JP3804740B2 - ウエットティッシュ包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエットティッシュが収納された包装体に係り、特に、ウェットティッシュを4つ折り状態または2つ折り状態で取り出すことができるウェットティッシュ包装体に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
乳児または幼児に対しておむつを交換する際のお尻拭きなどとして使用されるウエットティッシュは、不織布に水または薬液を含浸させたものであり、これらは袋状の包装体内に複数枚重ねられて収納されている。
【0003】
従来のウエットティッシュは、1枚ずつが折り畳まれて、前記包装体の内部に積層されて収納されており、包装体の上面に開口する開口部から1枚ずつ取出して使用できるようになっている。
【0004】
前記従来のウエットティッシュは、広げて使用すると、1枚構造であるため、お尻拭きとして使用するときに汚物が浸透するおそれがある。したがって、汚物を拭き取る際には、包装体から取出したウエットティッシュを一旦手で広げ、それから2つ折りや4つ折りに折り畳んで使用することになる。
【0005】
しかし、包装体内から取出したウエットティッシュを一度広げ折り畳んでから使用するのではきわめて不便である。またこの種のウエットティッシュは小型の袋状の包装体内に収納した状態で携帯できるようにすることが好ましいが、小型の包装体内に、1枚のウエットティッシュを折り畳んで収納するためには、1枚のウエットティッシュの面積を小さくしなくてはならない。このような小さいウエットティッシュを2つ折りにして使用すると、小さくなりすぎて、汚物を拭き取るときに、汚物が手に付着しやすい。
【0006】
一方、広い面積の1枚のウエットティッシュを、小型の包装体に合うようにコンパクトに折り畳もうとすると、きわめて複雑な多重折りとしなくてはならない。この場合には、包装体の開口部から1枚ずつ取出したときに、ウエットティッシュがくしゃくしゃになり、広げてから折り畳むという取り扱いがしずらくなる。
【0007】
例えば特開平6−219477号公報には、1枚のティッシュがZ状態に折られ、Z折り状態のものがさらに2回折り畳まれてパッケージ内に収納され、前記パッケージにはティッシュの端折曲部が露出するように開口部が形成されたものが開示されている。
【0008】
しかし、上記公報に記載されているものでは、前記開口部からティッシュの端折曲部をつかんで引き出した状態では、Z折りから折り畳まれた形態であるため、引き出したままの状態で使用することができず、Z折りを展開して広げてから使用することが必要であり、展開のための操作が面倒でありまた展開した状態で皺が生じたり、くしゃくしゃの状態になりやすい。したがって、お尻拭き用などのウエットティッシュを前記公報に記載されているようなパッケージに収納した場合には、やはり1枚の展開状態にしてから改めて2つ折りや4つ折りにして使用することが必要になる。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、包装体から取出した時点で、4つ折り状態または2枚折り状態での使用ができ、従来のような折り畳み操作が不要になり、汚物の拭き取りなどに適するウエットティッシュ包装体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウエットティッシュが折り畳まれ、且つ複数枚が積層されて袋状の包装体の内部に収納され、前記包装体には、前記ウエットティッシュを取り出す開口部が形成され、前記開口部を覆う蓋材が設けられているウエットティッシュ包装体において、
展開状態で長辺と短辺を有する長方形の前記ウエットティッシュの面積をAとしたときに、前記ウエットティッシュが、前記長辺に平行な第1の折り線により面積がほぼA/2となるように2つ折りされ、さらに前記第1の折り線と直交し且つ前記短辺に平行な第2の折り線により2つ折りされて、面積がほぼA/4の4つ折り体が形成され、
予め前記4つ折り体とされたウエットティッシュが複数重ねられて前記包装体内に収納されており、
前記開口部は、包装体の上面からひとつの側面にかけて開口し、ウエットティッシュの前記第2の折り線が、前記開口部の内側に現れ、前記開口部から4つ折り体を1つずつ取り出し可能とされていることを特徴とするものである。
【0011】
上記本発明では、開口部に現れる第2の折り線を摘んで包装体から引き出すと、完全な4つ折り状態として取出すことができ、そのまま汚物の拭き取りなどに使用することができる。また4つ折り状態で取出した後に、第2の折り線の部分で展開すると2つ折り状態で使用できる。
【0013】
包装体において開口部が上面から側面にかけて(さらには底面まで)開口しているため、前記第2の折り線を外部から掴みやすくなる。
【0014】
さらに、包装体には、袋体を封止する横シール部が設けられて、この横シール部が包装体の底面側に折り曲げられて底面に固定されており、前記蓋材は、底面に止められた前記横シール部の表面から、包装体の側面および上面にかけて巻きつけるようにして包装体の表面に粘着されることが好ましい。
【0015】
