JP3801841B2 - 内燃機関の燃料制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リニア空燃比センサを用いて運転状態に応じた燃料量を内燃機関に供給する内燃機関の燃料制御装置に関し、特に目標空燃比の違いによらず燃料系の故障を正確に判定することのできる内燃機関の燃料制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関の燃料制御装置においては、各種センサからの運転状態情報に応じて目標空燃比を設定し、実際の空燃比が目標空燃比と一致するように燃料噴射量が補正制御されている。
【0003】
また、従来の内燃機関の燃料制御装置においては、排気管内において理論空燃比を検出する空燃比センサ(通常、酸素センサと称される)が用いられているが、各種センサや燃料供給系を構成する各種部品のバラツキなどにより、実空撚比が必ずしも目標空燃比に一致するとは限らない。
【0004】
そこで、理論空燃比以外の実空撚比を計測可能なリニア空燃比センサを用いて、実空撚比が目標空燃比と一致するようにフィードバック制御するようにした内燃機関の燃料制御装置が提案されている。
図17はリニア空燃比センサを用いた従来の内燃機関の燃料制御装置を概略的に示す構成図である。
【0005】
図17において、内燃機関の本体を構成するエンジン1の吸気管2内には、吸気量を調節するスロットル弁3が設けられており、スロットル弁3には、スロットル弁3の開度θを計測するスロットル開度センサ4が連結されている。
【0006】
吸気管2内のスロットル弁3の下流側には、吸気管2内の絶対圧力Pを計測する圧力センサ5と、所要量の燃料を噴射するためのインジェクタ6とが設けられている。
【0007】
エンジン1の各気筒の燃焼室7は、シリンダブロック8と、シリンダブロック内で往復するピストン9とにより形成されている。
燃焼室7には、点火プラグ10、吸気弁11および排気弁12が設けられている。
【0008】
燃焼室7は排気管13へと接続されており、排気管13内には実空燃比AFrを計測するリニア空燃比センサ14が設置されている。
エンジン1の運転状態を示す各センサ4、5および9の検出情報(スロットル開度θ、絶対圧力Pおよび実空燃比AFr)は、制御回路20に入力される。
【0009】
制御回路20は周知のデジタルコンピュータからなり、ここでは図示しないが、双方向性バスを介して相互に接続されたRAM、ROM、CPU、入力ポートおよび出力ポートなどを備えている。
【0010】
制御回路20は、運転状態に応じた目標空燃比により燃料量を補正する空燃比補正手段と、運転状態に応じてエンジン1の空燃比フィードバックの制御条件を決定するフィードバック制御条件決定手段と、制御条件が許可された場合に、実空燃比AFrを目標空燃比に一致させるためのフィードバック制御手段とを含み、運転状態および実空燃比AFrに基づいてインジェクタ6を制御する。
【0011】
制御回路20の入力ポートには、圧力センサ5、リニア空燃比センサ14およびスロットル開度センサ4のみならず、図示されない他の各種センサ(エンジン回転数を検出する回転センサおよび酸素センサなど)が接続されている。
【0012】
制御回路20は、上記各種入力情報(運転状態)を処理することにより、エンジン1を制御するために必要な情報を得るとともに、出力ポートを介して、インジェクタ6の噴射信号Jおよび点火プラグ10の点火信号Gのみならず、図示されない他の各種アクチュエータの駆動制御信号を出力する。
【0013】
次に、図17に示した従来の内燃機関の燃料制御装置による具体的な動作について説明する。
まず、制御回路20は、各種センサからの運転状態情報に基づいて目標空燃比および目標点火時期を演算し、噴射信号Jおよび点火信号Gを出力する。
【0014】
すなわち、噴射信号Jにより、エンジン1の吸気行程直前にインジェクタ6を駆動して燃料を噴射させ、スロットル弁3の開放時に吸気と混合した燃料を燃焼室7に吸入させ、燃焼室7内に混合気を一様に充満させる。
【0015】
続いて、点火信号Gにより、エンジン1の圧縮行程付近で点火プラグ10を駆動して燃焼室7内の混合気を点火し、エンジン1の燃焼を行う。
【0016】
また、エンジン1の運転状態に応じて、空燃比フィードバックの制御条件が成立した場合に、フィードバック制御手段による空燃比フィードバック制御へと移行する。
【0017】
これにより、エンジン1は、排気管13内に取り付けられたリニア空燃比センサ14の検出値(実空燃比AFr)に基づいて、実空燃比AFrが目標空燃比と一致するようにフィードバック制御される。
【0018】
また、エンジン1の空撚比を目標値に制御することにより、排気管13に配置されている排気ガス浄化用の触媒コンバータ(図示せず)は、排気ガスを十分に浄化することができる。
【0019】
しかしながら、たとえば吸気管2に穴があいたなどの燃料系故障が発生した場合には、空撚比を目標値に制御することができなくなり、触媒コンバータにより排気ガスを十分に浄化することができなくなってしまう。
【0020】
この場合、大気汚染を防止するために、速やかに燃料系の故障判定を行い、故障判定結果を運転者に通知して故障を修理させる必要がある。
【0021】
そこで、リニア空燃比センサ14で測定した実空撚比AFrを用いて故障判定することが考えられる。
たとえば、実空撚比AFrを用いたフィードバック制御における制御量、または、目標空撚比と実空撚比AFrとの偏差が異常値を示した場合に、燃料系故障を判定することができる。
【0022】
しかしながら、リニア空燃比センサ14による実空燃比AFrの測定精度は、一般に図18のような傾向を有している。
図18において、リニア空燃比センサ14の測定精度は、理論空燃比λ(14.7)の付近においては高精度であるが、計測値が理論空燃比λから離れるほど誤差が大きくなって信頼性が低下する。
【0023】
したがって、リニア空燃比センサ14で測定した実空撚比AFrを用いて故障判定を行う場合、理論空撚比λの近傍以外では、リニア空燃比センサ14の測定精度も考慮する必要があり、高精度に故障判定することはできない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内燃機関の燃料制御装置は以上のように、理論空撚比λの近傍以外においてリニア空燃比センサ14の精度が悪化するので、リニア空燃比センサ14を用いて実空撚比AFrのフィードバック制御量や空撚比偏差から燃料系故障を判定した場合、精度よく故障状態を検出することができないという問題点があった。
