JP3804337B2 - 風呂装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は風呂装置に関するものであり、より具体的には浴槽内に張られた水(湯)を自動的に追い焚きして保温する風呂保温装置を内蔵した風呂装置に関するものである。
また併せて本発明は、追い焚き前の浴槽内の水温(湯温)を推定する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
いつでも快適な湯温となるように、浴槽内の湯を自動的に追い焚きする機能を備えた風呂装置が知られている。この種の風呂装置は、基本的には、時間間隔を置いて、風呂を追い焚きするものであり、湯の温度が所望の温度となったところで追い焚きを自動停止する。
【0003】
ここで追い焚きを行う時間間隔であるが、従来の風呂装置では、例えば15分とか、30分といった一定時間が設定され、この時間が経過すると自動的に追い焚きが行われる構成が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の風呂装置は、夏季や冬季といった季節変動や、風呂設置場所の状況、例えば配管の長さといった環境の相違、浴槽・浴室の断熱の良否といった施工条件の相違を無視するものであったため、必ずしも適切な保温が行われないという問題があった。すなわち、従来の技術は、環境等に係わりなく一定の時間ごとに追い焚きを行うものであったため、使用者が入浴しようとする際に湯がぬるくなっていることがあった。
また逆に、過度に追い焚きが行われ燃料等が無駄になるという場合もあった。特に、24時間風呂と称される常に湯量と湯温を一定に保つ形式の風呂では、浴槽内の湯を濾過するために循環ポンプを常時運転しているので、夏期においては湯温の低下はほとんど無く、保温装置があるがためにかえって湯温が上がりすぎるという問題があった。またさらに従来の構成では、循環ポンプが定期的に回転するため、度々騒音が発生する不満があった。
【0005】
これに対して、浴槽内の湯の温度を常に監視し、この温度が一定値以下となった場合に追い焚きを開始する構成とすれば、風呂の施工環境や季節変動によって追い焚き時間間隔が増減され、適切な保温が行われる。
しかしながらこの構成は、湯温の変化を主たるキーとして追い焚き時間間隔が決定されるので、精密な保温をするためには、短い周期で循環ポンプを起動させる必要がある。すなわち、通常、湯の温度を測定する温度センサーは、風呂の循環回路に設けられているので、湯の温度を監視しようとすると非常に短い間隔で循環ポンプを起動させて湯温の検出をおこなわなければならないという欠点がある。
言い換えると、上記した構成は、例えば15分とか30分といった比較的長い時間に渡って湯の温度を監視し、この間のゆっくりした温度低下を正確に捉える必要があり、たびたび浴槽内の湯を循環回路に循環させなければならない。そのため上記した構成は、騒音等の問題が大きい。
【0006】
さらに加えて、浴槽内の湯の温度を正確に検出するためには、単に循環回路に湯を循環させるだけでは足りず、回路中の湯温が安定するまで、連続的に循環ポンプを起動させなければならない。すなわち浴槽の温度を測定する温度センサーは、前記した様に循環回路の配管中に設けられているが、配管自体の温度は、湯の温度と相当の差がある。通常、循環回路に湯が循環していない時は、配管の温度は、浴槽内の湯の温度に比べて相当に低い。そのため循環の初期においては、湯は配管に熱を奪われ、実際の湯温と相違した数値が検出されてしまう。そのため前記した様に、浴槽内の湯温を正確に検出するためには、循環回路中の湯温が安定するまで、連続的に循環ポンプを起動させなけれはならず、時間がかかると共に騒音等の問題がより顕在化することとなる。
【0007】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、保温動作に必要なインターバル時間を推測し、適切な時間間隔で保温追い焚きを行うことができる風呂装置を開発することを課題とするものである。
【0008】
また自動的に追い焚きする機能を備えた風呂装置では、各種の制御の基準として、追い焚き開始前の水温を正確に知る必要がある。
しかしながら、前記した様に浴槽内の湯の温度を正確に検出するためには、循環回路中の湯温が安定するまで連続的に循環ポンプを駆動させなけれはならず、測定に相当の時間を要する。また追い焚きの為の加熱が行なわれないまま、浴槽の湯を長時間循環させると、使用者に対して故障であるかの様な誤解を与えるので好ましくない。逆に、追い焚きのための加熱と平行して水温の検知を行なう構成とすると、追い焚き開始前の正確な水温を知ることができない。
そこで本発明は、追い焚き開始前の水温を正確に推定する方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、浴槽内に張られた水を自動的に追い焚きして保温する風呂保温装置を内蔵した風呂装置において、浴槽内の水を追い焚きする追い焚き手段と、追い焚きに要した熱量Fを演算する熱量演算手段と、前回の追い焚き終了時の温度Th E ’を記憶する手段と、追い焚き終了時の浴槽内の水温ThE を検知する追い焚き後水温検知手段とを備え、式1に基づいて追い焚き開始直前の水温を演算する演算機能と、前記式1の演算値をTh S として式3に基づく演算を行う演算機能を有し、式3の演算値を積算する機能と、追い焚き時間間隔を積算する機能と、前記式3の演算値の積算値を追い焚き時間間隔の積算値で除し、所定の追い焚き時間間隔における水温の低下勾配を演算する機能と、水温の低下勾配に基づいて温度低下が激しい場合とそうでない場合に選別する機能を有し、温度低下が激しい場合が多数を占める場合は保温の目標温度を上昇させる目標温度変更機能を有することを特徴とする風呂装置である。
