JP3805508B2 - 化粧筆 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧筆に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧筆の極一般的な構造として、縦長筒状の胴部上端より口頚部を起立させた容器体と、口頚部上端部に嵌着させた取り付け筒の上端に基端を固定して塗布部を上方へ突出させ、更に、取り付け筒及び塗布部を被覆して口頚部に着脱自在にキャップを装着したものが上げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記化粧筆では塗布部が乾燥し易いという欠点がある。従来の化粧筆もキャップを設けているため、それなりには塗布部の乾燥は押さえられるが、キャップはその周壁を単なる螺着により嵌合させる等、塗布部の乾燥防止を考慮した構造を備えておらず、いまだ不充分なところがある。
本発明は上記した点に鑑み、塗布部の乾燥を確実に防止でき、また、組み立ても容易に行えるとともに、取り扱い操作も簡単便利な優れた化粧筆を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の化粧筆は、上記課題を解決するため、縦長筒状胴部2より口頚部3を起立した容器体Aと、容器体口頚部3に基端を液密に嵌着して上方へ起立させるとともに、筒壁の上下方向中央部に案内溝4を縦貫設してなる上下端開口の筒状をなす固定筒Bと、固定筒B内に上方への移動が可能に支持筒13を嵌合させるとともに、支持筒13上端に基端を固定した塗布部14を固定筒B内上部に上方への突出が可能に収納し、且つ、支持筒13外面より突設した連結片15に案内溝4を介して押し上げレバー16を連結してなる可動筆Cと、口頚部3外周に着脱可能に嵌合させた周壁17上端縁より頂壁18を延設してなるキャップDとを備え、固定筒B内面と支持筒13外面とを液密摺動可能に構成して案内溝4を介しての外部との連通を遮断するとともに、キャップ頂壁18下面中央より垂設した栓20を固定筒B上端開口に液密に嵌合させて塗布部14周囲に密閉室Xを形成してなることを特徴とする化粧筆として構成した。
【0005】
また、請求項2発明の化粧筆は、上記固定筒Bが、容器体口頚部3外周に嵌合させた周壁5上端縁より内方へフランジ6を延設するとともに、フランジ6上面より二重筒状に内外の支持筒部7,8を立設し、且つ、フランジ6下面より垂設したシール筒部9を口頚部3内面に液密に嵌合させてなる下部固定筒B1と、各支持筒部7,8内に筒壁下端を嵌着させるとともに、筒壁下端より上部に至る案内溝4形成用の切り溝4aを穿設した上部固定筒B2とから構成してなる固定筒である請求項1記載の化粧筆として構成した。
【0006】
また、請求項3発明の化粧筆は、上記レバー16が、固定筒B外周に上方への移動が可能に嵌合させた筒状をなすレバーである請求項1記載の化粧筆として構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の化粧筆1は、容器体Aと、固定筒Bと、可動筆Cと、キャップDとを備えている。
【0008】
容器体Aは、縦長筒状の胴部2上端縁より口頚部3を起立させて構成している。容器体Aの胴部2は圧搾可能に構成することも可能であり、また、剛性を持たせて圧搾変形が困難な如く構成しても良く、収納液の種類,性質等により適宜選択すれば良い。本実施例では、口頚部3の上部は径の小さい小径部3aに形成しており、下部の大径部3b外周には螺条を、小径部3a外周下部には係合突条をそれぞれ突周設している。
【0009】
固定筒Bは、容器体口頚部3に基端を液密に嵌合させて上方へ起立させるとともに、筒壁の上下方向中央部に案内溝4を縦貫設してなる上下端面開口の筒状をなしている。案内溝4は一箇所設けても二箇所以上設けても良く、本実施例では左右二箇所に案内溝4を設けている。
また、本実施例では固定筒Bを下部固定筒B1と上部固定筒B2とで構成している。下部固定筒B1は、小径部3a外周に周壁5を嵌合させて容器体Aに装着し、周壁5内面に周設した係合突条を、小径部3aの上記係合突条に係合させて抜け出しの防止を図っている。また、周壁5上端縁より内方小径部3a上面へフランジ6を延設するとともに、フランジ6上面より内外の支持筒部7,8を二重筒状に立設し、フランジ6下面より垂設したシール筒部9を小径部3a内面に液密に嵌合させている。更に、内側の支持筒部7内面にはシール用の小突条10を周設している。