【0025】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、リニア空燃比センサを用いて、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る内燃機関の燃料制御装置は、内燃機関に所要の燃料量を噴射するためのインジェクタと、内燃機関の排気管に設けられて実空燃比を測定するためのリニア空燃比センサと、内燃機関の運転状態および実空燃比に基づいてインジェクタを制御する制御回路とを備え、制御回路は、運転状態に応じた目標空燃比により燃料量を補正する空燃比補正手段と、運転状態に応じて内燃機関の空燃比フィードバックの制御条件を決定するフィードバック制御条件決定手段と、制御条件が許可された場合に、実空燃比が目標空燃比と一致するように内燃機関の空燃比をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、制御条件の許可中に目標空燃比が理論空燃比以外の値に設定され、且つフィードバック制御手段の制御量または実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差が目標空燃比に対して第1の所定状態を示す場合に、目標空燃比を理論空燃比に強制的に設定する仮故障時目標空燃比設定手段と、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、フィードバック制御手段の制御量または空燃比偏差が第2の所定状態を示す場合に、内燃機関の燃料系故障を判定する故障判定手段とを含むものである。
【0027】
また、この発明の請求項2に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項1において、仮故障時目標空燃比設定手段は、フィードバック制御手段の制御量が所定の仮故障判定値以上を示す場合に、第1の所定状態を判定するものである。
【0028】
また、この発明の請求項3に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項2において、仮故障時目標空燃比設定手段は、フィードバック制御手段の制御量が仮故障判定値以上を示す状態が第1の所定時間だけ継続した場合に、第1の所定状態を判定するものである。
【0029】
また、この発明の請求項4に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項2または請求項3において、仮故障判定値は、リニア空燃比センサの測定誤差を相殺するように、目標空燃比に応じて可変設定されたものである。
【0030】
また、この発明の請求項5に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項1において、仮故障時目標空燃比設定手段は、実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差が所定の仮故障判定値以上を示す場合に、第1の所定状態を判定するものである。
【0031】
また、この発明の請求項6に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項5において、仮故障時目標空燃比設定手段は、空燃比偏差が仮故障判定値以上を示す状態が第1の所定時間だけ継続した場合に、第1の所定状態を判定するものである。
【0032】
また、この発明の請求項7に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項5または請求項6において、内燃機関の過渡変化量を検出する過渡状態検出手段を備え、仮故障判定値は、過渡変化量および目標空燃比に応じて可変設定されたものである。
【0033】
また、この発明の請求項8に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項7において、仮故障判定値は、過渡変化量が所定量以下の場合には第1の判定値に設定され、過渡変化量が所定量よりも大きい場合には、第1の判定値よりも大きい第2の判定値に設定されるものである。
【0034】
また、この発明の請求項9に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項7または請求項8において、内燃機関の吸気量に対応したスロットル開度を測定するスロットル開度センサを備え、過渡状態検出手段は、スロットル開度の変化量を過渡変化量として検出するものである。
【0035】
また、この発明の請求項10に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項1から請求項9までのいずれかにおいて、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、フィードバック制御手段の制御量が所定の故障判定値以上を示す場合に、第2の所定状態を判定するものである。
【0036】
また、この発明の請求項11に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項10において、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、制御量が故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間だけ継続した場合に、第2の所定状態を判定するものである。
【0037】
また、この発明の請求項12に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項1から請求項9までのいずれかにおいて、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差が所定の故障判定値以上を示す場合に、第2の所定状態を判定するものである。
【0038】
また、この発明の請求項13に係る内燃機関の燃料制御装置は、請求項12において、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、空燃比偏差が故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間だけ継続した場合に、第2の所定状態を判定するものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1による制御回路20Aの要部を概略的に示す機能ブロック図であり、この発明の実施の形態1による全体構成は、図17に示した通りである。
