JP3803560B2 - 側路開閉器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は高圧配電線路において、低下又は上昇した配電線路の電圧を正規の電圧に調整するための電圧調整器に併設し、電圧調整器の故障・点検の際に配電線路の送電を停止することなく側路する側路開閉器(SVR用切替開閉器)に関する。
なお、SVR(Step Voltage Regulator)用切替開閉器とは、電圧調整器用切替開閉器をいう。
【0002】
【従来の技術】
従来の電圧調整器に併設される側路開閉器(SVR用切替開閉器)として、図12に示すように構成されたものが、例えば特公昭55−13092号に開示されている。
この図12の側路開閉器(SVR用切替開閉器)の概略を説明する。
図示しないケース内に2つの開閉部101,102を設け、それぞれ開閉部101,102には、側路用の固定接触子103,104に直接接触する可動接触子105,106と、ブッシング側に設けられた固定接触子107,108に直接接触する可動接触子109,110を備えており、該可動接触子105,106,109,110はケースの両側壁に設けられた本線(配電線路)111,112と接続するブッシング並びに電圧調整器113と接続するブッシングを通じてそれぞれ配電線路111,112並びに電圧調整器113に接続される。また、上記開閉部101,102は図示しない複数のリンクからなる操作機構に接続されており、ケース外に設けられたハンドルを操作することによって操作機構を駆動させ、開閉部を開閉操作させるようにしている。
【0003】
上記側路開閉器(SVR用切替開閉器)によって電圧調整器113から本線111,112に側路する(切替える)場合にはハンドルを回動させ、複数のリンクからなる操作機構を介して、まず図12(a)に示す状態から図12(b)に示すように、側路用の固定接触子103に可動接触子105が接続され、限流抵抗Rを介して電圧調整器113側並びに側路側の両方が接続された状態となる。さらにハンドルを回動させると操作機構を介して可動接触子106,109,110が図12(c)に示すように駆動されて可動接触子106は側路側の固定接触子104に接続され、他の可動接触子109,110は固定接触子107,108から離れ、側路が完了する。
【0004】
逆に、本線に電圧調整器113を挿入する(切替える)場合は、ハンドルを上記とは逆の方向に回動させ、複数のリンクからなる操作機構を介して、図12(b)のように可動接触子109,110が固定接触子107,108と接続され、他の可動接触子106が側路側の固定接触子104から離れ、限流抵抗Rを介して電圧調整器113側並びに側路側の両方が接続された状態となる。さらにハンドルを回動させると操作機構を介して図12(a)に示すように可動接触子105が駆動されて側路側の固定接触子103からが離れ、電圧調整器113が本線111,112に挿入される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の側路開閉器(SVR用切替開閉器)における開閉部の操作機構は、複数のリンク機構や蓄力バネで構成されているため、この複数のリンク機構や蓄力バネによってそれぞれの開閉部の開閉動作をタイミング良く動作させなければならず、操作機構が複雑になると共にタイミングの設定が難しく、更に、操作機構自体が組み立てにくいと言う問題があった。
そこで本発明は上記の問題を解決する側路開閉器(SVR用切替開閉器)を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明の上記の課題を解決するために、本線(5)間に配設された第1開閉器ユニット(4)と、該第1開閉器ユニット(4)の電源側端子(13)と電圧調整器(7)の1次側端子(7a)との間に配設された第2開閉器ユニット(6)と、上記電圧調整器(7)の2次側端子(7b)と上記第1開閉器ユニット(4)の負荷側端子(14)との間に配設された第3開閉器ユニット(8)とを本体ケース(2)内に配設し、上記第1開閉ユニット(4)の可動電極(15)には第1歯車(27)を、第2開閉ユニット(6)の可動電極(15)には第2歯車(28)を、第3開閉ユニット(8)の可動電極(15)には第3歯車(29)をそれぞれ設け、上記第1歯車(27)は主歯車(30)に直接噛合させ、上記第2、第3歯車(28)、(29)は変換歯車(31a)、(31b)を介して上記主歯車(30)に噛合させ、上記主歯車(30)はハンドル(32)のハンドル軸(32a)に連結させ、更に上記主歯車(30)には無歯状の切り欠き部(30a)、(30b)を設けて、主歯車(30)の回動により上記第1歯車(27)と第2歯車(28)と第3歯車(29)の回動時期を制御して第1,第2,第3開閉器ユニット(4)、(6)、(8)の開閉動作を制御するようにしたことを特徴とする側路開閉器(SVR用切替開閉器)である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について、図1乃至図11に基づいて説明する。