【0010】
【数1】
Figure 0003804337
【0011】
【数3】
Figure 0003804337
【0012】
また請求項2に記載の発明は、浴槽内に張られた水を自動的に追い焚きして保温する風呂保温装置を内蔵した風呂装置において、浴槽内の水を追い焚きする追い焚き手段と、追い焚きに要した熱量Fを演算する熱量演算手段と、前回の追い焚き終了時の温度Th E ’を記憶する手段と、追い焚き終了時の浴槽内の水温Th E を検知する追い焚き後水温検知手段とを備え、式1に基づいて追い焚き開始直前の水温を演算する演算機能と、前記式1の演算値をTh S として式3に基づく演算を行う演算機能を有し、式3の演算値を積算する機能と、追い焚き時間間隔を積算する機能と、前記式3の演算値の積算値を追い焚き時間間隔の積算値で除し、所定の追い焚き時間間隔における水温の低下勾配を演算する機能と、水温の低下勾配に基づいて温度低下が激しい場合とそうでない場合に選別する機能を有し、温度低下が少ない場合が多数を占める場合は保温の目標温度を低下させる目標温度変更機能を有することを特徴とする風呂装置である。
【0013】
【数1】
Figure 0003804337
【0014】
【数3】
Figure 0003804337
なお請求項1,2の中で、「水」の文言があるが、本発明及び本明細書の中で、「水」「湯」の文言は、厳格に使い分けられているわけではなく、両者は実質的に同一である。すなわち「水」と表現した場合には「湯」を含み、「湯」と表現した場合には「水」を含む。
式1の中の(F/Q)は、熱量演算手段によって演算された熱量Fを、浴槽内の水量Qで割るものであり、追い焚きによって変化した温度を計算するものである。そして本発明の風呂装置では、追い焚き終了時の浴槽内の水温ThE から追い焚きによって変化した温度を引く。その結果、追い焚き開始直前(開始時と同意義)の水温が演算されることとなる。
【0015】
また本発明の風呂装置では、前回の追い焚き終了時の温度ThE ’から、式1の演算値ThS を引く演算が行なわれる。ここで、式1の演算値ThS は、前記した様に、追い焚き開始直前の水温に相当する。従って、式3の演算により、追い焚き時間間隔の間における湯温の変化量が演算される。
【0016】
そして本発明は、前記した式3の演算に基づいて保温の目標温度を変化させる目標温度変更機能を備えるものである。すなわち本発明の風呂装置は、追い焚き開始前の温度に基づいて、保温の目標温度を変化させるものであるが、さらに追い焚き時間間隔を積算する機能と、前記式3の演算値の積算値を追い焚き時間間隔の積算値で除し、所定の追い焚き時間間隔における水温の低下勾配を演算する機能と、水温の低下勾配の数値を一定の基準に従って選別する機能を持つ。すなわち本発明では、所定の追い焚き時間間隔における水温の低下勾配を演算し、これを一定の基準、例えば温度低下が激しい場合とそうでない場合に分ける。ここで温度低下が激しい場合が多数を占める時期は、冬期であるか、地理的に寒い地域である等が予想される。また温度低下が少ない場合が多数を占める時期は、夏期であるか、地理的の温暖な地区に風呂装置が設置されていると予想される。そしてこれらのデータに基づいて目標温度を変更する。
【0017】
追い焚きに要した熱量Fは、次式によって決定することができる。
【0018】
【数2】
Figure 0003804337
【0019】
請求項3に記載の発明は請求項1又は2に記載の風呂装置において、浴槽内の水を時間間隔を置いて追い焚きする機能を有し、式1又は式3の演算に基づいて追い焚き時間間隔を増減する時間間隔設定機能を有することを特徴とする風呂装置である。
【0020】
本発明の風呂装置は、浴槽の湯を所定の温度まで追い焚きし、追い焚きに要した熱量に基づいて追い焚き前の温度や、追い焚き間隔における湯温の低下程度を計算する。そしてその結果に基づいて追い焚き時間間隔を増減する。
例えば、冬季であれば外気温度が低いが故に、浴槽内の湯は早く冷め、一定時間が経過した後の湯の温度は低い。すなわち追い焚き開始時の湯温は低い。
従って追い焚き開始時の湯温が低い傾向にある場合は、時間間隔設定機能によって追い焚き時間間隔を縮め、より頻繁に追い焚きを行なう。
逆に夏季においては、外気温度が高いために一定時間が経過した後の湯の温度は高い。従って追い焚き開始時の湯温が高い傾向にある場合は、時間間隔設定機能によって追い焚き時間間隔を延ばし、追い焚きの頻度を減らす。
本発明によると、湯の温度が冷めるのが早い場合は、次回からの追い焚き時間間隔が短くなり、湯の温度が冷めにくい場合は、次回からの追い焚き時間間隔が長くなる。そのため従来のものに比べて格段に高い保温効果を発揮させることができる。
また本発明では、循環ポンプを頻繁に起動する必要はない。
【0021】
さらに請求項4に記載の発明は、時間間隔設定機能は、式1で得られた演算値或いは式3で得られた演算値が一定の範囲から外れたとき、追い焚き時間間隔を増減することを特徴とする請求項に記載の風呂装置である。
【0022】