【0040】
図1において、制御回路20Aは、仮故障時目標空燃比設定手段21と、空燃比補正手段22と、フィードバック制御条件決定手段23と、フィードバック制御手段24と、故障判定手段25と、燃料量(空燃比)補正用の乗算器26〜28と、インジェクタ駆動手段29とを備えている。
【0041】
図1においては、制御回路20A内のROMに設定された制御プログラムのうち、主に燃料系の故障判定に関連する構成が示されている。
【0042】
仮故障時目標空燃比設定手段21は、仮故障判定手段を含み、通常は基本目標空燃比AFbをそのまま目標空燃比AFoとして出力し、仮故障時においては、理論空燃比λを目標空燃比AFoとして出力する。
【0043】
すなわち、仮故障時目標空燃比設定手段21は、制御条件CF(後述する)の許可中(空燃比フィードバック制御中)において、目標空燃比AFoが理論空燃比λ以外の値に設定されている状態で、且つフィードバック制御手段24の制御量AFc、または実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差ΔAFが、目標空燃比AFoに対して第1の所定状態(理論空燃比λ以外の空燃比における異常値)を示す場合に、目標空燃比AFoを理論空燃比λに強制的に固定設定する。
【0044】
なお、基本目標空撚比AFbは、たとえば、吸気管2内の絶対圧力Pおよびエンジン回転数に応じて設定された基本目標空撚比マップ(図示せず)を参照することにより設定される。
【0045】
空燃比補正手段22は、運転状態に応じた目標空燃比AFoにより基本目標燃料量Qfbを補正するために、乗算器26を用いて基本目標燃料量Qfbに空燃比補正係数Kafを乗算する。
【0046】
基本目標燃料量Qfbは、吸気管2内の絶対圧力Pおよびエンジン回転数に応じて、理論空撚比λになるように設定された基本目標燃料量マップ(図示せず)を参照して設定される。
【0047】
フィードバック制御条件決定手段23は、運転状態に応じてエンジン1の空燃比フィードバックの制御条件CFを決定する。
フィードバック制御手段24は、制御条件CFが許可された場合に、実空燃比AFrが目標空燃比AFoと一致するようにエンジン1の空燃比をフィードバック制御する。
【0048】
故障判定手段25は、目標空燃比AFoが理論空燃比λに設定された状態で、フィードバック制御手段24の制御量AFcまたは空燃比偏差ΔAFが第2の所定状態(理論空燃比λにおける異常値)を示す場合に、エンジン1の燃料系故障を判定する。
【0049】
乗算器26は、基本目標燃料量Qfbに空燃比補正係数Kafを乗算し、乗算器27は、補正後の基本目標燃料量(=Qfb×Kaf)に制御量AFcを乗算する。
【0050】
乗算器28は、追加補正後の基本目標燃料量(=Qfb×Kaf×AFc)に各種補正係数K*を乗算して、最終的な目標燃料量Qfoを出力する。
各種補正係数K*は、周知の冷却水温センサやサージタンク内温度センサなど(図示せず)の計測値により設定される。
【0051】
たとえば、各種補正係数K*は、冷却水温Twが所定温度以下の冷機状態を示す場合に、エンジン1の燃焼を改善するために空撚比をリッチ化したり、サージタンク内温度に応じて吸気量の密度補正を行うための公知の係数である。
【0052】
また、各種補正係数K*は、乗算器26および27に入力される空燃比補正係数Kafおよび制御量AFcと同様に、乗算器28に入力されるので、「1」を中心とした値(最大補正量で0.5〜1.5程度の範囲)に設定される。
【0053】
インジェクタ駆動手段29は、目標燃料量Qfoを達成するための噴射信号Jを出力し、目標燃料量Qfoを噴射するようにインジェクタ6を駆動する。
【0054】
以下、前述の図17および図18とともに、図2〜図12を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による具体的な動作について説明する。
【0055】
図2はフィードバック制御手段24の動作を示すフローチャート、図3は空燃比補正手段22の動作を示すフローチャート、図4は第1のパワーオン処理を示すフローチャートである。
【0056】
図5は第1のタイマカウンタTM1による第1の定時間割込処理を示すフローチャート、図6は目標空燃比AFoに応じた仮故障判定値β1のマップデータを示す特性図、図7は仮故障時目標空燃比設定手段21の動作を示すフローチャート、図8は仮故障時目標空燃比設定手段21の動作を図式的に示すタイミングチャートである。
【0057】
図9は第2のパワーオン処理を示すフローチャート、図10は第2のタイマカウンタTM2による第2の定時間割込処理を示すフローチャート、図11は故障判定手段25の動作を示すフローチャート、図12はフィードバック制御条件決定手段23の動作を示すフローチャートである。
【0058】
図2において、フィードバック制御手段24は、まず、制御条件CFが「1」(許可状態)であるか否かを判定し(ステップS1)、CF=1(すなわち、Yes)と判定されれば、運転状態が空燃比フィードバック制御の許可状態にあるので、以下のようにフィードバック制御を実行する。
【0059】
まず、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差ΔAF(=AFr−AFo)を算出し(ステップS2)、空燃比フィードバック用の制御量AFcを以下の(1)式のように演算する(ステップS3)。
【0060】
AFc(n)=AFc(n−1)+α×ΔAF ・・・(1)
【0061】
ただし、(1)式において、AFc(n)は今回の制御量、AFc(n−1)は前回の制御量、αはフィードバックゲインである。
【0062】
一方、ステップS1において、CF=0(すなわち、No)と判定されれば、運転状態がフィードバック制御の補正量が0の状態にあるので、制御量AFcを「1」(補正量=0)に設定して(ステップS4)、図2の処理ルーチンを抜け出る。
【0063】
図3において、空燃比補正手段22は、理論空燃比λおよび目標空燃比AFoを用いて、空燃比補正係数Kafを以下の(2)式のように演算する(ステップS5)。
【0064】
Kaf=λ/AFo ・・・(2)
【0065】
