JP3800843B2 - 変圧制御回路及び変圧制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電源回路が発生する電圧を制御する変圧制御回路及び変圧制御方法に関し、特に、電源回路が発生する電圧を容易、且つ、確実に切り替えるための変圧制御回路及び変圧制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶を用いて表示を行う液晶表示装置の電源回路は、外部から供給される電圧を昇圧し、昇圧した電圧を抵抗により分圧し、液晶表示装置を駆動するための複数の電圧を生成する。液晶表示装置の電源回路を規格化して液晶表示装置の省部品化を図る場合、液晶表示装置毎に駆動電圧が異なるため、電源回路が自己に供給された電圧を昇圧して生成する電圧を切り替え、各液晶表示装置に適した駆動電圧にする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、電源回路が生成する電圧を切り替える場合、ユーザ等は、電源回路に適切な信号を入力し、各液晶表示装置に適した駆動電圧を設定していた。しかし、電源回路への信号の入力の手法が実行に熟練を要するなどの場合があったため、ユーザ等は、電源回路が生成する電圧を切り替える際、誤った信号を電源回路に入力しまう場合があった。
【0004】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、電源回路が発生する電圧の変更を容易、且つ、確実に行う変圧制御回路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる変圧制御回路は、複数の互いに異なる電圧を出力するための、順序づけられた複数の出力端子と、前記複数の出力端子と基準電位との間にそれぞれ接続された複数の電圧保持用コンデンサと、電源電圧を発生する電圧源から供給される電荷を充電する電荷運搬用コンデンサと、電荷が充電された前記電荷運搬用コンデンサを前記電圧保持用コンデンサに順次直列に接続し、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサの直列接続回路の両端の電圧を、該電圧保持用コンデンサが接続されている出力端子の直近の上位の出力端子に接続された前記電圧保持用コンデンサに充電するように、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサとの接続を切り換える制御手段と、を備える電源回路の出力電圧を切り換えるための変圧制御回路であって、
前記電荷運搬用コンデンサと前記制御手段とを有し、互いに異なる電圧を出力する複数の出力端子と、前記基準電位の出力端子と、前記電源電圧の出力端子とを備えた集積回路と、
前記集積回路の基準電位の出力端と前記複数の電圧の出力端子との間それぞれに接続された複数の前記電圧保持用コンデンサと、前記電源電圧の出力端子と前記複数の出力電圧の出力端子のうちのいずれか1つとを選択的に接続する手段とを形成した前記集積回路の周辺回路を備え、前記電源電圧の出力端子が接続される前記出力電圧の出力端子を選択することにより前記出力電圧を変更可能としたことを特徴とする。
【0006】
このような変圧制御回路によれば、前記電源電圧を前記複数の出力端子のうちのいずれか1つと選択的に接続することにより、電源回路が発生する電圧が変更される。このため、電源回路が発生する電圧の変更を信号の入力により行う場合と比較して、容易、且つ、正確に当該電圧の変更ができる。
【0010】
前記電荷搬送用コンデンサの各端は、例えば、電気的に断続可能な電流路を介して前記出力端子に接続されており、
この場合、前記制御手段は、前記電流路を断続することによって前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサとの接続を切り換える手段を備えるものであればよい。
【0011】
前記周辺回路は、前記基準電位の出力端子と、前記電源電圧の出力端子との間に接続されたコンデンサを備えるものであってもよい。
【0012】
前記集積回路は、前記基準電位の出力端子と前記電源電圧の出力端子とが出力する電位に応じて順に配列され、前記電源電圧の出力端子が前記複数の電源電圧の出力端子の間に配置されるのが好適である。
【0013】
また、本発明の第2の観点にかかる変圧制御方法は、電源電圧を発生する電圧源から供給された電荷が充電された電荷運搬用コンデンサを、複数の互いに異なる電圧を出力するための順序づけられた複数の出力端子と基準電位との間にそれぞれ接続された複数の電圧保持用コンデンサに順次直列に接続し、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサの直列接続回路の両端の電圧を、該電圧保持用コンデンサが接続されている出力端子の直近の上位の出力端子に接続された前記電圧保持用コンデンサに充電するように、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサとの接続を切り換えることにより、前記複数の出力端子に異なる電圧を出力する電源回路の変圧制御方法であって、
前記電荷運搬用コンデンサと、前記電荷運搬用コンデンサの前記電圧保持用コンデンサへの接続を切り換える制御手段と、互いに異なる電圧を出力する複数の出力端子と、前記基準電位の出力端子と、前記電源電圧の出力端子とを集積回路に一体的に形成し、
前記集積回路の周辺回路において、前記集積回路に形成された前記電源電圧の出力端子と前記複数の出力電圧の出力端子のうちのいずれか1つとを選択的に接続することにより、異なる電圧を出力する前記複数の出力端子に出力される電圧を変更可能としたことを特徴とする。
【0014】
このような変圧制御方法によれば、電源電圧の出力端子と前記複数の出力電圧の出力端子のうちのいずれか1つとを選択的に接続することにより、電源回路が発生する電圧が変更される。このため、発生させるべき電圧の変更を信号の入力により行う場合と比較して、容易、且つ、正確に当該電圧の変更ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る変圧制御回路を、4つの値をとる駆動電圧により駆動される液晶表示装置を例として、図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態に係る液晶表示装置は、図1に示すように、液晶表示素子10と、駆動回路20と、から構成される。
【0016】
液晶表示素子10は、図1に模式的に示すように、複数の信号電極(セグメント電極)11と、信号電極11に直交して配置された複数の走査電極(コモンライン)13と、信号電極11と走査電極13との間に配置された液晶層15と、を備える。液晶表示素子10は、信号電極11及び走査電極13の交点を画素として、信号電極11及び走査電極13の両者間に印加される電圧に従った表示を行う。
【0017】
駆動回路20は、液晶表示素子10を制御及び駆動するための回路である。
駆動回路20は、図1に模式的に示すように、電源回路21と、信号駆動回路23と、走査駆動回路25と、タイミング回路27と、より構成される。
【0018】
電源回路21は、外部から自己に供給される電源電圧VDDを昇圧し、後述する駆動電圧V1、V2、V3及びV4を生成し、生成したこれらの電圧を出力する。
電源回路21は、図2に示すように、スイッチ制御回路211と、スイッチSW1〜SW8と、電荷運搬用コンデンサCCと、電圧保持用コンデンサC1〜C4と、ボルテージフォロワ回路213と、充電コンデンサC0とから構成される。
【0019】
スイッチ制御回路211、スイッチSW1〜SW8、電荷運搬用コンデンサCC及びボルテージフォロワ回路213は、LSI(Large Scale Integrated circuit)に集積されている。このLSIは、出力端子T0〜T4及びTSSを備え、出力端子T0から後述する電圧VREを供給し、出力端子T1から駆動電圧V1を供給し、出力端子T2から駆動電圧V2を供給し、出力端子T3から駆動電圧V3を供給し、出力端子T4から駆動電圧V4を供給する。なお、出力端子T0〜T4及びTSSは、出力端子T0、TSS、T1、T2、T3及びT4の順に直線上に並ぶように配置されている。
【0020】
スイッチ制御回路211は、自己に供給されるクロック信号CKに従い、後述の通り予め定められた順序で、スイッチSW1〜SW8が有する電流路の開閉を制御する。
【0021】
スイッチSW1〜SW8は、スイッチ制御回路211の制御に従って、各自の電流路を開閉する。スイッチSW1、SW3、SW5及びSW7の各々の電流路の一端は、電荷運搬用コンデンサCCの一端に接続されている。電荷運搬用コンデンサCCの他端は、スイッチSW2、SW4、SW6及びSW8の各々の電流路の一端に接続されている。
【0022】
スイッチSW1の電流路の他端は、出力端子TSSを形成している。スイッチSW2及びSW3の電流路の他端同士は互いに接続され、LSIの出力端子T1を形成している。スイッチSW4及びSW5の電流路の他端同士は互いに接続され、LSIの出力端子T2を形成している。スイッチSW6及びSW7の電流路の他端同士は互いに接続され、LSIの出力端子T3を形成している。スイッチSW8の電流路の他端は、LSIの出力端子T4を形成している。
【0023】
電圧保持用コンデンサC1〜C4の各々の一端は接地されている。電圧保持用コンデンサC1の他端はLSIの出力端子T1に接続されている。電圧保持用コンデンサC2の他端はLSIの出力端子T2に接続されている。電圧保持用コンデンサC3の他端はLSIの出力端子T3に接続されている。電圧保持用コンデンサC4の他端はLSIの出力端子T4に接続されている。なお、LSIの出力端子TSSは接地されている。
【0024】
ボルテージフォロワ回路213は、入力端及び出力端子を備え、外部から自己の入力端に供給される電源電圧VDDにほぼ等しい電圧VREを、自己の出力端子から出力する。
充電コンデンサC0の一端は接地され、他端はボルテージフォロワ回路213の出力端子に接続されている。従って、充電コンデンサC0は、ボルテージフォロワ回路213の出力電圧VREで充電される。
【0025】
図2の電源回路21は、例えば図3に示すように、自己のLSIの出力端子T0が出力端子T1に接続されたとき、後述する動作により、電圧VREの1倍、2倍、3倍及び4倍の電圧を発生して、自己のLSIの出力端子T1、T2、T3及びT4から出力する。
【0026】
また、図2の電源回路21は、図4に示すように、自己のLSIの出力端子T0が出力端子T2に接続されたとき、後述する動作により、電圧VREの1/2倍、1倍、3/2倍及び2倍の電圧を発生して、自己のLSIの出力端子T1、T2、T3及びT4から出力する。
【0027】
信号駆動回路23は、外部から自己に供給された画像信号に従って、電源回路21のLSIの出力端子T1〜T4から供給される駆動電圧V1〜V4のうち、画像信号により決定される駆動電圧を選択し、各信号電極11に印加する。
【0028】
走査駆動回路25は、タイミング回路27から供給されるタイミング信号に従い、電源回路21から供給される駆動電圧V1〜V4のうちいずれかを選択して、所定の波形を有する選択信号及び非選択信号を生成する。そして、選択状態にある走査電極13には選択信号を印加して、非選択状態にある走査電極13には非選択信号を印加する。
【0029】
タイミング回路27は、駆動回路20の各部が後述する動作を行うように、駆動回路20の動作タイミングを制御する。具体的には、例えば、図2の電源回路21のスイッチSW1〜SW8が後述する動作に従って開閉制御されるようにするため、上述のクロック信号CKを、当該電源回路21のスイッチ制御回路211に供給する。
【0030】
次に、この液晶表示装置の動作を説明する。
まず、液晶表示素子10が、電源回路21に供給される電源電圧VDDの大きさの1倍、2倍、3倍、4倍の大きさの電圧で駆動されるものである場合の、この液晶表示装置の動作について説明する。
【0031】
この場合、ユーザ等は、図3に示すように、電源回路21のLSIの出力端子T0を出力端子T1に接続する。
出力端子T0及びT1が互いに接続された状態で、駆動回路20に電源電圧VDDが供給されると、図3の電源回路21のボルテージフォロワ回路213は、供給された電圧VDDを1倍に増幅し、接地されている出力端子TSSの電位(基準電位VSS)を基準として電圧VREを出力する。
これにより、電圧VREが充電コンデンサC0及び電圧保持用コンデンサC1の各々の両端間に印加され、コンデンサC0及びC1が充電される結果、コンデンサC0及びC1の両端間の電圧はほぼ電圧VREとなる。
【0032】
スイッチ制御回路211は、タイミング回路27から供給されるクロック信号に従って、図5に示すように、まず、スイッチSW1とSW2をオンする。すると、電荷運搬用コンデンサCCがコンデンサC0及びC1に並列に接続される。そして電荷運搬用コンデンサCCが充電され、電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧はほぼVREとなる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T1の電圧はほぼVREとなる。
【0033】
次に、スイッチ制御回路211は、図5に示すように、スイッチSW1とSW2をオフし、スイッチSW3とSW4をオンする。これにより、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC1とからなる直列回路に、電圧保持用コンデンサC2が並列に接続される。
【0034】
従って、電圧保持用コンデンサC2は、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC1とからなる直列回路によって充電される。電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧及び電圧保持用コンデンサC1の両端間の電圧は、各々VREであるので、これら両者の直列回路の両端間の電圧(すなわち、電圧保持用コンデンサC2の両端間の電圧)は、ほぼ(2・VRE)となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T2の電圧はほぼ(2・VRE)となる。
【0035】
次に、スイッチ制御回路211は、図5に示すように、スイッチSW3とSW4をオフし、スイッチSW5とSW6をオンする。これにより、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC2の直列回路に、電圧保持用コンデンサC3が並列に接続される。
【0036】
従って、電圧保持用コンデンサC3は、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC2とからなる直列回路によって充電される。電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧はVREであり、電圧保持用コンデンサC2の両端間の電圧は(2・VRE)であるので、これら両者の直列回路の両端間の電圧(すなわち、電圧保持用コンデンサC3の両端間の電圧)は、ほぼ(3・VRE)となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T3の電圧はほぼ(3・VRE)となる。
【0037】
次に、スイッチ制御回路211は、図5に示すように、スイッチSW5とSW6をオフし、スイッチSW7とSW8をオンする。これにより、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC3の直列回路に、電圧保持用コンデンサC4が並列に接続される。
【0038】
従って電圧保持用コンデンサC4は、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC3とからなる直列回路によって充電される。電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧はVREであり、電圧保持用コンデンサC3の両端間の電圧は(3・VRE)であるので、これら両者の直列回路の両端間の電圧(すなわち、電圧保持用コンデンサC4の両端間の電圧)は、ほぼ(4・VRE)となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T4の電圧はほぼ(4・VRE)となる。
【0039】
以上述べた動作を行うことにより、充電コンデンサC0、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC1が充電され、次いで、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC1に蓄積された電荷が電圧保持用コンデンサC2に分配される。そして更に、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC2に蓄積された電荷が電圧保持用コンデンサC3に分配され、次いで、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC3に蓄積された電荷が電圧保持用コンデンサC4に分配される。
【0040】
これにより、電圧保持用コンデンサC1〜C4に電荷が蓄積され、電圧VREが約1倍、2倍、3倍、4倍に昇圧されたものにあたる電圧V1、V2、V3及びV4が、電源回路21のLSIの出力端子T1、T2、T3及びT4に発生する。
【0041】
信号駆動回路23は、電源回路21のLSIの出力端子T1〜T4から駆動電圧V1〜V4を供給され、外部から画像信号の供給を受ける。そして、自己に供給された当該画像信号に従って駆動電圧V1〜V4の何れかを選択し、選択した駆動電圧を各信号電極11に印加する。
【0042】
また、走査駆動回路25は、タイミング回路27から供給されるタイミング信号に応答して、駆動電圧V1〜V4のうちいずれかを選択する。そして、選択信号を生成して選択状態の走査電極13に印加し、非選択信号を生成して非選択状態の走査電極13に印加する。
【0043】
このようにして、駆動回路20は、電源回路21のLSIの出力端子T0及びT1が互いに接続されているとき、電圧VREを1倍、2倍、3倍及び4倍に昇圧する1〜4倍昇圧回路として動作する。
ユーザ等は、出力端子T0と出力端子T1との接続を外付け回路において行うことにより、容易、且つ、正確に、電源回路21が発生する駆動電圧を変更することができる。
【0044】
次に、液晶表示素子10が、電源回路21に供給される電源電圧VDDの大きさの1/2倍、1倍、3/2倍、2倍の大きさの電圧で駆動されるものである場合の、この液晶表示装置の動作について説明する。
【0045】
この場合、ユーザ等は、図4に示すように、電源回路21のLSIの出力端子T0を出力端子T2に接続する。
出力端子T0及びT2が互いに接続された状態で、駆動回路20に電源電圧VDDが供給されると、電源回路21のボルテージフォロワ回路213は、上述の1〜4倍昇圧回路の動作における場合と同様、供給された電圧VDDを1倍に増幅して電圧VREを出力する。
【0046】
これにより、電圧VREが充電コンデンサC0及び電圧保持用コンデンサC2の各々の両端間に印加され、この結果、コンデンサC0及びC2の両端間の電圧はほぼ電圧VREとなる。従って、基準電位VSSに対する出力端子T2の電圧はほぼVREとなる。
【0047】
スイッチ制御回路211は、タイミング回路27から供給されるクロック信号に従って、まず、スイッチSW3とSW4をオンする。すると、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC1とからなる直列回路に、電圧保持用コンデンサC2が並列に接続される。
【0048】
これにより、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC1には、充電コンデンサC0及び電圧保持用コンデンサC2から供給される電荷が、互いに実質的に等量蓄積される。
【0049】
この結果、電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧及び電圧保持用コンデンサC1の両端間の電圧は、例えば、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC1の静電容量とが実質的に等しいとすると、いずれも、ほぼ{(1/2)・VRE}となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T1の電圧はほぼ{(1/2)・VRE}となる。
【0050】
次に、スイッチ制御回路211は、スイッチSW3とSW4をオフし、スイッチSW5とSW6をオンする。これにより、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC2の直列回路に、電圧保持用コンデンサC3が並列に接続される。
【0051】
従って電圧保持用コンデンサC3は、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC2とからなる直列回路によって充電される。電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧は{(1/2)・VRE}であり、電圧保持用コンデンサC2の両端間の電圧はVREであるので、これら両者の直列回路に並列に接続された電圧保持用コンデンサC3の両端間の電圧は、ほぼ{(3/2)・VRE}となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T3の電圧はほぼ{(3/2)・VRE}となる。
【0052】
次に、スイッチ制御回路211は、スイッチSW5とSW6をオフし、スイッチSW7とSW8をオンする。これにより、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC3の直列回路に、電圧保持用コンデンサC4が並列に接続される。
【0053】
従って電圧保持用コンデンサC4は、電荷運搬用コンデンサCCと電圧保持用コンデンサC3とからなる直列回路によって充電される。電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧は{(1/2)・VRE}であり、電圧保持用コンデンサC2の両端間の電圧は{(3/2)・VRE}であるので、これら両者の直列回路に並列に接続された電圧保持用コンデンサC3の両端間の電圧は、ほぼ(2・VRE)となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T4の電圧はほぼ(2・VRE)となる。
【0054】
次に、スイッチ制御回路211は、スイッチSW7とSW8をオフし、スイッチSW1とSW2をオンする。これにより、電荷運搬用コンデンサCCに、電圧保持用コンデンサC1が並列に接続される。
【0055】
従って、電圧保持用コンデンサC1は、電荷運搬用コンデンサCCにより充電される。電荷運搬用コンデンサCCの両端間の電圧は{(1/2)・VRE}であるので、電荷運搬用コンデンサCCに並列に接続された電圧保持用コンデンサC1の両端間の電圧は、ほぼ{(1/2)・VRE}となる。この結果、基準電位VSSに対する出力端子T1の電圧はほぼ{(1/2)・VRE}となる。
【0056】
以上述べた動作を行うことにより、充電コンデンサC0及び電圧保持用コンデンサC2が充電され、次いで、充電コンデンサC0及び電圧保持用コンデンサC2に蓄積された電荷が電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC1に分配される。そして更に、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC2に蓄積された電荷が電圧保持用コンデンサC3に分配され、次いで、電荷運搬用コンデンサCC及び電圧保持用コンデンサC3に蓄積された電荷が電圧保持用コンデンサC4に分配される。
【0057】
これにより、電圧保持用コンデンサC1〜C4に電荷が蓄積され、電圧VREが約1/2倍、1倍、3/2倍、2倍に昇圧されたものにあたる電圧V1、V2、V3及びV4が、電源回路21のLSIの出力端子T1、T2、T3及びT4に発生する。
【0058】
信号駆動回路23、走査駆動回路25及びタイミング回路27の動作は、上述の1〜4倍昇圧回路における動作と実質的に同一である。
【0059】
このようにして、駆動回路20は、電源回路21のLSIの出力端子T0及びT2が互いに接続されているとき、電圧VREを1/2倍、1倍、3/2倍及び2倍に昇圧する1/2〜2倍昇圧回路として動作する。
ユーザ等は、出力端子T0と出力端子T2との接続を外付け回路において行うことにより、容易、且つ、正確に、電源回路21が発生する駆動電圧を変更することができる。
【0060】
上述したように、本発明の変圧制御回路によれば、電源回路21のLSIの端子T0が端子T1〜T4の何れか一つに接続されることにより、供給された電圧を昇圧して得られる駆動電圧を変更する。このため、ユーザ等による信号の入力により駆動電圧を変更する従来の電源回路と比較して、ユーザ等の信号の入力ミスにより発生する不具合を防止することができる。また、LSIの外側に配置された出力端子間の接続を変更するのみで駆動電圧を変更することができるため、駆動電圧の変更を容易、且つ、確実に行うことができる。
【0061】
なお、この液晶表示装置の構成は上述のものに限られない。
例えば、上記説明では、4つの電圧保持用コンデンサC1〜C4を設けて駆動電圧V1〜V4を生成したが、電圧保持用コンデンサをさらに設けて、5種類以上の駆動電圧を生成してもよい。このようにすれば、さらに多くの駆動電圧を生成することができる。また、LSIが電荷運搬用コンデンサCCを複数備えるようにし、駆動電圧の組み合わせを複数生成してもよい。
また、この液晶表示装置の電源回路21は、液晶表示素子10を駆動するための駆動電圧に限らず、任意の目的で用いられる複数の電圧の組み合わせを生成してよい。
【0062】
また、各出力端子が、出力端子T0、TSS、T1、T2、T3及びT4の順に直線上に並べて配置されている場合、ユーザ等が電源回路21のLSIの出力端子T0を出力端子T1〜T4に接続する際に端子間の配線が交差してしまうため、端子間の接続が困難であった。
しかし、出力端子T0が、出力端子T0と接続される対象の出力端子T1〜T4により挟み込まれるようにLSIの各出力端子を配置すれば、ユーザ等は、LSI外部での出力端子T0の出力端子T1〜T4への接続を容易、且つ確実に行うことができる。
【0063】
例えば、電源回路21を1〜4倍昇圧回路、又は、1/2〜2倍昇圧回路として使用する場合、図6に示すように、出力端子T0を出力端子T1及び出力端子T2の間に配置する。ユーザ等は、1〜4倍昇圧回路として使用する場合、出力端子T0を出力端子T1に破線L1のように接続する。一方、1/2〜2倍昇圧回路として使用する場合、出力端子T0を出力端子T2に破線L2のように接続する。
【0064】
このように出力端子T0〜T4を配置した場合、図3及び図4に示す端子間の配線の交差が発生しないため、ユーザ等は、出力端子T0−出力端子T1間の接続や、出力端子T0−出力端子T2間の接続を、さらに容易且つ確実に行うことができる。
【0065】
なお、図6に示すように、出力端子T0を出力端子T1〜T4間に挟み込む形で配置する場合、図1の液晶表示素子10の信号電極11、走査電極13を形成している透明導電膜(ITO)で直接出力端子T0と出力端子T1〜T4とを接続してもよい。この構成によれば、ユーザ等は、出力端子T0と出力端子T1〜T4の接続をさらに容易、且つ、確実に行うことができる。また、出力端子T0と出力端子T1〜T4とを接続した後に、互いに接続されたもの以外の出力端子が誤って接触する等の事故の危険も防止される。
【0066】
また、電源回路21のLSI上の出力端子T0と出力端子T1〜T4は、出力端子T0を出力端子T1〜T4のうち一つに実質的に最短距離で接続する導線が、出力端子T1〜T4のうち出力端子T0に接続されていないものと接触することのないように配置されていてもよい。具体的には、例えば、出力端子T0〜T4が図7に示すように千鳥状に配置されていればよい。
【0067】
出力端子T0〜T4が図7に示すように配置されている場合、透明導電膜(ITO)で、出力端子T1〜T4のうち任意の1つを、他の3つに触れることなく実質的に最短距離で出力端子T0に接続することができる。このため、電源回路21が発生する駆動電圧の4種類の組み合わせの切替を容易に行うことができる。
【0068】
また、駆動電圧の組み合わせを4種類以上に設定する場合も、出力端子を図7に示す配置と同様に千鳥状に配置する等して、各出力端子が、出力端子T0と他の任意の出力端子とを実質的に最短距離で接続する導線が、出力端子T0に接続されていない出力端子と接触することのないように配置すれば、駆動電圧の組み合わせの切替を容易に行うことができる。また、出力端子T0と他の出力端子とを接続した後に、互いに接続されたもの以外の出力端子が誤って接触する等の事故の危険も防止される。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の変圧制御回路は、前記電源電圧の出力端子を前記複数の出力電圧の出力端子のうちのいずれか1つに選択的に接続することにより、電源回路が発生する電圧を変更させるこができる。このため、電源回路が発生する電圧の変更を信号の入力により行う場合と比較して、容易、且つ、正確に当該電圧の変更ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る液晶表示装置の構成の模式図である。
【図2】図1の電源回路の構成を模式的に示す図である。
【図3】図1の電源回路の端子間の配線の例である。
【図4】図1の電源回路の端子間の配線の例である。
【図5】図1の液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図1の電源回路の変形例である。
【図7】図1の電源回路のLSIの変形例である。
【符号の説明】
10・・・液晶表示素子、11・・・信号電極、13・・・走査電極、15・・・液晶層、20・・・駆動回路、21・・・電源回路、23・・・信号駆動回路、25・・・走査駆動回路、27・・・タイミング回路、211・・・スイッチ制御回路、213・・・ボルテージフォロワ回路、CC・・・電荷運搬用コンデンサ、C0・・・充電コンデンサ、C1〜C4・・・電圧保持用コンデンサ
Claims (5)
- 複数の互いに異なる電圧を出力するための、順序づけられた複数の出力端子と、前記複数の出力端子と基準電位との間にそれぞれ接続された複数の電圧保持用コンデンサと、電源電圧を発生する電圧源から供給される電荷を充電する電荷運搬用コンデンサと、電荷が充電された前記電荷運搬用コンデンサを前記電圧保持用コンデンサに順次直列に接続し、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサの直列接続回路の両端の電圧を、該電圧保持用コンデンサが接続されている出力端子の直近の上位の出力端子に接続された前記電圧保持用コンデンサに充電するように、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサとの接続を切り換える制御手段と、を備える電源回路の出力電圧を切り換えるための変圧制御回路であって、
前記電荷運搬用コンデンサと前記制御手段とを有し、互いに異なる電圧を出力する複数の出力端子と、前記基準電位の出力端子と、前記電源電圧の出力端子とを備えた集積回路と、
前記集積回路の基準電位の出力端と前記複数の電圧の出力端子との間それぞれに接続された複数の前記電圧保持用コンデンサと、前記電源電圧の出力端子と前記複数の出力電圧の出力端子のうちのいずれか1つとを選択的に接続する手段とを形成した前記集積回路の周辺回路を備え、前記電源電圧の出力端子が接続される前記出力電圧の出力端子を選択することにより前記出力電圧を変更可能としたことを特徴とする変圧制御回路。 - 前記電荷搬送用コンデンサの各端は、電気的に断続可能な電流路を介して前記出力端子に接続されており、
前記制御手段は、前記電流路を断続することによって前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサとの接続を切り換える手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧制御回路。 - 前記周辺回路は、前記基準電位の出力端子と、前記電源電圧の出力端子との間に接続されたコンデンサを備えていることを特徴とする請求項1に記載の変圧制御回路。
- 前記集積回路は、前記基準電位の出力端子と前記電源電圧の出力端子とが出力する電位に応じて順に配列され、前記電源電圧の出力端子が前記複数の電源電圧の出力端子の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の変圧制御回路。
- 電源電圧を発生する電圧源から供給された電荷が充電された電荷運搬用コンデンサを、複数の互いに異なる電圧を出力するための順序づけられた複数の出力端子と基準電位との間にそれぞれ接続された複数の電圧保持用コンデンサに順次直列に接続し、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサの直列接続回路の両端の電圧を、該電圧保持用コンデンサが接続されている出力端子の直近の上位の出力端子に接続された前記電圧保持用コンデンサに充電するように、前記電荷運搬用コンデンサと前記電圧保持用コンデンサとの接続を切り換えることにより、前記複数の出力端子に異なる電圧を出力する電源回路の変圧制御方法であって、
前記電荷運搬用コンデンサと、前記電荷運搬用コンデンサの前記電圧保持用コンデンサへの接続を切り換える制御手段と、互いに異なる電圧を出力する複数の出力端子と、前記基準電位の出力端子と、前記電源電圧の出力端子とを集積回路に一体的に形成し、
前記集積回路の周辺回路において、前記集積回路に形成された前記電源電圧の出力端子と前記複数の出力電圧の出力端子のうちのいずれか1つとを選択的に接続することにより、異なる電圧を出力する前記複数の出力端子に出力される電圧を変更可能としたことを特徴とする変圧制御方法。
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