JP3803266B2 - プラズマディスプレイパネルの蛍光体層の形成方法及び蛍光体層形成装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの蛍光体層の形成方法及び蛍光体層形成装置 Download PDF

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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルの蛍光体層の形成方法及び蛍光体層形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョンをはじめとする高品位で大画面のテレビに対する期待が高まっている中で、CRT,液晶ディスプレイ(LCD),プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel,以下PDPと記載する)といった各ディスプレイの分野において、これに適したディスプレイの開発が進められている。
【0003】
従来からテレビのディスプレイとして広く用いられているCRTは、解像度・画質の点で優れているが、画面の大きさに伴って奥行き及び重量が大きくなる点で40インチ以上の大画面には不向きである。また、LCDは、消費電力が少なく、駆動電圧も低いという優れた性能を有しているが、大画面を作製するのに技術上の困難性があり、視野角にも限界がある。
【0004】
これに対して、PDPは、小さい奥行きで大画面を実現することが可能であって、既に40インチクラスの製品も開発されている。
ところで、ディスプレイの高品位化に対する要求が高まるにつれて、PDPにおいても微細なセル構造のものが望まれている。
例えば、従来のNTSCではセル数が640×480で、40インチクラスではセルピッチが0.43mm×1.29mm、1セル面積が約0.55mm2であったが、フルスペックのハイビジョンテレビの画素レベルでは、画素数が1920×1125となり、42インチクラスでのセルピッチは0.15mm×0.48mm、1セルの面積は0.072mm2の細かさとなる。
【0005】
PDPは、一般的に、表面に電極を配したバックプレートに隔壁を形成し、隔壁間の凹部に、赤,緑,青の蛍光体層を配設し、これに、電極を配したフロントカバープレートを重ねて放電ガスを封入することによって製造されるが、駆動方式によって直流型(DC型)と交流型(AC型)とに大別され、DC型では電極が放電空間に露出しているのに対して、AC型では電極上に誘電体ガラス層が配設されている。また、一般的に、AC型では隔壁がストライプ状に形成されているのに対して、DC型では隔壁が井桁状に形成されており、この点で、AC型の方が微細なセル構造のパネルを形成するのに適している。
【0006】
PDPの発光原理は、基本的に蛍光灯と同様であって、放電に伴って放電ガスから紫外線が放出され、蛍光体層の蛍光体粒子(赤,緑,青)がこの紫外線を受けて励起発光するが、放電エネルギーが紫外線へ変換する効率や、蛍光体における可視光への変換効率は低く、高い輝度は得ることは難しい。
そこで、詳細なセル構造のPDPを実用化するために、従来よりセルの発光効率を高める研究がなされており、蛍光体層の改良も検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
高い発光効率の蛍光体層を形成するためには、用いる蛍光体の品質も重要であるが、隔壁間の凹部の底面だけではなく、側面にも蛍光体層をバランスよく配設することも大切である。
蛍光体層を形成する方法としては、スクリーン印刷法で蛍光体ペーストを隔壁間の凹部に充填して焼成する方法が多く用いられているが、微細なセル構造のPDPに対しては、スクリーン印刷法は適用が難しい。
【0008】
即ち、セルピッチが0.1〜0.15mm程度の場合、隔壁と隔壁との間隙は0.08〜0.1mm程度と非常に狭くなってしまうが、スクリーン印刷で用いる蛍光体インキは粘度が高いので(通常、数万センチポイズ)、0.1mm以下の狭い間隙に精度良く高速に蛍光体インキを流し込むことは困難である。また、微細な構造のスクリーン板を作成することも困難である。
【0009】
また、スクリーン印刷法でもって好ましい形状の蛍光体層を形成しようとすれば、蛍光体ペーストの粘度等の印刷条件を調整するなどして凹部の側面にも蛍光体ペーストを適量付着させる必要があるが、実際には、側面に蛍光体ペーストが付着しにくく、その調整が難しいという問題があった。
