JP3805963B2 - 生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置 - Google Patents
生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3805963B2 JP3805963B2 JP2000277007A JP2000277007A JP3805963B2 JP 3805963 B2 JP3805963 B2 JP 3805963B2 JP 2000277007 A JP2000277007 A JP 2000277007A JP 2000277007 A JP2000277007 A JP 2000277007A JP 3805963 B2 JP3805963 B2 JP 3805963B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- organic waste
- magnesium
- biological organic
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物処理による生物汚泥や農林畜水産加工および食品あるいは発酵工業からの有機性廃棄物などの生物由来有機性廃棄物を処理する生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屎尿や畜水産加工廃棄物、食品加工廃棄物などを生物処理する際に生じる余剰の生物汚泥を処理する処理方法として、例えば特公昭49−11813号公報に記載の構成が知られている。
【0003】
この特公昭49−11813号公報に記載の処理方法は、生物汚泥にアルカリを添加して加温することにより加水分解し、浮遊物質を溶解させた後に中和して適温に冷却した液体を再び生物処理に返送して生物処理し、余剰汚泥の生成を防止する構成が採られている。
【0004】
また、加水分解する方法としては、例えば特公平1−38532号公報や特開平9−276900号公報、特開2000−218295号公報などに記載のように、高温高圧下で調整したほぼ臨界点の水と固形の生物汚泥や有機性廃棄物を混合して、液状に分解する構成も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、生物汚泥や畜水産加工あるいは食品加工の有機性廃棄物である生物由来の有機性廃棄物では、生物の必須元素としてリンや窒素などの各種元素を含有していることから、これら生物由来有機性廃棄物を液状に加水分解すると、生物処理するための有機質の他にリン酸などのリン化合物やアンモニア性窒素などの窒素化合物も溶出する。このことから、これら液状に加水分解したものを後段で処理、例えば生物処理する場合には反応の弊害を生じるおそれがある。
【0006】
一方、これら溶出するリン化合物や窒素化合物は、生物の必須元素でもあることから、肥料などとして利用されるが、特にリンを多量に含有する鉱物などは少なく、肥料の原料としてリン分の確保が困難で、コストが増大する問題を生じている。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みて、有価物を回収して生物由来有機性廃棄物を効率よく処理する生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法は、生物由来有機性廃棄物中のリン酸化合物および窒素化合物を、160℃以上臨界点以下の高温高圧水により加水分解して液体に可溶化し、この液体中にリン酸およびアンモニア性窒素として溶出させ、この生物由来有機性廃棄物が可溶化した液体に水酸化マグネシウムを添加して、この液体のpHを9以上のアルカリ性に調整し、この液体に溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンが等モル以上添加され、生成するリン酸マグネシウムアンモニウムを回収するものである。
【0009】
そして、生物由来有機性廃棄物を高温高圧水により加水分解して可溶化した液体に、マグネシウムイオンを添加して生成するリン酸マグネシウムアンモニウムを回収することにより、高温高圧水により生物由来有機性廃棄物中の細胞膜も破壊されて十分に液状に処理され、別途処理が容易な形態となるとともに、十分に生物由来有機性廃棄物中のリンや窒素分が溶出し、添加する水酸化マグネシウムと反応して高温高圧水下でも固体として析出する有価物のリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収され、効率よく生物由来有機性廃棄物が処理される。
【0010】
また、水酸化マグネシウムを添加してリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる条件としてpHを9以上のアルカリ性に調整することにより、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムが生成し、回収効率が向上するとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減して可溶化した液体の例えば生物処理などの別段の処理効率が向上する。ここで、pHが9以上になるまで水酸化マグネシウムを添加することにより、溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンが自動的に等モル以上添加されて調整される。pHが9より小さい値では、溶出したリン酸イオンおよびアンモニア性窒素がマグネシウムイオンと反応して生成するリン酸マグネシウムアンモニウムの量が減少することから、pHを9以上のアルカリ性とする。
【0011】