1は本願発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)で、2は本体ケースであり、該ケース2内には絶縁性並びに消弧性に優れたSF6ガス3が充填されている。4は本体ケース2内の取付部2aに収納固定された第1開閉器ユニットで、図2に示すように、本線5間に設けて該本線5間を接続し、電路の開閉を行うものである。6は本体ケース2内の取付部2aに収納固定された第2開閉ユニットで、図2に示すように、本線5と電圧調整器7の1次側端子7aの間に設けて本線5に対して電圧調整器7を接続・切離しを行うものである。8は本体ケース2内の取付部2aに収納固定された第3開閉ユニットで、図2に示すように、本線5と電圧調整器7の2次側端子7bの間に設けて本線5に対して電圧調整器7を接続・切離しを行うものである。
【0008】
上記第1開閉器ユニット4について説明する。なお、第2開閉器ユニット6及び第3開閉器ユニット8は第1開閉器ユニット4と同じ構成であるため、その説明を省略する。なお、第2及び第3開閉器ユニット6,8において上記第1開閉器ユニット4と同じ部分については同じ番号を付しておく。
【0009】
上記第1開閉器ユニット4は、図5に示すように、開閉部9と操作機構部10とから成り、該開閉部9は透明の合成樹脂で作られた分割された2つの円弧状の絶縁部材をネジ着して図6のように筒状にした絶縁筒11の内部を絶縁性の区画板12により電源側消弧室11aと負荷側消弧室11bの2つの消弧室に区画し、さらに絶縁筒11の側周面に電源側端子13と負荷側端子14とを対向するように設けて構成されている。なお、上記電源側端子13並びに負荷側端子14の内端側(絶縁筒11内側)には後述の可動電極15と接触するクリップ形の固定接触部16,16aが設けられている。
【0010】
また、上記絶縁筒11内に位置して回動可能に設けた絶縁性で筒状の回動軸17にはブレード形の可動電極15が固設されている。さらに該可動電極15の周囲には図7(b)に示すようなノズル18が固設されており、可動電極15の回転時にSF6ガス3をノズル18内に導入して可動電極15の接触部15aに吹付けるようになっている。なお、上記回動軸17はその一方を絶縁筒11の上面11cに設けられた貫通孔に支持され、他方を電極駆動ベース20に接続されている。
【0011】
上記絶縁筒11の下面側には、図5及び図8に示すように操作機構部10を取り付けるハウジング19が固設されている。上記操作機構部10は、上記ハウジング19に対して回転可能に設けた回動軸17を回転駆動させる駆動力を得るための電極駆動ベース20と、該電極駆動ベース20に重ねるように近接して設けた開閉駆動ベース21と、該開閉駆動ベース21に固着された筒部21dの外周に嵌合されたねじりコイルバネ22とからなる。また、図9に示すように、上記ねじりコイルバネ22の一方の先端部22aは両ベース20,21に形成されている引っ掛け部20a,21aの一方の端面側に位置し、ねじりコイルバネ22の他方の先端部22bは引っ掛け部20a,21aの他方の端面側に位置し、両ベース20,21の回転方向において、両引っ掛け部20a,21aを相互い近づける方向に付勢している。なお、図8に示すように、上記開閉駆動ベース21の軸21eには後述する第1歯車27の軸27aが嵌入され、該両軸21e,27a間に連結軸21bが貫設されて、第1歯車27の回動によって開閉駆動ベース21も回動するようになっている。
【0012】
また、図9において、23は開放用ラッチ、24は投入用ラッチであり、開放動作時には開放用ラッチ23が電極駆動ベース20の第1係止部20bに係止し、投入動作時には投入用ラッチ24が電極駆動ベース20の第2係止部20cに係止して、開閉動作時及び投入動作時において、電極駆動ベース20と開閉駆動ベース21の間の蓄力が完了するまで電極駆動ベース20がバネ22により動作しないようにロックを掛けるようになっている。そして、開放動作時及び投入動作時において蓄力が完了すると開閉駆動ベース21の回動によってラッチ23あるいは24のロックが電極駆動ベース20から外れ、ねじりコイルバネ22に蓄えられた力(蓄力)によって電極駆動ベース20並びに同ベース20に接続された回動軸17が共に回動するようになっている。なお、25はストッパーであり上記ベース20,21が適正の位置で止まるようにするためのものである。