これに対して、例えば、特開平6−5205号公報には、スクリーン印刷法で凹部に蛍光体インキを充填して乾燥し、サンドブラスト処理を行った後、焼成することによって、凹部の側面にも蛍光体層を形成するという方法が開示されているが、サンドブラスト処理を行うのでコスト高となるし、基本的にスクリーン印刷を用いているため、微細なセル構造に適用する場合の困難さも残る。
【0010】
一方、PDPの蛍光体層の形成方法として、スクリーン印刷法以外に、フォトレジストフィルム法やインキジェット法も知られている。
フォトレジストフィルム法は、特開平6−273925号公報に開示されているように、各色蛍光体を含む紫外線感光性樹脂のフィルムを、隔壁間の溝に埋め込み、該当する色の蛍光体層を形成しようとする部分だけに露光現像を施し、露光しない部分を洗い流す方法であって、この方法によれば、セルピッチが小さい場合にも、ある程度精度良く凹部にフィルムを埋め込むことが可能である。しかしながら、3色各色についてフィルムの埋め込み,露光現像及び洗い流しを順次行う必要があるため、製造工程が複雑であると共に混色が生じやすいという問題があり、更に、蛍光体は比較的高価であるにもかかわらず洗い流された蛍光体を回収することは困難なためコスト高になるという問題もある。
【0011】
これに対して、インキジェット法は、特開平8−162019号公報に開示されているように、蛍光体と有機バインダーからなるインキ液を加圧してノズルから噴射させながら走査することにより、所望のパターンでインキ液を絶縁基板上に付着させる方法であって、狭い隔壁間の凹部にも精度良くインキを塗布することが可能である。
【0012】
しかしながら、噴射されたインキが液滴となりやすいので、隔壁がストライプ状に形成されている場合、隔壁間の溝に一定の膜厚で塗布することが難しい。
ここで、比較的低い粘度のインキを高圧で噴射すれば、インキを連続流で安定して噴射することもできると考えられるが、この場合、単位時間のインキ噴射量が大きくなるので、高速(3m/sec程度)でノズルの走査を行う必要があるが、精度よく高速で走査させる機構は高価である。
【0013】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、微細なセル構造の場合にも、隔壁間の溝に精度良く蛍光体層を形成することができ、且つ、高速でノズル等を走査しなくてもストライプ状の溝に均一的な蛍光体層を形成することができ、更に、溝の側面にも比較的容易に蛍光体層を形成することのできるPDPの製造方法及び蛍光体層形成装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のPDPの蛍光体層の形成方法並びに蛍光体層形成装置では、表面に隔壁がストライプ状に形成されたプレートに対して、複数個のノズルから蛍光体インキを吐出しながら隔壁間の溝に充填することによって蛍光体層を形成する工程において、プレートの溝の端部に付着させた蛍光体インキに複数個のノズルを接触させて、プレートの溝の端部と複数個のノズルとを蛍光体インキの表面張力(メニスカス力)で架橋し、その後、複数のノズルから複数の溝に対して蛍光体インキを並行して吐出して蛍光体インキの表面張力による架橋を保ちながら、複数個のノズルを隔壁に沿って走査するようにした。
【0015】
この方法及び装置によれば、一度の走査で複数本の蛍光体層を形成することができる。
また、蛍光体インキの表面張力による架橋を形成するときに、まず、プレートの溝の端部に蛍光体インキを付着させ、その蛍光体インキに複数のノズルを接触させているので、容易に架橋することができる。
【0016】
また、複数個のノズルの走査時に蛍光体インキをノズルから低圧でゆっくり吐出させても、連続流を形成することができる。従って、複数個のノズルをゆっくり走査しても、均一的な蛍光体層を形成することができる。
また、比較的高粘度の蛍光体インキを用いても、連続流を形成することができる。
【0017】
また、複数個のノズルと複数の溝の側面との間を蛍光体インキの表面張力で架橋することも可能であって、それによって蛍光体インキを溝の側面に付着させることも比較的容易にできる。
複数個のノズルの走査時には、複数個のノズルとプレートとを非接触の状態で、プレートの溝の底と複数個のノズルとの間隔を5μm〜1mmに保ちながら行うことが好ましい。
【0018】
また、複数個のノズルの走査時において、プレートの複数の溝の底と複数
個のノズルとの間隔を、隔壁の高さ以下に保ちながら行えば、複数個の溝の側面に対して蛍光体インキを付着させるのにより効果的である。
また、蛍光体インキを架橋するときには、複数個のノズルの走査時よりもプレートと複数個のノズルとの間隔を小さくすれば、容易に且つ迅速に架橋することができる。
ノズルから吐出する蛍光体インキの粘度は、せん断速度が200sec-1において10〜1000センチポアズに設定することが望ましく、一般的にノズル径は、45〜150μmとすることが望ましい。