さらに、160℃以上臨界点以下の高温高圧水を用いることにより、効率よくリン化合物および窒素化合物が溶出し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収効率が向上するとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減して可溶化した液体の例えば生物処理などの別段の処理効率が向上する。ここで、160℃より低くなると、十分に可溶化しなくなり、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収効率が低減するため、160℃以上臨界点以下の高温高圧水を用いる。
【0012】
請求項2記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法は、請求項1記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法において、高温高圧水による加水分解は、生物由来有機性廃棄物中のリン酸結合およびポリペプチド結合を切断するとともに、リン酸化合物をオルトリン酸に分解し、窒素化合物をアンモニア性窒素に分解するものである。
【0013】
そして、生物由来有機性廃棄物中のリン酸結合およびポリペプチド結合を切断するとともにリン酸化合物をオルトリン酸に分解し、かつ、窒素化合物をアンモニア性窒素に分解する条件で、高温高圧水による加水分解をすることにより、生物由来有機性廃棄物から効率よく十分に、高温高圧水下でも有機物として分離回収できるリン酸マグネシウムアンモニウムを生成するリン化合物および窒素化合物が溶出し、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムが回収されるとともに、生物由来有機性廃棄物が低分子化されて後段での処理が容易となる。
【0014】
請求項3記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法は、請求項1または2記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法において、水酸化マグネシウムの添加により生成したリン酸マグネシウムアンモニウムが回収された液体を生物処理するものである。
【0015】
そして、水酸化マグネシウムの添加により生成したリン酸マグネシウムアンモニウムが回収された液体を生物処理することにより、低分子化された有機質を多量に含有する液体が効率よく生物処理され、生物由来有機性廃棄物を廃棄することなく処理される。
【0016】
請求項4記載の生物由来有機性廃棄物の処理装置は、生物由来有機性廃棄物中のリン酸化合物および窒素化合物を、160℃以上臨界点以下の高温高圧水にて加水分解させ液体に可溶化させて、この液体中にリン酸およびアンモニア性窒素として溶出させる可溶化手段と、この可溶化手段に接続され前記液体に水酸化マグネシウムを添加して、この液体のpHを9以上のアルカリ性に調整するアルカリ調整手段を備え、この液体に溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンを等モル以上添加させてリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる固形化手段と、この固形化手段に接続され前記リン酸マグネシウムアンモニウムを分離して回収する固液分離手段とを具備したものである。
【0017】
そして、可溶化手段にて生物由来有機性廃棄物を高温高圧水により加水分解し可溶化させて液体とし、固形化手段にて得られた液体に水酸化マグネシウムを添加してリン酸マグネシウムアンモニウムを生成し、固液分離手段にて得られたリン酸マグネシウムアンモニウムを分離回収することにより、高温高圧水で生物由来有機性廃棄物中の細胞膜も破壊されて十分に液状に処理され、別途処理が容易な形態となるとともに、十分に生物由来有機性廃棄物中のリンや窒素分が溶出し、添加するマグネシウムと反応して高温高圧水下でも固体として析出する有価物のリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収され、効率よく生物由来有機性廃棄物が処理される。
【0018】
また、高温高圧水を160℃以上臨界点以下とすることにより、効率よくリン化合物および窒素化合物が溶出し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収効率が向上するとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減して可溶化した液体の例えば生物処理などの別段の処理効率が向上する。
【0019】
さらに、固形化手段のアルカリ調整手段にて液体のpHを9以上のアルカリ性に調整することにより、溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンが自動的に等モル以上に添加されて調整され、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムが生成し、回収効率が向上するとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減して可溶化した液体の例えば生物処理などの別段の処理効率が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態における生物由来有機性廃棄物の処理方法の装置構成を図面を参照して説明する。
【0021】
図2において、1は生物処理施設で、この生物処理施設1は、有機性物質を含有する汚水などの原水を貯留する曝気槽2を備えている。そして、この曝気槽2には、原水を流入する原水管3が接続されている。また、曝気槽2には、貯留する原水に酸素を含有する気体である例えば空気を曝気する曝気手段4が設けられている。
【0022】