【0013】
次に上記図2に示した第1,第2,第3開閉器ユニット4,6,8の接続について説明する。
第1開閉器ユニット4はその電源側端子13を本線電源側ブッシング26aを介して本線5に接続すると共に第2開閉器ユニット6の電源側端子13に接続されている。また、第2開閉器ユニット6の負荷側端子14は電圧調整器1次側ブッシング26bを介して電圧調整器7の1次側端子7aに接続されている。
さらに第1開閉器ユニット4の負荷側端子14は本線負荷側ブッシング26cを介して本線5に接続すると共に第3開閉器ユニット8の負荷側端子14に接続されている。第3開閉器ユニット8の電源側端子13は電圧調整器2次側ブッシング26dを介して電圧調整器7の2次側端子7bに接続されている。
【0014】
次に、第1開閉器ユニット4の動作について図6及び図9に基づいて説明する。なお、第2及び第3開閉器ユニット6,8の動作については第1開閉器ユニット4の動作と同じであるためその説明を省略する。
まず、第1開閉ユニット4の投入状態から開放状態にするまでを説明する。
図6(a)及び図9(a)は第1開閉器ユニット4の投入状態を示す図であり、可動電極15の接触部15aが固定接触部16,16aに接触した状態となっている。この図6(a)及び図9(a)の状態から開閉駆動ベース21を反時計方向に回転させると、図9(b)及び図9(c)に示すように開閉駆動ベース21の引っ掛け部21aがねじりコイルバネ22の一方の先端部22aを同方向に広げていき、ねじりコイルバネ22を蓄力していく。開閉駆動ベース21が反時計方向に所定量回転すると図9(c)に示すように開閉駆動ベース21の傾斜押圧部21cが開放用ラッチ23を電極駆動ベース20の第1係止部20bから外側へ引き外す。これにより、電極駆動ベース20が蓄力されたねじりコイルバネ22の復元力によって図9(c)及び図9(d)に示すように上記開閉駆動ベース21と同様に反時計方向に一気に回転駆動する。回転した電極駆動ベース20は図9(d)に示すようにストッパー25によって回転を規制されて止まり、同時に投入用ラッチ24が第2係止部20cに係止し、ロックがかかって図6(c)の開放状態となる。
【0015】
このとき、電極駆動ベース20に接続されている回動軸17の可動電極15は回動軸17の上記の回転に伴い電源側端子13並びに負荷側端子14の固定接触部16,16aから急速に離れ、可動電極15と電源側端子13及び負荷側端子14との間で発生するアークは回転時にノズル18によってSF6ガス3が導入されて可動電極15の接触部15aに吹付けられる。
【0016】
次に、前記第1開閉ユニット4の開放状態から投入するまでを説明する。
図6(c)及び図9(d)は第1開閉器ユニット4の開放状態時を示す図であり、可動電極15の接触部15aが固定接触部16,16aから離間した状態となっている。この状態において、開閉駆動ベース21を図6(c)及び図9(d)において時計方向に回転させると、同駆動ベース21の引っ掛け部21aがねじりコイルバネ22の一方の先端部22aの一方を同方向に広げていき、ねじりコイルバネ22を蓄力していく。さらに、開閉駆動ベース21を時計方向に回転させると同駆動ベース21の傾斜押圧部21cが投入用ラッチ24を電極駆動ベース20の第2係止部20cから引き外し、電極駆動ベース20が蓄力されたねじりコイルバネ22によって回転駆動されて上記開閉駆動ベース21と同様に時計方向に回転駆動する。回転した電極駆動ベース20が図9(a)及び図6(a)の投入状態まで回転すると、電極駆動ベース20はストッパー25によって回転を規制されて止まり、開放用ラッチ23が第1係止部20bに係止し、ロックがかかって投入状態となる。
【0017】
上記の投入動作により、電極駆動ベース20に接続されている回動動軸17の可動電極15は、図6(c)の状態から時計方向に回動し、図6(a)に示すように電源側端子13の固定接触部16と負荷側端子14の固定接触部16aに接触し、電路が入(投入)となる。
なお、上記は第1開閉ユニット4の動作について説明したが、他の第2開閉ユニット6及び第3開閉ユニット8の動作も上記第1開閉ユニット4の動作と同様である。
【0018】
