JP3800303B2 - 不快グレア評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明空間(照明環境)における不快グレアを評価する不快グレア評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、照明設計を行なう場合、屋内の不快グレアの影響が考慮される。この屋内の不快グレアを評価する方法には、例えば、CIE(国際照明委員会)が推奨するUGR評価方法(参考文献:CIE Pub.117 [Discomfort glare in interior lighting](1995))がある。
【0003】
UGR評価方法による不快グレアの評価では、観測点を照明空間(仮想空間)の壁面中央の高さ1.2mに置き、注視点すなわち視線方向を床面に対して水平、壁面に対して垂直とし、数式1によって求めるようにしている。Lは光源輝度、ωは光源立体角、Lbは背景輝度、Pは位置指数である。すなわち、視野全体から受ける不快グレアを評価するように定められている。ただし、この条件以外での評価については指定がない。
【0004】
【数1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、UGR評価方法では、視野全体から受ける不快グレアを評価するように定められているため、ある視線方向において視野内のどの方向から不快グレアを受けるかは評価できず、予測の評価と実際の評価とが必ずしも一致しない不都合がある。例えば、照明空間に視線方向に近い光源と遠い光源とがある場合、UGR評価方法では、両光源の不快グレアの程度が同等となるが、実際は視線に近い光源からまぶしさを強く感じることがある。
【0006】
照明設計を行なう場合、視線方向が一定方向に定められた評価では不快グレアの対策が十分でなく、視線方向をあらゆる方向に向けたときでも評価できることが必要である。
【0007】
また、UGR評価方法では、実際の照明空間における光源情報を取得しての不快グレアの評価に関しては定められていない。この実際の照明空間における光源情報を取得するには、例えば、照明空間をデジタルカメラで撮影し、撮影画像から光源情報を抽出することになるが、撮影画像からでは、光源とみなす輝度レベルの設定や光源の立体角の設定などを適切に設定しないと光源情報を適切に抽出できないおそれがあり、さらに、デジタルカメラによる撮影画角外からの光源の影響を考慮しないと、不快グレアの評価の精度が低下してしまう。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、不快グレアを適切に評価できる不快グレア評価装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の不快グレア評価装置は、照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータとともに、観測点からの視線方向および光源方向に関する情報を入力する入力手段と;入力手段からの入力に基づき、視線方向と光源方向とのなす角度θに応じた補正係数c=2・107・θ-4.7253を求めるとともに、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源の立体角をωおよび光源の位置指数をp、補正係数をcとするとき、光源の不快グレア分布を
の式で求める演算手段と;演算手段で求められる不快グレア分布をその分布の大きさに応じた円で表示する表示手段と;を具備しているものである。
【0010】
そして、視線方向と光源方向とを考慮した不快グレア分布を、UGR評価方法の式をもとに、補正係数cを用いて求めることにより、視線方向と光源方向とが考慮されて、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかが評価される。
【0011】
請求項2記載の不快グレア評価装置は、照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータとともに、観測点からの視線方向および光源方向に関する情報を入力する入力手段と;入力手段からの入力に基づき、視線方向と光源方向とのなす角度θに応じた補正係数c=2・107・θ-4.7253を求めるとともに、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源の立体角をωおよび光源の位置指数をp、補正係数をcとするとき、不快グレア方向を
の式で求める演算手段と;演算手段で求められる不快グレア方向を矢印で表示する表示手段と;を具備しているものである。
【0012】
そして、視線方向と光源方向とを考慮した不快グレア方向を、UGR評価方法の式をもとに、補正係数cを用いて求めることにより、視線方向と光源方向とが考慮されて、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかが評価される。
【0013】
請求項3記載の不快グレア評価装置は、照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータとともに、光源方向に関する情報を入力する入力手段と;入力手段からの入力に基づき、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源の立体角をωおよび光源の位置指数をp、補正定数をc´=0.23とするとき、照明空間全体の不快グレアの程度を
の式で求める演算手段と;演算手段で求められる照明空間全体の不快グレアの程度を表示する表示手段と;を具備しているものである。
【0014】
そして、光源方向を考慮した照明空間全体の不快グレアの程度が、UGR評価方法の式をもとに、補正定数c´を用いて求められる。
【0015】
請求項4記載の不快グレア評価装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の不快グレア評価装置において、入力手段は、照明空間の撮影画像の情報を入力するものである。
【0016】
そして、入力手段で照明空間の撮影画像の情報を入力するので、実際の照明空間での不快グレアの評価が可能となる。
【0017】
請求項5記載の不快グレア評価装置は、照明空間の撮影画像の情報、および撮影条件の情報を入力する入力手段と;入力手段からの入力に基づき、照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータを求め、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源の立体角をωおよび光源の位置指数をp、撮影条件に対応した補正係数をAおよびBとするとき、照明空間全体の不快グレア指数を
の式で求める演算手段と;演算手段で求められる照明空間全体の不快グレア指数を表示する表示手段と;を具備しているものである。
【0018】
そして、照明空間の撮影画像の情報を入力して不快グレアを評価する際、照明空間全体の不快グレア指数を、UGR評価方法の式をもとに、撮影条件に対応した補正定数AおよびBを用いて簡易的に求め、撮影画角外からの光源の影響を考慮して不快グレアを評価する。
【0019】
請求項6記載の不快グレア評価装置は、請求項4または5記載の不快グレア評価装置において、演算手段は、照明空間の撮影画像から得られる輝度データに基づいて光源とみなす輝度レベルを検出し、検出された輝度レベルに基づいて撮影画像から光源情報を抽出するものである。
【0020】
そして、照明空間の撮影画像から得られる輝度データに基づいて光源とみなす輝度レベルを検出することにより、光源とみなす輝度レベルを適切に設定し、検出された輝度レベルに基づいて撮影画像から抽出する光源情報を正確にする。
【0021】
請求項7記載の不快グレア評価装置は、請求項5記載の不快グレア評価装置において、入力手段は、実測された光源の輝度を入力し、演算手段は、実測された光源の輝度を光源とみなす輝度レベルとして設定し、設定された輝度レベルに基づいて照明空間の撮影画像から光源情報を抽出するものである。
【0022】
そして、実測された光源の輝度を光源とみなす輝度レベルとして設定することにより、光源とみなす輝度レベルを適切に設定し、設定された輝度レベルに基づいて照明空間の撮影画像から抽出する光源情報を正確にする。
【0023】
請求項8記載の不快グレア評価装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の不快グレア評価装置において、入力手段は、照明空間の撮影画像の情報を入力し、演算手段は、照明空間の撮影画像に基づいて観測点からの光源の立体角を求めるとともに、求められた立体角を光源の面積に対して補正するものである。
【0024】
そして、照明空間の撮影画像に基づいて観測点からの光源の立体角を求めるとともに、求められた立体角を光源の面積に対して補正し、撮影画像から求められた立体角の誤差を適切に補正する。
【0025】
請求項9記載の不快グレア評価装置は、請求項1ないし8いずれか一記載の不快グレア評価装置において、入力手段は、不快グレア算出の情報を入力して演算手段により演算した後に、新たな光源の情報を入力し、演算手段は、入力手段で入力された新たな光源の情報をもとに不快グレアを再計算するものである。
【0026】
そして、不快グレアを演算した後に、新たな光源の情報を入力することにより、新たな光源の情報をもとに不快グレアを再計算することで、光源に応じた不快グレアをシミュレーションする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の不快グレア評価装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0028】
図1ないし図5に不快グレア評価装置の前提となる技術を示し、図1は不快グレア評価装置の構成図、図2(a)は不快グレアの評価を行なう照明空間の平面図、図2(b)は不快グレアの評価を行なう照明空間の正面図、図3は予測の不快グレア分布図、図4は別の予測の不快グレア分布図、図5は実測の不快グレア分布図である。
【0029】
図1において、1はコンピュータなどの演算手段としての演算装置で、この演算装置1には、入力手段としての入力装置2、ディスプレイなどの表示手段としての表示装置3が接続されている。
【0030】
入力装置2は、設計段階での室内などの照明空間(仮想空間)つまり照明環境の不快グレアを評価する場合の数値情報などの入力と、施工後の実際の室内などの照明空間の不快グレアを評価する場合の画像情報などの入力とがある。設計段階における不快グレア評価では、入力装置2として例えばキーボードなどが用いられ、照明空間の数値データ、光源(グレア源)条件および観測条件などが入力される。光源条件としては、光源および照明器具の種類、光源および照明器具の照明空間における配設位置、発光面の形状および大きさなどが含まれ、また、観測条件としては、観測点(観測位置)および注視点(仰角、俯角なども含む)などが含まれる。実際の照明空間における不快グレア評価では、入力装置2として例えばデジタルカメラなどが用いられ、デジタルカメラで撮像される照明空間の撮像画像の情報などが入力される。したがって、入力装置2から演算装置1には、照明空間の光源の輝度、照明空間における観測点からの視線方向および光源方向に関する情報が入力される。
【0031】
演算装置1は、入力装置2で入力される情報(数値情報または撮影画像情報)から照明空間の光源の輝度L(cd/m2)、照明空間における観測点からの視線方向および光源方向、視線方向と光源方向とのなす角度θ(sr)を求めるとともに、光源の不快グレアの指標をGeq=L/θ2の式で求める。光源が複数ある場合には各光源について不快グレアの指標を求める。このようにして求められる各光源の不快グレアの指標に応じて、演算装置1の不快グレア表示制御手段の機能により照明空間における不快グレア分布を表示装置3で表示させる。
【0032】
次に、図2において、不快グレアの評価を行なう照明空間(設計上の仮想空間)の一例を示し、設計上での照明空間における不快グレアの評価について説明する。
【0033】
照明空間は、四方を壁面で囲まれ、天井面に光源としての照明器具11が配置される。例えば、照明空間の間口bが4.8m、奥行きdが7.0m、天井高さhが2.6mで、天井面の照明器具11が奥行き方向に2列で各列4台として計8台が配設される。
【0034】
このような照明空間において、例えば、観測点を、一方の間口側で、A点(左壁面から距離2.4、奥行き0.2、高さ1.2)と、B点(左壁面から距離1.4、奥行き0.2、高さ2.6)とし、観測点Aからの注視点をP1(左壁面から距離2.4、奥行き7.0、高さ1.2)、観測点Bからの注視点をP2(左壁面から距離4.8、奥行き3.5、高さ1.2)として、不快グレアを評価するものとする。
【0035】
入力装置2により、上述のように照明空間の情報、光源情報および観測情報などの情報を演算装置1に入力する。
【0036】
このような入力情報から、演算装置1は、各照明器具11の輝度L、照明空間における観測点からの視線方向および各光源方向(各照明器具11の方向)、視線方向と各光源方向とのなす角度θをそれぞれ求め、各照明器具11の不快グレアの指標をGeq=L/θ2の式で求める。このような演算は各照明器具11について個々に実行する。
【0037】
このようにして求められる各照明器具11の不快グレアの指標を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
さらに、各照明器具11の不快グレアの指標に応じて、演算装置1の不快グレア表示制御手段の機能により照明空間における不快グレア分布を、図3または図4に示すように表示装置3に表示させる。なお、図3および図4には、不快グレアの指標の大きさを円(バブル)で表示し、円の直径が大きいほど指標が大きく、円の直径が小さいほど指標が小さいことを表している。
【0040】
図3は、観測点Aからの注視点P1に視線方向を向けた場合の不快グレア分布で、視線方向に対応した奥側の照明器具11から不快グレアを感じることを予測している。
【0041】
図4は、観測点Bからの注視点P2に視線方向を向けた場合の不快グレア分布で、視線方向に対応した右列側で、特に手前側から2台目の照明器具11から不快グレアを最も感じることを予測している。
【0042】
次に、実際の現場での照明空間における不快グレアの評価について説明する。この場合の照明空間は、上述した設計上で示した照明空間と同様の大きさ、および照明器具11の配置であり、また、観測点Aからの注視点P1を観測する(但し、観測点Aおよび注視点P1の位置は、設計段階とは多少異なる)。
【0043】
入力装置2としてデジタルカメラを用い、照明空間の観測点から、デジタルカメラの画角の中央を注視点すなわち視線方向に合わせて撮影し、この画像情報を演算装置1に入力する。
【0044】
演算装置1は、入力された画像情報から各照明器具11の位置および輝度L、視線方向および各光源方向(各照明器具11の方向)、視線方向と各光源方向とのなす角度θを求め、各照明器具11の不快グレアの指標をGeq=L/θ2の式で求める。このような演算は各照明器具11について個々に実行する。
【0045】
このようにして求められる各照明器具11の不快グレアの指標を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
さらに、各照明器具11の不快グレアの指標に応じて、演算装置1の不快グレア表示制御手段の機能により照明空間における不快グレア分布を、図5に示すように表示装置3に表示させる。なお、図5には、不快グレアの指標の大きさを円(バブル)で表示し、円の直径が大きいほど指標が大きく、円の直径が小さいほど指標が小さいことを表している。
【0048】
表2および図5からわかるように、上述した設計段階での予測で求められた表1および図4と同様に、視線方向に対応した奥側の照明器具11から不快グレアを感じることが実測された。
【0049】
このように、光源の輝度L、および視線方向と光源方向とのなす角度θから、光源の不快グレアの指標をGeq=L/θ2の式で簡単に求めることができるとともに、この不快グレアの指標に応じた不快グレア分布を表示することができ、視線方向と光源方向とを考慮して、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかを評価できる。
【0050】
しかも、光源の不快グレアの指標をGeq=L/θ2の式で簡単に求めることができるため、演算装置1による演算速度を高速化でき、不快グレアの評価を迅速に行うことができる。
【0051】
次に、図6ないし図10に不快グレア評価装置の実施の形態を示す。図6は不快グレア評価装置による評価のための手順を説明するフローチャート、図7は視線方向と光源方向とのなす角度に応じた補正係数を示すグラフ、図8は照明空間を撮影した撮影画像の模式図、図9は実測の不快グレア分布図、図10は主観評価実験による不快グレア分布図である。
【0052】
不快グレア評価装置の構成は、上述した図1に示される構成と同様に、演算装置1、入力装置2および表示装置3で構成される。
【0053】
入力装置2は、設計段階での室内などの照明空間(仮想空間)の不快グレアを評価する場合の数値情報などの入力と、施工後の実際の室内などの照明空間の不快グレアを評価する場合の画像情報などの入力とがある。設計段階における不快グレア評価では、入力装置2として例えばキーボードなどが用いられ、照明空間の数値データ、光源条件および観測条件などが入力される。光源条件としては、光源の種類および照明空間における配設位置、発光面の形状および大きさなどが含まれ、また、観測条件としては、観測点(観測位置)および注視点(仰角、俯角なども含む)などが含まれる。実際の照明空間における不快グレア評価では、入力装置2として例えばデジタルカメラ、照度計、輝度計などが用いられ、デジタルカメラで撮像される照明空間の撮像画像の情報などが入力される。したがって、入力装置2から演算装置1には、照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータとともに、観測点からの視線方向および光源方向に関する情報が入力される。
【0054】
演算装置1は、入力装置2で入力される情報(数値情報または撮影画像情報)に基づき、図6に示すように、照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア(UGR)の算出のためのパラメータ求め、視線方向と光源方向とのなす角度に応じて補正係数を求め、これらパラメータと補正係数とから、不快グレア分布および不快グレア方向を求める。さらに、UGR評価方式の式をもとに、補正定数を用いて、照明空間全体の不快グレアの程度を求める。
【0055】
不快グレアの評価は、原則的に上述した数式1に示されるUGR評価方式の式に基づいて行なわれる。UGRの式に用いられる光源輝度Lは、照明器具11の発光面の輝度〔cd/m2〕を示す。光源立体角(sr)ωは、観測点を中心とする照明器具11の発光面の立体角を示す。背景輝度Lbは、壁面などの背景の輝度〔cd/m2〕を示し、室内の形状、壁面の反射率、照明器具11の型番、位置および配光、間接照度と直接照度などによって定まる。位置指数pは、観測点と照明器具11との位置関係を示し、注視点すなわち視線方向R、観測点からの照明器具11の位置までの水平距離T、高さHなどの条件において、UGR評価方法で定められたH/R、T/Rの位置関係から求められる。
【0056】
そして、演算手段1は、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源立体角をωおよび光源の位置指数をp、補正係数をcとするとき、不快グレア分布を次の数式2で求める。ここで、不快グレア分布とは、各光源毎の不快グレアの程度をいう。
【0057】
【数2】
【0058】
不快グレア方向を次の数式3で求める。ここで、不快グレア方向とは、視線方向に対する照明空間全体から受ける不快グレアの方向(ベクトル)をいう。
【0059】
【数3】
【0060】
補正係数cは、視線方向と光源方向とのなす角度をθとするとき、c=2・107・θ-4.7253で求めるもので、主観評価実験から図7に示すように求められたものであり、視線方向と光源方向とを考慮して、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかを評価できるようにするものである。
【0061】
さらに、演算手段1は、補正定数をc´とするとき、照明空間全体の不快グレアの程度を次の数式4で求める。
【0062】
【数4】
【0063】
補正定数c´は0.23である。
【0064】
このようにして求められる各光源の不快グレア分布および不快グレア方向に応じて、演算装置1の不快グレア表示制御手段の機能により照明空間における不快グレア分布および不快グレア方向を表示装置3で表示させ、さらに照明空間全体の不快グレアの程度を表示装置3で表示させる。
【0065】
次に、図8において、実際の現場での照明空間における不快グレアの評価について説明する。この場合の照明空間は、例えば、照明空間の間口が4.8m、奥行きが7.0m、天井高さが2.7mで、天井面の照明器具11が奥行き方向に2列で各列4台として計8台が配設される。
【0066】
照明空間の手前中央の観測点Dから、照明空間の右奥の隅の注視点P3を観測するものとする。
【0067】
入力装置2としてデジタルカメラを用い、照明空間の観測点Dから、デジタルカメラの画角の中央を注視点P3すなわち視線方向に合わせて撮影し、さらに、視線方向に合わせた方向の照度および輝度を照度計および輝度計で測定する。このとき、照度計の受光部から見た測定画角とデジタルカメラの撮影画角とが相似形となるようにして、デジタルカメラの撮影画角外からの光を遮断し、撮影画角内だけの照度を測定できるようにするフードを用いる。
【0068】
このように撮像された撮影画像情報と、測定された照度および輝度とを演算装置1に入力する。
【0069】
演算装置1は、入力された画像情報から輝度データを取得し(撮影範囲内の1点を輝度計で測定した値で補正する)、この輝度データから、パラメータのうち、光源輝度L、光源立体角ω、および位置指数pを求める。さらに、光源輝度Lと光源立体角ωとから光源直射照度を求め、照度計で測定された光源間接照度から光源直接照度を減算して撮影画角間接照度を求め、撮影画角間接照度と画角の立体角とからパラメータの1つの背景輝度Lbを求める。さらに、視線方向と光源方向とのなす角度θから、補正係数cを2・107・θ-4.7253の式で求める。
【0070】
このようにして得られた光源輝度L、背景輝度Lb、光源立体角ωおよび位置指数pを含むパラメータ、補正係数cに基づき、演算装置1は、数式2で不快グレア分布を求め、数式3で不快グレア方向を求め、数式4で照明空間全体の不快グレアの程度を求める。
【0071】
さらに、各照明器具11の不快グレアの指標に応じて、演算装置1の不快グレア表示制御手段の機能により照明空間における不快グレア分布および不快グレア方向を、図9に示すように表示装置3に表示させる。なお、図9には、不快グレア分布の大きさを円(バブル)で表示し、円の直径が大きいほど指標が大きく、円の直径が小さいほど指標が小さいことを示し、また、視線方向および不快グレア方向(ベクトル)を矢印で示している。不快グレア方向の単位ベクトルは、X=−0.11、Y=0.94、Z=0.31となった。照明空間全体の不快グレアの程度は23.7であった。
【0072】
したがって、図9からわかるように、視線方向に対して左上前方の照明器具11から不快グレアを感じることが実測された。
【0073】
また、図10に主観評価実験による主観評価結果を示し、この主観評価実験は28名で行ない、相対的にまぶしいと感じた照明器具11をチェックし、その座数を示している。この主観評価においても、右奥の照明器具11から不快グレアを最も感じており、その傾向は図9で示した評価結果と同様となった。
【0074】
また、設計段階での不快グレアの評価は、入力装置2により、光源の種類および仮想空間における配設位置、発光面の形状および大きさなどの光源条件、観測位置および注視点などの観測条件など、光源輝度、背景輝度、光源立体角および位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータに関する情報とともに、観測点からの視線方向および光源方向に関する情報が入力される。演算装置1では、この入力情報に基づき、上述したように、光源輝度L、背景輝度Lb、光源立体角ωおよび位置指数pを含むパラメータと、補正係数cとを求め、数式2で不快グレア分布を求め、数式3で不快グレア方向を求め、数式4で照明空間全体の不快グレアの程度を求め、表示装置3で表示する。
【0075】
このように、光源の輝度、背景の輝度、光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータと、視線方向と光源方向とのなす角度に応じた補正係数とから、不快グレア分布および不快グレア方向を求めることにより、視線方向と光源方向とを考慮して、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかを評価できる。
【0076】
しかも、視線方向と光源方向とを考慮した不快グレア分布、不快グレア方向、および照明空間全体における不快グレアの程度は、UGR評価方法の式(数式1)をもとに、補正係数cを用いて、数式2および数式3で求めることができる。
【0077】
さらに、光源方向を考慮した照明空間全体の不快グレアの程度を、UGR評価方法の式をもとに、補正定数c´を用いて、数式4で求めることができる。
【0078】
また、入力装置2で、照明空間の撮影画像の情報を入力することにより、実際の照明空間での不快グレアを評価することができる。
【0079】
なお、光源の輝度、背景の輝度、光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータと、視線方向と光源方向とのなす角度に応じた補正係数とから、照明空間全体の不快グレアの程度を求めることにより、視線方向と光源方向とを考慮して、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかを評価できる。
【0080】
また、実際の照明空間をデジタルカメラなどで撮影して不快グレアを評価する場合には、器具タイプに応じてタイプ別補正係数Cを用いることにより、UGR評価方法の式(数式1)をもとに、次の数式5で照明空間全体の不快グレアを求めることができる。
【0081】
【数5】
【0082】
器具タイプに応じたタイプ別補正係数Cは次の表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】
また、実際の照明空間をデジタルカメラなどで撮影して不快グレアを評価する場合には、光源とみなす輝度レベルを適切に設定することにより、撮影画像から光源情報を正確に抽出することができる。この輝度レベルの設定には、輝度データのデータ処理、輝度計による実測、適正な規定値の適用などがある。
【0085】
輝度データのデータ処理では、演算装置1により照明空間の撮影画像から得られる輝度データからデータ処理によって光源とみなす輝度レベルを設定するものである。データ処理では、例えば、図11に示すように、撮影画像の輝度データから、図中の丸円で囲んだ一部の光源(照明器具11)について、背景に対して輝度の差が大きい光源(照明器具11)のエッジ部分を抽出し、このエッジ部分の輝度データから輝度レベルを算出するもので、実際に撮影画像から輝度レベルを算出した例では570cd/m2であった。このように、照明空間の撮影画像から得られる輝度データに基づいて光源とみなす輝度レベルを検出することにより、光源とみなす輝度レベルを適切に設定でき、検出された輝度レベルに基づいて撮影画像から抽出する光源情報を正確にでき、不快グレア評価の精度を向上できる。
【0086】
輝度計による実測では、輝度計によって光源の輝度を実測し、入力装置2にて入力することにより、演算装置1により実測された光源の輝度を光源とみなす輝度レベルとして設定する。このように、実測された光源の輝度を光源とみなす輝度レベルとして設定することにより、光源とみなす輝度レベルを適切に設定でき、設定された輝度レベルに基づいて照明空間の撮影画像から抽出する光源情報を正確にでき、不快グレア評価の精度を向上できる。
【0087】
適正な規定値の適用では、演算装置1により光源とみなす輝度レベルを変化させて試験した結果、図12に示すように、輝度レベルを約500cd/m2程度に設定することで好ましい結果が得られた。これは、500cd/m2程度では、背景輝度の反射率が高い部屋であっても、その背景輝度は平均で100cd/m2に満たないため、光源のみを正確に抽出されるのに十分であり、また、500cd/m2より低すぎると光源の周囲の背景部分も光源として抽出してしまい、500cd/m2より高すぎると抽出できない光源が発生するおそれがある。このように、適正な規定値を光源とみなす輝度レベルとして設定することにより、光源とみなす輝度レベルを適切に設定でき、設定された輝度レベルに基づいて照明空間の撮影画像から抽出する光源情報を正確にでき、不快グレア評価の精度を向上できる。
【0088】
また、演算手段3により、光源の立体角を求めて不快グレアを評価する場合であって、実際の照明空間をデジタルカメラなどで撮影して不快グレアを評価する場合には、撮影画像に基づいて観測点からの光源の立体角を求めるとともに、求められた立体角を光源の面積に対して補正することにより、撮影画像から求められた立体角の誤差を適切に補正することができる。なお、光源の面積は実測値または設計上の理論値である。
【0089】
例えば、図13に示すように、フラットカバー付きの照明器具11を8台取り付けた場合、撮影画像から求められる照明器具11の立体角の測定値と、求められた立体角を照明器具11の面積に対して補正した計算値とを表4に示す。なお、手前側を1列目、奥側を4列目とする。
【0090】
【表4】
【0091】
そして、この例で、配光から算出したUGR計算値は20.9、光源の輝度レベルを500cd/m2にしたときのUGR計算値は20.1、光源の立体角を補正したUGR計算値は20.5であった。立体角を補正することにより、配光から算出したUGR計算値を算出した場合との差が小さくなった。
【0092】
また、実際の照明空間をデジタルカメラなどで撮影して不快グレアを評価する場合、デジタルカメラで撮影される撮影画角外からの光源の影響を考慮することにより、デジタルカメラで全視野を撮影できなくても、全視野を考慮した不快グレアの評価ができる。
【0093】
そして、図14に撮影画角外からの光源の影響を考慮した場合の手順のフローチャートを示す。
【0094】
まず、デジタルカメラで撮影し、デジタルカメラの撮影画角に合わせた方向の照度および輝度を照度計および輝度計で測定する。このときの撮影画像の模式図を図15(a)に示し、撮影画角照度は22.71lx、撮影画角内の背景輝度は10.45cd/m2であった。なお、照度計の受光部から見た測定画角とデジタルカメラの撮影画角とが相似形となるようにして、デジタルカメラの撮影画角外からの光を遮断し、撮影画角内だけの照度を測定できるようにするフードを用いる。
【0095】
このように撮像された撮影画像情報と、測定された照度および輝度とを演算装置1に入力し、演算装置1は、入力された画像情報から輝度データを作成し(撮影範囲内の1点を輝度計で測定した値で補正する)、この輝度データから、パラメータのうち、光源輝度L、光源立体角ω、および位置指数pを求める。さらに、光源輝度Lと光源立体角ωとから光源直射照度を求め、照度計で測定された撮影画角照度と光源直接照度とから撮影画角間接照度を求め、撮影画角間接照度と画角の立体角とからパラメータの1つの撮影画角背景輝度Lbを求める。
【0096】
撮影画角内および全視野の背景輝度は一様と仮定し、撮影画角の立体角と全視野の立体角の比から全視野の背景輝度を算出する。このとき、使用したデジタルカメラの撮影画角の立体角と全視野の立体角との比は1.181152:6.28で、全視野の背景輝度は67.79cd/m2であった。
【0097】
輝度データから取得される光源の位置から撮影画角外の光源の位置を予測し、位置指数を算出する。このとき、予測した撮影範囲外の光源の位置Sを図15(b)に示す。続けて、光源の配光データと光源の面積、予測した位置から撮影画角外の光源輝度を算出し、撮影画角内の光源の立体角および位置関係をもとに撮影画角外の光源立体角を算出する。そして、UGR計算式により、全視野のUGR値を算出する。
【0098】
なお、図15(c)にはデジタルカメラに魚眼レンズを付けて撮影した撮影画像の模式図を示す。図15(a)の撮影画像ではデジタルカメラに近い光源が撮影されていないことがわかる。そして、デジタルカメラに魚眼レンズを付けて撮影した撮影画像に基づいて算出されたUGR値は13.7であり、撮影範囲外の光源を考慮して算出されたUGR値との誤差は0.63であった。したがって、デジタルカメラで撮影される撮影画角外からの光源の影響を考慮することにより、デジタルカメラで全視野を撮影できなくても、全視野を考慮した不快グレアの評価ができる。
【0099】
また、デジタルカメラによる撮影画角外からの光源の影響を考慮して不快グレアを評価する場合、照度および輝度を照度計および輝度計で測定することなく、UGR評価方法の式(数式1)をもとに、撮影条件に対応した補正係数AおよびBを用いて、次の数式6で簡易的に求めることができる。
【0100】
【数6】
【0101】
補正係数AおよびBは、一般的な広さ(縦横12m以上で、高さ2.6m程度の空間)で光源が配列されたオフィスに対し、デジタルカメラによる焦点距離、画角、および視点高さなどの撮影条件に対応して、実際にシミュレーションして求めたものである。
【0102】
例えば、一般的なオフィスで、撮影条件に対応した補正係数Aが0.8103、補正係数Bが5.2694の場合、バッフル付きの照明器具の場合と下面開口タイプの照明器具とで数式6に当てはめて不快グレア指数Gを求めた結果、バッフル付きの照明器具の場合にはG=15.2、下面開口タイプの照明器具の場合にはG=19.1となり、下面開口タイプの照明器具の場合の方が不快グレアが大きいことが分かる。
【0103】
このように、照明空間の撮影画像の情報を入力して不快グレアを評価する際、照明空間全体の不快グレア指数Gを、UGR評価方法の式をもとに、撮影条件に対応した補正定数AおよびBを用いて、数式6で簡易的に求めることができ、撮影画角外からの光源の影響を考慮して不快グレアを評価できる。
【0104】
また、入力装置2による入力に基づいて演算装置1で不快グレアを計算して表示装置3で表示した後、入力装置2で新たな光源の情報を入力することにより、演算装置1では新たな光源の情報をもとに不快グレアを再計算して、光源に応じた不快グレアをシミュレーションできる。
【0105】
すなわち、最初の光源の情報の入力時に、図16に示すような配光特性を有する下面開放形の照明器具の情報を入力し、演算装置1によりUGR評価方法の式などで求められたUGRの値が20.1であった場合、この不快グレアの値を低減するために、図17に示すような配光特性を有する白色バッフル付きの照明器具に代えた場合での不快グレアの値を求め、不快グレアの値がどのくらい低減されるかをシミュレーションできる。
【0106】
図18のフローチャートに示すように、入力装置2により光源の位置、光源の種類、光源のエーミングなどの光源の情報を順に入力し、演算装置1により観測位置方向の光度を計算した後、入力装置2により光源の大きさなどの光源の情報を入力する。これにより、演算装置1では、観測位置方向の光度と光源の大きさから光源輝度を算出し、光源と観測位置との位置関係から立体角を算出し、観測位置における直接照度と間接照度との比をもとに再計算後の間接照度を予測して空間全体を均一な輝度を持つと仮定して輝度に変換することで背景輝度を算出し、これらパラメータに基づいて、UGR評価方法の式などでUGRの値を再計算する。
【0107】
図17に示すような配光特性を有する白色バッフル付きの照明器具に代えた場合に、再計算で求められたUGRの値は14.7となり、不快グレアの値がどのくらい低減されるかをシミュレーションできた。
【0108】
このように、不快グレアを演算した後に、新たな光源の情報を入力することにより、新たな光源の情報をもとに不快グレアを再計算するので、光源に応じた不快グレアをシミュレーションできる。
【0109】
なお、演算装置1で不快グレアを算出するためのパラメータには、照明器具の保守率や経年変化による照度低下率などを含み、これらを補正値として入力することにより、実際の不快グレアの測定値と配光から求められた理論値との誤差を補正できる。
【0110】
【発明の効果】
請求項1記載の不快グレア評価装置によれば、視線方向と光源方向とを考慮した不快グレア分布を、UGR評価方法の式をもとに、補正係数cを用いて、
の式で求めることにより、視線方向と光源方向とを考慮して、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかを評価できる。
【0111】
請求項2記載の不快グレア評価装置によれば、視線方向と光源方向とを考慮した不快グレア方向を、UGR評価方法の式をもとに、補正係数cを用いて、
の式で求めることにより、視線方向と光源方向とを考慮して、視線方向における視野内のどの方向から不快グレアを受けるかを評価できる。
【0112】
請求項3記載の不快グレア評価装置によれば、光源方向を考慮した照明空間全体の不快グレアの程度を、UGR評価方法の式をもとに、補正定数c´を用いて、
の式で求めることができる。
【0113】
請求項4記載の不快グレア評価装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の不快グレア評価装置の効果に加えて、入力手段は、照明空間の撮影画像の情報を入力するので、実際の照明空間での不快グレアを評価することができる。
【0114】
請求項5記載の不快グレア評価装置によれば、照明空間の撮影画像の情報を入力して不快グレアを評価する際、照明空間全体の不快グレア指数を、UGR評価方法の式をもとに、撮影条件に対応した補正定数AおよびBを用いて、
の式で簡易的に求めることができ、撮影画角外からの光源の影響を考慮して不快グレアを評価できる。
【0115】
請求項6記載の不快グレア評価装置によれば、請求項4または5記載の不快グレア評価装置の効果に加えて、照明空間の撮影画像から得られる輝度データに基づいて光源とみなす輝度レベルを検出するので、光源とみなす輝度レベルを適切に設定でき、検出された輝度レベルに基づいて撮影画像から抽出する光源情報を正確にでき、不快グレア評価の精度を向上できる。
【0116】
請求項7記載の不快グレア評価装置によれば、請求項4記載の不快グレア評価装置の効果に加えて、実測された光源の輝度を光源とみなす輝度レベルとして設定するので、光源とみなす輝度レベルを適切に設定でき、設定された輝度レベルに基づいて照明空間の撮影画像から抽出する光源情報を正確にでき、不快グレア評価の精度を向上できる。
【0117】
請求項8記載の不快グレア評価装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の不快グレア評価装置の効果に加えて、照明空間の撮影画像に基づいて観測点からの光源の立体角を求めるとともに、求められた立体角を光源の面積に対して補正するので、撮影画像から求められた立体角の誤差を適切に補正でき、不快グレア評価の精度を向上できる。
【0118】
請求項9記載の不快グレア評価装置によれば、請求項1ないし8いずれか一記載の不快グレア評価装置の効果に加えて、不快グレアを演算した後に、新たな光源の情報を入力することにより、新たな光源の情報をもとに不快グレアを再計算するので、光源に応じた不快グレアをシミュレーションできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる技術を示す不快グレア評価装置の構成図である。
【図2】 同上(a)は不快グレアの評価を行なう照明空間の平面図、図2(b)は不快グレアの評価を行なう照明空間の正面図である。
【図3】 同上予測の不快グレア分布図である。
【図4】 同上別の予測の不快グレア分布図である。
【図5】 同上実測の不快グレア分布図である。
【図6】 本発明の実施の形態を示す不快グレア評価装置による評価のための手順を説明するフローチャートである。
【図7】 同上視線方向と光源方向とのなす角度に応じた補正係数を示すグラフである。
【図8】 同上照明空間を撮影した撮影画像の模式図である。
【図9】 同上実測の不快グレア分布図である。
【図10】 同上主観評価実験による不快グレア分布図である。
【図11】 本発明の実施の形態に適用可能とする不快グレア評価装置で、実際の照明空間を撮影して不快グレアを評価する場合に光源の輝度レベルの検出を説明する撮影画像の模式図である。
【図12】 本発明の実施の形態に適用可能とする不快グレア評価装置で、実際の照明空間を撮影して不快グレアを評価する場合に光源の輝度レベルを500cd/m2に設定した場合の輝度分布図である。
【図13】 本発明の他の実施の形態に適用可能とする不快グレア評価装置で、実際の照明空間を撮影して不快グレアを評価する場合に光源の立体角の補正を説明する撮影画像の模式図である。
【図14】 本発明の他の実施の形態に適用可能とする不快グレア評価装置で、撮影画角外からの光源の影響を考慮した場合の手順のフローチャートである。
【図15】 同上(a)は実際の照明空間を撮影した撮影画像の模式図、(b)は撮影範囲外の光源の位置を予測して示す模式図、(c)は魚眼レンズを付けて撮影した撮影画像の模式図である。
【図16】 同上下面開放形の照明器具の配光特性図である。
【図17】 同上白色バッフル付きの照明器具の配光特性図である。
【図18】 同上不快グレアを再計算する場合のフローチャートである。
【符号の説明】
1 演算手段としての演算装置
2 入力手段としての入力装置
3 表示手段としての表示装置
Claims (9)
- 照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータとともに、観測点からの視線方向および光源方向に関する情報を入力する入力手段と;
入力手段からの入力に基づき、視線方向と光源方向とのなす角度θに応じた補正係数c=2・107・θ-4.7253を求めるとともに、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源の立体角をωおよび光源の位置指数をp、補正係数をcとするとき、光源の不快グレア分布を
の式で求める演算手段と;
演算手段で求められる不快グレア分布をその分布の大きさに応じた円で表示する表示手段と;
を具備していることを特徴とする不快グレア評価装置。 - 照明空間の光源の輝度、照明空間の背景の輝度、照明空間における観測点からの光源の立体角および光源の位置指数を含む不快グレア算出のためのパラメータとともに、観測点からの視線方向および光源方向に関する情報を入力する入力手段と;
入力手段からの入力に基づき、視線方向と光源方向とのなす角度θに応じた補正係数c=2・107・θ-4.7253を求めるとともに、光源の輝度をL、背景の輝度をLb、光源の立体角をωおよび光源の位置指数をp、補正係数をcとするとき、不快グレア方向を
の式で求める演算手段と;
演算手段で求められる不快グレア方向を矢印で表示する表示手段と;
を具備していることを特徴とする不快グレア評価装置。 - 入力手段は、照明空間の撮影画像の情報を入力する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の不快グレア評価装置。 - 演算手段は、照明空間の撮影画像から得られる輝度データに基づいて光源とみなす輝度レベルを検出し、検出された輝度レベルに基づいて撮影画像から光源情報を抽出する
ことを特徴とする請求項4または5記載の不快グレア評価装置。 - 入力手段は、実測された光源の輝度を入力し、
演算手段は、実測された光源の輝度を光源とみなす輝度レベルとして設定し、設定された輝度レベルに基づいて照明空間の撮影画像から光源情報を抽出する
ことを特徴とする請求項4記載の不快グレア評価装置。 - 入力手段は、照明空間の撮影画像の情報を入力し、
演算手段は、照明空間の撮影画像に基づいて観測点からの光源の立体角を求めるとともに、求められた立体角を光源の面積に対して補正する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の不快グレア評価装置。 - 入力手段は、不快グレア算出の情報を入力して演算手段により演算した後に、新たな光源の情報を入力し、
演算手段は、入力手段で入力された新たな光源の情報をもとに不快グレアを再計算する
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の不快グレア評価装置。
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