本発明の風呂装置では、式1で得られた演算値或いは式3で得られた演算値が一定の範囲から外れたとき、追い焚き時間間隔を増減する。そのため動作が安定である。
【0023】
また追い焚きの最中に人が入浴した兆候が認められたときは、追い焚き時間間隔を変化させないことが望ましい。
【0024】
人が入浴した兆候が認められる例としては、リモコン操作を行なって風呂の運転を行なった場合や、水位の変化が現れた場合が挙げられる。
本発明の風呂装置では、追い焚きの最中に人が入浴した兆候が認められたときは、追い焚き時間間隔を変化させないので、最も大きな誤差要素が除外される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の風呂装置を使用した場合における浴槽内の湯の温度の変化を示すタイムチャート図である。
図2は、本発明の実施形態の風呂保温装置を採用する風呂の配管系統図である。
図3は、本発明の実施形態の風呂装置のコントローラのブロック図である。
図4は、本発明の実施形態の風呂装置の動作を示すフローチャート図である。 図5は、本発明の他の実施形態の風呂装置を採用する風呂の配管系統図である。
図6は、本発明の他の実施形態の風呂装置のコントローラのブロック図である。
図7は、給湯号数と給湯ガス圧との関係を示すグラフである。
図8は、給湯ガス圧と追い焚き用バーナの出力との関係を示すグラフである。
図9は、追い焚き用バーナの出力変化の一例を示すグラフである。
図10は、追い焚き用バーナの総熱量を演算するフローチャート図である。
【0026】
本発明の風呂装置1は、例えば図2に示すような機械的構成を持つ風呂に適用される。風呂装置1は、落とし込み給湯及び他栓への給湯を行う給湯部2と、浴槽3内の湯を追い焚きする追い焚き部5を持つ。
【0027】
給湯部2は、公知の給湯器と同様の構成であり、給湯用熱交換器10を流れる高温湯回路11と、給湯用熱交換器10をバイパスするバイパス回路12を持つ。そしてバイパス回路12を流れるバイパス水量をバイパス水量調節弁15によって調節し、高温湯回路11を流れる高温湯とバイパス回路12を流れる冷水を混合して湯の温度を調節する。また高温湯回路11とバイパス回路12との混合部分の下流側には水量調節弁18と温度センサー20が設けられており、温度センサー20によって検知された温度が前記したバイパス水量調節弁15等にフィードバックされると共に、水量調節弁18によって総水量が調節される。
【0028】
高温湯回路11には、水量センサー14と、温度センサー19が設けられ、高温湯の温度が80°C程度となる様に比例制御弁17が調節される。
【0029】
追い焚き部5は、浴槽3と追い焚き用熱交換器21とを循環する浴槽循環回路22を持つものである。すなわち浴槽循環回路22は、追い焚き用熱交換器21側から浴槽3へ湯を送る往き側水路23と、浴槽3から追い焚き用熱交換器21側に湯を戻す戻り側水路24を持つ。そして戻り側水路24には、水位センサー25と、循環ポンプ26、水流スイッチ27及び湯温センサー28が設けられている。ここで水位センサー25は、浴槽3内の水位を検出するものであり、後記する様に浴槽内の湯量を演算する際の基礎となるデータを検出するものである。また湯温センサー28は、追い焚き終了時の浴槽内の水温ThE を検知することができ、追い焚き後水温検知手段として機能する。
【0030】
給湯部2と追い焚き部5とは、落とし込み水路30によって接続されている。落とし込み水路30は、前記した給湯部2の温度センサー20が取付けられた部位の下流側から枝分けされ、追い焚き部5の往き側水路23と戻り側水路24の双方に接続されている。また落とし込み水路30の往き側水路23との接続部位、および落とし込み水路30の戻り側水路24との接続部位には安全弁31,電磁弁32,水量センサー33が接続され、さらにその下流には二つの逆止弁34,35が設けられている。
【0031】
上記した給湯部2と追い焚き部5の熱交換器10,21は、それぞれ独立した燃焼ケース37,38内に配されており、それぞれ独立した給気ファン40,41によって給気される。
またバーナ47,48に供給されるガスの経路も、元電磁弁43以降が独立しており、給湯部2は、比例制御弁17によって比例制御され、追い焚き部5は、電磁弁45を経て追い焚き用のバーナ48にガスが供給される。
従って、風呂装置1では追い焚き用のバーナ48は、全開状態で燃焼されるか、停止されるかのいずれかであり、追い焚き時におけるバーナ48の実効出力は一定である。
【0032】
本発明の風呂装置1は、風呂装置1自体のコントローラ46内に内蔵されたCPUを中心として制御される。CPUには、追い焚き部5に設けられた水位センサー25の信号と、湯温センサー28の信号が入力される。またCPUの出力に応じ、所定のリレー等を介して追い焚き部5に属する電磁弁45、ファン40及び循環ポンプ26が起動・停止される。
【0033】
前記したCPUには、公知の給湯器の制御プログラムの他に、時間間隔設定機能を発揮するプログラムが入力されている。具体的にCPUは、追い焚きに要した熱量Fを演算する熱量演算機能(熱量演算手段)と、時間間隔設定機能を発揮するためのタイマー機能と、水量演算機能と、追い焚き前の湯温を推定する追い焚き前温度推定機能及び時間間隔演算機能を持つ。
【0034】
ここでタイマー機能は、例えばカウンターによって実現され、追い焚きに要した時間や、追い焚き時間間隔を計時するものである。
【0035】