次に、上記第1,第2,第3開閉ユニット4,6,8の連動関係について、図3及び図10及び図11により説明する。
図3において、27は上記第1開閉器ユニット4における開閉駆動ベース21に図8に示すように連結された第1歯車、28は同じく上記第2開閉器ユニット6の開閉駆動ベース21に連結された第2歯車、29は上記第3開閉器ユニット8の開閉駆動ベース21に連結された第3歯車であり、30はケース2に回動自在に設けられたハンドル32のハンドル軸32aに一体的に連結された主歯車である。該主歯車30は第1歯車27に噛合して第1歯車27に直接回転駆動力を伝達し、第2歯車28及び第3歯車29に対しては変換歯車31a,31bを介して主歯車30の回転方向を変換して回転駆動力を伝達するようになっている。
【0019】
また、30a,30bは主歯車30に設けられた無歯状の第1及び第2切り欠き部であり、第1歯車27あるいは変換歯車31a,31bが該第1切り欠き部30aあるいは第2切り欠き部30bに位置すると、主歯車30の駆動力が第1歯車27及び第2歯車28及び第3歯車29に伝達せず、第1開閉器ユニット4及び第2開閉器ユニット6及び第3開閉器ユニット8の開閉動作が遅れる(あるいは早くなる)ようになっている。そして、これらの切り欠き部30a,30bと主歯車27との位置関係は、後述するように、電圧調整器7の本線5への接続・切離しの動作中において、接続又は切り離しが完了するまではすべての開閉器ユニット4,6,8が投入状態になるように設定され、負荷側への停電が無くなるようになっている。
【0020】
32はケース2外に設けたハンドルであり、該ハンドル32のハンドル軸32aは図1に示すようにケース2へ貫通して設けられているとともに、該ハンドル軸32aはケース2に対しOリングなどによって気密を保持して設けられている。
また、上記ハンドル32のハンドル軸32aとケース2に固定した取付部2aとの間には図4に示すようにバネ33が設けられている。より詳しくは、ハンドル32に固定したハンドル軸32aに腕32bを固設し、該腕32bの先部にピン32cを設け、前記取付部2aに設けた取付片35にはピン36を設け、該ピン36に案内軸37を回動可能に設け、該案内軸37に形成した長孔38に上記のピン32cを嵌合し、該ピン32cと上記ピン36間において、バネ33を案内軸37の外周に巻設している。そして、ハンドル32を図4において時計方向に回動させると徐々に該バネ33が圧縮され、さらにハンドル32を回動させて上記バネ33が死点を超えて反転すると、圧縮されたバネ33の蓄力が開放されて、一気に主歯車30を駆動させるようになっている。
【0021】
以下、本願発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)1の動作について説明する。
まず、本線5に電圧調整器7を接続した状態において、上記電圧調整器7を本線5から切離す場合について説明する。このとき側路開閉器(SVR用切替開閉器)1は図10(a)に示すように、第1開閉器ユニット4が切状態、第2開閉器ユニット6及び第3開閉器ユニット8が入り(投入)状態となって本線5に電圧調整器7を接続している。なお、上記電圧調整器7の本線5への接続あるいは切離し時にはタップを切替えて素通し状態(1次側の電圧と2次側の電圧を同じにした状態)で電圧調整器7の接続・切離し行うようになっている。
【0022】
上記電圧調整器7のタップを調整して(切替えて)素通し状態にした後、側路開閉器(SVR用切替開閉器)1のハンドル32を図3において、ハンドル軸32aを中心として反時計方向に回動させる。それに伴いハンドル32のハンドル軸32aに連結された主歯車30が図10(a)において反時計方向に回転し、第1歯車27は時計方向に回動して第1開閉器ユニット4の開閉駆動ベース21を図9(d)の開放状態から時計方向に回動させる。開閉駆動ベース21の回動によりねじりコイルバネ22が蓄力され、さらに回動することで開閉駆動ベース21が投入用ラッチ24を外し、電極駆動ベース20がねじりコイルバネ22の蓄力により一気に可動電極15(回動軸17)を駆動させて第1開閉器ユニット4が図10(c)に示すように投入される。上記第1開閉器ユニット4が投入された後に第1歯車27は図10(c)に示すように主歯車30の第1切り欠き部30bに到達して第1歯車27に回転が伝わらないようになっている(第1開閉器ユニット4は投入状態が維持される)。
【0023】