図4において、制御回路20Aは、パワーオンと同時に、仮故障時目標空燃比設定手段21(図7参照)で用いられる仮故障フラグFLt(後述する)を0クリアする(ステップS6)。
【0066】
図5において、制御回路20Aは、仮故障時目標空燃比設定手段21で割込処理される第1のタイマカウンタTM1をダウンカウントし(ステップS7)、第1のタイマカウンタTM1の値が1以上か否かを判定する(ステップS8)。
【0067】
ステップS8において、TM1=0(すなわち、No)と判定されれば、第1のタイマカウンタTM1が「0」までデクリメントされているので、TM1=0にクリップして(ステップS9)、図5の定時間割込処理ルーチンを抜け出る。
【0068】
また、ステップS8において、TM1≧1(すなわち、Yes)と判定されれば、タイマカウンタTM1が「0」までデクリメントされていないので、ステップS9を実行せずに、そのまま図5の定時間割込処理ルーチンを抜け出る。
【0069】
図6において、仮故障時目標空燃比設定手段21で用いられる制御量AFcの仮故障判定値β1は、リニア空燃比センサ14の特性(図18参照)に合わせて、目標空燃比AFoが理論空燃比λを示すときに最小となるように設定される。
【0070】
図7において、仮故障時目標空燃比設定手段21は、まず、図6のマップから目標空燃比AFoに応じて仮故障判定値β1を設定し(ステップS11)、フィードバック制御手段24の制御量AFcが以下の(3)式を満たすか否かを判定する(ステップS12)。
【0071】
|AFc−1|<β1 ・・・(3)
【0072】
ただし、(3)式において、|AFc−1|は、フィードバック制御量AFc(1を中心とする値)の補正量の絶対値を示している。
【0073】
ステップS12において、|AFc−1|≧β1(すなわち、No)と判定されれば、制御量AFcが異常値(燃料系の故障状態)を示しているので、この異常状態が継続したか否かを確認するために、直ちにステップS14(後述する)に進む。
【0074】
一方、ステップS12において、|AFc−1|<β1(すなわち、Yes)と判定されれば、制御量AFcが正常値を示しているので、第1の定時間割込処理を無効化するために、第1のタイマカウンタTM1を第1の所定時間T1にクリップする(ステップS13)。
【0075】
なお、第1のタイマカウンタTM1は、仮故障判定処理の開始時に第1の所定時間T1に初期設定されており、第1の定時間割込処理(図5参照)は常に実行されているものとする。
【0076】
以下、第1の定時間割込処理(図5)により第1のタイマカウンタTM1が0までダウンカウントされたか否かを判定し(ステップS14)、TM1>0(すなわち、No)と判定されれば、異常状態が十分に継続していないので、直ちにステップS16(後述する)に進む。
【0077】
一方、ステップS14において、TM1=0(すなわち、Yes)と判定されれば、異常状態が十分に継続したので、仮故障フラグFLtを「1」にセットする(ステップS15)。
【0078】
図8は上記ステップS12〜S15の処理動作を図式的に示している。
図8において、制御量AFcから1を減算した値の絶対値|AFc−1|が仮故障判定値β1よりも小さいときには、タイマカウンタTM1が第1の所定時間T1に固定されてダウンカウントは進行されない。
【0079】
一方、絶対値|AFc−1|が仮故障判定値β1以上に達した時点で、タイマカウンタTM1のダウンカウントが進行し、TM1=0となった時点で仮故障フラグFLtが「1」にセットされる。
【0080】
次に、スロットル開度θが第1の所定開度θ1よりも大きいか否かを判定し(ステップS16)、θ≦θ1(すなわち、No)と判定されれば、運転状態が定常状態にあるので、続いて、仮故障フラグFLtがセットされているか否かを判定する(ステップS17)。
【0081】
ステップS17において、FLt=1(すなわち、Yes)と判定されれば、仮故障フラグFLt(ステップS15参照)が既に設定されているので、故障状態を確認するために、目標空燃比AFoを強制的に理論空燃比λに設定して(ステップS18)、図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0082】
一方、ステップS16において、θ>θ1(すなわち、Yes)と判定されれば、運転状態が加速中であってエンリッチ(燃料増量)が要求されるので、目標空燃比AFoを基本目標空燃比AFbに設定して(ステップS19)、図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0083】
また、ステップS17において、FLt=0(すなわち、No)と判定されれば、仮故障フラグFLtが設定されていないので、目標空燃比AFoを基本目標空燃比AFbに設定して(ステップS19)、図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0084】
図9において、制御回路20Aは、パワーオンと同時に、故障判定手段25(図11参照)で用いられる故障判定フラグFFを0クリアする(ステップS21)。
【0085】
図10において、制御回路20Aは、故障判定手段25で割込処理される第2のタイマカウンタTM2をダウンカウントし(ステップS22)、第2のタイマカウンタTM2の値が1以上か否かを判定する(ステップS23)。
【0086】
ステップS23において、TM2=0(すなわち、No)と判定されれば、第2のタイマカウンタTM2が「0」までデクリメントされているので、第2のタイマカウンタTM2を0にクリップして(ステップS24)、図10の定時間割込処理ルーチンを抜け出る。
【0087】
また、ステップS23において、TM2≧1(すなわち、Yes)と判定されれば、第2のタイマカウンタTM2が「0」までデクリメントされていないので、ステップS24を実行せずに、そのまま図10の定時間割込処理ルーチンを抜け出る。
【0088】
図11において、故障判定手段25は、まず、目標空燃比AFoが理論空燃比λであるか否かを判定し(ステップS31)、AFo=λ(すなわち、Yes)と判定されれば、続いて、フィードバック制御手段24の制御量AFcが以下の(4)式を満たすか否かを判定する(ステップS32)。
【0089】
|AFc−1|<β2 ・・・(4)
【0090】
ただし、(4)式において、β2は運転状態に応じて設定された故障判定値であり、故障判定手段25内にあらかじめ格納されている。
【0091】