また、曝気槽2には、曝気されて曝気槽2内の微生物により生物処理された原水の一部を流出する流出管5が接続されている。そして、この流出管5には、生物処理した原水を固液分離する固液分離手段としての例えば沈殿槽6が接続されている。また、この沈殿槽6には、上澄み分を処理水として流出する放流管7が接続されている。さらに、沈殿槽6の底部には、沈殿した汚泥8の一部を曝気槽2に返送する返送管9が接続されている。また、返送管9には、沈殿槽6の底部に沈殿した汚泥8の一部もしくは残部を処理する生物由来有機性廃棄物の処理装置11が接続されている。さらに、この処理装置11には、処理した液状分を原水管3に搬送する搬送管12が接続されている。
【0023】
そして、生物由来有機性廃棄物の処理装置11は、図1のブロック図に示すように、生物処理施設1の沈殿槽6からの汚泥を例えば遠心分離により濃縮する汚泥濃縮手段13が設けられている。そして、この汚泥濃縮手段13には、濃縮された固形状の汚泥を高温高圧水により加水分解して液体に可溶化する水熱反応をする可溶化手段としての水熱反応手段14が接続されている。
【0024】
この水熱反応手段14は、100℃以上臨界点温度である374℃以下、好ましくは160℃以上臨界点温度以下、さらに好ましくは180℃以上臨界点温度以下、そしてさらに好ましくは200℃以上臨界点温度以下に調整した高温高圧水を調整し、この調整した高温高圧水と汚泥濃縮手段13からの濃縮された汚泥とを所定時間、例えば1時間所定の温度で混合して、固形状の汚泥を加水分解して液体に可溶化する。すなわち、濃縮された汚泥中のリン酸結合およびポリペプチド結合を切断するとともに、リン酸化合物をオルトリン酸に分解するとともに、有機性窒素などの窒素化合物をアンモニア性窒素に分解させて、細胞膜をも分解してリン酸などのリン化合物およびアンモニア性窒素などの窒素化合物を溶出させる。
【0025】
ここで、水熱反応は、100℃より低くなるとほとんど生物由来有機性廃棄物が可溶化しないため、100℃以上、好ましくは生物由来有機性廃棄物の可溶化によりリンがほぼ一定となる160℃以上、さらに好ましくは可溶化率が約80%を越えてほぼ一定となる180℃以上、そしてさらに好ましくは溶出したリンの量に対して等モル以上のアンモニア性窒素が溶出する200℃以上に設定する。
【0026】
また、水熱反応手段14には、固形化手段としてのリン固定化手段15が接続されている。このリン固定化手段15は、水熱反応手段14にて生物由来有機性廃棄物が可溶化された液体に、水酸化マグネシウムを加えて、所定のpH、例えばpH9以上のアルカリ性に調整することにより、液体中のリンの量に対してマグネシウムが自動的に略等モルとなるように添加され、溶出するリン化合物および窒素化合物と反応させて固形物のリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる図示しないマグネシウム添加手段とを備えている。
【0027】
ここで、図示しないアルカリ調整手段としてのpH調整手段による水酸化マグネシウムの添加にて調整するpHが9より小さい値となると、マグネシウムの添加量が不足し、溶出したリン酸およびアンモニア性窒素との反応によるリン酸マグネシウムアンモニウムの生成量が低減するため、アルカリ性、好ましくはpH9以上のアルカリ性に調整する。
【0028】
さらに、リン固定化手段15には、析出したリン酸マグネシウムアンモニウムを固液分離する例えば膜濾過装置などの固液分離手段16が設けられている。そして、この固液分離手段16にて分離した液体分は、搬送管12を介して曝気槽2に返送され、回収したリン酸マグネシウムアンモニウムは工業原料や肥料などに利用される。
【0029】
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0030】
まず、屎尿系汚水や畜水産加工廃液、食品加工廃液、各種生物処理により生成した余剰汚泥などの生物に由来する有機性廃棄物である生物由来有機性廃棄物を、原水管3を介して原水として曝気槽2に流入する。なお、生物由来有機性廃棄物が生ごみなどの固形の場合には、あらかじめスラリ状に粉砕しておく。そして、曝気槽2にて空気を適宜曝気して所定時間滞留させ、微生物にて有機質を好気性処理して分解する。なお、この処理条件は、原水の性状により適宜曝気条件や滞留時間を設定する。
【0031】
そして、好気性処理した原水を、流出管5を介して沈殿槽6に流入させ、汚泥8と処理水とに固液分離し、処理水は放流管7から生物処理施設1の系外に流出する。また、沈殿槽6の底部に沈殿した汚泥8は、返送管9を介して一部曝気槽2に返送するとともに生物由来有機性廃棄物の処理装置11に搬送する。
【0032】
この生物由来有機性廃棄物の処理装置11に流入された生物由来有機性廃棄物である汚泥8は、汚泥濃縮手段13にて例えば遠心分離により濃縮され、水熱反応手段14に搬送される。そして、この水熱反応手段14にて、100℃以上、好ましくは160℃以上、さらに好ましくは180℃以上、そしてさらに好ましくは200℃以上で臨界点温度となる374℃以下に調整した高温高圧水と汚泥濃縮手段13にて濃縮した汚泥とを、所定時間例えば1時間、高温高圧水の温度で保持し、汚泥を加水分解して可溶化し、生物由来有機性廃棄物からリン酸などの化合物やアンモニア性窒素などの窒素化合物を溶出させ、冷却して液体に調整する。
【0033】
この後、水熱反応にて調整した液体を、リン固定化手段15にて、pH調整手段にて水酸化マグネシウムを加えてpHを9以上のアルカリ性に調整することにより、液体中のリンの量に対して略等モルとなる割合で添加し、リン酸マグネシウムアンモニウムを析出させる。
【0034】
そして、リン固定化手段15にてリン酸マグネシウムアンモニウムが析出する液体を、固液分離手段16にて固液分離し、リン酸マグネシウムアンモニウムを回収するとともに、固液分離した液体分を搬送管12を介して生物処理施設1の曝気槽2に返送する。なお、回収したリン酸マグネシウムアンモニウムは、別途工業原料や肥料の原料として別途処理される。
【0035】
次に、上記実施の形態の作用を各種実験を参照して説明する。
【0036】