包装体に横シール部が耳状に突出していると、その近傍に開口部を形成したときに、この開口部からウエットティッシュの折り線部分を掴むのが困難である。しかし、前記横シール部を包装体の底面側に曲げておくと、ウエットティッシュを引き出すときに横シール部が邪魔にならない。また開口部は、ウエットティッシュの折り線を引き出しやすい状態に大きく開口するようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を参照しながら説明する。
図1と図2は本発明のウエットティッシュ包装体の第1の実施の形態を示す斜視図、図3はウエットティッシュ包装体の第2の実施の形態を示す斜視図、図4(A)(B)(C)は、ウエットティッシュの折り畳み状態を説明する斜視図である。
【0017】
図1に示す包装体1は、表面(外側)からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アルミニウム箔、いわゆるシーラントと呼ばれるヒートシール性の2軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムなどが順に積層されて、互いに接着された積層フィルムによって袋状に形成されている。または、PETフィルムにアルミニウム、シリカまたはアルミナが蒸着されたものに、ヒートシール性のフィルムが重ねられているものでもよい。
【0018】
前記ヒートシール性のフィルムが包装体1の内側になる方向に向けられて、積層フィルムによりウエットティッシュの4つ折り体10が包まれる。そして、積層フィルムは縦方向にヒートシールにより接合され、且つ横方向にもヒートシールにより接合され、両側辺に横シール部2,2が耳状に突出した形状である。
【0019】
前記袋状の包装体1は携帯用であり、その上面3および底面4はほぼ平坦面となっている。横シール部2,2の内側部分が包装体1の横側面5,5で、これと直交する面が縦側面6,6である。
【0020】
図1に示す包装体1では、上面3から一方の横側面5にかけてフィルムが切り欠かれて開口部7が開口している。また一方の横シール部2から横側面5さらに上面3にかけて蓋材8が貼着できるように設けられている。この蓋材8はポリプロピレンなどの樹脂シートであり、その内面8aには感圧接着剤が塗布されている。図2は蓋材8が剥がされて開口部7が露出した状態を示している。開口部7からウエットティッシュを取出した後に蓋材8を矢印方向へ閉じて包装体1の表面に粘着させると開口部7が閉じられ、内部が密閉されてウエットティッシュの乾燥が防止できる。
【0021】
前記ウエットティッシュは、乳児や幼児のおむつの交換時におけるお尻拭きとしての使用に適したものであり、例えば、目付けが30〜60g/m2程度の厚めの不織布であり、パルプとレーヨンとから成る繊維ウエッブが湿式で形成され且つウォータジェット処理が施されたスパンレース不織布である。乾燥した不織布に水または薬液が含浸された状態で前記包装体1内に収納されている。また、ウエットティッシュの大きさは、例えば一辺が120〜200mmの長方形または正方形である。
【0022】
以下、前記ウエットティッシュの折り畳み構造について説明する。
図4(A)は展開した状態のウエットティッシュ11を示している。このウエットティッシュ11は第1の折り線L1により2つ折りされるが、この第1の折り線L1と平行な縁辺11bの長さをb、前記第1の折り線L1と直交する縁辺11aの長さをaとする。また展開状態のウエットティッシュ11の面積をAとする。
【0023】
前記展開状態のウエットティッシュ11を前記第1の折り線L1により2つ折りした2つ折り体12を図4(B)に示す。前記第1の折り線L1は、縁辺11aの長さaの中点に設定され、図4(B)に示す2つ折り体12では、縁辺11bと11bとが完全に揃えられ、また縁辺11aも完全に揃えられて、2つ折りされた状態の面積はA/2となる。また本発明では、縁辺11aと11aおよび縁辺11bと11bとが若干ずれていてもよい。この場合、図4(B)に示す2つ折り体12は、その面積がほぼA/2である。
【0024】
さらに、図4(B)に示す2つ折り体12の長辺の長さbの中点に第2の折り線L2が設定され、この第2の折り線L2により2つ折りされる。この状態では、縁辺11aどうしおよび縁辺11bどうしが一致しまたはほぼ一致するように折り畳まれ、図4(C)の4つ折り体10では、側辺の長さがa/2とb/2であり、面積はA/4またはほぼA/4である。
【0025】
図1に示す包装体1では、図4(C)のように折り畳まれた4つ折り体10が重ねられて収納されているが、各ウエットティッシュの4つ折り体10の第2の折り線L2が開口部7に現れている。また、開口部7は包装体1の上面3から横側面5にかけて開口しているので、折り線L2の部分を掴んで開口部7からウエットティッシュを引き出しやすい状態となっている。
【0026】
蓋材8を剥がして開口部7を開口させ、この開口部7に現れている前記第2の折り線L2の部分を掴んで引き出すと、ウエットティッシュ11は図4(C)に示す4つ折り体10の状態で引き出される。この4つ折り体10のまま乳児や幼児のお尻、または老人や病人のお尻などを拭くと、ウエットティッシュを4枚重ねて汚物を拭きとることができ、汚物がウエットティッシュを浸透して手に付着するなどの問題が生じなくなる。また図4(C)で示す4つ折り体10の状態で引き出したウエットティッシュを折り線L2の折りを展開させて使用すると、2つ折り状態で使用することもできる。
【0027】
図2は図1に示す第1の実施の形態の変形例を示している。