ステップS32において、|AFc−1|≧β2(すなわち、No)と判定されれば、制御量AFcが異常値(燃料系の故障状態)を示しているので、この異常状態が継続したか否かを確認するために、直ちにステップS34(後述する)に進む。
【0092】
なお、第2のタイマカウンタTM2は、故障判定処理の開始時に第2の所定時間T2に初期設定されており、第2の定時間割込処理(図10参照)は常に実行されているものとする。
【0093】
一方、ステップS32において、|AFc−1|<β2(すなわち、Yes)と判定されれば、制御量AFcが正常値を示しているので、第2の定時間割込処理を無効化するために、第2のタイマカウンタTM2を第2の所定時間T2にクリップする(ステップS33)。
【0094】
以下、第2の定時間割込処理(図10)により第2のタイマカウンタTM2が0までダウンカウントされたか否かを判定し(ステップS34)、TM2>0(すなわち、No)と判定されれば、異常状態が十分に継続していないので、直ちに図11の処理ルーチンを抜け出る。
【0095】
一方、ステップS34において、TM2=0(すなわち、Yes)と判定されれば、異常状態が十分に継続したので、故障判定フラグFFを「1」にセットして(ステップS35)、図11の処理ルーチンを抜け出る。
【0096】
図12において、フィードバック制御条件決定手段23は、まず、目標空燃比AFoを所定空燃比γ1およびγ2(>γ1)と比較し、目標空燃比AFoが所定範囲内の値であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0097】
ステップS41において、γ1<AFo<γ2(すなわち、Yes)と判定されれば、続いて、冷却水温Twが所定温度Tw1よりも高いか否かを判定する(ステップS42)。
【0098】
ステップS42において、Tw>Tw1(すなわち、Yes)と判定されれば、エンジン1が十分な暖機状態にあるので、空燃比フィードバック制御を許可するために、制御条件CFを「1」に設定して(ステップS43)、図12の処理ルーチンを抜け出る。
【0099】
一方、ステップS41において、AFo≦γ1またはAFo≧γ2(すなわち、No)と判定されれば、リニア空燃比センサ14の計測誤差δが大き過ぎて空燃比フィードバック制御が不可能な領域なので、フィードバック制御を禁止するために、制御条件CFを「0」に設定する(ステップS44)。
【0100】
また、ステップS42において、Tw≦Tw1(すなわち、No)と判定されれば、エンジン1が冷機状態にあって空燃比フィードバック制御が不可能な領域なので、フィードバック制御を禁止するために、制御条件CFを「0」に設定して(ステップS44)、図12の処理ルーチンを抜け出る。
【0101】
このように、目標空燃比AFoが理論空撚比λ以外の場合に、フィードバック制御手段24の制御量AFcに基づいて、且つ、リニア空燃比センサ14の測定精度(図18参照)を考慮した仮故障判定値β1(図6参照)を用いて燃料系の仮故障を判定する(図7内のステップS12)。
【0102】
次に、仮故障判定条件(ステップS12)を満足した場合に、エンジン1の運転状態に基づいて理論空撚比λへの変更が可能であれば、目標空燃比AFoを理論空撚比λに設定し(ステップS18)、リニア空燃比センサ14の空撚比測定精度が非常に良い領域でフィードバック制御を行う。
【0103】
そして、理論空撚比λでフィードバック制御中に、故障判定値β2を用いた故障判定(図11内のステップS32)を実行することにより、燃料系の故障を高精度に判定することができる。
【0104】
また、目標空燃比AFoが元々理論空燃比λでフィードバック制御されている場合には、強制的に理論空燃比λに設定することなく、高精度に燃料系の故障判定を行うことができる。
【0105】
また、仮故障判定(図7参照)および故障判定(図11参照)において、タイマカウンタTM1およびTM2を用いているので、一時的な異常値やノイズなどの影響による故障誤判定を防止することができる。
【0106】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、空燃比フィードバック制御量AFcに基づいて仮故障を判定したが、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差ΔAF(=AFr−AFo)に基づいて仮故障を判定してもよい。
【0107】
以下、図13〜図16を参照しながら、空燃比偏差ΔAFに基づいて仮故障を判定するようにしたこの発明の実施の形態2について具体的に説明する。
なお、この発明の実施の形態2による全体構成および要部構成は、図17および図1に示した通りである。
【0108】
図13はこの発明の実施の形態2による第3の定時間割込処理を示すフローチャートである。
【0109】
図14および図15は目標空燃比AFoに応じた仮故障判定値β3のマップデータを示す特性図であり、図14はスロットル開度θの変化量Δθが小さい場合の特性、図14はスロットル開度θの変化量Δθが小さい場合の特性をそれぞれ示す。
【0110】
図16は仮故障時目標空燃比設定手段21(図1参照)の動作を示すフローチャートである。
【0111】
この場合、制御回路21A内の仮故障時目標空燃比設定手段21は、図13のように第3の定時間割込処理を実行している。
図13において、まず、以下の(5)式のように、スロットル開度変化量Δθを算出する(ステップS51)。
【0112】
Δθ=θ(n)−θ(n−1) ・・・(5)
【0113】
ただし、(5)式において、θ(n)は今回測定されたスロットル開度、θ(n−1)は前回測定されたスロットル開度である。
続いて、今回のスロットル開度θ(n)を、次回演算用の前回のスロットル開度θ(n−1)として更新設定し(ステップS52)、図13の処理ルーチンを抜け出る。
【0114】
図14に示す仮故障判定値β3の特性データは、スロットル開度変化量Δθが小さい場合に用いられる。
図15に示す仮故障判定値β3の特性データは、スロットル開度変化量Δθが小さい場合に用いられ、図14の特性データよりも全体的に大きい値に設定されている。
【0115】
図16において、ステップS66は、前述(図7参照)のステップS12に対応しており、ステップS13は前述と同様の処理動作である。
なお、ステップS14以降の処理動作については、図7内のステップS14〜S19と同様なので、ここでは図示および説明を省略する。
