JP3801459B2 - 画像読取形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取機能、画像形成機能、及び複写機能を有する画像読取形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の画像読取形成装置の一例を示すブロック図である。図中、1は画像読取部、2は画像処理部、3は画像形成部、11は外部装置、31はインタフェース部、32はプリンタコントローラ、33はセレクタである。従来の画像読取形成装置の一例では、画像を読み取る画像読取部1と、画像読取部1で読み取った画像に対して画像形成部3において最良の画像が形成されるように画像に対して処理を行う画像処理部2と、画像処理部2で処理された画像を用紙等の被記録媒体上に形成する画像形成部3を有しており、これらの構成によって複写機能を実現している。
【0003】
近年では、このような複写機能とともに、画像読取部1で読み取った画像を外部装置11へ転送するための画像読取機能や、外部装置11から受け取った画像を画像形成部3で形成する画像形成機能などを備えている。画像読取機能では、画像読取部1で読み取った画像を、インタフェース部31から外部装置11に転送する。これによって、外部装置11では画像読取形成装置をスキャナとして利用することができる。
【0004】
また、画像形成機能では、外部装置11から送られてきた画像をインタフェース部31で受け取り、プリンタコントローラ32において画像を形成するための各種の処理を行った後、画像形成部3で画像を形成している。これによって外部装置11では画像読取形成装置をプリンタとして利用することができる。
【0005】
なお、セレクタ33は、複写機能の場合には画像処理部2の出力を選択して画像形成部3に送り、画像形成機能の場合にはプリンタコントローラ32の出力を選択して画像形成部3に送るものである。
【0006】
このような従来の構成の画像読取形成装置では、画像読取機能では画像読取部1で読み取った画像をなるべくそのまま出力し、また画像形成機能では単体のプリンタと同等の機能を提供することを目標としており、これらの機能において画像処理部2が用いられることはなかった。従って、外部装置11から複写機能時と同等の品質の画像を出力しようとすると、外部装置11において画像形成部3に固有の特性を勘案し、プロファイルの設定などを行ってから画像を転送しなければならない。そのための作業は、非常に煩雑であった。
【0007】
また、例えば画像読取機能によって画像読取部1で読み取った画像を外部装置11で処理し、画像形成機能を用いて画像形成部3で画像を形成することを考えると、複写機能時に画像処理部2で行っている画像処理が一般には外部装置11で行われない。そのため、同じ画像を画像読取部1で読み取った場合でも、複写機能時に比べて外部装置11に一旦出力してから画像形成を行った場合には画質が格段に低下していた。
【0008】
もちろん、画像処理部2で行う画像処理を外部装置11で行えばよいが、一般的には、1ページ中の画像に対しては同一の処理が施され、写真部分と文字部分の一方の画質が低下するなど、画像処理部2において行っているような処理が行われることは少ない。また、上述のように画像処理部2においては画像形成部3において最良の画像が形成されるように調整されており、画像形成部3の特性まで勘案して外部装置11で画像処理を行うのは困難である。さらに、画像処理部2は通常はハードウェアによって構成されており、高速な処理が可能であるが、一般には外部装置11における処理はソフトウェアで行う場合が多く、処理に時間がかかるという問題もある。例えばこのような画像形成部3に応じた画像処理をプリンタコントローラ32において行うことも考えられるが、同様の処理回路を2回路設けることになり、コストが増大し、また装置が大型化するという問題があった。
【0009】
さらに、画像読取機能時には読み取った画像は外部装置11に対して転送されるのみであり、同じ読み取った画像を画像形成部3において形成することができなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、コストの増大や装置の大型化を招くことなく、外部装置から画像を受け取った場合、特に画像読取機能によって読み取った画像を再び外部装置から受け取った場合でも、最良の画像を形成することができる画像読取形成装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像読取手段及び画像形成手段とともに、画像形成手段に応じた画像処理が可能な画像処理手段及び画像処理手段における処理の内容を制御する画像処理制御手段を有し、さらに外部とのインタフェース手段を有している。このとき、インタフェース手段は画像処理手段の出力を外部に転送するとともに、外部より受け取った画像は画像処理手段の入力とする。そして、例えばインタフェース手段から画像を外部に転送する際には、画像処理手段で画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を外部へ転送することができる。または、画像処理手段で画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像か、あるいは画像処理手段に対して実質的に画像形成手段に応じた画像処理を禁止して画像形成手段に応じた画像処理を施していない画像のいずれかを外部へ転送することができる。