熱量演算機能は、追い焚きに要した熱量Fを積分して演算する機能である。すなわち本発明の風呂装置1では、次式の演算が行なわれる。
【0036】
【数2】
Figure 0003804337
【0037】
なお、図2に示した風呂装置1の場合では、追い焚き部5のバーナ48は、電磁弁45によってガスの入り切りが行われ、全開と全閉の状態しかないので、単位時間あたりのバーナの実効出力f(A)は定数となる。
従って本実施形態の風呂装置1においては、実質上、バ−ナの単位時間あたりのバーナの実効出力fに燃焼時間を乗じることにより、追い焚きに要した熱量Fが求められる。なおバ−ナの単位時間あたりの実効出力fは「f=Im ×η」によって求められる。
ここでIm は、バーナの出力であり、ηは、風呂追い焚き効率である。
従って熱量演算機能では、下記の式の演算が行なわれる。
【0038】
【数5】
Figure 0003804337
【0039】
また水量演算機能(水量検出手段)は、水位センサー25の信号と、予め記憶された浴槽3の形状等から、現状の浴槽3内に残っている湯量Qを演算するものである。なお水量については、コントローラの水量設定値や、設定湯量をそのまま活用して後記する演算を行うことも可能である。
【0040】
そして本実施形態の風呂装置1では、追い焚き前温度推定機能を有し、前記した熱量演算機能により演算された追い焚きに要した熱量Fと、水量演算機能によって演算された浴槽3内に残っている湯量Qと、湯温センサー28により検出された追い焚き終了直後の湯温ThE から、追い焚きが行なわれる直前の温度ThS が演算される。
すなわち本発明の風呂装置1では、次式の演算が行なわれる。
【0041】
【数4】
Figure 0003804337
【0042】
さらに続いて上記した式で求められた追い焚き前温度ThS に基づいて、追い焚き時間間隔Tii が算出される。
すなわち追い焚き前温度ThS が過度に低い場合には、追い焚き時間間隔Tii を短縮して頻繁に追い焚きを行ない、逆に追い焚き前温度ThS が高い場合には、追い焚き時間間隔Tii を延長して追い焚きの回数を減らす。
例えば、初期設定値の追い焚き時間間隔を20分とし、風呂使用者が設定した設定値を追い焚きの目標値たる設定温度fts として、演算された追い焚き前温度ThS が設定温度fts と同じかあるいは高い場合は、追い焚き時間間隔を5分延ばす。
一方、演算された追い焚き前温度ThS が設定値よりも0.5°Cを越えて低い場合は、追い焚き時間間隔を5分短縮する。
追い焚き時間間隔は、追い焚きが終了する度ごとに見直され、追い焚き時間間隔を5分延長してもなお演算された追い焚き前温度ThS が設定値と同じかあるいは高い場合は、さらに追い焚き時間間隔を5分延ばす。また追い焚き前温度ThS が設定値よりも0.5°Cを越えて低い場合についても同様であり、追い焚き時間間隔Tii をさらに5分短縮する。
ただし追い焚き時間間隔には上下限が定められており、これを越えることはない。
【0043】
なお上記した式の中、「バ−ナの単位時間あたりの実効出力F」を活用しており、当該数値は理論値であって実測値ではないが、この誤差は実際上わずかであり、実用上の問題はない。なお、もちろん演算には実測値に近い値を採用することが望ましく、可能な限り実測値に近いように補正すべきである。たとえば風呂装置1を設置する際に、浴槽3内に水を入れ、一定時間追い焚きを行なってバーナ48の出力を実測し、この値を上記した式に活用することも推奨される。
【0044】
次に本実施形態の風呂装置1の使用方法を説明する。
まず図3に示す風呂装置1に、給湯部2から落とし込み水路30を介して浴槽3に湯を張る。
そして手動または自動によって、コントローラの設定を保温モードとし、本発明の風呂装置1の風呂保温機能を動作させる。図5のフローチャート図は、風呂保温機能が開始された時からの動作を表している。
【0045】
風呂保温機能が開始されると、ステップ1で直ちに保温追い焚きが開始される。そして使用者が希望する所定の設定温度fts (例えば40°C)に浴槽内の湯が加熱され(ステップ2)、最初の追い焚きが終了する。
続いてステップ3に移行し、タイマーが設定される。タイマーには、基礎時間たる20分と、変動時間たる(C×5)分があり、比例定数Cが設定によって変更される。最初の段階では、比例定数Cの値は0である。
そしてタイマがアップ(20分経過 ステップ4)し、第一回目の追い焚き時間間隔Tii1が経過すると、ステップ5で二回目の追い焚きが開始される。具体的には、最初に循環ポンプ26を起動し、一定時間のプリ循環の後、追い焚き側のバーナ48に点火される。
そしてステップ6で、過去の熱量演算が初期値に戻され、追い焚きが開始される。また同時に熱量演算機能が働き、式2に基づいて熱量の積算が開始される。
【0046】
そして設定温度fts まで浴槽内の湯が加熱されると(ステップ8)、二度目の追い焚きが終了する(ステップ9)。またステップ9では、湯温センサー28の検出温度fth を追い焚き終了時の温度ThE として記録する。
【0047】
続いて、ステップ10で風呂に人が入浴中であるか否かを判定する。この判定は、リモコン操作のよる風呂運転(足し湯、足し水、追い焚き等)や、水位低下による補水、水位上昇による入浴検知の有無により判断する。要するに、センサーやリモコン等に、何らかの人為的操作や、人の存在によって発生する変化が生じたときには、入浴した兆候が認められ、風呂に人が入浴中であると判断する。当該判定の基準は、上記した場合に限定されるものではなく、他の基準を採用してもよい。
