JP3801981B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿に対して光源が走査され、該原稿からの反射光が、キャリッジに支持された反射ミラーを介して結像ユニットへ導かれることにより原稿の画像を読み取る画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピー機、ファックス機、スキャナ等には、コンタクトガラスの下方において光源及び反射ミラー等を移動して原稿に対して光を照射し、原稿からの反射光をCCD等の結像ユニットに導くことにより前記原稿の画像読取りを行う画像読取装置を具備するものがある。図8は、従来の画像読取装置70の一例を示す概略縦断面図であり、図に示すように、該画像読取装置70は、原稿に光を照射して、該原稿からの反射光を所定方向へと導くフルレートキャリッジ71と、該フルレートキャリッジ71からの反射光を所定方向へと導くハーフレートキャリッジ72と、該ハーフレートキャリッジ72からの反射光を電気信号に変換する結像ユニット73と、フルレートキャリッジ71及びハーフレートキャリッジ72の両端部を夫々担持するガイドレール74と、フルレートキャリッジ71及びハーフレートキャリッジ72を移動するためのベルト駆動機構75とを具備してなるものである。
【0003】
前記ハーフレートキャリッジ72は、フルレートキャリッジ71からの反射光を所定方向へと導くための反射ミラー72a,72bと、該反射ミラー72a,72bを両端部において夫々支持する一対の反射ミラー支持フレーム72cと、反射ミラー支持フレーム72cを互いに接続するための接続フレーム72dと、ガイドレール74に沿って移動されるキャリアフレーム72eとが組み合わされてなるものである。
【0004】
前記ベルト駆動機構75は、フルレートキャリッジ71を移動するための第1ベルト駆動機構75aと、ハーフレートキャリッジ72を移動するための第2ベルト駆動機構75bとを備えてなるものであり、前記第1ベルト駆動機構75aは、走査方向下流側に設けられた第1駆動プーリ76と、上流側に設けられた第1従動プーリ77と、第1駆動プーリ76と第1従動プーリ77との間に張設された第1ベルト78とを有し、前記第2ベルト駆動機構75bは、走査方向下流側に設けられた第2駆動プーリ79と、上流側に設けられた第2従動プーリ80と、第2駆動プーリ79と第2従動プーリ80との間に張設された第2ベルト81とを有している。また、第1駆動プーリ76及び第2駆動プーリ79は、図示しないモータによって回転駆動される駆動軸82に固定され、第1従動プーリ77及び第2従動プーリ80は、固定軸83に回転可能に支持されている。
【0005】
本画像読取装置70では、ハーフレートキャリッジ72のキャリアフレーム72eと第1従動プーリ77とが干渉することを回避するために、図8に示すように、第1従動プーリ77は、ハーフレートキャリッジ72の移動範囲の外側、すなわち、ハーフレートキャリッジ72の移動範囲の最端位置Sよりも走査方向上流側に配置されている。しかし、この場合、画像読取装置70の装置幅が増大するという問題が生じる。
【0006】
そこで、装置幅を増大させることなく前記干渉を回避するために、図9に示す画像読取装置90では、第1従動プーリ77をハーフレートキャリッジ72の移動範囲内に配置するとともに、ハーフレートキャリッジ72のキャリアフレーム72eにおいて第1従動プーリ77と干渉を生ずる部分に切欠部91が形成されている。(特許文献1参照)なお、図9において、画像読取装置70と同一の構成については同一の符号を付し、ここでは詳細な説明は省略する。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−144897号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記画像読取装置90においては、前記切欠部91が形成されているために、ハーフレートキャリッジ72のキャリアフレーム72eの強度が低下し、反射ミラー72a,72bの重み等によりハーフレートキャリッジ72に歪みが生じて反射ミラー72a,72bの位置、角度に狂いが生じ、画像読取装置90の読取精度が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、原稿に対して光源が走査され、該原稿からの反射光が、キャリッジに支持された反射ミラーを介して結像ユニットへ導かれることにより原稿の画像を読み取る画像読取装置において、画像読取装置の装置幅の増大を防止して、画像読取装置の設置に際して省スペース化を図るとともに、ハーフレートキャリッジの強度を向上させて画像読取装置の読取り精度を良好に保つことができる手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1駆動プーリと第1従動プーリとの間に張設された第1牽状体により移動され、原稿に対して光を照射し、該原稿からの反射光を所定方向へと導く第1走査体と、第2駆動プーリと第2従動プーリとの間に張設された第2牽状体により移動され、前記第1走査体から受け取った前記反射光を結像手段へと導く第2走査体とを具備してなる画像読取装置であって、前記第1従動プーリの径前記第1駆動プーリの径より小さく、且つ、前記第2走査体に、前記第1従動プーリとの干渉を回避するための切欠部が形成されたものである。これにより、前記切欠部を従来よりも小さくすることが可能となり、第2走査体の強度が高められる。なお、本発明においてプーリの径とはプーリの外形における径をいう。