【0012】
このように、画像処理制御手段が画像処理手段に対して画像形成手段に応じた画像処理を行うように制御して、インタフェース手段から画像を外部に転送する際に、画像読取手段によって読み取った画像に対して画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後に、インタフェース手段から外部へ転送させるように構成している。このようにして外部へ転送した画像が再び転送されてきた場合には、画像処理制御手段が画像処理手段に対して実質的に前記画像形成手段に応じた処理を禁止するように制御し、インタフェース手段で受け取った画像を画像形成手段で形成するように構成すればよい。このような構成により、画像形成手段に応じた画像処理を画像処理手段によって行うことができるので、複写機能時と同様の高画質で画像を形成することができる。
また、画像処理手段に対して実質的に画像形成手段に応じた画像処理を禁止して画像形成手段に応じた画像処理を施していない画像についても外部へ転送可能に構成すれば、従来と同様の画像読取機能を実現することができる。そして、外部より受け取った画像が画像形成手段に応じた画像処理を施していない画像の場合には、画像処理手段に入力されて、画像処理手段において画像形成手段に応じた画像処理が施されるので、複写機能時と同様の高画質で画像を形成することが可能になる。
【0013】
なお、インタフェース手段が外部より画像を受け取り、画像処理手段においては実質的に画像形成手段に応じた画像処理が禁止される場合には、画像処理手段中の画像形成手段に応じた処理を行う部分をバイパスし、画像形成手段に応じた処理以外の処理が行われるように、受け取った画像を画像処理手段に渡すように構成してもよい。
また、画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を前記インタフェース手段から外部へ転送する際に、画像処理済である旨の属性情報を付加して出力し、前記インタフェース手段で外部より受け取った画像の属性情報によって、画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像であるか否かを判断するように構成することができる。
【0014】
上述の各構成においては、複写機能時も、画像読取機能時あるいは画像形成機能時も、共通の画像処理手段を用いて画像形成手段に応じた画像処理を行うことができる。従って、例えば画像処理手段をハードウェアで構成すれば高速な処理が可能であるとともに、複数の同じハードウェアを設ける必要がなく、低コストにより実現でき、また装置が大型化することもない。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像読取形成装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。図中、図7と同様の部分には同じ符号を付して重複する説明を省略する。4はインタフェース部、5は画像処理制御部、21は画像メモリ、22は第1色変換部、23はTI分離部、24は第2色変換部、25はフィルタリング部、26はTRC部である。インタフェース部4は、画像処理部2の出力を外部装置11へ転送するとともに、外部装置11から受け取った画像を画像処理部2に入力する。またインタフェース部4は、必要に応じて画像の形式の変換なども行う。例えば面順次の画像と点順次の画像との間の変換を行ったり、ファイル形式の変換などを行ってもよい。さらに、例えば記述言語などで記述されたデータを外部装置11から受け取って描画可能な構成を有していてもよい。
【0016】
画像処理制御部5は、動作する機能や設定などに応じて、画像処理部2における処理の内容を制御する。特に画像処理部2において画像形成部3に応じた画像処理を行う部分(この例では第1色変換部22、TI分離部23、第2色変換部24、フィルタリング部25等)に対して、実際に画像形成部3に応じた画像処理を行うか否かを制御することができる。例えば画像読取部1で読み取った画像を画像形成部3で形成する複写機能時には、画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を行うように制御する。
【0017】
また、画像読取部1で読み取った画像を外部装置11へ転送する画像読取機能時には、第1の方法として、画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を禁止するように制御する。これによって、画像読取部1で読み取った画像を外部装置11へ転送することができる。例えばRGB色空間における画像を外部装置11へ転送することができる。