入浴中であるか否かは、追い焚き開始から追い焚き終了に至るまでの間、常時監視しておくことが望ましい。
【0048】
そしてステップ10で入浴中であると判断された場合は、足し湯や足し水の影響によって、熱量演算に無視できない誤差が生じるので、追い焚き時間間隔の変更を行なうべきではない。そのためステップ10で入浴中であると判断された場合は、ステップ3に戻り、前回の追い焚き時間間隔が活用される。
【0049】
逆に、ステップ10で入浴中でないと判断された場合は、ステップ11に移行し、追い焚き前温度ThS を演算する。すなわち当該ステップで、式4の演算が行なわれ、追い焚き開始前の温度ThS が演算される。
そして追い焚き開始前の温度ThS が設定温度fts と同じであるか高い場合は、ステップ12からステップ13に移行し、「C」に1を加える。ただし、加えた状態において、「C」は8を越えることはない。
また追い焚き開始前の温度ThS が設定温度fts よりも0.5°Cを越えて低い場合は、ステップ14からステップ15に移行し、「C」に−1を加える。すなわち、1を減じる。ただし、加えた状態の「C」は−2を下回ることはない。
追い焚き開始前の温度ThS が設定温度fts よりも0.5°C以内の範囲で低い場合は、常識的に適性な温度低下であるから、追い焚き時間間隔を変更する必要はない。従ってこの場合は、「C」の値は変更されない。
【0050】
そしていずれの場合でも、ステップ3に戻り、再度タイマセットがされ、ステップ4でタイムアップを待って、追い焚きが開始される。すなわち、変更された追い焚き時間間隔を置いて、三回目の追い焚きが開始される。
例えば、前記したステップ14で追い焚き開始前の温度が設定温度よりも0.5°Cを越えて低いと判断され、「C」に−1を加えた場合は、先の第一回目の追い焚きから第二回目の追い焚きの時間間隔(図1では1回目インターバルTii1と表現)よりも、図1の様に5分短い時間間隔(図1では2回目インターバルTii2と表現)で三回目の追い焚きが開始されることとなる。
【0051】
以下、この工程が繰り返される。すなわち三回目の追い焚き後のステップ11で、三回目の追い焚き開始前の温度ThS を演算し、追い焚き開始前の温度ThS が設定温度fts と同じであるか高い場合は、ステップ12からステップ13に移行して「C」に1を加え、温度が設定温度よりも0.5°Cを越えて低い場合は、ステップ14からステップ15に移行して「C」に−1を加える。そしてステップ3に戻り、再度タイマセットがされ、ステップ4でタイムアップを待って、追い焚きが開始され、再度変更された追い焚き時間間隔Tii3を置いて、四回目の追い焚きが開始される。
このように追い焚き開始前の温度ThS が、
「fts ≧ThS >fts −0.5°C」
の中に納まるまで、追い焚き時間間隔が変更される。
【0052】
そして追い焚き開始前の温度ThS が、上記した範囲内に納まった後は、その時間間隔Tii で追い焚きが行なわれる。また他に外的要因が発生し、追い焚き開始前の温度ThS が上記した範囲を外れた場合は、再度時間間隔が変更される。
前記した「C」の数値は、自動保温の動作が終了された後も記憶され、再度自動保温された場合には最終の「C」の数値が採用される。ただし「C」の数値が極端に大きい場合は、追い焚き時間間隔が極端に長くなってしまうので、仮にその数値が一時的要因によって定まった場合に、正常な数値に戻るのに時間が掛かり過ぎる。そのため記憶される「C」の数値には上限を設けるべきである。たとえば、最終の「C」の値が2以上である場合は、再度の自動保温を行なう場合には、「C」の値として一律に2を採用する。
【0053】
次に本発明のもう一つの実施形態について説明する。
上記した実施形態の風呂装置は、風呂装置1の追い焚き時の出力が一定の場合に好適なものであるが、風呂装置の構造によっては、追い焚き時の出力が変動するものもある。
例えば図5に示す構成の風呂装置の様に、燃焼ケース60を共有し、一つのファン61しか持たない場合には、追い焚き時に他栓16から給湯されて給湯部2が作動すると、給湯部側のバーナ70を燃焼させるためにファン61の給気量が変動し、追い焚き部5のバーナ71の出力が変動してしまう。また当該風呂装置では、ガスの供給回路が給湯部2と追い焚き部5で共通であり、単一の比例弁62から両者が分岐されている。そして当該比例弁62は、一般に給湯部2の要求によって制御され、給湯部2が高出力を要求する場合には開度が大きくなり、給湯部2が低出力を要求する場合には開度が小さくなる。そのため追い焚き部5側のバーナ71の出力が変動してしまう。
【0054】
前述の風呂装置は、前述の装置では、追い焚きの間のバーナの出力変動が小さので、熱量の積分は、単にバーナ出力に燃焼時間を乗じるといった簡単な演算で足りるが、図5に示すような、追い焚き時のバーナ出力の変動が大きい風呂装置では、複雑な演算を要する。
【0055】
本実施形態の風呂装置のブロック図は、図6の通りであり、先の実施形態の構成に加えて、CPUの入力側に給湯部2側の水量センサー14の信号と、入水温を測定する温度センサー19の信号及び給湯部2の湯温設定信号が入力されている。以下、この種の風呂装置における熱量演算について補足説明する。
本実施形態では、追い焚きの際における給湯部2の使用状況によって変化する追い焚き用バーナ71の実効出力を、時間の関数として求め、この関数を積分することによって、追い焚き中の浴湯循環加熱器の加熱量を演算する。