【0019】
このような蛍光体層を形成する工程において、走査時には、複数個のノズルから複数の溝に対して並行して複数の種類の色の蛍光体インキを吐出しながら走査したりすることもできる。この場合、1度の走査で複数色の蛍光体層を形成できるので効率的である。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
(PDPの全体的な構成及び製法)
図1は、本発明の一実施の形態に係る交流面放電型PDPの概略断面図である。図1ではセルが1つだけ示されているが、赤,緑,青の各色を発光するセルが交互に多数配列されてPDPが構成されている。
このPDPは、前面ガラス基板11上に放電電極12と誘電体ガラス層13が配された前面パネルと、背面ガラス基板15上にアドレス電極16,隔壁17,蛍光体層18が配された背面パネルとを張り合わせ、前面パネルと背面パネルの間に形成される放電空間19内に放電ガスが封入された構成となっており、以下に示すように作製される。
なお、図1では、便宜上、放電電極12が断面で表示されているが、実際には、放電電極12はアドレス電極16と直交マトリックスを組むように、図1の紙面に沿った方向に配設されている。
【0021】
前面パネルの作製:
前面パネルは、前面ガラス基板11上に放電電極12を形成し、その上を鉛系の誘電体ガラス層13で覆い、更に誘電体ガラス層13の表面上に保護層14を形成することによって作製する。
放電電極12は銀電極であって、その電極幅は例えば60μmである。放電電極12は、銀電極用のペーストをスクリーン印刷し焼成することによって形成することができる。
【0022】
誘電体ガラス層13は、例えば、70重量%の酸化鉛[PbO],15重量%の酸化硼素[B23],10重量%の酸化硅素[SiO2]及び5重量%の酸化アルミニウムと有機バインダ[α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解したもの]とを混合してなる組成物を、スクリーン印刷法で塗布した後、520℃で20分間焼成することによって膜厚30μmで形成する。
保護層14は、酸化マグネシウム(MgO)からなるものであって、例えば、スパッタリング法によって0.5μmの膜厚に形成する。
【0023】
背面パネルの作製:
背面ガラス基板15上に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷しその後焼成することによって、アドレス電極16を形成する。
次に、ガラス材料をくり返しスクリーン印刷した後、焼成することによって隔壁17を形成する。この隔壁17は、例えば、42インチのハイビジョンテレビ用のディスプレイに合わせて、間隔(セルピッチ)を0.15mmに、高さを0.15mmに設定する。
【0024】
そして、隔壁17の間の溝に蛍光体層18を形成する。この蛍光体層18の形成方法については後で詳述するが、ノズルから蛍光体インキを連続的に噴射しながら走査する方法で蛍光体インキを充填し、焼成することによって蛍光体層の形成を行う。
パネル張り合わせによるPDPの作製:
次に、このように作製した前面パネルと背面パネルとを封着用ガラスを用いて張り合せると共に、隔壁17で仕切られた放電空間19内を高真空(例えば8×10-7Torr)に排気した後、放電ガス(例えばHe−Xe系,Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力(100〜760Torr)で封入することによってPDPを作製する。
(蛍光体層の形成方法について)
図2は、蛍光体層18を形成する際に用いるインキ充填装置20の概略構成図である。また、図3は、その装置の充填動作を示す斜視図である。
【0025】
図2に示されるように、インキ充填装置20において、サーバ21には蛍光体インキが貯えられており、加圧ポンプ22は、この蛍光体インキを加圧してヘッダ23に供給する。
ヘッダ23には、インキ室231及び複数の突出したノズル24が設けられており、加圧されて供給された蛍光体インキは、インキ室231から各ノズル24に分配されて連続的に吐出されるようになっている。
【0026】
このヘッダ23は、金属材料を機械加工或は放電加工することによって、インキ室231やノズル24の部分も含めて一体成型されたものである。
サーバ21内に貯えられている蛍光体インキは、各色蛍光体粒子とバインダと溶剤成分等が適当な粘度となるよう調合されたものであって、蛍光体粒子が沈降しないようにサーバ21内に取り付けられた撹拌機(不図示)で混合撹拌されながら貯蔵されている。
【0027】