また、上記第1開閉器ユニット4の投入動作途中に第2及び第3開閉器ユニット6,8における第2歯車28,第3歯車29の変換歯車31a,31bがそれぞれ第1切り欠き部30a及び第2切り欠き部30bから主歯車30の歯車部分に到達して、主歯車30の駆動力が伝達される。つまり上記第1開閉器ユニット4が駆動した後に遅れて第2歯車28及び第3歯車29が反時計方向に回動して第2及び第3開閉器ユニット6,8が開放動作するようになる。すなわち、上記第2及び第3開閉器ユニット6,8は変換歯車31a,31bに連結された開閉駆動ベース21を図9(a)の状態から反時計方向に回動させる。開閉駆動ベース21の反時計方向への回動によりねじりコイルバネ22が蓄力され、さらに回動することで開閉駆動ベース21が開放用ラッチ23を外し、電極駆動ベース20がねじりコイルバネ22の蓄力によって一気に可動電極15(回動軸17)を駆動させて第2及び第3開閉器ユニット6,8が開放され、電圧調整器7は本線5から切離される。このとき第1開閉器ユニット4に連結された第1歯車27が主歯車30の第2切り欠き部30bに到達しており、主歯車30から駆動力が伝達しないようになっている。
【0024】
上記のように、第1歯車27が所定量回転した後に、第2,第3歯車28,29が回動することにより、図10(b)に示すように第1,第2,第3開閉ユニット4,6,8が共に閉状態になった後に、第2,第3開閉ユニット6,8が開作動する。したがって、送電を停止することがない。
【0025】
次に電圧調整器7を本線5に接続する場合について説明する。なお、上記と同様に電圧調整器7の本線5への接続あるいは切離し時にはタップを切替えて素通し状態(1次側の電圧と2次側の電圧を同じした状態)にして切替えを行う。
【0026】
次に上記の状態から本線5に電圧調整器7を接続する場合について説明する。上記側路開閉器(SVR用切替開閉器)1のハンドル32を、上記の操作により反転した状態から時計方向に回動する。それに伴いハンドル32のハンドル軸32aに連結された主歯車30が図10(c)と同状態である図11(a)の状態から時計方向に回動し、変換歯車31a,31bが反時計方向に回動する。第2及び第3歯車28,29は変換歯車31a,31bの回動によって時計方向に回転し、該歯車31a,31bに連結された第2及び第3開閉器ユニット6,8の開閉駆動ベース21,21を図9(d)の状態から時計方向に回動させる。開閉駆動ベース21,21の回動により、前記と同様にねじりコイルバネ21を蓄力し、さらに回動することで開閉駆動ベース21が投入用ラッチ24を外し、電極駆動ベース20がねじりコイルバネ22の蓄力により一気に可動電極15(回動軸17)を駆動させて第2及び第3開閉器ユニット6,8が投入される。上記第2開閉器ユニット6及び第3開閉器ユニット8が投入されると、図11(d)に示すように、変換歯車31a,31bは主歯車30の第1切り欠き部30a及び第2切り欠き部30bに到達して変換歯車31a,31bに回転が伝わらないようになる(第2開閉器ユニット6並びに第3開閉器ユニット8は投入状態が維持される)。
【0027】
また、上記第2及び第3開閉器ユニット6,8の投入動作途中に第1開閉器ユニット4における第1歯車27は第2切り欠き部30bに位置した状態(図11(a)の状態)から歯車部分に到達して、主歯車30の駆動力が伝達される。つまり上記第2及び第3開閉器ユニット6,8が駆動した後に遅れて第1開閉器ユニット4が開放動作するようになる。上記第1開閉器ユニット4においては第1歯車27に連結された開閉駆動ベース21が図9(a)の状態から反時計方向に回動する。この第1開閉器ユニット4の開閉駆動ベース21の回動によりねじりコイルバネ22を蓄力し、さらに回動することで開閉駆動ベース21が開放用ラッチ23を外し、電極駆動ベース20がねじりコイルバネ22の蓄力により一気に可動電極15(回動軸17)を駆動させて第1開閉器ユニット4が開放され、電圧調整器7は本線5に接続される。このとき第2及び第3開閉器ユニット6,8に連結された変換歯車31a,31bは主歯車30の第1切り欠き部30a及び第2切り欠き部30bに到達しており、主歯車30から駆動力が伝達しないようになっている。
【0028】
上記のように、第2,第3歯車28,29が回動することにより、図11(b)に示すように第1,第2,第3開閉ユニット4,6,8が共に閉状態になった後に、第1開閉ユニット27が開作動する。したがって、送電を停止することがない。
以上のようであるから、主歯車30の切り欠き部30a,30bによって第1,第2,第3歯車27,28,29の回動時期を制御して第1,第2,第3開閉ユニット4,6,8の開閉動作のタイミングを制御する。
