JP3800547B2 - 知識活用装置とそれに用いられる状態空間ナビゲータ、およびそれを用いたビジネスモデル - Google Patents

知識活用装置とそれに用いられる状態空間ナビゲータ、およびそれを用いたビジネスモデル Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、対象(装置、人間、自然環境など)に関する知識データを高度に集積した知識ベースを用い、インターネット等の情報ネットワークを介して対象の監視、診断、情報提示、制御、サービス手配、認証などを始めとする各種のサービスを提供することのできる知識ベース活用方法、その知識ベース活用方法の実行に用いられる知識活用装置、この知識活用装置とユーザシステムからなる知識活用システム、知識活用システムを用いたビジネスモデルに関する。すなわち本発明によれば、知識情報提供者から収集した経験情報や、システム管理者が自ら開発した知識情報をデータベース化し、ユーザがそのデータベース化した既存の知識情報を再利用して、自分のシステムを効率よく作り上げることが可能となる。さらに本発明はユーザシステムを安く早く立ち上げることを可能とするためのソフト、ハードに関するサービスを提供したり、あるいはユーザから入力された要求を満足するシステムを自動構成するサービスを提供する知識活用システムに関する。また本発明は、上記の他にネットワークに接続された者の間での情報の取引きを仲介したり、あるいは本知識活用装置にアプリソフトや知識データを登録した外部の情報提供者が、それらの登録ソフトやデータを利用するユーザから使用料を獲得できる知識活用システムに関する。
背景技術
近年の急速な情報ネットワークの発達に伴い、多くの送信機能を持った端末が、情報ネットワーク経由で情報を集中あるいは仲介するサーバを介して相互に接続されている。例えば各家庭とセキュリティーセンターをオンラインで接続したホームセキュリティーシステムでは、センサー情報を基に防犯のための単純な監視サービスから、さらに高度なサービスである制御サービスが行われている。しかしながら従来の制御サービスでは、センサー情報が一定の状態にはいった時に、サーバ内で過去のデータを基にどのようなアクションが取られるべきかが必ずしも的確には判断されていない。例えばどのセンサーとどのセンサーから対象検知信号がサーバに送られれば、サーバから警備会社へどの時点で出動要請するのか、又は警備会社ではなく警察への通報が行われるか等の過去の膨大なデータをセキュリティーセンターのサーバ内に蓄積して、これらの知識に基づいて的確に判断されてはいない。さらに過去のデータを実際の状況で再使用する場合、過去データは一定の制限条件の下でのみ有効であり、実際の状況とは必ずしも一致せず、従って十分に有効に活用することが難しい。例えば上記の各家庭に設置したセンサーからの信号は、センサーの型式や取り付け方法の影響を受けている。従って過去のデータを有効にかつ正確に活用するには、これらの個別状況の影響要素を含まないセンサー情報が必要となる。現在これらの個別状況の影響要素を有効に排除したデータの蓄積方法とそのデータを活用する情報処理システムは見られない。
さらに上述のホームセキュリティーシステムの例では、センサーの設置方法がバラバラであり、従って異なる状況下でのセンサー情報を基にした過去のデータをそのまま活用するのは困難であり、また活用してもその精度に疑問が残る。現状のシステムでは、特定のスキルを持つ係員がセンサーの初期接続試験を行う必要があり、簡便なシステムの立ち上げが困難である。
日本国特開平11−327639では、ロボットやナビゲーションシステム等の設計時点で設定、考慮されない状態を含めた二つの任意の状態間を、データ内に予め設定された条件を満たしつつ、新規に発生した障害を避けて最適ルートを選択するシステムを開示する。このシステムでは障害の監視部を設けて、常に新たな障害を検知して、既存のデータにその新たな障害を考慮に絶えず入力し、その時点での最新の制約条件をもとに最適な移動経路を求めて、次に移動する位置を修正しながらロボットの動きを求めている。しかしながらこのシステムでは、障害物の監視をするセンサーの種類や設置条件がそのシステム毎に異なり、従ってセンサーの出力値を標準化して過去のデータを再活用する思想は見られず、従って過去のデータの効率的な再利用が行われていない。
上記の最適化問題については、日本国特開2000−222377で、コスト関数の局所的な形に依らずに、その最適値を効率的に探索する手段が開示されている。すなわちコスト関数や座標値の実現度数を計算し、候補選択部は、それらの度数に基づいて最適状態の候補を選択する。しかしながらこの発明では、現在状態を、座標空間内で評価値が最良なものになるように座標空間を探索する方法について記載しているだけで、指定された目標状態に現在状態から到達する方法に関する技術を記載するものではない。
日本国特開平10−307979では、電話回線を利用して警備装置から警備センターに通報する警備システムにおいて、警備領域外から電話番号の設定変更が行われるシステムを開示されている。また日本国特開2000−207318では、サービス会社側にメンテナンスを行う上で必要以上の情報が伝達されないように、サービス側でサービス会社側に送るデータを任意に制限できるようなシステムを開示する。日本国特開平11−178076では、情報通信ネットワーク及び監視制御ネットワークのサービス提供及び運用保守管理を電力配線とともに情報配線レベルで統合して、設計施工運用保守管理を効率化でき、ユーザがダイナミックにカスタマイズ可能な情報配線システムを開示している。
しかしながらこれらのシステムでは、いずれも過去のデータを活用するという手法はとられておらず、システムの構築はあくまでも都度設計的な思想で行われている。従ってシステムの立ち上げに時間がかかり、また折角の優れた過去の経験データが有効に再利用されるシステムにはなっていない。
さらに日本国特開平11−252670では、インターネットを使用した遠隔監視システムおよびセンサー端末装置を開示して、ここでは工場に設置されたセンサー端末装置の各センサーが所定の条件を満たしたときに一定の処理を行うシステムを開示する。しかしながらこれらのセンサー出力は、センサー個々の特性、あるいは設置条件により必ずしも同一の条件下で同一の出力値にはならず、これらの出力値を標準化して過去のデータを汎用化して再利用するという思想は開示されていない。同様に日本国特開平8−292059では走行中に経路探索を行なう必要が生じた場合に速やかに最適経路を探索して乗員の誘導を開始する手段を開示する。この場合、現在位置を把握するためにGPS受信機を用いているが、その出力信号が標準化する考慮は当然ながらない。これはGPSシステムは世界に1つしかないためである。
上述のようにサーバ内に膨大な過去のデータを蓄積されていても、それらのデータはある特定の状況下のみでの、採るべくアクションを示すに過ぎない。すなわちユーザの現実の状況とは必ずしも完全に一致することはむしろ稀であり、その間には一定の乖離が存在する。従って、過去のデータを基に、現実の事象から問題を解決する目的事象までの適切な一連のアクションを正確に見つけ出すことは必ずしも容易なことではない。
さらにデータの活用が比較的制限された条件下でのみ活用されているに過ぎず、折角の問題解決のためのノウハウが生かしきれていない。またそのデータも他のユーザにより有償で再利用されるという仕組みも無いので、データを効率よく蓄積することも難しい。
発明の開示
本発明の第1の目的は、複数の過去の知識データを汎用的に活用でき、かつその知識データを基にある事象に対する最適な解決手段を導き出す知識活用システムを提供することである。
本発明の第2の目的は、その解決手段の各ステップで、そのステップで最も関連する対応手段を導き出す知識活用システムを提供することである。
本発明の第3の目的は、知識データを蓄積する際、センシングモデルを用いて、事象を検知するセンサー等の型式や具体的な配置とは無関係な汎用的な状態変数に変換し、この汎用的な状態変数を基にする複数の知識データを蓄積する知識活用システムを提供することである。
本発明の第4の目的は、ユーザにおける事象を検知するセンサー等の設置を容易に行うことが出来る知識活用システムを提供することである。
本発明の第5の目的は、複数の過去の知識データを知識活用装置の他のユーザが利用でき、かつその利用に際しては知識データを登録した者に一定の経済的利便を与えることにより、より多くの知識データを登録させることによりさらに信頼性の高い知識活用システムを提供することである。
本発明の第6の目的は、上述の知識活用システムを用いて各種のビジネスモデルを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明では状態空間ナビゲータ理論を用いる。この状態空間ナビゲータとは、状態空間内において現在状態から目標状態までの経路を最適経路探索によって示すことを基本機能とする。状態空間は、複数の状態変数を軸として構成される空間であり、この空間中の点は、対象システムの特定の状態を示している。
この発明の概要を、わかりやすく説明するために以下に炊飯器を例に挙げる。実際には、炊飯器よりも、もっと複雑で大規模なシステムにもこの発明は適用できることは当然である。
第1図(A)は美味しいご飯を炊き上げる炊飯器の制御を行う知識活用システム1の概略図と、第1図(B)はその具体的な制御手順を示す状態ルートマップ上での最適経路を示している。
知識活用装置100では、炊飯器から送られた検知データを、センシングモデルを用いて、センシング方式に依存しないで対象の状態を表現する汎用的な情報である状態変数に変換する。そして、この状態変数の値や、その基準値との比較結果をインターネットを通じてWebブラウザで閲覧できるようにWebサーバ上の所定のファイルに書き込むと、どこからでも炊飯器の状態が監視できる汎用的な遠隔監視システムが実現できる。また、自動制御できていなかった装置を、知識活用装置の支援により、簡単に自動制御の可能な装置に改造することができる。たとえば、炊飯器を購入してきた人が、炊飯器の型式を制御端末装置に入力するだけで、その型式の炊飯器を自動炊飯器に改造して成功した人の知識を簡単に利用可能となる。
すなわち、ユーザはインターネットを介して知識活用装置100に炊飯器の型式の情報が通知する。知識活用装置からは、この炊飯器を自動炊飯器に改造するために必要なガス流量調整部、温度センサー、圧力センサー、水蒸気逃がし弁として採用すべき製品の情報が紹介される。さらに、知識活用装置を通じてそれらの必要な製品を発注して入手できる。炊飯器のユーザの手元にこうして、炊飯器を自動炊飯器に改造するためのこれらの製品がそろうと、ユーザは再度、端末制御装置1060に炊飯器の型式を入力して、入手した製品を炊飯器に取り付ける方法、制御端末装置に接続する方法の情報を知識活用装置から得る。これらの情報は、制御端末装置の画面に表示される。画面への情報の表示のみでは不足の場合には、制御端末装置に備えられているテレビカメラとマイクを用いて、炊飯器やそれに取り付けるべく入手した製品を、遠隔地にいるサービスマンに見せてインターネット経由で遠隔指導を仰ぐことのできるように、知識活用装置がサービスマンの端末装置と前記制御端末装置の通信路を設定することも可能である。
上述の炊飯器の自動制御について、さらに具体的に以下に自動制御の動作の説明をする。本発明にかかる知識活用装置では、上述のように接続と設定の完了した炊飯器の自動制御による炊飯は、ユーザが制御端末装置に目標とする状態(例:ふっくらしたご飯が炊きあがった状態)を入力するだけで開始される。
監視センター内に設置された本発明に係る知識活用装置100には、インタネット網を経由して複数のユーザが有する各種の端末制御装置1060が接続されていて、この場合の制御対象であるガス炊飯器1011が接続されている。端末制御装置1060はガス炊飯器1011に装備された圧力センサー1032と温度センサー1031からの検知データを知識活用装置100へ送り続ける。知識活用装置100には、ガス流量調整部1041と、水蒸気逃がし弁1042を調整して、温度と圧力をどのような値に、どのくらいの時間で到達し、それをどのくらいの時間維持すべきかの過去の知識データがデータベースに記憶されている。
一方この例での状態ルートマップは、縦軸の圧力Vと横軸の温度Tによる2次元の状態空間でのS1からS8の状態領域と、各状態領域から他の状態領域へのアーク(矢印)で構成されている。アークとは各状態領域から他の状態領域へ移動するための具体的なアクションであり、このアクションは過去の知識データとして知識活用装置100内のデータベースに蓄積されている。この状態ルートマップには、進入するのは危険である危険領域も明示されている。この例では、芯のあるご飯が出来てしまう状態領域、おこげが出来てしまう状態領域である。
例えばある知識データベースの登録者により、S1からS8の状態領域を経由して美味しいご飯が炊けるという知識データが登録されるとする。この場合、その登録者によりS1からS8は以下のように定義されているとする。
S1: 炊き始まる前の状態
S2: 初期中火での炊飯状態
S3: 早炊き用強火での炊飯状態
S4: 標準炊き強火での炊飯状態
S5: 高圧保持の炊飯状態
S6: 早炊き用弱火での保温状態
S7: 標準炊き用弱火での保温状態
S8: フタをとった後の保温状態 いま炊飯を開始するには、まずS1からS2へARC[1,2]という具体的なアクションで状態領域を変更する。換言すれば炊飯器1032のガス流量調整部1041と水蒸気逃がし弁1042をどのように調整すればよいのかのノウハウが知識活用装置100内の知識データベースに登録されている。同様にS2からはS3とS4へ移動する早炊き用のアクションARC[2,3]と釜戸炊き用のアクションARC[2,4]が知識データとして登録されている。以下同様にS8という目標位置に至るまでの各状態領域間が複数のアークで結ばれている。この図では単に早炊き用と釜戸炊き用の炊飯に関する知識について述べてあるが、もちろんこれに限らない。例えば硬めのご飯や柔らかめのご飯を炊く知識が追加されていてもよい。この場合には、S1からS8の状態領域に加えてさらにそれ以外の状態領域を通過することが考えられる。例えばS2の近傍にS9といった状態領域が柔らかめのご飯を炊くために設けられたり、S10といった状態領域が硬めのご飯を炊くために設けられていてもよい。このように数多くの目的達成のために多くの既存知識が知識活用装置100には蓄積されているが、この既存知識を再利用する後日のユーザは、例えば早炊きを希望する場合には、CRT等の表示器上に表示されたこの状態ルートマップの最終状態領域S6(早炊き時の保温モード)内のいずれか領域をクリックすること、および具体的なアーク選択のための評価関数(早く炊飯を終えたい、あるいはじっくり炊飯を行いたい、etc.)を選択するだけで、過去の知識データを活用することが容易に出来るようになる。