【0018】
また第2の方法として、画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を行うように制御する。これによって、そのまま画像形成部3へ出力可能な状態で画像を外部装置11へ転送することができる。この場合、例えばYMCK色空間などの画像形成部3で利用する色空間の画像を外部装置11へ転送することになる。
【0019】
外部装置11から画像を受け取ってその画像を形成する画像形成機能時には、受け取った画像が、画像読取機能時に上述の第2の方法、すなわち画像処理部2において画像形成部3に応じた処理が行われている画像である場合には、画像処理制御部5は画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を禁止するように制御する。これによって、すでに画像形成部3に応じた処理が施されている画像に対して重複した処理が行われないようにし、画像形成部3に応じた処理が施された画像を画像形成部3において良好な画質で形成することができる。受け取った画像が画像処理部2における画像形成部3に応じた処理が施されたものであるか否かは、画像読取機能によって画像を外部に転送する際に、処理済である旨のタグを付加して出力し、そのタグを検出することによって判断することができる。あるいは、例えば画像形成部3で用いるYMCK色空間の画像が入力されたら、画像形成部3に応じた処理が既に施されているものと判断するなど、判断方法は任意に設定することが可能である。
【0020】
それ以外の画像をインタフェース部4で受け取った場合には、画像処理制御部5は画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を行うように制御する。これによって、画像形成機能においても画像形成部3に応じた処理を施した画像を画像形成部3において良好な画質で形成することができる。
【0021】
画像処理部2は、この例では画像メモリ21、第1色変換部22、TI分離部23、第2色変換部24、フィルタリング部25、TRC部26などを有している。画像メモリ21は、画像読取部1で読み取った画像やインタフェース部4で受け取った画像などを一時的に保持し、以降の処理におけるタイミング調整等に用いることができる。第1色変換部22は、画像読取部1から出力され、画像読取部1に依存した色空間であるRGB色空間の画像を、装置に依存しない均等色空間(例えばL* * * 色空間など)の画像に変換する。TI分離部23は、文字領域や写真領域など、画像の特性を1ないし複数画素毎に判定する。判定結果は第2色変換部24やフィルタリング部25などに伝えられ、当該画素の処理に利用される。
【0022】
第2色変換部24は、第1色変換部22で変換された均等色空間の画像を、画像形成部3で用いる色空間(例えばYMCK色空間)の画像に変換する。このとき、TI分離部23における判定結果に従って、それぞれの画素の特性に応じた色変換処理を行うことができる。例えば画像形成部3で表現できない色については写真部分の画素ではなるべく色が類似するように表現可能な色に変換し、文字や線画部分の画素では他の色との相違が分かるように表現可能な色に変換するといった処理が可能である。もちろん画素の特性に応じた処理はこの例に限られるものではなく、種々の特性に応じた処理を行うことができる。
【0023】
フィルタリング部25は、第2色変換部24で色空間を変換した後の画像に対して、各種のフィルタリング処理を施すことができる。このフィルタリング部25においても、TI分離部23における判定結果を用いて、それぞれの画素の特性に応じたフィルタリング処理を行うことができる。例えば、文字部分に対してはエッジを強調するようなフィルタリング処理を行い、文字の鮮鋭度を向上させることができる。もちろん、画素の特性に応じたフィルタリング処理はこの例に限られるものではない。
【0024】
これらの第1色変換部22、TI分離部23、第2色変換部24、フィルタリング部25は、画像形成部3において最良の画像が形成されるように、画像に対して行う処理である。これらの処理は、画像処理制御部5によって動作が制御される。例えば、画像形成部3に応じた処理を行わないように画像処理制御部5によって制御される場合、第1色変換部22、第2色変換部24,フィルタリング部25は、入力された画像をそのまま出力するように、パラメータがセットされる。またTI分離部23については、その動作が停止されるか、あるいは第2色変換部24,フィルタリング部25において利用されなくなる。もちろん、例えば画像形成部3に対する処理以外の処理を行ってもよい。
【0025】
TRC部26は、ここではそれぞれの色成分の画像に対して、例えば操作者や外部装置11などからの指示に従って一律に階調変換処理を行う。画像処理部2は、このTRC部26のように、画像形成部3に応じた処理以外の処理を行う構成を有していてもよい。
【0026】
