JP3804735B2 - 反射防止剤、反射防止材、偏光板保護フィルム、及び偏光板 - Google Patents
反射防止剤、反射防止材、偏光板保護フィルム、及び偏光板 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示装置の偏光板の偏光板保護フィルムとして好適な反射防止フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術、及び発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置(LCD)は、低電圧、低消費電力で、IC回路への直結が可能であり、そして、特に、薄型化が可能であることから、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等の表示装置として広く採用されている。
このLCDは、基本的な構成は、例えば液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。
【0003】
ところで、偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すものである。従って、LCDにおいては、電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を担っている。すなわち、偏光板の性能によってLCDの性能が大きく左右される。
偏光板の一般的な構成を、図1に示す。図1中、1は偏光子であり、この偏光子1の両側に偏光板保護フィルム2が積層されている。このような構成の偏光板を液晶セルに対して積層することで、LCDが構成される。
【0004】
前記偏光子は、ヨウ素などを高分子フィルムに吸着・延伸したものである。すなわち、二色性物質(ヨウ素)を含むHインキと呼ばれる溶液を、ポリビニルアルコールのフィルムに湿式吸着させた後、このフィルムを一軸延伸することにより、二色性物質を一方向に配向させたものである。
前記偏光板保護フィルムは、耐久性を向上させる目的から設けられる。
【0005】
従って、耐久性に富むこと、例えば表面硬度が高く、傷付きが起き難いことが望まれる。
更には、外光の映り込みを防止する為、反射率が低いことが望まれる。
又、透明基材に対する密着性が高いこと、かつ、造膜性に優れていることも要求されている。
【0006】
尚、従来、偏光板保護フィルムとしては、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が提案されていた。
しかし、これまでの提案になる偏光板保護フィルムでは、上記観点からすると、満足出来ないものであった。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、表面硬度が高く、傷付きが起き難く、耐久性に富み、更には反射率が低く、外光の映り込みが防止され、その結果、視野角も拡がり、そして光透過率も高く、又、透明基材に対する密着性が高いこと、かつ、造膜性に優れている材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者による偏光板保護フィルムについての研究が鋭意押し進めているうちに、下記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕で表される含フッ素モノマーを二種類以上含み、このうちの少なくとも二種類の含フッ素モノマーは一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕の異なる群の中から選ばれたものである場合、特に、下記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーと、下記の一般式〔V〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーとを含む反射防止剤を用いて構成されてなる反射防止層を有する材料は、表面硬度が高く、傷付きが起き難く、耐久性に富み、更には反射率が低く、これを偏光板保護フィルムとして用いた偏光板が採用されたLCDは外光の映り込みが防止され、その結果、視野角も拡がり、そして光透過率も高く、又、透明基材に対する密着性が高いこと、かつ、造膜性に優れていることを見出すに至った。
一般式〔I〕
CH2 =CX1 −COORf
〔X1 は、水素原子、又はメチル基。
【0009】
Rf は、フッ素原子を3個以上有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。〕
一般式〔II〕
YOOC−CH=CX1 −COOZ
〔X1 は、水素原子、又はメチル基。
【0010】
Y及びZは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、フッ素原子を有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。
Y及びZは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Y及びZの少なくとも一方の基はフッ素原子を含む。〕
一般式〔III〕
【0011】
【化7】
【0012】
〔Y及びZは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、フッ素原子を有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。
Y及びZは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Y及びZの少なくとも一方の基はフッ素原子を含む。〕
一般式〔IV〕
【0013】
【化8】
【0014】
〔Y及びZは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、フッ素原子を有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。
Y及びZは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Y及びZの少なくとも一方の基はフッ素原子を含む。〕
一般式〔V〕
【0015】
【化9】
【0016】
〔X1 及びX2 は、水素原子、又はメチル基。
X1 及びX2 は、同一であっても異なっていてもよい。
Rf は、フッ素原子を3個以上有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。〕
上記知見に基づいて本発明がなされたものである。
【0017】
すなわち、前記課題は、上記一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕で表される含フッ素モノマーを二種類以上含み、このうちの少なくとも二種類の含フッ素モノマーは一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕の異なる群の中から選ばれたものであることを特徴とする反射防止剤によって解決される。
【0018】
特に、上記一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーと、
上記一般式〔V〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーとを含むことを特徴とする反射防止剤によって解決される。
又、前記課題は、透明基材に反射防止層が設けられた反射防止材であって、
