JP3806225B2 - キノコ培地の製造方法 - Google Patents
キノコ培地の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3806225B2 JP3806225B2 JP13473597A JP13473597A JP3806225B2 JP 3806225 B2 JP3806225 B2 JP 3806225B2 JP 13473597 A JP13473597 A JP 13473597A JP 13473597 A JP13473597 A JP 13473597A JP 3806225 B2 JP3806225 B2 JP 3806225B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- medium
- mushroom
- waste
- mushrooms
- cultivation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はぶなしめじ等のキノコのビン栽培に用いるキノコ培地の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キノコのビン栽培に用いるキノコ培地の主材としては、おが屑或いはコーンコブ粉砕物が知られている。
【0003】
ところで、おが屑はキノコの生育を阻害するタンニン等の有害物質を含むため、通常、使用する前には野外に長期間放置して雨に晒すなどしているのが実情である。一方、コーンコブはこのようなキノコの生育を阻害する有害物質は含まないため、おが屑のような前処理は不要である。また、キノコを栽培した後の廃培地も分解が早いため、早期に堆肥化し、良好な肥料として再利用できるなど、おが屑よりも種々の面で優れているため、コーンコブ粉砕物を主材としたキノコ培地の利用が次第に高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コーンコブ粉砕物を用いたキノコ培地は、次のような解決すべき課題も存在する。
【0005】
まず、キノコの収量を高めるには、キノコ培地に良好な保水性を確保することが重要であるが、コーンコブ粉砕物を湿気の高い状態で長時間放置した場合には腐敗を生じ、キノコ培地に使用できなくなることから、通常、コーンコブ粉砕物は乾燥状態で袋詰めされ、キノコ培地の製造時に開放される。したがって、この状態で水を加えてもコーンコブ粉砕物への水の浸透が不完全になり、キノコの収量を高めるための阻害要因となる。なお、コーンコブ粉砕物の保水性を高める方法としては、特公平7−71424号公報により、加熱蒸気を加える方法が公知であるが、この方法では別途の作業工程が必要になる。
【0006】
一方、廃培地は、通常、農家の畑で堆肥化するが、堆肥化には一定の時間と場所を要するため、結局は広い場所を確保する必要があるとともに、臭気が発生するなどの問題を生ずる。
【0007】
また、コーンコブ粉砕物は、輸入品に頼っているため、コーンコブ粉砕物の供給量や価格は、とうもろこしの生産量等の海外事情や為替レートにより大きく変動し、安定したキノコ生産を行うことができない。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、キノコの収量を高めるとともに、加えてリサイクル化を促進することにより、資源の節減、さらにはコーンコブ粉砕物の供給安定化とコスト低減を図ることができるキノコ培地の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係るキノコ培地の製造方法は、コーンコブ粉砕物を主材とするキノコ培地を、キノコの栽培に一回以上使用することにより多孔質化した廃培地を得る初回栽培工程P1と、廃培地を細かに砕く砕処理工程Paと、砕いた廃培地を所定の含水率まで乾燥させる乾燥工程Pbと、乾燥させた廃培地を、コーンコブ粉砕物を主材とする未使用のキノコ培地に対して10〜50重量パーセント混合することにより保水性を高めたキノコ培地を生成する培地混合工程Pcとを含むことを特徴とする。
【0010】
ところで、キノコの水分は90パーセント程度を占めるため、キノコの栽培には水分の供給が重要である。したがって、保水性の良好なキノコ培地を使用することは、キノコの収量を高めるための重要な要素となる。
【0011】
本発明は、キノコの栽培に一回以上使用した廃培地、即ち、菌糸の生長に使用された廃培地を利用するため、廃培地は分解されて多孔質化している。また、廃培地内に大量に残留する菌糸自体も多孔質である。したがって、このような廃培地は水分が浸透し易くなっていることに加え、水分の浸透する隙間が多くなっいるため、未使用培地よりも水分の保持力(保水性)が良好である。よって、このような廃培地に対して所定の処理を施した後、未使用培地に対して10〜50重量パーセント混合してキノコ培地を生成すれば、全体の保水性が高まるため、キノコの収量を高めることができる。しかも、コーンコブ粉砕物に対するリサイクル化が促進されることになり、資源の節減、さらにはコーンコブ粉砕物の供給安定化とコスト低減が図られる。
【0012】
【実施例】
次に、本実施例に係るキノコ培地の製造方法について、図1に示す工程図を参照して詳細に説明する。
【0013】
まず、初回栽培工程P1により初回のキノコ栽培を行う。使用するキノコ培地は、培地生成工程P0により生成した未使用のキノコ培地(未使用培地)を使用する。この未使用培地は、例えば6〜60メッシュ程度の大きさを含むコーンコブ粉砕物(主材)に対して、栄養材となる大豆の皮,フスマ,米糠等を混合し、水分を加えて調製したものである。なお、栄養材の種類及び配合量は任意に設定される。
【0014】