【0116】
図16において、仮故障時目標空燃比設定手段21は、まず、第3の定時間割込処理(図13)により求めたスロットル開度変化量Δθを参照し、スロットル開度変化量Δθの絶対値|Δθ|が所定量θ2よりも大きいか否かを判定する(ステップS61)。
【0117】
ステップS61において、|Δθ|≦θ2(すなわち、No)と判定されれば、図14の特性マップデータを選択し(ステップS62)、|Δθ|>θ2(すなわち、Yes)と判定されれば、図15の特性マップデータを選択する(ステップS63)。
【0118】
続いて、選択された特性マップデータから、目標空燃比AFoに応じた仮故障判定値β3を設定する(ステップS64)。
次に、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差ΔAF(=AFr−AFo)を算出し(ステップS65)、空燃比偏差ΔAFの絶対値|ΔAF|が以下の(6)式を満たすか否かを判定する(ステップS66)。
【0119】
|ΔAF|<β3 ・・・(6)
【0120】
ステップS66において、|ΔAF|≧β3(すなわち、No)と判定されれば、制御量AFcが異常値(燃料系の故障状態)を示しているので、この異常状態が継続したか否かを確認するために、直ちにステップS14に進む。
【0121】
一方、ステップS66において、|AFc−1|<β3(すなわち、Yes)と判定されれば、制御量AFcが正常値を示しているので、第1の定時間割込処理を無効化するために、第1のタイマカウンタTM1を第1の所定時間T1にクリップする(ステップS13)。
【0122】
以下、図7と同様のステップS14〜S19を実行し、仮故障が判定された場合には、仮故障フラグFLtを設定するとともに、目標空燃比AFoを理論空燃比λに強制設定する。
【0123】
このように、空燃比偏差ΔAFが仮故障判定値β3以上を示す場合に、仮故障状態(第1の所定状態)を判定することにより、前述と同様の作用効果を奏する。
【0124】
また、空燃比フィードバックの制御量AFcではなく空燃比偏差ΔAFから仮故障判定することにより、空撚比フィードバック制御が禁止されている運転領域であっても仮故障を判定することができる。
【0125】
また、空燃比偏差ΔAFが仮故障判定値β3以上を示す状態が第1の所定時間T1だけ継続した場合に、仮故障状態を判定することにより、仮故障を誤判定することもない。
【0126】
また、一般に、スロットル開度変化量Δθの大きい過渡運転状態においては、リニア空燃比センサ14の応答遅れによって測定誤差δが大きくなるが、Δθ>θ2の場合に仮故障判定値β3を増大設定しているので(図15参照)、過渡運転時であっても仮故障を誤判定することはない。
なお、ここでは、過渡変化量としてスロットル開度変化量Δθを用いたが、他のパラメータを用いてもよい。
【0127】
また、故障判定手段25は、前述と同様に、空燃比フィードバックの制御量AFcと故障判定値(異常値)β2との比較(図11内のステップS32参照)に基づいて故障判定してもよく、空燃比偏差ΔAFと故障判定値との比較に基づいて故障判定してもよい。
【0128】
また、故障判定手段25は、目標空燃比AFoが理論空燃比λに設定された状態で、制御量AFcまたは空燃比偏差ΔAFが故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間T2だけ継続した場合に、第2の所定状態を判定して故障判定フラグFFをセットしてもよい。
【0129】
さらに、上記各実施の形態では、図17のように、吸気管2にインジェクタ6を設けて吸気ポート部で燃料噴射するエンジン1を例にとって説明したが、燃焼室7内に直接燃料噴射する筒内噴射式エンジンに適用しても同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0130】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、内燃機関に所要の燃料量を噴射するためのインジェクタと、内燃機関の排気管に設けられて実空燃比を測定するためのリニア空燃比センサと、内燃機関の運転状態および実空燃比に基づいてインジェクタを制御する制御回路とを備え、制御回路は、運転状態に応じた目標空燃比により燃料量を補正する空燃比補正手段と、運転状態に応じて内燃機関の空燃比フィードバックの制御条件を決定するフィードバック制御条件決定手段と、制御条件が許可された場合に、実空燃比が目標空燃比と一致するように内燃機関の空燃比をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、制御条件の許可中に目標空燃比が理論空燃比以外の値に設定され、且つフィードバック制御手段の制御量または実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差が目標空燃比に対して第1の所定状態を示す場合に、目標空燃比を理論空燃比に強制的に設定する仮故障時目標空燃比設定手段と、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、フィードバック制御手段の制御量または空燃比偏差が第2の所定状態を示す場合に、内燃機関の燃料系故障を判定する故障判定手段とを含むので、目標空燃比によらず、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0131】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、仮故障時目標空燃比設定手段は、フィードバック制御手段の制御量が所定の仮故障判定値以上を示す場合に、第1の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0132】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、仮故障時目標空燃比設定手段は、フィードバック制御手段の制御量が仮故障判定値以上を示す状態が第1の所定時間だけ継続した場合に、第1の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0133】
