JP3801318B2 - 多重放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多重放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
FM放送において、FM文字多重放送と呼ばれ、本来の音声放送の番組に、文字情報を始めとする各種のデジタルデータを多重化して放送することが実現されている。
【0003】
このFM文字多重放送はDARC方式と呼ばれているが、文字情報などのデジタルデータの多重化の規格は、
副搬送周波数:76kHz
伝送レイト :16kビット/秒
変調方式 :LMSK
誤り訂正方式:(272,190 )短縮化差集合巡回符号による積符号
とされている。
【0004】
そして、そのデジタルデータにより変調されたLMSK信号が、本来の音声放送の番組のオーディオ信号(モノラル信号あるいはステレオコンポジット信号)に加算されて周波数多重化され、その周波数多重化信号により主搬送波信号がFM変調されて送信される。
【0005】
また、文字情報などの番組サービスには、レベル1、2、3の3種類があるが、これらは、いずれもドット表示により各種の情報を表示(提示)するものである。そして、レベル1は、例えば図10Aに示すように、その情報が文字であり、ヘッダ部を含んで15.5文字×2.5 行の表示が可能なFM受信機に向けたサービスである。
【0006】
また、レベル2は、例えば図10Bに示すように、その情報が文字および図形であり、ヘッダ部を含んで15.5文字×8.5 行の表示が可能なFM受信機に向けたサービスである。さらに、レベル3は、例えば図10Cに示すような表示に使用されるものであり、CD−ROMなどにより詳細な地図を表示できるFM受信機、すなわち、ナビゲーションシステムに向けた交通情報のサービスである。
【0007】
そして、FM文字多重放送においては、デジタルデータがフレーム化されるが、その1フレームは272 ブロックで構成され、それぞれのブロックは288 ビットとされている。また、1フレームの272 ブロックのうち、190 個のブロックはデータパケットと呼ばれ、本来のデジタルデータを有し、残る82個のブロックはパリティパケットと呼ばれ、パリティチェックに使用される。
【0008】
なお、データの転送レイトおよびフレームの大きさは上記のとおりなので、1フレーム分のデータの放送あるいは送信に必要な時間は、5秒弱(=288 ビット×272 ブロック/16kビット)となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、航法衛星としてGPS衛星があり、このGPS衛星からの電波を利用したナビゲーションシステムが実用化されている。このナビゲーションシステムにおいては、GPS衛星から送信されてくるデータを受信して自動車の走行位置などの情報を得、この情報をもとに、自動車の現在位置を含む地図をディスプレイに表示するとともに、その地図上に自動車の現在位置を表示するようにしている。
【0010】
ただし、この場合、GPS衛星から送信されてくる情報は、SAにより精度が動的に変動している。そこで、FM文字多重放送のサービスの一部として、上述したフレームのうち、先頭の2パケットを使用してSAによる精度の低下を補正するデータ、すなわち、DGPS補正データを送信することが考えられている。
【0011】
そして、このDGPS補正データを使用すると、GPS衛星からのデータだけにより自動車の走行位置などの情報を得る場合に比べ、位置の精度を大幅に高めることができる。
【0012】
一方、交通情報システムとしてVICSが実用化されているが、このVICSは情報伝送メディアとして光ビーコン、電波ビーコン、FM文字多重放送の3メディア構成となっている。そして、このうち、FM文字多重放送は、サービスエリア内であれば場所を選ばずに情報を受信できるという広域メディアとしての特性を活かした役割を受け持ち、デジタルデータの一部として道路の混雑状況などの情報を送信している。
【0013】
したがって、自動車のナビゲーション装置において、DGPS補正データと、VICSのデータとの両方を利用できれば、きわめて効果的である。
【0014】
ところで、これらDGPS補正データおよびVICSのデータは、これらの持つ情報の性格上、常にリアルタイムで利用すべきである。そして、これらDGPS補正データおよびVICSのデータが同一の放送局から放送されていれば、問題はないが、すべての地域において両データを同一の放送局が放送しているとは限らない。したがって、どこででも両データを同時に利用できるようにするには、2台のFM文字多重放送受信機が必要となってしまう。
【0015】
しかし、2台のFM文字多重放送受信機を設けるのでは、コストが高くなってしまう。また、自動車に2台の受信機を搭載するとなると、その設置スペースやアンテナなどの配線という車載装置特有の問題も生じてしまう。
【0016】
このため、一般には、受信機を1台だけ車載することになるが、その場合、
1.運転者が、モード設定により、DGPS補正データの放送局と、VICSデータの放送局との一方に固定し、その一方だけを受信する。
2.DGPS補正データの放送局と、VICSデータの放送局とを、例えば5秒ごとに交互に受信して両データを得る。
などの方法が考えられる。
【0017】
しかし、前者の方法では、一方のデータをまったく利用できない。また、後者の方法では、それぞれのデータに対する受信効率が低下するので、結果として、どちらのサービスに対しても満足のいかない中途半端なものとなってしまう。
【0018】
この発明は、以上のような問題点を解決しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、
各種のデジタルデータを所定のフォーマットでエンコードし、このエンコード信号を、本来の音声放送の番組の信号に多重化して放送する多重放送の受信機において、
上記多重放送を受信して上記エンコード信号を出力する受信回路と、
この受信回路から出力された上記エンコード信号をデコードして上記デジタルデータを出力するデコーダ回路と、
上記受信回路の選局を制御する制御回路と
を有し、
上記多重放送のうちの第1の多重放送では、上記デジタルデータの一部として、上記多重放送のサービスエリアを所定の大きさで区切ったときの各エリアを単位とする交通情報のデータと、その他の交通情報のデータとを、所定の期間を送信の単位期間としてその単位期間に2回以上繰り返し放送するとともに、