前記反射防止層は、上記反射防止剤を用いて構成されてなる
ことを特徴とする反射防止材によって解決される。
【0019】
又、透明基材に反射防止層が設けられ、前記透明基材と反射防止層との間に該反射防止層の屈折率よりも高い屈折率の層が設けられた反射防止材であって、
前記反射防止層は、上記反射防止剤を用いて構成されてなる
ことを特徴とする反射防止材によって解決される。
又、透明基材に反射防止層が設けられ、前記透明基材と反射防止層との間に該反射防止層の屈折率よりも高い屈折率の高屈折率層が設けられ、前記透明基材と高屈折率層との間に該反射防止層の屈折率よりも高いが高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率の中屈折率層が設けられた反射防止材であって、
前記反射防止層は、上記反射防止剤を用いて構成されてなる
ことを特徴とする反射防止材によって解決される。
【0020】
又、前記課題は、上記反射防止材で構成されてなることを特徴とする偏光板保護フィルムによって解決される。
又、前記課題は、上記反射防止材で構成されてなるフィルムが偏光子に貼り合わされてなることを特徴とする偏光板によって解決される。
本発明において、一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕で表される含フッ素モノマーを二種類以上含み、このうちの少なくとも二種類の含フッ素モノマーは一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕の異なる群の中から選ばれたもの、特に、一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーと、一般式〔V〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーとを用いるようにしたのは、例えば一般式〔I〕のみの中から選ばれた含フッ素モノマーのみを用いた場合、一般式〔II〕のみの中から選ばれた含フッ素モノマーのみを用いた場合、一般式〔III〕のみの中から選ばれた含フッ素モノマーのみを用いた場合、一般式〔IV〕のみの中から選ばれた含フッ素モノマーのみを用いた場合、或いは一般式〔V〕のみの中から選ばれた含フッ素モノマーのみを用いた場合、傷が付き易く、又、密着性にも劣り、更には支持体フィルムへの塗布時に塗布面が不均一になり易く、塗布性に劣り、かつ、塗布欠陥の発生が頻繁であったのに対して、本発明の組み合わせになる含フッ素モノマーを用いた場合には、前記の欠点が大幅に解決されたからである。
【0021】
ここで注目すべきことは、例えば一般式〔I〕の中から選んだ含フッ素モノマーを二種以上用いても、又、一般式〔II〕の中から選んだ含フッ素モノマーを二種以上用いても、又、一般式〔III〕の中から選んだ含フッ素モノマーを二種以上用いても、又、一般式〔IV〕の中から選んだ含フッ素モノマーを二種以上用いても、又、一般式〔V〕の中から選んだ含フッ素モノマーを二種以上用いても、本願発明が奏する特長は得られなかったことである。
【0022】
上記本発明の反射防止剤における含フッ素モノマーは、該含フッ素モノマー中に含まれるフッ素原子が重量比で30〜90wt%(特に、40wt%以上。80wt%以下。)のものが好ましい。すなわち、含フッ素量が30wt%未満の少ない場合には、屈折率が大きくなる傾向があり、逆に、含フッ素量が90wt%を越えて多い場合には、塗膜強度が劣化の傾向があるからである。
【0023】
上記本発明における反射防止層は、上記した含フッ素モノマーの他に、光重合モノマーをも用いて構成されてなるものが好ましい。すなわち、光重合モノマーをも用いることによって、硬度が高まり、傷が付き難くなるからである。
上記本発明における透明基材は、セルロースの低級脂肪酸エステル及び一軸延伸ポリエチレンテレフタレートの群の中から選ばれる材料で構成されたものが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好ましい例として挙げられる。その他にも、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。最も好ましいセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテートである。特に、酢化度が59〜62%のセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)である。すなわち、偏光板保護フィルムとして用いる場合には、酢化度が59〜62%のセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)を用いて構成した透明基材であるのが好ましい。
【0024】
上記本発明における透明基材と反射防止層との間に設けられる層は、金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて構成されたものが好ましい。すなわち、金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて構成された層を透明基材と反射防止層との間に設けておくことにより、反射防止層の造膜性に優れ、かつ、膜強度も高まり、密着性が向上し、更には反射率が大幅に低下する傾向があるからである。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明になる反射防止剤は、一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕で表される含フッ素モノマーを二種類以上含み、このうちの少なくとも二種類の含フッ素モノマーは一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕,〔V〕の異なる群の中から選ばれたものである。特に、上記一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーと、上記一般式〔V〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーとを含む。
【0026】
本発明になる反射防止材は、透明基材に反射防止層が設けられた反射防止材であって、前記反射防止層は、上記反射防止剤を用いて構成されてなる。或いは、透明基材に反射防止層が設けられ、前記透明基材と反射防止層との間に該反射防止層の屈折率よりも高い屈折率の層が設けられた反射防止材であって、前記反射防止層は、上記反射防止剤を用いて構成されてなる。又は、透明基材に反射防止層が設けられ、前記透明基材と反射防止層との間に該反射防止層の屈折率よりも高い屈折率の高屈折率層が設けられ、前記透明基材と高屈折率層との間に該反射防止層の屈折率よりも高いが高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率の中屈折率層が設けられた反射防止材であって、前記反射防止層は、上記反射防止剤を用いて構成されてなる。
【0027】
本発明になる偏光板保護フィルムは、上記反射防止材で構成されてなる。
本発明になる偏光板は、上記反射防止材で構成されてなるフィルムが偏光子に貼り合わされてなる。
本発明の反射防止剤における含フッ素モノマーは、好ましくは、該含フッ素モノマー中に含まれるフッ素原子が重量比で30〜90wt%(特に、40wt%以上。80wt%以下。)のものである。
【0028】
本発明における反射防止層は、好ましくは、上記した含フッ素モノマーの他に光重合モノマーをも用いて構成される。又、光重合開始剤を用いて構成される。