【0010】
上部固定筒B2は、各支持筒部7,8内に下端を嵌合させるとともに、凹凸係合手段を介して上方への抜け出し防止を図り、また、下端より上部に至る案内溝4形成用の切り溝4aを穿設した上下端開口の筒状に構成している。従って、各支持筒部7,8より上方の切り溝4aが案内溝4を構成する。また、この上部固定筒B2の上端部は若干内方へ湾曲させて構成しており、下端部は段部11を介して若干大径に形成している。更に、案内溝4上方内面にはシール用の小突条12を周設している。
【0011】
可動筆Cは、固定筒B内に上方への移動が可能に支持筒13を嵌合させるとともに、支持筒13上端に基端を固定した塗布部14を固定筒B内上部に上方への突出が可能に収納し、また、支持筒13外面より突設した連結片15に案内溝4を介して押し上げ用のレバー16を連結して構成している。
【0012】
塗布部14は、繊維を束ねたものや、多孔質材により一体に形成したもの等、従来のこの種の化粧筆の塗布部として使用されているものであれば使用できる。
押し上げ用のレバー16の形状は図示例の如く固定筒B外周に上方への移動が可能に嵌合させた筒状であっても、或いは単なる板状であってもその他の形状であっても良く、要は可動筆Cを固定筒Bに対して上方へ押し上げることが可能であれば良い。しかしながら、筒状のものがどの位置からでもつかみ易く、嵩張らず、可動筆Cを上方へ押し上げ易いため好ましく採用できる。尚、レバー16が筒状でなく、案内溝4が複数存在する場合には、連結片15及びレバー16も複数設けることとなる。
【0013】
キャップDは、口頚部3外周に着脱可能に嵌合させた周壁17上端縁より頂壁18を延設した下端開口の筒状をなしている。
本実施例では、容器体Aの上記大径部3b外周に周壁17下部内面を螺着させて着脱自在に嵌合させており、また、周壁17内面上部から頂壁18下面縁部に至る部分より突設した縦長矩形状の係止板19を周方向複数突設し、この係止板19の下面をレバー16上面に当接させてキャップD装着時の可動筆Cの移動がない様に構成している。
【0014】
本発明では、固定筒B内面と支持筒13外面とを液密摺動可能に構成して案内溝4を介しての外部との連通を遮断するとともに、キャップ頂壁18下面中央より垂設した栓20を固定筒B上端開口に液密に嵌合させて塗布部14周囲に密閉室Xを形成している。
この密閉室Xを形成することにより、不使用時であるキャップD装着時に塗布部14周囲を比較的小スペースをもって密閉させることが出来て塗布部14の乾燥を防止できる如く構成している。
【0015】
本実施例では、上部固定筒B2の上記小突条12を支持筒13外周上部に液密摺動可能に嵌合させ、また、下部固定筒B1の上記小突条10を支持筒13外周下部に液密摺動可能に嵌合させて、容器体A内から支持筒13内を介して固定筒B上部に至る液流路と、外部との、案内溝4を介しての連通を遮断する如く構成している。また、短筒状の栓20を固定筒B上端開口部に液密に嵌合させ、以て密閉室Xを構成している。
【0016】
上記の如く構成した化粧筆1を使用する場合には、まず、キャップDを外し、次いでレバー16を上方へ押し上げることにより可動筆Cを上方へ押し上げ、固定筒Bの先端開口より塗布部14を突出させて使用する。
また、使用後は、レバー16を押し下げて可動筆Cを押し下げ、塗布部14を固定筒B内上部に収納した後キャップDを装着する。この際、塗布部14の周囲には、密閉された密閉室Xが形成されて塗布部14の乾燥を防止できるが、粘度の低い収納液を選択したり、通液性の良い塗布部14を選択したりすることにより、化粧筆1を寝かせて或いは塗布部14を下にして立てかけて保管した際に、塗布部を介して液が密閉室X内に移行し、常時塗布部外面が液と接触する状態となり、より確実な乾燥防止を図れる。
【0017】
密閉室Xに移行した液は、密閉室Xがその構造上比較的小スペースに構成できるため少量で、キャップを外すために正立させた際に塗布部14内に戻り、また、可動筆Cを上昇させる際に支持筒13内が若干負圧化することからも塗布部14内に戻り、使用に当たって垂れる虞は極めて少ない。
尚、上記各部材は合成樹脂等により形成すると良い。