図2に示す変形例では、包装体1の袋体を封止している耳である横シール部2が底面4側へ折り返されて、横シール部2が前記底面に接着されて固定され、あるいは粘着テープなどを用いて止められている。開口部7は、包装体1の上面3および横側面5から、さらに横シール部2の基端2aまたは基端2aの近傍にかけて開口している。また蓋材8は底面4に止められた横シール部2の表面から横側面5および上面3にかけて巻き付けるようにして粘着させるように設けられている。
【0028】
図2に示すものでは、横シール部2が底面4に折り畳まれているため、開口部7からのウエットティッシュの取出しが横シール部2により邪魔されることがない。また、横シール部2が底面4の方向へ曲げられているため、開口部7は、4つ折り体10の第2の折り線L2を露出させやすい向きに開口することになり、開口部7からウエットティッシュを取出しやすくなる。
【0029】
図3は本発明の参考例となるウエットティッシュ包装体を示す斜視図である。
図3では袋状の包装体1の上面3から縦側面6にかけて開口部9が開口している。包装体1の内部には、図4(C)に示すように折り畳まれた4つ折り体10が重ねられて収納されている。そして各4つ折り体10の第1の折り線L1が前記開口部9に現れている。
【0030】
図3に示す参考例では、1枚のウエットティッシュ11において2つの第1の折り線L1が開口部9に現れている。よって、1枚のウエットティッシュ11の2つの第1の折り線L1とL1を一緒に掴んで引き出すと、図4(C)に示す4つ折り体10の状態で取出すことができ、4つ折りのまま汚物の拭き取りなどに使用できる。
【0031】
また開口部9に現れている1つの折り線L1を掴んで引き出すと、図4(B)に示す2つ折り体12の状態で開口部9から取出される。よって、そのままウエットティッシュを2つ折りの状態で使用することができ、4つ折りのものよりもやや広い面積で汚物の拭き取りなどを行うことができる。
【0034】
以上のように、本発明のウエットティッシュ包装体は、包装体の開口部から掴んで引き出すと、その状態で4つ折りまたは2つ折りの状態でウエットティッシュを使用することができ、従来のように一旦広げてから2つ折りや4つ折りにする必要がない。
【0035】
また展開状態のウエットティッシュ11は長方形である。ただし図4(A)に示す寸法の、aとbの差の絶対値が30mmを越える場合には、a<bの場合に4つ折り状態で取出して使いやすい。
【0036】
aとbの差の絶対値が30mm未満の場合は、a>b、a<b、a=bのいずれの場合も、4つ折り状態で使用しやすい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、ウエットティッシュを包装体から引き出した状態で、直ちに4つ折り状態または2つ折り状態で使用でき、包装体から引き出した後に折り畳む操作が不要である。また4つ折りまたは2つ折り状態で使用できるため、汚物処理の際に、汚物が浸透しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエットティッシュ包装体の第1の実施の形態を示す斜視図、
【図2】第1の実施の形態の変形例のウエットティッシュ包装体を示す斜視図、
【図3】本発明の参考例を示す斜視図、
【図4】(A)(B)(C)は、ウエットティッシュの折り畳み順序を示す斜視図、
【符号の説明】
1 包装体
2 横シール部
2a 横シール部の基端
3 上面
4 底面
5 横側面
6 縦側面
7,9 開口部
8 蓋材
10 4つ折り体
11 ウエットティッシュ
11a,11b 縁辺
12 2つ折り体
L1 第1の折り線
L2 第2の折り線
Claims (2)
- ウエットティッシュが折り畳まれ、且つ複数枚が積層されて袋状の包装体の内部に収納され、前記包装体には、前記ウエットティッシュを取り出す開口部が形成され、前記開口部を覆う蓋材が設けられているウエットティッシュ包装体において、
展開状態で長辺と短辺を有する長方形の前記ウエットティッシュの面積をAとしたときに、前記ウエットティッシュが、前記長辺に平行な第1の折り線により面積がほぼA/2となるように2つ折りされ、さらに前記第1の折り線と直交し且つ前記短辺に平行な第2の折り線により2つ折りされて、面積がほぼA/4の4つ折り体が形成され、
予め前記4つ折り体とされたウエットティッシュが複数重ねられて前記包装体内に収納されており、
前記開口部は、包装体の上面からひとつの側面にかけて開口し、ウエットティッシュの前記第2の折り線が、前記開口部の内側に現れ、前記開口部から4つ折り体を1つずつ取り出し可能とされていることを特徴とするウエットティッシュ包装体。 - 包装体には、袋体を封止する横シール部が設けられて、この横シール部が包装体の底面側に折り曲げられて底面に固定されており、前記蓋材は、底面に止められた前記横シール部の表面から、包装体の側面および上面にかけて巻きつけるようにして包装体の表面に粘着される請求項1記載のウエットティッシュ包装体。
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- 1999-03-30 JP JP08817099A patent/JP3804740B2/ja not_active Expired - Lifetime
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