まず、リン酸マグネシウムアンモニウムの生成条件を決定する実験をした(実験1)。
【0037】
実験に際して、リン酸水素カリウム(KH2PO4)および塩化アンモニウム(NH4Cl)を用いて、1000mg−P/l、525mg−N/lに調整した水溶液100mlをビーカに分集した。なお、この水溶液は、リンと窒素とのモル比が1対1.16(P:N=1:1.16)である。
【0038】
そして、このビーカ中の混合した水溶液に水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)の粉末を攪拌しつつ徐々に添加し、pHが一定に達した時点で水酸化マグネシウムの添加を中止し、生成した白色沈殿物を濾紙にて濾過分離し、添加した水酸化マグネシウムの量と濾液中のリン酸イオンの濃度およびアンモニウムイオンの濃度とを測定した。この結果を、図3および図4に示す。また、添加した水酸化マグネシウムとpHとの関係を図5に、pHと残留するリン酸イオンおよびアンモニウムイオンの量との関係を図6に示す。なお、白色沈殿物は、粉末X線回折により定性した。
【0039】
この実験1の結果から、水酸化マグネシウムの添加により生成した白色沈殿物はリン酸マグネシウムアンモニウムであった。そして、図3および図4に示す結果から、調整した水溶液中のリン酸イオンのモル濃度とほぼ等モル濃度の水酸化マグネシウムを添加することにより、リン酸がほとんど消失することがわかった。なお、水酸化マグネシウムの添加量がリン酸イオンと等モル以上となったのは、水溶液中のアンモニウムイオンのモル濃度がリン酸イオンのモル濃度より高くアンモニウムイオンが過剰であったため、水酸化マグネシウムの一部がアンモニウムイオンの中和に消費されたためと考えられる。
【0040】
また、図5は、リン酸イオンおよびアンモニウムイオンの混合液を水酸化マグネシウムで中和した時の滴定曲線に対応するもので、この図5に示す結果から、等量点は約pH8〜9であることがわかる。
【0041】
さらに、図6に示す結果から、リン酸イオンがほぼ完全に消失したのはpH9以上であった。このことから、水酸化マグネシウムを添加して溶解するリン酸およびアンモニウムイオンからリン酸マグネシウムアンモニウムを析出させる反応を完結させるためには、水酸化マグネシウムを添加してpH9以上のアルカリ性とすればよいことがわかる。なお、実際に生物由来有機性廃棄物を可溶化した液体に水酸化マグネシウムを添加して処理する際に、水酸化マグネシウムを添加する前からpHが9以上である場合、水酸化マグネシウムを添加してpHにて反応の終点を判断することが困難であることから、この場合には、酸を添加して約中性とした後に水酸化マグネシウムをpH9まで添加するとよい。
【0042】
次に、水熱反応による汚泥の低分子化条件を決定する実験をした(実験2)。
【0043】
あらかじめ調整した人工下水を活性汚泥法により処理して得られた余剰汚泥を100℃〜臨界点の高温高圧水の条件となる範囲で水熱反応した。なお、別途高温高圧水を用いず、余剰汚泥中の水分を利用した。
【0044】
ここで、人工下水は、表1に示す性状のものを用いて調製した。また、活性汚泥法は、表2に示す条件で処理した。そして、水熱反応は、汚泥40mlを攪拌機を備えた反応容器に流入し、30分で昇温し、水熱反応温度で1時間保持し、30分で約室温まで冷却した。この水熱反応後の液体を2つに分け、一方の液体を濾過して汚泥およびリンの可溶化率を測定した。また、他方の液体に水酸化マグネシウムをpH9まで添加した。その結果を図7ないし図11に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
そして、図7および図8に示す結果から、約180℃以上に達すると可溶化率が80%以上でほぼ一定となることがわかった。
【0048】
また、水熱反応前後での総リン濃度は等しいが、図9に示す結果から、水熱反応後の濃度において、100℃から上昇し、160℃以上で約一定となった。このことから、余剰汚泥の細胞中のリンの可溶化は、160℃以上に設定すればよいことがわかる。なお、反応後の液体のリン濃度が濾液より若干高かったが、これは、余剰汚泥の細胞から可溶化したリン酸が細胞由来あるいは人工下水由来の鉄、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンと反応して不溶性塩を形成したためと考えられる。さらに、水酸化マグネシウムを添加して液体を濾過した後の濾液において、200℃以上でリンはほぼ消失しており、リン酸マグネシウムアンモニウムとして析出したものと考えられる。また、200℃より低い温度ではリンが残留していることが認められた。これは、160℃以上でリンはほぼ完全に可溶化するもののリン酸マグネシウムアンモニウムを形成するために必要な量のアンモニアの溶出が不十分であるためと考えられる。
【0049】
また、図10に示す結果から、水熱反応前ではアンモニア性窒素の存在がほとんど認められないが、160℃からアンモニア性窒素が認められ、280℃以上でほぼ一定となった。このことから、有機性窒素がアンモニア性窒素に分解されて可溶化し始めたものと考えられる。そして、水酸化マグネシウムを添加して液体を濾過した後の濾液において、アンモニア性窒素に分解されて可溶化し始めている180℃以下でもアンモニア性窒素が認められなかった。これは、リン酸と反応してリン酸マグネシウムアンモニウムとして消費されたためと考えられる。そして、200℃以上でアンモニア性窒素が認められ始めたのは、リン酸のモル濃度に対して過剰分のアンモニア性窒素が可溶化したためと考えられる。すなわち、200℃より低い温度では、リン酸に対してモル比でアンモニア性窒素が不足し、リン酸マグネシウムアンモニウムとして回収が不完全となるが、200℃以上では、リン酸をほぼ完全にリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収できることがわかる。
【0050】