【0018】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明化粧筆は、既述構成としたことにより、特に、固定筒B内面と支持筒13外面とを液密摺動可能に構成して案内溝4を介しての外部との連通を遮断するとともに、キャップ頂壁18下面中央より垂設した栓20を固定筒B上端開口に液密に嵌合させて塗布部14周囲に密閉室Xを形成したので、塗布部14の乾燥を防止でき、また、寝かせておくか塗布部を下にして立てかけておいた際に塗布部を介して密閉室内へ液の移行があっても外部へ漏出せず、この場合には、常時塗布部の周囲に液が存在して塗布部が乾燥するのをより確実に防止できる。
【0019】
また、密閉室Xはその構造上、比較的小スペースをもって形成できるため、塗布部周囲に液が移行した場合も少量で、キャップを外すために正立させた際に塗布部へ戻り、また、可動筆Cを押し上げた際に支持筒内が若干負圧化することによっても塗布部内へ戻り、その結果、キャップを外して使用する際に垂れる等の虞は極めて少なく、良好な収納液の塗布を行えるものである。
【0020】
また、固定筒Bが、容器体口頚部3外周に嵌合させた周壁5上端縁より内方へフランジ6を延設するとともに、フランジ6上面より二重筒状に内外の支持筒部7,8を立設し、且つ、フランジ6下面より垂設したシール筒部9を口頚部3内面に液密に嵌合させてなる下部固定筒B1と、各支持筒部7,8内に筒壁下端を嵌着させるとともに、筒壁下端より上部に至る案内溝4形成用の切り溝4aを穿設した上部固定筒B2とから構成してなるものにあっては、案内溝4を後加工で形成する等の面倒がなく、各部材を組み立てるだけで容易に形成できる利点を兼ね備えている。
【0021】
また、レバー16が、固定筒B外周に上方への移動が可能に嵌合させた筒状をなすレバーであるものにあっては、可動筆の押し上げ及び押し下げに際してどの方向からつかんでも良く、簡単に上下動を行えて取り扱いが容易となる利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部縦断面図である。
【図2】同実施例のキャップを外して塗布部を突出させた状態を示す要部縦断面図である。
【図3】同実施例のキャップを外した状態の要部斜視図である。
【図4】同実施例のキャップを外して塗布部を突出させた状態の要部斜視図である。
【符号の説明】
A…容器体,B…固定筒,B1…下部固定筒,B2…上部固定筒,C…可動筆,
D…キャップ,X…密閉室,2…胴部,3…口頚部,4…案内溝,
4a…切り溝,5…周壁,6…フランジ,7…支持筒部,8…支持筒部,
9…シール筒部,13…支持筒,14…塗布部,16…レバー,17…キャップ周壁,
18…キャップ頂壁,20…栓

Claims (3)

  1. 縦長筒状胴部2より口頚部3を起立した容器体Aと、容器体口頚部3に基端を液密に嵌着して上方へ起立させるとともに、筒壁の上下方向中央部に案内溝4を縦貫設してなる上下端開口の筒状をなす固定筒Bと、固定筒B内に上方への移動が可能に支持筒13を嵌合させるとともに、支持筒13上端に基端を固定した塗布部14を固定筒B内上部に上方への突出が可能に収納し、且つ、支持筒13外面より突設した連結片15に案内溝4を介して押し上げレバー16を連結してなる可動筆Cと、口頚部3外周に着脱可能に嵌合させた周壁17上端縁より頂壁18を延設してなるキャップDとを備え、固定筒B内面と支持筒13外面とを液密摺動可能に構成して案内溝4を介しての外部との連通を遮断するとともに、キャップ頂壁18下面中央より垂設した栓20を固定筒B上端開口に液密に嵌合させて塗布部14周囲に密閉室Xを形成してなることを特徴とする化粧筆。
  2. 上記固定筒Bが、容器体口頚部3外周に嵌合させた周壁5上端縁より内方へフランジ6を延設するとともに、フランジ6上面より二重筒状に内外の支持筒部7,8を立設し、且つ、フランジ6下面より垂設したシール筒部9を口頚部3内面に液密に嵌合させてなる下部固定筒B1と、各支持筒部7,8内に筒壁下端を嵌着させるとともに、筒壁下端より上部に至る案内溝4形成用の切り溝4aを穿設した上部固定筒B2とから構成してなる固定筒である請求項1記載の化粧筆。
  3. 上記レバー16が、固定筒B外周に上方への移動が可能に嵌合させた筒状をなすレバーである請求項1記載の化粧筆。
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