なお、上述の画像処理部2の構成は一例であって、これらの構成の一部を有しない構成であってもよく、またこのほかの処理を行う構成を有するなど、画像処理部2における処理内容は任意である。また、画像読取部1においても画像読取部1の特性に応じた処理、例えばシェーディング補正や読取位置補正などの各種の処理を行ってもよい。また、画像形成部3においても、万線スクリーン処理など、画像形成時の各種の画像処理を行ってもよい。
【0027】
次に、本発明の画像読取形成装置の第1の実施の形態における動作の一例を説明する。複写機能時には、画像処理制御部5は、画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を行うように制御する。画像読取部1に原稿をセットした後、図示しない操作部から複写開始を指示することによって、画像読取部1は原稿上の画像を読み取る。読み取った画像は画像処理部2の画像メモリ21に格納される。この時の画像はRGB色空間における画像である。
【0028】
そして、画像形成部3の動作タイミングに従って画像メモリ21から画像が読み出され、第1色変換部22において画像読取部1に依存したRGB色空間から装置に依存しない例えばL* * * 色空間への変換を行い、TI分離部23において1ないし複数画素毎に画像の特性を判定する。判定結果は第2色変換部24及びフィルタリング部25に入力される。
【0029】
第2色変換部24は第1色変換部22から出力されるL* * * 色空間の画像を、画像形成部3において要求されるYMCK色空間の画像に変換する。このとき、第2色変換部24は、TI分離部23における判定結果を受け取り、その画像の特性において最良の画像が画像形成部3で形成されるように、色変換処理を行う。さらに色変換処理が施された画像はフィルタリング部25に入力され、TI分離部23における判定結果に従って、その画像の特性において最良の画像が画像形成部3で形成されるように、フィルタリング処理が行われる。さらにTRC部26による階調変換処理など、各種の処理が施された後、画像形成部3に渡され、画像が形成される。
【0030】
このようにして、画像読取部1で読み取った画像が画像形成部3で形成されることになる。この場合、画像処理部2では画像形成部3に応じた処理を施すことによって、画像形成部3で高画質の画像が形成される。
【0031】
図2は、画像読取機能時の動作の第1の例を示すフローチャートである。画像読取機能では、画像形成部3に応じた処理を施した後の画像か、画像形成部3に応じた処理を施していない画像のいずれかを外部装置11に転送することができる。図2に示した例では、画像形成部3に応じた処理を行わない場合の例を示している。この場合、画像処理制御部5は、画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を禁止するように制御する。
【0032】
S21において画像読取部1に原稿をセットした後、S22において外部装置11から画像の読取を指示する。この指示はインタフェース部4によって受け取られ、各部が起動する。S23において、画像読取部1は原稿上の画像を読み取る。読み取った画像は画像処理部2の画像メモリ21に格納される。この時の画像はRGB色空間における画像である。
【0033】
そして、画像形成部3の動作タイミングに従って画像メモリ21から画像が読み出され、第1色変換部22に入力されるが、画像処理制御部5によって画像形成部3に応じた処理が禁止されているので、ここではRGB色空間の画像がそのまま第1色変換部22から出力される。また、TI分離部23は動作しないか、あるいは動作してもその判定結果は第2色変換部24及びフィルタリング部25では利用されない。従って、第2色変換部24及びフィルタリング部25においても、第1色変換部から出力されるRGB色空間の画像に対する処理を行わずに出力する。もちろん、例えばフィルタリング部25などにおいて、ある程度の処理を行ってもよく、ここではS24において外部装置11から指示されたフィルタリング処理をフィルタリング部25で行う。またS25において、TRC部26は、外部装置11から指示された階調変換などの処理を行う。
【0034】
上述のように画像形成部3に応じた処理を行わずに画像処理部2から出力された画像は、S26においてインタフェース部4に渡される。インタフェース部4では、例えばS27に示したような面順次→点順次変換等、外部装置11において画像を受け取るのに最適な形式に変換し、S28において画像を外部装置11へ転送する。
【0035】
このようにして、画像読取部1で読み取ったRGB色空間の画像を外部装置11へ転送することができる。外部装置11では、転送されてきた画像を受け取り、各種の種々の用途に利用することができる。例えば外部装置11では、画像読取機能によって読み込んだ画像に対して切り抜きやペイント、イフェクト処理などを行うことができる。
【0036】
図3は、画像形成機能時の動作の第1の例を示すフローチャートである。図2に示したように画像形成部3に応じた処理を行わずに外部装置11に転送し、各種の加工を行った画像を再び画像読取形成装置に戻し、画像形成機能によって画像読取形成装置で画像形成することができる。なお、この場合の画像処理制御部5による画像処理部2の制御は、画像形成部3に応じた処理が行われるように制御する。