【0056】
すなわち給湯部2を使用しないで追い焚きだけをしているときは、追い焚き用熱交換器21を加熱するバーナ71の実効出力は、先り実施例と同一であり、「F=(Im ×η)t」で表すことができる。
ここでIm は、バーナの出力であり、ηは、風呂追い焚き効率である。
【0057】
また追い焚きと同時に給湯部2を使用すると、給湯部2の設定温度によって、比例弁62が比例制御されるので、追い焚き用熱交換器21を加熱するバーナ71のガス圧が変化して、バーナ71の実効出力も変化する。
従って演算には先のものとは異なる風呂出力の関数が採用される必要がある。
【0058】
追い焚きと同時に給湯部2を使用した場合の、追い焚き用熱交換器21を加熱するバーナ71の実効出力は、例えば次の様にして決定される。
すなわち給湯部2のガス圧(以下、「給湯ガス圧」という)を予め実験により求めておくことで、バーナ71の実効出力を算出するようにする。
【0059】
給湯ガス圧は図7に示すような実験グラフに基づき、給湯号数(給湯部2の入水温度と入水量および設定温度によって定まる号数。すなわち給湯器が消費する熱量に相関する号数)から求めることができる。図7の実験グラフは、給湯号数と給湯ガス圧との関係を示すものである。そして図7は、給湯部2側が二つのガスバーナ70a,70bを持ち、これらの燃焼・消火が2個の電磁弁によって調整できるようにした構成において、1個の電磁弁のみを開いたときの直線「N1」と、2個の電磁弁を開いたときの直線「N2」とをそれぞれグラフにしている。グラフで明らかなように、同じ給湯号数のとき、1個の電磁弁のみを開いたとき「N1」の給湯ガス圧P1 は、2個の電磁弁を開いたとき「N2」の給湯ガス圧P2 よりも高くなる。そして「N1」、「N2」は、比例弁62の開度が大きくなるに従い、給湯号数も供給ガス圧も大きくなる。
【0060】
このように変化する給湯ガス圧と風呂出力との関係は、図8に示すようになる。ここで図8のグラフは、前記したように、給湯ガス圧とバーナ71の実効出力(ふろ出力)の関係を示す。
同じ給湯ガス圧でも電磁弁が1個のみ開いているとき「N1」と、2個開いているとき「N2」とで、実効出力が異なるのは、ガス通路の流路抵抗が変化するからである。すなわち、2個の電磁弁が開いているとき「N2」は、ガス通路が並列に接続された状態となるため、1個の電磁弁しか開いていないとき「N1」よりも流路抵抗が小さくなり、ガスが追い焚き用熱交換器21よりも給湯部2側へ流れやすくなるため、実効出力が低下する。ここで、それぞれ電磁弁が1個又は2個、開いたときの給湯ガス圧P1 とP2 における実効出力をP1,N1 とP2,N2 とする。
以上のように、同じ給湯号数であっても、「N1」か「N2」によって、実効出力は異なるものである。
【0061】
上記した図7のグラフのデータや、図8のグラフのデータは、予め実験により求められ、RAMまたはROM内に記憶されている。
追い焚きの際に、同時に給湯があった場合には、マイクロコンピータに入力される水量センサ−14の信号(給湯器へ供給される入水量)、温度センサ−19の信号(入水温度)および、温度設定器の信号(設定温度)から給湯部2に必要な熱量が演算され、これに対応する給湯号数が決定される。そして図7のグラフのデータから給湯ガス圧が求められる。給湯ガス圧が「N1」のグラフであるか、「N2」のグラフであるかは、電磁弁へのON・OFF信号を確認することにより決定され、所定の補正が行われる。
【0062】
従ってこのような実効出力の変化は、時間の関数として求めることができ、その一例を図9に示す。図9は、当初、給湯部2を使用しないで追い焚きをし、その最中に他栓への給湯があって、給湯部2中の電磁弁が開放されてバーナ70a,70bが燃焼され(バーナ71は燃焼を続けている)、次に他栓への給湯が終了してバーナ71だけが燃焼し、さらに続いて他栓への給湯があって、電磁弁が開放されてバーナ70aが燃焼され、その後に他栓への給湯が終了して追い焚きだけが行われた状態を示している。
【0063】
より具体的には、当初、給湯部2を使用しないで追い焚きをするために、追い焚き用熱交換器21のみを使用しているときの実効出力がP, N3 となる。その後、給湯部2が使用された場合は、水量センサ−14の信号(給湯器へ供給される入水量)、温度センサ−19の信号(入水温度)および、温度設定器の信号(設定温度)に基づいて実効出力が演算され、例えば実効出力がP, N2 となる。
その後再び給湯部2を使用しないで、追い焚きのみ行うときは実効出力が再度P, N3 となる。続いて、もう一度給湯部2が使用された場合は、実効出力は例えばP, N1 となる。P, N1 のように先の給湯使用時に比べて実効出力が小さい場合とは、例えば先の給湯使用時に比べて設定温度が低く、比例弁62が絞られた状態となる場合が考えられる。
そして、給湯部2の使用を終了し、再び給湯部2の使用をしないで、追い焚きのみ行うときは実効出力がP, N3 となる。図9は、以上のような使用例を示したものである。
このような関数として求められた追い焚き時の実効出力から追い焚き時の総熱量を求める。
上記した関数f(A)は、給湯ガス圧P、給湯能力設数N及び時間Tの関数たる
f(P,N,T)
又は給湯設定号数G,給湯能力設数N、ガス種K及び時間Tの関数たる
f(G,N,K,T)
となる。
【0064】
具体的な追い焚き時の実効出力の積分積算は、図10の様なフローチャートに従って行われる。