これらのことから、水熱反応は、160℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上に設定すればよいことがわかる。
【0051】
次に、汚泥中のリンの回収率についての実験について説明する(実験3)。
【0052】
上記実験2の結果から、水熱反応後の液体の濾液中のリン濃度に対するリン酸マグネシウムアンモニウムを濾過分離した濾液中の残留するリン濃度の割合から、リンの回収率を算出した。その結果を図11に示す。
【0053】
この図11に示す結果から、200℃以上でほぼ96%以上の回収率でリンを回収できた。
【0054】
上述したように、生物有来有機性廃棄物を高温高圧水により加水分解して可溶化した液体に、マグネシウムイオンを添加して生成するリン酸マグネシウムアンモニウムを回収するため、高温高圧水により生物由来有機性廃棄物中の細胞膜も破壊、すなわち分解・低分子化されて十分にリンや窒素分が溶出して液状に可溶化でき、別途処理が容易な液体の形態となり低分子かできるとともに、十分に生物由来有機性廃棄物中のリンや窒素分が溶出し、添加するマグネシウムと反応して高温高圧水下でも固体として析出する有価物のリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収でき、生物由来有機性廃棄物を廃棄することなく効率よく処理できる。
【0055】
そして、生物由来有機性廃棄物中のリン酸結合およびポリペプチド結合を切断するとともにリン酸化合物をオルトリン酸に分解し、かつ、窒素化合物をアンモニア性窒素に分解する条件で、高温高圧水による加水分解をするため、生物由来有機性廃棄物から効率よく十分に、高温高圧水下でも有機物として分離回収できるリン酸マグネシウムアンモニウムを生成するリン酸やアンモニア性窒素が溶出し、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムを回収できるとともに、生物由来有機性廃棄物が確実に低分子化されて後段での生物処理などの処理が短時間で効率よく容易にできる。
【0056】
また、水酸化マグネシウムを添加してリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる条件としてpHを9以上のアルカリ性に調整するため、溶出したリン酸やアンモニア性窒素が効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムとして析出し、回収効率を向上できるとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が十分に低減し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収後の液体を例えば生物処理などの他の処理工程で処理する時間が短縮し容易にでき、処理効率を向上できる。
【0057】
そして、水酸化マグネシウムにてpHを調整しつつリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる反応を同時に行うので、経済的かつ効率的に処理できる。
【0058】
さらに、160℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上臨界点以下の高温高圧水を用いることにより、効率よくリン酸およびアンモニア性窒素が溶出し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収効率を向上できるとともに、リン酸やアンモニア性窒素の残留する量が低減して、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収後の液体を例えば生物処理などの他の処理工程で処理する時間が短縮し容易にでき、処理効率を向上できる。
【0059】
なお、上記実施の形態において、添加するマグネシウムイオンとしては、水酸化マグネシウムに限らず、他のマグネシウム化合物をも利用できる。
【0060】
また、生物由来有機性廃棄物の処理装置11の固液分離手段16にて分離した液体分を搬送管12にて曝気槽2に返送したが、アンモニア性窒素が残留する状態となることから、屎尿処理と同様に消化脱窒反応にて窒素分を除去したり、別途アンモニアストリッピングによりアンモニア性窒素を除去したのちに活性汚泥法にて有機質を分解する処理をするなどするとよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法によれば、生物有来有機性廃棄物を高温高圧水により加水分解して可溶化した液体に、水酸化マグネシウムを添加して生成するリン酸マグネシウムアンモニウムを回収するため、高温高圧水により生物由来有機性廃棄物中の細胞膜も破壊されて十分に液状に可溶化され、別途処理が容易な形態となるとともに、十分に生物由来有機性廃棄物中のリンや窒素分が溶出し、添加する水酸化マグネシウムと反応して高温高圧水下でも固体として析出する有価物のリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収でき、生物由来有機性廃棄物を廃棄することなく効率よく処理できる。
【0062】
また、水酸化マグネシウムを添加してリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる条件としてpHを9以上のアルカリ性に調整することにより、溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンが自動的に等モル以上添加されて調整され、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムが生成して回収効率を向上できるとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減して、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収後の液体の別途処理が容易で効率よくできる。