尚、上記反射防止層に含まれる上記の含フッ素モノマー成分は30wt%以上であることが好ましい。更に好ましくは60wt%以上である。特に好ましくは80wt%以上である。
【0029】
本発明における透明基材は透明材料であれば良い。例えば、アセチルセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの透明有機樹脂が挙げられる。好ましくは、セルロースの低級脂肪酸エステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレート等)及び一軸延伸ポリエチレンテレフタレートの群の中から選ばれる材料で構成されたものである。最も好ましいセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテートである。特に、酢化度が59〜62%のセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)である。偏光板保護フィルムとして用いる場合には、酢化度が59〜62%のセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)を用いて構成した透明基材である。
【0030】
本発明における透明基材と反射防止層との間に設けられる層は、好ましくは、金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて構成される。
又、上記金属アルコキシド等によって構成される層と透明基材との間に、好ましくは、ハードコート層が設けられる。
以下、更に詳しく説明する。
【0031】
上記一般式〔I〕で表される含フッ素モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロシクロブチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシクロヘプチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルシクロブチル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチルシクロブチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−4−トリフルオロメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルシクロヘプチル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチルシクロヘプチル、(メタ)アクリル酸−4−トリフルオロメチルシクロヘプチル等が挙げられる。これらのモノマーは単独であっても、混合物であっても良い。尚、これらのモノマーは(メタ)アクリル酸と含フッ素アルコールとのエステル化反応により得られる。
【0032】
上記一般式〔II〕で表される含フッ素モノマーとしては、例えばフマル酸−iso−プロピル−2,2,2−トリフルオロエチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、フマル酸−iso−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、フマル酸−iso−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、フマル酸−iso−プロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、フマル酸−iso−プロピル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,2−トリフルオロエチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、フマル酸−tert−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、フマル酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、フマル酸−tert−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、フマル酸−tert−ブチル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、フマル酸−tert−ブチル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、フマル酸−tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、フマル酸−tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシクロヘプチル、フマル酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロブチル、フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロブチル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロペンチル、フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロペンチル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロヘキシル、フマル酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロヘプチル、フマル酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロヘプチル、フマル酸−iso−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロヘプチル、フマル酸−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)、フマル酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)、フマル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル)、フマル酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)、或いはマレイン酸−iso−プロピル−2,2,2−トリフルオロエチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、マレイン酸−iso−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、マレイン酸−iso−プロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸−iso−プロピル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,2−トリフルオロエチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、マレイン酸−tert−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、マレイン酸−tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