上記多重放送のうちの第2の多重放送では、上記デジタルデータの一部として航法衛星から送信されてくる位置情報を補正するための補正データを放送している場合に、
上記単位期間における第1回目の上記各エリアを単位とする交通情報のデータの期間のうち、ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間には、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第1の多重放送を受信するモードに設定し、
上記単位期間のうち、第1回目の上記各エリアを単位とする交通情報のデータの期間のうち、残る期間は、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第1の多重放送と上記第2の多重放送とを所定の期間ごとに交互に受信するモードに設定し、
上記単位期間のうち、第2回目以降の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間であって、前回の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータを正常に受信できているときには、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第2の多重放送を受信するモードに設定し、
上記単位期間のうち、第2回目以降の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間であって、前回の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータを正常に受信できていないときには、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第1の多重放送を受信するモードに設定し、
ようにした多重放送受信機
とするものである。
したがって、1台の多重放送受信機であっても、最新の交通情報システムのデータおよび補正データが確実に取り出される。
【0020】
【発明の実施の形態】
ここで、VICSデータの内容およびその送信方法について説明すると、以下のとおりである。すなわち、図8に示すように、VICSデータは、複数のデータグループから構成されるとともに、基本的には、その1つのデータグループは、SI=6のデータ、SI=5のデータ、SI=4のデータ、共通マクロのデータを、この順に有している。
【0021】
この場合、SI=6のデータは、レベル3の情報であり、例えば図10Cに示すように、混雑している道路を赤色で表示するときなどに使用されるデータである。また、SI=5のデータは、レベル2の情報であり、例えば図10Bに示すように、図形などを表示するためのデータである。さらに、SI=4のデータは、レベル1の情報であり、例えば図10Aに示すように、文字などを表示するためのデータである。また、共通マクロは、絵文字などのように基本的に更新されることのない図形を表示するためのデータである。
【0022】
したがって、1つのデータグループの長さは不定となるが、5分間が単位期間とされ、この単位期間ごとに情報を更新するとともに、この単位期間に、同じデータグループを少なくとも2回以上送信するように規定されている。
【0023】
図8は、その規定にしたがって1つのデータグループを2回送信し、第3回目のデータグループのSI=6のデータを送信している途中で、単位期間が終了した場合である。なお、次の単位期間には、更新されたデータグループがその先頭から送信される。
【0024】
このように、同一のデータを少なくとも2回繰り返して送信するのは、その送信が、FM多重放送というメディアにより行われるので、電波の状況などによって受信エラーが発生した場合でも、ある程度の受信率を確保するためである。
【0025】
したがって、任意の単位期間において、第1回目のデータグループのデータを正常に受信できれば、第2回目以降のデータを受信する必要がないことになる。そして、第1回目のデータグループの受信は、最長で単位期間の1/2 、すなわち、2.5 分ですむ。
【0026】
しかも、VICSデータの持つ情報の性格として、地図に重畳されて表示される情報、すなわち、レベル3(SI=6)の情報を最優先で必要とする場合が多い。また、大半の使用状態では、ディスプレイ上に自車位置を含む地図、あるいはその付近の地図を表示させているので、自車位置付近のレベル3の情報が最も重要となる。
【0027】
さらに、レベル3の情報は、道路の渋滞状況などの表示に使用されるだけでなく、動的経路誘導(DRGS)を行うときの経路探索、あるいは交通状況の音声案内などのためにも使用されるので、常に最新のデータを受信しておくことが望まれる。
【0028】
しかし、レベル2(SI=5)やレベル1(SI=4)の情報は、ユーザが特に意識して要求した場合に始めて表示されるものである。したがって、そのレベル1およびレベル2の情報は、更新する必要はあるが、レベル3の情報と比較すると、優先度は下がることになる。
【0029】
また、レベル1やレベル2に使用される共通マクロのデータは、基本的には随時更新される種類のデータではない。したがって、共通マクロに対する更新の優先度はさらに下がることになる。
【0030】
さらに、受信したデータのプリフィックスに含まれるSI部分をチェックすることにより、SIデータのサイズ(あるいは時間長)を知ることができる。そして、VICSデータの情報は、その性格上、時間的に隣接した単位期間では、その相関が高い。したがって、ある単位期間に検出したSIデータのサイズは、続くいくつかの単位期間のSIデータのサイズを示していると見なしても、その信頼度は高い。
【0031】
このようにVICSデータにおいては、同じデータグループに含まれるデータであっても、データによって優先度あるいは重要度が異なるが、さらに、SI=6のデータについて、検討すると、次のとおりである。
【0032】
すなわち、ナビゲーションシステム用の地図は、例えば図9に示すように、対象となる地域が10km四方ごとにメッシュ状に区切られ、そのメッシュ状の地域を単位として1つの地図データにデータ化されるとともに、その地図データがCD−ROMに格納されている。また、このとき、その地図データごとに、固有のメッシュ番号(メッシュコード)が与えられている。