そして、このような未使用培地は栽培ビン(850cc)に詰め込み、通常のビン栽培法により、ぶなしめじ等のキノコを栽培する。即ち、培地の殺菌工程,種菌の接種工程,菌糸の培養工程,菌掻き工程,芽出し工程,生育工程等を経、収穫できる大きさまでキノコが生育したなら、収穫工程P2によりキノコを収穫する。
【0015】
一方、収穫後の栽培ビンには廃培地が詰まっているため、掻出工程P3により、廃培地の掻き出しを行う。この場合、廃培地は、掻出用ノズルを廃培地中に差し込み、ノズル口から高圧の圧力空気を吐出させれば、廃培地は粉々になって栽培ビンから外部に排出される。この場合、廃培地は粉々になって排出されるため、このような掻出工程P3は本発明における砕処理工程Paを兼用する。したがって、この場合には廃培地を細かに砕く別途の砕処理工程が不要になる。
【0016】
次いで、砕かれた廃培地は、乾燥工程Pbにより所定の含水率まで乾燥させる。即ち、70〜80℃程度の雰囲気中において1〜2日間程度の低温乾燥を行い、含水率を9パーセント程度にする。これにより、廃培地を処理した処理培地を得る。
【0017】
そして、培地混合工程Pcにより、当該処理培地を、前記未使用培地に対して所定量混合してキノコ培地を生成する。即ち、処理培地を培地生成工程P0から未使用培地に対して30重量パーセント混合してキノコ培地(再利用培地)を生成する。この場合、未使用培地に混合する処理培地の量は、未使用培地に対して30重量パーセントに選定することがキノコの収量の面で最も良好な結果を得た。なお、一般的には10〜50重量パーセントの範囲内であれば一定の効果を得れる。しかし、本発明はこのような範囲を外れる場合を排除するものではない。したがって、10重量パーセント未満或いは50重量パーセントを越える場合であっても一定の効果を得れる範囲は本発明に包含されるものである。
【0018】
一方、再利用培地は、通常のキノコ培地(未使用培地)と同様に利用できる。即ち、培地混合工程Pcで得た再利用培地に対して、必要により栄養材等を追加し、最終的な水分調製を行った後、ビン詰工程P4により栽培ビンに詰め込む。そして、殺菌工程P5により殺菌し、通常のビン栽培法による栽培工程P6、即ち、種菌の接種工程,菌糸の培養工程,菌掻き工程,芽出し工程,生育工程等を経、キノコが生育したなら収穫工程P7によりキノコの収穫を行う。なお、キノコの収穫を行った後の廃培地は、前記砕処理工程Pa以降の工程に従って同様に再利用できる。
【0019】
本実施例に係る製造方法により製造したキノコ培地を用いてぶなしめじの栽培を行った結果、前記未使用培地のみを使用した場合(対照区)には、栽培ビン一本当たりの収量が、227.2グラム平均であったのに対して、本実施例に係るキノコ培地を使用した場合(廃培地30重量パーセントの添加区)には、栽培ビン一本当たりの収量が、233.0グラム平均となり、収量の増加が見られた。一方、品質についての変化は見られなかった。
【0020】
このように、本実施例に係るキノコ培地の製造方法によれば、キノコの栽培に一回以上使用したコーンコブ粉砕物を含む廃培地を再利用するため、キノコ培地の保水性が高められることによるキノコの増収効果を得れるとともに、コーンコブ粉砕物に対するリサイクル化が促進され、資源の節減、さらにはコーンコブ粉砕物の供給安定化とコスト低減を図ることができる。
【0021】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の材料,配合量,手法等において本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更できる。
【0022】
【発明の効果】
このように、本発明に係るキノコ培地の製造方法は、コーンコブ粉砕物を主材とするキノコ培地を、キノコの栽培に一回以上使用することにより多孔質化した廃培地を得る初回栽培工程と、廃培地を細かに砕く砕処理工程と、砕いた廃培地を所定の含水率まで乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた廃培地を、コーンコブ粉砕物を主材とする未使用のキノコ培地に対して10〜50重量パーセント混合することにより保水性を高めたキノコ培地を生成する培地混合工程とを含むため、次のような顕著な効果を奏する。
【0023】
▲1▼ キノコ培地の保水性を高めることにより、キノコの収量を高めることができる。
【0024】
▲2▼ コーンコブ粉砕物に対するリサイクル化を促進し、資源の節減、さらにはコーンコブ粉砕物の供給安定化とコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るキノコ培地の製造方法の手順を示す工程図、
【符号の説明】
P1 初回栽培工程
Pa 砕処理工程
Pb 乾燥工程
Pc 培地混合工程
Claims (1)
- コーンコブ粉砕物を主材とするキノコ培地を、キノコの栽培に一回以上使用することにより多孔質化した廃培地を得る初回栽培工程と、前記廃培地を細かに砕く砕処理工程と、砕いた廃培地を所定の含水率まで乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた廃培地を、コーンコブ粉砕物を主材とする未使用のキノコ培地に対して10〜50重量パーセント混合することにより保水性を高めたキノコ培地を生成する培地混合工程とを含むことを特徴とするキノコ培地の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13473597A JP3806225B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | キノコ培地の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13473597A JP3806225B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | キノコ培地の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10323122A JPH10323122A (ja) | 1998-12-08 |