【0063】
さらに、160℃以上臨界点以下の高温高圧水を用いるため、効率よくリン化合物および窒素化合物が溶出し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収効率を向上できるとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収後の液体の別途処理が容易で効率よくできる。
【0064】
請求項2記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法によれば、請求項1記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法の効果に加え、生物由来有機性廃棄物中のリン酸結合およびポリペプチド結合を切断するとともにリン酸化合物をオルトリン酸に分解し、かつ、窒素化合物をアンモニア性窒素に分解する条件で、高温高圧水による加水分解をするため、高温高圧水下でも有機物として分離回収できるリン酸マグネシウムアンモニウムを生成するリン化合物および窒素化合物を生物由来有機性廃棄物から効率よく十分に溶出でき、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムを回収できるとともに、生物由来有機性廃棄物が低分子化して別途処理が容易にできる。
【0065】
請求項3記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法によれば、請求項1または2記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法の効果に加え、リン酸マグネシウムアンモニウムを回収した液体を生物処理するため、低分子化された有機質を多量に含有する液体を効率よく生物処理でき、生物由来有機性廃棄物を廃棄することなく処理できる。
【0066】
請求項4記載の生物由来有機性廃棄物の処理装置によれば、可溶化手段にて生物由来有機性廃棄物を高温高圧水により加水分解し可溶化させて液体とし、固形化手段にて液体に水酸化マグネシウムを添加してリン酸マグネシウムアンモニウムを生成し、固液分離手段にてリン酸マグネシウムアンモニウムを分離回収するため、高温高圧水により生物由来有機性廃棄物中の細胞膜も破壊されて十分に液状に可溶化され、別途処理が容易な形態となるとともに、十分に生物由来有機性廃棄物中のリンや窒素分が溶出し、添加する水酸化マグネシウムと反応して高温高圧水下でも固体として析出する有価物のリン酸マグネシウムアンモニウムとして回収でき、生物由来有機性廃棄物を廃棄することなく効率よく処理できる。
【0067】
また、高温高圧水を160℃以上臨界点以下とするため、効率よくリン化合物および窒素化合物が溶出し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収効率を向上できるとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減し、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収後の液体の別途処理が容易で効率よくできる。
【0068】
さらに、固形化手段のアルカリ調整手段にて液体のpHを9以上のアルカリ性に調整することにより、溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンが自動的に等モル以上添加されて調整され、効率よくリン酸マグネシウムアンモニウムが生成して回収効率を向上できるとともに、リン化合物や窒素化合物の残留する量が低減して、リン酸マグネシウムアンモニウムの回収後の液体の別途処理が容易で効率よくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態における生物由来有機性廃棄物の処理方法の構成を示すブロック図である。
【図2】 同上生物処理施設全体の構成を示すブロック図である。
【図3】 同上水酸化マグネシウムの添加量とリン酸イオン濃度およびアンモニア性窒素濃度との関係を示すグラフである。
【図4】 同上図3のモル換算グラフである。
【図5】 同上水酸化マグネシウムの添加量とpHとの関係を示すグラフである。
【図6】 同上pHとリン酸イオン濃度およびアンモニア性窒素濃度との関係を示すグラフである。
【図7】 同上水熱反応の温度と余剰汚泥の可溶化率との関係を示すグラフである。
【図8】 同上水熱反応の温度と固形浮遊物質との関係を示すグラフである。
【図9】 同上水熱反応の温度とリン濃度との関係を示すグラフである。
【図10】 同上水熱反応の温度とアンモニア性窒素濃度との関係を示すグラフである。
【図11】 同上水熱反応の温度とリン回収率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 生物由来有機性廃棄物の処理装置
14 可溶化手段としての水熱反応手段
15 固形化手段としてのリン固定化手段
16 固液分離手段
Claims (4)
- 生物由来有機性廃棄物中のリン酸化合物および窒素化合物を、160℃以上臨界点以下の高温高圧水により加水分解して液体に可溶化し、この液体中にリン酸およびアンモニア性窒素として溶出させ、
この生物由来有機性廃棄物が可溶化した液体に水酸化マグネシウムを添加して、この液体のpHを9以上のアルカリ性に調整し、
この液体に溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンが等モル以上添加され、生成するリン酸マグネシウムアンモニウムを回収する
ことを特徴とする生物由来有機性廃棄物の処理方法。 - 高温高圧水による加水分解は、生物由来有機性廃棄物中のリン酸結合およびポリペプチド結合を切断するとともに、リン酸化合物をオルトリン酸に分解し、窒素化合物をアンモニア性窒素に分解する