また、この発明の請求項4によれば、請求項2または請求項3において、仮故障判定値は、リニア空燃比センサの測定誤差を相殺するように、目標空燃比に応じて可変設定されたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0134】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1において、仮故障時目標空燃比設定手段は、実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差が所定の仮故障判定値以上を示す場合に、第1の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0135】
また、この発明の請求項6によれば、請求項5において、仮故障時目標空燃比設定手段は、空燃比偏差が仮故障判定値以上を示す状態が第1の所定時間だけ継続した場合に、第1の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0136】
また、この発明の請求項7によれば、請求項5または請求項6において、内燃機関の過渡変化量を検出する過渡状態検出手段を備え、仮故障判定値は、過渡変化量および目標空燃比に応じて可変設定されたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0137】
また、この発明の請求項8によれば、請求項7において、仮故障判定値は、過渡変化量が所定量以下の場合には第1の判定値に設定され、過渡変化量が所定量よりも大きい場合には、第1の判定値よりも大きい第2の判定値に設定されるようにしたので、運転状態によらず高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0138】
また、この発明の請求項9によれば、請求項7または請求項8において、内燃機関の吸気量に対応したスロットル開度を測定するスロットル開度センサを備え、過渡状態検出手段は、スロットル開度の変化量を過渡変化量として検出するようにしたので、運転状態によらず高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0139】
また、この発明の請求項10によれば、請求項1から請求項9までのいずれかにおいて、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、フィードバック制御手段の制御量が所定の故障判定値以上を示す場合に、第2の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0140】
また、この発明の請求項11によれば、請求項10において、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、制御量が故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間だけ継続した場合に、第2の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0141】
また、この発明の請求項12によれば、請求項1から請求項9までのいずれかにおいて、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差が所定の故障判定値以上を示す場合に、第2の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【0142】
また、この発明の請求項13によれば、請求項12において、故障判定手段は、目標空燃比が理論空燃比に設定された状態で、空燃比偏差が故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間だけ継続した場合に、第2の所定状態を判定するようにしたので、高精度に燃料系故障を判定することのできる内燃機関の燃料制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による制御回路の要部を概略的に示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるフィードバック制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1による空燃比補正手段の動作を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1による第1のパワーオン処理を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1による第1の定時間割込処理を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態1により用いられる仮故障判定値のマップデータを示す特性図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による仮故障時目標空燃比設定手段の動作を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態1による仮故障時目標空燃比設定手段の動作を図式的に示すタイミングチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態1による第2のパワーオン処理を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態1による第2の定時間割込処理を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態1による故障判定手段の動作を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態1によるフィードバック制御条件決定手段の動作を示す示すフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態2による第3の定時間割込処理を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態2によるスロットル開度変化量が小さい場合の仮故障判定値のマップデータを示す特性図である。
【図15】 この発明の実施の形態2によるスロットル開度変化量が大きい場合の仮故障判定値のマップデータを示す特性図である。
【図16】 この発明の実施の形態2による仮故障時目標空燃比設定手段の動作を示すフローチャートである。
【図17】 従来の内燃機関の燃料制御装置を概略的に示す構成図である。