【0037】
S31において、外部装置11は画像読取形成装置に対して、形成したい画像(例えばRGB色空間の画像)を転送する。インタフェース部4は、外部装置11から送られてきた画像を受け取り、S32において、例えば点順次→面順次の変換など、内部処理において最適な形式に変換し、画像処理部2へ入力する。画像処理部2へ入力された画像は、一旦、画像メモリ21に格納される。
【0038】
そして、画像形成部3の動作タイミングに従って画像メモリ21から画像が読み出され、S33において第1色変換部22でRGB色空間から装置に依存しない例えばL* * * 色空間への変換を行う。そしてS34において、第1色変換部22による変換後の画像からTI分離部23で1ないし複数画素毎に画像特性の判定を行う。判定結果は第2色変換部24及びフィルタリング部25に入力される。
【0039】
S35において、第2色変換部24は第1色変換部22から出力されるL* * * 色空間の画像を、画像形成部3において要求されるYMCK色空間の画像に変換する。このとき、第2色変換部24は、TI分離部23における判定結果を受け取り、その画像の特性において最良の画像が画像形成部3で形成されるように、色変換処理を行う。さらに色変換処理が施された画像はフィルタリング部25に入力され、TI分離部23における判定結果に従って、その画像の特性において最良の画像が画像形成部3で形成されるように、S36においてフィルタリング処理が行われる。さらにS37において、TRC部26による階調変換処理など、各種の処理が施された後、画像形成部3に渡され、S38において画像形成部3で画像を形成する。
【0040】
このようにして、外部装置11から受け取った画像(ここでは画像読取機能によって画像読取部1で読み取ったRGB色空間の画像)を画像形成部3で形成することができる。この場合、画像処理部2では画像形成部3に応じた処理を施すので、画像形成部3で高画質の画像を形成することができる。例えば、画像の形成によって再現される色は、画像形成方式によって大きく異なるし、機差によっても微妙に異なってくる。上述のように、この画像読取形成装置の画像形成部3における再現色の特性に応じて、第1色変換部22及び第2色変換部24において色変換が行われるため、この画像読取形成装置の画像形成部3において最良の色再現が行われた画像を形成することができる。それとともに、外部装置11においてそのような各装置に応じた色再現のための色変換処理などを行う必要がなくなる。
【0041】
なお、ここでは画像読取機能によって画像形成部3に応じた処理を施さずに読み込んだ画像を、画像形成機能によって画像形成するものとして説明した。上述の画像形成機能時の動作の第1の例は、後述する画像形成部3に応じた処理を施した画像を形成する場合以外において適用可能である。例えば外部装置11あるいは他の装置において作成あるいは読み込んだ種々の画像等であってもよい。また、記述言語などで記述されたデータやテキストデータ等については、外部装置11において描画処理を行って画像を転送するか、あるいはインタフェース部4において描画処理を行ってもよい。
【0042】
画像読取機能では、上述のように画像形成部3に応じた処理を施した後の画像か、画像形成部3に応じた処理を施していない画像のいずれかを外部装置11に転送することができる。次に示す例では、画像形成部3に応じた処理を行ってから外部装置11へ転送する場合の例を示す。この場合、画像処理制御部5は、画像処理部2に対して画像形成部3に応じた処理を行うように制御する。
【0043】
図4は、画像読取機能時の動作の第2の例を示すフローチャートである。上述の図2に示した第1の例と同様に、S41において画像読取部1に原稿をセットした後、S42において外部装置11から画像の読取を指示する。この指示はインタフェース部4によって受け取られ、各部が起動する。S43において、画像読取部1は原稿上の画像を読み取る。読み取った画像は画像処理部2の画像メモリ21に格納される。この時の画像はRGB色空間における画像である。
【0044】
そして、画像形成部3の動作タイミングに従って画像メモリ21から画像が読み出され、第1色変換部22に入力される。この例では画像処理制御部5が画像処理部2において画像形成部3に応じた処理を行うように制御しているので、第1色変換部22はS44において、画像読取部1で読み取ったRGB色空間の画像を装置に依存しない例えばL* * * 色空間の画像へ変換する。そしてS45において、TI分離部23は第1色変換部22で変換処理を行った画像から1ないし複数画素毎に画像の特性を判定する。判定結果は第2色変換部24及びフィルタリング部25に入力される。
【0045】