このように既に数多くの既存知識が特定サーバ100に蓄積されている場合、この既存知識を活用する第三者は、本発明に係る知識活用システムを用いてその既存知識を容易に再利用することが出来る。すなわち各アクションARCの属性値を経路評価関数に入力して最適経路探索を行い、具体的なアークを決定することが出来る。具体的には、上述の例であれば、一番早く炊飯を行いたいというユーザの要求に対しては、時間という切り口で各アークを評価選択すれば、S1−S3−S5−S6−S8の状態空間を経由する温度、圧力の制御が行われることになる。なお本発明の特徴として、各状態領域は実証された経験データである特定の点ではなく、収束可能な範囲、すなわちフィードバック制御で実証された点を実現可能な、いわば微調節可能な範囲である領域と領域を結ぶルートマップで表現されている。このため単に点と点を結ぶ適用範囲が狭いルートマップではなく、より汎用性のあるルートマップの作成が可能である。従って後日の再利用範囲が広くなる特徴を有する。
さらに本発明における知識活用システム100では、過去の知識データが、特定の特性をもつセンサーによる知識を前提として構築されるのではなく、その特定のセンサー出力をそのまま使用するのではなく、本発明に係るセンシングモデルを使いより汎用的なデータに変換して、後日第三者のユーザが、異なる特性を有するセンサーを装備した同種類のシステムで、その登録された既存知識を再使用出来るように構成されている。
このように本発明にかかる知識活用装置及びシステムでは、ユーザは自己に特段の知識がなくとも、知識活用装置内に蓄積された膨大なノウハウを再利用することで効率的なシステム設計が可能となる。
なお上記の過去の知識データはその登録者により、後日第三者に対して再使用を許容することを前提としており、従って登録者には利用者による知識データの使用に対する報酬を、利用者へは知識データの再使用の利用料金が課されることになる。このように知識活用装置100は、後日の再使用料を得るために登録者によるさらに多くの知識データの積み重ねが累積されるシステムとなる。
本発明にかかる知識活用装置およびシステムは、もちろん上述の炊飯器の遠隔制御の例に限らず、センサー情報をもとに例えば家庭内あるいは工場内に設置した装置、さらに広く、インターネットを経由して送られるセンサー情報をもとに作業現場や市場といった不特定場所で稼動する諸設備に対しても、過去の膨大な知識データを活用して遠隔監視、遠隔制御、診断などを行うために用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る知識活用システムを説明するに先立ち、本発明の中心的概念である状態空間ナビゲータについて説明を行う。
1.状態空間ナビゲータの概念
1.1 用語の定義
第2図は本発明に係る知識活用システムに用いられる状態空間ナビゲータ1100(図9参照)を説明するための概念図である。まず本発明で用いる主要な用語の説明を以下に述べる。
状態空間:第2図に示すように、システムの状態を示す状態変数を空間軸として構成される空間である。あるシステムの現在位置、危険領域、目標位置等がその内部に存在する。
状態変数:システムの状態を表現する変数である。通常は例えば監視対象に設置されたセンサーの出力、その微分、時間平均、複数のセンサーの出力を入力とする関数、などが状態変数となる。
状態位置:具体的な状態変数値で表現される、状態空間内でのシステムの状態を表現する各状態変数値の組であり、状態空間内の1点を示す。
状態領域:状態位置がシステムの状態を点で示すのに対して、状態領域は境界面を持った領域であり、状態空間内の経路を示すために用いられる。状態領域は収束可能な中心点を有し、現在位置をこの中心点に収束可能な範囲が状態領域である。
中心領域:状態領域内の任意の点からフィードバック制御によって収束可能な状態領域内の点の集合である。内部に中心点を含む。
状態ルートマップ:状態領域から他の状態領域に変位するためのアークと、状態領域を記述したマップである。状態領域内の任意の点は、フィードバック制御によりそ状態領域の中心点に変位され、その中心点から次に行くべき状態領域へは知識活用装置に蓄積された知識ベースを活用して変位する。
アーク:一つの状態領域から次の状態領域に至る一連の変位をいう。
アクション:一つのアーク内の知識ベースに従った具体的変位をいう。換言すれば、一つのアークは、現在位置から現在位置が含まれる状態領域の中心点へのフィードバック制御による収束、次の状態領域へ変位する一つのアクション、到達位置からその状態領域の中心点までの収束、という3つの変位で構成される。
状態空間ナビゲータ:状態ルートマップに従って状態領域を変位させる具体的手段。
知識データ:本発明にかかる知識活用装置内に記憶されているユーザ情報、過去の経験データ、状態ルートマップ等をいう。
センシングモデル:個別のユーザシステムに設置されたセンサーの諸特性、設置場所等による影響を排除して、センサーの出力信号から状態変数を得るための手段をいう。
知識活用装置:本発明の中心的概念であり、状態ルートマップをもとに知識の再利用を促す具体的な装置である。
要求:ユーザシステム側から本発明の知識活用装置への具体的な処理を特定する命令をいう。要求には次のものがある。
1)目標状態を設定するもの
2)目標状態に至る経路の評価基準を選択するもの(評価関数の選択)
3)実行すべきプログラムを指定するもの
4)現在状態の検知と、検知結果の出力を求めるもの(監視要求)
5)現在状態を所定方式で診断した結果の出力を求める要求(診断要求)
6)目標状態までの最適経路の再探索を求めるもの(再探索要求)
7)端末制御装置、知識活用装置を管理するための要求
1.2 状態空間
第9図に示す状態空間ナビゲータ1100は、第2図の状態空間内210において現在位置221から目標位置251までの経路を最適経路探索によって示すことを基本機能とする。まず、状態空間210について説明する。状態空間は、状態変数を空間軸として構成される空間であり、この空間上の点は、対象システムの特定の状態を示している。例えばこの第2図では、特定の状態変数v1、v2、v3の3次元空間を形成しており、各状態は全てこの3次元空間での位置で表現される。そして、状態変数は、対象システムをセンサーを用いて観測して得た信号を、後述のセンシングモデルを用いてセンサーの型式や取り付け位置などの影響を除去して対象システムの状態を表現するものに変換したものである。例えば、v1が温度センサーの検知温度、v2が圧力センサーの検知圧力、v3が加速度センサーの検知加速度である。ただし状態変数は上記のようにセンサーの生データに限らず、例えばv1が温度変化率のような生データを加工したデータでもよい。状態空間210中には、状態領域220、230、240、および250と、状態領域間のアークARC1−ARC5がある。アークは一定の方向を持っている。現在位置は状態空間のどこにでも存在し得る。
1.3 状態領域の内部構造
第3図は第2図に示す状態領域220、230、240、および250の内部構造を状態領域220を例にして詳述したものである。状態領域220は境界面310を持った閉じた領域であり、現在位置221から収束可能な中心点222を持っている。この“収束”とは、中心点222からみた現在位置221の変位ベクトルV1を参照して現在位置221をフィードバック制御をすること、すなわち現在位置221からベクトルV2方向へ状態変位することをいう。換言すれば、現在位置221を中心点222に収束可能な最大範囲が状態領域220である。またこの中心点222は必ずしも状態領域220内の固定点ではなく、中心領域320内のいずれかの位置に存在し得る。他の状態領域への変位実績のある点、またはそれらの点集合の代表として中心点の位置は変更可能である。現在位置221が仮に状態領域220の範囲外に存在すれば、もはや中心点222に収束させることは保証されないことを意味する。状態領域220をこのように定義するのは、状態領域が状態空間内210の経路を示すために用いられるからである。状態領域が状態空間の中で安定性のある存在でなければ、状態領域をもとに状態空間内の経路を示す知識は役にたたないし、蓄積効果もないからである。この中心点222から他の状態領域の中の中心点までのARCが、実績のある知識データを意味する。
上述のように状態領域220の内部には、中心領域320が存在する。この中心領域320とは、状態領域内の任意の点からフィードバック制御によって収束可能な状態領域内の点の集合である。この定義からわかるように、状態領域の中心点は、この中心領域320内に存在する。
このように現在位置221を中心点222に収束させるのは、現在位置と知識データに定義されている経験データの起点すなわち中心点222が通常は位置的にずれているために、現在位置をまず中心点に変位させて、その後に経験データを汎用的に活用するためである。
第2図に示したように、状態空間210の中には、非常に危険な危険領域260もある。例えば、その領域にはいると、対象システムが破壊されてしまうような領域である。温度が高すぎて燃えてしまうとか、振動がきつ過ぎて、素子が割れるような現象をひきおこす領域である。また、非線形な作用により、圧縮されていたバネを急激に伸ばすようななカタストロフィーを発生させる危険領域もある。このような危険領域は、素早く通りすぎるか、侵入しないようにしなければ、対象システムが破壊されたり、対象システムの周囲に大きなダメージを与えてしまう。すなわちある状態領域から他の状態領域へ移動するための現実のアクションを含むアークARC1−ARC5は、この危険領域260を避けて移動するものでなければならない。
1.4 状態領域の統合
第4図は上記の状態領域の統合についての概念図である。状態ルートマップの汎用性を高めるとともに、多くの知識を組み合わせることができるためには、統合可能な状態領域は統合しておく必要がある。この状態領域の統合は、知識活用装置内、または知識データを管理する他のコンピュータ内で行なわれる。なおここで言う状態ルートマップ上の状態領域の統合とは換言すれば、多くの人々からの知識を合成するという意味である。
例えば状態領域AREA[i]と状態領域AREA[j]は、次の条件(a)または(b)の成立で統合可能とする。
条件(a) CONV[i]がCONV[j]に含まれ、CENT[i]から発している任意のアークの到達先であるAREA[k]への変位を、CENT[j]から行なう事が、実験により安定的に成功したならば、2つの状態領域を統合してAREA[j]だけを残す。
条件(b) AREA[i]が全てAREA[j]に含まれ、CENT[i]がCENT[i]と同一視できる程度にしか離れていなかった場合、2つの状態領域を統合して、AREA[j]だけ残す。この場合は、多少の誤差は無視できるという前提に立つ。
1.5 アーク
第5図は上述のアークを説明するための概念図である。今後の説明のために、次の記号を定義する。
AREA[i]:第i番目の状態領域
ARC[i,j]:AREA[i]内からCONV[j]内への状態変位手段
BORD[i]:AREA[i]の境界面
Current:現在位置(現在状態)
CENT[i]:AREA[i]の中心点
Destin:目標位置(目標状態)
CONV[i]:AREA[i]の中心領域
Action[i,j]:CENT[i]からCENT[j]への変位用アクション AREA[i]内の任意の点は、中心点CENT[i]を含む中心領域CONV[i]内の任意の点に変位させることができる。CONV[i]内の少なくとも1つの点を、AREA[j]内の少なくとも1つの点に変位させる手段を獲得できれば、その手段を用いてAREA[i]内の任意の点をCONV[j]内の任意の点に変位させる事ができるようになる。ここでは、Action[i,j]はCENT[i]をCENT[j]に変位させた実績のある手段として登録されている。このAction[i,j]の開始点と到達点の双方の範囲を拡大して汎用性を高める。このように状態領域と状態領域をアークで関連付けることで、点と点を結ぶCENT[i]からCENT[j]への実績ある経験データとしての変位用アクションを、より広がりのある領域から領域への変位とすることが出来るので、経験データの適用範囲を拡大することが出来ることになる。
なおARC[i,j]、すなわちAREA[i]内からCONV[j]内への状態変位手段であるアークは次のようなルール形式でも表現できる。
IF Current is inside of AREA[i]&Destin is inside of CONV[j]
THEN ACTOR=(Goto CENT[i] from Current,Action[i,j],and Goto Destin from arrival in AREA[j])
すなわち、現在地Currentが状態領域AREA[i]の内部にあり、かつ目標位置DestinがCONV[i]の中に存在すれば(換言すれば状態領域AREA[i]内でフィードバック制御可能な範囲にあれば)、ACTORはCurrentからCENT[i]、CENT[i]からCENT[j]へのAction[i,j]、ただし実績ある手段のAction[i,j]とは必ずしも同一の条件とは限らないのでAction[i,j]の到達点はarrivalとなり、そのarrivalから目標位置であるDestinへの経路をたどり状態変位が可能となる。このようにして本発明にかかるARC[i,j]が定義される。
通常の場合は、ARCによって起動されるActionは、対象システムへの作用によって、対象システムの状態を変化させるものである。しかし場合によっては第6図に例示すように、対象システムへのアクションが、他のシステムを指定した状態にすることで、もたらされる場合もある。例えば、対象システムAに原料を供給しているシステムBによる原料供給スピードを上昇させるような指令を発するActionが、対象システムAの状態空間でのアークに埋め込まれていた場合である。この例では、ARC1で起動されたActionが対象システムBに対して状態領域SB2の中心領域を目標状態として指定する動作(目標指定AtoB)をする。対象システムBはB用の状態空間ナビゲータによって状態領域をSB1からSB2に移行する。状態領域SB2内の目標位置Destinが指定されていたら、対象システムB内で、Destinに到達するための制御が行なわれる。状態領域SB2内の位置Destinとなった対象システムBによる作用BtoAによって、対象システムAの状態領域はSA1からSA2に移行する。SA2内で目標位置Destinが指定されていたら、その位置に到達するための制御が行なわれる。これで、ARC1の動作が終了する。 第7図は、第6図に示すARCによって起動されるActionとは異なる例を示す。第6図のようにアークによるアクションには、外部に働きかけて自己の状態領域の変位を起そうとするものと、内部の機能を起動して自己の状態領域の変位を起そうとするもの、それらの組合わせがある。外部への働きかけも、図に示す装置Bおよび装置Cという複数の装置に働きかけて、その作用を得るものもある。この場合外部装置に対する目標指定は順次、ブレークダウンされていく。一方、装置Aの内部機能であるSA_Function1は、装置Aの状態領域の変位を起すものである。またさらにSA_Function2は状態領域SAjへの到達後に、特定の位置の状態(Destin)に収束するように制御する機能を担う。なおこの仕組みは、例えば、装置Bに与えた目標状態が、作用BtoAに対応することを前提としている。 第8図(A)は、状態ルートマップ上で最適経路をどのようにして決定するのかの概念図である。個々のアークの属性は、状態空間における最適経路探索において重要である。すなわち、ある一つの状態領域から他の状態領域への最適経路探索においては、アークの属性値を経路評価関数に入力しつつ、経路評価関数の値を最大化する経路を探すためである。換言すれば、本知識活用システムにおいては、過去の蓄積知識はアークとして記憶されており、どのアークを用いて(どの知識を用いて)目標とする状態領域へ到達するかは、経路評価関数により決定されるからである。この経路評価関数により、現在領域(Current)810から目的領域(Destin)820への複数の経路(アーク)の中から状態変位に要するコストを最小とする801、802の最適経路が選択される。この経路評価関数にも様々なものが考えられ、ユーザはどの評価関数を用いて経路評価を行うかを選択することが出来る。
アークの属性の例:
(1) 状態変位に要する時間(平均時間、最大時間、最小時間)
(2) 状態変位に要するコスト(金銭上のコスト、エネルギー消費量としてのコスト)
(3) 状態変位の成功確率
(4) 状態変位に利用する外部装置の個数
この場合、上述の経路評価関数は、例えば(1)を最小にする評価関数、(2)を最小にする評価関数、(3)を最大にする評価関数、(4)を最小にする評価関数等が考えられる。
なお既に述べたように、第8図(A)の状態ルートマップは、対象システムに関して、状態領域,中心領域,アークからなるマップである。最適経路は、各アークの属性に基づいて評価値を計算する評価関数を用いた経路探索アルゴリズムによって抽出される。この最適経路探索アルゴリズムについては、例えばグラフ理論におけるダイクストラ法(Dijkstra)等の従来技術を活用することが出来る。 次にシステムの種類毎の状態空間と、個別システム毎の状態空間の関係について述べる。第2図に示す状態空間210は、システムの種類毎の状態空間の知識を示すものであり、個別システム毎の状態空間を示すものではない。実際には、状態点は個別システム毎の状態空間内を移行する。これまでの説明では、議論の簡単化のために、システムの種類毎の状態空間と、個別システム毎の状態空間を区別しないでいた。個別システム毎の状態空間は、状態ルートマップとして知識活用装置が供給する。個別システムのIPアドレスを入力すると、個別システムの状態ルートマップとして、コピーして使用すべき状態ルートマップのIDが読み出されて、状態空間バッファに設定される。 ここでは、実際に状態空間ナビゲータを用いて個別システムの状態点が状態空間内で移行するために、個別のセンサーやアクチュエータをアクセスする過程を中心に説明する。IP_of_System_Mは、対象システムのIPアドレスである。
Figure 0003800547
例えば上記のKomatsu Bullの状態ルートマップが知識活用装置の知識データベースから得られたとする。この状態ルートマップが例えば第8図(B)に示すように状態変数V1−V3の3次元の状態空間を移動する前提で作られたとする。すなわち状態領域S1、S2,S4、S5を経由して目標とする状態領域S3に到達する経験データが設定されている。これに対して、ユーザの個別システムがこの知識ベースに表されているようにV1−V3の3次元の状態空間を前提として状態空間を移動するとは限らない。例えば図中に示すようにV1とV2のみを前提とした場合には、S1−S5はH1−H4として2次元空間に投影されることになる。これは必要に応じてユーザが最適経路探索の時間を短くしたり、アクセスするセンサーの個数を減らす必要があるからである。この場合にはS4とS2が合体してH2になり、Arc14,Arc12,Arc24が合体してA12になる。従ってH1からH2へのアークA12の実行時には、その途中で危険領域を通過するかもしれないというデメリットを有する。状態領域H2内には、状態領域S2、S4だけでなく危険領域の一部が含まれる。またアークA12はArc14,Arc12,Arc24が合体してできるものであるが、状態変数V3を参照しないものになるので、アークA12が危険領域を通過することもあり得る。よって、この場合は状態領域H2、アークA12を削除して用いる。H2を削除すると、自動的にH2を一端とするアークA23も削除される。このように状態ルートマップは個別システムの事情に応じた変換を受けて、状態空間ナビゲータにて使用される。そのために状態ルートマップは後述する第9図に示す状態空間バッファー1150に設定される。
2.知識活用システム
第9図は本発明に係る知識活用システムの構造を示す。すなわち複数のユーザシステム1000と知識活用装置100により構成されている。ユーザシステム1000は例えばインターネット等の回線を通して知識活用装置100と接続されており、知識活用装置から制御、監視を受けている。
2.1 知識活用システムの全体的な動作フロー
第9図のユーザシステム1000において、対象A1010をセンサー1030が検知して、対象Aを表現する信号に変換後、端末制御装置1060からインターネット等を経由して知識活用装置100へ入力される(L1)。この信号は、センサー1030の型式や取り付け方や増幅率などの影響を受けている。すなわちユーザの使用するセンサーは、知識活用装置100内に蓄積された知識データが得られたときに使用されたセンサーと同一の型式や取り付け方とは限らない。したがってセンサー1030の信号は、第13図に例示するセンシングモデル1300を用いて、汎用的なデータフォーマットを有し、Xとして示されている状態変数1310に変換される。このセンシングモデルについては別途、第13図で詳細に後述する。
変換後の状態変数1310は、入力信号を標準化したものであるので、知識活用装置100内の知識との比較に用いることや、知識の形成にも用いることができる。個別のセンサーからの出力信号を知識活用装置100で使用するための汎用的な状態変数1310に変換するためのセンシングモデル1300は、第12図に示すユーザシステムのIPアドレスと変数IDを用いて状態変数アクセステーブル1210によって取得する。第9図に示す個々のユーザシステム1000で使用されているセンサーに対応するセンシングモデルは、インターネットを介して対象システムのセンサーをアクセスするドライバーに与えられて、ドライバー内で変数生成に用いられる。
ユーザシステム1000は、ユーザにより端末制御装置1060に入力された「要求」1064をユーザシステムのIPアドレスとともに知識活用装置100に送る(L2)。この「要求」には、ユーザが知識活用装置100にどのような処理をしてもらいたいかという具体的な処理内容が定義されている。要求を受け取った知識活用装置内の状態空間ナビゲータ(Condition Space Navigator)1100は、知識ベース1600からユーザシステム1000の種類毎に記憶されている状態ルートマップを読み出し、状態空間バッファに設定する(L3)。このユーザシステムの種類は、ユーザシステムのIPアドレスをキーとしてユーザシステム種類テーブルをアクセスして得る。
このようにして、ユーザシステムごとに読み出された状態ルートマップは、ユーザシステムに応じた変換を受け、状態空間バッファー1150に設定される。その後、状態空間バッファーに設定された状態ルートマップ上をユーザシステムの現在状態の位置が、知識活用装置内の状態空間ナビゲータ1100の機能によって変位していく(L4)。L2を経由してユーザシステムから入力された要求1064、すなわち目標状態と、センサーからの信号(L5)から生成された現在状態(状態空間内の現在位置)をもとに、状態空間ナビゲータ1100は、状態空間内での最適経路を算出する。この最適経路は、現在状態から目標状態に至るアクションの系列であり、一つ一つのアクションが、登録された知識データを含んでいる。このアクションは、状態空間内の状態領域間の変位を実現するもの、状態領域内でフィードバック制御を用いて目標状態位置への変位を実現するものがある。アクションは、典型的には、アクションソフトウェアデータが蓄積された知識ベース(1600)から読み取られたプログラムで実行される。
アクター部1400は、状態空間ナビゲータ1100が算出した最適経路に記述されたアクション系列を実行し、実行の結果をレスポンスとしてユーザシステムに、出力制御部(Output Controller)を介して返信する(L6、L7)。ユーザシステムでは、レスポンスを端末制御装置1060で受け取る。端末制御装置 1060は、レスポンスを表示をすることもできるし、アクチュエータを駆動して、対象Bに何らかの影響を与えることもできる(L8)。
レスポンスは、次の3種類となる。第1の種類のレスポンスは、第10図に示す端末制御装置1060の表示部1061に表示する表示メッセージやスピーカ1065から出力する音声メッセージである。これらの表示メッセージと音声メッセージは、対象装置Bの操作者に対するものであり、操作者が対象装置に対して実行すべき内容を示す。操作者が対象装置Bに対して、このメッセージに従った操作を行なう事で、対象装置Bは適切な状態に変位する。第2の種類のレスポンスは、指定したアクチュエータ1040に対して端末制御装置1060から出力すべき操作量を指定するものである。端末制御装置1060は、この操作量を指定されたアクチュエータ1040に対して出力する。第3の種類のレスポンスは、端末制御装置1060がローカルに対象装置Bをフィードバック制御して、知識活用装置100から与えられた目標状態を実現することを、端末制御装置1060に要求するものである。この場合、知識活用装置100からは、目標状態を示す情報が与えられるのであるが、この目標状態を前記の状態空間における点として、端末制御装置1060に与える場合と、端末制御装置1060が、センサー1030から受け取るべき信号の目標値として与える場合の2種類がある。目標状態を、知識活用装置100が状態空間における点として与えてきた場合、端末制御装置1060は、知識活用装置100が利用しているセンシングモデルを内部に保持しておき、このセンシングモデルを利用して、センサー1030から得た値を状態変数の値に変換する。そして、このようにして得た状態変数の値が、知識活用装置から与えられた目標状態としての状態空間での点に一致するためのフィードバック制御を実現するべく、アクチュエータ1040に操作量を与える。センシングモデルはもともと、端末制御装置1060にて入力部1063などを用いて設定されたものである。端末制御装置1060で設定したものが、通信回線を介して知識活用装置100に伝送され、対応するセンサーの出力信号を状態変数に変換するためのものとして知識活用装置100内に記憶されたものである。
2.2 ユーザシステムの構成
第10図はユーザシステム1000内の一般的な構成を表した概念図である。第9図に示したユーザシステム内の出力手段1040と、入力手段1063には、様々な形態が有り得る。知識活用システム1でのユーザシステムのこの入力手段と出力手段として最も有り得るのは、コンピュータ又は携帯電話が端末制御装置1060として、表示機能1061、入力機能1063及びマイク1066を持ち、センサー1030とアクチュエータ1040をアクセスできる機能(1062)で構成されている場合である。ユーザシステムでは、テレビカメラ(1050)で撮像した画像を知識活用装置100に送信して、知識活用装置の支援を受けつつ、センサーやアクチュエータの設置・調整をすることもできる。
2.3 ユーザシステムと知識活用装置の間の初期処理手順 ユーザシステム1000が知識活用装置100を利用するための初期処理手順を、第10図を参照しながら説明する。ユーザ側の端末制御装置1060がインターネット経由で知識活用装置100と接続されていることを前提とする。
ステップ1: 対象装置の登録処理
ユーザはマニュアルで対象装置A(1010)と対象装置B(1020)のメーカ名や型式を端末制御装置1060のキーボード1063から入力して、この情報を知識活用装置100に送信する。(これを受けた知識活用装置では、対象装置Aと対象装置Bの状態ルートマップが知識ベース内にあるかどうかを検索する。すでに状態ルートマップが登録されている場合には、その状態ルートマップが前提としているセンサー1030,アクチュエータ1040の情報(その装置のメーカ名や型式、仕様などの情報)をユーザに返送する。もし、知識活用装置に、対象装置Bの状態ルートマップが登録されていなければ、知識活用装置に登録を依頼するか自分で登録作業をするかの選択ができるメニューを知識活用装置100は端末制御装置1060に返送する。状態ルートマップがすでに登録されている装置の状態ルートマップを用いる場合,および知識活用装置に対象装置の状態ルートマップの作成を依頼する場合には料金が必要であることも、知識活用装置から端末制御装置1060に通知されて、端末制御装置1060の表示部1061にて表示される。また、ユーザが対象装置の状態ルートマップを作成して知識活用装置に登録する場合には、所定の検査に合格して登録された場合には登録料が得られるとともに、将来においてその状態ルートマップが使用された場合には使用実績に応じて対価が得られるとも通知する。)これによりより多くのユーザが状態ルートマップを作成して登録を行うインセンティブを与える。
ステップ2: センサーとアクチュエータの選定
対象装置の状態を把握するためのセンサー1030と、状態を変更するためのアクチュエータ1040の選定をする。この選定作業をユーザ側では、知識活用装置でWebブラウザソフトで選択できるようにする。知識活用装置が推奨するセンサーとアクチュエータを知識活用装置のWebサイトから選んできて、発注することもできるようにする。例えば、下記のサイトのように必要とするセンサーやアクチュエータの仕様を入力することで、その仕様に合致したセンサーやアクチュエータなどの製品情報を提供してくれるサイトを知識活用装置で用意しておくのである。
http://globalspec.com
ステップ3: センサーとアクチュエータの設置・調整
ステップ2での選定と発注によって入手したセンサーとアクチュエータを対象装置および端末制御装置に接続するとともに、適切な位置に設置し、様々なパラメータを調整する。この作業を、ユーザは端末制御装置1060を介して知識活用装置100からの支援を受けながら実行する。最も簡単な支援は、設置・調整のやり方を記載したマニュアルを知識活用装置からダウンロードして端末制御装置に表示して、ユーザがそれを読みながら設置調整をするというものである。その次に高度な支援は、ユーザが設置・調整の過程で端末制御装置に入力した質問への回答を知識活用装置が行なうというものである。これは、対象装置、センサー、アクチュエータ、端末制御装置、知識活用装置などに関する様々なユーザの質問に即座にWebページを用いて回答して、ユーザによるセンサーやアクチュエータの設置・調整を支援するものである。例えば、下記のWebページが提供している「製品に関する質問への回答機能」を知識活用装置で持つのである。
http://www.okWeb.gr.jp/show−hin/
http://www.okWeb.gr.jp/
http://www.spcourt.com/sp/ 上記の自動的な支援でも足らない場合には、端末制御装置のテレビカメラ1050で支援を受けたい内容に応じた画像(例:センサーおよびそれを取り付けたい場所の画像)を、知識活用装置に送信する。知識活用装置では担当者がその画像を見るとともに、対象装置の発する音を聞き、ユーザの声を聞いて、ユーザと会話しつつ、ユーザにセンサーとアクチュエータの設置・調整の方法を指導する。この指導のために、ユーザが見るべき図を端末制御装置の表示部に表示させたり、ユーザに音声で指示や質問をすることも、知識活用装置の担当者は行なう。
ステップ4: 状態ルートマップを用いた初期試験の実施
ステップ3までで、センサーとアクチュエータの設置・調整が終了し、センサーとアクチュエータは適切に対象装置と接続され、適切な位置に設置されており、各センサーのセンシングモデル,状態変数アクセステーブル,ドライバーソフト,外部システムIPアドレステーブル,内部アクチュエータ指令テーブル、状態ルートマップファイル、それらを統括するユーザシステムモデルの用意も完了しているとする。 端末制御装置からユーザシステムのIPアドレスを知識活用装置に送信することで、ユーザシステムモデルを読み取る。ユーザシステムモデルに記載されている状態ルートマップファイル名を用いて、状態ルートマップを読み取る。次に、ユーザシステムモデルに記載している状態変数アクセステーブルと外部システムIPアドレステーブル、内部アクチュエータ指令テーブルを読み取る。対象システムの状態空間における位置を把握するために、状態変数に対応するセンサーを状態変数アクセステーブルを用いてアクセスし、センサー出力をセンシングモデルを用いて、状態変数に変換する。各状態変数を集めて、状態空間での状態位置が判明する。このようにして判明した状態位置を開始点として、状態ルートマップ上で、全ての状態領域をまわるような経路を探索する。「巡回セールスマン問題の解法アルゴリズム」として、グラフ理論の分野において周知のアルゴリズムを用いて実行する。このアルゴリズムは、下記サイトのファイルに収録されている。
http://www.softlab.is.tsukuba.ac.jp/〜george/thesis/programContest.PDF
このようにして抽出された経路を構成するアークを実行して、この経路の指示するとおりに状態領域を巡回できたならば、状態ルートマップを、そのユーザシステムに確かに適用できると判定する。もし、巡回が失敗した場合には、エラーメッセージを端末制御装置に表示する。
ステップ5: 状態ルートマップを用いた動作開始
ステップ4までで、状態ルートマップを適用してユーザシステムの運転が可能であると判断できたとする。そうすると、端末制御装置を用いてユーザは知識活用装置に要求(Requirment)と、ユーザシステムのIPアドレスを送信する(1064)。すでに述べたように要求には次の7種類がある。
1)目標状態を設定するもの
2)目標状態に至る経路の評価基準を選択するもの(評価関数の選択)
3)実行すべきプログラムを指定するもの
4)現在状態の検知と、検知結果の出力を求めるもの(監視要求)
5)現在状態を所定方式で診断した結果の出力を求める要求(診断要求)
6)目標状態までの最適経路の再探索を求めるもの(再探索要求)
7)端末制御装置、知識活用装置を管理するための要求
上記の1)は、到達すべき状態を状態領域の名前を用いて指定することで行なう。上記の2)は、評価関数の名前を指定して行なう方法もあるし、2.4.5に記載の総合評価関数における係数K1,K2,―――,K5などを指定することで行なう事もできる。上記3)は、現在状態が属する状態領域で実行可能なプログラム(例:Nearby機能として、その状態領域に登録されたアプリケーションソフトウェア)の中から、実行すべきプログラムを選ぶことでも実行できる。上記4)は、現在状態を構成する全ての状態変数の値を数値として通報するように求めることでも実行できるし、これらの状態変数の値を用いて人間の表情を規定する目の大きさや眉毛の角度などを制御した似顔絵を自動生成して通報するように求めることもできるし、単にグラフ表示で通報するように求めることもできる。上記の5)は、現在状態を構成する各状態変数の値を基準値や許容範囲と比較した結果や比較結果を加工して「異常」とか「正常」という情報にして通報することを求めるものである。端末制御装置側に基準値や許容範囲を保持しておき、現在状態のみの報告を、基準値や許容範囲との比較結果として端末制御装置が表示するようにしても良い。上記6)は、すでに設定している評価関数を用いて最適経路を再度探索することを要求するものである。対象装置の状態が時々刻々と変化しており、しかもその変化が必ずしも状態空間内での最適経路として設定してものに完全に一致しているとは限らないときに、この再探索要求は特に重要である。この再探索要求を行なう事で、最適経路からはずれていた現在位置を最適経路上に引き戻すことが可能となるので、システムの安定化や高機能化には必要である。この再探索要求を、制御端末装置が自動的に定期的に知識活用装置に要求するようにしても良いし、ユーザがマニュアルで制御端末装置から再探索要求を入力するようにしても良い。さらには、知識活用装置が自動的に再探索を定期的に繰り返したり、現在状態位置が最適経路から所定距離だけ離れた場合に自動的に再探索を行なうようにしても良い。上記7)は、知識活用装置に知識を登録したり、知識を削除したり、通信ソフトを入れ替えたり、知識活用装置の故障診断をしたりというような保守点検作業を実施する場合に用いる。また、端末制御装置の保守点検作業や各種のデータの登録や削除や通信ソフトやマンマシンインタフェースソフトの入れ替えなどにも用いる。要求に関する処理が終わると、端末制御装置は、要求待ち状態に移行する。
2.4 知識活用装置100
以下、第9図に示した知識活用装置100内の各部について詳述する。
2.4.1 状態空間ナビゲータ1100
第11図は第9図に示した知識活用装置100内にある状態空間ナビゲータ1100の内部構造図である。以下処理動作を順を追って説明する。
状態空間ナビゲータ1100に入力された要求(Requirement)1064は、要求分析機能によって、分析される(1101)。すでに述べたように、要求は7種類あるが、第11図のブロック図では、ユーザシステム1000からの要求は、目標状態の設定(1102)、選択されている目標状態までの最適経路探索に用いる評価関数の選択(1103)、再探索要求(1104)の3つの要求に分解される場合を示している。なお7つの要求のうちで、現在状態の検知と出力(監視要求)、および現在状態を所定基準と比較した結果の出力(診断要求)、については特にユーザシステムから要求が無くとも常に実行されることをここでは前提とする。目標状態の設定で、状態空間バッファ1150内に記録されている対象システムの状態ルートマップ内の各状態領域と比較されて、目標状態が属する状態領域が検出される(1105)。状態領域の境界面の内側に、目標状態が位置すれば、その状態領域を、目標の状態領域(1106)として抽出する。要求が、上記▲2▼の「評価関数の設定」の場合のように、デフォルトの評価関数以外の評価関数を使用して最適経路探索をするように求める場合がある。この場合、最適経路探索で用いる評価関数を、デフォルトの評価関数からユーザによって指定された評価関数に入れ替えて、最適経路探索を実行する(1103)。また状態空間ナビゲータに再探索要求が、要求として入力される場合もある(1104)。この場合、評価関数は変更しないで、現在状態をセンサーからの情報をもとにし更新して、最適経路を求める。
第9図に示すL5を経由して読み取られる状態変数の読み取り機能(第11図の1107)は、定期的に起動されて常に、現在状態を正確に把握する。状態変数読み取り機能は、認識機能(認識部)から状態変数の値を取得する(1107)。これらの状態変数値の組が、状態空間内での対象システムの現在位置を示す事になる(1108)。状態空間内での現在位置は、状態空間バッファ内に記録されている対象システムの状態ルートマップ内の各状態領域と比較されて、現在位置が属している状態領域が検出される(1109)。目標状態が属する状態領域(1106)と、現在状態が属する状態領域(1110)の双方が判明すると、状態ルートマップを用いた最適経路の探索を実行する(1111)。この実行では、すでに述べたようにDijkstraのアルゴリズムを用いる。
最適経路が探索できたら、最適経路情報をバッファに格納する。最適経路情報(1112)は、第8図(A)に示したように「状態領域→アーク」の繰り返しで表現できる(1113、1114)。アークは、第7図に示すような構造をしている。また、各状態領域ごとに、その状態領域に付随したサービスやアプリケーションソフトが登録されている場合がある(1115)。この場合には、状態領域に入った時、存在している時、出る時の3つの場合に、これらのサービスやアプリケーションソフトが自動的に起動される構成にもすることができる。また、これらのサービスなどをユーザに選択させるようにもできる。アークにより状態変位を起こすとともに、状態領域に付随したサービスを実行していく。
状態空間ナビゲータは、現在の状態位置が属する状態領域を検出すると、その状態領域の中心位置と、その現在の状態位置とを比較する。そして、2つの位置の差を求め、その差を評価する。状態領域の中心位置は、その状態領域において最も望ましい位置であるとすると、その差が小さいほど良いという評価もできる。評価結果は、インターネットなどの通信路を介してユーザシステムに伝達される。第10図のようなユーザシステムの場合には、評価結果を、表示部に似顔絵として表示することもできるし、レーダーチャートとして表示することもできる。複数の状態変数の値を総合的に評価することを人間が簡単に行なうためには、図形パターンとして評価結果を表示することが効果的である。
各状態領域毎に登録されたサービスやアプリケーションソフトウェアがある。状態位置が、ある状態領域に入ったり、ある状態領域の近傍に位置するようになると、Nearby機能により、現在位置からユーザが設定する所定の距離(最短経路で到達するためのアークの個数を距離とすることも出来る)の範囲内の状態領域に登録されているサービスやアプリケーションプログラムがリストアップされる。このNearby機能とは、例えばある車両の取り付けた各種のセンサー情報をもとに、盗難の危険性がある状態領域に入った場合(例えば振動センサーの検知した振動強度が強い場合)、自動的に盗難防止のための通報がされる等のアプリプログラムがスタートする機能をいう。リストアップされたサービスやアプリケーションソフトウェアには、次のような属性が予め付与されている。
(1) 自動起動対象かマニュアル起動対象であるかを示すフラグ
(2) 起動の優先順位
(3) Nearby範囲にその状態領域がはいった時に起動するフラグ(Hello機能)
(4) Nearby範囲から、その状態領域が出た時に起動するフラグ(Goodbye機能)
(5) Nearby範囲内である限り、実行しつづけるフラグ(Staying機能)
現在の状態領域、現在位置の情報は常にユーザシステムに送信され、ユーザシステムでは、それらの情報を表示可能である。また、現在位置の評価情報は、ユーザシステムに送信されて、表示部で表示されることもある。
2.4.2 認識部1200
以下、センサー等からの変数の入力過程での認識部1200の動作について詳説する。
第11図の状態空間ナビゲータ1100内の状態変数の読み取り機能(不図示)から、第9図に示す認識部1200へ、状態変数ID1212と、IPアドレス1211を指定して、状態変数の出力の要求がなされると、第12図に示す状態変数アクセステーブル1210が読み出される。この状態変数とは、例えばあるセンサーを特定するためのID番号である。このテーブルには、センシングモデル1300とアクセス用ソフトID(ドライバーを指定する情報)1213が読み出され、アクションソフトウェアDB内に格納されているドライバー1214が起動される。そして、このドライバーにセンシングモデルと、対象センサーのIPアドレスが入力される。対象センサーのIPアドレスをもとにインターネット経由で、対象センサーの出力信号をデジタル情報として取得し、センシングモデルを用いて、この信号をセンサー等の型式に依存しない汎用的な状態変数に加工してして出力する。センシングモデルの例を第13図に示す。
2.4.3 センシングモデル1300
第13図は、センシングモデル1300を用いたセンサー出力信号の変換処理に関する概念図である。このセンシングモデル1300は、個々のセンサー等の出力データを、その特性や設置状態に依存しない汎用的な出力データである状態変数に変換するためのである。このような汎用的なデータに加工することで、知識活用装置内に蓄積された過去の知識データが活用できることになる。 いま液面センサー1350が、タンク1360内の液体1370の残量(底面からの高さXmm)を検知している。Xは検出対象物の状態を表わす情報であり、センサーの型式や配置によらない。液面センサー1350の出力であるAmVという信号がセンシングモデル1300によって、Xmmという汎用的な状態変数に変換される。この場合は、Y=α・A+βという計算式により検知電圧AmVから、液面センサーのセンシング位置と液面との距離距離Ymmに変換され、さらにX=H−Yという計算式で、センサーの取り付け位置Hとは無関係なXmmという状態変数1310が得られる。この状態変数は、対象物の状態を表現している。
2.4.4 ACTOR部1400
第14図は外部システムへのアークの実行過程を示す概念図である。アークの実行は、外部システムへの目標指定、内部アクチュエータの起動の2つの手段となり得る。
外部システムに対しては、目標指定をするだけであり、その外部システムの機能を起動したり作動させるのは、その目標指定を受けた外部システム自身(外部システムの状態ルートマップを用いて状態空間ナビゲータで制御されている場合)である。外部システムへの目標指定の場合、
(1)その外部システムのIPアドレスを用いた目標指定であること、
(2)目標指定をした自システムのIPアドレスをその外部システムに伝えること、
(3)目標とするその外部システムの状態位置または状態領域を指定する目標指定であること、
の3つの要件を満足する必要がある。目標指定を受けた外部システムは、自分の判断で目標達成のための最適な手段を選択して実行する。これは、各外部システムに対応する状態空間ナビゲータを用いて行なわれる。
一方、第15図は内部アクチュエータの起動過程を示す概念図である。内部アクチュエータの起動の過程は、次のとおりである。アークに内蔵されたActionが、対象システムの内部アクチュエータを起動して、対象システムの状態領域を目標とする状態領域に変位させるものであった場合、同図のような内部アクチュエータ指令テーブルをアクセスして、指令を抽出する。抽出された指令は、対象システムのIPアドレスであるIP_of_System_Mとともに、具体的な指令を形成し、インターネットを介して内部アクチュエータに与えられる。
2.4.5 最適経路探索1111
第11図に示す状態空間ナビゲータ1100内の最適経路探索1111では、経路に関する評価関数を用いて、最適経路を状態ルートマップから抽出する。経路は、アークと状態領域の系列である。アークと状態領域の属性をもとに、各経路の評価値が評価関数を用いて算出される。
1.アークの属性
(A1) そのアークを通過するのに要する時間
(A2) そのアークを通過して、そのアークの目的とする状態領域に到達する確率
(A3) そのアークを通過するために必要とするコスト(金銭、エネルギーなど)
(A4) そのアークの通過の為に変化する状態変数の個数
(A5) そのアークの通過の為に状態空間内での変位量の割合
2.状態領域の属性
(B1) その状態領域の体積
(B2) その状態領域の中心領域の体積
(B3) その状態領域から出力されるアークの本数
(B4) その状態領域に登録されているサービス、アプリケーションソフトウェアの個数 なお上記の属性を用いることで、例えば、次のような評価関数を考えることができる。さらにそれらの組合わせの関数も考えることができる。
F1(A1):A1が小さいほど評価値が大きくなる評価関数
F2(A2):A2が大きいほど評価値が大きくなる評価関数
F3(A3):A3が小さいほど評価値が大きくなる評価関数
F4(A4):A4が小さいほど評価値が大きくなる関数
F5(A5):A5が小さいほど評価値が大きくなる関数
状態空間における変位量の割合に関して説明する。状態変数をViとする。Viの最小値をMin_iとし、最大値をMax_iとする。そうすると、各状態変数の値域の広がりの幅Δiは次の式で示せる。
Δi=Max_i−Min_i
状態空間での任意の2点をPとQとする。
点Pの状態空間での座標を、(P1,P2,・・・,Pi,・・・PN)
点Qの状態空間での座標を、(Q1,Q2,・・・,Qi,・・・QN)
点PとQの間の変位量の割合Rは、次の式で求める。
Figure 0003800547
アークの属性に基づいた総合評価関数をF(A1,A2,A3,A4,A5)とする。
F=K1*F1(A1)+K2*F2(A2)+K3*F3(A3)+K4*F4(A4)+K5*F5(A5)
総合評価関数Fを、対象とするアークの長さとみなして、最短経路探索アルゴリズムを適用することで、最短経路を求めることができる。
状態領域の属性に基づいた評価関数は、次のとおりである。
G1(B1):B1が大きいほど評価値が大きくなる関数
G2(B2):B2が大きいほど評価値が大きくなる関数
G3(B3):B3が大きいほど評価値が大きくなる関数
G4(B4):B4が大きいほど評価値が大きくなる関数
総合評価関数をG(B1,B2,B3,B4)とする。
G(B1,B2,B3,B4)=h1*G1(B1)+h2*G2(B2)+h3*G3(B3)+h4*G4(B4)
状態領域の属性に基づいた評価関数を最適経路探索に用いるためには、アークの根ノードとなる状態領域の評価関数値をアークの評価値に加算する処理をした後で、通常の最適経路探索アルゴリズム(例:ダイクストラ法)を用いる必要がある。 なお状態領域の属性として、禁止/許可、可/不可、危険/安全、名前、広がり、存在継続時間、評価値等が考えられる。
2.4.6 知識ベース1600
第16図は第9図に示す知識活用装置100内の知識ベース1600の全体構成図である。以下の知識データが蓄積されている。
状態変数辞書: 概念の定義、その概念に関する具体例の情報の存在先に関するライブラリ
経験データ: 収集した情報を時間軸上に統合したもの
状態ルートマップ: 対象システムの状態空間上での状態変位に関する情報
ユーザシステムモデル: ユーザシステムにアクセスするために使用する情報
上記の各知識のの属性を以下詳述する。
1)状態変数辞書1610
第17図に示す状態変数辞書は、状態変数ごとに次のものを記載している。
1. 状態変数の名称
2. 状態変数の定義を示す文章
3. 状態変数に対応する変数名(状態変数ID)
4. その状態変数値を得るための状態変数アクセステーブル
2)経験データ1620 特定の型式のセンシング対象に関する特定の変数について、その変数値が時間経緯とともにたどったパターンと、このパターンでの特徴的な時点におけるコメント情報、出力手段に与えた指令を記録したデータである。また、これらのデータを複数個、集めて平均化などの操作を加えて得られるものもある。次のデータから成る。
1. センシング対象の型式、センサーのIPアドレス、履歴の対象とする状態変数名
2. 各サンプル時刻ごとのサンプル値の時系列データ
3. 特徴的な時点のサンプル時刻、その時点を特徴付ける時間パターンを示す時間区間、付随するコメント情報の文字列、出力手段に与えられた指令
「温度」に関する経験データの例
1. センサー種類: 温度計
2. センサーのIPアドレス: 123.456.789.012
3. 履歴の対象とする状態変数ID:〈Temperature〉
4. センシング対象の型式:冷蔵庫PA001
5. 各サンプル時刻ごとのサンプル値時系列データ:N,(t1,val1)(t2,val2)・・・(tN,valN)
6. 特徴的な時点のサンプル時刻と、それに付随するコメント情報の文字列
M(t1,t1s,msg1)(t2,t2s,msg2)・・・(tM,tMs,msgM)
注) ここで、時間区間[t1,t1s]は、時刻t1の時点を特徴付ける時間パターンの区間である。
7. 特徴的な時点のサンプル時刻と出力手段に与えられた指令
N(t1,t1s,cmd1)(t2,t2s,cmd2)・・・(tN,tNs,cmdN)
3)状態ルートマップ1630
対象装置の種類(状態ルートマップの符号)毎に設けられた情報であり、状態ルートマップID番号を用いてアクセスできる。さまざまな状態変数についてのデータを状態空間軸上で統合したものである。第4図に示すように次の構成要素から成る。
1. 状態領域
2. アーク
3. 危険領域
4. 状態を構成する状態変数のリスト(各状態変数ごとの値域のデータ、単位のデータ、推奨するセンサーの型式、設置・調整方式の情報を含む)
5. 状態ルートマップの符号、作成年月日、作成者、対象とする装置の型式リスト
また、状態領域は、次の構成要素からなる。
1. 状態領域の名前
2. 状態領域の説明
3. 状態領域の中心点の座標
4. 中心領域を示すパラメータ
5. 状態領域の境界面を示すパラメータ
6. 状態領域に付随するサービス処理のリスト
アークは、次の構成要素からなる。
IF Current is inside of AREA[i]&Destin is inside ofCONV[j]
THEN ACTOR=(Goto CENT[i] from Current,Action[i,j] and Goto Destin from arrival in AREA[j])
また、危険領域は、その境界面のパラメータ、危険の内容を示す情報からなる。
4)ユーザシステムモデル1640 ユーザシステムにアクセスするために用いられるモデルである。ユーザシステムのIPアドレス毎に存在する。▲1▼状態変数アクセステーブル、▲2▼外部システムIPアドレステーブル、▲3▼内部アクチュエータ指令テーブル、▲4▼状態ルートマップファイル名からなる。
(1)状態変数アクセステーブル:
センシング対象をセンサーで観測して得られた信号を、対象に関する変数値に変換するためのデータである。センサーの出力する信号は、センサーの型式,据え付け位置,感度などの設定の影響を受ける。また、信号形態(アナログ、デジタル、電流波形、電圧波形、周波数など)も様々である。このような個別の事情をそのままにしていたのでは、知識との比較もできないし、他のセンサーから得た信号との比較や統合もできない。そこで、これらの信号を状態変数に変換する。信号を変数に変換するために必要とされるセンシングモデル,センサーをアクセスするためのIPアドレス、アクセス用ソフトウエアのIDからなる。
ここで、センシングモデルについてさらにその属性を詳説する。センシングモデルは、センサーから読み取った信号を状態変数に変換するための情報である。この変換は、プログラムと、そのプログラムでの変換を制御するパラメータの組によって特定される。したがって、変換に用いられるプログラムが汎用的なもの1種類のみであるという第1の場合には、センシングモデルは、この汎用的なプログラムによる変換を制御するパラメータのみとなる。汎用的なプログラムとしては、テーラー級数を計算するプログラム、フーリエ級数を計算するプログラム、ウェーブレット級数を計算するプログラムなどがある。このようなプログラムが1つのみ汎用的なものとして設定されている場合、テーラー級数ではテーラー展開係数が前記の変換を制御するパラメータとなる。また、フーリエ級数では、フーリエ展開係数が、前記の変換を制御するパラメータとなる。同じく、ウェーブレット級数では、ウェーブレット展開係数が、前記の変換を制御するパラメータとなる。
変換に用いられるプログラムが複数個ある第2の場合には、センシングモデルは、変換用プログラムを特定するための情報(例:関数へのポインタ、プログラムを記憶したファイルのファイル名)と、この変換用プログラムにおける変換を制御するパラメータとなる。第2の場合には、変換用プログラムを特定するための情報を用いて、変換用プログラムは、変換用プログラム記憶手段から読み出され、変換用パラメータも他の記憶手段から読み出される。第2の場合、変換用プログラムと変換を制御するためのパラメータの組であるセンシングモデルのアップロードをセンサーに対して要求し、それに応答してセンサーが出力するセンシングモデルを読みとって記憶して、以降の処理における状態変数の生成に用いるということも、センサー側の機能が対応できれば可能である。特に、CPUやオペレーティングシステムにかかわらず動作が可能なプログラミング言語Javaでセンシングモデルが記述されていた場合には、そのJavaプログラムをセンサー又はセンサーを統括するゲートウェイからアップロードして、信号を状態変数に変換することに利用できる。
(2)外部システムIPアドレステーブル:
対象システムのIPアドレス,その対象システムに接続されていてしかも知識活用装置からアクセス可能な外部システムの論理IDを与えると、その外部システムのIPアドレスを返すテーブルである。外部システムに指令を与えるために利用する。
(3)内部アクチュエータ指令テーブル:
対象システムのIPアドレス,現在の状態領域のID,目標とする状態領域のIDから、その対象システムの内部アクチュエータに与える指令を読み出すためのテーブルである。
(4)状態ルートマップファイル名:
ユーザシステムのIPアドレス、対象システムの状態ルートマップとして用いている状態ルートマップのID番号からなる。
3.本発明に係る知識活用システムを用いたビジネスモデルの例
上述のように本発明にかかる知識活用装置あるいは知識活用システムには、インターネット経由で具体的に次のような要求を入力して既存の経験データを再利用することが可能である。
<例>
タイプ1.冷蔵庫の温度が上がっている、エンジンの回転数が低い、水質が酸性になっている、などの状況を知らせてほしい(すなわち状態検出サービス)。
タイプ2.冷蔵庫のガスが抜けたらしい、ベルトが磨耗しているのでは?貯水槽に異物が混入している可能性がある、などの診断結果を知りたい(すなわち診断サービス)。
タイプ3.そろそろガスの補充時期が近づいている、車の点検をしないとエンジンが壊れる、貯水タンクの寿命が短い、などの予測が欲しい(すなわち予測サービス)。
これらの要求に対して知識活用装置側では各データを学習して、できるだけ多くの経験を蓄積し、その経験データに基づく最適な情報をユーザに与えることによりサービス提供料を得ることができる。なお上記タイプ1の要求に対しては、知識活用装置側でユーザシステムに設置された各種のセンサーからのセンサー情報をもとに、ユーザ側へ状態検出サービスを行う。上記タイプ2の要求は例えばその要求をしたユーザのセンサー出力が、温度が上昇し、湿度が一定の時は、コンプレッサーの故障であると言ったように、知識活用装置側で診断サービスをする経験データが必要となる。さらに上記タイプ3では、診断レベル以上の予測サービスを行うことになり、知識活用装置側ではさらに多くの経験データを必要とする。
本発明にかかる知識活用装置では、上述のように状態検出サービス、診断サービス、予測サービスに限らず、これら状態検出、診断、予測データから、例えば修理、メンテ、買い替え等の特定のサービスを必要としている具体的な顧客を割り出して、それらのサービスを提供する会社の広告を提供したりする、いわば情報の加工度が高い情報提供サービスも可能である。また類似の他のサービスとして、本発明に係る知識活用装置に蓄積した上述の各種データを分析し、例えば各種装置の使用パターン、故障パターン、あるいは寿命データ等の諸データを有料で関連するメーカー、研究機関、コンサルタント等へ提供することもビジネスとして可能となる。
さらにまた本発明にかかる知識活用装置では、第三者が上述の診断・予測データに、関連する属性データ(何処の誰、連絡先)を加えて、その情報に客観的信頼性を付加するサービス、すなわちデータ認証サービスを行うことも可能である。このデータ認証サービスは、データの客観性を必要とする場合にデータの認証を第三者として行うサービスであり、例えば車両、事務機器等の特定の機器がどのような状態で過去に使用されたかを客観的に示す使用状況データを認証するサービスであり、中古市場での信頼できるデータとして用いることが可能である。
以下に本発明にかかる知識活用装置及びそれを用いた知識活用システムの例として、▲1▼レンタル機材(例えばブルトーザのレンタル)の顧客選別ビジネスモデル、▲2▼リース機材(例えば同じくブルトーザのリース)のメンテナンス改善ビジネスモデル、▲3▼中古動産の使用状況に関するデータ認証ビジネスモデル、の3つの具体的なビジネスモデルについて詳述する。
3.1レンタル機材の顧客選別ビジネスモデル
3.1.1 概略
本発明にかかる知識活用システムを利用した最初のビジネスモデルとして例えばレンタル機材の顧客選別ビジネスモデルがある。これはブルトーザのレンタル会社が自己所有のブルトーザを一定期間、建設会社等の利用者へレンタルする場合を考える。一般にレンタル会社側から見れば、ブルトーザを適切に使用してくれる顧客だけを当然選別したい。特にブルトーザ(これに限らず、多くの動産のレンタル、例えば乗用車、トラック、建設機械、発電機、コンピュータ、通信機等も同様)の場合、いったん貸し出せば、その使用状況はレンタル会社では把握するのは容易ではない。一方、利用者側はそのブルトーザの適切な使用に対して無関心でいる場合が多い。従って本ビジネスモデルでは、▲1▼ブルトーザを適切に使用した利用者にはレンタル料のディスカウントを行う、▲2▼不適切に使用した利用者には適切な使用のための指示または指導を行う。このようにしてレンタル会社、利用者に対してブルトーザの適切な使用を動機付ける事が可能となる。
このために本発明にかかるビジネスモデルでは、ブルトーザの各部に所定のセンサーを設置して、その検知データを定期的にインターネット経由または無線で本発明にかかる知識活用装置へ送るように構成する。このブルトーザの各部に設置するセンサーとは第10図に示すセンサー1030がこれに相当し、例えばリフトシリンダーの作動油の圧力を検知する圧力センサー、作動油タンクの残油量を検知する油量センサー、リフトアームの傾斜角を検知する傾斜角センサー、等のブルトーザの使用状況を把握できる部所に設置されたセンサー類である。なおすでにインターネット経由でデータを送出するセンサー類は公知であるので、このハード的な構成はここでは省略する。
知識活用装置に各センサーから送られてきた検知データは、知識活用装置内の状態空間ナビゲータで、その個々のブルトーザが使用されている現在状態を表す状態位置として、予めそのブルトーザ用に設定されている状態空間にマークされる。この状態空間にはブルトーザの使用状況を示す多くの状態領域が設定されている。またそれらの複数の状態領域間の変位は、知識データに従って適切な方法で変位、すなわちブルトーザの使用状況を変更させながら、最終的には適切な使用状況を表す目標位置へ向かうアークで結ばれている。すなわちブルトーザの使用状況を遠隔監視する状態ルートマップが準備されている。この状態ルートマップは、知識活用装置を用いた知識活用システムのシステム管理者やブルトーザのレンタル会社によって作成される。
このようにして状態ルートマップ上で、各センサーを用いて検知した現在状態を求め、上述のようにブルトーザを適切に使用している利用者にはレンタル料のディスカウントを行い、また不適切に使用した利用者には適切な使用のための指示または指導を行うことができる。このための代表的な状態領域と状態空間ナビゲーションについてさらに以下に詳述する。
3.1.2 ブルトーザ運転の各状態領域
第18図(A)はP:リフトシリンダの圧力センサーでの検知圧力、θ:リフトアームの傾斜角センサーでの検知傾斜角、F:作動油タンクの油量残存センサーでの検知残存油量、のそれぞれの関係を表す。Pとθの関係を示す(i)図は安全上および機器に無理な力がかからない適切な使用上、水平面とリフトアームの傾斜角θが小さい場合(つまりアームが水平に近くなる)には、リフトの荷重Pは小さくしなければならないし、反対に傾斜角θが大きい場合(つまりアームが立っている)には、リフトの荷重Pは大きくてもよいことを表している。同様にPとFの関係を示す(ii)図は、油量Fは十分あればリフト荷重Pは大きくてもよく、また油量が少なくなるにつれてPは小さくする必要があり、かつ最低でも約所定量の半分程度の油量は必要であることを表している。θとFの関係を示す(iii)図では傾斜角に拘わらず一定以上の油量を必要とすることを表している。
第18図(B)は第18図(A)に示す3つのセンサー出力を合成した状態空間を表している。この中で状態領域S3が安全操作中の状態を示し、レンタル利用者により適切な状態で運転操作をおこなっている領域を示している。換言すると本発明にかかる知識活用システムでは、S3以外の状態領域でブルトーザを使用していたら、このS3の状態領域に当てはまるように利用者へ適切な指示を与え、またそのような状態領域でブルトーザを使用している利用者へは、優良利用者として後日レンタル料のディスカウント等の利便を与えることになる。なお不適切な使用を表す代表的な状態領域としてS1、S2、S4、S5、および適切な使用を表す状態領域S3は以下のような使用状態を表す。S1:状態の名称:作動油減少+操作ミス
作動油の油量が減少しているのに、リフトシリンダに圧力をかけすぎている。リフトアームの上昇操作も不十分でアングルシリンダの負荷大。
S2:状態の名称:作動油切れ+操作ミス
作動油がほとんどないので、リフトアームの使用不可能。持ち上げようとしている物の割に、リフトアームの上昇が足りない。
S3:状態の名称:安全操作中
状態の説明:適切な状態で運転操作をおこなっている。
S4:状態の名称:作動油切れ
作動油の油量が不十分なのに、リフトアームを運転している。シリンダに空気が混入する恐れあり。
S5:状態の名称:リフトアームの操作ミス
リフトアームの上昇操作を行わずに、ブレード部の操作で重い物を持ち上げようとしている。アングリングシリンダの負荷が大き過ぎる。
3.1.3 ブルトーザ運転の状態ルートマップ 第19図は第18図(B)に示した代表的な運転状況を示すS1からS5の状態領域とその間のアーク、すなわち採るべくアクションを示した状態ルートマップである。この例ではセンサーからの検知出力でブルトーザ利用者により、現在S2の状態領域に入る状態で使用されていることが検知されたとする。S2とは上述のように作動油がほとんどないので、リフトアームの使用不可能で、持ち上げようとしている物の割に、リフトアームの上昇が足りない状態を意味する。この場合、もしS2から目標状態とするS3に直接至るアークArc[S2,S3]があれば、最短経路としてそのアークが実行されるが、この知識活用システムにはその経験データが無いと仮定する。S2からS3に至るアークとしてArc[S2,S5]の作動油の補充指示プラスArc[S5,S3]の運転操作の改善要求、およびArc[S2,S4]の運転操作の改善要求プラスArc[S4,S3]の作動油の補充指示、の2つの経路である。この場合、本発明にかかる知識活用装置内の状態空間ナビゲータでは、最適経路探索のために経路に関する予め決められた評価関数により最適アークの選択が行われる。ここでは、まずこ現在のS2(作動油切れ+操作ミス)の状態から、まず作動油を補充し、S55(操作ミス)の状態に移動し、その後に操作方法を改めてS3(安全運転)に到達するアークが最適経路として判断される。作動油を補充しないまま操作方法を改めて、S4(作動油切れ)の状態に移行し、それから作動油を補充することも不可能ではないが、作動油なしで作業をつづけると、シリンダー内の作動油に気泡が生じる危険性があるので、避けたほうが賢明だからである。このように選択されたArc[S2,S5]の作動油の補充指示プラスArc[S5,S3]の運転操作の改善要求の指示は、ブルトーザに設けられた第10図に示す端末制御装置1060の表示機能(CRT等)1061に表示される。
3.1.4Nearbyサービス
このレンタル機材のレンタル料ディスカウントモデルにおいては、上述のように利用者に対する直接の指示の他に2つのNearbyサービスが設定されている。すなわち▲1▼オプションとしてのマニュアルの配布サービス▲2▼必須サービスとしてユーザ評価サービスである。すなわち第19図に示す各状態領域には、NBS1としてマニュアルの配布サービス、NBS2としてユーザ評価サービスが設定されている。S1とS2の利用者の操作ミスが検知された時に、その操作ミスを改善すべくマニュアルの配布がされる。またS3(安全操作中)以外のすべての状態領域にブルトーザの現在状態が入ればその状態領域は何かの不適切な状態であるので、利用者の評価サービスを行いその利用者の評価を下げるべくマイナス点を利用者に与え、そうしたマイナス点が少ない利用者を優良顧客としてレンタル料のディスカウントを与える。以下にその手順を詳述する。
3.1.4.1 マニュアルの配布サービス
第19図に示すように、本発明にかかる知識活用システムを利用するブルトーザがS1及びS2の状態領域に入ったと判断されると、第20図にあるようにまず操作方法に誤りがあることを利用者に通知する。これは上述のように例えば第10図に示す表示機能1061を用いて、ブルトーザの利用者へ視覚的に通知する。その後、オプションとして選択してあれば適切な操作が行えるように利用者へ操作マニュアルが送られる。その方法は、例えば第20図にあるように、E−メール、Fax、郵送、インターネット経由、の選択肢を経てマニュアルが利用者へ送られる。これにより利用者が従来よりも適切なレンタル機としてのブルトーザを使用してくれる可能性が高まり、結果としてレンタル会社は大きなメリットを得ることになる。なおここでのマニュアルは、対象システムのマニュアル全体であってもよいが、むしろその状態領域において必要とされる部分のみをマニュアル全体から抜粋して提供するものとする。
3.1.4.2 ユーザ評価サービス
第21図はユーザ評価サービス(第19図でNBS2と示したもの)の具体的な手順を示すフローチャートである。すなわちST2101で第19図のS1、S2、S4、S5の状態を検知すると、これらは全てブルトーザが何らかの不具合な状態にあることを示しているので、このユーザ評価サービスが行われる。ここで不具合の中味が、ST2102からST2104ではレンタル会社のサービス部門の不手際と判断しサービス部門への警告が行われる。またST2105からST2107では同じくレンタル会社の保守部門の不手際として保守部門に連絡される。ただしST2106で作動油補充が必要な運転時間が経過していて不具合が発生したら、ST2108で作動油補充は利用者の責任であるので評価をマイナス1点とする。さらにST2109ではリフトシリンダとリフトアーム傾斜角との関係が不適切と判断されると、それは利用者の運転方法が問題ありと判断されてさらにマイナス1点と評価される。そしてST2111,St2112でこれらの減点が合算されてレンタル会社のシステムに減点情報として送られ、その後、レンタル会社は図示しない処理として、この受信した減点情報に基づいて、その利用者へのその後のレンタル料を適切に決定することができる。
第22図はレンタル会社での処理手順を示すフローチャートである。すなわち上述のようにして個々の利用者の評価値が合計され、一定期間毎にその累計評価値に従ってブラックリストに登録して貸し出し拒否、要注意顧客として新着機材の貸し出し拒否、優良顧客として選別、等の顧客選別が可能となる。
3.2 リース機材(例えば同じくブルトーザのリース)のメンテナンス改善ビジネスモデル
3.2.1 概略
本発明にかかる知識活用システムを利用した二番目ビジネスモデルとして、リース機材(例えば同じくブルトーザのリース)のメンテナンス改善ビジネスモデルがある。上述のレンタル機材の顧客選別ビジネスモデルでは、ブルトーザに設置された個々のセンサー出力値を状態変数とした状態空間を構成して、顧客を選別する知識活用システムを説明した。しかしながら本発明はこれに限らずさらに、この顧客選別システムを一つのサブシステムと理解し、上述の顧客選別システムで得られた各種の評価値を状態変数とする状態空間を想定して、より経営レベルに近いアドバイスやサービスを提供することができる。
3.2.2 メンテナンス改善の各状態領域
第23図(A)は、このメンテナンス改善ビジネスモデルにかかる状態空間を示している。すなわち状態変数を、センサー出力値自体ではなく、運転状況D、点検状況C、保守状況M、として状態空間を構成している。すなわち運転状況Dは、上述の顧客選別のための評価値で決定され、点検状況Cは第23図(B)の利用者による点検の状態空間での点検評価値、保守状況Mは第23図(C)の外部メンテナンス専門会社による保守の評価値でそれぞれ決定される。換言するとこれらの3つの状態変数は、サブシステムとしての運転、点検、保守の各評価値が用いられている。
第23図(B)の利用者による点検状況の状態空間は、上述の顧客選別のための状態空間とは異なり、作動油純度、エンジンオイル純度、ラジエタ水量、をそれぞれ検知するセンサー出力値で構成されている。また第23図(C)の外部メンテナンス専門会社による保守状況の状態空間は、運転時間、油圧ポンプ最大圧力、移動距離、をそれぞれ検知するセンサー出力値で構成されている。これら3つのステムでの運転評価値、点検評価値、保守評価値から第23図(A)に示すS1−S5の代表的な状態領域が得られる。従ってこの状態空間は、サブシステムの状態空間に比べて、より上位概念的であり、これにより経営的レベルの判断が可能となる。
各状態領域S1−S5は以下のような使用状態を表す
S1:状態の名称:運転方法に問題あり
日常点検・業者による定期保守作業は適切に行われているのに、運転操作が荒く危険。 S2:状態の名称:定期保守不十分
利用者による日常点検は適切に行われ、運転操作にも問題はないが、業者による定期保守が不十分。
S3:状態の名称:最適保守/点検/運転状態
適切な状態で運転・点検/保守を行っている。
S4:状態の名称:日常点検不足
業者による定期保守は適切に行われ、運転操作にも問題はないが、日常の点検作業が疎かである。
S5:状態の名称:点検・保守が不十分
運転操作そのものには問題がないが、日常の点検も業者による定期保守も疎かになっている。
3.2.1 メンテナンス改善の状態ルートマップ
第24図はメンテナンス改善の状態ルートマップを示している。S1−S5の各状態領域は、Arc[S5,S4]保守作業の指示、Arc[S4,S3]点検作業の改善要求、Arc[S5,S2]点検作業の改善要求、およびArc[S2,S3]保守作業の指示、の各アークで変位可能である。ブルトーザのメンテナンスに関する現在位置はS5の内部にあるとする。このS5から目標位置が存在するS3へ変位したい。この場合Arc[S5,S3]は、最短経路ではあるが、経験データがない。従って、現在のS5(点検・保守の不十分)の状態から、まず業者による定期保守を実施し、S4(日常点検不足)の状態に移動し、点検作業のやり方を改めてS3(目標位置)に到達するのが、最適経路として判断される。業者による定期保守を実施しないまま点検作業のやり方を改めて、S2(定期保守不十分)の状態に移行し、それから保守作業を実施することも不可能ではないが、基本的な保守をせずに日常点検を行っても、保守効率が悪いからである。
3.2.3 Nearbyサービス
各領域には次のようなNearbyサービスとしてNBS3−NBS6を設けることができる。これらのNearbyサービスは、より経営レベルに近い判断に基づき行うことができるようになる。
NBS3:優良ユーザ評価サービス
正しく無理のない運転操作を行うとともに、日常の点検を慣行し、利用者が行うべき管理を実施する。さらに保守業者とも連絡を取り合って定期的に必要な保守管理を遂行して最適状態を保っている利用者に関しては、その優れた利用状況をリース会社と保険会社に連絡する。保険会社はあらかじめリース会社と合意した内容に基づき、利用状況の優れている機器については、故障、破損に対する保険の料率を割引する。その保険料割引分を還元するかたちで、リース会社は利用者に手数料率や、再リース料の割引を行う。
NBS4:点検マニュアルの配布
利用者による始業・終業点検が正しく行われていない場合のサービスで、利用者の希望により希望の送付先に点検実施方法のマニュアルを配布する。
NBS5:運転マニュアルの配布 利用者による機器の運転操作が正しく行われていない場合のサービスで、利用者の希望により希望の送付先に運転操作方法のマニュアルを配布する。
NBS6:保守業者への通知
保守業者と利用者との間の連絡がうまく行っていない、メンテナンススケジュールの調整がつきにくいなどの可能性があるので、保守業者にリース機器の保守状態がよくないことを通達し、積極的に機器利用者に働きかけるよう促す。保守の時期を逃すと、本発明にかかる知識活用装置が業者に連絡するため、正しい時期に正しい保守作業が行われることになり、リース会社にとっては、保守費用の削減につながる。
3.2 中古動産の使用状況に関するデータ認証ビジネスモデル
3.3.1 概略
本発明にかかる知識活用システムを利用した三番目ビジネスモデルとして中古動産の使用状況に関するデータ認証ビジネスモデルがある。このビジネスモデルでは、知識活用システムは、機器の売買や賃貸、それに伴う争いごととは一切利害関係を持たない完全中立の第三者として、機器が使用された履歴や詳細情報を、利用者、保守業者、売主、買主、レンタル会社、リース会社、保険会社、査定業者等に提供することができる。
3.3.2 使用状況の各状態領域
第25図は例えばブルトーザの使用状況を、運転状況D、保守状況M、問題履歴C、の3つの状態変数を用いた状態空間で表現したものである。代表的な領域空間S1−S5は下記のような使用状況としては把握し、それを第三者として客観的にデータを認証するために用いられる。
S1:状態の名称:運転方法に問題あり
定期保守は適切に行われており、過去に事故や故障もなかったが、不適切な方法で運転されている。
S2:状態の名称:定期保守不十分
これまで、事故や故障も特になく、運転操作にも問題はないが、定期保守が不十分。
S3:状態の名称:最適状態
適切な状態で運転・保守され、過去に事故や故障もない。
S4:状態の名称:問題履歴多し。
定期保守は適切に行われ、運転操作にも問題はないが、過去に事故や故障があったか、総運転時間が長い。
S5:状態の名称:動産としての価値が低い。
利用状況も不適切、保守も不十分、事故や故障の履歴あり。
使用状況データを第25図に示す3次元の総合評価点として提供できるし、また希望によっては、各軸を一段階下の階層に詳細分解した状態変数の形(例えば第23図(B),第23図(C)のような)でも提供できる。 これは、いわば郵便局が中立の立場で、書状の内容証明をするようなもので、この使用状況に関するデータ認証サービスは、以下のようなメリットを有する。
1)中古動産の査定が簡単になり、現実の状態をより反映したものになる。
2)買主にとっては、実際の利用歴がわかるので、過去に事故があったかなどを心配する必要がない。また、事故や故障の履歴がある動産は、それを反映した安い価格で購入できる。
3)売主にとっては、動産の現状を反映した最大限の値付けができる。
4)機器の製造会社、リース会社、レンタル会社にとっては、万一の人身、物損事故の際、利用方法に誤りがあった場合には証拠データが提供でき、訴訟にまつわる費用が削減できる。企業によっては、訴訟費用をカバーする保険をかけている場合もあるが、将来的には、本発明にかかる知識活用システムを利用することで、この保険の掛け金を割引できるケースもありうる。
産業上の利用可能性
本発明にかかる知識活用装置では、ユーザシステムから送られた検知データを、センシングモデルを用いて、センシング方式に依存しないで対象の状態を表現する汎用的な情報である状態変数に変換するので、どこからでもそのユーザシステムの状態が監視できる汎用的な遠隔監視システムが実現できる。
また、自動制御できていなかった装置を、知識活用装置の支援により、簡単に自動制御の可能な装置に改造することができる。すなわち、あるユーザシステムを購入してきた人が、その型式を制御端末装置に入力するだけで、その型式のシステムを改造して成功した人の知識を簡単に利用可能となる。すなわち知識データの再利用性が可能となるとともに、その知識自体を商品化することも可能となる。
さらに、知識活用装置を通じて改造のために必要な製品を発注して入手できる。ユーザの手元にこうして、改造するためのこれらの製品がそろうと、ユーザは再度、そのユーザシステムの型式を入力して、入手した製品を炊飯器に取り付ける方法、制御端末装置に接続する方法の情報を知識活用装置から得る。これらの情報は、制御端末装置の画面に表示される。
また本発明にかかる知識活用システムでは、ユーザシステムが所定の状況になると、その状況に関連するサービスをNearby機能で得ることができ、ユーザにはサービス享受の利便性、サービスの提供者にはビジネス機会の拡大、知識活用システムのシステム管理者にはサービス業者を登録する登録料を得る、等の新たなビジネス創生が可能となる。 また本発明をレンタル機材の顧客選別ビジネスモデルに用いれば、優良な顧客に対してレンタル料のディスカウント等の利便を与えることも可能となる。
また本発明をリース機材のメンテナンス改善ビジネスモデルに用いれば、単にリース機材の使用状況を把握するだけではなく、より上位のリース空間でメンテナンス全般についての情報が得られる。
さらにまた本発明を中古動産の使用状況に関するデータ認証ビジネスモデルに用いれば、中古動産の使用状況実績に対して、第三者的な客観的なデータをビジネスとして提供するという新たなビジネスを創生することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は美味しいご飯を炊き上げる炊飯器の制御を行う知識活用システム1の概略図と、第1図(B)はその具体的な制御手順を示す状態ルートマップ上での最適経路を示している。
第2図は本発明に係る知識活用システムに用いられる状態空間ナビゲータを説明するための概念図である。
第3図は状態領域の内部構造を示す概念図である。
第4図は状態領域の統合についての概念図である。
第5図はアークを説明するための概念図である。
第6図はアークを説明するための概念図である。
第7図はアークによって起動されるアクションの、他のシステムへの作用を説明するための概念図である。
第8図(A)は、状態ルートマップ上で最適経路をどのようにして決定するのかの概念図である。第8図(B)は状態空間を構成する変数を減少させた場合の概念図である。
第9図は本発明に係る知識活用システムの構造を示す。
第10図はユーザシステム内の一般的な構成を表した概念図である。
第11図は第9図に示した知識活用装置内にある状態空間ナビゲータ内部構造図である。
第12図は状態変数アクセステーブルの概念図である。
第13図は、センシングモデルを用いたセンサー出力信号の変換処理に関する概念図である。
第14図は外部システムへのアークの実行過程を示す概念図である。
第15図は内部アクチュエータの起動過程を示す概念図である。
第16図は第9図に示す知識活用装置の知識ベースの全体構成図である。
第17図は状態変数辞書に含まれる状態変数アクセステーブルである。
第18図はブルトーザ運転の状態空間を表す概念図である。
第19図は第18図に示した代表的な運転状況を示すS1からS5の状態領域とその間のアーク、すなわち採るべくアクションを示した状態ルートマップである。
第20図はブルトーザレンタルのマニュアル配布サービスのフローチャートである。
第21図はユーザ評価サービスの具体的な手順を示すフローチャートである。
第22図はレンタル会社での処理手順を示すフローチャートである。
第23図は上部階層のブルトーザリースの状態空間の概念図である。
第24図はメンテナンス改善の状態ルートマップを示している。
第25図は例えばブルトーザの使用状況を、運転状況D、保守状況M、問題履歴C、の3つの状態変数を用いた状態空間の概念図である。

Claims (18)

  1. 処理対象であるユーザシステムに設置されたセンサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させる知識活用装置であり、当該ユーザシステムの個々のセンサーからの出力値を、当該既存の知識ベースに用いられたセンサーの出力値との比較に用いる汎用的な状態変数に変換することにより、ユーザシステムの現在状態を検出して、当該汎用的な状態変数で表された現在状態から当該既存の知識ベースを活用して当該目的状態に変位させる知識活用装置において、当該知識活用装置が:
    1)処理対象のシステムを特定する特定情報を受信し、かつ当該処理対象のシステムの現在状態を検知する当該センサーからの入力信号を標準化するために変換する信号変換手段を有する認識部と;
    2)前記処理対象のシステムの状態を記述する状態変数を特定する状態変数IDと特定情報の組み合わせのうちの1に対して1対1に対応づけられた1のセンシングモデルを、状態変数IDと特定情報の組み合わせの数だけ複数種類記憶した状態変数辞書を内蔵する知識ベースと;
    3)前記特定情報と前記状態変数IDを用いて、前記センシングモデルをセンシングモデル記憶手段から読み出して前記信号変換手段に設定するセンシングモデル設定手段と;
    4)前記センシングモデル設定手段によって特定のセンシングモデルを設定された前記信号変換手段が出力する状態変数を1つ以上得て、前記処理対象システムの現在状態を検出する現在状態検出手段;
    とで構成されたことを特徴とする知識活用装置。
  2. 処理対象であるユーザシステムに設置されたセンサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させる知識活用装置であり、当該ユーザシステムの個々のセンサーからの出力値を、当該既存の知識ベースに用いられたセンサーの出力値との比較に用いる汎用的な状態変数に変換することにより、ユーザシステムの現在状態を検出して、当該汎用的な状態変数で表された現在状態から当該既存の知識ベースを活用して当該目的状態に変位させる知識活用装置において、当該知識活用装置が:
    1)複数の状態領域間の変位をもたらすアークで特定される知識データを含む状態ルートマップを記憶する状態ルートマップ記憶手段を有する知識ベースと;
    2)最適経路を特定する状態空間ナビゲータであり、当該状態空間ナビゲータが、
    前記状態ルートマップに記述された状態領域間の変位手段として状態ルートマップに記述されたアークについて、当該アークの属性を抽出し、当該アークの属性に基づいて、そのアークを実行する場合の評価値を算出するアーク評価値算出手段と;
    対象システムの現在の状態位置を含む状態領域から、目標とする状態位置を含む状態領域に至る経路を複数個、アークの系列として抽出するとともに、その経路を構成する各アークの評価値を総合して、前記複数の各経路の評価値を算出する経路評価値算出手段と;
    前記経路評価値算出手段が経路の評価値とともに抽出した経路を比較して、評価値が最良となる最適経路を選択する最適経路選択手段とで構成された状態空間ナビゲータと;
    3)前記状態空間ナビゲータで選択された最適経路を構成するアークのデータを、最適経路の順に用いて実行するアクター部;
    とで構成されたことを特徴とする知識活用装置。
  3. 前記目的状態を表す状態領域に到達する以前に、前記複数のアークを実行することで到達した一つの状態領域内で、当該状態領域に関連する予め選択された特定のサービスやアクションを、実行またはユーザに認識させる手段を有する請求項記載の知識活用装置。
  4. 前記状態空間ナビゲータが、前記目的状態を表す状態領域に到達する以前に、前記複数のアークの内の一つを実行することで到達した特定の状態領域から所定の空間距離であるNearby範囲に存在する状態空間に、前記ユーザシステムの現在状態が前記特定の状態領域に設定されている状態に変位したら実行されるべき特定のサービスや アクション、或いはユーザに特定情報を認識させるアプリプログラムが起動するように予め登録しておき、各状態領域から他の状態領域へ移動するための具体的なアクションである一つのアークが実際に実行され前記特定の状態領域に到達したら、前記所定の空間距離に登録された前記特定のサービスやアクション或いは前記アプリプログラムが起動されるNearby機能を有する請求項記載の知識活用装置。
  5. 処理対象であるユーザシステムに設置されたセンサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させる知識活用装置に用いられ、状態空間内に存在する現在状態を表す状態領域から、前記既存の知識ベースを活用して、当該目的状態を表す状態領域に向かって、一つの状態領域間から次の状態領域への変位を表すアークを複数個たどりながら最適経路変位させることで、当該目的状態に至る一または複数個のアクションを決定するアクション決定手段である状態空間ナビゲータにおいて:
    1)対象システムの状態を示す状態変数を1つ以上、定期的にまたは要求があるごとに読み取る状態変数読み取り手段と;
    2)対象システムの状態空間内に設定された状態領域の範囲を各状態領域ごとに記憶する状態領域範囲記憶手段から当該状態領域を読み取る手段と;
    3)前記の各状態領域毎に実行可能なサービスを記憶することのできるサービス記憶手段から当該サービスを読み取る手段と;
    4)対象システムの状態変数の1つ以上によって示される現在の状態位置からフィードバック制御により収束可能な中心領域を内部に含む特定の状態領域を、前記状態領域範囲記憶手段から読み出した状態領域の範囲をもとに検出する検出手段と;
    5)前記検出手段で検出された特定の状態領域に実行可能なサービスが記憶されていた場合、そのサービスの実行を制御するサービス実行制御手段;
    とで構成されたことを特徴とする状態空間ナビゲータ。
  6. 処理対象であるユーザシステムに設置されたセンサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させる知識活用装置に用いられ、状態空間内に存在する現在状態を表す状態領域から、前記既存の知識ベースを活用して、当該目的状態を表す状態領域に向かって、一つの状態領域間から次の状態領域への変位を表すアークを複数個たどりながら最適経路変位させることで、当該目的状態に至る1または複数個のアクションを決定するアクション決定手段である状態空間ナビゲータにおいて:
    1)対象システムの状態を示す状態変数を1つ以上、定期的にまたは要求があるごとに読み取る状態変数読み取り手段と;
    2)対象システムの状態空間内に設定された状態領域の範囲を各状態領域ごとに記述するとともに、当該状態領域間の状態変位手段を記述した状態ルートマップを記憶した記憶手段から、当該状態ルートマップを読み出す手段と;
    3)到達すべきものとして指定された目的状態の状態位置までフィードバック制御により変位可能な中心領域を内部に含む特定の目的状態領域を、前記ルートマップを読み出す手段で読み出された状態ルートマップ上の前記状態領域の範囲をもとに検出する第1の検出手段と;
    4)対象システムの状態変数の1つ以上によって示される現在状態の状態位置からフィードバック制御により変位可能な中心領域を内部に含む特定の現在状態領域を、前記記憶手段から読み出した状態領域の範囲をもとに検出する第2の検出手段と;
    5)前記第2の検出手段で検出された前記現在状態領域から、前記第1の検出手段で検出された前記目的状態領域まで変位するための手段の系列である経路を、既存の知識データを用いた状態ルートマップから抽出する経路抽出手段と;
    6)前記経路抽出手段で抽出された経路で表現された状態変位手段の実行を制御する制御手段;
    とで構成されたことを特徴とする状態空間ナビゲータ。
  7. 処理対象であるユーザシステムに設置されたセンサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させる知識活用装置であり、当該ユーザシステムの個々のセンサーからの出力値を、当該既存の知識ベースに用いられたセンサーの出力値との比較に用いる汎用的な状態変数に変換することでユーザシステムの現在状態を検出して、当該汎用的な状態変数で表された現在状態から当該既存の知識ベースを活用して当該目的状態に変位させる知識活用装置において:
    1)通信ネットワークを介して、対象ユーザシステムからの目的要求を含む要求情報と、その対象ユーザシステムを特定する特定情報を受信する受信手段と;
    2)前記対象ユーザシステムを特定する特定情報の1に対して1対1に対応づけられた1の状態ルートマップを、特定情報の数だけ複数種類記憶する知識ベース内の状態ルートマップ記憶手段と;
    3)前記受信した特定情報を用いて、前記対象ユーザシステムの状態ルートマップを前記状態ルートマップ記憶手段から読み出してバッファに設定する読み出し手段と;
    4)前記対象ユーザシステムを特定する特定情報毎に予め登録されている対象ユーザシステムの状態変数を出力するセンサーをアクセスするためのアドレス情報と、その対象ユーザシステムの状態変数の基となる前記センサーの出力信号を加工して得るための汎用的センシングモデルを特定するセンシングモデル特定情報とを記憶する前記知識ベース内の状態変数アクセス情報記憶手段と;
    5)前記センシングモデル特定情報で特定される汎用的センシングモデルを記憶する前記知識ベース内のセンシングモデル記憶手段と;
    6)前記特定情報で特定される前記対象ユーザシステムと同一の汎用的センシングモデル特定情報と、前記対象ユーザシステムのセンサーへアクセスするアドレス情報を、前記知識ベース内の前記状態変数アクセス情報記憶手段から読み出す手段と;
    7)前記センシングモデル特定情報を用いて汎用的センシングモデルを読み出すセンシングモデル読み出し手段と;
    8)前記センサーのアクセス用のアドレス情報で特定されるセンサーからの信号を読み取り、該読み取ったセンサー信号から前記対象ユーザシステムの現在位置を前記汎用的センシングモデルの起点となる状態空間位置までフィードバック制御により変位させて、その後に前記対象ユーザシステムの状態を示す状態変数を前記汎用的センシングモデルに従って汎用的に制御可能な状態変数を生成する状態変数生成手段と;
    9)前記状態変数生成手段によって生成された汎用的な状態変数と、前記バッファに設定された前記状態ルートマップに予め登録された汎用的な制御手順に従い、前記対象ユーザシステムを汎用的に制御することにより前記受信手段が受信した前記対象ユーザシステムからの目的要求を実現する具体的なアクションを決定するアクション決定手段である状態空間ナビゲータと;
    10)前記状態空間ナビゲータによって決定されたアクションを出力する出力手段;
    とで構成されたことを特徴とする知識活用装置。
  8. 処理対象であるユーザシステムに設置された前記センサー、および前記状態空間ナビゲータによって決定されたアクションを実際に実行するアクチュエータの選択が、ユーザシステムから入力されたユーザシステムで必要とするセンサーおよびアクチュエータの仕様に基づき当該知識活用装置内のWebブラウザソフトを用いて一般的なセンサーやアクチュエータを含む複数の製品情報を提供するサイトからの詳細仕様に基づいて決定されており、一方前記知識活用装置の前記知識データも前記サイトからの前記複数の製品情報の詳細仕様に基づいて作成されており、前記ユーザシステムと前記知識データの製品情報は共通するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の知識活用装置。
  9. 処理対象であるユーザシステムに設置された前記センサー、および前記状態空間ナビゲータによって決定されたアクションを実際に実行するアクチュエータの設置方法を、前記ユーザシステムに設置された表示器に具体的に表示することができることを特徴とする請求項7記載の知識活用装置。
  10. 前記ユーザシステムに設置されたテレビカメラで前記センサーおよびアクチュエータの設置状況を受信して、前記知識活用装置側のオペレータが当該受信した画像を視認しながら前記ユーザシステムをマニュアルで制御出来るように構成されたことを特徴とする請求項9記載の知識活用装置。
  11. ユーザシステムに設置されたセンサーからの個別の信号を知識ベースの基礎となる状態変数に変換する処理対象ユーザシステムの状態認識装置において:
    処理対象を観測する1つまたは複数のセンサーからの信号を状態変数に変換するための信号変換手段と;
    前記センサーからの信号を状態変数に変換するセンシングモデルを、センサーを特定する情報によって読み出し可能に記憶したセンシングモデル記憶手段と;
    前記センサーを特定するセンサー特定情報を受信するセンサー特定情報受信手段と;
    前記センサー特定情報受信手段が受信したセンサー特定情報を用いて、センシングモデルをセンシングモデル記憶手段から読み出して前記信号変換手段に設定するセンシングモデル設定手段と;
    前記センシングモデル設定手段によってセンシングモデルを設定された前記信号変換手段が出力する状態変数を1つ以上得て、前記処理対象システムの現在状態を検出する現在状態検出手段;
    とで構成されたことを特徴とする処理対象システムの状態認識装置。
  12. 対象システムの状態に応じたサービスを読み出すNearby機能を有するNearby読み出し装置において:
    対象を観測する1つ以上のセンサーからの信号を状態変数に変換するための信号変換手段と;
    前記センサーからの信号を状態変数に変換するセンシングモデルを、センサーを特定する情報によって読み出し可能に記憶したセンシングモデル記憶手段と;
    前記状態変数を1つ以上用いて定められる状態空間に設定された領域について、その領域の状態空間内の存在範囲と、前記対象システムの状態位置が前記状態空間内に変位した時点で実行されるべきサービスに関するサービス情報を予め記憶する状態領域記憶手段と;
    前記センサーを特定する情報を受信するセンサー特定情報受信手段と;
    前記センサー特定情報受信手段が受信したセンサー特定情報を用いて、センシングモデルをセンシングモデル記憶手段から読み出して前記信号変換手段に設定するセンシングモデル設定手段と;
    前記センシングモデル設定手段によってセンシングモデルを設定された前記信号変換手段が出力する状態変数を1つ以上得て、前記処理対象システムの現在状態を検出する現在状態検出手段と;
    前記状態領域記憶手段の記憶する領域の存在範囲を、前記現在状態検出手段の検出した現在状態とを比較し、現在状態を内包する領域に前記サービス情報が記憶されていれば、該サービス情報を読み出すサービス情報読み出し手段;
    とで構成されることを特徴とする対象システムの状態に応じたサービスの読み出しを行うNearby読み出し装置。
  13. 状態空間内の状態領域から他の状態領域へ状態を変位させる状態変位制御装置において:
    対象を観測する1つ以上のセンサーからの信号を状態変数に変換するための信号変換手段と;
    前記センサーからの信号を状態変数に変換するセンシングモデルを、センサーを特定する情報によって読み出し可能に記憶したセンシングモデル記憶手段と;
    前記状態変数を1つ以上用いて定められる状態空間に設定された領域について、その領域の状態空間内の存在範囲と、その領域内には汎用的な知識データ内に記憶された制御手順の制御開始位置として設定されている中心点の位置が記憶されており、前記中心点はそれを開始位置として状態空間内の特定の位置に変位する手段と関連付けて記憶されているとともに、前記中心点を内包する領域はその内部の任意の位置から前記中心点まで、この中心点と前記任意の位置の間の変位ベクトルを用いたフィードバック制御によって前記中心点の位置まで到達できるものである領域を記憶する領域記憶手段と;
    前記センサーを特定する情報を受信するセンサー特定情報受信手段と;
    前記センサー特定情報受信手段が受信したセンサー特定情報を用いて、センシングモデルをセンシングモデル記憶手段から読み出して前記信号変換手段に設定するセンシングモデル設定手段と;
    前記センシングモデル設定手段によってセンシングモデルを設定された前記信号変換手段が出力する状態変数を1つ以上得て、前記処理対象システムの現在状態を検出する現在状態検出手段と;
    前記状態領域記憶手段の記憶する領域の存在範囲を、前記現在状態検出手段の検出した現在状態とを比較して、現在状態を内包する領域に設定されている中心点位置および中心点位置を開始位置として変位できる特定位置まで変位する手段を用いる状態変位のための指令を生成する指令生成手段;
    とで構成されたことを特徴とする状態変位制御装置。
  14. ユーザシステム内に設けられたセンサーシステムにおいて:
    前記ユーザシステム内に設置されたセンサーを設定する対象の識別情報を受け取り、該対象へのセンサーの設置または調整に必要な情報を保持した前記知識活用装置に、その識別情報を送信する識別情報送信手段と;
    送信した前記識別情報に含まれるIDを有する情報であって、請求項1記載の知識活用装置から返信される対象へのセンサーの設置又は調整のための情報を受信する設置調整情報受信手段と;
    受信した設置または調整のための情報を、設置又は調整の作業をする作業者に提供する情報提供手段と;
    前記センサーと通信して対象の状態を示す情報を得る通信手段と;
    前記通信手段を用いて得たセンサーからの前記情報を前記知識活用装置に送信するセンシング情報送信手段;
    とを具備するセンサーシステム。
  15. 処理対象であるユーザシステムに設置されたセンサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させる知識活用システムにおいて:
    請求項1記載の知識活用装置と;
    前記ユーザシステム内に設けられた対象装置に対する入出力手段であって、当該ユーザシステム内の当該対象装置に設置されたセンサーおよびアクチュエータの設置、調整に用いられる端末制御装置とで構成されており、
    前記端末制御装置は、前記ユーザシステム内に設置されたセンサーまたはアクチュエータを設定する対象の識別情報を受け取り、該対象へのセンサーまたはアクチュエータの設置または調整に必要な情報を保持した前記知識活用装置に、その識別情報を送信する識別情報送信手段と;
    送信した前記識別情報に含まれるIDを有する情報であって、前記知識活用装置から返信される対象へのセンサーまたはアクチュエータの設置又は調整のための情報を受信する設置調整情報受信手段と;
    受信した設置または調整のための情報を、設置又は調整の作業をする作業者に提供する情報提供手段とを具備し;さらに
    前記知識活用装置は、前記端末制御装置から通信網を経由して送られた当該前記センサーからの情報をもとに、既存の知識ベースを活用して当該ユーザシステムの現在状態をユーザにより目標指定された目的状態に変位させるために、当該ユーザシステムの個々のセンサーからの出力値を、当該既存の知識ベースに用いられたセンサーの出力値との比較に用いる汎用的な状態変数に変換することで当該ユーザシステムの現在状態を検出して、当該汎用的な状態変数で表された現在状態から当該既存の知識ベースを活用してユーザにより目標指定された目的状態に変位させるように、センサーまたはアクチュエータの設置又は調整のための情報を前記端末制御装置へ送信するように構成されたことを特徴とする知識活用システム。
  16. 機材あるいは装置の使用状況をセンサーで検知してレンタルあるいはリース料を求める料金調整方法において:
    請求項15記載の知識活用システム内の端末制御装置に前記使用状況を示すセンサー情報を入力し;
    前記知識活用システム内の知識活用装置が有する状態空間ナビゲータの状態ルートマップに記述された複数の状態領域であり、前記センサーが前記知識活用装置により制御されることで、該機材あるいは装置が現在状態から前記目標指定された目的状態に変位する途中に通過する複数の状態領域の通過回数をカウントして使用実績データを作成し;
    前記使用実績データに応じた予め設定された当該機材あるいは装置のレンタルあるいはリース料を求める;
    という各ステップで構成された料金調整方法。
  17. 機材あるいは装置の使用状況をセンサーで検知して必要とするメンテナンスを決定する遠隔監視方法において:
    請求項15記載の知識活用システム内の端末制御装置に前記使用状況を示すセンサー情報を入力し;
    前記知識活用システム内の知識活用装置が有する状態空間ナビゲータの状態ルートマップに記述された複数の状態領域であり、前記センサーが前記知識活用装置により制御されることで、該機材あるいは装置が現在状態から前記目標指定された目的状態に変位する途中に通過する複数の状態領域の通過回数をカウントして使用実績データを作成し;
    前記使用実績データに応じた予め設定された当該機材あるいは装置が必要とするメンテナンスを求める;
    という各ステップで構成された遠隔監視方法。
  18. 機材あるいは装置の使用状況をセンサーで検知して使用状況に関するデータを認証するデータ認証方法において:
    請求項15記載の知識活用システム内の端末制御装置に前記使用状況を示すセンサー情報を入力し;
    前記知識活用システム内の知識活用装置が有する状態空間ナビゲータの状態ルートマップに記述された複数の状態領域であり、前記センサーが前記知識活用装置により制御されることで、該機材あるいは装置が現在状態から前記目標指定された目的状態に変位する途中に通過する複数の状態領域の通過回数をカウントして使用実績データを作成し;
    前記使用実績データに応じた使用状況に関するデータを認証する;
    という各ステップで構成されたデータ認証方法。
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