【0029】
【発明の効果】
本願発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)は、第1乃至第3開閉ユニットの開閉動作並びに開閉動作のタイミング調節が、主歯車と第1乃至第3歯車の組み合わせと主歯車に設けられた切り欠き部のような簡単な構成によってできるようになたため、操作機構自体が簡単小型化ができると共に操作機構自体が組み立て易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)の略断面図。
【図2】本発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)の本線への接続図。
【図3】本発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)の第1乃至第3歯車及び主歯車、変換歯車の関係を示す図。
【図4】本発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)のハンドルとバネとの関係を示す図。
【図5】本発明における開閉器ユニットを示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)の底面図。
【図6】本発明における開閉器ユニットの断面図であり、(a)は開閉器ユニットの投入状態を示し、(b)は開閉器ユニットの開放あるいは投入の途中状態を示し、(c)は開閉器ユニットの開放状態を示す。
【図7】(a)は本発明における可動電極の側面図、(b)は可動電極に付設したノズルを示す斜視図。
【図8】本発明における開閉器ユニットの操作機構部の略断面図。
【図9】本発明における開閉器ユニットの操作機構部の動作を示す図。
【図10】本発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)によって電圧調整器を本線から切離す場合の操作機構の動作を示す図であり、(a)は電圧調整器が本線に接続されている状態、(b)は電圧調整器を本線から切離す動作途中で第1及び第2,第3開閉器ユニットが投入された状態、(c)は電圧調整器が本線から切離された状態である。
【図11】本発明の側路開閉器(SVR用切替開閉器)によって電圧調整器を本線に接続する場合の操作機構の動作を示す図であり、(a)は電圧調整器が本線から切離された状態、(b)は電圧調整器を本線に接続する動作途中で第1及び第2,第3開閉器ユニットが投入された状態、(c)は電圧調整器が本線に接続された状態である。
【図12】従来の側路開閉器(SVR用切替開閉器)の構成と動作を説明する図。
【符号の説明】
1 側路開閉器(SVR用切替開閉器)
2 本体ケース
4 第1開閉器ユニット
5 本線
6 第2開閉器ユニット
7 電圧調整器
7a 1次側端子
7b 2次側端子
8 第3開閉器ユニット
13 電源側端子
14 負荷側端子
15 可動電極
27 第1歯車
28 第2歯車
29 第3歯車
30 主歯車
30a,30b 切り欠き部
31a 変換歯車
31b 変換歯車
32 ハンドル
32a ハンドル軸
Claims (1)
- 本線(5)間に配設された第1開閉器ユニット(4)と、該第1開閉器ユニット(4)の電源側端子(13)と電圧調整器(7)の1次側端子(7a)との間に配設された第2開閉器ユニット(6)と、上記電圧調整器(7)の2次側端子(7b)と上記第1開閉器ユニット(4)の負荷側端子(14)との間に配設された第3開閉器ユニット(8)とを本体ケース(2)内に配設し、上記第1開閉ユニット(4)の可動電極(15)には第1歯車(27)を、第2開閉ユニット(6)の可動電極(15)には第2歯車(28)を、第3開閉ユニット(8)の可動電極(15)には第3歯車(29)をそれぞれ設け、上記第1歯車(27)は主歯車(30)に直接噛合させ、上記第2,第3歯車(28),(29)は変換歯車(31a),(31b)を介して上記主歯車(30)に噛合させ、上記主歯車(30)はハンドル(32)のハンドル軸(32a)に連結させ、更に上記主歯車(30)には無歯状の切り欠き部(30a),(30b)を設けて、主歯車(30)の回動により上記第1歯車(27)と第2歯車(28)と第3歯車(29)の回動時期を制御して第1,第2,第3開閉器ユニット(4),(6),(8)の開閉動作を制御するようにしたことを特徴とする側路開閉器。
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