第2色変換部24は、S46において、第1色変換部22から出力されるL* * * 色空間の画像を、画像形成部3において要求されるYMCK色空間の画像に変換する。このとき、第2色変換部24は、TI分離部23における判定結果を受け取り、その画像の特性において最良の画像が画像形成部3で形成されるように、色変換処理を行う。さらに第2色変換部24で色変換処理が施された画像はフィルタリング部25に入力され、TI分離部23における判定結果に従って、その画像の特性において最良の画像が画像形成部3で形成されるように、S47においてフィルタリング処理が行われる。その後S48において、TRC部26による階調変換処理など、各種の処理が施される。
【0046】
上述のようにして画像処理部2において画像形成部3に応じた処理を行ったYMCK色空間の画像は、S49においてインタフェース部4に渡される。インタフェース部4では、例えばS50に示したような面順次→点順次変換等、外部装置11において画像を受け取るのに最適な形式に変換し、S51において画像を外部装置11へ転送する。なお、画像の転送の際には、画像形成部3に応じた処理を行っている旨を示す情報を画像に付しておく。
【0047】
このようにして、画像読取部1で読み取り、画像形成部3に応じた処理を施した後の画像を外部装置11へ転送することができる。外部装置11では、転送されてきた画像を受け取り、各種の種々の用途に利用することができる。例えば外部装置11では、画像読取機能によって読み込んだ画像に対して切り抜き等の各種の処理を行うことができる。
【0048】
また、このように画像読取部1で読み取った画像に対して画像形成部3に応じた処理を施しているので、インタフェース部4から外部装置11に転送するものと同じ画像を画像形成部3にも転送して画像を形成することができる。これによって、画像読取機能と複写機能を同時に実行することが可能である。
【0049】
このようにして外部装置11が受け取った画像は、画像形成部3において形成することによって高画質の画像が得られるように、すでに処理されている。従って、図4に示したように画像形成部3に応じた処理を施した後の画像は、再び同じ画像読取形成装置に戻して、画像形成機能により画像を形成することが望ましい。
【0050】
図5は、画像形成機能時の動作の第2の例を示すフローチャートである。図5に示した第2の例では、図4に示したように画像形成部3に応じた処理を行って外部装置11に転送し、各種の加工を行った画像を再び画像読取形成装置に戻し、画像形成機能によって画像読取形成装置で画像形成する場合について示している。この場合、すでに画像形成部3に応じた処理が施されているので、画像処理部2において重複した処理を行うことがないように、画像処理制御部5は画像処理部2に対して、画像形成部3に応じた処理を禁止するように制御する。
【0051】
S61において、外部装置11は画像読取形成装置に対して、すでに画像形成部3に応じた処理が施された画像を転送する。インタフェース部4は、外部装置11から送られてきた画像を受け取る。このとき、受け取った画像が、すでに画像形成部3に応じた処理が施されたものであるか否かを判断する。判断の方法としては、例えば画像読取機能時に付した、画像形成部3に応じた処理を行っている旨を示す情報の有無を判断すればよい。これらは受け取った画像に付されているタグや属性などから判断することが可能である。あるいは、例えばYMCK色空間の画像が入力されるなど、種々の条件により判断することが可能である。
【0052】
インタフェース部4は、外部装置11から送られてきた画像を受け取ったら、S62において、例えば点順次→面順次の変換など、内部処理において最適な形式に変換し、画像処理部2へ入力する。画像処理部2へ入力された画像は、一旦、画像メモリ21に格納される。
【0053】
そして、画像形成部3の動作タイミングに従って画像メモリ21から画像が読み出され、第1色変換部22に入力されるが、画像処理制御部5によって画像形成部3に応じた処理が禁止されているので、ここでは外部装置11から受け取った画像がそのまま第1色変換部22から出力される。また、TI分離部23は動作しないか、あるいは動作してもその判定結果は第2色変換部24及びフィルタリング部25では利用されない。従って、第2色変換部24及びフィルタリング部25においても、第1色変換部から出力されるRGB色空間の画像に対する処理を行わずに出力する。もちろん、例えばフィルタリング部25などにおいて、ある程度の処理を行ってもよく、ここではS63において外部装置11から指示されたフィルタリング処理をフィルタリング部25で行う。またS64において、TRC部26は、外部装置11から指示された階調変換などの処理を行う。そして処理後の画像が画像形成部3に渡され、S65において画像形成部3で画像を形成する。
【0054】
このようにして、予め画像形成部3に応じた処理が施された画像が外部装置11から送られてきた場合でも、支障なく画像形成部3によって高画質の画像を形成することができる。
【0055】
図6は、本発明の画像読取形成装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。図中の符号は図1と同様であり、重複する説明を省略する。図6に示す例では、画像形成機能においてインタフェース部4が外部装置11から受け取った画像を画像処理部2に入力する際に、その入力先を変更する構成を示している。