蛍光体インキを構成する蛍光体粒子としては、一般的にPDPの蛍光体層に使用されているものを用いることができる。その、その具体例としては、
青色蛍光体: BaMgAl1017:Eu2+
緑色蛍光体: Zn2SiO4:Mn2+
赤色蛍光体: (YxGd1-x)BO3:Eu3+
を挙げることができる。
蛍光体粒子の平均粒径は、良好な発光効率を得るために0.5μm以上であることが望ましく、ノズル24の目づまりや蛍光体粒子の沈殿を抑制するために5μm以下であることが好ましい。即ち、平均粒径0.5〜5μm(通常は2〜3μm)の範囲の蛍光体粒子を用いることが好ましい。
【0028】
また、蛍光体インキの粘度はせん断速度が200sec-1において10〜1000センチポアズの範囲内に調整すると共に、分散剤を0〜1重量%添加することが望ましい。
蛍光体インキの組成の具体例としては、下記表1に示すように、No.1の平均粒径2.0μmの各色蛍光体粒子30重量%、バインダとしてエチルセルローズ(分子量20万)1.0重量%、分散剤としてグリセリルトリオレート0.5重量%、溶剤としてターピネオール68.5重量%をはじめとして各種組成を挙げることができる。
【0029】
【表1】
Figure 0003803266
【0030】
ノズル24の口径は、隔壁17間の間隙Wよりも小さく、通常は150μm以下に設定する必要があり、また、ノズルの目詰まりを防止するために45μm以上に設定することが望ましい。従って、ノズル24の口径は、45〜150μmの範囲に設定するのが望ましい。
図3に示されるように、インキ充填装置20において、隔壁17を配設した背面ガラス基板15上を、隔壁17に沿ってヘッダ23を走査できるようになっている(図3の矢印Aが走査方向)。ヘッダ23の走査は、本実施の形態ではヘッダ23を直線駆動するヘッダ走査機構(不図示)によってなされるが、逆にヘッダ23を固定して背面ガラス基板15を直線駆動してもよい。
また、このようなインキ充填装置20は、赤,青,緑の各色ごとに備えられ、各色のヘッダ23に開設されているノズル24のピッチは、セルピッチの3倍に設定されており、図2に示されるように、ヘッダ23の走査に伴って2つおきの溝に蛍光体インキが充填されるようになっている。
【0031】
このようなインキ充填装置20を用いて、以下に示すように蛍光体インキの充填を行う。
まず、ヘッダ23を背面ガラス基板15の端部15a(この端部15aは、溝部170の端部或はその近傍でもある。)に位置させ、ノズル24と背面ガラス基板15の溝部170の内面とを十分に接近させるか接触させて、ノズル24から少量の蛍光体インキを吐出することによって、蛍光体インキの架橋を形成する。
ここで、ノズル24と溝部170の内面との間で、蛍光体インキの表面張力による架橋を形成する形態について考察する。
【0032】
図4では、ノズル24に蛍光体インキの球がぶら下がっている様子を示している。図中のLはノズル24の下端から蛍光体インキの球の下端までの距離を表わし、図中のMは蛍光体インキの球の幅を表わしている。
このように蛍光体インキの球がついたノズル24を溝部170に接近させていくと、蛍光体インキが溝部170の内面に付着して架橋するが、幅Mが溝部170の幅より大きい場合、側面170bに付着して架橋すると考えられ、幅Mが溝部170の幅より小さい場合、蛍光体インキの球が底面170aに付着し、表面張力(メニスカス力)によって架橋する。
通常の蛍光体インキでは、架橋が可能なノズル24と底面170aとの距離は1mm以下と考えられる。
【0033】
なお、この架橋時には、ノズル24と底面170aとを接触させた状態で行えば、容易に且つ迅速に架橋を形成することができる。
続いて、ヘッダ23を走査しながら、加圧ポンプ22を作動してノズル24から蛍光体インキを連続的に吐出することによって、背面ガラス基板15の溝部170に蛍光体インキを充填する。このとき、ノズル24と底面170aとの距離を小さく維持し、背面ガラス基板15の溝部170の内面とノズル24の間に形成されている蛍光体インキの表面張力による架橋を維持しながら走査する。
この走査時においても、ノズル24と底面170aとを、上述した架橋時と同様(通常1mm以下)に接近させながら走査する。なお、走査中は、ノズル24と背面ガラス基板15とが接触しないようにすることが望ましいが、背面ガラス基板15の溝部170の表面には若干の凹凸が存在するので、ノズル24と溝部170の底面170aとの間隔を5μm以上とすることが望ましい。
従って、走査時には、ノズル24と溝部170の底面170aとの間隔を、5μm〜1mmの範囲で行うことが望ましい。
【0034】
走査時における加圧ポンプ22の圧力は、溝部170への塗布量及びノズル24の走査速度に基づいて、適当な吐出量となるように調整する。
本実施の形態では、数十mm/s程度(例えば50mm/s)のゆっくりとした速度で走査を行い、加圧ポンプ22の圧力を小さく(0.5kgf/cm2程度)設定して従来のインクジェット方式の場合よりも吐出量を小さくする。
この場合、蛍光体インキの吐出量は小さいが、上記のように蛍光体インキの架橋によって連続流が形成されるので、蛍光体インキを溝部170に均一的に充填し、均一的な蛍光体層を形成することができる。
【0035】
また、従来のインクジェット方式の場合には、高粘度の蛍光体インキや表面張力の大きい蛍光体インキを用いると連続流を形成することが難しいが、本実施形態の蛍光体層の形成方法によれば、比較的高粘度の蛍光体インキや表面張力の大きい蛍光体インキを用いても、連続流を形成することができる。
また本実施の形態において、ノズル24の口径や蛍光体インキの粘度などを調整することによって、走査時において、図5に示すようにノズル24と側面170bとの間で架橋するようにすることもできる。即ち、ノズル24の口径を大きくし、蛍光体インキの粘度を大きくすれば、このような架橋が形成されやすいと考えられる。
このように、走査時にノズル24と側面170bとの間で架橋すれば、蛍光体インキの側面170bへの塗布が良好に行われる。
【0036】
以上のような手順に従って、赤,緑,青の各蛍光体インキを、所定の溝部170に充填して乾燥した後、パネルを焼成(約500℃で10分間)することによって、パネル全体に赤,緑,青の蛍光体層18を形成する。
〔実施の形態2〕
図6は、本実施の形態において蛍光体インキを充填する様子を模式的に表わす断面図である。
【0037】
本実施の形態は、基本的に実施の形態1に基づくが、図6に示すように、走査時において、ノズル24を溝部170に挿入した状態で走査を行う。
即ち、走査時においては、溝部170の底面170aとノズル24との間隔を、隔壁17の高さ(例えば120μm)よりも小さい距離(例えば20μm)に設定する。
【0038】
この塗布方法によれば、溝部170に挿入されているノズル24が、溝部170の中央部から側面170bに向けて蛍光体インキを押しのける働きをなすので、蛍光体インキを側面170bの上部にまで付着させることが可能となる。
なお、ノズル24の外径は、溝部170に挿入できるように、溝部170の幅よりも小さく設定するが、溝部170に対するノズル24の挿入深さの好ましい値は、蛍光体インキの物性や充填量、更には蛍光体インキと側面170bとの濡れ性などよっても変わるので、これらに合わせて、蛍光体インキの溝部170の内面に対する付着状態となるように調整することが重要である。
〔実施の形態3〕
本実施の形態におけるPDPの製造方法は、実施の形態1と同様であるが、蛍光体層を形成する工程の中で、蛍光体インキの架橋を形成する方法が異なっている。
【0039】
図7は、本実施の形態にかかる蛍光体インキの架橋方法を示す図である。
本実施の形態では、まず、図6に示されるように、背面ガラス基板15の端部15aに蛍光体インキ40を塗布しておく。
この塗布のために、端部15aに蛍光体インキ40を塗布する機構をインキ充填装置20に別個に設けてもよいが、ヘッダ23を端部15aに位置させて、ノズル24から蛍光体インキを吐出することによって端部15aに蛍光体インキ40を塗布することができる。或は、背面ガラス基板15をインキ充填装置20に装着する前に、別の装置や道具を用いて、端部15aに蛍光体インキ40を塗布しておいてもよい。
次に、ヘッダ23を、背面ガラス基板15の端部15aの外方から図7の矢印Aの方向にゆっくり移動し、ノズル24を蛍光体インキ40に接触させてノズル24と端部15aとを蛍光体インキで架橋する。引き続き、実施の形態1と同様に、ノズル24を溝部170に沿って走査させながら蛍光体インキをノズル24から吐出させることによって、蛍光体インキの架橋を保ちながら溝部170に蛍光体インキを充填する。
このように、本実施形態の方法によれば、ノズル24の走査動作の中で、蛍光体インキの架橋の形成と蛍光体インキの充填とを連続的に行うことができる。
【0040】
(その他の事項)
なお、上記実施の形態1〜3では、赤,緑,青の蛍光体インキを別々のヘッダを用いて順に充填する例を示したが、1つのヘッダに赤,青,緑の3つのインキ室及び各色のノズルを設けて3色の蛍光体インキを複数の溝部170に対して並行して吐出するような構成にすれば、一回の走査で3色の蛍光体インキを充填することができる。