ことを特徴とする請求項1記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法。 - 水酸化マグネシウムの添加により生成したリン酸マグネシウムアンモニウムが回収された液体を生物処理する
ことを特徴とする請求項1または2記載の生物由来有機性廃棄物の処理方法。 - 生物由来有機性廃棄物中のリン酸化合物および窒素化合物を、160℃以上臨界点以下の高温高圧水にて加水分解させ液体に可溶化させて、この液体中にリン酸およびアンモニア性窒素として溶出させる可溶化手段と、
この可溶化手段に接続され前記液体に水酸化マグネシウムを添加して、この液体のpHを9以上のアルカリ性に調整するアルカリ調整手段を備え、この液体に溶出したリン酸イオンに対してマグネシウムイオンを等モル以上添加させてリン酸マグネシウムアンモニウムを生成させる固形化手段と、
この固形化手段に接続され前記リン酸マグネシウムアンモニウムを分離して回収する固液分離手段と
を具備したことを特徴とした生物由来有機性廃棄物の処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000277007A JP3805963B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | 生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000277007A JP3805963B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | 生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002086099A JP2002086099A (ja) | 2002-03-26 |
JP3805963B2 true JP3805963B2 (ja) | 2006-08-09 |
Family
ID=18762395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000277007A Expired - Fee Related JP3805963B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | 生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3805963B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4656848B2 (ja) * | 2004-03-03 | 2011-03-23 | 大阪瓦斯株式会社 | 汚泥処理方法 |
JP2006052286A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | プラスチック複合材料及びその製造方法、プラスチック成形体の製造方法、水熱反応処理残渣の処理方法並びに植物育成用容器の製造方法 |
JP4655618B2 (ja) * | 2004-12-14 | 2011-03-23 | 株式会社Ihi | 下水処理装置及び方法 |
JP2007069165A (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-22 | Ngk Insulators Ltd | アンモニア含有排水の処理方法 |
JP4555813B2 (ja) * | 2006-11-28 | 2010-10-06 | メタウォーター株式会社 | 水熱ガス化処理排水の処理方法 |
DE102015002416A1 (de) * | 2015-02-26 | 2016-09-01 | Terranova Energy Gmbh | Verfahren zur Abtrennung von Phosphor aus Klärschlamm |
EP3434382B1 (de) | 2017-07-27 | 2019-09-11 | iGas energy GmbH | Fraktionierte abscheidung von wertstoffen aus wässrigen vielkomponentengemischen |
CN108996887B (zh) * | 2018-08-31 | 2021-09-03 | 四川深蓝环保科技有限公司 | 一种浓缩污泥水热处理方法及系统 |
CN109592659A (zh) * | 2019-01-20 | 2019-04-09 | 重庆大学 | 一种市政污泥水热碳化回收磷的方法 |
CN115337904B (zh) * | 2022-08-19 | 2024-03-26 | 华南农业大学 | 一种含镁生物炭的制备方法及其应用 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2655007B2 (ja) * | 1990-08-06 | 1997-09-17 | 大阪瓦斯株式会社 | 廃水および汚泥の処理方法 |
JP3318483B2 (ja) * | 1996-04-17 | 2002-08-26 | オルガノ株式会社 | 有機性汚泥の超臨界水酸化方法及びこれに用いる有機性汚泥の供給装置 |
JP3400292B2 (ja) * | 1997-04-16 | 2003-04-28 | アタカ工業株式会社 | 廃棄物処理方法 |
JP3853922B2 (ja) * | 1997-08-28 | 2006-12-06 | ユニチカ株式会社 | 有機性汚泥のりん除去方法 |
JP3644842B2 (ja) * | 1998-03-30 | 2005-05-11 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 廃棄有機物からの有機酸の製造方法 |