【0033】
したがって、例えば、図9において、自車の現在位置が位置Pであって、この自車位置Pを中心にした長方形のエリアAの地図をディスプレイに表示する場合には、メッシュ番号533935、533936、533925、533926のメッシュの地図データが必要になる。つまり、GPS衛星により位置Pのデータを得、この位置データをメッシュ番号533935、533936、533925、533926に変換し、このメッシュ番号の地図データをCD−ROMから読み出して表示を行うことになる。
【0034】
また、例えば車の移動先であるエリアBの地図を表示する場合には、メッシュ番号533945、533946、533935、533936のメッシュの地図データが必要になる。
【0035】
そして、VICSのSI=6のデータは、そのFM文字多重放送のサービスエリアにおける各種の情報、例えば渋滞情報、事象規制情報、区間旅行時間情報、駐車場情報などを有するものであるが、1つのメッシュに対して1つの番組(文字番組における番組)が対応し、メッシュを単位として各種の情報を有している。また、受信側である車載装置でも、メッシュ単位で受信したデータを処理している。そして、そのとき、メッシュ番号および番組番号がメッシュの区別に使用される。
【0036】
したがって、以上のことから、SI=6のデータであっても、すべてのメッシュについて、そのメッシュのデータを必要とはしないことになる。例えば、図9において、エリアAが現在の自車位置Pを含むエリアであって、エリアBが移動先を含むエリアの場合、エリアA、Bを含むメッシュのデータは、重要度(あるいは優先度)が極めて高いが、これ以外のメッシュのデータは、重要度が極めて低い。
【0037】
なお、以下の説明においては、エリアA、Bを含むメッシュのように、重要度(あるいは優先度)が極めて高いメッシュを、「優先メッシュ」と呼ぶことにする。
【0038】
一方、DGPS補正データは、上記のようにFM文字多重放送の各フレームの先頭の2パケットを使って送信される。そして、1フレームの送信には、約5秒の時間がかかる。したがって、DGPS補正データの送信は、5秒間隔ということになる。
【0039】
この発明は、VICSデータおよびDGPS補正データの内容や送信が以上のような形態であることに着目したものであり、1台の受信機において、例えば図7に示すようなタイミングで両データを時分割的に受信し、結果として、1台の受信機で両データを効率よく受信できるようにしたものである。
【0040】
すなわち、図7Aは、単位期間におけるVICSデータの送信例を示す。そして、実際には、上記のように、単位期間におけるデータグループの送信回数は不定であるが、この発明においては、主に第1回目のデータグループのデータを使用するので、以下の説明は、この図7Aの状態で代表する。また、この図7Aにおいては、図8と場合と同様、単位期間に、データグループを2回送信し、その後、第3回目のデータグループのSI=6のデータの送信中に単位期間が終了した場合である。
【0041】
そして、図7A、Bにおいて、時点T11および時点T12は、それぞれの単位期間において、第1回目のSI=6のデータの送信が開始される時刻および終了する時刻を示す。また、時点T21および時点T22は、それぞれの単位期間において、第2回目のSI=6のデータの送信が開始される時刻および終了する時刻、時点T31は、それぞれの単位期間において、第3回目のSI=6のデータの送信が開始される時刻である。
【0042】
さらに、SI=6のデータの送信期間において、期間τが、必要とするメッシュ、すなわち、優先メッシュのデータの送信期間である。
【0043】
そして、図7Bは、図7AのVICSデータの送信状態を基準としてDGPS補正データおよびVICSデータの受信制御の状態を示すものであり、図7Bにおいて、
太い実線:VICSデータを受信する状態
実 線 :VICSデータとDGPS補正データとを交互に受信する状態
太い点線:前回のSI=6のデータの受信状況にしたがって、VICSデータあるいはDGPS補正データを選択的に受信する状態
を、それぞれ示す。
【0044】
つまり、任意の時点T10に受信をスタートさせると、まず、VICSデータを放送している放送局を選局し、そのVICSデータを受信していく。なお、以後の処理のため、単位期間の先頭の時点T11を検出する必要があるが、これは、VICSデータにより更新される更新フラグ、あるいはVICSデータに含まれるタイムスタンプの変化から検出することができる。
【0045】
そして、図2Bの上部に示すように、時点T10を含む単位期間を第1番目の単位期間とすると、この第1番目の単位期間に続く第2番目の単位期間には、VICSデータを放送している放送局を連続して選局し、この第2番目の単位期間におけるVICSデータをすべて受信する。また、この単位期間には、時点T11〜T31を検出しておく。
【0046】
さらに、続く第3番目の単位期間には、優先メッシュのデータの送信開始時刻を検出する。このとき、優先メッシュは一般に複数あるので、それぞれについて送信開始時刻を検出する。
【0047】
続いて、第4番目の単位期間には、その開始時点T11からVICSデータを放送している放送局と、DGPS補正データを放送している放送局とを、例えば10秒ごとに交互に選局し、両データを交互に受信する。
【0048】
そして、第4番目の単位期間の優先メッシュの送信期間τになったら、VICSデータを放送している放送局を選局し、VICSデータ、すなわち、優先メッシュのデータを順に受信していく。そして、優先メッシュのデータの期間τを終了したら、再びVICSデータを放送している放送局と、DGPS補正データを放送している放送局とを交互に選局し、両データを交互に受信する。
【0049】
続いて、時点T21になると、第2回目のSI=6のデータの送信(再送)となるが、直前の第1回目の優先メッシュのデータを正常に受信できているときには、その第2回目の優先メッシュのデータは不要なので、第2回目の優先メッシュのデータの送信期間τには、DGPS補正データを放送している放送局を選局し、そのDGPS補正データを受信する。
【0050】
しかし、直前の第1回目の優先メッシュのデータを正常に受信できていないときには、期間τにはVICSデータを放送している放送局を選局し、その第2回目の優先メッシュのデータを受信する。
【0051】
そして、第2回目の優先メッシュのデータの期間τを終了したら、再びVICSデータを放送している放送局と、DGPS補正データを放送している放送局とを交互に選局し、両データを交互に受信する。
【0052】
さらに、時点T31以降も時点T21の場合と同様の処理を実行する。
【0053】
そして、この第3番目の単位期間における以上の処理を、第4番目以降の単位期間ごとに繰り返す。
【0054】
このようにすれば、VICSデータの受信は間欠的になるが、もっとも重要度の高い優先メッシュのデータは、VICSデータを常に受信しているときと同じ受信頻度で受信しているので、表示に支障をきたすことがない。
【0055】
また、その他のVICSデータは優先度が低いとともに、DGPS補正データと、交互に受信しているので、それらのデータによる表示も適切に行うことができる。
【0056】
図1は、以上のようにしてVICSデータおよびDGPS補正データを受信するようにしたFM文字多重放送の受信機であって、車載用のナビゲーション装置に組み合わせて使用する受信機に適用した場合の一形態を示すもので、符号10はそのナビゲーション装置、符号20はFM文字多重放送の受信機である。
【0057】
そして、ナビゲーション装置10において、GPS衛星からの電波がGPSアンテナ11により受信され、その受信信号がGPSユニット(受信回路)12に供給され、GPSユニット12からは、自分の位置の情報および移動速度の情報などを有するデータが取り出され、このデータがマイクロコンピュータ16に供給される。
【0058】
また、自律航法ユニットとして、例えばジャイロセンサ13が設けられ、このジャイロセンサ13からは、自分の移動する速さおよび角速度の情報などを有するデータが取り出され、このデータがマイクロコンピュータ16に供給される。
【0059】
さらに、ドライブユニット15により、CD−ROM14からナビゲーションに必要な各種のデータ、例えば、地図を表示するときの画像データやマップマッチングのための道路データなどが読み出され、この読み出されたデータがマイクロコンピュータ16に供給される。
【0060】
そして、マイクロコンピュータ16には、表示素子としてLCD17が接続され、これにCD−ROM14から読み出された画像データにしたがって地図が表示されるとともに、GPSユニット12およびジャイロセンサ13から得られるデータにしたがって、現在位置などが表示される。
【0061】
一方、受信機20は、DGPS補正データおよびVICSのデータを受信するもので、アンテナ21により受信されたFM信号が受信回路22に供給される。この受信回路22は、アンテナ同調回路からFM復調回路までを有するとともに、PLLを有してシンセサイザ方式に構成されているものである。
【0062】
そして、この受信回路22において、目的とする周波数の放送局が選局されるとともに、この選局された放送局により放送されているFM多重放送におけるLMSK信号が取り出される。そして、このLMSK信号がデコーダ回路23に供給されてLMSK信号からFM文字多重放送のデータがデコードおよびエラー訂正されて取り出される。
【0063】
さらに、この多重放送受信機20には、受信回路22における選局を上述のように実行するとともに、受信したDGPS補正データおよびVICSのデータの処理を実行するため、マイクロコンピュータ30が設けられている。
【0064】
すなわち、このマイクロコンピュータ30は、プログラムを実行するためのCPU31と、そのプログラム用のROM32と、ワークエリア用およびデータエリア用のRAM33とを有する。そして、メモリ32、33はシステムバス39を通じてCPU31に接続されている。
【0065】
この場合、ROM32には、各種のルーチンが用意されているとともに、例えば図2〜図5に示すルーチン100〜400が用意される。これらルーチン100〜400の詳細については後述するが、図2〜図5は、簡単のため、この発明に関係する部分のみを抜粋して示している。
【0066】
また、RAM33には、DGPS補正データを放送しているFM多重放送局の周波数を示すデータと、VICSのデータを放送しているFM多重放送局の周波数を示すデータとが記憶されているものとする。さらに、RAM33には、受信機20の受信したDGPS補正データおよびVICSのデータを記憶・保持するエリアも用意されている。
【0067】
さらに、バス39には、ポート34〜36およびキーインターフェイス回路37が接続され、ポート34から受信回路22のPLLに選局用の周波数データが供給され、その選局が実行される。また、デコーダ回路23からのデータがポート35を通じてマイクロコンピュータ30に取り込まれる。
【0068】
また、マイクロコンピュータ30は、ポート36を通じてマイクロコンピュータ17に接続され、インターフェイス回路37には各種の操作キー41が接続される。さらに、バス39には、タイマ回路38が接続される。なお、このタイマ回路38は、VICSデータの単位期間の長さである5分を計時するために使用される。
【0069】
このような構成によれば、GPSユニット12およびジャイロセンサ13から得られる情報にしたがって、現在位置を含む地図の画像データがCD−ROM14から読み出され、この読み出された画像データにしたがってその地図がLCD17に表示されるとともに、その現在位置などが地図上に表示される。
【0070】
一方、任意の時点T10に操作キー41のうちの所定のキーを操作すると、まず、ルーチン100により、以下のようにして第2番目の単位期間におけるSI=6のデータの開始時刻T11、T21、・・・および終了時刻T12、T22、・・・がそれぞれ検出される。
【0071】
すなわち、所定のキーを操作すると、CPU31の処理がルーチン100のステップ101からスタートし、次にステップ102において、RAM33からVICSデータを放送している放送局の周波数のデータが読み出され、この周波数データがポート34を通じて受信回路22に供給され、VICSデータを放送している放送局の受信モードに設定される。したがって、図7Bに示すように、時点T10からVICSデータが受信されるようになる。
【0072】
続いて、処理はステップ111に進み、このステップ111において、デコーダ回路23からのデータがポート35を通じてマイクロコンピュータ30に取り込まれるとともに、単位期間の開始時点T11の検出待ちとされる。ここでは、VICSデータに含まれるタイムスタンプが、単位期間の開始時点ごとに更新されるので、この変化から単位期間の開始時点が検出される。
【0073】
そして、時点T11になると、第2番目の単位期間の開始時刻T11になると、これがステップ111により検出されて処理は111からステップ112に進み、このステップ112において、タイマ回路38の計時が0からスタートさせられるとともに、ソフトウェアによるカウンタTのカウントが0からスタートさせられる。この場合、カウンタTは、各単位期間における時点T11、T12、T21、T22、T31、・・・を検出するためのものである。こうして、タイマ回路38およびカウンタTが、第2番目の単位期間の開始時点T11からスタートする。
【0074】
続いて、ステップ113において、後述から明らかとなる変数nが1にセットされる。
【0075】
次に、ステップ121において、受信中のVICSデータに含まれるタイムスタンプが変化したかどうかがチェックされ、変化していないときには、まだ、第2番目の単位期間の受信中なので、処理はステップ121からステップ122に進み、このステップ122において、SI=6のデータの受信中であるかどうかがチェックされる。
【0076】
そして、SI=6のデータの受信中ではないときには、処理はステップ122からステップ121に戻る。したがって、ステップ121、122により第2番目の単位期間における第n回目、今の場合は、n=1なので、第1回目のSI=6のデータの受信待ちが行われることになる。
【0077】
そして、SI=6のデータが受信されると、処理はステップ122からステップ123に進み、このステップ123において、このときのカウンタTの値が変数Tn1にセットされる。今の場合は、n=1なので、変数T11にカウンタTの値がセットされることになり、変数T11は、第2の単位期間の開始時点からの時間を示していることになる。つまり、時点T11が検出されたことになる。
【0078】
次に、ステップ131において、受信中のVICSデータに含まれるタイムスタンプが変化したかどうかがチェックされ、変化していないときには、まだ、第2の単位期間の受信中なので、処理はステップ131からステップ132に進み、このステップ132において、SI=6のデータの受信中であるかどうかがチェックされる。
【0079】
そして、SI=6のデータの受信中のときには、処理はステップ132からステップ131に戻る。したがって、ステップ131、132により第2の単位期間における第n回目、今の場合は、n=1なので、第1回目のSI=6のデータの終了待ちが行われることになる。
【0080】
そして、SI=6のデータが終了すると、処理はステップ132からステップ133に進み、このステップ133において、このときのカウンタTの値が変数Tn2にセットされる。今の場合は、n=1なので、変数T12にカウンタTの値がセットされたことになり、変数T12は、第2の単位期間の開始時点から第1回目のデータグループの終了時点までの時間を示していることになる。つまり、時点T12が検出されたことになる。
【0081】
続いて、ステップ134において、変数nが1だけインクリメントされ、その後、処理はステップ121に戻る。
【0082】
したがって、以後、ステップ121〜123により、第2の単位期間における第2回目のSI=6のデータの開始時点T21が検出され、ステップ131〜133により、第2の単位期間における第2回目のSI=6のデータの終了時点T22が検出されることになる。さらに、第2番目の単位期間に第3回目以降のデータグループの送信があれば、第3回目以降のSI=6のデータの開始時刻T31、T41、・・・および終了時刻T32、T42、・・・が同様にして検出されていく。
【0083】
そして、第2番目の単位期間が終了すると、これがステップ121あるいは1テープ131により検出され、処理はステップ121あるいは131からステップ141に進み、このルーチン100を終了する。
【0084】
したがって、ルーチン100によれば、第2番目の単位期間におけるSI=6のデータの開始時刻T11、T21、・・・および終了時刻T12、T22、・・・がそれぞれ検出されることになる。
【0085】
そして、ルーチン100を終了すると、処理はルーチン200に進み、期間T11〜T12の期間τにおける優先メッシュのデータの送信開始時刻が検出される。
【0086】
すなわち、ルーチン200においては、CPU31の処理はステップ201からスタートし、次にステップ202において、第1の場所、例えば現在位置を表示するときに必要とされるメッシュのメッシュ番号のリストLSTAが作成される。例えば、図9の場合であれば、現在位置PはエリアAに含まれるとともに、このエリアAを表示するには、メッシュ番号533935、533936、533925、533926のメッシュが必要なので、図6Aに示すように、このメッシュ番号533935、533936、533925、533926がリストLSTAに用意される。
【0087】
続いて、ステップ203において、第2の場所、例えば移動先を表示するときに必要とされるメッシュのメッシュ番号のリストLSTBが作成される。例えば、図9の場合であれば、移動先はエリアBに含まれるとともに、このエリアBを表示するには、メッシュ番号533945、533946、533935、533936のメッシュが必要なので、図6Bに示すように、このメッシュ番号533945、533946、533935、533936がリストLSTBに用意される。
【0088】
そして、ステップ204において、ステップ202、203で用意されたリストLSTA、LSTBのデータがマージされ、例えば図6Cに示すようなマージリストLSTCが形成され、次にステップ205において、VICSデータを放送している放送局が選局され、以後、VICSデータの受信モードとされる。
【0089】
続いて、処理はステップ211に進み、このステップ211において、SI=6のデータの受信待ちが行われ、SI=6のデータの受信されると、処理はステップ211からステップ212に進み、このステップ212において、タイマ回路38およびソフトウェアによるカウンタtのカウントが0からスタートさせられる。
【0090】
この場合、カウンタtは、優先メッシュのデータのそれぞれの送信開始時点を検出するためのものである。そして、ルーチン200は、ルーチン100において、ステップ121あるいは131により、第2番目の単位期間の終了が検出されると実行されるのであるから、カウンタtは、第3番目の単位期間の開始時刻T11付近からスタートすることになり、すなわち、SI=6のデータの開始時刻T11を基準にしたオフセット値となる。
【0091】
続いて、処理はステップ221に進み、このステップ221において、(ステップ211によりSI=6のデータの受信がスタートしているので)受信したデータからメッシュ番号のデータが取り出されてデコードされ、次にステップ222において、ステップ221によりデコードしたメッシュ番号が、マージしたメッシュリストLSTCに含まれているかどうかがチェックされる。
【0092】
そして、含まれているときには、処理はステップ222からステップ223に進み、このステップ223において、このときのカウンタtの値、すなわち、このときのオフセット時刻tがRAM33に記憶され、その後、ステップ224において、SI=6のデータが受信されるかどうかが検出され、まだ、受信されるときには処理はステップ224からステップ221に戻り、以後、ステップ221〜224が繰り返される。
【0093】
なお、ステップ222において、ステップ221によりデコードしたメッシュ番号が、マージしたメッシュリストLSTCに含まれていないときには、処理はステップ222からステップ223をスキップしてステップ224に進む。
【0094】
こうして、ステップ221〜224により、メッシュリストLSTCに存在するメッシュ番号のメッシュのオフセット時刻tが順にRAM33に記憶されていく。
【0095】
そして、SI=6のデータの受信が終了すると、処理はステップ224からステップ225に進み、このルーチン200を終了する。
【0096】
したがって、ルーチン200によれば、第2番目の単位期間に、各優先メッシュの送信開始時刻tがそれぞれ検出されることになる。
【0097】
そして、ルーチン200を終了すると、処理はルーチン300に進み、ルーチン200によって検出された送信開始時刻tを使用して優先メッシュが受信される。
【0098】
すなわち、ルーチン300においては、CPU31の処理はステップ301からスタートし、次にステップ302において、ステップ212によりスタートしたタイマ回路38が単位期間の計時を終了したかどうかがチェックされ、終了していないときには、まだ、第3番目の単位期間が終了していないので、そのタイマ回路38の計時のチェックが続けられる。
【0099】
そして、タイマ回路38の単位期間の計時が終了すると(このときは、第4番目の単位期間の時点T11である)、処理はステップ311に進み、このステップ311において、タイマ回路38の計時が0からスタートさせられるとともに、ソフトウェアによるカウンタTのカウントが0からスタートさせられ、次にステップ312において、変数nが1にセットされる。したがって、ステップ311によりタイマ回路38およびカウンタTが、第4番目の単位期間の開始時点T11からスタートしたことになる。
【0100】
続いて、ステップ321において、ステップ311により計時のスタートしたタイマ回路38が単位期間の計時を終了したかどうかがチェックされ、終了していないときには、処理はステップ321からステップ322に進む。そして、このステップ322において、カウンタTが値Tn1になったかどうか、今の場合、n=1なので、T=T11になったかどうかが判別される。そして、T=Tn1になっていないときには、まだ、第n回目のSI=6のデータが開始されていなときなので、処理はステップ322からステップ321に戻る。
【0101】
こうして、ステップ321、322により、第n回目のSI=6のデータの開始時点tn1の待ち状態、今の場合は、第1回目のSI=6のデータの開始時点Tn1の待ち状態とされる。
【0102】
そして、T=Tn1になると、これがステップ322において検出されて処理はステップ322からステップ323に進み、このステップ323において、後述するルーチン400が実行され、時点T11以降あるいは時点T21以降の受信モードが、図2Bに示すように、VICSデータの放送とDGPS補正データの放送とを交互に受信するモード、あるいはDGPS補正データの放送を受信するモードに設定される。なお、VICSデータの放送とDGPS補正データの放送とを交互に受信するモードに設定されたときには、カウンタtのカウントが0からスタートさせられる。
【0103】
続いて、ステップ331において、ステップ311により計時のスタートしたタイマ回路38が単位期間の計時を終了したかどうかがチェックされ、終了していないときには、処理はステップ331からステップ332に進む。
【0104】
そして、このステップ332において、受信モードがDGPS補正データの受信モードであるかどうかが判別され、DGPS補正データの受信モードではない場合には、処理はステップ332からステップ333に進み、このステップ333において、カウンタtの示す時刻が、ステップ223によりRAM33に記憶した優先メッシュの受信時刻になったかどうかが判別される。
【0105】
そして、受信時刻になっていないときには、処理はステップ333からステップ337に進み、このステップ337において、カウンタTが値Tn2になったかどうか、今の場合、n=1なので、T=T12になったかどうかが判別される。そして、T=Tn2になっていないときには、まだ、第n回目のSI=6のデータ期間が終了していなときなので、処理はステップ337からステップ331に戻る。
【0106】
したがって、以後、優先メッシュの受信時刻になるまで、ステップ331〜333、337が繰り返され、優先メッシュの受信待ちとなる。なお、ステップ332において、受信モードがDGPS補正データを受信するモードになっているときにも、処理はステップ332からステップ337に進む。
【0107】
そして、カウンタtの示す時刻が優先メッシュのデータの受信時刻になると、これがステップ333において検出され、処理はステップ333からステップ334に進み、このステップ334において、RAM33に記憶されているVICSデータを放送している放送局の周波数のデータにより、受信回路22が、VICSデータを放送している放送局を受信するモードに設定される。
【0108】
したがって、この時点から、VICSデータのうちの優先メッシュのデータが受信され、そのデータはいったんRAM33に書き込まれていく。