すなわち追い焚きが開始される時刻が近づくと、風呂出力積算が開始される。そしてステップ21において、n=0が設定される。すなわち積算の繰り返し回数、より具体的には追い焚きの時間をリセットする。続くステップ22において、F0 =0が設定される。すなわち積算熱量をリセットする。
ステップ23で追い焚きが開始されると、ステップ24でその燃焼が定常燃焼であるか否かが判断される。ここで定常燃焼であるならば、風呂出力積算を続行するためにステップ25に移行し、逆に定常燃焼でないならば、ステップ25〜29を飛ばしてステップ30に移行する。
【0065】
先のステップ24で定常燃焼であると判断され、ステップ25に移行した場合は、先のnに1sがプラスされて記憶される。続くステップ26では、追い焚き部3だけの単独使用であるか否かが判断される。ここで追い焚き部3だけの単独使用であるならば、前述の様にバーナ出力は一定であるからステップ27に移行し、A=f0 (一定値)を記憶させる。また追い焚き部3だけの単独使用でないならば、ステップ28に移行し、上記した実験データに基づく熱量をAとして記憶させる。
【0066】
そしてステップ27又はステップ28を経てステップ29に移行し、先にリセットして0とした積算熱量にAを加える。そしてステップ30に移行し、浴槽3内の湯の温度が設定温度以上であるか否かを確認する。
もし湯の温度が設定温度以上でないならば、ステップ24に戻り、ステップ25で繰り返し回数をカウントし、ステップ26で追い焚き部5の単独使用であるかどうかに応じてステップ27,28で異なる数値をAに記憶させ、ステップ29で順次積算してゆく。これらのステップを繰り返すうち、ステップ10で設定温度以上となったことが確認されると、ステップ31に移行して追い焚きを停止し、風呂出力の積算を終了する。
【0067】
熱量演算以外のステップは、先の実施形態と全く同一であり、追い焚き開始前の温度が設定温度よりも同じであるか高い場合は、ステップ12からステップ13に移行し、「C」に1を加え、温度が設定温度よりも0.5°Cを越えて低い場合は、ステップ14からステップ15に移行し、「C」に−1を加える。そしてステップ3に戻り、再度タイマセットがされ、ステップ4でタイムアップを待って、追い焚きが開始され、再度変更された追い焚き時間間隔を置いて、追い焚きが再開される。
そして以下、この工程が繰り返される。
【0068】
以上説明した実施形態は、いずれも常時フル燃焼状態でバーナ48が燃焼する場合を想定して説明するが、「マイルド燃焼」と称して入浴を関知した際に発熱量を絞って追い焚きを行なう機種もある。「マイルド燃焼」機能を持つ機種に本発明を適用する場合には、前記した第二実施形態に準じた方法により熱量Fを求める。
【0069】
以上説明した実施形態は、追い焚き開始前の湯温ThS と、設定温度fts とを比較して追い焚き時間間隔Tii を変更するものであるが、前回の追い焚き終了時の温度ThE ’と今回の追い焚き終了時の温度ThS の差異を演算し、この値、すなわち追い焚き時間間隔における温度低下から追い焚き時間間隔を変更する構成も考えられる。
【0070】
また以上説明した実施形態は、いずれも風呂を自動的に保温するの際の追い焚き時間間隔を変更するものであるが、本発明の要部たる追い焚き前の温度ThS を推定する技術は、他の構成の風呂装置にも適用可能である。
例えば、追い焚き前の温度を指標の一つとして、保温の目標温度自体を変更する構成を持つ風呂にも本発明は適用できる。
この種の風呂は、例えば夏期や冬期の様な大きな季節変動に応じて、風呂自動保温の目標温度を微調整するものとして知られている。調整の方法としては、一回の追い焚きがある度に、すこしずつ目標温度を変更する場合と、数回、または数十回、あるいは数日に渡って追い焚き前の温度を記憶し、この平均値や傾向、あるいは低下勾配の角度によって調節する場合もある。
この種の風呂装置の一例を紹介すると、次の通りである。
すなわちこの種の風呂装置では、前回の追い焚き終了時の温度ThE ’と今回の追い焚き終了時の温度ThS の差異を演算する。すなわち追い焚きの度に、次式の演算を行なう。
【0071】
【数6】
Figure 0003804337
【0072】
そしてこの値を順次積算してゆく。また同時に追い焚き時間間隔Tii についても順次積算してゆく。ただし、先の実施形態と同様に、入浴した兆候が認められた場合には、積算から除外される。
追い焚き時間間隔Tii の積算値が、例えば720分といった一定時間に達したところで、湯温の低下勾配を演算する。具体的には前回の追い焚き終了時の温度ThE ’と今回の追い焚き終了時の温度ThS の差異の積算値を追い焚き時間間隔Tii の積算値で除し、湯温の低下勾配を演算する。この温度勾配が一定の数値を越える時と、越えない時に分け、数日に渡って一定の数値を越える場合の回数と、越えない場合の回数をカウントする。
例えば、一時間当たりの温度勾配が4°C以上である場合の集合をUとし、一時間当たりの温度勾配が1°C以下である場合の集合をDとする。温度勾配が、1°Cを越えて、4°C未満である場合は、どちらの集合にも入らない。
そして温度勾配が、1°Cを越えて、4°C未満である場合が起きたときは、上記した集合U,Dから、1ずつ数を減ずる。
そして集合U,Dの数が、一定値に達した時、風呂自動保温の目標温度を変更する。具体的には、集合Uが一定値を越えた場合は、湯温低下が激しい状態が続いた訳であるから、冬期であると予想され、追い焚きの目標温度を上昇させる。逆に集合Dが一定値を越えた場合は、湯温変化がほとんど無い状態が続いた訳であるから、夏期であると考えられ、追い焚きの目標温度を低下させる。