また、上記実施の形態1〜3では、AC型のPDPを例にとって説明したが、本発明は、必ずしもAC型に限られず、隔壁がストライプ状に配設されたPDPに対して広く適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明のPDPの蛍光体層の形成方法並びに蛍光体層形成装置では、表面に隔壁がストライプ状に形成されたプレートに対して、複数個のノズルから蛍光体インキを吐出しながら隔壁間の溝に充填することによって蛍光体層を形成する工程において、プレートの溝の端部に付着させた蛍光体インキに複数個のノズルを接触させて、プレートの溝の端部と複数個のノズルとを蛍光体インキの表面張力(メニスカス力)で架橋し、その後、複数のノズルから複数の溝に対して蛍光体インキを並行して吐出して蛍光体インキの表面張力による架橋を保ちながら、複数個のノズルを隔壁に沿って走査することによって、一度の走査で複数本の蛍光体層を形成することができ、架橋も容易に形成することができる。
【0042】
また、ノズルの走査時に蛍光体インキをノズルから低圧でゆっくり吐出させても、連続流を形成することができる。従って、ノズルをゆっくり走査しても、均一的な蛍光体層を形成することができる。
また、比較的高粘度の蛍光体インキや表面張力の大きい蛍光体インキを用いても連続流を形成することができるので、蛍光体インキの材料の選択幅が広がる。
【0043】
また、ノズルと溝の側面とに蛍光体インキを架橋することも可能であって、それによって蛍光体インキを溝の側面に付着させることも比較的容易にできる。
また、ノズルの走査時において、第1のプレートの溝の底とノズルとの間隔を、隔壁の高さ以下に保ちながら行えば、溝の側面へ蛍光体インキを付着させるのに更に効果がある。
【0044】
また、蛍光体インキを架橋するときには、ノズルの走査時よりもプレートとノズルとの間隔を小さくすれば、容易に架橋することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る交流面放電型PDPの概略断面図である。
【図2】 上記PDPの蛍光体層を形成する際に用いるインキ充填装置の概略構成図である。
【図3】 上記インキ充填装置の充填動作を示す斜視図である。
【図4】 蛍光体インキの架橋について説明するための図である。
【図5】 ノズルと溝の側面との間で蛍光体インキが架橋する様子を示す図である。
【図6】 実施の形態2において蛍光体インキを充填する様子を模式的に表わす断面図である。
【図7】 実施の形態3にかかる蛍光体インキの架橋方法を示す図である。
【符号の説明】
11 前面ガラス基板
12 放電電極
13 誘電体ガラス層
14 保護層
15 背面ガラス基板
16 アドレス電極
17 隔壁
18 蛍光体層
19 放電空間
20 インキ充填装置
21 サーバ
22 加圧ポンプ
23 ヘッダ
24 ノズル
170 溝部
170a 底面
170b 側面
231 インキ室

Claims (2)

  1. 表面に隔壁がストライプ状に形成された第1のプレートに対して、複数個のノズルから蛍光体インキを吐出しながら前記隔壁間の溝に充填することによって蛍光体層を形成する方法であって、
    前記第1プレートの端部に付着させた蛍光体インキに前記複数個のノズルを接触させて、前記第1のプレートの端部と前記複数個のノズルとを前記蛍光体インキの表面張力で架橋する架橋ステップと、
    前記架橋ステップで前記第1のプレートの端部と前記複数個のノズルとが架橋された後、当該複数個のノズルから複数の溝に対して並行して蛍光体インキを吐出して、当該蛍光体インキの表面張力による架橋を保ちながら当該複数個のノズルを前記隔壁に沿って走査する走査ステップとを含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの蛍光体層の形成方法。
  2. 表面に隔壁がストライプ状に形成された第1のプレートに対して、複数個のノズルから蛍光体インキを吐出しながら前記隔壁間の溝に充填することによって蛍光体層を形成するプラズマディスプレイパネルの蛍光体層形成装置であって、
    前記第1のプレートの端部に付着させた蛍光体インキに前記複数個のノズルを接触させて、前記第1のプレートの端部と前記複数個のノズルとを前記蛍光体インキの表面張力で架橋する架橋手段と、
    前記架橋手段によって前記第1のプレートの端部と前記複数個のノズルとが架橋された後、当該複数個のノズルから複数の溝に対して並行して前記蛍光体インキを吐出して、当該蛍光体インキの表面張力による架橋を保ちながら当該複数個のノズルを前記隔壁に沿って走査する走査手段とを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの蛍光体層形成装置。
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