、マレイン酸−tert−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、マレイン酸−tert−ブチル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、マレイン酸−tert−ブチル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、マレイン酸−tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、マレイン酸−tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシクロヘプチル、マレイン酸−iso−プロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロブチル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロペンチル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロペンチル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロヘキシル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロヘキシル、マレイン酸−iso−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロヘキシル、マレイン酸−iso−プロピル−2−トリフルオロメチルシクロヘプチル、マレイン酸−iso−プロピル−3−トリフルオロメチルシクロヘプチル、マレイン酸−iso−プロピル−4−トリフルオロメチルシクロヘプチル、マレイン酸−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)、マレイン酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)、マレイン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル)、マレイン酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)等が挙げられる。これらのモノマーは単独であっても、混合物であっても良い。尚、これらのモノマーはフマル酸またはマレイン酸と含フッ素アルコールとのエステル化反応、又は含フッ素カルボン酸とイソブテンとの反応によるtert−ブチルエステルの導入反応とシス−トランス異性化反応とを組み合わせた方法により得られる。
【0033】
上記一般式〔III〕で表される含フッ素モノマーとしては、例えばイタコン酸−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)、イタコン酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオクチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル)、イタコン酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル)、イタコン酸−ビス(1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、イタコン酸−ビス(1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロシクロブチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシクロヘプチル)、イタコン酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロブチル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロブチル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロブチル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロブチル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロペンチル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロペンチル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、イタコン酸−ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、イタコン酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロヘプチル)、イタコン酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘプチル)、イタコン酸−ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘプチル)等が挙げられる。これらのモノマーは単独であっても、混合物であっても良い。尚、これらのモノマーはイタコン酸と含フッ素アルコールとのエステル化反応により得られる。
【0034】
上記一般式〔IV〕で表される含フッ素モノマーとしては、例えばテトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオクチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロシクロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシクロヘプチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロブチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロペンチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロペンチル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(2−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(3−トリフルオロメチルシクロヘキシル)、テトラヒドロフタル酸−ビス(4−トリフルオロメチルシクロヘプチル)等が挙げられる。これらのモノマーは単独であっても、混合物であっても良い。尚、これらのモノマーはテトラヒドロフタル酸と含フッ素アルコールとのエステル化反応により得られる。
【0035】
上記一般式〔V〕で表される含フッ素モノマーとしては、例えばジ(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール等が挙げられる。これらのモノマーは単独であっても、混合物であっても良い。尚、このようなジ(メタ)アクリル酸エステルは、例えば相当する含フッ素エポキシと(メタ)アクリル酸との通常の開環反応により得ることが出来るヒドロキシ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる。
【0036】
本発明の反射防止層を構成する為、上記含フッ素モノマーと共に用いる光重合モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アクリル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトールが挙げられる。これらのモノマーは、硬化性が大きく、収縮が小さく、低臭気性で低毒性であり、安全性も比較的高い。
【0037】
反射防止層を構成する為、上記含フッ素モノマー等と共に用いる光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物、ベンジル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ミヒラーズケトン等のカルボニル化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、α−ジケトンと三級アミンとの混合物などが挙げられる。
【0038】
上記モノマー等が溶解された溶液を透明基材上に塗布し、光照射により重合を行わせることによって、本発明の反射防止層が形成される。
用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリフルオロメチルベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の有機溶剤、その他水等が挙げられる。これらは単独でも、混合しても良い。
【0039】
上記反射防止層は、反射率の観点から、その厚さが0.01〜0.20μm(特に、0.03μm以上。0.15μm以下)であるのが好ましい。
尚、本発明の反射防止層は、好ましくは、上記組成物を用いて重合されたポリマーによって構成されたものである。しかし、それに限られるものでは無い。例えば、適宜なバインダポリマー中に上記組成物を存在させた形態が考えられる。
【0040】
透明基材と反射防止層(低屈折率層)との間に設けられる層(反射防止層の屈折率よりも高い屈折率の高屈折率層、透明基材と前記高屈折率層との間に反射防止層の屈折率よりも高いが前記高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率の中屈折率層)は、金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて構成される。又、電離放射線樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等も用いて構成される。更には、R1n−SiR2m(OR3 )4-n-m 〔但し、R1 は、ビニル基、アリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、又はアミノ基である。R2,R3 は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。nは1,2又は3であり、mは0,1又は2である。〕で表されるアルコキシシラン等も用いて構成される。
【0041】
金属アルコキシドとしては、Al,Si,Ti,V,Zn,Sr,Y,Zr,In,Sn,Ta,W,Ti及びCeの群の中から選ばれた金属のアルコキシドが挙げられる。好ましい金属は、Al,Si,Ti,V,Zn,Y,Zr,In,Sn,Ta,W,Ceである。金属アルコキシドの具体例としては、例えばAl(OCH3 )3 ,Al(OC2 H5 )3 ,Al(O−i−C3 H7 )3 ,Al(O−n−C4 H9 )3 ,Si(OCH3 )4 ,Si(OC2 H5 )4 ,Si(O−i−C3 H7 )4 ,Si(O−t−C4 H9 )4 ,Ti(OCH3 )4 ,Ti(OC2 H5 )4 ,Ti(O−n−C3 H7 )4 ,Ti(O−i−C3 H7 )4 ,Ti(O−n−C4 H9 )4 ,Ti(O−i−C3 H7 )4 の2〜10量体,Ti(O−n−C4 H9 )4 の2〜10量体,VO(OC2 H5 )3 ,Zn(OC2 H5 )2 ,Y(OC4 H9 )3 ,Zr(OCH3 )4 ,Zr(OC2 H5 )4 ,Zr(O−n−C3 H7 )4 ,Zr(O−i−C3 H7 )4 ,Zr(O−n−C4 H9 )4 ,Zr(O−n−C4 H9 )4 の2〜10量体,In(OC4 H9 )3 ,Sn(OC4 H9 )4 ,Ta(OCH3 )5 ,Ta(O−n−C3 H7 )5 ,Ta(O−i−C3 H7 )5 ,Ta(O−n−C4 H9 )5 ,W(OC2 H5 )6 ,Ce(OC3 H7 )3 等が挙げられる。中でも、Ti(O−n−C3 H7 )4 ,Ti(O−i−C3 H7 )4 ,Ti(O−n−C4 H9 )4 ,Ti(O−i−C3 H7 )4 の2〜10量体,Ti(O−n−C4 H9 )4 の2〜10量体,Zr(O−n−C3 H7 )4 ,Zr(O−i−C3 H7 )4 ,Zr(O−n−C4 H9 )4 ,Si(OC2 H5 )4 ,Si(O−i−C3 H7 )4 は好ましいものである。そして、一種でも、二種以上のものを混合して用いてもよい。金属アルコキシドは加水分解されていてもよい。例えば、酸性触媒または塩基性触媒の存在下に有機溶媒中で加水分解することによって得られたものでもよい。酸性触媒としては、硝酸や塩酸などの鉱酸、シュウ酸や酢酸などの有機酸がある。塩基性触媒としてはアンモニア等が挙げられる。
【0042】
金属アルコキシドによる層には、硬化促進や硬度向上を目的として、触媒や硬化剤が用いられる。例えば、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩などの有機金属化合物や、アミノ基を有する有機ケイ素化合物、例えばUV照射により酸を発生する光酸発生剤などがある。
金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分とする塗料は、塗料の保存安定化の為に、β−ジケトンと反応させてキレート化合物とすることにより、安定な組成物とすることができる。β−ジケトンとしては、例えばアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸i−プロピル、アセチルアセトン等が挙げられる。中でもアセト酢酸エチルは好ましいものである。
【0043】
金属アルコキシド等と共に用いられる電離放射線樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等は、紫外線照射により架橋結合を形成するものが好ましいものとして挙げられる。すなわち、電離放射線樹脂としては、特に紫外線照射硬化型樹脂、例えば紫外線照射硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線照射硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線照射硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線照射硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線照射硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。紫外線照射硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般に、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー若しくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって得られる(特開昭59−151110号参照)。紫外線照射硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般に、ポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート等のモノマーを反応させることによって得られる(特開昭59−151112号参照)。紫外線照射硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシアクリレートのオリゴマー等を反応させることによって得られる。紫外線照射硬化型ポリオールアクリレート系樹脂は、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を反応させることによって得られる。
【0044】
R1n−SiR2m(OR3 )4-n-m で表されるアルコキシシランの具体例としては、例えばビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリルオキシジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルメチルジアルコキシメチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン等が挙げられる。
【0045】
上記R1n−SiR2m(OR3 )4-n-m おけるR1 としては、紫外線照射硬化型樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等と架橋結合を形成する基が好ましい。なぜならば、R1n−SiR2m(OR3 )4-n-m で表されるアルコキシシランは、金属アルコキシドと被膜中あるいは溶媒中で加水分解を経た後、金属アルコキシドから生成する金属酸化物マトリックス中に、脱水反応を経て、結合する。具体的には、金属原子−酸素−ケイ素−酸素結合を形成する。更に、ケイ素は反応性基を有するので、紫外線照射硬化型樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等と結合することにより、金属アルコキシドから生成する金属酸化物マトリックスとケイ素原子を介して紫外線照射硬化型樹脂が結合した状態となる。言い換えれば、無機酸化物と有機ポリマーとが結合したハイブリッド構造のものとなる。従って、一体化していることから、相分離が起き難く、均質な膜が出来やすく、白濁したり、光透過率が低下する等の問題が解決される。
【0046】
金属アルコキシド等による層は、上記組成物を含む溶液を塗布し、硬化させることによって得られる。
用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール等のグリコールエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、その他にも水等が挙げられる。これらは単独、又は二種以上を混合して使用できる。尚、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のカルボニル基を有する溶媒と、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数が4以下のアルコールとを併用した場合、硬化の為の紫外線照射量を低減でき、生産性が向上したことから、好ましいものである。
【0047】
上記高屈折率層や中屈折率層は、上記組成物を用いて構成できる。尚、同じ組成物を用いても、照射する紫外線量を制御することによって、屈折率の制御が出来る。例えば、照射紫外線量を多くした場合、高い屈折率の層となる。高屈折率層や中屈折率層を同系の組成物を用いて構成した場合、両層の密着性が高まり、好ましい。
【0048】
上記高屈折率層は、反射率の観点から、屈折率が1.75〜2.20の範囲にあることが好ましい。又、その厚さは、反射率の観点から、0.01〜0.20μm(特に、0.03μm以上。0.15μm以下)であるのが好ましい。又、中屈折率層は、反射率の観点から、屈折率が1.55〜1.95の範囲にあることが好ましい。又、その厚さは、反射率の観点から、0.01〜0.20μm(特に、0.03μm以上。0.15μm以下)であるのが好ましい。
【0049】
上記ハードコート層は、紫外線や電子線のような電離放射線により架橋反応などを経て硬化させられたものが挙げられる。例えば、前述の電離放射線樹脂が挙げられる。中でも、紫外線照射硬化型ポリオールアクリレート系樹脂が好ましい。
ハードコート層を構成する為、上記電離放射線樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等と共に、必要に応じて、光反応開始剤や光増感剤も用いられる。例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラムモノスルファイド、チオキサントン及びこれらの誘導体などが用いられる。
【0050】
ハードコート層は、低反射性の観点から、屈折率が1.45〜1.65の範囲にあることが好ましい。又、その膜厚は、耐久性、耐衝撃性、屈曲性、生産性の観点から、2〜15μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の偏光板保護フィルムは、上記の反射防止材、特に厚さが30〜100μmの反射防止材で構成される。
【0051】
反射防止材が偏光板保護フィルムである場合、透明基材は、セルロースの低級脂肪酸エステルを主成分としたフィルムであって、かつ、そのレタデーション値が5〜25nm(特に、8nm以上、更には10nm以上。20nm以下、更には15nm以下。)のものが、特に、好ましい。
レタデーション値については次の通りである。透明樹脂フィルムに光を照射すると、当該フィルム中を通過する光は、振動方向が互いに直交する二方向の偏波に分かれて進む。この二方向の屈折率が異なる為、光は当該フィルム中を進むにしたがってズレを生じる。すなわち、当該フィルム中では二方向で光の伝播速度が異なり、この時、当該フィルムから出る際の両光の伝播距離の差をレタデーション値と言う。レタデーション値の単位は、通常、nmで表される。本明細書では、レタデーション値の測定には、自動複屈折計KOBRA−21DH(KSシステムズ(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下において、波長が590nmの光を照射することにより行ったものである。
【0052】
レタデーション値が5〜25nmのフィルムの製造方法について、セルロースの低級脂肪酸エステルを主成分、特にアセチルセルロースを主成分とした場合で説明する。アセチルセルロースをメチレンクロライド、エタノール、アセトン、メタノール等の有機溶媒に溶解してドープを形成する。ドープ中のアセチルセルロースの濃度は10〜35wt%程度である。尚、これにフタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤をアセチルセルロースに対して3〜20wt%添加してもよい。更に、必要に応じて、紫外線吸収剤、滑剤などの添加剤を加えてもよい。そして、得られたドープを支持体上に流延し、製膜する。製膜方法としてはバンド法やドラム法を用いることが出来る。次に、このようにして得られたフィルムを支持体から剥ぎ取る。特に、フィルム中の有機溶媒がある程度含まれている状態、例えば10〜60wt%の状態で剥ぎ取り、しかもフィルムを縦方向に対して通常よりも強い張力で剥ぎ取り、乾燥時間を適度に設定して乾燥する。縦方向の張力をより強く掛ける場合、横方向の寸法を固定した状態で乾燥することが好ましい。横方向の寸法を固定した状態では、有機溶媒が20wt%未満の残留量まで乾燥するのが好ましい。
【0053】
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好ましい例として挙げられる。その他にも、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。最も好ましいセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテートである。特に、酢化度が59〜62%のセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)である。
【0054】
すなわち、上記セルロースの低級脂肪酸エステル、特にトリアセチルセルロースを主成分としたものを用いて上記した溶液流延法によりフィルムを作成し、そして剥ぎ取り張力を強くすることによって、レタデーション値が5〜25nm(特に、8nm以上、更には10nm以上。20nm以下、更には15nm以下。)の透明基材が得られる。
【0055】
そして、上記偏光板保護フィルムを偏光子に貼り合わすことによって本発明の偏光板が得られる。
偏光板保護フィルムが積層される偏光子は、例えばポリビニルアルコール製のフィルムを沃素の如きの二色性染料で処理して延伸することにより得られる。
偏光子の厚さは50〜150μmである。
【0056】
そして、本発明の偏光板保護フィルムが用いられた偏光板を採用したLCDは、偏光板保護フィルムが傷付き難く、耐久性に富んでおり、かつ、偏光板保護フィルム表面の反射防止層の均質性に優れ、かつ、反射防止効果に優れており、外光の映り込みが防止され、視野角も広く、そして光透過率は高いことから、視認性に優れたものである。
【0057】
【実施例1】
透明基材として酢化度が61.0%のセルローストリアセテートフィルム(コニカ(株)製のコニカタック80UVSH、厚さ80μm)を用いた。
このセルローストリアセテートフィルムの一面に下記の紫外線硬化型樹脂組成物Aを塗布し、80℃で5分間乾燥させた。次いで、80W/cm2 高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して硬化させ、ハードコート層を設けた。尚、ハードコート層の厚さは3.5μmであった。
【0058】
〔紫外線硬化型樹脂組成物A〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20重量部
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2重量部
シリコーン系界面活性剤 1重量部
アエロジルR−972(日本アエロジル(株)製) 1重量部
メチルエチルケトン 50重量部
酢酸エチル 50重量部
イソプロピルアルコール 50重量部
*上記組成物を攪拌しながら、超音波分散した。
【0059】
次に、上記ハードコート層上に下記の低屈折率層用組成物Dを塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次いで、3kwの高圧水銀灯を25cmの距離から10秒間照射して硬化させ、低屈折率層を設けた。尚、低屈折率層の厚さは80nmで、屈折率は1.37であった。
【0060】
【実施例2】
実施例1において、F−1の代わりに下記の〔化10〕で表される化合物(以下、F−3)を用いた以外は同様に行った。
【0061】
【化10】
【0062】
【実施例3】
実施例1において、F−1の代わりに下記の〔化11〕で表される化合物(以下、F−4)を用い、かつ、F−2の代わりに(CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OOCH=CH2)CH2OOCH=CH2(以下、F−5)を用いた以外は同様に行った。
【0063】
【化11】
【0064】
【実施例4】
実施例3において、45重量部のF−4の代わりに30重量部のF−1と20重量部のF−6(F(CF2)10CH2CH2OOCCH=CH2)とを用い、又、F−5を40重量部とし、かつ、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの代わりにペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いた以外は同様に行った。
【0065】
【実施例5】
実施例3において、45重量部のF−4の代わりに20重量部のF−3と20重量部のF−7(F(CF2)6(CH2)3OOCCH=CHCOO(CH2)3(CF2)6F)とを用い、かつ、F−5を50重量部とした以外は同様に行った。
【0066】
【参考例6】
実施例1において、F−2の代わりにF−8
((CF3)2CF(CF2)4CH2CH(OH)CH2OOCC(CH3)=CH2)を用い、かつ、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの代わりにペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いた以外は同様に行った。
【0067】
【参考例7】
実施例1において、F−2の代わりにF−7を用いた以外は同様に行った。
【0068】
【参考例8】
実施例2において、F−2の代わりにF−4を用いた以外は同様に行った。
【0069】
【参考例9】
実施例2において、F−2の代わりにF−7を用いた以外は同様に行った。
【0070】
【比較例1】
実施例1において、F−1を90重量部、F−2を0重量部とした以外は同様に行った。
【0071】
【比較例2】
実施例1において、F−1を0重量部、F−2を90重量部とした以外は同様に行った。
【0072】
【比較例3】
実施例1において、45重量部のF−1の代わりに90重量部のF−7を用い、F−2を0重量部とし、かつ、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの代わりにペンタエリスリトールテトラアクリレートを用いた以外は同様に行った。
【0073】
【特性】
上記各例で得たフィルムについて、低屈折率層の屈折率、及びその密着性、並びに耐磨耗性を調べたので、その結果を表−1に示す。
表−1
屈折率 密着性 耐磨耗性
実施例1 1.37 100/100 ○
実施例2 1.37 100/100 ○
実施例3 1.39 100/100 ○
実施例4 1.37 100/100 ○
実施例5 1.38 100/100 ○
参考例6 1.39 90/100 ○
参考例7 1.38 85/100 ○
参考例8 1.40 90/100 ○
参考例9 1.40 85/100 ○
比較例1 1.41 55/100 ×
比較例2 1.40 60/100 △
比較例3 1.40 55/100 ×
屈折率や膜厚は、分光光度計(日立製作所製U−4000型)による分光反射率の測定値より計算して求めたものである。すなわち、低屈折率層が設けられていない側のセルローストリアセテートフィルムの裏面を粗面化した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、フィルム裏面での光の反射を防止し、反射率の測定を5度正反射の条件にて行ったものである。
【0074】
密着性はJIS K 5400に準拠した碁盤目試験による。具体的には、高屈折率層面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個つくり、この上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残っている碁盤目の数で表示した。
