JP3802804B2 - 扉の取付装置、並びに、扉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は扉を開口部に設置するための扉の取付装置、並びに、扉装置に関するものであり、特に設置位置を微調整可能な扉の取付装置、並びに、扉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、押入やクローゼットなどの開口部101を閉塞するために用いられる扉装置100には、図8に示すようなパネル体102,103を蝶番105により連結した折戸が採用されることが多い。扉装置100は、蝶番105を中心として折り畳むことが可能である。パネル体102は、上下両端にスライド軸106を有する。スライド軸106は、一部が開口部に設けられたレール107,108に収納されている。そのため、パネル体101は、扉装置100の開閉時にレール107,108に沿って所定の軌道で移動する。
【0003】
パネル体103は、図9に示すように天面110および底面111の釣元側に、開口部101に設けられた固定軸112と係合可能な取付装置113が取り付けられている。取付装置113は、略中心に固定軸112を挿通可能な貫通孔115を有する板材であり、4隅に下方に突出した脚部116を有する。取付装置113は、脚部116がパネル体の天面110および底面111側を向くように取り付けられている。パネル体103は、取付装置113の貫通孔115に固定軸112を挿通することで、開口部101の釣元側を中心として回動可能なように支持されている。
【0004】
扉装置100は、パネル体102に取り付けられた取っ手117を手前に引くと、パネル体102が釣元側を中心として回動し、それに連動してパネル体102がレール107,108に沿って釣元側に移動することで開状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の扉装置100は、あらかじめ所定の位置に取り付けられた取付装置113に、固定軸112を係合させることで所定の位置に設置される。しかし、扉装置100の設置施工後に、扉装置100と開口部101の側壁部118との間の隙間(チリ寸法)に狂いが生じた場合、再度扉装置100を取り外して取付装置113の取り付け位置を微調整せねばならず、作業効率が著しく低下する。また、扉装置100の取り付け時に、チリ寸法の微調整のために何度も取付装置113を付け外しすると扉装置100あるいは開口部101にネジ孔を多数設けることになる。ネジ孔を多数設けると外観が損なわれるばかりか、ネジ孔近辺の強度が低下してしまい、扉装置100の長期安定性も損なわれてしまう懸念がある。
【0006】
また、建て付けの悪い家屋等に扉装置100を取り付ける際は、開口部101や側壁部118が歪んでいることが多い。そのため、古い家屋等に扉装置100を設置する場合は、側壁部118の上端側と下端側とで、扉装置100と側壁部118とのチリ寸法が異なる場合が多く、扉装置100の取り付け施工がますます困難となる。
【0007】
そこで、本発明は、扉の設置後でも容易に設置位置を微調整できる施工性に優れた扉の取付装置、並びに、該取付装置を備えた扉装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、扉側又は扉が取り付けられる被固定側から突設した固定軸と係合し、扉を回動可能なように支持する扉の取付装置において、固定部材と、位置調整カムと、前記固定部材に対して一定の方向に摺動可能な摺動板と、固定部材と一体化される天板とを備え、位置調整カムには、軸孔が設けられており、該軸孔には回転させることができる軸が挿通されており、該軸の回転に連動して前記位置調整カムが偏心回動し、前記位置調整カムの回動に連動して前記摺動板が摺動し、前記摺動板はバネ板を介して固定部材と積層されており、摺動板は固定部材と天板との間で押圧力で挟持されていることを特徴とする扉の取付装置である。
【0009】
かかる構成によれば、位置調整カムを回動させれば摺動板が固定部材に対して一定の方向に摺動し、固定軸が挿通される軸孔も一定の方向に移動する。そのため、本発明の取付装置により扉を固定すれば、扉の取付施工後であっても扉や取付装置を取り外すことなく扉の取り付け位置を微調整し、チリ寸法を変更することができる。従って、前記取付装置を用いれば扉の取付施工が容易に行える。
また、軸が回転すると位置調整カムが所定の軌道で偏心回動するため、位置調整カムに連動する摺動板を容易かつ確実に摺動させることができる。よって、本発明の扉の取付装置によれば、扉を取り付けたままの状態でも容易かつ精度よくチリ寸法の調整ができる。
摺動板は、バネ板を介して積層され、固定部材と天板との間で適度な押圧力で挟持されているため、摺動板をスムーズに摺動できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、扉側又は扉が取り付けられる被固定側から突設した固定軸と係合し、扉を回動可能なように支持する扉の取付装置において、固定部材と、位置調整カムと、前記固定部材に対して一定の方向に摺動可能な摺動板と、固定部材と一体化される天板とを備え、位置調整カムには回転させることができる軸が設けられており、該軸の回転に連動して前記位置調整カムが偏心回動し、前記位置調整カムの回動に連動して前記摺動板が摺動し、前記摺動板はバネ板を介して固定部材と積層されており、摺動板は固定部材と天板との間で押圧力で挟持されていることを特徴とする扉の取付装置である。
【0011】
かかる構成によれば、軸が回転すると位置調整カムが所定の軌道で偏心回動するため、位置調整カムに連動する摺動板を容易かつ確実に摺動させることができる。よって、本発明の扉の取付装置によれば、扉を取り付けたままの状態でも容易かつ精度よくチリ寸法の調整ができる。
また、位置調整カムを回動させると、摺動板および固定軸挿通孔が一定の方向に移動する。そのため、本発明の取付装置を用いて扉を固定すれば、位置調整カムを回動させるだけで扉を所定の方向に移動でき、容易にチリ寸法の調整ができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、軸には、道具と係合する道具係合部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の扉の取付装置である。
【0013】
かかる構成によれば、軸の道具係合部にレンチ等の道具を係合させれば、位置調整カムを容易に回転させることができる。そのため、扉が設置される場所が狭かったり、扉が重く偏心軸に大きな力が作用しているなどして偏心軸を回転させることが困難な場合でも、道具を用いて扉の取り付け位置を調整できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、摺動板が位置調整カムを収納可能なカム作動孔と、固定軸と係合可能な固定軸挿通孔とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の扉の取付装置である。
【0015】
かかる構成によれば、カム作動孔内の位置調整カムを回動させると、摺動板および固定軸挿通孔が一定の方向に移動する。そのため、本発明の取付装置を用いて扉を固定すれば、位置調整カムを回動させるだけで扉を所定の方向に移動でき、容易にチリ寸法の調整ができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の扉の取付装置を扉の天面及び/又は底面に具備していることを特徴とする扉装置である。
【0017】
本発明の扉装置は、上記した扉の取付装置を具備しているため、扉装置の取り付け施工後であっても容易に取り付け位置の調整を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である扉装置を示す正面図である。また、図2は、図1のA部の拡大斜視図である。図3は、図1および図2に示す取付装置の分解斜視図である。図1において、1は扉装置である。また、図2,3において2は扉装置1の取付装置である。
【0019】
扉装置1は、クローゼットの開口部3(被固定側)に設置される折戸であり、取付装置2によって開口部3の釣元側面4側に取り付けられている。扉装置1は、2枚のパネル体5,6の天面7,8および底面10,11の突き合わせ側に蝶番12を取り付け、一体化したものである。パネル体5,6は、共に主要部が木材製であり、所定の大きさに成形されている。パネル体5の天面7および底面10の略中央部には、スライド軸18が設けられている。スライド軸18は軸20とローラ21とを有し、互いに相対回動可能である。また、スライド軸18は、ローラ21が開口部3の上端面13および下端面15に設けられたレール16,17内に収納されており、レール16,17に沿って自由に移動できる。そのため、パネル体5はスライド軸18を中心として姿勢を自由に変化でき、扉装置1の開閉時に所定の軌道を描いて移動する。
【0020】
パネル体6の天面8および底面11の釣元側には、図1,2に示すように取付装置2が固定されている。取付装置2は、図3に示すように底板25(固定部材)上にバネ板26を介して摺動板27が配置され、さらにその上部から天板28が被覆され、一体化されたものである。摺動板27に設けられたカム作動孔30には、偏心回動が可能なように位置調整カム31が収納されている。
【0021】
底板25は、両端が段状に折り曲げられて固定部32および中央部34が形成されている。固定部32の略中央には、ネジ挿通孔33が設けられている。また、ネジ挿通孔33の周囲には、バーリング加工によりフランジ部35が設けられている。底板25の中央部34には、長孔36と貫通孔37とが設けられている。長孔36は、中央部34の長手方向に長い貫通孔である。中央部34の端部には摺動板27の摺動方向を規制するガイド壁38(摺動方向規制手段)が設けられている。
【0022】
底板25の中央部34上には、バネ板26を介して摺動板27が積層されている。バネ板26は、底板25の中央部40と略同一の大きさであり、湾曲部41を有する。また、バネ板26には、底板25の中央部40に設けられた長孔36と貫通孔37に相当する位置に、長孔43と貫通孔45とが設けられている。また、貫通孔45の近傍には、湾曲部41と逆向きに突出した突起44が2つ設けられている。バネ板26は、湾曲部41が底板25側に向くように中央部40上に積層される。摺動板27は、カム作動孔30と固定軸挿通孔46とを有する。カム作動孔30は摺動板27の短手方向に長い長孔である。固定軸挿通孔46の周囲には、バーリング加工によりフランジ部47が設けられている。そのため、固定軸挿通孔46は、挿通された軸体を安定して支持できる。摺動板27は、フランジ部47が上方(天板28側)を向くようにバネ板26上に積層される。また、摺動板27は、バネ板26を介して積層されているため、底板25と天板28との間に適度な押圧力で挟持されており、摺動板27の長手方向にスムーズに摺動できる。
【0023】
カム作動孔30には、位置調整カム31が回動自在に収納されている。位置調整カム31の裏面には、バネ板26の突起44が当接している。そのため、位置調整カム31は、突起44によって天板28側に押圧されており、僅かな力では回動しないようになっている。位置調整カム31は円盤状の確動カムである。また、位置調整カム31は、直径が摺動板27のカム作動孔30の短径と略同一であり、摺動板27と同一の厚さを有する。位置調整カム31は、偏心した位置に後述する偏心軸48の係止軸部60を挿通可能な軸孔50を有する。軸孔50は、位置調整カム31と偏心軸48とが相対回転しないように偏心軸48の係止軸部60の断面形状と略相似形となっている。
【0024】
天板28は、底板25と同様に両端が段状に折り曲げられて固定部51および覆蓋部52が形成されている。固定部51の略中央には、底板25のフランジ部35が挿通可能な大きさのネジ挿通孔53が設けられている。ネジ挿通孔53に挿通されたフランジ部35は、天板28の上方からかしめられており、これにより天板28と底板25とが一体化されている。覆蓋部52には、底板25の長孔36と貫通孔37に相当する位置に、長孔55と貫通孔56とが設けられている。長孔55は、覆蓋部52の長尺方向に長い貫通孔であり、摺動板27のフランジ部47が内部を摺動可能な大きさを有する。
【0025】
偏心軸48は、軸頭部57(道具係合部)と軸部58と係止軸部60と固定軸部61とを有する。軸頭部57は平面視が六角形であり、レンチ等の道具が係合可能な形状である。よって、偏心軸48は、軸頭部57にレンチ等の道具を係合させれば容易に回転させることができる。軸頭部57は、天板28の貫通孔56よりも大径であり、貫通孔56を通過できない。軸部58は、天板28の貫通孔56に収まる大きさの軸体である。係止軸部60は、円筒体の一部が面取りされた形状をしており、断面形状が位置調整カム31の軸孔50と略相似形である。そのため、偏心軸48は、位置調整カム31に対して相対回転不能である。即ち、位置調整カム31は、偏心軸48と連動して偏心回転する。固定軸部61は、係止軸部60よりも小径の円筒体であり、底板25の貫通孔37を通過可能な大きさである。
【0026】
偏心軸48は、天板28の貫通孔56に上方から挿通され、位置調整カム31の軸孔50および底板25の貫通孔37を貫通している。偏心軸48の係止軸部60は、位置調整カム31の軸孔50に嵌合している。軸孔50は位置調整カム31の偏心位置に設けられた貫通孔であるため、偏心軸48が回転すると、位置調整カム31が係止軸部60を中心として偏心回転する。また、固定軸部61は、貫通孔37から底板25の裏面側に突出している。底板25の裏面から突出した固定軸部61は、固定座金62の孔63に挿通され、固定座金62の裏面側でかしめられている。そのため、偏心軸48は取付装置2から抜け落ちない。
【0027】
続いて、取付装置2を備えた扉装置1の取り付け施工方法および取付装置2の動作について順次説明する。
先ず、図1,2に示すように、取付装置2をパネル体6の天面8および底面11の釣元側に固定する。さらに詳細には、取付装置2を、底板25の固定部32が天面8あるいは底面11に面接するように配置し、ネジ挿通孔53の上方から木ねじ65をねじ込むことでパネル体6に固定する。
【0028】
一方、クローゼットの開口部3の上端面13および下端面15には、あらかじめ固定軸66,67を固定しておく。本実施形態で用いられる固定軸66は、本体部68と軸部70を有し、内部に図示しないバネが内蔵されている。よって固定軸66の軸部70は、図2の上下方向に移動可能であり、常時はバネの弾性力により下方に押し出され本体部68から突出している。固定軸67は、本体部71と本体部71に対して垂直方向に突出した軸部72とを有し、軸部72が上方に突出するように下端面15に固定されている。
【0029】
開口部3への固定軸66,67の取り付けが完了すると、パネル体6を床面に対して少し傾斜させた状態で移動し、底面11側に取り付けた取付装置2の固定軸挿通孔46に、固定軸67の軸部72を挿通する。この時、開口部3の上端面3に取り付けられた固定軸66の軸部70は、本体部68側に押し戻しておく。続いて、パネル体6の姿勢を床面に対してほぼ垂直に戻す。この時、本体部68側に押し戻されていた軸部70を開放し、下方に突出させると、本体部68から軸部70は、下方に突出し、やがてパネル体6の天面8に取り付けられた取付装置2の固定軸挿通孔46に滑り込む。固定軸挿通孔46に軸部70が滑り込むと、軸部70はさらに下方に突出し固定軸挿通孔46と完全に係合する。これにより、パネル体6は、固定軸66,67を支軸として回転可能に固定される。
【0030】
続いて、上記した手順で開口部3に取り付けられたパネル体6と開口部3の釣元側面4との間の隙間(チリ寸法)の調整を行う。先ず、パネル体6の天面8側からチリ寸法W1 の調整を行う。図2に示すように、パネル体6の天面8側に取り付けられた取付装置2と開口部3の上端面13との間に、レンチ75を挿入し、偏心軸48の軸頭部57に係合させる。レンチ75により偏心軸48を左右に回すと、それに連動して取付装置2内の位置調整カム31が回動し、摺動板27が取付装置2の幅方向に摺動する。さらに具体的には、レンチ75をパネル体6に対して右方向(図2,4中矢印R方向)に回転させると、図5に示すように位置調整カム31が摺動板27のカム作動孔30に周方向の一部で当接しながら偏心回動する。位置調整カム31が回動すると、摺動板27はそれに連動してガイド壁38により摺動方向が規制されながら右方向(図4中矢印A方向)に距離WA だけ押し動かされる。
【0031】
摺動板27が押し動かされると、固定軸挿通孔46も矢印A方向に移動する。取付装置2は、パネル体6に固定されており、固定軸挿通孔46に軸部70が挿通されている固定軸66は、開口部3の上端面に固定されている。そのため、摺動板27が摺動し、固定軸挿通孔46が矢印A方向に移動すると、パネル体6は固定軸66に対して矢印A方向、即ち開口部3の釣元側面4側に移動する。即ち、レンチ75などを用いて偏心軸48をパネル体6に向かって右方向(図2,4中矢印R方向)に回転させると、パネル体6は釣元側面4側に移動し、チリ寸法W1 が距離WA だけ小さくなる。
【0032】
一方、レンチ75をパネル体6に対して左方向(図2,5中矢印L方向)に回転させると、図5に示すように位置調整カム31が摺動板27のカム作動孔30に周方向の一部で当接しながら時計回りに偏心回動する。位置調整カム31が回動すると、摺動板27はガイド壁38により摺動方向が規制されながら左方向(図5中矢印B方向)に距離WB だけ押し動かされる。
【0033】
摺動板27が押し動かされると、固定軸挿通孔46も矢印B方向に移動し、パネル体6が開口部3の釣元側面4から離反する方向に移動する。即ち、レンチ75などを用いて偏心軸48をパネル体6に向かって左方向(図4,5中矢印L方向)に回転させると、パネル体6は釣元側面4から離れる方向に移動し、チリ寸法W1 が距離WB だけ大きくなる。
【0034】
上記した手順でパネル体6の天面8側のチリ寸法W1 の調整が完了すると、続いて、底面11側のチリ寸法W2 の調整を同様の手順で調整する。即ち、パネル体6の底面11側の取付装置2と開口部3の下端面15との間から、レンチ75を挿入し、偏心軸48を左右に回す。レンチ75をパネル体6に対して右方向に回転させると、パネル体6は釣元側面4側に移動し、チリ寸法W2 が距離WA だけ小さくなる。また、レンチ75をパネル体6に対して左方向に回転させると、パネル体6は釣元側面4から遠ざかり、チリ寸法W2 が距離WB だけ大きくなる。チリ寸法W1 ,W2 の調整が完了すると、パネル体6の取り付けが完了する。
【0035】
パネル体6の取り付けが完了すると、あらかじめスライド軸18を天面7および底面10に取り付けておいたパネル体5を、スライド軸18のローラ21をレール16,17に嵌め込むことでレール16,17の間に取り付ける。続いて、パネル体5とパネル体6とを蝶番12により連結すると、扉装置1の取付施工が完了する。
【0036】
上記したように、取付装置2を備えた扉装置1は、開口部3への取り付けが容易であり、さらに扉装置1と釣元側面4との間のチリ寸法を容易かつ精度よく調整できる。本実施形態の取付装置2を用いれば、扉装置1を取り付けたままの状態でもチリ寸法の調整ができるため、扉装置1の取り付け作業を効率よく行うことができる。
【0037】
本実施形態の取付装置2に内蔵されている位置調整カム31と位置調整カム31の偏心軸48とは別々の部材であるが、位置調整カム31は図6(a)に示すように偏心軸48が一体化されたものであってもよい。また、位置調整カム31に設けられた軸孔50は、偏心軸48の係止軸部60の断面形状と略相似形の貫通孔であるが、偏心軸48が位置調整カム31に対して相対回転不能な形状であればいかなる形状であってもよい。
【0038】
また、本実施形態において、位置調整カム31は、偏心軸48を中心として偏心回転し、位置調整カム31が摺動板27を押し動かすものであった。しかし、位置調整カムはこれに限定されるものではなく、図6(b)に示すような中心軸77と偏心軸78とを有する位置調整カム79であってもよい。中心軸77の軸心は、位置調整カム79の中心軸77と一致している。また、偏心軸78の軸心は、位置調整カム79の中心軸77から偏心している。そのため、位置調整カム79は、中心軸77を中心として回転すると、偏心軸78が位置調整カム79に対して偏心回転する。位置調整カム79を取付装置2に採用する場合、摺動板27と天板28との間あるいは摺動板27の下方に配置される。位置調整カム79は、偏心軸78が摺動板27側に向くように配置される。この場合、位置調整カム79を回転させると、偏心軸78が偏心回動し、上記した実施形態と同様に摺動板27を押し動かすことができ、パネル体6と釣元側面4とのチリ寸法を微調整できる。なお、上記した位置調整カム79を採用する場合は、偏心軸78の偏心回動時の軌道に合わせて貫通孔37,45,56およびカム作動孔30の形状を変更することが好ましい。さらに詳細には、位置調整カム79を摺動板27の上方に配置する場合には、カム作動孔30を、偏心軸78がちょうど摺動可能な大きさの長孔とし、貫通孔37,45をさらに拡大することが望ましい。また、位置調整カム79を摺動板27の下方に配置する場合には、カム作動孔30を偏心軸78がちょうど摺動可能な大きさの長孔とし、貫通孔45,56をさらに拡大することが望ましい。
【0039】
また、本実施形態の扉装置1は、天面8および底面11の双方に取付装置2が取り付けられているが、取付装置2は天面8あるいは底面11のいずれか一方のみに取り付けられていてもよい。かかる構成によれば、扉装置1と釣元側面4とのチリ寸法を容易かつ精度よく調整でき、さらに扉装置1をより一層安価に製造することができる。
【0040】
本実施形態の扉装置1は、天面8および底面11の双方に取付装置2が設けられているため、天面8側の隙間W1 と底面11側の隙間W2 の双方を調整可能である。そのため、扉装置1は、取り付けが容易であり、チリ寸法を精度よく調整することができる。