【0011】
また、本発明は、前記第1従動プーリが、第1牽状体の第1走査体固定側が水平となるように配置されたものである。これにより、第1走査体を水平に移動させることができ、ガイドレールとの接触圧を一定とすることができる。
【0012】
また、本発明は、前記第1従動プーリが、前記第2走査体の移動範囲の最端位置に配置されたものである。これにより、前記切欠部を一層小さくすることができ、第2走査体の強度がより高められる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る画像読取装置100について図面に基づいて説明する。図1は、画像読取装置100の本体フレーム1及び原稿押圧板2の縦断面の概略構成を示す概略断面図である。本画像読取装置100は、本体フレーム1に設けられたフラットベッドスキャナ(以下「FBS」という。)と、原稿押圧板2に設けられたオートドキュメントフィーダー(以下「ADF」という。)とから構成されるものである。前記FBSは、厚みのある原稿等を読み取る場合に用いられるものであり、本体フレーム1のコンタクトガラス3上に載置された原稿の表面の画像が読取ユニット4により読み取られるものとなっている。一方、前記ADFは、シート状原稿を読み取る場合に用いられるものであり、給紙トレイ5にセットされた原稿が最上紙から1枚づつ分離して搬送路6へ送られ、該原稿の表面の画像が読取ユニット4により読み取られ、裏面の画像が読取ユニット7により読み取られ、排紙トレイ8へ排出される構成となっている。
【0015】
即ち、前記読取ユニット4は、FBS及びADF双方の読取ユニットとして用いられるものであり、FBSにより原稿を読み取る際には、コンタクトガラス3の下方を水平方向に移動して原稿を読み取り、ADFにより原稿を読み取る際にはスリットガラス9の下方へと移動して、搬送路6を搬送されてスリットガラス9の直上を通過する原稿の画像を順次読み取るものとなっている。
【0016】
前記読取ユニット4は、図1に示すように、コンタクトガラス3の下方において、原稿の読取面と平行方向に移動されるフルレートキャリッジ(第1走査体)101及びハーフレートキャリッジ(第2走査体)102と、原稿からの反射光を電気信号に変換する結像ユニット(結像手段)103と、フルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102の両端部を夫々支持し、且つこれらを走査方向に案内するガイドレール104と、フルレートキャリッジ101に駆動力を伝達するための第1ベルト駆動機構105と、ハーフレートキャリッジ102に駆動力を伝達するための第2ベルト駆動機構106とを具備してなるものである。また、第1ベルト駆動機構105は、第1駆動プーリ107、第1従動プーリ108及び第1ベルト(第1牽状体)109を備えるものであり、第1従動プーリ108は、第1駆動プーリ107の半分の大きさの径を有し、且つ、第1従動プーリ108が、ハーフレートキャリッジ102の移動範囲の最端位置Sに配置されたものである。以下、各構成についてさらに詳細に説明する。
【0017】
前記フルレートキャリッジ101は、キャリッジ本体10に、原稿に光を照射するための光源101aと、原稿からの反射光を走査方向へ反射してハーフレートキャリッジ102へ導くための反射ミラー101bとを具備してなり、前記ハーフレートキャリッジ102は、キャリッジ本体20に、フルレートキャリッジ101からの反射光を結像ユニット103へ導く2枚の反射ミラー102a,102bを具備してなるものである。また、結像ユニット103は、ハーフレートキャリッジ102からの反射光を収束する収束レンズ103aと、その収束光を電気信号に変換する電荷結合素子(Charge Coupled Device、以下「CCD」という。)103bとを備えてなる所謂CCDイメージセンサである。
【0018】
前記フルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102がコンタクトガラス3の下方を原稿と平行に移動して原稿の画像をスキャンし、フルレートキャリッジ101の光源101aから原稿に光が照射され、該原稿からの反射光R1が反射ミラー101bにより水平方向の反射光R2として反射され、さらに、ハーフレートキャリッジ102の反射ミラー102aにより鉛直下方へ反射された後、反射ミラー102bにより水平方向の反射光R3として反射されることにより、結像ユニット103へ導かれて、CCD103bにより結像するものとなっている。