【図18】 一般的なリニア空燃比センサによる実空燃比の測定精度を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)、2 吸気管、4 スロットル開度センサ、6 インジェクタ、13 排気管、14 リニア空燃比センサ、20A 制御回路、21 仮故障時目標空燃比設定手段、22 空燃比補正手段、23 フィードバック制御条件決定手段、24 フィードバック制御手段、25 故障判定手段、AFc 制御量、AFo 目標空燃比、AFr 実空燃比、ΔAF 空燃比偏差、CF 制御条件、FF 故障判定フラグ、J 噴射信号、Kaf 空燃比補正係数、Qfo 目標燃料量、T1 第1の所定時間、T2 第2の所定時間、β1、β3 仮故障判定値、β2 故障判定値、λ 理論空燃比、δ 測定誤差、θ スロットル開度、θ2 所定量、Δθ スロットル開度変化量。

Claims (13)

  1. 内燃機関に所要の燃料量を噴射するためのインジェクタと、
    前記内燃機関の排気管に設けられて実空燃比を測定するためのリニア空燃比センサと、
    前記内燃機関の運転状態および前記実空燃比に基づいて前記インジェクタを制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記運転状態に応じた目標空燃比により前記燃料量を補正する空燃比補正手段と、
    前記運転状態に応じて前記内燃機関の空燃比フィードバックの制御条件を決定するフィードバック制御条件決定手段と、
    前記制御条件が許可された場合に、前記実空燃比が前記目標空燃比と一致するように前記内燃機関の空燃比をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
    前記制御条件の許可中に前記目標空燃比が理論空燃比以外の値に設定され、且つ前記フィードバック制御手段の制御量または前記実空燃比と前記目標空燃比との空燃比偏差が前記目標空燃比に対して第1の所定状態を示す場合に、前記目標空燃比を前記理論空燃比に強制的に設定する仮故障時目標空燃比設定手段と、
    前記目標空燃比が前記理論空燃比に設定された状態で、前記フィードバック制御手段の制御量または前記空燃比偏差が第2の所定状態を示す場合に、前記内燃機関の燃料系故障を判定する故障判定手段と
    を含むことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  2. 前記仮故障時目標空燃比設定手段は、前記フィードバック制御手段の制御量が所定の仮故障判定値以上を示す場合に、前記第1の所定状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  3. 前記仮故障時目標空燃比設定手段は、前記フィードバック制御手段の制御量が前記仮故障判定値以上を示す状態が第1の所定時間だけ継続した場合に、前記第1の所定状態を判定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  4. 前記仮故障判定値は、前記リニア空燃比センサの測定誤差を相殺するように、前記目標空燃比に応じて可変設定されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  5. 前記仮故障時目標空燃比設定手段は、前記実空燃比と前記目標空燃比との空燃比偏差が所定の仮故障判定値以上を示す場合に、前記第1の所定状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  6. 前記仮故障時目標空燃比設定手段は、前記空燃比偏差が前記仮故障判定値以上を示す状態が第1の所定時間だけ継続した場合に、前記第1の所定状態を判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  7. 前記内燃機関の過渡変化量を検出する過渡状態検出手段を備え、
    前記仮故障判定値は、前記過渡変化量および前記目標空燃比に応じて可変設定されたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  8. 前記仮故障判定値は、前記過渡変化量が所定量以下の場合には第1の判定値に設定され、前記過渡変化量が所定量よりも大きい場合には、前記第1の判定値よりも大きい第2の判定値に設定されることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  9. 前記内燃機関の吸気量に対応したスロットル開度を測定するスロットル開度センサを備え、
    前記過渡状態検出手段は、前記スロットル開度の変化量を前記過渡変化量として検出することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  10. 前記故障判定手段は、前記目標空燃比が前記理論空燃比に設定された状態で、前記フィードバック制御手段の制御量が所定の故障判定値以上を示す場合に、前記第2の所定状態を判定することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の内燃機関の燃料制御装置。
  11. 前記故障判定手段は、前記目標空燃比が前記理論空燃比に設定された状態で、前記制御量が前記故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間だけ継続した場合に、前記第2の所定状態を判定することを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の燃料制御装置。
  12. 前記故障判定手段は、前記目標空燃比が前記理論空燃比に設定された状態で、前記実空燃比と前記目標空燃比との空燃比偏差が所定の故障判定値以上を示す場合に、前記第2の所定状態を判定することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の内燃機関の燃料制御装置。
  13. 前記故障判定手段は、前記目標空燃比が前記理論空燃比に設定された状態で、前記空燃比偏差が前記故障判定値以上を示す状態が第2の所定時間だけ継続した場合に、前記第2の所定状態を判定することを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の燃料制御装置。
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