JP3835927B2 (ja) * | 1998-04-23 | 2006-10-18 | 株式会社クボタ | 有機性廃棄物の処理方法 |
JP4062792B2 (ja) * | 1998-10-20 | 2008-03-19 | 株式会社Ihi | 有機性廃棄物の処理方法及び装置 |
JP3689804B2 (ja) * | 1999-02-01 | 2005-08-31 | 定瞭 村上 | 水熱反応を利用する余剰汚泥ゼロエミッション型生物処理法 |
-
2000
- 2000-09-12 JP JP2000277007A patent/JP3805963B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002086099A (ja) | 2002-03-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Booker et al. | Struvite formation in wastewater treatment plants: opportunities for nutrient recovery | |
KR101019200B1 (ko) | 질소 과다함유 폐수처리 및 스트루바이트의 제조방법 | |
AU717290B2 (en) | A method for treating sludge from wastewater treatment | |
CA2382813C (en) | Process for recovery of nutrients from wastewater effluent | |
WO2005049511A1 (ja) | リン酸マグネシウムアンモニウムの生成・回収方法及び装置 | |
EP2619144B1 (en) | Method for purifying wastewater with ammonium removal | |
CN101555076A (zh) | 一种用于处理高浓度氨氮废水的氨氮脱除剂及处理方法 | |
JP3805963B2 (ja) | 生物由来有機性廃棄物の処理方法およびその装置 | |
JP5344987B2 (ja) | 脱リン材、脱リン装置および脱リン副産物 | |
JP3705982B2 (ja) | リン酸塩回収方法 | |
JP3400292B2 (ja) | 廃棄物処理方法 | |
RU2756807C1 (ru) | Способ регенерации азота и фосфора из сточных вод осаждением их ионов в форме струвита | |
EP3696142B1 (en) | Method for extracting phosphorus from organic residues | |
EP2724990A1 (en) | Method and apparatus for treating organic waste water and organic sludge | |
JP2942563B2 (ja) | 排水の脱リン方法 | |
TW476736B (en) | A method of treating sludge and a method of treating organic waste water using the same | |
GB2046235A (en) | Removing dissolved organic impurities from waste water | |
JP4288336B2 (ja) | 廃水よりリン酸カルシウムの製造方法 | |
JP2018199101A (ja) | 汚泥処理システムおよび汚泥処理方法 | |
JP5530703B2 (ja) | リン回収方法 | |
EP0558568B1 (en) | A method for treating an organic substance | |
EP4023611A1 (en) | Method and device for processing liquid manure | |
JP4714350B2 (ja) | 有機性廃水の処理方法 | |
JP2007007530A (ja) | 廃水処理方法および廃水処理装置 | |
JP3823222B2 (ja) | 活性汚泥処理におけるリン除去方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040518 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20040518 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040520 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040518 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051012 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060125 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060327 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060426 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060511 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3805963 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |