよい。例えば、電解装置60を取り付ける位置の外槽2の周面壁21を外方に突出して形成し、その周面壁21の突出した部分の内側に電解装置60を取り付けるような構成であってもよい。
また、外槽2内に貯められた水を処理する手段は、電解装置60に限らず、水道水に特定の処理を施すことにより洗浄性能を持たせる他の水処理手段であってもよい。
【0086】
ドラム4は水平方向に延びる回転軸51L、51Rを中心に回転するものに限らず、水平方向に対して所定の角度範囲内に設定された回転軸を中心に回転するような構成であってもよい。
上記実施形態では、筐体1の上面1Aに洗濯物を取り出すための開口15が形成された、いわゆるトップローディング式のドラム式洗濯機について説明したが、例えば筐体の前面に洗濯物を取り出すための開口が形成されたドラム式洗濯機であっても、本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るドラム式洗濯機を斜め上方から見た斜視図である。
【図2】ドラム式洗濯機の全体構成を示す縦断面図であり、左右方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を手前側から見た図である。
【図3】ドラム式洗濯機の縦断面図であり、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を左側から見た図である。
【図4】ドラム式洗濯機の縦断面図であり、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た図である。
【図5】外槽を取り出して見た右断面図である。
【図6】外槽を取り出して見た正面図である。
【図7】本実施形態の変形例に係る電解装置の取付位置を説明するための概略断面図である。
【図8】本実施形態に係るドラム式洗濯機の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】排水洗いコースにおけるマイクロコンピュータによる制御の流れを示すフローチャートである。
【図10】脱水洗いコースにおけるマイクロコンピュータによる制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】ゆりかご洗いコースにおけるマイクロコンピュータによる制御の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るドラム式洗濯機の洗い工程の一例について説明するための図である。
【符号の説明】
2 外槽
4 ドラム
42 周面壁
45 突条
51L、51R 回転軸
60 電解装置
61 電極板
62 電解槽
63A、63B 接続管
Claims (2)
- 洗濯時に水を貯めることができる外槽と、この外槽内に設けられ、略水平方向または水平方向に対して所定の角度範囲内に設定された回転軸を中心に回転させることにより、その内部に収容する洗濯物を洗濯できるドラムとを備えたドラム式洗濯機であって、
洗濯に使用する水を電気分解するための電解装置を含み、
上記電解装置により電気分解された水で洗濯を行う洗濯コースを備え、
上記電解装置は、洗濯に使用する水を電気分解するために通電される電極と、この電極を収容する電解槽であって、外槽内の水を電解槽へ浸入させるための流入口と、電解槽内の水を外槽へと戻すための流出口とを有する電解槽とを含むとともに、上記流入口は、上記ドラムの周面壁の接線方向に臨んでおり、
上記ドラムは、洗い工程またはすすぎ工程が終了する際、上記外槽の水が上記流入口から上記電解槽内へスムーズに入り込む所定の一方向への回転状態から停止するようになっていることを特徴とするドラム式洗濯機。 - 上記ドラムは、洗い工程またはすすぎ工程が終了する直前に、洗濯時またはすすぎ時における通常の回転速度よりも高い一定速度で上記所定の一方向に回転されてから停止するようになっていることを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。
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