JP3806225B2 true JP3806225B2 (ja) | 2006-08-09 |
Family
ID=15135373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13473597A Expired - Fee Related JP3806225B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | キノコ培地の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3806225B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4901091B2 (ja) * | 2004-11-16 | 2012-03-21 | 株式会社イトウ精麥 | 有機質製品製造方法 |
JP4922020B2 (ja) * | 2007-03-07 | 2012-04-25 | 中野市農業協同組合 | マッシュルームの栽培方法、およびマッシュルーム栽培用培地 |
JP5866656B2 (ja) * | 2011-09-27 | 2016-02-17 | 株式会社三幸商事 | きのこ栽培用培地 |
JP6085889B2 (ja) * | 2012-07-13 | 2017-03-01 | 学校法人甲南学園 | 再利用可能な繊維を基材として用いた茸栽培方法、及びそれに使用される栽培用培地 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5839485B2 (ja) * | 1980-04-18 | 1983-08-30 | 日本甜菜製糖株式会社 | まいたけの栽培方法 |
JPH06181630A (ja) * | 1992-12-17 | 1994-07-05 | Nagano Pref Gov Nouson Kogyo Kenkyusho | 木材腐朽性きのこ用培地 |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP13473597A patent/JP3806225B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10323122A (ja) | 1998-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102617240B (zh) | 一种新型食用菌培养基及其制备方法 | |
CN101514120B (zh) | 含有竹的有效成分的发酵肥料及其制造方法 | |
CN103910584B (zh) | 含棕榈树木屑的杏鲍菇培养料及制作方法 | |
CN101585724B (zh) | 植物肥的生产方法 | |
JPH0283287A (ja) | マッシュルームの栽培用コンポストとマッシュルーム栽培法 | |
CN102643120A (zh) | 一种有机肥料的制备方法 | |
LT5847B (lt) | Substrato, skirto pievagrybiams bei kitiems kultūriniams grybams auginti, naujas gamybos būdas | |
CN1680218B (zh) | 发酵肥料的制造方法和发酵肥料 | |
CN103435402A (zh) | 一种茶树菇栽培料配伍及此栽培料的制作方法 | |
CN103613431A (zh) | 一种利用板栗修剪枝、苞壳、栗壳制作银耳栽培料的方法 | |
CN106220298A (zh) | 一种提高菌丝生长速度及质量的双孢蘑菇覆土及制备方法 | |
JP2638399B2 (ja) | 食用きのこの栽培法および培地 | |
CN103435407A (zh) | 一种榆黄蘑栽培料配伍及此栽培料的制作方法 | |
CN105272625A (zh) | 一种提高灵芝氨基酸含量的栽培基的制备方法 | |
CN103387470B (zh) | 一种白灵菇栽培料配伍及此栽培料的制作方法 | |
CN105218257A (zh) | 一种抑制杂菌的杏鲍菇培养料及其制备方法 | |
CN103880544A (zh) | 一种天然有机农作物肥料及其制备方法 | |
JP3806225B2 (ja) | キノコ培地の製造方法 | |
JP2007161501A (ja) | 発酵堆肥の製造方法および発酵堆肥 | |
CN114946597B (zh) | 一种减少温室气体排放的植物育苗基质生产方法 | |
CN106916018A (zh) | 一种草菇栽培基料及其制备方法 | |
JPH1175540A (ja) | 食用きのこ類の栽培用人工培地 | |
JP5866656B2 (ja) | きのこ栽培用培地 | |
CN108094050A (zh) | 一种双孢蘑菇栽培用基质及其制备方法 | |
JP3656963B2 (ja) | 木質解繊物およびその製造方法、ならびに微生物資材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060512 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |