JP3801270B2 - ライブラリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記憶媒体を収納するカートリッジを格納するためのセルを備えるライブラリ装置に関する。
ライブラリ装置は、磁気テープカートリッジ又は光ディスクカートリッジ等の情報記録媒体を収納するカートリッジを格納するための複数個のセルを有する。複数のセルの内から選択されたセルに格納されたカートリッジは、ライブラリ装置内部のドライブユニットにロードされる。カートリッジ内部に収納された媒体にドライブユニットにより情報が記録/再生される。
【0002】
特に近年マルチメディア、グラフィックデータのような大容量を必要とするデータの検索にライブラリ装置の需要が増えている。ライブラリ装置は、設置スペースが小さく、より多くのカートリッジを収納できるように、大容量であることが望まれる。
【0003】
【従来の技術】
磁気テープライブラリ装置等のライブラリ装置は、大容量を必要とするデータの検索に使用され、記憶媒体を収納するカートリッジを格納するための複数個のセルを備えている。このようなライブラリ装置は、ライブラリ装置の中央に配置される基準セルユニットと、ライブラリ装置の長手方向の少なくとも一方の端部に配置されるアクセッサユニットと、基準セルユニットとアクセッサユニットとの間に配置される通路ユニットと、通路ユニットの少なくとも一方のサイドに配置されて記憶媒体を収納するカートリッジを収納するセルを複数個備えたドラムユニットと、基準セルユニットの少なくとも一方のサイドに設けられ、カートリッジに収納された記憶媒体に対して情報の記録及び再生を行なうドライブユニットと、基準セルユニット、アクセッサユニット、及び通路ユニットを貫通して設けられるガイドレール、及びアクセッサユニットの中に設けられ、ガイドレール上を移動してドラムユニットにあるセルとドライブユニットにあるセルとの間でカートリッジを移送するアクセッサとから構成される。
【0004】
このようなライブラリ装置においては、アクセッサがドラムユニットにあるセルとドライブユニットにあるセルとの間でカートリッジを移送しているが、セルから取り出されて目的のセルに挿入されるカートリッジは、アクセッサによって正確に目的のセルに挿入される必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ライブラリ装置では、各ユニットの機械的な精度を高くすれば、アクセッサに運ばれて目的のセルに挿入されるカートリッジがセルに対して正確に挿入される可能性が高くなるが、各ユニットの機械的な精度を高くすれば、それだけ加工精度が要求されて製造コストが高くなり、ライブラリ装置のコストアップにつながるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、機械的な精度はそれほど高くしなくても、正確にカートリッジを移動することができ、製造コストの低減可能なライブラリ装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、通常の運用中に経時変化等でライブラリ装置を構成するユニットに機械的な誤差が発生しても、その誤差を自動的に補正して精度良くカートリッジをセルに搬送することが可能なライブラリ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態のライブラリ装置は、記憶媒体を収納するカートリッジを格納するための複数個のセルを備え、基準セルユニット、アクセッサユニット、通路ユニット、ドラムユニット、ドライブユニット、ガイドレール、及び、アクセッサを備えたライブラリ装置において、
アクセッサユニットの所定の壁面に設けられてアクセッサの原点位置を規定する原点位置フラグ、及びこの壁面と異なる対向する壁面にそれぞれ設けられ、アクセッサの位置を補正するための位置補正用のフラグと、アクセッサに搭載されてカートリッジを把持するためのハンドアッセンブリに設けられ、原点位置フラグと位置補正用のフラグの情報を読み取る光電センサと、位置補正用フラグと同じ壁面にそれぞれ設けられ、位置補正用のフラグと同じ情報を有するフラグを備えて高精度で形成された診断セルと、この診断セルに出し入れされ、高精度で作られた診断カートリッジと、アクセッサユニット内に設けられ、アクセッサに駆動信号を出力して所定のセルの前に移動し、ハンドアッセンブリのハンドユニットに出し入れ信号を出力してこのセル内にカートリッジを出し入れする制御部と、この制御部内に設けられ、原点位置フラグ及び位置補正用のフラグの光電センサによる読み取り信号から、アクセッサの駆動信号による駆動位置と、実際の位置との差を演算する位置誤差検出手段と、駆動信号と、光電センサによるフラグの読み取り値とからアクセッサを診断セルの前に正しく位置付けし、この診断セルに診断カートリッジを挿入後、この診断カートリッジを上下左右に所定距離だけずらせて複数回出し入れして出し入れ限界を求めることにより、診断カートリッジの最初の挿入位置と正規の挿入位置との差を求め、この差の値から光電センサの光軸とハンドの動作軸との差を演算する光軸−ハンド軸誤差演算手段とが設けられており、
位置誤差検出手段の演算値がアクセッサの駆動信号の第1の補正値として第1の位置補正値記憶手段に記憶され、光軸−ハンド軸誤差演算手段の演算値がアクセッサの駆動信号の第2の補正値として第2の位置補正値記憶手段に記憶され、制御部がアクセッサに駆動信号を出力する際に、第1と第2の位置補正値記憶手段に記憶された補正値でこの駆動信号が補正されるか、或いは、
原点位置フラグ及び位置補正用のフラグの光電センサによる読み取り信号から、光電センサの感度を測定するセンサ感度測定手段と、光電センサの感度、アクセッサの駆動信号による位置誤差、及び光電センサの光軸とハンドの動作軸との差を考慮して、このライブラリ装置内の全セルのフラグを光電センサによって読み取らせ、各セルに対して駆動信号によってアクセッサを正しく位置付けするための補正値を求め、この補正値を全セルに対する相対位置テーブルの形で記憶する相対位置テーブル記憶手段とが更に制御部内に設けられており、制御部はライブラリ装置の運用においてアクセッサに駆動信号を出力する際に、相対位置テーブル記憶手段に記憶された補正値でこの駆動信号が補正されることを特徴としている。
このとき、診断セルは、診断カートリッジをチルト角0°の状態で受け入れる第1の診断セルと、チルト角12°の状態で受け入れる第2の診断セルと、各診断セルの位置補正情報を表示するフラグ、及び、この診断セルの位置情報が書き込まれたマスターラベルとを備えた診断セルユニットとして構成される。
【0008】
また、本発明の第2の形態のライブラリ装置は、第1の形態のライブラリ装置において、ハンドアッセンブリには、ハンドユニットによって取り込まれたカートリッジを、このハンドアッセンブリの中央部に位置させるためのガイドが設けられ、ハンドユニットにはベースが設けられ、このベース上には、このハンドユニットをカートリッジの移動方向に対して直角の左右方向に移動可能にする移動機構と、通常状態でこのハンドユニットをベースの中央部に位置させるばねと、ハンドユニットの左右方向への移動を検出する左右ずれ検出センサが設けられていることを特徴としている。
このように構成されたハンドアッセンブリにより、第2の形態では、ライブラリ装置の運用時の所定のセルからのカートリッジの取り出し時に、左右ずれ検出センサからの出力があった場合には、この左右ずれ検出センサからの出力によって、第1の位置補正値記憶手段に記憶された補正値、或いは、相対位置テーブル中の所定のセルのX方向の補正値が補正される。
また、左右ずれ検出センサからの出力があった場合には、制御部が、ハンドユニットによるカートリッジの把持を解除し、ハンドユニットがばねの付勢力によってベースの中央部に戻った時点で、再度カートリッジを把持させることにより、カートリッジとハンドユニットの中心線を合わせることができる。
更に、ライブラリ装置の運用時の特定のセルへのカートリッジの収納時に、左右ずれ検出センサからの出力があった場合には、この左右ずれ検出センサからの出力によって、第1の位置補正値記憶手段に記憶された補正値、或いは、相対位置テーブル中の特定のセルのX方向の補正値が補正される。
【0009】
本発明の第1の形態のライブラリ装置によれば、ライブラリ装置の機械的な精度をそれほど高めなくても、アクセッサの駆動信号と実際の駆動位置の差の補正と、アクセッサの位置を測定する光電センサの光軸とカートリッジをセルに出し入れするハンドの動作軸との誤差を考慮してアクセッサが駆動されるので、常に正確にカートリッジを目的のセルに移送することができる。
また、本発明の第2の形態のライブラリ装置によれば、ライブラリ装置を構成するユニットに経時変化によって機械的な誤差が特定のセルに生じても、そのセルへのカートリッジの出し入れ時にその誤差が検出され、アクセッサの駆動信号とそのセルへの実際の駆動位置の差の補正値がこの誤差で更新されるので、ライブラリ装置の運用中においても常に正確にカートリッジを目的のセルに移送することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、ライブラリ装置2の透視図である。
図1において、2つのカートリッジアクセスステーション(CAS)5がライブラリ装置2の左アクセッサユニット7の前面側及び右アクセッサユニット9の前面側に設けられている。
【0011】
各カートリッジアクセスステーション5は、カートリッジ投入口6とカートリッジ排出口8を有している。カートリッジ投入口6とカートリッジ排出口8は、それぞれ垂直軸線回りに180°回転可能である。
ドラムユニット10a、10bは、夫々複数のセルを有するセルドラム15a,15bを有している。セルドラム15a,15bは、各々7つのセルセグメント17a〜17fから構成されている。各セルドラム15a,15bの各セルセグメント17a〜17fは、3列n段のセルを有する。各セルは、磁気テープを収納するカートリッジを格納する。このカートリッジは、I3480型磁気テープカートリッジである。4つのドライブユニット12a,12b,12c,12dは、夫々カートリッジ内に収納された記憶媒体である磁気テープへの情報の記録/再生を行なうものである。このライブラリ装置2の各ドライブユニット12a,12b,12c,12dは、それぞれ複数台のテープドライブユニットを有している。例えば、4台のテープドライブユニットが各ドライブユニット12a,12b,12c,12d内に設けられている。これらのテープドライブユニットは、カートリッジの投入・排出口を有している。カートリッジの投入・排出口は、X軸を含む平面であり且つY軸と垂直な平面に対して、5.5度傾斜している。
【0012】
ハウジング4には、カートリッジアクセスステーション5、ドラムユニット10a、10b、ドライブユニット12a,12b,12c,12d、2つのアクセッサ14を制御するための制御プリント板が設けられている。
アクセッサ14は、垂直コラム18に沿って上下方向(図中、矢印Y方向)に移動可能なハンドアセンブリ16を具備している。アクセッサ14は、ガイドレール(Xレール)20に沿って横方向(図中、矢印X方向)に移動可能である。このように、アクセッサ14は、X−Y移動機構となっている。
【0013】
図2は、ライブラリ装置2のシステム構成を示す透視図である。
図2において、ライブラリ装置2には基準セルユニット11を基準にして各ユニットが配置されている。基準セルユニット11は、ライブラリ装置2の中央に配置される。アクセッサユニット9が右側端部に配置される。アクセッサユニット7が左側端部に配置される。基準セルユニット11とアクセッサユニット7との間には、通路ユニット13が配置される。通路ユニット13には基準ユニット11とアクセッサユニット7との間に配置されるドラムユニット10の個数に応じた個数が配置される。図2に示されるライブラリ装置2にはドラムユニット10が4個配置されるので、通路ユニット13の個数は2個である。また、基準セルユニット11とアクセッサユニット9との間に配置される通路ユニット13の数は、同様に、基準セルユニット11とアクセッサユニット9との間に配置されるドラムユニット10の個数が4個であるので、2個である。ドラムユニット10aは、セルドラム15のセルに、カートリッジを、オペレータが直接投入排出するためのDEE扉64を備えている。ドラムユニット10bは、マガジンドラム175のマガジン搭載棚にマガジンを投入排出するためのDEE扉(図示されない)を備えている。通路ユニット13は、各ユニットの結合のための基準ユニットとなる。通路ユニット13は、Xレール20を保持している。上側レール21は、アクセッサ14をガイドする。上側レール21は、ドラムユニット10に固定される。
【0014】
図3は、アクセッサの側面図である。
図において、ハンドアセンブリ16は、アクセッサ14の垂直コラム18に形成されたガイドレール22に沿って上下方向に移動される支持ベース24上に搭載されている。この支持ベース24は、モータ25を搭載している。更に、支持ベース24は、モータ25を制御するための制御回路を搭載するプリント板29を搭載している。この支持ベース24は、モータ25及びプリント板29と一緒に、Y軸方向に沿ってガイドレール22に案内されつつ移動する。
【0015】
モータ25が駆動されると、モータ25の出力軸に連結されたタイミングベルト26により、ハンドアセンブリ16のマウントベース27が、垂直軸(Y軸と平行な軸)線回りに旋回する。つまり、モータ25及びハンドアセンブリ16及びマウントベース27は、カートリッジを移動するθ方向移動機構を構成する。
【0016】
また、マウントベース27は、ハンドアセンブリ16及びこのハンドアセンブリ16に組み込まれたモータやセンサの制御を行なうための制御回路を搭載するプリント板29と一緒に移動する。このプリント板29は、ハンドアセンブリ16をベース27の軸回りに回動するためのモータを制御する制御回路を搭載している。
【0017】
垂直コラム18は、上側レールによりガイドされるローラ31を支持する支持プレート23を保持している。
図4(a) ,4(b) は、X方向移動機構の説明図である。
図4(a) において、垂直コラム18は、支持ベース24をガイドレール22に沿って往復移動させるためのY軸モータ46を支持している。この垂直コラム18は、レールベース32に支持されている。レールベース32は、ローラ34aと34b、及びローラ36aと36b、をそれぞれ回転可能に支持している。ローラ34aと34bは、レールベース32の一端で、Xレール20を挟持している。ローラ36aと36bは、レールベース32の他端で、Xレール20を挟持している。ローラ38は、Xレール20と当接するように、レールベース32に支持されている。ローラ38は、摩擦力調整機構を構成している。
【0018】
X軸モータ42は、レールベース32をXレール20に沿って移動するためのものである。X軸モータ42は、レールベース32上に固定されている。X軸モータ42の出力軸には、ピニオン41が固定されている。このピニオン41は、Xレール20が固定されるハウジングに取り付けられた図示されないラックと係合している。
【0019】
プリント板40は、レールベース32上に固定されている。プリント板40は、Xケーブル44を介して、ハウジング4内に設けられた図示しない制御装置に接続されている。プリント板40は、Y軸モータ46及びX軸モータ42を制御するための制御回路を搭載している。
レールベース32のローラ34a、34bを支持するベース先端部32bの位置は、ベース中央部32aから距離Lだけ離れた位置となっている。つまり、ベース先端部32bは、図4(b) に示すように、ハンドアセンブリ16の回転中心Oを中心とする回転半径Rの外側に位置付けられている。ベース先端部32b及びローラ34aは、ハンドアセンブリ16の移動領域に干渉しない位置に設けられている。レールベース32は、ロングホイールベースとなっている。ハンドアセンブリ16のY軸方向の移動範囲は、ベース先端部32bがハンドアセンブリ16の移動領域内に設けられる場合に比較して、拡大されている。従って、セルドラム10a,10bのセルセグメント中のセルの段数を増すことができるので、その結果としてライブラリ装置2は、カートリッジ収納巻数を増やせる。
【0020】
図5(a) は、ハンドアセンブリ16の概略斜視図、(b) はハンドユニット130の平面図、(c) はハンドユニット130の側面図である。
図5(a) において、ハンドアセンブリ16は、ベース28を備えている。このベース28は、上ハンド146と下ハンド148を有するハンドユニット130が、前進位置と後退位置の間で移動可能に搭載されている。
ベース28は、ベース27に支持された回転軸160の回りに回動可能に設けられている。ベース27は、図示されないモータを搭載しており、ベース28を回転軸160の回りに回動する。つまり、ハンドユニット130を搭載したベース28は、ベース27に対して、5.5度傾斜した第1傾斜位置と、12度傾斜した第2傾斜位置の間で軸160を中心に回動される。
【0021】
ベース28の後端部には、ハンドユニット130を移動するためのモータ132が搭載されている。モータ132の出力軸には、図示されないプーリが固定されている。ベース28の前端部には、プーリ134が回転可能に取り付けられている。モータ132の出力軸に固定されたプーリとプーリ134との間に渡ってタイミングベルト136が掛け回されている。タイミングベルト136はハンドユニット130に連結されている。
【0022】
モータ132が回転されると、モータの駆動力はタイミングベルト136を介してハンドユニット130に伝達され、ハンドユニット130が動かされる。ハンドユニット130は、ベース28に設けられたガイドレール138に沿って前進位置と後退位置の間でスライド運動をする。
タイミングベルト136がハンドユニット130に連結されているため、モータ132が回転するとハンドユニット130が矢印Aで示すように前進位置と後退位置の間でガイドレール138に案内されて移動させられる。
【0023】
ハンドアセンブリ16のベース28の先端中央部の下面には、センサ162が設けられている。このセンサ162は、セル内のカートリッジ有無等の検出を行なうために用いられる。また、図1に示すように、アクセッサ14のレールベース32には、センサ163が設けられている。このセンサ163は、アクセッサユニット9に設けられた位置フラグ165を検出する。
ハンドユニット130は、図5(b) ,(c) に示されるように、ベース131の上に設けられたガイドレール133に直動ベアリング135を介して取り付けられており、このガイドレール133の方向に移動できるようになっている。ベース131の後方側の両端部にはブラケット129が突設されており、この2つのブラケット129の間にはロッド128が掛け渡されている。ハンドユニット130の後方側の下方にはフラグ板137がこのロッド128を交差するように設けられており、このフラグ板137は、ロッド128に挿通されたばね127に付勢されたフランジ126によって両側から挟まれている。従って、通常状態ではハンドユニット130は、同じ付勢力を備えた2つのばね127によってベース131の中央部に位置している。
一方、ベースの最後部側にはフラグ板137の両側に、ハンドユニット130のずれを検出する2つのセンサRX,LXが設けられている。2つのセンサRX,LXは通常状態のフラグ板137の両端部から等距離にあり、ハンドユニット130が左右に所定距離以上移動した時に、フラグ板137によって遮蔽されるようになっている。
更に、ハンドアッセンブリ16のベース28の中央部よりやや前方側の両側には、ハンドユニット130の上ハンド146と下ハンド148に把持されて引き込まれてきたカートリッジをベース28の中央部に位置させるためのガイド120が設けられている。このガイド120には前方側にテーパ部121がある。ハンドユニット130の上ハンド146と下ハンド148が正しくカートリッジの中央部を把持してこれをベース28上に引き込めば、カートリッジはガイド120に付勢されることはない。一方、上ハンド146と下ハンド148が偏ってカートリッジを把持してこれをベース28上に引き込めば、カートリッジはテーパ部121にガイドされ、偏った側のガイド120に付勢されてベース28の中央部に位置する。このとき、ハンドユニット130は、カートリッジが付勢されたガイド120と反対側にあるばね127を圧縮しながらガイドレール133上を移動する。この動作については後述する。
【0024】
図6は、アクセッサユニット9の側面図である。
アクセッサユニット7はアクセッサユニット9において、アクセッサ14が左右反転して取付けられている点を除いて、同じ構成となっている。
よって、ここでは図6によりアクセッサユニット9のみの構成を説明する。図6において、Xレール20は、ベース51に固定されている。ベース51は、台足33で床面に支持される。ベース51は柱35a,35bを支持している。柱35a,35bは、補強バー37で連結されると共に、その上端部は天板39で連結されている。天板39の上部には、カバー43が取付けられている。ベース51の端面51aが、図2に示した通路ユニット13との結合のための基準面となる。
【0025】
図7は、アクセッサユニットの背面図である。
図7において、アクセッサユニット9のベース51に支持されたXレール20は、レールベース32に支持されたローラ36a,36bにより挟持される。このレールベース32には垂直コラム18が取付けられている。垂直コラム18は、ハンドアセンブリ16を垂直コラム18のガイドレール22(図6参照)に沿って上下移動するためのモータ46を含むユニットが固定されている。モータ46の出力軸46aは、一端に電磁ブレーキ(ミネベア製の乾式負作動型電磁ブレーキTB・TBK型)502が固定されている。この電磁ブレーキ502は、モータ46に電力を供給する電源がオン状態の時は、モータ46の出力軸46aを回転自在とする。一方、この電磁ブレーキ502は、モータ46に電力を供給する電源がオフ状態の時は、モータ46の出力軸46aの回転を固定する。モータ46の出力軸46aは、ベルト504を介してプーリ506に結合されている。プーリ506の回転力は、プーリ506と同じ軸508に固定されたプーリ510に伝達される。プーリ510の回転力は、プーリ510と、プーリ512との間に掛け渡されたベルト514を介してハンドアセンブリ16に伝達される。プーリ512は、垂直コラム18に支持された軸516の回りに回転可能に支持されている。ベルト514は、ハンドアセンブリ16のベース24(図4(a) 参照)に固定されている。
【0026】
垂直コラム18の下端部には、ネオプレンゴム等の弾性ストッパ518を支持するアーム520が取付けられている。また、垂直コラム18の下端部には、ネオプレンゴム等の弾性ストッパ522を支持するアーム524が取付けられている。これらの弾性ストッパ518,522は、モータ46が暴走した時のハンドアセンブリ16のストッパとして機能する。
【0027】
更に、ハンドアセンブリ16は、ライブラリ装置2の電源断が発生しても、電磁ブレーキ502のブレーキ作用により垂直コラム18上に固定される。電磁ブレーキ502が設けられていない場合は、ハンドアセンブリ16が重力により下方に落下し、弾性ストッパ518と衝突してしまう。電磁ブレーキ502が設けられていると、電源断時にハンドアセンブリ16と弾性ストッパ518との衝突を回避でき、電源断時におけるハンドアセンブリ16からのカートリッジの脱落が防止される。
【0028】
図8は、基準セルユニット11とドライブユニットとの結合方法の説明図である。図8において、基準セルユニット11は、ベース530と4本の柱532を含んで構成される。柱532は、その上部で、天板534で結合されている。この基準セルユニット11は、ライブラリ装置2の基準ユニットとなる。基準セルユニット11のベース530には、通路ユニット13が取付けられる。通路ユニット13は、図2で説明したドラムユニット10の基準面と接続される基準面を構成する側板536a,536bを備えている。また、通路ユニット13の端面538は、他の通路ユニット13との接合基準面又は基準セルユニット11の接合基準面である。
【0029】
また、基準セルユニット11には、ドライブユニット12が接続される。ドライブユニット12には、4台のテープドライブユニット540が設けられている。このドライブユニット12は取付け金具板542を備えている。一方、基準セルユニット11は、両側部に取付け金具板544を備えている。ドライブユニット12の取付け金具板542は、基準セルユニット11の取付け金具板544に夫々ねじ546により結合される。基準セルユニット11のドライブユニット12の反対側には、別のドライブユニット12が結合される。基準セルユニット11とこの別のドライブユニット12との結合は、基準セルユニット11の取付け金具板544とこの別のドライブユニット12の取付け金具板542とが別の螺子546により取付けられる。
【0030】
図9は、ドライブユニット内のテープドライブユニットのカートリッジマウントセルの説明図である。
図9には図8に示したドライブユニット12の内の1つのテープドライブユニット540の構成が示される。他のテープドライブユニット540は同様の構成を有する。
【0031】
図9において、テープドライブユニット540は、カートリッジに収納された磁気テープに対して記録/再生処理を行なうテープドライブ550と、このテープドライブ550にカートリッジの投入・排出を行なうカートリッジフィーダユニット552を含んで構成される。カートリッジフィーダユニット552は、マニュアルマウントセル554とアクセッサマウントセル556のいずれか一方がハウジング558に取付けられる。マニュアルマウントセル554又はアクセッサマウントセル556は、ハウジング558の開口部560から挿入される。開口部560近傍のハウジング558は、マウントセル554又は556を固定するためのねじ孔562が形成されている。
【0032】
マニュアルマウントセル554は、取付け金具564a,564bを備えている。取付け金具564a,564b、マニュアルマウントセル554をカートリッジフィーダユニット552のハウジング558に固定するためのねじ孔566,566aを有する。ねじ孔566aは一端が切り欠かれている。このマニュアルマウントセル554は、ハウジング558の開口部560に挿入された後に、ハンジング558にねじで固定される。
【0033】
マニュアルマウントセル554は、ハウジング554aの内部に、カートリッジを収納するための12段のセル568を有する。このセル568へのテープカートリッジの挿入がオペレータによって行なわれるので、マニュアルマウントセル554の12段のセル568の間隔は短く設定可能である。
【0034】
一方、アクセッサマウントセル556は、カートリッジを収納するための2段のセル570a,570bを有する。このセル570a,570bは、アクセッサマウントセル556のハウジング556aに設けられた棚プレート572により、アクセッサマウントセル556に形成されている。セル570aは、図1で説明したアクセッサ14がカートリッジを投入するためのエントリセルである。セル570bは、カートリッジフィーダユニット552から排出されるべきカートリッジを保持するエグジットセルである。エグジットセル570bに保持されたカートリッジは、アクセッサ14によって取り出される。
【0035】
このアクセッサマウントセル556は、取り付け金具板574a,574bを備えている。これらの取り付け金具板574a,574bは、カートリッジフィーダユニット552のハウジング558に設けられたねじ孔562の位置と一致した位置に設けられたねじ孔576,576aが形成されている。ねじ孔576aは一端が切り欠かれている。アクセッサマウントセル556は、取り付け金具板574a,574bを介して、カートリッジフィーダユニット552にねじ止めされる。
【0036】
このように、図8で説明したドライブユニット12は、図9で説明したマニュアルマウントセル554とアクセッサマウントセル556の何れかが装着されたテープドライブユニット540を備えている。そして、マニュアルマウントセル554とアクセッサマウントセル556は交換可能である。それ故、既にドライブユニット12のみが設置されているシステムのライブラリ装置2のバージョンアップは、テープドライブユニット540のマニュアルマウントセル554をアクセッサマウントセル556に入れ換えにより実現可能となる。また、ドライブユニット12は、マニュアルマウントセル554とアクセッサマウントセル556とを除いて共通構造とすることができるので、ドライブユニット12の製造費が低減され得る。
【0037】
図10は、テープドライブユニット内のカートリッジ自動交換機構の説明図である。
図10において、カートリッジ自動交換機構は、カートリッジフィーダユニット552の内部に配置されている。このカートリッジフィーダ552は、マニュアルマウントセル554が取り付けられている。マニュアルマウントセル554の取り付け金具板564がねじ578により、カートリッジフィーダ552のハウジング558の取り付けフランジ558a,558bに固定される。ハウジング558は、カートリッジフィーダ580を移送する移送力を与えるためのスクリュ582とカートリッジフィーダ580を案内するためのガイドレール584を支持している。スクリュ582は、モータ586により回転駆動されることで、カートリッジフィーダ580をガイドレール584に沿って上下方向に往復移動可能にする。
【0038】
カートリッジフィーダ580は、セル568からテープドライブ550のカートリッジ投入・排出口へカートリッジ588を移送、及びテープドライブ550からセル568へカートリッジ588を移送するものである。
マニュアルマウントセル554の各セル568は、水平面に対して5.5度傾斜して設けられた棚プレート590により、マニュアルマウントセル554のハウジング554aに形成されている。カートリッジフィーダ580は、同様に、水平面に対して5.5度傾斜して設けられている。
【0039】
図11は、カートリッジ収納体であるマニュアルマウントセル554の側面図である。
マニュアルマウントセル554は、カートリッジ588を位置決めするためのラッチ機構592と、カートリッジ588の誤挿入を防止する機構594と、カートリッジ588の投入・排出時に回動する扉596が設けられている。ラッチ機構592、誤挿入防止機構594、扉596は、夫々図示しないコイルスプリングによりセルの内方に付勢されている。
【0040】
図12は、図10に示したカートリッジフィーダユニット552に内蔵されるカートリッジフィーダ580の平面図であり、図13は、カートリッジフィーダ580の側面図である。
カートリッジフィーダ580は、モータにより回転駆動される無端状ベルト600a,600bを備える。無端状ベルト600a,600bは、夫々アーム602a,602bに回転可能に支持されたプーリ604a,604b間に掛け渡されている。アーム602aは、プレート606aの取り付け部608aにねじにより固定されている。アーム602bは、プレート606bの取り付け部608bにねじにより固定されている。プレート606aとプレート606bは、軸610で、相互に回転可能に結合されている。
【0041】
軸610は、プレート612の一端に設けられた孔を貫通するように設けられている。このプレート612の他端に設けられた孔は、円板614上に設けられた軸618が貫通している。この円板614は、モータ616の出力軸に固定されたギア620、ギア622を介して、モータ616の回転力が伝達される。円板614が図12に示される位置に位置付けられている時は、無端状ベルト600a,600bのマニュアルマウントセル554側が閉じられるので、マニュアルマウントセル554のセルに搭載されたカートリッジ588がテープドライブ550へ移送される。他方、円板614が図12に示される位置から180度ずれた位置に移動すると、プレート612が左方向に引っ張られる。このプレート612が左方向に移動すると、軸610を支点として、プレート606a,606bが回動する。従って、無端状ベルト600a,600bのテープドライブ550側が閉じられるので、カートリッジ558がテープドライブ550からマニュアルマウントセル554へ移送される。
【0042】
図14(a) ,14(b) は通路ユニット13の説明図であり、図14(a) は平面図であり、図14(b) は側面図である。図15は通路ユニット13の斜視図である。
通路ユニット13は、図2に示したドラムユニット10と結合される基準面を構成する側板536a,536bを備えている。この側板536a,536bは連結板624を介して結合されている。側板536a,536bはドラムユニット10との結合時の位置決めを行なうための位置決め突起626を備えている。通路ユニット13の底板628には、4つのキャスタ630、及び4つの台足633が固定されている。通路ユニット13の連結板624の上部には、Xレール20を支持するレール支持体627がねじ629で固定されている。Xレール20は、ねじ630でレール支持体627に固定されている。
【0043】
通路ユニット13の前面部及び後面部には、基準セルユニット11との結合面又は他の通路ユニット13との結合面となる面板632が取り付けられている。この面板632は、基準面538を構成している。この面板632及び連結板624を貫通するように配線された信号ケーブルのコネクタ634が前面側と後面側の面板632の開口部632aに配置されている。
【0044】
また、通路ユニット13内を配線される信号ケーブルのうち、ドラムユニット10に電源を供給するための電源コネクタ636と、ドラムユニット10に制御信号を伝達するためのコネクタ638が連結板624の間から引き出される。
図16は、通路ユニット13内の信号ケーブルの配線状態及びドラムユニット10との配線状態の説明図である。
【0045】
図において、通路ユニット13は、両側にドラムユニット10が結合された状態を示している。
ドラムユニット10は、夫々交流電源640、電源シーケンス制御回路642、及びドラム制御回路644を備えている。通路ユニット13のコネクタ634のうち、コネクタ634a,634bは、ライブラリ装置2のハウジング4内に設けられた電源からの電力を、コネクタ636を通じて交流電源640に供給する。コネクタ634cは、ライブラリ装置2のハウジング4内に設けられた電源制御部からの電源制御信号を、電源シーケンス制御回路642に伝達する。コネクタ634dは、アクセッサユニット9に設けられたアクセッサ14の制御を行なう制御部からの制御信号を、ドラム制御回路644に伝達する。コネクタ634eは、アクセッサユニット7に設けられたアクセッサ14の制御を行なう制御部からの制御信号を、ドラム制御回路644に伝達する。コネクタ638は、コネクタ634c〜634eに連結される信号ケーブルを電源シーケンス制御回路642及びドラム制御回路644に接続するものである。
【0046】
図17はドラムユニット10と通路ユニット13との結合状態を示す図であり、図18はドラムユニット10の平面図であり、図19はドラムユニット10の側断面図であり、図20はドラムユニットの上部ユニットと下部ユニットの連結機構の説明図であり、図21は図20の連結機構の位相合わせ方法の説明図であり、図22は図20の連結機構の結合部の説明図である。
【0047】
ドラムユニット10A,10Bは基準セルユニット11に通路ユニット13が結合された後に、通路ユニット13の両側に結合される。尚、ドラムユニット10A,10Bは、同一の構成を有するので、両者の説明は、ドラムユニット10Aで代表する。ドラムユニット10Bの説明は、必要に応じて追加される。
【0048】
図17において、通路ユニット13が中央に配置される。通路ユニット13の両側には、ドラムユニット10A,10Bが配置される。ドラムユニット10Aは、下部ユニット652aのベース654aの前端面646a(646b)が通路ユニット13の側板536bと接合させられる。一方、ドラムユニット10Bは、下部ユニット652bのベース654bの前端面656bが通路ユニット13の側板536aと接合させられる。通路ユニット13とドラムユニット10Aとの位置決めは、通路ユニット13の位置決め突起626がドラムユニット10Aの位置決め孔658に挿入されることで行なわれる。また、ドラムユニット10Aに設けられたコネクタ660a,660bは、夫々通路ユニット13のコネクタ636,638に結合される。コネクタ660aは、コネクタ支持板662aを介してドラムユニット10Aのベース654aに支持されている。
【0049】
ドラムユニット10Bと通路ユニット13との間の位置決め、及び通路ユニット13とのコネクタ結合は、ドラムユニット10Aと同様にして行なわれる。また、ドラムユニット10Bのコネクタは、コネクタ支持板662bを介してドラムユニット10Bのベース654bに支持されている。
ドラムユニット10Aの下部ユニット652aは、複数の柱664a,666a,668a,670a,672a,674a,676a,678aがベース654aに支持されている。柱664a,666a,668aは、梁670a,672aで連結されている。また、ドラムユニット10Aの下部ユニット652aの上部には、天板655が設けられている。ドラムユニット10Aは、回転ドラム15を備えている。回転ドラム15は図1で説明したように7面体である。各面は、3列のセルを備えている。各セルは、磁気テープを収納するI3480型の磁気テープカートリッジ588を収納する。ドラムユニット10Aは、この回転ドラム15の他に、固定セル680aを備える。柱668a,678aは、後述する右セルラックと左セルラックから作られる複数のセル680を支持するものである。
【0050】
ドラムユニット10Aは、電源640と、電源シーケンス制御回路642及びドラム制御部644を搭載するプリント板682を備えている。この電源640とプリント板682は、柱664aに固定される。電源640は、電源線641を介してコネクタ660aに接続されている。プリント板682は、信号線643を介してコネクタ660bに接続されている。
【0051】
ドラムユニット10Aの上部ユニット684aは、柱686a,688a,690a,692aと、上カバー694aを含んでいる。ドラムユニット10A,10Bは、ドラムユニット10Aの柱686aとドラムユニット10Bの柱692bとが一体的に取り付けられた連結バー696aと、ドラムユニット10Aの柱692aとドラムユニット10Bの柱686bとが一体的に取り付けられた連結バー696bとにより連結される。連結バー696a,696bで連結された後に、上板698が連結バー696a,696bにねじ止めされる。その後、上カバー694aが、柱686aと柱692aにねじ止めされる。
【0052】
ドラムユニット10Bは、アクセッサ14の垂直コラム18をガイドするための上側レール21を支持している。
ドラムユニット10Aの下部ユニット652aは、図19に示すように回転ドラム700を支持している。また、ドラムユニット10Aの上部ユニット684aには、回転ドラム700と一体的に回転する上部回転ドラム702が備えられている。
【0053】
ドラムユニット10Aの下部ユニット652aのベース654aは、4つの台足704を備える。ベース654aは、ドラムモータ50を備えている。ドラムモータ50の出力軸は、ドラムベース706に結合されている。ドラムベース706はカップ形状である。このカップ形状のドラムベース706は、ひっくり返しされた形態で、ドラムモータ50に結合されている。従って、ドラムベース706は、ドラムモータ50を、ドラムベース706の高さhの範囲内に収納することができる。この高さhは、セルの個数の増大に寄与する。
【0054】
ドラムベース706は、その一部に切り欠き706aを備えている。ベース654aは、ロックレバー708を軸710の回りに回動可能に支持している。ドラムユニット10aの輸送時に、ロックレバー708は、ドラムベース706の切り欠き部706aと係合する位置に位置付けられる。ドラムユニット10Aの使用時は、ロックレバー708と切り欠き706aとの係合は解除される。
【0055】
ドラムベース706のフランジ706bには7枚の平板がねじ止めされる。平板54は下部にフランジ部54aを備えている。このフランジ部54aは、ドラムベース706のフランジ部706bにねじ712により固定される。平板54は、一方の側辺にフランジ部54bを備えている。このフランジ部54bは、他の平板の端面と重ね合わせられた状態で、他の平板にねじ止めされる。この平板54bにはセルを形成するための左セルラック240,2つの中央セルラック242a,242b,及び右セルラック244が取り付けられる。これらのセルラックの背面に設けられた位置決め突起が平板54の孔列714a,714b,714c,714dに挿入される。カートリッジ52c−1〜52c−nは、平板54上に支持される3列のセルのうちの中央列のセルの中に収納される。
【0056】
7枚の平板54は、夫々ドラムベース706のフランジ部706bに結合されると共に、上板716に固定される。このようにして回転ドラム700が組立てられる。この組立は、工場の内部で行なわれる。
ドラムユニット10Aの上部ユニット684aの回転ドラム702は、連結機構720を介して下部ユニット652aの回転ドラム700に連結される。この回転ドラム702は、上板722と下板724とを含む。この上板722と下板724は、7枚の平板726で結合されている。回転ドラム702は、回転ドラム700と同様に7面体である。この回転ドラム702の平板726は、回転ドラム700と同様に、セルを形成するための左セルラック240,2つの中央セルラック242a,242b,及び右セルラック244が取り付けられる。カートリッジ52c−o〜52c−uは、平板726上に支持される3列のセルのうちの中央列のセルの中に収納される。
回転ドラム700と回転ドラム702は、連結機構720を介して結合され、一体的に回転する。回転ドラム700の上板716には、図20に示すように、軸728がねじ730で固定される。軸728には先端部728aが一体的に形成されており、先端部728aは回転ドラム702の下板724の孔724zに挿入される。軸受け732は、ベアリングホルダ734を介してねじ736により天板655に固定されている。軸728は軸受け732により回転可能である。この軸728の先端部728aには、連結アーム738がねじ740で取り付けられている。図21に示すように、連結アーム738は3本のアーム738aを備えている。各アーム738aの先端部には軸742が突設されている。この軸742は、下板724の孔724aに挿入される。軸742の先端には、図20に示すように、ねじ746で固定される板バネ744が取り付けられる。この板バネ744は、地震の振動等が加わった際に、上板724が軸728から抜け出さないようにするために設けられる。更に、図20,21に示すように、天板655には三つの車輪748が取り付られている。この車輪748は回転ドラム702の重量を支える。回転ドラム702の重量は天板655で支えられるので、ドラムモータ50に加わる重量負荷が軽減される。
【0057】
軸728の先端部728aは、下板724の孔724zに挿入される。アーム738aの先端の軸742は、回転ドラム702の下板724の対応する孔724aに挿入される。隣接するアーム738aの間の角度は、それぞれ相互に異なる角度に設定されている。従って、各アーム738aの先端部に突設された軸742と、下板724の孔724aとの位置関係が正しくない限り、全ての軸742は孔724aに挿入されない。
尚、各孔724aには図22に示すようにスライド板745が設けられている。スライド板745は、下板724に設けられた溝743内を移動可能に挿入されている。スライド板745は、孔724aにアーム738aの先端部に突設された軸742が挿入された後に、ねじ746で固定される。ねじ746は長孔747内を移動可能となっている。
【0058】
尚、回転ドラム700と回転ドラム702は、回転ドラム700の平板54と回転ドラム702の平板726の面とが同一平面内となるように治具を用いて位相合わせされてから固定して取り付けられる。
次に、オペレータによるカートリッジの直接投入排出(DEE)動作を可能とするドラムユニット10a,10bの構成を説明する。このドラムユニット10a,10bは、DEE扉64を有する。
【0059】
図23は、DEE扉を有するドラムユニット10aの上面図である。図24は、DEE扉を有するドラムユニット10aの側断面図である。
図において、ドラムユニット10aは、その前面に、回転支軸66回りに回動可能なDEE扉64を有する。実線は扉64がドラムユニット10aに対して閉じられている状態であり、破線は扉64がドラムユニット10aに対して開放されている状態である。この扉64は、ドラムユニット10aの前面化粧板に備えられたDEE窓部62に設置される。
【0060】
セルドラム15aは、モータ50により回転駆動される。セルドラム15aには7枚の平板が結合されており、セルドラム15aは7面体である。図23においては、7枚の平板54のうちの2枚の平板54−1,54−2を示す。図24は、ドラムユニット10aのセルドラム15aの7面の内の2面を示している。セルドラム15aの1面が1セルセグメントに対応する。平板54−1,54−2は、3列n段のセルを備えている。平板54−1上に設けられた各セルは、カートリッジ52L,52C,52Rを収納する。平板54−2上に設けられた各セルには、カートリッジ53L,53C,53Rが収納される。セルドラム15aのセルは、後述する図32に示されるセルの右セルラック244、中央セルラック242a、242b、及び左セルラック240が多数組合せられて、且つセルドラム15aの各平板に取り付けられて、3列n段のセルが構成されている。また、セルドラム15aの各セルは、水平面から12度上向きに傾斜した状態で平板に取り付けられている。この傾斜角度は、地震等の振動がライブラリ装置2に加わった場合に、セルからカートリッジが飛び出すことが無いようにするために設定された角度である。
【0061】
操作者がカートリッジをセルに投入する際には、ドラムユニット10aのDEE扉64が開放される。そして、セルドラム15aの各セルには、カートリッジが一個ずつ投入される。
尚、DEE扉64により開放されるDEE窓部62よりも上方位置に配置されるカートリッジ52a,52bは、図1で説明したカートリッジアクセスステーション5のカートリッジ投入口6から投入されたカートリッジである。DEE窓部62よりも上方位置に配置されるセルは、オペレータによりカートリッジを投入することができない。
【0062】
従って、オペレータがカートリッジの直接投入排出(ダイレクト・エントリ・エグジット)動作を実行することが可能なセルの段数は、n段のセルの内のm段だけである。
残りのセルに格納されるこれらのカートリッジ52a,52bは、アクセッサ14がカートリッジ投入口6の位置からドラムユニット10aのセルドラム15a上のセルに搬送することにより、これらのセルに収納される。
【0063】
また、このドラムユニット10aは、ドラムユニット10A,10Bと同様に、上部ユニット684aを備え、回転ドラム702が回転ドラム15aに連結されている。
次に、セルドラム15a上のセルに収納されたカートリッジ52L,52C,52R,53L,53C,53Rは、その前面にバーコードラベルが取り付けられている。また、7枚の各平板54は、DEE窓部62に対向するセルが設けられる部分に、カートリッジの収納位置対応してバーコード56が取り付けられている。このバーコード56は、上記各セルラック240、242a、242b、244が平板54に取り付けられる前に、平板54に取り付けられる。セルドラム15aの各セルセグメント17の平板に取り付けられるバーコード56の番号体系は、カートリッジ52L,52C,52R,53L,53C,53Rに貼付されるバーコードの番号体系とは異なっている。
【0064】
これらカートリッジ上のバーコード及び平板上のバーコードは、バーコードリーダ68により読み取られる。バーコードリーダ68は、スライドガイド76に連結されており、スライドガイド76と共に移動する。このスライドガイド76は、スライドレール74に沿って往復移動させられる。スライドレール74は、垂直コラムベース78に取り付けられている。垂直コラムベース78は、バーコードリーダ68、下プーリ72、上プーリ106、パルスモータ70、位置フラグバー112、スライドレール74等を支持する。下プーリ72と上プーリ106との間には、タイミングベルト108が掛け渡されている。タイミングベルト108は、バーコードリーダ68のスライドガイド76に固定されている。タイミングベルト108は、バーコードリーダ68の重量のカウンタバランスとしてのバランサウエイト110が取り付けられている。このバーコードリーダ68は、スライドガイド76の軸回りに回動可能である。スライドガイド76上に搭載されたモータ82は、バーコードリーダ68を回動するためのものである。バーコードリーダ68の後端側には、センサフラグ84が設けられている。スライドガイド76にはセンサフラグ84を検出するセンサ86が設けられている。センサ86は、バーコードリーダ68が右に傾斜していることを検出する第1のバーコードリーダ位置センサと、バーコードリーダ68が左に傾斜していることを検出する第2のバーコードリーダ位置センサとを含んで構成される。
【0065】
パルスモータ70は下プーリ72を回転駆動する。下プーリ72の回転は、タイミングベルト108に伝達され、バーコードリーダ68を搭載するスライドガイド76をスライドレール74に沿って往復移動する。スライドガイド76の垂直コラムベース78上の位置は、スライドガイド76に固定されたセンサ80が位置フラグバー112のフラグを検出し、センサ80により検出されたフラグの数をカウントすることにより求められる。これらセンサ80と位置フラグバー112によりバーコードリーダ68の位置検出機構が構成される。
【0066】
バーコードリーダ68やバーコードリーダ68を往復移動する機構であるモータ70、下プーリ72、上プーリ106、スライドガイド76、スライドレール74、及びタイミングベルト108は、垂直コラムベース78に搭載される。
この垂直コラムベース78、バーコードリーダ68、位置検出機構、及び往復移動機構は、一体に構成されており、バーコードリーダユニット101を構成している。
【0067】
垂直コラムベース78の下端部のフランジ部78aは、ドラムユニット10aのベース100に、ねじ77で固定され、垂直コラムベース78の上端部のフランジ部78bは、ドラムユニット10aの天板104に、ねじ79で固定されている。尚、ベース100は台足102を備えている。
従って、バーコードリーダユニット101は、ねじ77とねじ79を外すことにより、ドラムユニット10aから取り外し可能となっている。垂直コラムベース78のフランジ部78a、78b、ねじ77、及びねじ79は、バーコードリーダユニット101をドラムユニット10aに対して、取り付け/取り外しするためのものである。また、ドラムユニット10aのベース100は、ねじ77と螺合するナットを備えている。更に、天板104はねじ79と螺合するナットを備えている。更には、ベース100及び天板104は、バーコードリーダユニット101のフランジ部78a、78bを位置決めするための位置決め板又はスリットを夫々備えている。
【0068】
バーコードリーダユニット101を制御するための制御信号は、ドラムユニット10aのコーナーに配置された制御プリント板上に搭載された制御回路90から送出される。バーコードリーダユニット101の制御信号は、信号ケーブル94を介して制御回路90からバーコードリーダユニット101に伝送される。バーコードリーダユニット101と信号ケーブル94は、図示されないコネクタにより結合及び分離が可能に構成されている。制御回路90は、ドラムモータ50を回転駆動するための駆動信号を、信号ケーブル92を介してセルドラム15aのドラムモータ50に伝達する。このドラムモータ50がセルドラム15aと共にドラムユニットを構成する場合は、この信号ケーブル92は、図示されないコネクタによりドラムモータ50と結合及び分離が可能に構成されている。
【0069】
バーコードリーダユニット101は、四角柱であるドラムユニット10aのハウジングの右前方のコーナーに配置される。ドラムユニット10aは、回転するセルドラム15aを用いるので、ハウジングのコーナーにバーコードリーダユニット101を取り付け可能である。アクセッサ14によるセルドラム15a上のセルへのアクセスは、ドラムユニット10aの後面に設けられた開口を通して行なわれる。
【0070】
従って、バーコードリーダユニット101は、オペレータによりカートリッジが投入排出されたセルセグメントがドラムユニット10aの後方に到達する前の箇所で、投入されたカートリッジに貼付されたバーコードラベルの読取動作を実行することができる。
このようなバーコードリーダユニット101は、ねじによりドラムユニッ10aに対して後付けが可能であり、オプションユニットとすることが可能である。同様に、ドラムユニット10aの前面の化粧板は、DEE扉64を有する化粧板から、DEE扉64を有しない化粧板に取り替え可能である。この取り替えは、ねじ等の締結手段を用いることにより簡単に行なうことができる。
【0071】
一方、図1に示されるドラムユニット10bは、DEE機能を有しておらず、内部にセルドラムユニットと制御回路のみを有するドラムユニットである。つまり、このドラムユニット10bは、図18から図22を用いて説明されたようなドラムユニット10A,10Bに相当する。
このドラムユニット10bは、その化粧板を、DEE扉64を有する化粧板に交換し、且つバーコードリーダユニット101が取り付けられることにより、DEE機能を有するドラムユニット10bに変更することができる。
【0072】
図25は、DEE扉を有するドラムユニット10a又は10bに設けられるカートリッジ検出機構の側面図である。図26は、DEE扉を有するドラムユニット10a又は10bに設けられるカートリッジ検出機構の正面図である。
図25において、セルドラム15aは、複数のセル750を備えている。セル750は、3列n段である。複数のセル750にカートリッジ588が収納されているか否かを検出するための光学センサ752と、セル750にカートリッジ588が飛び出した状態で収納されているか否かを検出するための光学センサ754とが設けられる。
【0073】
光学センサ752は、ドラムユニット10aのベース100に取り付けられた発光素子756と、天板104に取り付けられた受光素子758とを含んで構成される。発光素子756と受光素子758は、発光素子756と受光素子758との間の光軸がセル750に正常に収納されたカートリッジ588Sにより遮られるように、ベース100及び天板104に固定されている。
【0074】
光学センサ754は、ドラムユニット10aのベース100に取り付けられた発光素子760と、天板104に取り付けられた受光素子762とを含んで構成される。発光素子760と受光素子762は、図25に示すように、発光素子760と受光素子762との間の光軸がセル750に正常に収納されたカートリッジ588Sでは遮られず、且つセル750から飛び出して収納されたカートリッジ588Tにより遮られるように、ベース100及び天板104に固定されている。
【0075】
光学センサ752及び光学センサ754は、各々発光素子と受光素子の組を、三組備えている。三つの発光素子760L,760C,760Rは、取り付け金具764を介してベース100に取り付けられている。三つの受光素子762L,762C,760Rは、固定金具766を介して天板104に取り付けられている。
【0076】
図27は、カートリッジ検出機構を清掃する機構の説明図である。図28は図27に示される清掃機構の一部の斜視図である。
図27において、光学センサ752の発光素子756L,756C,756R及び光学センサ754の発光素子760L,760C,760Rは、取り付け金具764に固定されている。取り付け金具764には三つのレバー768a,768b,768cが軸770によって回動可能に支持されている。各レバー768a〜768cには、それぞれブラシ772,774が保持されている。レバー768a〜768cはそれぞれ軸778を介して連結バー776で連結されている。連結バー776に対して、レバー768aは連結バー776の一端で回動可能であり、レバー768bは連結バー776の中央で回動可能であり、レバー768cは連結バー776の他端で回動可能になっている。レバー768bにはスプリング780により矢印A方向の付勢力が与えられている。スプリング780は、一端がレバー768bの孔782に引っ掛けられており、他端が取付金具764から切り起こされた板764aに引っ掛けられている。レバー768aは、取り付け金具764から切り起こされた板764bで構成されるストッパで移動が規制される。
【0077】
レバー768bには軸784回りに回動可能なコンタクト板786が取り付けられている。コンタクト板786は、ドラムユニット10aのドラムベース706のフランジ部706bに取り付けられるレバー部材788の先端に回転可能に取り付けられたローラ790と当接する位置に設けられている。ローラ790が回転ドラム15aの回転と共に矢印B方向に移動すると、ローラ790がコンタクト板786を矢印C回りに回動させる。コンタクト板786と共にレバー768bが軸770の回りに回動する。レバー768bの回動により、各レバー768a〜768cに設けられたブラシ772及びブラシ774が発光素子756L,756C,756R、及び発光素子760L,760C,760Rを表面を摺擦する。従って、発光素子756L,756C,756R及び発光素子760L,760C,760Rの表面は、回転ドラム15aの回転時に、必ず清掃される。
【0078】
尚、回転ドラム15aが矢印B方向と反対方向に回転する時には、コンタクト部材786が軸784回りに回動するが、レバー768bは、ストッパ764bに移動が規制されて、図27に示される実線位置に保持される。また、コンタクト部材786は、ローラ790とコンタクト部材786との係合が外れると、スプリング792の付勢力により図27に示される位置に復帰する。
【0079】
図29は、DEEマガジンを用いるドラムユニットの構成の説明図である。
図29において、ドラムユニット169は、下ユニット171と上ユニット176を含んで構成される。下ユニット171は、台足172に支えられたベース170と天板174との間にマガジンドラム175が回転可能に設けられている。上ユニット176は、マガジンドラム175と一体的に回転可能なセルラックを備えている。
【0080】
マガジンドラム175はフランジ178を備えている。フランジ178がドラムモータ173により回転されることで、マガジンドラム175が回転駆動される。マガジンドラム175は、図23及び図24を用いて説明したセルドラム15aと同様に、7角柱である。マガジンドラム175は、7枚の平板が組合せられて7角柱が形成される。図29は、ドラムユニット169の正面図を示しているので、マガジンドラム175は1面のみが示される。
【0081】
マガジンドラム175の各平板にはフレーム板180,182が取り付けられている。フレーム板180,182の間には、4段のマガジン搭載棚184a〜184dが形成されている。各マガジン搭載棚184a〜184dは、マガジンの投入ガイドとなるガイドプレート186,187,188,189を備えている。ガイドプレート186,188にはそれぞれ位置補正用マーク190,192が形成されている。
【0082】
尚、このドラムユニット169の前面は、図23に示されるドラムユニット10aと同様に、DEE扉64を有する化粧板が設けられている。そして、このDEE扉64を開放した状態で、マガジン200がオペレータによりマガジン搭載棚184a〜184dに搭載される。
図30は、マガジンとマガジン搭載棚の構成を示す概略斜視図である。図31(a) ,31(b) は、ドラムユニットのマガジン搭載棚にマガジンを搭載する動作を説明するための図である。
【0083】
図30,図31(a) ,図31(b) において、マガジン200は、3列6段のセルを備えている。マガジン200は、合計18個のカートリッジ202を同時にドラムユニット169に投入することができる。マガジン200は、上面に把手204を備えている。また、マガジン200は、背面に位置決め用の孔201a,201bを備えている。
マガジン200は、フレーム板180,182に設けられたマガジン搭載棚184aに、ガイドプレート186,187,188,189に沿って投入される。これらガイドプレート186〜189は、ドラムユニット169の位置決め基準点169a(図29参照)に対して横方向(X方向)の位置が所定の位置関係となるように、正確にフレーム板180,182に取付けられている。
【0084】
マガジン200は、マガジン搭載棚184aの棚板218上に設けられたマガジン搭載プレート206,208上に載置される。プレート206,208の後端部と背面板216との間には図31(a) に示すようにスペース220がある。マガジン200の挿入時には、マガジン200の下部に設けられたガイド突起220bがマガジン搭載プレート206,208のガイド溝206a,208aと係合する。マガジン200はこのガイド溝206a,208aに沿って挿入される。マガジン200がマガジン搭載棚184aの最奥部迄挿入されると、マガジン200の下部のガイド突起220bとガイド溝206a,208aとの係合が外れ、ガイド突起220bはスペース220内に位置して図31(b) に示される状態となる。
【0085】
つまり、マガジン200の位置決め孔201a,201bがマガジンドラム175を構成する背面板216に設けられた突起212,210にそれぞれ係合する。これらの突起210,212の凹み部210a,212aは、図29に示すドラムユニット169の右下端部の位置基準点169aに対して高さ方向(Y方向)の位置が所定の位置関係となるように、背面板216に取り付けられている。
【0086】
更に、マガジン200は、マガジンの背面がマガジンドラム175の背面板216に設けられた位置決め用突起214と当接することにより、奥行き方向の位置決めが成される。これらの突起214は、ドラムユニット169の右下端部の位置基準点169aに対して奥行き方向(Z方向)の位置が所定の位置関係となるように、背面板216に取り付けられている。
【0087】
このようにマガジン200は、マガジンドラム175のマガジン搭載棚184aの所定の位置に正確に位置決めされる。尚、このマガジン200の搭載棚184aの位置決め位置は、マガジン200のセルの中に収納されるカートリッジ202の回転軌跡が図23に示されるドラムユニット10aのセルに格納されるカートリッジ52,53の回転軌跡と同一となる位置である。つまり、マガジン200内の各セルは、マガジン200の背面部の位置決め孔201a,201bを基準としてマガジン200に形成されている。
【0088】
従って、マガジンドラム175がドラムモータ173により回転駆動されて、アクセッサ14と対面する位置に位置決めされた際に、マガジン200のセル内のカートリッジ202a,202bは、ドラムユニット10aのセルに格納されたカートリッジ52,53と同様に、アクセッサ14が把持することが可能となる。
【0089】
図32(a) はマガジンの詳細構成を示す平面図、図32(b) は正面図、図32(c) は背面図である。
図32(a) 〜図32(c) において、マガジン200は、金属製のハウジング203の上部に持ち運び用の把手204を有する。ハウジング203の前面の上部と下部には、マガジン200をマガジン搭載棚184aに挿入する際に把持される把手222,232が取り付けられている。把手222,232は、ステンレススティール等の金属板224,234を介してハウジング203に固定されている。ハウジング203は把手222を把持するための開口部226を備えている。また、ハウジング203にはカートリッジ有無検出用光センサの光を通過するための孔228が設けられている。中央列のカートリッジの有無検出用の孔228は、ハウジング203に把持用開口部226が形成されているので、設ける必要がない。金属板224の表面はマガジン有無検出位置230として使用される。
【0090】
マガジン200は、カートリッジを収納するための3列6段のセル254を有する。これらのセル254は、ABS樹脂のモールド部品で構成される左セルラック240,二つの中央セルラック242a,242b,及び右セルラック244に形成される。これら各セルラック240,242a,242b,244は、ハウジング203の背面板203cとは異なる位置で取り付けられた金属板203aにねじ止めされる。
【0091】
左セルラック240は、ねじ246により金属板203aに固定される。中央ユニット242aは、ねじ248により金属板203aに固定される。中央ユニット242bは、ねじ250により金属板203aに固定される。右ユニット244は、ねじ252により金属板203aに固定される。
【0092】
金属板203aには複数のバーコードラベル256が貼付されている。これらのバーコードラベル256は、各セル254にそれぞれ対応付けて設けられている。
【0093】
従って、このバーコードラベルを有するマガジン200は、ドラムユニット169が図23及び図24等を用いて説明したバーコードリーダユニット101が取り付けられた場合でも、カートリッジ有無検出動作を保証している。
また、このマガジン200を用いることにより多量のカートリッジが一括してライブラリ装置2に投入可能となる。更には、DEEマガジン200を用いるドラムユニット169は、DEEマガジン200がマガジン搭載棚184に搭載された後は、他のドラムユニットと同様に取扱うことが可能となるので、マガジン搭載棚184に搭載されたDEEマガジン200内のカートリッジ202を他のドラムユニット内のセルへの移送を必ずしも実行する必要はない。更には、他のドラムユニット内のセルへカートリッジの投入が終了した後は、このDEEマガジン200を搭載するマガジン搭載棚184を有するドラムユニットは、他のドラムユニットと同様に取扱うことができ、カートリッジの収納巻数を増大に寄与し得る。
【0094】
尚、このドラムユニット169は、図1に示されるライブラリ装置2のドラムユニット10bに代えて設置されても良い。更には、図1に示されるライブラリ装置2は、セルドラム15bのみを有するドラムユニット10bを4台と、図23に示されるドラムユニット10aを1台と、ドラムユニット169を1台という構成にしても良い。ドラムユニットの拡張は、図2に示されるように種々可能である。
【0095】
図33は左セルラック240の説明図であり、図34は中央セルラック242の説明図であり、図35は右セルラック244の説明図である。
図33において、左セルラック240は、ABS樹脂を用いて、モールド形成される。左セルラック240は、セル254を形成するための棚プレート241を備えている。各棚プレート241は、背面板243から斜め上方に延びるように形成される。背面板243に対する各棚プレート241の傾斜角度は、水平面に対して12度である。つまり、背面板243からのその傾斜角度は、78度である。また、各棚プレート241は、図36に示されるI3480型の磁気テープカートリッジ588の底面に形成される突起584Sと係合する段差部243aを備えている。この棚プレート241の傾斜角度と、段差部243aがカートリッジ588の飛び出し防止機構を構成する。
【0096】
背面板243は、棚プレート241の形成面とは反対側の面に突起245a,245b,245cを備えている。この突起245aは、図19に示される平板54の孔列714aの孔714a−1に挿入される。また、突起245b,245cは、孔714a−2,714a−3に夫々挿入される。このように左セルラック240は、背面板243に三つの突起245a〜245cが孔714a−1〜714a−3に挿入されてねじ(図示されない)で平板54に固定されると、モールド形成時の反りが矯正され得る。尚、左セルラック240のねじ孔が設けられる箇所は、図32で説明した。
左セルラック240の側面に設けられるガイド板239は所定の肉厚を備えており、その先端側にはテーパ部239aが設けられている。このテーパ部239aはカートリッジの挿入ガイドとなるものである。
【0097】
図34において、中央セルラック242a(中央セルラック242bの構成は中央セルラック242aと同じであるのでその説明を省略する)は、左セルラック240と同様に、ABS樹脂を用いてモールド形成される。中央セルラック242aは、セル254を形成するための棚プレート247を備えている。各棚プレート247は、背面板249から斜め上方に延びるように形成される。背面板249に対する各棚プレート247の傾斜角度は、水平面に対して12度である。つまり、背面板249からのその傾斜角度は78度である。また、各棚プレート247は、図36に示されるI3480型の磁気テープカートリッジ588の底面に形成される突起584T,584Tと係合する段差部251を備えている。この棚プレート247の傾斜角度と、段差部251は、カートリッジ588の飛び出し防止機構を構成している。
【0098】
中央セルラック242aの背面板249は、棚プレート241の形成面とは反対側の面に突起253a,253b,253cを備えている。この突起253a〜253cは、図19に示される平板54の孔列714bの孔714b−1〜に714b−3に夫々挿入される。このように中央セルラック242aは、背面板249に三つの突起253a〜253cが孔714b−1〜714b−3に挿入されてねじ(図示されない)で平板54に固定されると、モールド形成時の反りが矯正され得る。尚、中央セルラック242のねじ孔が設けられる箇所は、図32で説明した。
中央セルラック242aの中央部に設けられるガイド板238は所定の肉厚を備えており、その先端側の両面にはテーパ部238aが設けられている。このテーパ部238aはカートリッジの挿入ガイドとなるものである。
【0099】
図35において、右セルラック244は、ABS樹脂を用いて、モールド形成される。右セルラック244は、中央セルラック242bとの間で、セル254を形成するための棚プレート255を備えている。各棚プレート255は、背面板257から斜め上方に延びるように形成される。背面板257に対する各棚プレート255の傾斜角度は、水平面に対して12度である。つまり、背面板257からのその傾斜角度は78度である。また、各棚プレート255は、図36に示されるI3480型の磁気テープカートリッジ588の底面に形成される突起584Tと係合する段差部259を備えている。この棚プレート255の傾斜角度と段差部259は、カートリッジ588の飛び出し防止機構を構成している。
【0100】
背面板257は、棚プレート255の形成面とは反対側の面に突起261a,261b,261cを備えている。この突起261a〜261cは、図19に示される平板54の孔列714dの孔714d−1〜714d−3にそれぞれ挿入される。このように右セルラック244は、背面板257に三つの突起261a〜261cが孔714d−1〜714d−3に挿入されてねじ(図示されない)で平板54に固定されると、モールド形成時の反りが矯正され得る。尚、右セルラック244のねじ孔が設けられる箇所は、図32で説明した。
右セルラック244の側面に設けられるガイド板237は所定の肉厚を備えており、その先端側にはテーパ部237aが設けられている。このテーパ部237aはカートリッジの挿入ガイドとなるものである。
【0101】
このようにして、左セルラック240と二つの中央セルラック242a,242bと右セルラック244とを組合せると、3列6段のセルが形成される。
尚、この左セルラック240と、2つの中央セルラック242a,242bと、右セルラック244は、平板54の高さ方向に複数段積み重ねるように配列して平板54に取り付けられる。各セルラック240,242a,242b,244は、その上方に配置されるセルラック240,242a,242b,244との間に、カートリッジ588を収納するための追加のセルが形成される。図32に示されるDEEマガジン200は、把手222が取り付けられるために、最上部にセルを形成することができないので、3列6段のセルが形成される。
【0102】
また、左セルラック240と右セルラック244との組合せによって、1列6段のセルが形成可能である。これは、ドラムユニット10Aの柱668aの固定セル680aを作成する場合の組合せである。
また、左セルラック240と右セルラック244と一つの中央セルラック242aとの組合せは、2列6段のセルを形成可能とする。
【0103】
このように、左セルラック240と右セルラック244との間に配置される中央セルラック242a,242bの個数に応じて、多数のセルの組合せが実現可能となる。更に、DEEマガジンのためのセルの形成にも、これらの左セルラックと右セルラックと中央セルラックが使用可能である。
従って、DEEマガジン、固定セル、及びセルドラムのセルを形成する際に、左セルラックと右セルラックと中央セルラックが共通に使用可能であるので、部品の共通化が図れる。従って、部品の量産化が可能となり、セルの製造コストの低減が可能となる。
【0104】
図37から図43は、本発明のライブラリ装置2の各ユニットの結合方法を説明するための図である。
図37は、図2に示されるライブラリを例にして、ライブラリ装置の組立方法を説明するための図である。
(a)基準セルユニットの設置
図37において、まず、ライブラリ装置を設置する部屋の床面上に、基準ロッカである基準セルユニット11を設置する場所を中心として、糸800を、ポール802aとポール802bの間に張り渡す。尚、図37において、糸800を床面上に張り渡す際は、各ユニットは、ライブラリ装置を設置すべき場所には載置されていない。各ユニットは、ライブラリ装置を設置する部屋の一部に置かれている。従って、図37において、各ユニットは、その配置構成を仮想的に示している。
【0105】
糸800を支持するポール802aと802bは、糸800の床面からの高さが距離L、例えば60mmとなるように設置される。
次いで、各ユニットが設置されるべき床面上の箇所にマーク804a〜804fが記される。マーク箇所は6ケ所である。そして、マーク804a〜804fの箇所における糸800と床面との間の距離L1〜L6が全て測定される。基準セルユニット11が設置されるべきマーク箇所804dが基準ポイントとして選択される。この測定値から補正値が算出される。算出式は、補正値=距離L−(距離L1〜L6のうちの最小値)である。基準セルユニット11のマーク804dの床下寸法を算出する。床下寸法の算出式は、距離L3+補正値である。
【0106】
基準ロッカである基準セルユニット11は、マーク804dの位置における床下寸法が算出値となるように設置される。マーク804dは、図38(a) に示す台足Aが設けられる基準セルユニット11のコーナーである。このマーク804dが基準ポイント11aとなる。
基準セルユニット11の基準ポイント11aをマーク804dに合わせた後、台足Aを固定した状態で、台足B〜Dの高さが調整される。台足B〜Dの高さは、Xレール20上に配置された水準器806、及び、図38(b) に示す基準セルユニット11の金具808から釣り下げられた糸810と重り812を含む鉛直度測定道具とを用いて調整される。
【0107】
(b)通路ユニットの基準セルユニットへの結合
まず、基準セルユニット11は、通路ユニット13と同様の構成で、電力、電源シーケンス制御信号、ドラム制御信号を伝達するための信号ケーブルとコネクタが内蔵されている。図39に示すように、基準セルユニット11のコネクタが通路ユニット13のコネクタと結合される。
【0108】
その後、基準セルユニット11を基準として、その両側に通路ユニット13が接合される。通路ユニット13はその側面板536a,536bの上端面が、基準セルユニット11の面板538の上端面と一致するように通路ユニット13の台足A,Cの高さが調整される。次に、Xレール20上に載せられた水準器(図示しない)の水平度が許容範囲内となるように、台足C,Dの高さが調整される。更に、台足B,Dの高さが調整される。
【0109】
更に、通路ユニット13に設けられたレール支持体627と側板536bの上端面との間に治具822が掛け渡される。治具822は、通路ユニット13のレール支持体627と側板536bの上端面とが水平となっている時に、治具822の上面が水平となるように予め作成されている。この治具822上に載せられた水準器の水平度が許容範囲内となるように、台足Aの高さが固定された状態で、台足B,C,Dの高さが調整される。
【0110】
そして、基準セルユニット11に設けられたXレール20のレール支持体に、通路ユニット13のXレール20を結合させた後、Xレール20をレール支持体にねじで固定する。基準セルユニット11のレール支持体627aの構造は、通路ユニット13のレール支持体627と同一の構成である。基準セルユニット11のレール支持体627aには、Xレール20がねじ814で固定されると共に、Xレール20がねじ816で固定される。通路ユニット13aのレール支持体627にはXレール20がねじ818で固定される。通路ユニット13bのレール支持体627にはXレール20がねじ820で固定される。
【0111】
尚、基準セルユニット11と通路ユニット13の高さ合わせは、通路ユニット13の側板536aを用いているが、これに限られるものではない。例えば、レール支持体の上面同士の高さを合わせても良い。更には、Xモータ42のピニオンが結合されるラックを支持するためのラックサポート部材の上面を一致させるようにしても良い。
【0112】
更に、通路ユニット13は、ライブラリ装置2に結合されるドラムユニットの数に応じて、前述と同様の作業を繰り返すことによって連結される。図2及び図37に示されるライブラリ2ではドラムユニットが8台連結されるので、通路ユニット13は、基準セルユニット11の両側に夫々2台づつ接続される。
(c)アクセッサユニットの通路ユニットへの結合
まず、図40(a) に示すように、アクセッサユニット9が通路ユニット13に隣接して配置される。アクセッサユニット9のレール支持体627bの上面と通路ユニット13のレール支持体627とが一致するように、アクセッサユニット9の台足A,Cの高さが調整される。Xレール20上に水準器が載せられた状態で、水準器の水平度が許容範囲内となるように、台足C,Dの高さが調整される。更に、アクセッサユニット9の柱35a(図6参照)に取り付けられた糸と重りから成る鉛直度測定器具を見ながら、台足Aが固定された状態で、鉛直度が許容範囲内となるように台足B,C,Dの高さが調整される。
【0113】
台足A〜Dの高さの調整が終了した後、アクセッサユニット9のXレール20dをずらす。Xレール20dは、通路ユニット13のレール支持体627にねじ832で固定される。更に、Xレール20dは、アクセッサユニット9のレール支持体627bにねじ830で固定される。次いで、半分の長さのXレール20eがアクセッサユニット9のレール支持体627bにねじ834で固定される。尚、通路ユニット13にはXレール20が既にねじ836で固定されている。
【0114】
アクセッサユニット7の通路ユニット13への取り付けは、上記と同様にして行なわれる。
(d)ドラムユニットの通路ユニットへの結合
図17で説明したドラムユニット10A,10Bは、下部ユニット652aと上部ユニット684aが分離された状態で工場から移送される。ライブラリ装置2が設置される部屋の中で、下部ユニット652aと上部ユニット684aの連結が行なわれる。この連結作業は、図19,21に示した上部ユニット684aの回転ドラム702の下板724の孔724zに下部ユニット652aの回転ドラム700の上部に設けられた軸728の先端部728aを挿通し、孔724aに軸728に固着された連結アーム738のアーム738aの先端部にある軸742を挿通することで行なわれる。
【0115】
その後、図40(b) に示すように、ドラムユニット10A,10Bが通路ユニット13の側板536a,536bに隣接して配置される。そして、ドラムユニット10A,10Bの全面部の基準面646a,646bが側板536a,536bに接合される。更に、基準面646a,646bの上面の高さが側板536a,536bの上端部の高さに合わせられる。この高さ調整は、台足A,Cにより行なわれる。ドラムユニット10A,10Bは、通路ユニット13へボルト840a,840b、及びボルト842a,842bにより固定される。ドラムユニット10A,10Bの天板655aから垂らされた糸と重りから成る鉛直度測定器具を用いて、前後の傾きが台足B,Dを用いて調整される。次に、台足C,D又は台足A,Bを用いて、ドラムユニット10A,10Bの左右の傾きが調整される。調整終了後、ボルト840a〜840d、及びボルト842a〜842dにより、ドラムユニット10A,10Bが通路ユニット13に固定される。
【0116】
このドラムユニット10A,10Bの通路ユニット13への連結は、1台づつ行なわれる。
(e)ドラムユニットの上部ユニットの連結
図41に示されるように、ドラムユニット10A,10Bは、連結バー696a,696bで連結された後に、上板698がねじ止めされる。更に、その後に、カバー694aがねじ844で柱688a,690aに固定される。
【0117】
(f)上側レールの取り付け
図42に示されるように、上側レール21が、アクセッサユニット9から順に各ユニットに取り付けられる。
(g)ドライブユニットの連結
そして、図8,9を用いて説明したように、ドライブユニット12のテープドライブユニット540のマニュアルマウントセル554がアクセッサマウントセル556に交換される。そして、このドライブユニット12が基準セルユニット11にねじ546で固定される。
【0118】
(h)コネクタの連結
最後に、図14から図18を用いて説明したように、通路ユニット13のコネクタ636,638がドラムユニット10のコネクタ660a,660bと結合される。
以上の組立を行なうことにより、ライブラリ装置2の組立が行なわれる。
【0119】
このように、ライブラリ装置2は、ユニット単位で組立られるので、設置場所に搬入された後の組立時間が短かくて良い。また、ユニット単位で運搬されるので、大量のカートリッジを収納するライブラリ装置であっても、ライブラリ装置を設置する部屋への搬入が容易である。
更に、上部ユニットが連結されるので、高さ方向にカートリッジの収納数を増大することが可能となる。
【0120】
また、DEEマガジンを有するドラムユニット等を選択的に配置することが可能となるので、ライブラリ装置2のシステム構成の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
図43は、ライブラリ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図43において、ライブラリ装置2は、4台のホストコンピュータ301〜304が接続される例を示している。ホストコンピュータ301〜304は、夫々チャネルインタフェースバス311〜314を介してライブラリ装置2に接続されている。
【0121】
このチャネルインタフェースバス311〜314は、例えば、ブロック・マルチプレクサ・チャネル・インタフェースやSCSIインタフェースが用いられる。ライブラリ装置2は、例えば4台のディレクタ321〜324が設置される。ディレクタ321,323は、チャネルA,B,C,Dを有する。ディレクタ322,324は、チャネルE,F,G,Hを有する。
【0122】
ディレクタ321,323のチャネルAには、ホストコンピュータ301からのチャネル・インタフェースバス311が接続され、チャネルBにはホストコンピュータ302からのチャネル・インタフェースバス312が接続される。また、ディレクタ322,324のチャネルEには、ホストコンピュータ303からのチャネル・インタフェースバス313が接続され、チャネルFにはホストコンピュータ304からのチャネル・インタフェースバス314が接続される。尚、ディレクタ321,323のチャネルC,D及びディレクタ322,324のチャネルG,Hは、未使用である。
【0123】
ディレクタ321〜324の端末側には、2つのチャネルa,bが設けられる。チャネルaは、記録再生装置用である。チャネルbはアクセッサ制御用である。ディレクタ321,322は、チャネルaからのデバイスバス331,332を介して共通に接続される8台の記録再生装置340を共有する。従って、ディレクタ321,322は、チャネルaを介して記録再生装置340に対してライト又はリードのアクセスを行なうことができる。この8台の記録再生装置340は、ドライブユニット12a,12cに配置されいてる。
【0124】
ディレクタ323,324は、チャネルaからのデバイスバス333,334を介して共通に接続される8台の記録再生装置350を共有する。従って、ディレクタ323,324は、チャネルaを介して記録再生装置350に対してライト又はリードのアクセスを行なうことができる。この8台の記録再生装置350は、ドライブユニット12b,12dに配置されている。
【0125】
ディレクタ321、322のチャネルbに接続されるデバイスインタフェースバス238−1は、アクセッサコントローラ328のチャネルaに接続される。また、ディレクタ323,324のチャネルbから引き出されたデバイスインタフェースバス338は、アクセッサコントローラ328のチャネルbに接続される。
【0126】
アクセッサコントローラ330は、予備機であり、ディレクタ321,322のチャネルbに接続されるデバイスインタフェースバス338がチャネルaに接続され、ディレクタ323,324のチャネルbに接続されるデバイスインタフェースバス339がチャネルbに接続されている。
アクセッサコントローラ328,330は、ディレクタ321〜324のいずれかからの命令を受信して処理を実行する。アクセッサコントローラ328の配下には、アクセッサユニット7のアクセッサ14及びアクセッサユニット9のアクセッサ14を制御するマシンコントローラ351,352が設けられている。更には、アクセッサコントローラ328の配下には、各ドラムユニット10a,169等のセルドラム15a,15bを制御するドラムコントローラ361,362を設けている。アクセッサコントローラ328,330、マシンコントローラ351,352、及びドラムコントローラ361,362はアクセッサユニット7,9に設けられている。
尚、図43においては、説明の簡略化のため、セルドラムは、2台のセルドラム15a,15bとしている。
【0127】
マシンコントローラ351,352及びドラムコントローラ361,362は、アクセッサコントローラ330に対しても共通に接続されている。
ホストコンピュータ301〜304の夫々は、ジョブの実行に伴うライブラリ装置2に対する入出力装置要求の発生に基づき、論理機番アドレスを指定して、ディレクタ321,322に対して自己の割当チャネルから入出力起動命令として機能するムーブコマンドを発行する。このムーブコマンドに対してディレクタ側より正常受領応答が得られると、ホストコンピュータは、媒体運搬情報としてのデータバイト(コマンドパラメータ)を転送する。
【0128】
このデータバイトは、カートリッジの移動元アドレスと移動先アドレスを含み、アクセッサコントローラ328のキューイングテーブルに格納される。アクセッサコントローラ328は、アクセッサユニット7及び9のアクセッサ14の空き状態を認識すると、キューイングテーブルからムーブコマンドの移動元アドレス及び移動先アドレスを取出し、マシンコントローラ351,352に対してアクセッサ14の移動を指示する。また、必要に応じて、ドラムコントローラ361,362にセルドラム15a,15bの回転を指示する。
【0129】
この場合、アクセッサコントローラ328は、キューイングテーブルから取出した移動元と移動先の各セルアドレスで変換テーブルを参照し、セルドラム回転角θ、アクセッサ座標位置(X,Y)に変換し、回転角θのセルドラム回転を指示し、また、座標位置(X,Y)へのアクセッサ移動を指示する。
図44は、アクセッサコントローラ328のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0130】
図44において、CPU270は、バス275を介して、ROM276,DRAM278,上位インタフェース制御部284,マシンコントローラインタフェース制御部288,ドラムインタフェース制御部292,デバイスインタフェース制御部294,2102が接続されている。CPU270は、ROM276に格納されたプログラムに基づいて制御を実行する。DRAM278は、キューイングテーブルと280とセルアドレス変換テーブル282が設けられる。キューイングテーブル280は、ディレクタを経由してホストコンピュータから受領したムーブコマンドを格納する。セルアドレス変換テーブル282は、セルアドレスをエントリとして、ドラム回転角度θ、アクセッサの移動先の座標(X,Y)が格納される。
【0131】
また、表示部298及びフロッピィディスク選択スイッチ2100を有するCEパネル296とフロッピィディスク装置2104がインタフェース制御部294と2102を介してCPU270に接続されている。
図45は、マシンコントローラ351のハードウェア構成の一例を示す図である。
図45において、CPU400は、コモンバス401を介してプログラム格納エリア424とワークエリア426を有するRAM416,不揮発性メモリ420に接続されている。RAM416は、バス切り換え回路418を通して、アクセッサコントローラ328に共通接続される。RAM416のプログラム格納エリア424は、バス切り換え回路418を介して、アクセッサコントローラ328のフロッピィディスク装置2104から動作制御プログラムがインストールされる。アクセッサコントローラ328は、バス切り換え回路418にバス切り換え信号を出力する信号線と、データ及びアドレスを出力する信号線とによって接続している。
【0132】
CPU400は、インタフェース部422を介して、ドラム制御部のインタフェス部156と接続されている。CPU400は、これらインタフェース部422及びインタフェス部156を介してCPU150と情報の通信を行なう。また、インタフェース部422は、アクセッサコントローラ328のマシンコントローラインタフェース制御部288のポート288Aと接続されている。
【0133】
CPU400は、ハンドアセンブリ16の先端に設けられた反射型光電センサ162の検出出力が入力される。CPU400は、アクセッサ14のX軸モータ42,Y軸モータ46,θ回転モータ25を駆動するためのドライバ402,406,414に接続されている。CPU400は、X軸モータ42に取り付けられたエンコーダ404の出力をカウントするハードカウンタ410,Y軸モータ46に取り付けられたエンコーダ408の出力をカウントするハードカウンタ412、及びθ回転モータ25に取り付けられたエンコーダ409の出力をカウントするハードカウンタ413の値を読み取り可能で、且つリセット可能にハードカウンタ410,412,413に接続される。
【0134】
次に、キャリッジであるアクセッサ14の位置補正動作が説明される。
図46(a) ,46(b) は、アクセッサ14に設けられるセンサを説明するための図である。
図46(a) には、ハンドアセンブリ16上に搭載されたセンサ162、及びレールベース32に搭載されるX方向に沿う位置を検出するセンサ163が示される。図46(b) には、ハンドアセンブリ16のベース24に対するベース27の位置を検出するセンサ167が示される。
【0135】
アクセッサ14のX軸方向の位置決めは、アクセッサユニット9内に設けられた原点を示す位置フラグ165を基準として行なわれる。この原点位置フラグ165は、センサ163により検出される。しかしながら、このセンサ163のレールベース32上の取付け位置と、ハンドアセンブリ16のハンドの把持中心位置との間の距離が規定値通りに組立られていない場合がある。従って、センサ163の出力を基準として、X軸モータ42を駆動したとしても、ハンドの把持中心位置は、X方向にずれを生じている可能性がある。また、ハンドアセンブリ16は、垂直コラム18に沿ってY軸方向に往復動する。しかしながら、垂直コラム18がレールベース32に対して傾斜して取付けられていると、垂直コラム18の下方位置と上方位置との間でY方向の位置ずれが生じるばかりでなく、X方向の位置ずれが生じる。更に、センサ167と、センサフラグ141の検出位置とが回転方向にずれて取付けられていると、ハンドユニット130がカートリッジを斜めに把持してしまう。このような位置ずれが生じると、セルに収納されたカートリッジを正確に把持できないばかりでなく、カートリッジをセルやアクセッサマウントセル内に押し込むことが不可能となる。従って、このような位置ずれの補正が行なわれないアクセッサ14を用いる場合は、セルピッチを詰めることができず、ライブラリ装置2内のカートリッジの収納量を増大することが困難となる。
図47は以上のように構成されたライブラリ装置2の設置準備の手順を示すフローチャートである。
ライブラリ装置2は組立後、まず、ステップS10に示されるようにアクセッサ14の位置の補正が行われる。次いで、ステップS20に示されるようにアクセッサ14にある光電センサ162の感度補正が行われる。更に、ステップS30に示されるように診断セルと診断カートリッジ(後に図示される)を用いたセンサ162の光軸とハンドの動作軸との補正が行われる。
そして、このような補正が実行された後に、ステップS40に示されるように全セルに対するアクセッサ14の補正値を示す相対位置テーブルが作成され、ステップS50に示されるようにライブラリ装置2の運用に入る。
以後、アクセッサ14の位置補正動作、感度補正動作、およびセンサ162のい光軸とハンドの動作軸の補正について順次説明される。
【0136】
図48から図51は、キャリッジであるアクセッサ14の位置補正動作を説明するための動作フローチャートである。この動作フローチャートは、図46、及び図52から図54に示されるアクセッサの位置補正動作説明図と共に説明される。
図52において、アクセッサユニット9には原点位置フラグ165が精度良く取付けられている。アクセッサ14のレールベース32は、原点位置フラグ165を検出するための光電センサ163を備えている。更に、アクセッサ14のベース28に取り付けられた光電センサ162が示されている。また、アクセッサユニット9は、ドラムユニット内の特定のセルと同一の検出位置となるように正確に固定された位置補正用フラグ910,920,930を備えている。
【0137】
(1)ステップS101〜S102:CPU400は、ステップS101で、X軸,Y軸,Z軸を夫々ホーム位置に移動する。つまり、CPU400は、モータドライバ402を介してX軸モータ42を駆動し、光電センサ163が原点位置フラグ165のエッジを検出する位置に位置させる。更に、CPU400は、モータドライバ406を介してY軸モータ46を駆動し、光電センサ162が位置補正用フラグ910,920を検出可能な高さにハンドアセンブリ16を移動する。そして、CPU400は、光電センサ167がセンサフラグ141の原点位置を検出する検出位置に位置させるべく、モータ25を回動する。センサフラグ141の原点位置は、センサ162と位置補正用フラグ910又は920とが正対する位置とは異なる位置に組立てられる。そして、ハンドアセンブリ16のベース28がベース27に対して回動され、ハンドアセンブリ16の傾斜角度が−12度に設定される。そして、CPU400は、ステップS102で、キャリッジ位置補正テーブルの内容をクリアする。また、ハードカウンタ410,412,413の値がリセットされる。
【0138】
(2)ステップS104〜S106:CPU400は、センサ162を位置補正用フラグ910(フラグA)に対面させるべく、まず、モータ25を駆動する。そして、センサ162が位置補正用フラグ910と対面すると推測される角度に、ベース27が位置付けられる。また、CPU400は、X軸モータ42を駆動する。つまり、CPU400は、X軸モータ42を標準値XNAだけ駆動する。この標準値は、原点位置フラグ165からの距離として与えられる。そして、センサ162が位置補正用フラグ910と対面すると推測されるX方向の位置に、レールベース32が位置付けられる。この状態で、CPU400は、モータ42のみを往復回転駆動する。センサ162の光軸が位置補正用フラグ910上をX方向に沿って往復走査される。このセンサ162の光軸の往復走査中に、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、CPU400は、ハードカウンタ410の値を読み取る。そして、CPU400は、この値をメモリ416のワークエリア426に格納する。CPU400がワークエリア426に格納した値は、図52に示される実測値XAAである。
【0139】
(3)ステップS108〜S110:CPU400は、センサ162を位置補正用フラグ920(フラグB)に対面させるべく、モータ25を駆動する。そして、センサ162が位置補正用フラグ920と対面すると推測される角度に、ベース27が位置付けられる。次に、CPU400は、この状態で、モータ42のみを往復回転駆動する。センサ162の光軸が位置補正用フラグ920上をX方向に沿って往復走査される。このセンサ162の光軸の往復走査中に、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、CPU400は、ハードカウンタ410の値を読み取る。そして、CPU400は、この値をメモリ416のワークエリア426に格納する。CPU400がワークエリア426に格納した値は、図53(a) に示される実測値XNBである。
【0140】
(4)ステップS112〜S116:CPU400は、実測値XNAと実測値XNBの平均値XHを求める。次に、標準値XNAと平均値XHとの差分値が求められる。この差分値が標準値XNAに加算される。この加算結果が新X目標値として設定される。CPU400は、X軸モータ42を駆動し、新X目標値へ位置付ける。このようにしてX方向の位置補正値が求められ、このX方向の位置補正値は、ワークエリア内426の補正値テーブルに格納される。
【0141】
(5)ステップS118〜S122:CPU400は、センサ162を位置補正用フラグ910に対面させるべく、モータ25を駆動する。センサ162が位置補正用フラグ910と対面すると推測される角度に、ベース27が位置付けられる。つまり、CPU400は、標準値ZNAだけモータ25を駆動する。この標準値ZNAは、センサ167がセンサフラグ141を検出してからの回転角度で与えられる。この後、CPU400は、モータ25のみを往復回転駆動させる。センサ162の光軸が位置補正用フラグ910上をX方向に往復走査する。このセンサ162の光軸の往復走査中に、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、CPU400は、ハードカウンタ413の値を読み取る。そして、CPU400は、この実測値ZAAをメモリ416のワークエリア426に格納する。更に、CPU400は、標準値ZNAと実測値ZAAとの差分値を求めて、補正値ZHAとして、ワークエリア426に格納する。このようにして、位置補正用フラグ910が設けられる面におけるZ位置の補正値が求められる。このZ方向の第1の補正値は、ワークエリア内の補正値テーブルに格納される。
【0142】
(6)ステップS124〜S126:CPU400は、センサ162を位置補正用フラグ920に対面させるべく、モータ25を駆動する。センサ162が位置補正用フラグ920と対面すると推測される角度に、ベース27が位置付けられる。つまり、CPU400は、標準値ZNBだけモータ25を駆動する。この後、CPU400は、モータ25のみを往復回転駆動させる。センサ162の光軸が位置補正用フラグ920上をX方向に往復走査する。このセンサ162の光軸の往復走査中に、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、CPU400は、ハードカウンタ413の値を読み取る。そして、CPU400は、この実測値ZABをメモリ416のワークエリア426に格納する。更に、CPU400は、標準値ZNBと実測値ZABとの差分値を求めて、補正値ZHBとして、ワークエリア426に格納する。このようにして、位置補正用フラグ930が設けられる面におけるZ位置の補正値が求められる。このZ方向の第2の補正値は、ワークエリア内の補正値テーブルに格納される。
【0143】
(7)ステップS128:CPU400は、標準値ZNAに補正値ZHAを加算して、新目標値を計算する。そして、CPU400は、新目標値に基づいて、センサ162を位置補正用フラグ910に位置付ける。
(8)ステップS130〜S136:次に、CPU400は、ハンドアセンブリ16の傾斜角度が−12度の状態で、X方向とY方向のセンサ162の検出感度の補正値を求める。更に、CPU400は、ハンドアセンブリ16の傾斜角度が−5.5度の状態で、Y方向のセンサ162の検出感度の補正値を求める。これらの検出感度の補正を求める方法は、後述される。センサ162は、ハンドアセンブリ16が−12度の傾斜角度で位置補正用フラグ910と対向している時、センサ162の光軸が水平面と一致する。従って、ハンドアセンブリの傾斜角度が−5.5度の場合は、センサ162の光軸が水平面からずれるので、検出感度の補正が必要とされる。
【0144】
(9)ステップS138:CPU400は、標準値ZNBに補正値ZHBを加算して、新目標値を計算する。そして、CPU400は、新目標値に基づいて、センサ162を位置補正用フラグ920に位置付ける。
(10)ステップS140〜S150:次に、CPU400は、ハンドアセンブリ16の傾斜角度を−12度の状態に戻す。そして、CPU400は、X方向のセンサ162の検出感度の補正値を求める。更に、CPU400は、ハンドアセンブリ16の傾斜角度を−5.5度に設定する。そして、CPU400は、この傾斜角度で、Y方向のセンサ162の検出感度の補正値を求める。これらの検出感度の補正を求める方法は後述される。また、検出感度の補正値を求めた後、CPU400は、傾斜角度を−12度の状態に戻す。
【0145】
(11)ステップS152〜S158:次に、CPU400は、垂直コラム18の倒れ角度の検出を行ない、その補正値を求める。まず、CPU400は、センサ162を位置補正用フラグ910と対面する位置に位置付ける。次に、CPU400は、センサ162を位置補正用フラグ930に位置付ける。そして、CPU400は、Y位置を保持したまま、センサ162をX方向に沿って位置補正用フラグ930を往復走査する。このセンサ162の光軸の往復走査中に、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、CPU400は、ハードカウンタ410の値を読み取る。そして、CPU400は、位置補正用フラグ930のX方向位置の期待値と実測値の差分を求め、Y位置の上方位置と下位位置との位置ずれ差として認識する。この差分値は、ワークエリア426内の補正値テーブル内に格納される。
【0146】
(12)ステップS160:CPU400は、補正値テーブル内の格納値を不揮発性メモリ420内に格納し、位置測定処理動作を終了する。
次に、センサ感度補正動作について説明する。
図55は、位置補正用フラグ910,920,930とセンサ162との関係を示す図である。図56は、センサ感度補正動作の説明図である。
【0147】
図において、位置補正用フラグ910,920,930は、十字状の白色部950と黒色部952a〜952dから構成される。十字状の白色部950は、X方向に沿って延びる白色部950aとY方向に沿って延びる白色部950bとを含んでいる。
図57及び図58は、X方向センサ感度補正動作のフローチャートである。
【0148】
(1)ステップS162〜S166:CPU400は、基準フラグ910の中心位置Oをセンサ162の光軸の仮りの位置付け目標位置とする。次に、CPU400は、この仮りの位置付け目標位置に対して、この仮の目標位置と位置補正用フラグ910の走査開始点との差分を加えて位置付け目標位置とする。この目標位置は、黒色部952dの領域内である。そして、CPU400は、センサ162をこの目標位置へ移動する。
【0149】
(2)ステップS168〜S176:CPU400は、Y位置を保持したまま、X方向の走査方向▲1▼(図56参照)にセンサ162を移動する。そして、センサ162の出力がオンになったか否かを確認する。センサ162の出力がオンとなった時点におけるハードカウンタ410の値をX実測値Xaとしてワークエリア426内に保存する。そして、CPU400は、センサ162を継続してX方向に移動させる。CPU400は、センサ162の出力がオフとなったら、センサ162のX方向の走行を停止する。この時のセンサ出力の変化は、図56に波形WAで示される。
【0150】
(3)ステップS178〜S180:CPU400は、基準フラグ910の中心位置に対して、この仮の目標位置と位置補正用フラグ910の次の走査開始点との差分を加えて位置付け目標位置とする。この目標位置は、黒色部952aの領域内に設定される。そして、CPU400は、センサ162をこの目標位置へ移動する。
【0151】
(4)ステップS182〜S190:CPU400は、Y位置を保持したまま、X方向の走査方向▲2▼(図56参照)にセンサ162を移動する。そして、センサ162の出力がオンになったか否かを確認する。センサ162の出力がオンとなった時点におけるハードカウンタ410の値をX実測値Xbとしてワークエリア426内に保存する。そして、CPU400は、センサ162を継続してX方向に移動させる。CPU400は、センサ162の出力がオフとなったら、センサ162のX方向の走行を停止する。この時のセンサ出力の変化は、図56に波形WBで示される。
【0152】
(5)ステップS192〜S194:CPU400は、X実測値XaとX実測値Xbの平均値を求める。そして、CPU400は、計算結果をX方向のセンサ162のオン位置と定義する。最後に、CPU400は、センサ信号のオン位置とセンサオン定義位置の差分値を、オン補正値として補正値テーブルに格納し、X方向の感度補正動作を終了する。
【0153】
次に、Y方向のセンサ感度補正動作について説明する。
図59及び図60は、Y方向センサ感度補正動作のフローチャートである。
(1)ステップS196〜S200:CPU400は、基準フラグ910の中心位置Oをセンサ162光軸の仮りの位置付け目標位置とする。次に、CPU400は、この仮りの位置付け目標位置に対して、この仮の目標位置と位置補正用フラグ910の走査開始点との差分を加えて位置付け目標位置とする。この目標位置は、黒色部952dの領域内である。そして、CPU400は、センサ162をこの目標位置へ移動する。
【0154】
(2)ステップS202〜S210:CPU400は、X位置を保持したまま、Y方向の走査方向▲3▼(図56参照)にセンサ162を移動する。そして、センサ162の出力がオンになったか否かを確認する。センサ162の出力がオンとなった時点におけるハードカウンタ412の値をY実測値Yaとしてワークエリア426内に保存する。そして、CPU400は、センサ162を継続してY方向に移動させる。CPU400は、センサ162の出力がオフとなったら、センサ162のY方向の走行を停止する。この時のセンサ出力の変化は、図56に波形WCで示される。
【0155】
(3)ステップS212〜S214:CPU400は、基準フラグ910の中心位置に対して、この仮の目標位置と位置補正用フラグ910の次の走査開始点との差分を加えて位置付け目標位置とする。この目標位置は、黒色部952cの領域内に設定される。そして、CPU400は、センサ162をこの目標位置へ移動する。
【0156】
(4)ステップS216〜S226:CPU400は、X位置を保持したまま、Y方向の走査方向▲4▼(図56参照)にセンサ162を移動する。そして、センサ162の出力がオンになったか否かを確認する。センサ162の出力がオンとなった時点におけるハードカウンタ412の値をY実測値Ybとしてワークエリア426内に保存する。そして、CPU400は、センサ162を継続してY方向に移動させる。CPU400は、センサ162の出力がオフとなったら、センサ162のY方向の走行を停止する。この時のセンサ出力の変化は、図56に波形WDで示される。
【0157】
(5)ステップS228〜S230:CPU400は、Y実測値YaとY実測値Ybの平均値を求める。そして、CPU400は、計算結果をY方向のセンサ162のオン位置と定義する。最後に、CPU400は、センサ信号のオン位置とセンサオン定義位置の差分値を、オン補正値として補正値テーブルに格納し、Y方向の感度補正動作を終了する。
【0158】
次に、Z方向のセンサ感度補正動作について説明する。
図61及び図62は、Z方向センサ感度補正動作のフローチャートである。
(1)ステップS232〜S236:CPU400は、Z=n方向のZ標準位置を設定する。nは、“1" 又は“0" である。“1" は、センサ162を右回転させる方向である。“0" は、センサ162を左回転させる方向である。CPU400は最初、n=1を設定する。そして、CPU400は、次に、位置補正用フラグ910の走査開始点との差分を加えて位置付け目標位置とする。CPU400は、この目標位置にセンサ162を位置付ける。
【0159】
(2)ステップS238〜S246:CPU400は、X位置及びY位置を保持したまま、Z系を回転させ、走査方向▲1▼(図56参照)にセンサ162を移動する。そして、センサ162の出力がオンになったか否かを確認する。センサ162の出力がオンとなった時点におけるハードカウンタ413の値をZ実測値Zaとしてワークエリア426内に保存する。そして、CPU400は、センサ162を継続して移動させる。CPU400は、センサ162の出力がオフとなったら、センサ162のZ方向の回転を停止する。この時のセンサ出力の変化は、図56の波形WAと同様である。
【0160】
(3)ステップS248〜S252:CPU400は、Z=n方向のZ標準位置を設定する。CPU400は、n=0を設定する。次に、CPU400は、位置補正用フラグ920の走査開始点との差分を加えて位置付け目標位置とする。CPU400は、この目標位置にセンサ162を位置付ける。
(4)ステップS254〜S262:CPU400は、X位置及びY位置を保持したまま、Z系を回転させ、走査方向▲2▼(図56参照)にセンサ162を移動する。そして、センサ162の出力がオンになったか否かを確認する。センサ162の出力がオンとなった時点におけるハードカウンタ413の値をZ実測値Zbとしてワークエリア426内に保存する。そして、CPU400は、センサ162を継続してZ方向に移動させる。CPU400は、センサ162の出力がオフとなったら、センサ162のZ方向の走行を停止する。この時のセンサ出力の変化は、図56の波形WBと同様である。
【0161】
(5)ステップS264〜S230:CPU400は、Z実測値ZaとZ実測値Zbの平均値を求める。そして、CPU400は、計算結果をZ方向のセンサ162のオン位置として補正値テーブルに格納し、Z方向の感度補正動作を終了する。
次に、アクセッサの別の位置補正動作の説明が行なわれる。
図63は、図1に示されるライブラリ装置2の各ユニットに割当られた論理的なアドレス配置の説明図である。アクセッサ14の移動方向に沿って配置された各ユニットに対して、フレーム番号(Frame=1,2,・・・n)が割当てられる。また、アクセッサ14の移動方向の左右を分割して、一方に面番号(Z=0,1)が割当てられる。
【0162】
前記したように、図1に示されるライブラリ装置2が、セルドラム15bのみを有するドラムユニット10bを4台と、図4に示されるドラムユニット10aを1台と、ドラムユニット169を1台という構成の場合は、以下のようにアドレスが割り当てられる。尚、ここでは、図1に示されるドラムユニット10bがDEEマガジンを有するドラムユニット169である。アクセッサユニット9はフレーム番号が1であり、面番号は割当てられない。ドラムユニット10aは、フレーム番号が2で面番号が1である。ドラムユニット169(10b)は、フレーム番号が2で面番号が0である。ドライブユニット12bは、フレーム番号が3で面番号が1である。ドライブユニット12cは、フレーム番号が3で面番号が0である。ドライブユニット12aは、フレーム番号が4で面番号が1である。ドライブユニット12bは、フレーム番号が4で面番号が0である。4台のドラムユニットは、夫々フレーム番号が5で面番号が1、フレーム番号が5で面番号が0、フレーム番号が6で面番号が1、フレーム番号が6で面番号が0となる。最後に、アクセッサユニット7は、フレーム番号が7で面番号は割当てられない。
【0163】
図64は、ドラムユニットに対して割当てられるアドレスを示す図である。X方向のアドレスは、アドレス“01”〜アドレス“0A”が割当てられており、Y方向のアドレスは、アドレス“01”〜“35”が割当てられている。
図65は、マシンコントローラの制御値を説明する図である。
セルアドレスマップ432は、図64に示されるアドレスマップとそのアドレスマップで指定されるアドレスの座標値を格納するものである。このアドレスの座標値は、ドラムユニットの基準点O(基準原点Fso)からの寸法(X座標値,Y座標値)である。セル位置標準値テーブル434は、図67に示される測定開始点の座標値(X,Y)を格納する。この座標値(X,Y)は、アクセッサ14の移動開始原点(位置フラグ165)の座標値(X,Y)からの距離に相当する値である。この測定開始点の座標値は、後述する期待値からの差分値として格納されている。アクセッサ14の移動開始原点の座標値は、アクセッサユニット7のアクセッサ14の場合は、アクセッサユニット7内に固定された原点位置フラグ165により設定される。これらのセルアドレスマップ432及びセル位置標準値テーブル434は、プログラムのインストール時に、RAM416のプログラム格納エリア424に格納されている。また、前述したライブラリ装置2の各ユニットと、各ユニット毎のフレーム番号と面番号との対応関係は、セルアドレスマップ432の一部に格納される。更に、各ユニットのX方向の設置間隔の値は、同一に設定されており、この寸法値は、同様にセルアドレスマップ432の一部に格納される。
【0164】
指示アドレステーブル436は、アクセッサ14のハンドユニット130の上ハンド146と下ハンド148の開閉中心を位置付けるべき値を格納する。フレーム位置は、図63を用いて説明したフレーム番号である。Xアドレス及びYアドレスは、図52を用いて説明したドラムユニット内のセルの座標値である。Zアドレスは、図63を用いて説明した面番号である。目標値テーブル438は、アクセッサ14上のハンドユニット130の開閉中心を位置付けるべき目標値を格納する。X目標値,Y目標値,及びZ目標値は、セルアドレスマップ432,セル位置標準値テーブル434,指示アドレステーブル436の値から求められる。X目標値,Y目標値,及びZ目標値は、各モータ42,46,25の回転パルス数として算出される。期待値テーブル440は、X方向の期待値とY方向の期待値を格納するものである。期待値テーブル440は、アクセッサの位置測定動作を実行する際に用いられる。現在値テーブル442は、アクセッサ14のX方向の現在位置とY方向の現在位置を保持する。X現在値とY現在値は、ハードカウンタ410,412の値である。位置保存テーブル444は、特定時点のX現在値とY現在値を保存する。位置保存テーブル444に保存されたX位置とY位置は、アクセッサの位置測定動作を実行する際に用いられる。補正値テーブル446は、現在値テーブル442の格納値と位置保存テーブル444の格納値との差分値を補正値として格納する。これらの各テーブル436,438,440,442,444,446は、RAM416のワークエリア426に格納される。
【0165】
X位置・Y位置補正値テーブル448は、全フラグに対するX位置補正値,Y位置補正値、及び後述されるセンサ162の光軸とハンドの動作軸との補正値等を格納する。このテーブル448が格納する値は、不揮発性メモリ420に保持されている。
図66、図67、及び図68は、アクセッサの位置測定動作を説明するための図である。
【0166】
図66は、DEEマガジンを搭載するドラムユニットの基準セルの座標系を説明するための図である。
図66において、ドラムユニット169におけるマガジンドラム175の7つのセグメントのうちの1つのセグメントを例にして基準セルの座標系が説明される。ドラムユニット169は、図29で説明したように、マガジンドラム175の各マガジン搭載棚184a〜184dの夫々にマガジン200S〜200Vを搭載する。各マガジン200S〜200Vの右下のセル254mが基準セルである。ドラムユニット169の右下端部170aがフレーム基準原点Fsoである。このドラムユニット169の右下端部170aは、他のユニットとの結合の基準点として利用される。そして、ドラムユニット169の基準セル254mの座標は、フレーム基準原点Fsoを原点とする直交座標系で表される。この基準セル254mの座標値は、基準セル254mの中心位置の座標値(Xs,Ys)で表される。各マガジン200S〜200Vの基準セル254mの中心位置の座標値(Xs,Ys)は、フレーム基準原点Fsoを原点とする直交座標系の座標値で表される。前述したように、マガジン200S〜200Vは、ガイドプレート186,187,188,189と、突起210,212と、位置決め用突起214と、及びマガジン200の位置決め孔201a,201bとにより、ドラムユニット169の基準点169aに対して略正確に位置決めされている。
【0167】
従って、マガジン200の基準セル254mの実位置中心点の座標値(Xs,Ys)は、位置決め基準点169aであるフレーム基準原点Fsoを基準とする座標値である。
図67は、基準セルの実位置中心と標準位置中心との関係を示す図である。
図67において、基準セル254mの実位置中心点Ppの座標値(Xp,Yp)は、位置補正用マーク190aの基準点Pmの座標値(Xm,Ym)からX方向に距離Lx,Y方向に距離Lyだけ離れた位置である。これらの寸法Lx,Lyは、前述したセルアドレスマップ432の一部に格納されている。つまり、位置補正用マーク190aは、フレーム180に正確に取付けられているので、位置補正用マーク190aの基準点Pmの座標値(Xm,Ym)は、フレーム基準原点Fsoを基準とした座標値である。基準セル254mの実位置中心点Ppは、フレームの基準原点Fsoを原点としたときの基準セル254mの標準位置中心点PhからX方向及びY方向に夫々オフセットしている。基準セル254mの標準位置中心点Phの座標は、座標値(Xh,Yh)で表わされる。この基準セル254mの標準位置中心点Phは、アクセッサユニット9の位置フラグ165を原点とする標準直交座標系における基準セル254mの中心点が存在すべき点である。ライブラリ装置2は、複数のユニット7,9,10a,10bとが結合されて組立てられているので、基準セル254mの実位置中心点Ppと標準位置中心点Phとの間にオフセットを生じている。このオフセットの値は、位置補正用マーク190aを用いて測定される。
【0168】
図68は、位置補正用マークと測定開始点との関係を示す図である。
図68において、位置補正用マーク190aは、黒色部450と、Y方向の白色部452と、X方向の白色部454とから構成される。位置補正用マーク190aの基準点Pmの座標は、座標値(Xm,Ym)で表される。この位置補正用マーク190aの基準点Pmは、実測された座標値(Xm,Ym)である。アクセッサ14の位置測定の開始点(センサ162の光軸)は、位置補正用マーク190aの測定開始点Piの座標値(Xi,Yi)に設定される。この測定開始点Piの座標値(Xi,Yi)は、アクセッサユニット9の位置フラグ165を原点とする標準直交座標系における座標値である。期待点Peは、測定開始点Piを基準として、センサ162の光軸をX方向及びY方向に移動させた時に、位置補正用マークの基準点Pmが存在すべきである点である。尚、測定開始点Piの座標値(Xi,Yi)は、期待点Peの座標値(Xp,Yp)との差分値としてセル位置標準値テーブル434に格納されている。
【0169】
この期待点Peは、座標値(Xe,Ye)で表わされる。ライブラリ装置2の組立時の誤差が存在するので、位置補正用マーク190aの実際の基準点Pmの座標値(Xm,Ym)は、期待点Peの座標値(Xe,Ye)からオフセットを生じている。この基準点Pmの座標値(Xm,Ym)と期待点Peの座標値(Xe,Ye)との差分が、補正値となる。このX補正値とY補正値が基準セル254mの実位置中心点Ppと標準位置中心点Phとの間のオフセットを補正するための補正値である。
【0170】
図69は、マシンコントローラ351の動作を説明するフローチャートである。
図69において、まず、CPU400は、電源投入後、ステップS200で、初期化動作を実行する。この初期化動作時、CPU400は、駆動回路402,406,414を介してモータ42,46,25を駆動して、アクセッサユニット7内に設定された基準位置にアクセッサ14を位置付ける。CPU400は、センサ163が位置フラグ165を検出し、且つハンドアセンブリ16のセンサ162がこの位置フラグ165を検出する位置に、アクセッサ14の各モータ42,46,25を駆動する。
【0171】
次いで、CPU400は、ステップS210で、不揮発性メモリ420内のX位置,Y位置補正値テーブル448内に、位置補正値が格納されているか否かをチェックする。CPU400は、位置補正値が格納されていない場合は、位置補正値の測定動作を実行するステップS220に移行する。CPU400は、ステップS220の処理が終了すると、ステップS212へ移行する。
【0172】
一方、CPU400は、位置補正値が格納されている場合は、動作コマンドの有無を確認するステップS212へ移行する。CPU400は、ステップS212でインタフェース部422を介して動作コマンドが受信されたならば、ステップ214へ移行する。CPU400は、ステップS214で動作コマンドの種類がマガジン有無チェック動作指示コマンドか否かを判別する。CPU400は、マガジン有無チェック動作指示コマンドならば、ステップS216へ移行し、マガジン有無チェック動作を実行する。CPU400は、ステップS214で、それ以外のコマンドを受信した場合は、ステップS218でそのコマンドの処理を実行する。マガジン有無チェック動作コマンド又はその他のコマンドの処理終了後は、ステップS212に戻る。
【0173】
図70から図72は、位置補正値の測定動作の処理フローチャートを示す図である。
(1)ステップS240〜S244:CPU400は、ステップS240で、位置補正値の測定を行うべきであるドラムユニット169のユニットのアドレス(フレーム番号及び面番号)を、指示アドレステーブル436に取り込む。このドラムユニット169が図63に示されるドラムユニット10bと仮定すると、このドラムユニット169(10b)のアドレスは、フレーム番号がFrame=2で、面番号がZ=0となる。次に、CPU400は、ステップS242で、基準セル254mのアドレスを取り込む。この基準セル254mのアドレスは、図66に示されるドラムユニット内のセルの座標値が設定される。基準セル254mは、各マガジン200s〜200vの右下である。マガジン200sの基準セル254mのXアドレスは、“04”であり、そのYアドレスは、“04”である。
【0174】
尚、マガジン200t〜200vのXアドレスは、マジガン200sの基準セル254mのXアドレスと同一であり、全て“04”である。一方、マガジン200tのYアドレスは、“0D”であり、マガジン200uのYアドレスは、“16”であり、マガジン200vのYアドレスは、“1F”である。これらのXアドレス及びYアドレスは、16進数で表わされている。
【0175】
そして、CPU400は、次に、ステップS244で、相対位置フラグポインタRPFを“N=1”に設定する。ポインタRPFの値は、マガジン200T〜200Vを順番に指定する。
(2)ステップS246〜S252:次に、CPU400は、ポインタRPFで指定されたマガジン200sの基準セル254mのXアドレス“04”に基づいて、セルアドレスマップ432を参照する。CPU400は、フレーム基準原点FsoからのX座標値(Xs)と、ドラムユニットの幅寸法と、及び原点位置フラグ165の位置からドラムユニットの基準点169a迄のX方向の寸法差との合計から、基準セル254mの標準位置中心PhのX座標値Xhを獲得する。そして、CPU400は、このX座標値Xhをエンコーダ(タコメータ)404のカウント数に変換して、内部レジスタに保存する。更に、CPU400は、期待点PeのX座標値と標準位置中心点PhのX座標値の差分値に相当する寸法Lxをセルアドレスマップ432から読み出し、X座標値Xhから減算する。更にCPU400は、ハンドユニット130の中心線とセンサ162の光軸との間のX方向の差分値をX座標値Xhから減算する。このハンドユニット130のハンド中心線とセンサ162の光軸との間のX方向の差分値は、前述したセルアドレスマップ432に格納されている。CPU400は、計算結果を期待点PeのX座標値として、期待値テーブル440に格納する。
【0176】
(3)ステップS254〜S260:次に、CPU400は、ポインタRPFで指定されたマガジン200sの基準セル254mのYアドレス“04”に基づいて、セルアドレスマップ432を参照する。CPU400は、フレーム基準原点FsoからのY座標値(Ys)と、原点位置フラグ165の位置からドラムユニットの基準点169a迄のY方向の寸法差との合計から、基準セル254mの標準位置中心PhのY座標値Yhを獲得する。そして、CPU400は、このY座標値Yhをエンコーダ(タコメータ)408のカウント数に変換して、内部レジスタに保存する。更に、CPU400は、期待点PeのY座標値と標準位置中心点PhのY座標値の差分値に相当する寸法Lyをセルアドレスマップ432を読み出し、Y座標値Yhから減算する。更にCPU400は、ハンドユニット130の中心線とセンサ162の光軸との間のY方向の差分値をY座標値Yhから減算する。このハンドユニット130のハンド中心線とセンサ162の光軸との間のY方向の差分値は、前述のセルアドレスマップ432に格納されている。CPU400は、計算結果を期待点PeのY座標値として、期待値テーブル440に格納する。
【0177】
(4)ステップS262〜S268:CPU400は、期待値テーブル440に格納されたX期待値に、セル位置標準値テーブル434に格納された測定開始点Piと期待点PeのX方向の差分値を加算して、センサ162を位置付けるための目標値のX座標を算出する。次に、CPU400は、期待値テーブル440に格納されたY期待値に、セル位置標準値テーブル434に格納された測定開始点Piと期待点PeのY方向の差分値を加算して、センサ162を位置付けるための目標値のY座標を算出する。尚、Z目標値は、ハンドアセンブリ16がセルと対面する位置に位置付けるためのモータ25の回転角である。この値は、指示アドレステーブル436に格納されたZアドレス(Z=1又は0)から、CPU400が算出する。CPU400は、目標値テーブル438に格納された目標位置へセンサ162を移送するキャリッジであるアクセッサ14を位置付ける。つまり、CPU400は、モータ42,46,25を駆動して、センサ162を測定開始点Piへ位置付ける。尚、CPU400は、ハードカウンタ410,412の内容を、センサ162の移動開始前にリセットする。
【0178】
(5)ステップS268〜S276:センサ162が測定開始点Piへ位置付けられた後、CPU400は、モータ46及びモータ25の駆動を停止した状態で、レールベース32をXレール20に沿って移動するために、モータ42のみを駆動する。つまり、センサ162がX測定方向に沿って、測定開始点Piから位置補正用マーク190aの白色部454に向けて移動させられる。そして、CPU400は、センサ162の移動中に、センサ162の検出出力がオンとなる時点を検出する。センサ162が白色部454に到達した時点が検出される。CPU400は、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、エンコーダ40
4の出力をカウントするハードカウンタ410の値を読み取る。このハードカウンタ410の値は、X実測値(Xm)である。X実測値Xmは、X位置保存値として、位置保存値テーブル444に格納される。尚、位置測定動作の間中、CPU400は、ハードカウンタ410,412に基づいて、センサ162の現在位置を現在値テーブル442に更新して保持している。センサ162の出力がオンとなった後、CPU400は、モータ42の駆動を停止する。次いで、CPU400は、期待値テーブル440のX期待値と位置保存値テーブル444に格納されたX実測値との差分を求める。この差分値は、X補正値として、補正値テーブル446に格納される。CPU400は、モータ42を逆方向に駆動して、センサ162をX実測値Xmの位置に位置付けて、白色部454からの反射があることを確認する。
【0179】
(6)ステップS280〜S292:CPU400は、センサ162を測定開始点Piへ位置付ける。センサ162が測定開始点Piへ位置付けられた後、CPU400は、モータ42及びモータ25の駆動を停止した状態で、ベース27をレールガイド22に沿って移動するために、モータ46のみを駆動する。つまり、センサ162がY測定方向に沿って、測定開始点Piから位置補正用マーク190aの白色部452に向けて移動させられる。
【0180】
そして、CPU400は、センサ162の移動中に、センサ162の検出出力がオンとなる時点を検出する。センサ162が白色部452に到達した時点が検出される。CPU400は、センサ162の検出出力がオンとなった時点で、エンコーダ408の出力をカウントするハードカウンタ412の値を読み取る。このハードカウンタ412の値は、Y実測値(Ym)である。Y実測値Ymは、Y位置保存値として、位置保存値テーブル444に格納される。センサ162の出力がオンとなった後、CPU400は、モータ46の駆動を停止する。
【0181】
次いで、CPU400は、期待値テーブル440のY期待値と位置保存値テーブル444に格納されたY実測値との差分を求める。この差分値は、Y補正値として、補正値テーブル446に格納される。CPU400は、モータ46を逆方向に駆動して、センサ162をY実測値Ymの位置に位置付けて、白色部452からの反射があることを確認する。
【0182】
(7)ステップS296〜S300:CPU400は、ステップS292の処理終了後、相対位置フラグポインタRPFの値が最大値か否かを判定する。つまり、CPU400は、マガジン200vの位置補正用マーク190dに対する位置測定処理が終了したか否かを判定する。
ドラムユニット169のマガジンドラム175に搭載される搭載棚184a〜184dの個数は、4個である。従って、CPU400は、ポインタRPFの値が“N=4”となったか否かを確認する。ポインタRPFの値が最大値で無いならば、ポインタRPFの値に1を加算する。そして、CPU400は、ステップS246に戻り、次の位置補正用マークに対する位置測定動作を実行する。
【0183】
ポインタRPFの値が最大値と一致しているならば、補正値テーブル446に格納されている各位置補正用マーク190a〜190d毎の補正値を、不揮発性メモリ内のX位置・Y位置補正テーブル448に格納する。
CPU400は、位置測定動作を終了し、図69に示されるステップS212の動作コマンド受信待ち状態に戻る。
【0184】
尚、この位置測定動作は、DEEマガジン有するドラムユニットに対して行なったが、図17から図22に示されるDEE扉を有していないドラムユニットに対して行なっても良い。この場合は、ドラムユニット10Aの柱686a又はベース654a上に、位置補正用マーク190aが配置される。
このように、ライブラリ装置2は、アクセッサユニット9とドラムユニット10との間の位置測定動作が実行されるので、各ユニットが相互に結合される際に生じる組立誤差を吸収することができる。それ故、ライブラリ装置2の組立精度が緩くできるので、組立時間を短縮することが可能となる。
【0185】
以上の説明においては、記憶媒体を収納するカートリッジとして、I3480磁気テープカートリッジの例についてのみ説明したが、本発明は、これに限られるものではない。本発明は、他のタイプの磁気テープカートリッジや光ディスクカートリッジを収納するセルを有するライブラリ装置であっても適用することができるものである。
【0186】
更に、本実施例においては、アクセッサがX−Y移動機構であるが、種々の変形が可能である。例えば、アクセッサがY−θ移動機構であっても良い。この場合は、Y−θ移動機構であるアクセッサは、円筒形状のセルドラムの内側に配置される。
【0187】
図73はアクセッサユニット9におけるアクセッサ14と、アクセッサ9に設けられた診断セルユニット370との位置関係を説明する図である。
図73において、アクセッサユニット9のベース51に支持されたXレール20は、レールベース32に支持されたローラ36a,36bにより挟持される。このレールベース32には垂直コラム18が取付けられている。垂直コラム18には前述のようにハンドユニット130が上下動可能に取り付けられている。このハンドユニット130はモータ46を含むユニットによって駆動される。モータ46には、電源がオフ状態の時にモータ46の回転を固定する電磁ブレーキ502が設けられている。モータ46の回転はベルト504を介してプーリ506に伝えられる。プーリ506の回転力は同軸508上に固定されたプーリ510に伝達される。プーリ510の回転力はベルト514を介してハンドユニット130に伝達される。520はアームである。
【0188】
一方、アクセッサユニット9の柱35bには取付台369が突設されており、この取付台369の上に、取付ブラケット368を介して診断セルユニット370が取り付けられている。この診断セルユニット370には、マスターラベル373が貼り付けられるラベル貼付台374、チルト角が0°の第1の診断セル375、チルト角が12°の第2の診断セル377、基準フラグ383を貼り付ける第1の基準フラグ貼付台381、及び基準フラグ384を貼り付ける第2の基準フラグ貼付台382があり、第1と第2の診断セル375,377には、ハンドユニット130に把持された診断カートリッジ380が挿入されるようになっている。
診断セルユニット370と、これに挿入される診断カートリッジ380は、機械的に高い加工精度で作られている。
【0189】
図74は、図73に示される診断セル370の構成を示す斜視図である。尚、この図には取付ブラケット368は図示されていない。
診断セル370は、2枚の側壁371,372に挟まれて上側からラベル貼付台374、第2の診断セル377、第1の診断セル375、第2の基準フラグ貼付台382、及び第1の基準フラグ貼付台381がこの順に設けられている。ラベル貼付台374には、この診断セル370の位置を示すバーコードラベル等のマスターラベル373が貼り付けられる。このラベル貼付台374のマスターラベル373を貼り付ける面は垂直である。
第1の診断セル375と第2の診断セル377とは精度良く加工されており、そのカートリッジの入口部にはそれぞれ段差部376,378が設けられている。また、第1の診断セル375と第2の診断セル377の背面部には挿入されたカートリッジを止めるストッパ385,387がそれぞれ設けられている。第1の基準フラグ貼付台381には基準フラグ383が貼り付けられるようになっており、第2の基準フラグ貼付台382には基準フラグ384が貼り付けられるようになっている。第1の基準フラグ貼付台381の基準フラグ383の貼付面は垂直であり、第2の基準フラグ貼付台382の基準フラグ384の貼付面は垂直方向から12°だけ傾いている。
【0190】
図75は図73に示されたアクセッサユニット9の、診断セル370が取り付けられたZ0壁の面を見た図であり、図76は、診断セル370が取り付けられたZ1壁の面を見た図である。Z0壁側には、診断セル370の上方の部位にも基準フラグ386が設けられている。
【0191】
図77(a) は第1の診断セル375(チルト角0°)と診断カートリッジ380の関係を示す説明図であり、図77(b) は図77(a) のB−B線における断面図である。
これらの図から分かるように、診断セル375は、その診断カートリッジ380の挿入口の下端部分が診断セル375の内部の底面よりも一段高くなっており、ここに段差部376が形成されている。一方、上ハンド146と下ハンド148に把持されて診断セル375に挿入される診断カートリッジ380には、その底面に凸条388が設けられている。
【0192】
診断カートリッジ380は診断セル375の中に挿入された後、上ハンド146と下ハンド148によって所定高さ、例えば、1mmだけ下げられた後に診断セル375の外に引き出される。このとき、診断カートリッジ380の底面の凸条388と段差部376との距離YMEが0より大きく、診断カートリッジ380が段差部376に触れることなく診断セル370の外に引き出された場合は、診断カートリッジ380は再度診断セル375の中に挿入された後、上ハンド146と下ハンド148によって同じ高さ、例えば、1mmだけ下げられた後に診断セル375の外に引き出される。この診断カートリッジ380の下降、引出し動作は診断カートリッジ380の底面の凸条388が段差部376に係止されるまで継続して行われる。
このようにして、診断セル375の中に最初に挿入された診断カートリッジ380の、診断セル375内における高さを測定することができる。診断セル375の中に最初に挿入された診断カートリッジ380の診断セル375の中の高さが測定された後は、診断カートリッジ380は下げられた高さと同じ高さだけ引き上げられ、元の高さに保持される。
【0193】
診断カートリッジ380が診断セル375内で元の状態に戻された後は、今度は診断セル375内で右側に移動させられる。診断カートリッジ380が診断セル375の右側の壁に当接すると、診断カートリッジ380を右側に移動させていたエンコーダの出力が変化するので、このエンコーダの出力変化で診断カートリッジ380の右側への移動距離XMRが測定できる。
診断カートリッジ380の右側への移動距離XMRが測定されると、この移動距離XMRだけカートリッジ380が左側に移動されて元に位置にもどされる。そして、続いて診断カートリッジ380が診断セル375内で左側に移動させられる。診断カートリッジ380が診断セル375の左側の壁に当接すると、診断カートリッジ380を左側に移動させていたエンコーダの出力が変化するので、このエンコーダの出力変化で診断カートリッジ380の左側への移動距離XMLが測定できる。
この診断カートリッジ380の左右への移動距離XMR,XMLにより、診断カートリッジ380が最初に診断セル375内に挿入された時の、水平方向の位置を求めることができる。
【0194】
ハンドユニット130に設けられた光電センサ162が読み取った診断セル385の基準フラグ383のデータにより、ハンドユニット130が診断セル375の真ん前に位置され、診断セル375に診断カートリッジ380が挿入された場合は、診断カートリッジ380は診断セル375内の空間の中央に位置するはずである。一方、前述の測定によって得られた診断カートリッジ380の診断セル375内の高さと診断カートリッジ380の左右への移動距離XMR,XMLの値により、診断セル375内に最初に挿入された時の診断カートリッジ380の位置が、診断セル375内の空間の中央に位置することを示さない場合は、光電センサ162の光軸と診断カートリッジ380を移動させるハンドユニット130のハンドの動作軸との間に誤差があることになる。
従って、この診断セル375と診断カートリッジ380により、チルト角0°における光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差を検出することができる。アクセッサ14は1つであるので、この光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差を検出しておくことにより、この誤差を考慮してアクセッサ14を目的のセルの前に位置付けるようにすれば、カートリッジ588を一層正確に各セル568に挿入することができる。
本発明ではこの光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差の検出が、ライブラリ装置2のZO面とZ1面、及びチルト角0°と12°に対して行われる。この動作が以下のフローチャートにより説明される。
【0195】
図78は、本発明におけるセンサ光軸とハンド動作軸の差を検出するフローチャートである。
(1)ステップS302:Z=0、チルト角=0°がセットされ、まず最初にZ0面のチルト角0°の時の光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差測定の設定が行われる。
(2)ステップS304〜S310:ステップS304でZ0面が選択され、ステップS306でチルト角0°が選択されてステップS308に至り、Z0面のチルト角0°の時の光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差測定が実行される。即ち、ステップS308では、Z0面のチルト角0°の時の診断カートリッジ380の横方向の誤差ΔXEz0t0と、高さ方向の誤差ΔYEz0t0の測定が行われる。続くステップS310ではチルト角が12°に設定され、ステップS304に戻る。
(3)ステップS304〜S314:ステップS304でZ0面が選択され、ステップS306でチルト角12°が選択されてステップS312に至り、Z0面のチルト角12°の時の光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差測定が実行される。即ち、ステップS312では、Z0面のチルト角0°の時の診断カートリッジ380の横方向の誤差ΔXEz0t12と、高さ方向の誤差ΔYEz0t12の測定が行われる。続くステップS314ではZ1面とチルト角0°の設定が行われ、ステップS304に戻る。
(4)ステップ304〜ステップ320:ステップS304でZ1面が選択され、ステップS316でチルト角0°が選択されてステップS318に至り、Z1面のチルト角0°の時の光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差測定が実行される。即ち、ステップS318では、Z1面のチルト角0°の時の診断カートリッジ380の横方向の誤差ΔXEz1t0と、高さ方向の誤差ΔYEz1t0の測定が行われる。ステップS320ではチルト角が12°に設定され、ステップS304に戻る。
(5)ステップS304〜S322:ステップS304でZ1面が選択され、ステップS316でチルト角12°が選択されてステップS322に至り、Z1面のチルト角12°の時の光電センサ162の光軸とハンドの動作軸との間の誤差測定が実行される。即ち、ステップS322では、Z1面のチルト角0°の時の診断カートリッジ380の横方向の誤差ΔXEz1t12と、高さ方向の誤差ΔYEz1t12の測定が行われてこのルーチンが終了する。
【0196】
図79は図78のフローチャートのステップS308、S312、S318、及びS322における、Zi面のチルト角k°(iは0か1、kは0か12)の時の診断カートリッジ380の横方向の誤差ΔXEzitkと、高さ方向の誤差ΔYEzitkの測定の手順を詳細に説明するフローチャートである。
(1)ステップS330:アクセッサ14のハンド部(上ハンド146と下ハンド148)に診断カートリッジ380がセットされる。
(2)ステップS332:アクセッサ14が診断セルユニット370の前に移動され、診断セル(第1の診断セル375或いは第2の診断セル377)の相対フラグ(0°の基準フラグ383或いは12°の基準フラグ384)の位置(XEzitk,YEzitk)が測定される。なお、第2の診断セル377に診断カートリッジ380が挿入される時は、ハンド部は12°下方にチルトされる。
(3)ステップ334〜ステップ338:診断カートリッジ380が診断セル375の中に挿入された後、上ハンド146と下ハンド148によって1mmだけ下げられた後に診断セル375の外に引き出される。このとき、診断カートリッジ380が段差部376に引っ掛からずに診断セル370の外に引き出された場合は、診断カートリッジ380は再度診断セル375の中に挿入された後、上ハンド146と下ハンド148によって1mmだけ下げられた後に診断セル375の外に引き出される。この診断カートリッジ380の下降、引出し動作は診断カートリッジ380の底面の凸条388が段差部376に係止されるまで継続して行われる。
(4)ステップ340〜342:診断セル375の中に最初に挿入された診断カートリッジ380の、診断セル375内における高さYMEが記憶された後、診断カートリッジ380は下げられた高さYMEと同じ高さだけ引き上げられ、元の高さ(診断セルの中心)に戻される。
(5)ステップ344〜346:診断カートリッジ380が診断セル375内で右側に移動させられる。診断カートリッジ380の診断セル375の右側の壁との接触は、診断カートリッジ380を右側に移動させていたエンコーダの出力の変化で検出され、接触位置(移動距離)XMRが記憶される。
(6)ステップ348〜350:診断カートリッジ380は距離XMRだけカートリッジ380が左側に移動された後、更に左側に移動させられる。診断カートリッジ380の診断セル375の左側の壁との接触は、診断カートリッジ380を左側に移動させていたエンコーダの出力の変化で検出され、接触位置(距離XMRだけ戻された後の移動距離)XMLが記憶される。
(7)ステップ352〜354:診断カートリッジ380の左右方向の補正値ΔXEzitkが、フラグから検出された診断カートリッジ380の位置XEzitkから左右への移動距離XMR,XMLの差の半分を減算することによって求められる。移動距離XMR,XMLが等しく、診断カートリッジ380が診断セルの水平方向の中央に位置する場合は、補正値ΔXEzitkは0となる。続いて、診断カートリッジ380の上下方向の補正値ΔYEzitkが、フラグから検出された診断カートリッジ380の診断セルの底面から中心までの距離YEzitkから下方への移動距離YMEを減算することによって求められる。移動距離YMEが診断セルの底面から中心までの距離YEzitkに等しく、診断カートリッジ380が診断セルの垂直方向の中央に位置する場合は、補正値ΔYEzitkは0となる。
(8)ステップ356:演算された補正値ΔXEzitk,ΔYEzitkは不揮発性メモリに格納される。
【0197】
次に、ライブラリ装置2の運用状態において経時変化等でセルの位置がずれ、カートリッジ588が正確にセルに入らなくなった時の補正動作が説明される。図80(a) は図5に示したハンドユニット130がカートリッジ588を把持した状態のモデル図である。カートリッジ588を把持した状態のハンド146は、ハンド146の基部の両側に設けられたばね127により、ハンドユニット130の中央に位置している。図に示される一点鎖線がハンドユニット130の中央を通る線である。ハンドユニット130は、その下面に設けられた直動ベアリング135によってガイドレール133上を、何れか一方のばね127を収縮、他方を伸長させた状態で移動することができる。また、ハンドユニット130の後端部に突設されたフラグ137は、このハンドユニット130の移動により、ハンドユニット130の右方向への移動を検出するセンサRXか、或いは、ハンドユニット130の左方向への移動を検出するセンサLXを遮蔽することになる。
【0198】
図80(b) ,(c) はハンドユニット130が正しくセル568の前に位置付けされた時の、セル568へのカートリッジ588の収納動作を説明するものである。ハンドユニット130が正しくセル568の前に位置付けされた時は、ハンドユニット130の中心線と、セル568の中心線とが一致し、ばね127は伸び縮みせずにカートリッジ588がセル568に挿入される。この時は2つのセンサRX,LXに共に出力はない。なお、568Tはセル568に設けられたテーパ部であり、カートリッジ588がセル568に対してずれた時の挿入ガイドとなるものである。
【0199】
図81(a) ,(b) は図80(a) に示されるハンドユニット30を用いて、セル568にカートリッジ588が収納される際に、セル568に対してカートリッジ588が位置ずれを起こした時の、カートリッジ588のセル568内への収納動作を示すものである。ハンドユニット130が正しくセル568の前に位置付けされなかった時は、ハンドユニット130の中心線との間に位置ずれが発生している。
この時は、ハンドユニット130が前進すると、カートリッジ588はセル568の入口部に設けられたテーパ部568Tに当接し、このテーパ部568Tにガイドされながら、ガイドレール133上を移動しながらセル568内に挿入される。そして、カートリッジ588がセル568内に挿入された状態では、一方のばね127が収縮、他方のばね127が伸長した状態となる。このとき、ハンドユニット130が左側にずれたとすると、フラグ137により左側のセンサLXが遮蔽されるので、ハンドユニット130のずれ量がセンサLXによって検出される。
ハンドユニット130のずれ量は制御部に伝えられ、制御部は前述の補正テーブルをこのずれ量で書き換える。この結果、その後同じセル568にカートリッジ588が挿入される場合には、アクセッサ14は補正テーブル内の書き換えられた補正量によってこのセル568の前に位置付けられるので、図81(c) に示されるように、今度は正確にセル568の前に位置付けされ、ハンドユニット130の中心線と、セル568の中心線とが一致することになる。
【0200】
図82は以上のようなライブラリ装置運用中の補正制御を説明するフローチャートである。
なお、図80(a) 〜図81(c) により説明されたカートリッジ588のセル568への挿入動作時のずれの検出は、ハンドユニット130のハンド146がカートリッジ588の中心を把持している状態でないと検出することができない。また、カートリッジ588を取り出すセルのずれが検出できない。そこで、図82に示されるライブラリ装置運用中の補正制御では、まず、カートリッジ588をセルから取り出す際に、図5(a) ,(b) に示されるハンドアッセンブリ16に設けられたガイド120を使用して、ハンド146の中心線とカートリッジ588の中心線を合わせることにより、カートリッジ588を取り出すセルのずれが検出される。
【0201】
(1)カートリッジ取出側セルのずれの検出(ステップS400〜S416)
ステップS400,S402ではコントローラより受信したカートリッジ取り出しコマンドに応じてアクセッサ14が移動し、カートリッジ588を取り出すセルの前に位置付けされる。このときの移動には前述の補正テーブルにある補正値が使用される。
ステップS404,S406では、ハンドユニット130を前進させてセル内に上ハンド146と下ハンド148を挿入し、カートリッジ588を把持する。そして、ハンドユニット130を後退させてセルからカートリッジ588を取り出し、ガイド120(図5参照)に沿わせてカートリッジ588をハンドアッセンブリ16内に収納する。このとき、ハンドユニット130の移動軸とカートリッジ588を取り出すセルの軸が一致していれば、カートリッジ588はガイド120に接触することなくハンドアッセンブリ16内に収納され、ばね127は収縮も伸長もしない。また、センサRX,LXからの出力もない。
【0202】
一方、ハンドユニット130の移動軸とカートリッジ588を取り出すセルの軸がずれていれば、カートリッジ588はガイド120にガイドされてハンドアッセンブリ16内に収納され、一方のばね127は収縮し、他方は伸長する。また、センサRX,LXのいずれかがオンして出力がある。
ステップS408はセンサRXがオンか否かを判定するものであり、オンの時にはステップS410において、カートリッジ588を取り出したセルの補正テーブル内におけるX補正値が補正されて記憶される。この時の修正はアクセッサ14がセルに対して右側にずれたのであるから、X補正値を左方向に補正するものである。センサRXがオンしていない時にはステップ412に進み、センサLXがオンか否かが判定される。
【0203】
センサLXがオンの時にはステップS414において、カートリッジ588を取り出したセルの補正テーブル内におけるX補正値が修正されて記憶される。この時の修正はアクセッサ14がセルに対して左側にずれたのであるから、X補正値を右方向に補正するものである。
続くステップS416では、上ハンド146と下ハンド148によるカートリッジ588の把持が開放される。カートリッジ588がガイド120内で一旦開放されると、ハンドユニット130はばね127の作用でハンドアッセンブリ16の中央部に移動し、ハンドアッセンブリ16の中心線とハンドユニット130の中心線が一致する。この状態で、上ハンド146と下ハンド148によりカートリッジ588が再度把持されると、カートリッジ588の中心線がハンドユニット130の中心線に一致した状態で、カートリッジ588がハンドユニット130に把持される。
【0204】
(2)カートリッジ収納側セルのずれの検出(ステップS418〜S434)
ステップS418,S420ではコントローラより受信したカートリッジ収納コマンドに応じてアクセッサ14が移動し、カートリッジ588を収納するセルの前に位置付けされる。このときの移動には前述の補正テーブルにある補正値が使用される。
ステップS422では、カートリッジ588を把持しているハンドユニット130を前進させ、セル内にカートリッジ588を収納する。このとき、ハンドユニット130の移動軸とカートリッジ588を収納するセルの軸が一致していれば、カートリッジ588はセルの両側の壁に接触することなくセル内に収納され、ばね127は収縮も伸長もしない。また、センサRX,LXからの出力もない。
【0205】
一方、ハンドユニット130の移動軸とカートリッジ588を収納するセルの軸がずれていれば、カートリッジ588はセル568のテーパ部568Tにガイドされてセル568内に収納され、一方のばね127は収縮し、他方は伸長する。また、センサRX,LXのいずれかがオンして出力がある。
ステップS424はセンサRXがオンか否かを判定するものであり、オンの時にはステップS426において、カートリッジ588を収納したセル568の補正テーブル内におけるX補正値が補正されて記憶される。この時の修正はアクセッサ14がセル568に対して左側にずれたために右側に付勢されたのであるから、X補正値を右方向に補正するものである。センサRXがオンしていない時にはステップ428に進み、センサLXがオンか否かが判定される。
【0206】
センサLXがオンの時にはステップS430において、カートリッジ588を収納したセル568の補正テーブル内におけるX補正値が修正されて記憶される。この時の修正はアクセッサ14がセルに対して右側にずれたのであるから、X補正値を左方向に補正するものである。
続くステップS432では、上ハンド146と下ハンド148によるカートリッジ588の把持が開放され、ハンドユニット130が後退させられてハンドアッセンブリ16内に収納される。ステップS434ではコントローラからの次のコマンドに対する待機が行われる。
【0207】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の形態のライブラリ装置によれば、ライブラリ装置の機械的な精度をそれほど高めなくても、アクセッサの駆動信号と実際の駆動位置の差の補正と、アクセッサの位置を測定する光電センサの光軸とカートリッジをセルに出し入れするハンドの動作軸との誤差を考慮してアクセッサが駆動されるので、常に正確にカートリッジを目的のセルに移送することができるという効果がある。
また、本発明の第2の形態のライブラリ装置によれば、ライブラリ装置を構成するユニットに経時変化によって機械的な誤差が特定のセルに生じても、そのセルへのカートリッジの出し入れ時にその誤差が検出され、アクセッサの駆動信号とそのセルへの実際の駆動位置の差の補正値がこの誤差で更新されるので、ライブラリ装置の運用中においても常に正確にカートリッジを目的のセルに移送することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライブラリ装置の全体構成を示す概略透視図である。
【図2】本発明のライブラリ装置のシステム構成を示す透視図である。
【図3】本発明のライブラリ装置に使用されるアクセッサの側面図である。
【図4】 (a) はアクセッサのX方向移動機構の説明図、(b) ははアクセッサのX方向移動機構を説明する部分平面図である。
【図5】 (a) はアクセッサに搭載されるハンドアセンブリの構成を示す概略斜視図、(b) は(a) のハンドユニット部の平面図、(c) は(b) の側面図である。
【図6】アクセッサユニットの側面図である。
【図7】アクセッサユニットの背面側の構成を示す部分図である。
【図8】基準セルユニットとドライブユニットとの結合方法の説明図である。
【図9】ドライブユニット内のテープドライブユニットのカートリッジマウントセルの説明図である。
【図10】テープドライブユニット内のカートリッジ自動交換機構の説明図である。
【図11】カートリッジ収納体であるマニュアルマウントセルの側面図である。
【図12】カートリッジフィーダの平面図である。
【図13】カートリッジフィーダの側面図である。
【図14】 (a) は通路ユニットの構成を示す平面図、(b) は側面図である。
【図15】通路ユニットの構成を示す斜視図である。
【図16】通路ユニット内の信号ケーブルの配線状態、及びドラムユニットとの配線状態の説明図である。
【図17】ドラムユニットと通路ユニットとの結合状態を示す図である。
【図18】ドラムユニットの構成を示す平面図である。
【図19】ドラムユニットの側断面図である。
【図20】ドラムユニットの上部ユニットと下部ユニットの連結機構を示す部分拡大断面図である。
【図21】図20の連結機構の位相合わせ方法の説明図である。
【図22】図20の連結機構の結合部の説明図である。
【図23】DEE扉を有するドラムユニットの上面図である。
【図24】DEE扉を有するドラムユニットの側断面図である。
【図25】DEE扉を有するドラムユニットに設けられるカートリッジ検出機構の側面図である。
【図26】DEE扉を有するドラムユニットに設けられるカートリッジ検出機構の正面図である。
【図27】カートリッジ検出機構を清掃する機構の説明図である。
【図28】図27に示される清掃機構の一部の斜視図である。
【図29】DEEマガジンを用いるドラムユニットの構成の説明図である。
【図30】マガジンとマガジン搭載棚の構成を示す概略斜視図である。
【図31】 (a) はドラムユニットのマガジン搭載棚にマガジンを搭載する動作を説明するための図、(b) はドラムユニットのマガジン搭載棚にマガジンを搭載した状態を示す図である。
【図32】 (a) はマガジンの詳細構成を示す平面図、(b) は正面図、(c) は背面図の一部である。
【図33】マガジン内に収納される左セルユニットの説明図である。
【図34】マガジン内に収納される中央セルユニットの説明図である。
【図35】マガジン内に収納される右セルユニットの説明図である。
【図36】ライブラリ装置に使用する磁気テープカートリッジの斜視図である。
【図37】図2に示されるライブラリを例にして、ライブラリ装置の組立方法を説明するための説明図である。
【図38】基準セルユニットの設置方法を説明するものであり、(a) は基準セルユニットの底面図、(b) は基準セルユニットの側面図である。
【図39】基準セルユニットに通路ユニットを結合する方法の説明図である。
【図40】 (a) は通路ユニットにアクセッサユニットを結合する方法の説明図、(b) は通路ユニットにドラムユニットを結合する方法の説明図である。
【図41】二つのドラムユニットの連結方法の説明図である。
【図42】トップレールの取り付け方法の説明図である。
【図43】ライブラリ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図44】アクセッサコントローラのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図45】マシンコントローラのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図46】 (a) はアクセッサに設けられるセンサを説明するための説明図、(b) はアクセッサに設けられるセンサ及びセンサフラグを説明する部分拡大図である。
【図47】本発明のライブラリ装置を設置する場合に必要となる設置準備の手順を示すフロチャートである。
【図48】アクセッサの位置補正動作を説明用のフローチャートの一部である。
【図49】アクセッサの位置補正動作を説明用のフローチャートの一部である。
【図50】アクセッサの位置補正動作を説明用のフローチャートの一部である。
【図51】アクセッサの位置補正動作を説明用のフローチャートの一部である。
【図52】アクセッサの位置補正動作を説明する平面図である。
【図53】 (a) はアクセッサの位置補正動作を説明図する平面図、(b) はアクセッサの位置補正動作を説明図する側面図である。
【図54】アクセッサの位置補正動作を説明する側面図である。
【図55】位置補正フラグを説明する斜視図である。
【図56】位置補正フラグを用いた位置測定動作の説明図である。
【図57】X方向センサ感度補正動作のフローチャートの前半部である。
【図58】X方向センサ感度補正動作のフローチャートの後半部である。
【図59】Y方向センサ感度補正動作のフローチャートの前半部である。
【図60】Y方向センサ感度補正動作のフローチャートの後半部である。
【図61】Z方向センサ感度補正動作のフローチャートの前半部である。
【図62】Z方向センサ感度補正動作のフローチャートの後半部である。
【図63】図1に示されるライブラリ装置の各ユニットに割当られた論理的なアドレス配置の説明図である。
【図64】ドラムユニットに対して割当てられるアドレスを示す図である。
【図65】マシンコントローラの制御値を説明する図である。
【図66】DEEマガジンを搭載するドラムユニットの基準セルの座標系を説明するための図である。
【図67】基準セルの実位置中心と標準位置中心との関係を示す図である。
【図68】位置補正用マークと測定開始点との関係を示す図である。
【図69】図69はマシンコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図70】位置補正値の測定動作の処理フローチャートの一部を示す図である。
【図71】位置補正値の測定動作の処理フローチャートの一部を示す図である。
【図72】位置補正値の測定動作の処理フローチャートの一部を示す図である。
【図73】アクセッサと診断セルとの位置関係を説明する図である。
【図74】図73の診断セルの構成を示す斜視図である。
【図75】診断セルが取り付けられたZ0壁の正面図である。
【図76】診断セルが取り付けられたZ1壁の正面図である。
【図77】 (a) は診断セルと診断カートリッジの関係を示す説明図、(b) は(a) のB−B線における断面図である。
【図78】センサ光軸とハンド動作軸の差を検出するフローチャートである。
【図79】図78のフローチャートの一部の手順を詳細に説明するフローチャートである。
【図80】 (a) は図5に示したハンドユニットがカートリッジを把持した状態のモデル図、(b) は(a) のハンドユニットを用いてセルにカートリッジを収納する状態を説明する説明図、(c) はセルにカートリッジが正常に収納された状態を説明する説明図である。
【図81】 (a) は図80(a) に示したハンドユニットを用いてセルにカートリッジを収納する際に、セルに対してカートリッジが位置ずれを起こした状態を説明する説明図、(b) は(a) の状態のハンドユニットにより、カートリッジがセル内に収納される様子を示す説明図、(c) は(b) のハンドユニットのセンサ出力によって補正された補正テーブルを使用して同じセルにカートリッジが収納される場合のセルとカートリッジの関係を説明する説明図である。
【図82】ライブラリ装置運用中の補正制御を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
2…ライブラリ装置
7,9…アクセッサユニット
10…ドラムユニット
11…基準セルユニット
12…ドライブユニット
13…通路ユニット
14…アクセッサ
16…ハンドアッセンブリ
20…Xレール
120…ガイド
121…テーパ部
130…ハンドユニット
133…ガイドレール
135…直動ベアリング
137…フラグ板
RX,LX…センサ
240…左セルラック
242…中央セルラック
244…右セルラック
370…診断セルユニット
373…マスターラベル
375…診断セル(0°)
376,378…段差部
377…診断セル(12°)
380…診断カートリッジ
383,384…基準フラグ
388…凸条
568…セル
568T…テーパ部

Claims (10)

  1. 記憶媒体を収納するカートリッジを格納するための複数個のセルと、複数のユニットを貫通して設けられるガイドレールと、当該ガイドレール上を移動して任意のセルに対して前記カートリッジの出し入れを行うアクセッサとを備えるライブラリ装置において、
    前記アクセッサが格納されるアクセッサユニットの所定の壁面に設けられて前記アクセッサの原点位置を規定する原点位置フラグと、
    前記壁面に対向する壁面に設けられ、前記アクセッサの位置を補正するための位置補正用のフラグと、
    前記カートリッジを把持するために前記アクセッサに搭載されるハンドアッセンブリと、
    前記ハンドアッセンブリに設けられ、前記原点位置フラグと前記位置補正用のフラグの情報を読み取るセンサと、
    前記位置補正用フラグと同じ壁面に設けられ、前記位置補正用のフラグと同じ情報を有するフラグを備えた診断セルと、
    前記原点位置フラグ及び位置補正用のフラグの前記センサによる読み取り信号から、前記アクセッサの駆動信号による駆動位置と、実際の位置との差を演算する位置誤差検出手段と、
    この位置誤差検出手段の演算値を、前記アクセッサの駆動信号の第1の補正値として記憶する第1の位置補正値記憶手段と、
    前記センサの光軸と前記ハンドアッセンブリに設けられたハンドユニットの動作軸との差を演算する光軸−ハンド軸誤差演算手段と、
    この光軸−ハンド軸誤差演算手段の演算値を前記アクセッサの駆動信号の第2の補正値として記憶する第2の位置補正値記憶手段とを設け、
    前記アクセッサの駆動制御部は前記アクセッサに駆動信号を出力する際に、前記第1と第2の位置補正値記憶手段に記憶された補正値でこの駆動信号を補正することを特徴とするライブラリ装置。
  2. 記憶媒体を収納するカートリッジを格納するための複数個のセルと、複数のユニットを貫通して設けられるガイドレールと、当該ガイドレール上を移動して任意のセルに対して前記カートリッジの出し入れを行うアクセッサとを備えるライブラリ装置において、
    前記アクセッサが格納されるアクセッサユニットの所定の壁面に設けられて前記アクセッサの原点位置を規定する原点位置フラグと、
    前記壁面に対向する壁面に設けられ、前記アクセッサの位置を補正するための位置補正用のフラグと、
    前記カートリッジを把持するために前記アクセッサに搭載されるハンドアッセンブリと、
    前記ハンドアッセンブリに設けられ、前記原点位置フラグと前記位置補正用のフラグの情報を読み取るセンサと、
    前記位置補正用フラグと同じ壁面に設けられ、前記位置補正用のフラグと同じ情報を有するフラグを備えた診断セル及びこのセルに出し入れされる診断カートリッジと、
    前記原点位置フラグ及び位置補正用のフラグの前記センサによる読み取り信号から、この光電センサの感度を測定するセンサ感度測定手段と、
    前記原点位置フラグ及び位置補正用のフラグの前記センサによる読み取り信号から、前記アクセッサの駆動信号による駆動位置と、実際の位置との差を演算する位置誤差検出手段と、
    前記診断カートリッジの最初の挿入位置と正規の挿入位置との差の値から前記センサの光軸と前記ハンドアッセンブリに設けられたハンドユニットの動作軸との差を演算する光軸−ハンド軸誤差演算手段と、
    全セルのフラグを前記センサにより読み取り、各セルに対して前記アクセッサを正しく位置付けするための前記駆動信号の補正値を、全セルに対する相対位置テーブルの形で記憶する相対位置テーブル記憶手段とを設け、
    前記アクセッサの駆動制御部はライブラリ装置の運用において前記アクセッサに駆動信号を出力する際に、前記相対位置テーブル記憶手段に記憶された補正値でこの駆動信号を補正することを特徴とするライブラリ装置。
  3. 請求項1または2に記載のライブラリ装置であって、
    前記診断カートリッジが挿入される前記診断セルの入口部に、内部側が低い段差が設けられていると共に、前記診断カートリッジの底面に突条が設けられており、前記診断カートリッジの前記診断セルからの引き出し時に、前記突条が前記段差部に係止されることにより、前記光軸−ハンド軸誤差演算手段が診断カートリッジの最初の挿入位置と正規の挿入位置との差を求めるようにしたライブラリ装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のライブラリ装置であって、
    前記光軸−ハンド軸誤差演算手段が、前記診断カートリッジを挿入位置から左側或いは右側にずらせた時に、この診断カートリッジを移動させるエンコーダの出力の変化によって、前記診断カートリッジの前記診断セルの側壁との接触を検出することを特徴とするライブラリ装置
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のライブラリ装置であって、
    前記診断セルが、前記診断カートリッジをチルト角0°の状態で受け入れる第1の診断セルと、チルト角12°の状態で受け入れる第2の診断セルと、各診断セルの位置補正情報を表示するフラグ、及び、この診断セルの位置情報が書き込まれたマスターラベルとを備えた診断セルユニットとして構成されていることを特徴とするライブラリ装置
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載のライブラリ装置であって、
    前記ハンドアッセンブリには、前記ハンドユニットによって取り込まれた前記カートリッジを、このハンドアッセンブリの中央部に位置させるためのガイドが設けられ、
    前記ハンドユニットにはベースが設けられ、このベース上には、このハンドユニットを前記カートリッジの移動方向に対して直角の左右方向に移動可能にする移動機構と、通常状態でこのハンドユニットを前記ベースの中央部に位置させるばねと、前記ハンドユニットの左右方向への移動を検出する左右ずれ検出センサが設けられていることを特徴とするライブラリ装置
  7. 請求項6に記載のライブラリ装置であって、
    ライブラリ装置の運用時の所定のセルからの前記カートリッジの取り出し時に、前記左右ずれ検出センサからの出力があった場合には、この左右ずれ検出センサからの出力によって、前記第1の位置補正値記憶手段に記憶された補正値、或いは、前記相対位置テーブル中の前記所定のセルのX方向の補正値を補正することを特徴とするライブラリ装置
  8. 請求項7に記載のライブラリ装置であって、
    前記左右ずれ検出センサからの出力があった場合には、前記制御部が、前記ハンドユニットによる前記カートリッジの把持を解除し、前記ハンドユニットが前記ばねの付勢力によって前記ベースの中央部に戻った時点で、再度前記カートリッジを把持させるようにしたことを特徴とするライブラリ装置
  9. 請求項8に記載のライブラリ装置であって、
    ライブラリ装置の運用時の特定のセルへの前記カートリッジの収納時に、前記左右ずれ検出センサからの出力があった場合には、この左右ずれ検出センサからの出力によって、前記第1の位置補正値記憶手段に記憶された補正値、或いは、前記相対位置テーブル中の前記特定のセルのX方向の補正値を補正することを特徴とするライブラリ装置
  10. 請求項9に記載のライブラリ装置であって、
    前記特定のセルの前記カートリッジの挿入口の部分に、前記カートリッジを前記特性のセルの中央部にガイドするためのテーパ部が設けられていることを特徴とするライブラリ装置
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