【0019】
図2は、前記ハーフレートキャリッジ102の詳細な構成を示す分解斜視図である。図に示すように、ハーフレートキャリッジ102のキャリッジ本体20は、反射ミラー102a,102bを固定するための左右一対の反射ミラー支持フレーム30と、各反射ミラー支持フレーム30の一方の縁部30Rに夫々挟入され、前記ガイドレール104に沿って移動されるキャリアフレーム40と、左右の反射ミラー支持フレーム30をその他方の縁部30Lにおいて互いに接続する接続フレーム50とが組み合わされてなるものである。
【0020】
図3は、図2の反射ミラー支持フレーム30の一方について拡大した図である。図に示すように、反射ミラー支持フレーム30は、薄板材に、2つの反射ミラー支持孔300,301、キャリアフレーム挟入孔302、及び接続フレーム挟入孔303a,303bが夫々形成されたものである。また、接続フレーム挟入孔303a,303bが設けられている側の縁部30Lには、反射ミラー支持フレーム30と90°の角度だけ折り曲げてなる補強用屈曲部304が形成されており、反射ミラー支持フレーム30の強度が増強されている。
【0021】
さらに詳細に説明するに、反射ミラー支持フレーム30には、略矩形の反射ミラー支持孔300,301が穿設されており、該反射ミラー支持孔300,301は、夫々が水平方向に対して45°の角度をなすことによりハの字状に形成されている。反射ミラー支持孔300には、前記反射ミラー102aの一端が挿入され、反射ミラー支持孔301には、前記反射ミラー102bの一端が挿入される。各反射ミラー支持孔300,301は、反射ミラー102a,102bの縦断面より若干大きいものであり、反射ミラー102a,102bの反射面を支持する側の2箇所には、半円状に膨出する突片305が形成され、該突片によって反射ミラー102a,102bの反射面の位置が規制されるようになっている。また、図2に示すように、反射ミラー102a,102bを反射ミラー支持フレーム30に固定するために止具60が用いられており、該止具60の取り扱いの便宜のために、図3に示すように、各反射ミラー支持孔300,301において、突片305が形成された反対側の中央付近には反射ミラー102a,102bの厚み方向に切欠部306が夫々形成されている。
【0022】
また、反射ミラー支持フレーム30の一方の縁部30Rには、スリット状のキャリアフレーム挟入孔302が切欠されている。該キャリアフレーム挟入孔302の幅は、前記キャリアフレーム40の薄板材の厚みより大きく、その内周縁の2箇所に、内方へ半円状に膨出する突片305が上下方向に対向して形成されている。一対の突片305間の距離は、前記キャリアフレーム40の薄板材の厚みと同等或いは若干狭く、該突片間でキャリアフレーム40を挟入するようになっている。
【0023】
さらに、反射ミラー支持フレーム30の他方の縁部30Lには、スリット状の接続フレーム挟入孔303a,303bが上下2段に切欠されている。上段の接続フレーム挟入孔303aと下段の接続フレーム挟入孔303bは互いに平行し、上段の接続フレーム挟入孔303aは、反射ミラー支持孔300まで達しないよう、下段の接続フレーム挟入孔303bより浅いものとなっている。また、接続フレーム挟入孔303a,303bの夫々には、その内周縁にキャリアフレーム挟入孔302と同様の突片305が形成されており、各突片305間で接続フレーム50を挟入するようになっている。
【0024】
前記キャリアフレーム40は、図2に示すように、反射ミラー支持フレーム30と組み合わされた際に反射ミラー102a,102bの光路となる位置が凹欠された平面視が略コの字状の平板であり、薄板材を打ち抜き及び曲折加工して形成されたものである。その周縁部は夫々下方に曲折されて補強用屈曲部400が設けられることによりキャリアフレーム40の強度が高められており、略コの字状の内周端には、前記反射ミラー支持フレーム30を取り付けるための切欠部401が夫々設けられている。該切欠部401により、反射ミラー支持フレーム30には薄板材の垂直断面が露呈され、反射ミラー支持フレーム30がキャリアフレーム40を厚み方向で挟入するようにして嵌合できるようになっている。さらに、各切欠部401には、略鉛直に起立したブランケット402が夫々形成されており、各ブランケット402にはネジ挿通孔403が穿設されている。該ブランケット402は、反射ミラー支持フレーム30の側面と外接して、反射ミラー支持フレーム30の嵌合位置を規制し、そのネジ挿通孔403に挿通されたネジ(不図示)により反射ミラー支持フレーム30が固定されるようになっている。
【0025】