【0056】
図6に示す例では、図1に示した例と同様に、画像処理部2には第1色変換部22、TI分離部23、第2色変換部24、フィルタリング部25、TRC部26等を有している。このうち、第1色変換部22、TI分離部23、第2色変換部24、フィルタリング部25については、画像形成部3に応じた処理を施すことができる。しかし、例えば画像読取機能時に画像形成部3に応じた処理が施された画像が、再び画像形成機能時に転送されてきた場合には、第1色変換部22、TI分離部23、第2色変換部24、フィルタリング部25における画像形成部3に応じた処理を必要としない。従って、インタフェース部4が画像形成部3に応じた処理が施された画像を受け取った場合には、これらの各部よりも後段に受け取った画像を入力すればよい。
【0057】
このように、インタフェース部4が画像形成部3に応じた処理が施された画像を受け取った場合には、その画像が画像形成部3に応じた処理を行う部分を通過する必要がないので、図6に示す例では、インタフェース部4が受け取った画像が画像形成部3に応じた処理が施されたものであるか否かに応じて、その画像の画像処理部2に対する入力先を変更している。具体的には、インタフェース部4が受け取った画像が画像形成部3に応じた処理が施されていないものである場合には、先の例と同様に画像処理部2の入力側(この例では画像メモリ21)に入力する。しかしインタフェース部4が受け取った画像が画像形成部3に応じた処理が施されたものである場合には、その画像をTRC部26に入力している。このとき、画像形成部3で画像を形成するタイミングに合わせてTRC部26に画像を入力する必要がある。
【0058】
例えば画像読取機能時に、必ず画像処理部2において画像形成部3に応じた処理を行って、インタフェース部4から外部装置11へ転送する場合には、画像処理制御部5を設けずに構成することも可能である。すなわち、図6に示すようにインタフェース部4で画像形成機能時に受け取った画像が画像読取機能によって読み取った画像であれば、改めて画像形成部3に応じた処理を行わないように、画像処理部2への入力先を変更するので、第1色変換部22からフィルタリング部25では処理を切り換える必要がなくなる。従って、画像処理制御部5による画像形成部3に応じた処理を行うか否かの制御を不要とすることができる。
【0059】
なお、上述の各実施の形態に示した例では、画像処理部2の構成として、画像形成部3に応じた処理を行う部分が前段に、任意の処理を行う部分が後段に配置されている例を示しているが、両者が混在している構成であってもよい。もちろん、画像処理部2で行う処理の内容も、図1,図6に示した構成に限られるものではなく、任意に構成可能である。
【0060】
また、上述の各実施の形態においても、従来と同様にプリンタコントローラを別途設けておくことも可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、画像形成機能時あるいは画像読取機能時においても、複写機能時と同様に画像形成手段に応じた処理を画像読取記録装置内で行うことができる。従って、外部装置において画質を向上させるためにその画像形成手段に対する特有の複雑な処理を行わなくても、最良の画質で高速に画像を形成させることが可能になる。また、このような画像形成手段に応じた処理は、複写機能時に利用していたものを共用するので、装置の大型化やコストの増大を抑えることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像読取形成装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 画像読取機能時の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【図3】 画像形成機能時の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【図4】 画像読取機能時の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【図5】 画像形成機能時の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の画像読取形成装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】 従来の画像読取形成装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…画像読取部、2…画像処理部、3…画像形成部、4…インタフェース部、5…画像処理制御部、11…外部装置、21…画像メモリ、22…第1色変換部、23…TI分離部、24…第2色変換部、25…フィルタリング部、26…TRC部、31…インタフェース部、32…プリンタコントローラ、33…セレクタ。

Claims (8)