【0041】
上記した実施形態において、取付装置2は、パネル体6の天面8および底面11に固定され、開口部3に設けられた固定軸66,67と取付装置2の固定軸挿通孔46とを係合させることで、パネル体6を取り付けるものであった。しかし、図7に示すようにパネル体6が天面8および底面11に固定軸80を有する場合は、上記した取付装置2を開口部3の上端面3および下端面15に固定し、この取付装置2の固定軸挿通孔46に固定軸80を挿通すれば、容易に扉装置1を開口部3に取り付けることができ、チリ寸法を精度よく調整できる。
【0042】
【発明の効果】
上記したように、本発明の扉の取付装置および扉装置は、クローゼットなどの開口部への取り付け施工を容易に行うことができる。また、前記取付装置および扉装置によれば、扉装置の取り付け後であっても、扉装置や取付装置を取り外すことなく取り付け位置の微調整ができる。そのため、本発明の取付装置および扉装置は、取り付け施工性に優れ、取り付け位置を精度よく調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である扉装置を示す平面図である。
【図2】 図1のA部拡大斜視図である。
【図3】 本発明の一実施形態である取付装置の分解斜視図である。
【図4】 本発明の一実施形態である取付装置の動作を示す模式図であり、(a)は動作の第1段階、(b)は動作の第2段階、(c)は動作の第3段階を示す。
【図5】 本発明の一実施形態である取付装置の動作を示す模式図であり、(a)は動作の第1段階、(b)は動作の第2段階、(c)は動作の第3段階を示す。
【図6】 (a)は、本発明の取付装置が具備する位置調整カムの変形実施例を示す斜視図であり、(b)は位置調整カムのさらに別の変形実施例を示す斜視図である。
【図7】 本発明の扉の取付装置および扉装置の変形実施形態を示す斜視図である。
【図8】 従来の扉装置を示す平面図である。
【図9】 図8のA部拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 扉装置
2 取付装置
3 開口部(被固定側)
8 天面
11 底面
25 底板(固定部材)
27 摺動板
31,79 位置調整カム
48,78 偏心軸
50 軸孔
57 軸頭部(道具係合部)
66,67 固定軸
Claims (5)
- 扉側又は扉が取り付けられる被固定側から突設した固定軸と係合し、扉を回動可能なように支持する扉の取付装置において、固定部材と、位置調整カムと、前記固定部材に対して一定の方向に摺動可能な摺動板と、固定部材と一体化される天板とを備え、位置調整カムには、軸孔が設けられており、該軸孔には回転させることができる軸が挿通されており、該軸の回転に連動して前記位置調整カムが偏心回動し、前記位置調整カムの回動に連動して前記摺動板が摺動し、前記摺動板はバネ板を介して固定部材と積層されており、摺動板は固定部材と天板との間で押圧力で挟持されていることを特徴とする扉の取付装置。
- 扉側又は扉が取り付けられる被固定側から突設した固定軸と係合し、扉を回動可能なように支持する扉の取付装置において、固定部材と、位置調整カムと、前記固定部材に対して一定の方向に摺動可能な摺動板と、固定部材と一体化される天板とを備え、
位置調整カムには回転させることができる軸が設けられており、該軸の回転に連動して前記位置調整カムが偏心回動し、前記位置調整カムの回動に連動して前記摺動板が摺動し、前記摺動板はバネ板を介して固定部材と積層されており、摺動板は固定部材と天板との間で押圧力で挟持されていることを特徴とする扉の取付装置。 - 前記軸には、道具と係合する道具係合部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の扉の取付装置。
- 摺動板は、位置調整カムを収納可能なカム作動孔と、固定軸と係合する固定軸挿通孔とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の扉の取付装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の扉の取付装置を扉の天面及び/又は底面に具備していることを特徴とする扉装置。
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