耐磨耗性は#0000のスチールウールに1cm2 当たり0.1kgの荷重を掛けて表面を10往復した後のスチールウール往復方向1cm幅当たりの傷の具合を黙視で評価した。○印は傷が全く認められず、△印は傷が弱く認められ、×印は傷が強く認められたである。
【0075】
これによれば、本発明になるフィルムは、傷付きが起き難く、耐久性に富み、かつ、ベースフィルムに対する密着性が高いことが判る。
【0076】
【実施例10】
透明基材として酢化度が61.0%のセルローストリアセテートフィルム(コニカ(株)製のコニカタック80UVSF、厚さ80μm)を用いた。
このセルローストリアセテートフィルム5の一面に下記の紫外線硬化型樹脂組成物Aを塗布し、80℃で5分間乾燥させた。次いで、3kwの高圧水銀灯を25cmの距離から10秒間照射して硬化させ、ハードコート層6を設けた。尚、ハードコート層6の厚さは3μmであり、その屈折率は1.52であった。
【0077】
〔紫外線硬化型樹脂組成物A〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20重量部
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2重量部
シリコーン系界面活性剤 1重量部
アエロジルR−972(日本アエロジル(株)製) 1重量部
メチルエチルケトン 50重量部
酢酸エチル 50重量部
イソプロピルアルコール 50重量部
*上記組成物を攪拌しながら、超音波分散した。
【0078】
次に、ハードコート層6上に下記の中屈折率層用組成物Bを塗布し、80℃で30分間乾燥させた。次いで、3kwの高圧水銀灯を25cmの距離から10秒間照射して硬化させ、中屈折率層7を設けた。尚、中屈折率層7の厚さは80nmで、屈折率は1.66であった。
〔中屈折率層用組成物B〕
チタニウムテトラ−n−ブトキシド 30重量部
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 0.1重量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部
シクロヘキサノン 1400重量部
イソプロピルアルコール 3500重量部
次に、中屈折率層7上に下記の高屈折率層用組成物Cを塗布し、80℃で5分間乾燥させた。次いで、3kwの高圧水銀灯を25cmの距離から10秒間照射して硬化させ、高屈折率層8を設けた。尚、高屈折率層8の厚さは85nmで、屈折率は1.90であった。
【0079】
〔高屈折率層用組成物C〕
チタニウムテトラ−n−ブトキシド 75重量部
テトラエトキシシラン 8.3重量部
界面活性剤(大日本インキ社製のF−177) 1重量部
シクロヘキサノン 2500重量部
トルエン 5700重量部
この後、高屈折率層8上に下記のフッ素含有モノマー組成物Dを塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次いで、3kwの高圧水銀灯を25cmの距離から10秒間照射して硬化させ、低屈折率層9を設けた。尚、低屈折率層9の厚さは90nmで、屈折率は1.37であった。
【0080】
上記のようにしてセルローストリアセテートフィルム5−ハードコート層6−中屈折率層7−高屈折率層8−低屈折率層9からなる偏光板保護フィルムを得た。
【0081】
そして、この偏光板保護フィルムの反射率を測定した処、反射率は0.2%であり、大きな反射防止効果が認められた。
又、このものは、密着性に優れ、かつ、傷付きが起き難く、耐磨耗性に富むことが、実施例1の結果から判る。
【0082】
【発明の効果】
密着性に優れ、かつ、傷付きが起き難く、耐磨耗性に富む材料である。
又、密着性に優れ、かつ、傷付きが起き難く、耐磨耗性に富み、更には反射率が低く、例えば偏光板保護フィルムとして用いた場合には、外光の映り込みが防止され、その結果、視野角も拡がり、そして光透過率も高く、優れた偏光板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の概略図
【図2】偏光板保護フィルムの概略図
【符号の説明】
5 セルローストリアセテートフィルム(透明基材)
6 ハードコート層
7 中屈折率層
8 高屈折率層
9 低屈折率層(反射防止層)
Claims (9)
- 透明樹脂フィルムと反射防止層との間に、ハードコート層、又は金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて形成される層を設け、
前記反射防止層は、
下記一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマーと、
下記一般式[V]の群の中から選ばれた少なくとも一つの含フッ素モノマー
とを含む反射防止剤を用いて構成されることを特徴とする反射防止フィルム。
一般式〔I〕
CH2 =CX1 −COORf
〔X1 は、水素原子、又はメチル基。Rf は、フッ素原子を3個以上有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。〕
一般式〔II〕
YOOC−CH=CX1 −COOZ
〔X1 は、水素原子、又はメチル基。Y及びZは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、フッ素原子を有する炭素数2〜12の直鎖又は分岐型のアルキル基、又はフッ素原子を有する炭素数4〜12のシクロアルキル基。Y及びZは、同一であっても異なっていてもよい。但し、Y及びZの少なくとも一方の基はフッ素原子を含む。〕
一般式〔III〕
一般式〔IV〕
一般式〔V〕
- 前記透明樹脂フィルムと反射防止層との間に設けられる層は、前記ハードコート層であり、該ハードコート層は紫外線照射硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項1の反射防止フィルム。
- 前記紫外線照射硬化型樹脂は、紫外線照射硬化型ポリオールアクリレート系であることを特徴とする請求項2の反射防止フィルム。
- 前記ハードコート層は、屈折率が1.45〜1.65の範囲であり、その膜厚は2〜15μmの範囲にあることを特徴とする請求項2又は請求項3の反射防止フィルム。
- 前記ハードコート層と前記反射防止層との間に、金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて形成される層を設けることを特徴とする請求項2〜請求項4いずれかの反射防止フィルム。
- 前記金属アルコキシド又はその加水分解物を主成分としたものを用いて形成される層は、厚さが0.03〜0.15μmであることを特徴とする請求項5の反射防止フィルム。
- 前記反射防止層は、厚さが0.03〜0.15μmであることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの反射防止フィルム。
- 前記透明樹脂フィルムがセルロースの低級脂肪酸エステルで構成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかの反射防止フィルム。
- ポリビニルアルコール製のフィルムを二色性染料で処理して延伸することにより得られる偏光子に対して、請求項8の反射防止フィルムを偏光板保護フィルムとして使用することを特徴とする偏光板。
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