  1. 画像の読取を行う画像読取手段と、画像の形成を行う画像形成手段と、前記画像形成手段に応じた画像処理が可能な画像処理手段と、前記画像処理手段における処理の内容を制御する画像処理制御手段と、前記画像処理手段の出力を外部へ転送するとともに外部から受け取った画像を前記画像処理手段に入力するインタフェース手段を有し、前記画像処理制御手段は、前記インタフェース手段から画像を外部に転送する際には、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像か、あるいは前記画像処理手段に対して実質的に前記画像形成手段に応じた画像処理を禁止して前記画像形成手段に応じた画像処理を施していない画像のいずれかを前記インタフェース手段から外部へ転送させることを特徴とする画像読取形成装置。
  2. 前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を前記インタフェース手段から外部へ転送する際に、画像処理済である旨の属性情報を付加して出力することを特徴とする請求項1に記載の画像読取形成装置。
  3. 画像の読取を行う画像読取手段と、画像の形成を行う画像形成手段と、前記画像形成手段に応じた画像処理が可能な画像処理手段と、前記画像処理手段における処理の内容を制御する画像処理制御手段と、前記画像処理手段の出力を外部へ転送するとともに外部から受け取った画像を前記画像処理手段に入力するインタフェース手段を有し、前記画像処理制御手段は、前記インタフェース手段から画像を外部に転送する際に、前記画像処理手段に対して前記画像形成手段に応じた画像処理を行うように制御し、前記画像読取手段によって読み取った画像に対して前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後に前記インタフェース手段から外部へ転送させることを特徴とする画像読取形成装置。
  4. 前記画像処理制御手段は、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を前記インタフェース手段で外部より受け取った場合には、前記画像処理手段に対して実質的に前記画像形成手段に応じた処理を禁止するように制御し、前記インタフェース手段で受け取った画像が前記画像形成手段に渡されて画像が形成されることを特徴とする請求項3に記載の画像読取形成装置。
  5. 前記インタフェース手段は、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を外部より受け取った場合には、前記画像処理手段に対して前記画像形成手段に応じた処理以外の処理を行われるように画像を渡し、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた処理以外の処理を行った画像を前記画像形成手段で形成することを特徴とする請求項3に記載の画像読取形成装置。
  6. 前記インタフェース手段で外部より受け取った画像について、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像であるか否かは、該画像に付加されている属性情報により判断することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像読取形成装置。
  7. 画像の読取を行う画像読取手段と、画像の形成を行う画像形成手段と、前記画像形成手段に応じた画像処理が可能な画像処理手段と、前記画像処理手段の出力を外部へ転送するとともに外部から受け取った画像を前記画像処理手段に入力するインタフェース手段を有し、前記インタフェース手段は、前記画像読取手段によって読み取った画像に対して前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後に前記インタフェース手段から外部へ転送させるとともに、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を外部より受け取った場合には、前記画像処理手段に対して前記画像形成手段に応じた処理以外の処理を行われるように画像を渡し、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた処理以外の処理を行った画像を前記画像形成手段で形成することを特徴とする画像読取形成装置。
  8. 前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像を前記インタフェース手段から外部へ転送する際に、画像処理済である旨の属性情報を付加して出力し、前記インタフェース手段で外部より受け取った画像に、前記画像処理手段で前記画像形成手段に応じた画像処理を施した後の画像である旨の属性情報が付加されているとき、前記画像処理手段に対して前記画像形成手段に応じた処理以外の処理を行われるように画像を渡すことを特徴とする請求項7に記載の画像読取形成装置。
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