また、キャリアフレーム40の長手方向両端部には、切欠部404が形成されており、図4は、該切欠部404近傍を拡大した図である。図に示すように、該切欠部404は、キャリアフレーム40の両端部において、走査方向上流側の角部40Cを矩形に切り落とすことによって形成されるものである。切欠部404の領域の大きさは、第1従動プーリ108との干渉を回避するために必要最小限の大きさとすることが好適であり、もちろん、第1従動プーリ108の径及び厚みに応じてその大きさを適宜変更することが可能である。また、切欠部404の形状は矩形に限られず、他の形状であっても構わない。
【0026】
図5は、読取ユニット4の各構成要素の位置関係を示す概略平面図である。図に示すように、キャリアフレーム40に前記切欠部404が形成されることにより、ハーフレートキャリッジ102がその移動範囲の最端位置Sに位置する場合に、キャリアフレーム40と第1従動プーリ108が干渉することを回避できるようになっている。ここで、図に示す一点鎖線は、第1従動プーリ108が第1駆動プーリ107と同じ大きさの径を有する場合に、前記干渉を回避するために、ハーフレートキャリッジ102のキャリアフレーム40に設けられる切欠部404の必要最小限の大きさを示している。これと比較して本実施形態では、第1従動プーリ108の径を第1駆動プーリ107の径の半分の大きさとし、また、第1従動プーリ108の最も上流側の点108aが、ハーフレートキャリッジ102の移動範囲の最端位置Sに位置するように、第1従動プーリ108を配置したことにより、従来より切欠部404を走査方向に小さくすることができる。これにより、キャリアフレーム40に切欠部404を形成するときに、その周縁部に設けられた前記補強用屈曲部400を切り落とすことに起因して生じるキャリアフレーム40の強度低下を低減することができる。
【0027】
前記接続フレーム50は、図2に示すように、上折曲げ部500と下折曲げ部501を有する縦断面が略コの字状の部材であり、薄板材を曲折加工して形成されたものである。該接続フレーム50は、その長手方向端部50Eの夫々において、上折曲げ部500が前記反射ミラー支持フレーム30における上段の接続フレーム挟入孔303aに挟入され、下折曲げ部501が下段の接続フレーム挟入孔303bに挟入されることにより、一対の反射ミラー支持フレーム30を互いに接続するものである。左右一対の反射ミラー支持フレーム30は、その一方の縁部30Rに前記キャリアフレーム40の長手方向一端部が夫々挟入され、他方の縁部30Lにおいて接続フレーム50によって接続されることにより、所定の間隔をおいて互いに平行して配置された状態に保たれる。これにより、反射ミラー102a,102bの位置及び角度が一定に保持されている。
【0028】
前記第1ベルト駆動機構105は、図5に示すように、走査方向下流側に配置された第1駆動プーリ107と、上流側に配置された第1従動プーリ108と、第1駆動プーリ107と第1従動プーリ108の間に張設され、その内側面に所定ピッチで歯が設けられた第1ベルト109とを有するものであり、該第1ベルト109の所定位置にフルレートキャリッジ101が固定されることにより、フルレートキャリッジ101を移動するものである。また、前記第2ベルト駆動機構106は、走査方向下流側に配置された第2駆動プーリ110と、上流側に配置された第2従動プーリ111と、第2駆動プーリ110と第2従動プーリ111の間に張設され、その内側面に所定ピッチで歯が設けられた第2ベルト(第2牽状体)112とを有するものであり、該第2ベルト112の所定位置にハーフレートキャリッジ102が固定されることにより、ハーフレートキャリッジ102を移動するものである。なお、第1牽状体及び第2牽状体としては、ベルトに限られず、ワイヤ等を用いることも可能である。
【0029】
前記第1駆動プーリ107は、一対の前記ガイドレール104夫々の内方に配置され、モータ113によって回転駆動される駆動軸114に固定されている。前記第1ベルト109の移動速度、すなわちフルレートキャリッジ101の走査方向への移動速度は、該第1駆動プーリ107の内径の大きさによって決定されるものであり、本実施形態では、第1駆動プーリ107は径d、及び内径d’を有するものである。また、図に詳細は示さないが、該第1駆動プーリ107のベルト掛け部107aには、前記第1ベルト109と同じピッチで歯が設けられており、前記第1ベルト109の歯と噛み合うようになっている。
【0030】
前記第1従動プーリ108は、前記ガイドレール104夫々の内方に配置され、固定軸115によって回転自在に支持されている。図6は、図1における第1従動プーリ108及び第2従動プーリ111近傍を拡大した図であり、図中の一点鎖線は、移動範囲の最端位置Sに位置する時のハーフレートキャリッジ102の外形を示している。本実施形態では、第1従動プーリ108の径を、第1駆動プーリ107の径の半分であるd/2としている。これにより、ハーフレートキャリッジ102のキャリアフレーム40において、第1従動プーリ108と干渉する領域を従来より小さくして、前記切欠部404を小さくすることができる。第1従動プーリ108の径は、少なくとも第1駆動プーリ107の径より小さいものであるが、ハーフレートキャリッジ102の強度を向上させるには、できるだけ小さくすることが好ましい。一方、第1従動プーリ108の径を小さくしすぎると、ベルトの歯がプーリの側部に接触してノイズが発生する、所謂多角形現象が生じ易く、画像読取装置100の読取精度が低下することがある。従って、第1従動プーリ108の径は、第1駆動プーリ107の径の略半分程度の大きさとすることが好適である。
【0031】
さらに、第1従動プーリ108は、ハーフレートキャリッジ102の移動範囲の最端位置Sに配置されている。すなわち、第1従動プーリ108の最も上流側の点108aが、ハーフレートキャリッジ102の移動範囲の最端位置Sに位置するように配置されている。これにより、ハーフレートキャリッジ102のキャリアフレーム40において、第1従動プーリ108と干渉する領域をさらに小さくして、前記切欠部404を小さくすることができる。ここで、ハーフレートキャリッジ102の移動範囲の最端位置Sとは、ADF使用時におけるハーフレートキャリッジ102の待機位置を意味している。図7は、ADF使用時におけるフルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102を示す図であり、フルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102は、スリットガラス9の下方において待機して、搬送路6を搬送される原稿がスリットガラス9の直上を通過する時に、原稿の表面の画像を読み取るものとなっている。この位置にあるハーフレートキャリッジ102における最も上流側の位置を、ハーフレートキャリッジ102の移動範囲の最端位置Sとしている。なお、画像読取装置100がFBSのみで構成される場合には、前記最端位置Sを、コンタクトガラス3の端部近傍の位置とすることも可能である。また、第1従動プーリ108はフルレートキャリッジ101の移動範囲内に納められているので、装置幅が増大することもない。なお、前記多角形現象の発生を防止して、画像読取装置100の読取精度を良好に保つために、第1従動プーリ108のベルト掛け部108bには歯を設けないことが好ましい。
【0032】
また、第1従動プーリ108は、第1ベルト109のフルレートキャリッジ101固定側が水平となるように配置されている。第1従動プーリ108の径を第1駆動プーリ107の径の半分の大きさとしたことにより、駆動軸114と固定軸115とが同じ高さとなるように第1従動プーリ108を配置すれば、第1ベルト109が傾斜し、フルレートキャリッジ101が水平に移動されず、フルレートキャリッジ101の移動範囲において、フルレートキャリッジ101と前記ガイドレール104との接触圧にばらつきが生じることになる。これにより、フルレートキャリッジ101に滑りが生じて画像読取装置100の読取精度が低下するという問題が発生する。従って、第1ベルト109のフルレートキャリッジ101固定側が水平となるように第1従動プーリ108を配置することにより、フルレートキャリッジ101とガイドレール104との接触圧を一定に保ち、フルレートキャリッジ101の滑りを防止することにより、画像読取装置100の読取精度を良好に保つことができる。
【0033】
一方、前記第2ベルト駆動機構106の第2駆動プーリ110は、図5に示すように、第1駆動プーリ107の内径の半分の大きさである内径d’/2を有するものであり、第1駆動プーリ107の内方に配置され、第1駆動プーリ107が固定された前記駆動軸114に固定されている。これにより、前記第2ベルト112の移動速度、すなわちハーフレートキャリッジ102の走査方向への移動速度は、第1ベルト109の移動速度、すなわちフルレートキャリッジ101の移動速度の半分となっている。また、図に詳細は示さないが、該第2駆動プーリ110のベルト掛け部110aには、前記第2ベルト112と同じピッチで歯が設けられており、前記第2ベルト112の歯と噛み合うようになっている。また、本実施形態では、第2駆動プーリ110を第1駆動プーリ107と同一の駆動軸114によって駆動しているが、第1駆動プーリ107とは別の駆動軸によって駆動するものとしてもよい。
【0034】
前記第2従動プーリ111は、第1従動プーリ108と同じ大きさの径d/2を有するものであり、第1従動プーリ108の内方に配置され、第1従動プーリ108が支持される前記固定軸115とは別の固定軸116によって回転自在に支持されている。また、図1に示すように、第2従動プーリ111は、第2ベルト112が水平となるように配置されている。これにより、ハーフレートキャリッジ102と前記ガイドレール104との接触圧を一定に保ち、ハーフレートキャリッジ102に滑りが生じることを防止して、画像読取装置100の読取精度を良好に保つことができる。また、第2従動プーリ111のベルト掛け部111aには、第1従動プーリ108のベルト掛け部108aと同様の理由から、歯を設けないことが好ましい。
【0035】
前記ガイドレール104は、図5に示すように、フルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102の両端部に一対設けられており、該両端部を夫々摺動可能に担持することにより、フルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102を夫々走査方向へ案内するものとなっている。ガイドレール104の上端部には、走査方向の略全域に渡って、フルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102を担持する担持部117が設けられている。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像読取装置によれば、第1駆動プーリと第1従動プーリとの間に張設された第1牽状体により移動され、原稿に対して光を照射し、該原稿からの反射光を所定方向へと導く第1走査体と、第2駆動プーリと第2従動プーリとの間に張設された第2牽状体により移動され、第1走査体から受け取った反射光を結像手段へと導く第2走査体とを具備してなる画像読取装置において、前記第1従動プーリの径を前記第1駆動プーリの径より小さくしたことにより、第2走査体において第1従動プーリと干渉を生じる領域が小さくなる。従って、第1従動プーリとの干渉を回避すべく第2走査体に形成される切欠部を従来よりも小さくすることができ、第2走査体の強度を従来よりも向上させることが可能となる。これにより、第2走査体の歪みに起因した画像読取装置の読取精度の低下を防止することができる。
【0037】
また、本発明によれば、前記第1従動プーリが、前記第1牽状体の第1走査体固定側が水平となるように配置されたことにより、第2走査体とガイドレールとの間の接触圧を一定に保つことができる。これにより、第2走査体に滑りが生じることを防止し、画像読取装置の読取精度を良好に維持することができる。
【0038】
また、本発明によれば、前記第1従動プーリが、前記第2走査体の移動範囲の最端位置に配置されたことにより、第2走査体において第1従動プーリと干渉を生じる領域をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取装置100の内部構造を示す概略断面図である。
【図2】ハーフレートキャリッジ102の詳細な構成を示す分解斜視図である。
【図3】図2の反射ミラー支持フレーム30について拡大した図である。
【図4】キャリアフレーム40の切欠部404近傍を拡大した図である
【図5】画像読取装置100の各構成要素の位置関係を示す概略平面図である。
【図6】第1従動プーリ108及び第2従動プーリ111近傍を拡大した図である。
【図7】ADF使用時におけるフルレートキャリッジ101及びハーフレートキャリッジ102を示す図である。
【図8】従来の画像読取装置70の内部構造を示す概略断面図である。
【図9】従来の画像読取装置90を示す概略平面図である。
【符号の説明】
100 画像読取装置
101 フルレートキャリッジ(第1走査体)
102 ハーフレートキャリッジ(第2走査体)
103 結像ユニット(結像手段)
107 第1駆動プーリ
108 第1従動プーリ
109 第1ベルト(第1牽状体)
110 第2駆動プーリ
111 第2従動プーリ
112 第2ベルト(第2牽状体)
S 最端位置

Claims (3)

  1. 第1駆動プーリと第1従動プーリとの間に張設された第1牽状体により移動され、原稿に対して光を照射し、該原稿からの反射光を所定方向へと導く第1走査体と、
    第2駆動プーリと第2従動プーリとの間に張設された第2牽状体により移動され、前記第1走査体から受け取った前記反射光を結像手段へと導く第2走査体とを具備してなる画像読取装置であって、
    前記第1従動プーリの径前記第1駆動プーリの径より小さく、且つ、前記第2走査体に、前記第1従動プーリとの干渉を回避するための切欠部が形成されたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記第1従動プーリが、前記第1牽状体の第1走査体固定側が水平となるように配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記第1従動プーリが、前記第2走査体の移動範囲の最端位置に配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
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