【0109】
また、この間に処理はステップ335に進み、優先メッシュのデータの受信中であるかどうかが判別され、受信中であれば、ステップ335が繰り返され、優先メッシュのデータの受信の終了待ちとされる。
【0110】
そして、優先メッシュの受信を終了すると、これがステップ335において検出されて処理はステップ335からステップ336に進み、このステップ336において、受信回路22が、VICSデータを放送している放送局と、DGPS補正データを放送している放送局とを、例えば10秒ずつ交互に受信するモードに設定される。そして、その後、処理はステップ337に進む。
【0111】
したがって、第n回目の期間Tn1〜Tn2には、ステップ331〜337が繰り返され、優先メッシュのデータの期間には、ステップ334によりその優先メッシュのデータが受信されてRAM33に書き込まれることになる。また、優先メッシュのデータではない期間には、ステップ336により、VICSデータと、DGPS補正データとが交互に受信されてRAM33に書き込まれることになる。
【0112】
そして、第n回目の時点T2nになると、これがステップ337により検出され、処理はステップ337からステップ341に進み、このステップ341において、受信回路22が、VICSデータを放送している放送局と、DGPS補正データを放送している放送局とを、交互に受信するモードに再設定される。したがって、この時点Tn2以降も、VICSデータと、DGPS補正データとが交互に受信され、その受信したデータがRAM33に書き込まれる。
【0113】
続いて、処理はステップ342に進み、変数nが1だけインクリメントされ、その後、処理はステップ321に戻る。
【0114】
したがって、以後、ステップ321〜341により、第4番目の単位期間における期間T21〜T22の処理が実行されることになる。さらに、第4番目の単位期間に第3回目以降のデータグループの送信があれば、第4回目以降のSI=6のデータの開始時刻T31、T41、・・・から時点T21以降と同様の処理が実行されていく。
【0115】
そして、第4番目の単位期間の処理が実行されている間に、その単位期間の終了時点になると、これがステップ321あるいはステップ331により検出され、処理はステップ321あるいは331からステップ311に戻り、以後、第5番目以降の単位期間においても、第4番目の単位期間と同様の処理が繰り返される。
【0116】
こうして、ルーチン300によれば、ルーチン200により検出した優先メッシュの受信時刻を基準にして、以後の単位期間の第1回目の期間τにおける優先メッシュのデータが受信される。また、各単位期間において、第2回目の期間τには、第1回目の期間τのデータの受信状況にしたがってデータが選択的に受信される。
【0117】
そして、ステップ323においては、ルーチン400が実行され、各期間τにおける受信モードが、図2Bに示すように設定される。
【0118】
すなわち、ルーチン400においては、CPU31の処理はステップ401からスタートし、次にステップ411において、例えば変数nをチェックすることにより、SI=6のデータが、その単位期間における第1回目のデータであるか、第2回目以降のデータであるかが判別される。
【0119】
そして、第1回目のデータのときには、処理はステップ411からステップ412に進み、このステップ412において、RAM33からVICSデータを放送している放送局の周波数のデータと、DGPS補正データを放送している放送局の周波数のデータとが読み出され、これらの周波数データにより、受信回路22は、VICSデータを放送している放送局と、DGPS補正データを放送している放送局とを、例えば10秒ごとに交互に受信する受信モードに設定される。
【0120】
そして、その後、処理はステップ413に進み、カウンタtが0からスタートされ、ステップ414において、このルーチン400を終了する。
【0121】
こうして、ステップ412が実行されると、VICSデータとDGPS補正データとが交互に受信され、その受信されたデータがRAM33に書き込まれてそれぞれ情報表示に使用されていく。
【0122】
また、ステップ411において、受信したSI=6のデータが、その単位期間における第2回目以降のデータのときには、処理はステップ411からステップ421に進み、このステップ421において、第1回目のSI=6のデータを正常に受信できているかどうかがチェックされる。
【0123】
そして、正常に受信できているときには、処理はステップ421からステップ42に進み、このステップ422において、RAM33からDGPS補正データを放送している放送局の周波数のデータが読み出され、この周波数データにより受信回路22は、DGPS補正データを放送している放送局の受信モードに設定され、その後、処理はステップ414に進み、このルーチン400を終了する。
【0124】
こうして、ステップ422が実行されると、DGPS補正データが受信され、その受信されたDGPS補正データがRAM33に書き込まれてGPSデータの補正などに使用されていく。
【0125】
さらに、ステップ421において、第1回目のSI=6のデータを正常に受信できていないときには、処理はステップ421からステップ412に進み、このステップ412において、上記のように、VICSデータを放送している放送局の受信モードに設定され、その後、処理はステップ414に進み、このルーチン400を終了する。
【0126】
したがって、ルーチン400によれば、各単位期間におけるSI=6のデータの期間の受信モードが、図2Bに示すように設定される。
【0127】
こうして、この受信機20によれば、DGPS補正データおよびVICSのデータが異なる放送局により放送されていても、両方のデータを1台の受信機で受信することができる。そして、その場合、基本的には、両データを交互に受信していることになるが、VICSデータのうち、もっとも重要度の高い優先メッシュのデータは、これを常に受信している場合と同様の受信頻度で受信しているので、表示などに支障をきたすことがない。
【0128】
また、重要度の高いSI=6のデータの中でも、特に重要度の高い優先メッシュのデータだけを優先的に受信するようにしているので、SI=6のすべてのデータを優先的に受信する場合に比べ、DGPS補正データを受信する頻度が高くなり、DGPS補正データによる表示をより適切に行うことができる。
【0129】
なお、上述において、受信機20の受信した他の文字情報などをマイクロコンピュータ16に転送してその文字情報をLCD17に表示することもできる。また、FM放送帯をスキャンしてDGPS補正データを放送している放送局の周波数のデータおよびVICSのデータを放送している放送局の周波数のデータをRAM33に用意し、その周波数のデータを選局に使用することもできる。
【0130】
また、第2番目の単位期間に、時点T11、T12、T21、T22、・・・と一緒に優先メッシュの受信時刻を検出することもできる。さらに、隣接ないし近接する単位期間では、SI=6のデータあるいは優先メッシュのデータのサイズに相関があるが、期間τよりも少し前の時点からVICSデータの受信を開始し、期間τよりも少し後の時点にVICSデータの受信を終了すれば、優先メッシュのデータをより確実に受信することができる。
【0131】
さらに、自動車の進行や表示のスクロールなどにより、表示に使用されるエリアがエリアA、Bから変化するが、このエリアA、Bの変化に対応してリストLSTA、LSTBの内容を順次更新してもよく、あるいは最初から必要なすべてのメッシュのデータのオフセット値tを求めておくこともできる。
【0132】
【発明の効果】
この発明によれば、位置の補正データと、交通情報システムのデータとが異なる放送局により放送されていても、両方のデータを1台の多重放送受信機で受信することができる。
【0133】
そして、その場合、もっとも重要度の高い優先メッシュのデータは、それを常に受信している場合と同様の受信頻度で受信しているので、表示などに支障をきたすことがない。また、その他のデータは交互に受信しているので、それらのデータによる表示も適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一形態を示す系統図である。
【図2】この発明の一形態を示すフローチャートである。
【図3】この発明の一形態を示すフローチャートである。
【図4】この発明の一形態を示すフローチャートである。
【図5】この発明の一形態を示すフローチャートである。
【図6】この発明を説明するためのデータリストである。
【図7】この発明を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】この発明を説明するための図である。
【図9】この発明を説明するための図である。
【図10】この発明を説明するための図である。
【符号の説明】
10…ナビゲーション装置、11…GPSアンテナ、12…GPSユニット、13…ジャイロセンサ、14…CD−ROM、15…ドライブ装置、16…マイクロコンピュータ、17…LCD、20…多重放送受信機、22…受信回路、23…デコーダ回路、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34〜36…ポート、37…キーインターフェイス回路、38…タイマ回路、41…操作キー、100〜400…ルーチン
Claims (3)
- 各種のデジタルデータを所定のフォーマットでエンコードし、このエンコード信号を、本来の音声放送の番組の信号に多重化して放送する多重放送の受信機において、
上記多重放送を受信して上記エンコード信号を出力する受信回路と、
この受信回路から出力された上記エンコード信号をデコードして上記デジタルデータを出力するデコーダ回路と、
上記受信回路の選局を制御する制御回路と
を有し、
上記多重放送のうちの第1の多重放送では、上記デジタルデータの一部として、上記多重放送のサービスエリアを所定の大きさで区切ったときの各エリアを単位とする交通情報のデータと、その他の交通情報のデータとを、所定の期間を送信の単位期間としてその単位期間に2回以上繰り返し放送するとともに、
上記多重放送のうちの第2の多重放送では、上記デジタルデータの一部として航法衛星から送信されてくる位置情報を補正するための補正データを放送している場合に、
上記単位期間における第1回目の上記各エリアを単位とする交通情報のデータの期間のうち、ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間には、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第1の多重放送を受信するモードに設定し、
上記単位期間のうち、第1回目の上記各エリアを単位とする交通情報のデータの期間のうち、残る期間は、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第1の多重放送と上記第2の多重放送とを所定の期間ごとに交互に受信するモードに設定し、
上記単位期間のうち、第2回目以降の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間であって、前回の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータを正常に受信できているときには、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第2の多重放送を受信するモードに設定し、
上記単位期間のうち、第2回目以降の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間であって、前回の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータを正常に受信できていないときには、上記制御回路により、上記受信回路を、上記第1の多重放送を受信するモードに設定し、
ようにした多重放送受信機。 - 請求項1に記載の多重放送受信機において、
第1回目の上記各エリアを単位とする交通情報のデータの期間のうち、ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間を検出し、
この検出結果にしたがって、以後の上記ユーザにより選択されたエリアの交通情報のデータの期間の受信モードを設定する
ようにした多重放送受信機。 - 請求項1あるいは請求項2に記載の多重放送受信機において、
上記補正データがDGPS補正データである
ようにした多重放送受信機。
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