【0073】
【発明の効果】
請求項1,2に記載の風呂装置は、追い焚き終了時の浴槽内の水温ThE から追い焚きによって変化した温度を引くことによって追い焚き開始直前の水温を演算する機能を持つ。そのため本発明は、風呂自動保温機能その他の自動運転を行う風呂装置の動作基準を正確且つ容易に算出することができる効果がある。また本発明によると、過度に循環ポンプを運転する必要がないので、騒音の抑制やポンプの寿命向上にも役立つ。
さらに請求項1,2に記載の風呂装置は、追い焚き時間間隔の間における湯温の変化量が演算されるので、さらに新たな動作基準を提供することができる。
【0074】
そしてまた請求項1,2に記載の風呂装置は、所定の演算に基づいて追い焚きの目標温度を変化させる目標温度変更機能を備えるものであり、夏期・冬期といった大きな季節変 動に対応し、適切な保温を実現することができる。
【0075】
さらに請求項に記載の風呂装置では、湯が冷めるのが早い場合は、次回からの追い焚き時間間隔が短くなり、湯が冷めにくい場合は、次回からの追い焚き時間間隔が長くなる。そのため従来のものに比べて格段に高い保温効果を発揮させることができる効果がある。
また本発明は、主として熱量に基づいて追い焚き時間間隔を調整するものであるから、循環ポンプを頻繁に起動する必要はない。
【0076】
さらに請求項に記載の風呂装置は、追い焚き時間間隔を増減に一定の基準を設けたものであり、動作が安定であるという効果がある。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の風呂装置を使用した場合における浴槽内の湯の温度の変化を示すタイムチャート図である。
【図2】 本発明の実施形態の風呂保温装置を採用する風呂の配管系統図である。
【図3】 本発明の実施形態の風呂装置のコントローラのブロック図である。
【図4】 本発明の実施形態の風呂装置の動作を示すフローチャート図である。
【図5】 本発明の他の実施形態の風呂装置を採用する風呂の配管系統図である。
【図6】 本発明の他の実施形態の風呂装置のコントローラのブロック図である。
【図7】 給湯号数と給湯ガス圧との関係を示すグラフである。
【図8】 給湯ガス圧と追い焚き用バーナの出力との関係を示すグラフである。
【図9】 追い焚き用バーナの出力変化の一例を示すグラフである。
【図10】 追い焚き用バーナの総熱量を演算するフローチャート図である。
【符号の説明】
1 風呂装置
2 給湯部
5 追い焚き部
25 水位センサー
28 湯温センサー(追い焚き後水温検知手段)

Claims (4)

  1. 浴槽内に張られた水を自動的に追い焚きして保温する風呂保温装置を内蔵した風呂装置において、浴槽内の水を追い焚きする追い焚き手段と、追い焚きに要した熱量Fを演算する熱量演算手段と、前回の追い焚き終了時の温度Th E ’を記憶する手段と、追い焚き終了時の浴槽内の水温ThE を検知する追い焚き後水温検知手段とを備え、式1に基づいて追い焚き開始直前の水温を演算する演算機能と、前記式1の演算値をTh S として式3に基づく演算を行う演算機能を有し、式3の演算値を積算する機能と、追い焚き時間間隔を積算する機能と、前記式3の演算値の積算値を追い焚き時間間隔の積算値で除し、所定の追い焚き時間間隔における水温の低下勾配を演算する機能と、水温の低下勾配に基づいて温度低下が激しい場合とそうでない場合に選別する機能を有し、温度低下が激しい場合が多数を占める場合は保温の目標温度を上昇させる目標温度変更機能を有することを特徴とする風呂装置。
    Figure 0003804337
    Figure 0003804337
  2. 浴槽内に張られた水を自動的に追い焚きして保温する風呂保温装置を内蔵した風呂装置において、浴槽内の水を追い焚きする追い焚き手段と、追い焚きに要した熱量Fを演算する熱量演算手段と、前回の追い焚き終了時の温度Th E ’を記憶する手段と、追い焚き終了時の浴槽内の水温Th E を検知する追い焚き後水温検知手段とを備え、式1に基づいて追い焚き開始直前の水温を演算する演算機能と、前記式1の演算値をTh S として式3に基づく演算を行う演算機能を有し、式3の演算値を積算する機能と、追い焚き時間間隔を積算する機能と、前記式3の演算値の積算値を追い焚き時間間隔の積算値で除し、所定の追い焚き時間間隔における水温の低下勾配を演算する機能と、水温の低下勾配に基づいて温度低下が激しい場合とそうでない場合に選別する機能を有し、温度低下が少ない場合が多数を占める場合は保温の目標温度を低下させる目標温度変更機能を有することを特徴とする風呂装置。
    Figure 0003804337
    Figure 0003804337
  3. 請求項1又は2に記載の風呂装置において、浴槽内の水を時間間隔を置いて追い焚きする機能を有し、式1又は式3の演算に基づいて追い焚き時間間隔を増減する時間間隔設定機能を有することを特徴とする風呂装置。
  4. 時間間隔設定機能は、式1で得られた演算値或いは式3で得られた演算値が一定の範囲から外れたとき、追い焚き時間間隔を増減することを特徴とする請求項に記載の風呂装置。
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