JP3800254B6 - 過酸化水素製造に使用される水素化触媒 - Google Patents

過酸化水素製造に使用される水素化触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アントラキノン法による過酸化水素の製造に使用されるアントラキノン類の水素化触媒と該触媒を使用する過酸化水素の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在工業的に行われている過酸化水素の主な製造方法は、アントラキノン類を反応媒体とする方法でアントラキノン法と呼ばれる。一般に、アントラキノン類は適当な有機溶媒に溶解して使用される。有機溶媒は単独または混合物として用いられるが、通常は2種類の有機溶媒の混合物が使用される。アントラキノン類を有機溶媒に溶かして調製した溶液は作動溶液と呼ばれる。
【0003】
アントラキノン法では、還元工程において上記の作動溶液中のアントラキノン類を触媒の存在下で水素にて還元(以下、水素化と称す)し、対応するアントラヒドロキノン類を生成させる。次いで酸化工程においてそのアントラヒドロキノン類を空気もしくは酸素を含んだ気体によって酸化する事によりアントラキノン類に再度転化し、同時に過酸化水素を生成させる。作動溶液中に生成した過酸化水素は抽出工程において通常は水を用いて抽出され、作動溶液から分離される。過酸化水素が抽出された作動溶液は再び還元工程に戻され、循環プロセスを形成する。このプロセスは、実質的には水素と空気から過酸化水素を製造するものであり、極めて効率的なプロセスである。既にこの循環プロセスを用いて、過酸化水素が工業的に製造されている。
【0004】
上記の循環プロセスの還元工程でアントラキノン類の水素化に使用される触媒としてラネー・ニッケル触媒、パラジウム黒触媒、担体に担持されたパラジウム触媒が知られている。ラネー・ニッケル触媒は、活性は高いが作動溶液中の微量の過酸化水素により顕著に劣化すること、発火金属であるため取扱上の危険を伴うこと及び選択率が低いことなど多くの欠点を有する。また、パラジウム黒触媒は、活性及び選択性に優れるが、作動溶液からの分離が困難であり、パラジウムの存在下で分解しやすい過酸化水素を工業的に製造するには致命的な欠点を有する。一方、担体に担持されたパラジウム触媒は、活性及び選択率はパラジウム黒よりやや劣るものの作動溶液からの分離が可能であり、過酸化水素を工業的に製造するのに適した触媒である。
【0005】
担体に担持されたパラジウム触媒としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、アルミノケイ酸塩及びアルカリ土類金属の炭酸塩など種々の担体に担持された触媒が提案されているが、全てが工業用触媒として必要な安価で触媒強度が強く、活性及び選択性が高いという条件を満たしているわけではなく、実際に工業的に利用できるのは上記の触媒のごく一部である。
【0006】
アルミナに担持されたパラジウム触媒は、工業的に利用できる数少ない触媒のひとつであり、活性が比較的高く、焼成による再生が容易であるという利点を持つ。しかし、アントラキノン類の水素化における副生成物の生成が多く、作動溶液中の水分によって顕著に活性が低下するという欠点を持つ(米国特許第2,867,507号)。
【0007】
アルミナに担持されたパラジウム触媒の欠点を補う触媒として、特公昭49−5120号では、アルミナ担体にパラジウムの他に銅あるいは銀を含浸させた触媒及び該触媒をさらに水素を含むガス中において150〜650℃で処理した触媒が提案されている。該添加金属及び水素による処理により、アントラキノン類の水素化の選択率はある程度向上する。しかし、一方でこの触媒は製造法が煩雑になっており、水分による活性低下の欠点も有したままである。
【0008】
また、特公昭63−29588号では、アルミナ担持パラジウム触媒より優れた触媒として、シリカを担体としてパラジウムの他にジルコニウム、トリウム、セリウム、チタン及びアルミニウムから選ばれた少なくとも1種類の金属を添加した触媒を提案している。該金属の添加により活性が向上し、シリカを担体とすることにより作動溶液中の水分による劣化も抑制されることが主張されている。
【0009】
過酸化水素を製造する前述の循環プロセスにおいて、作動溶液は循環再使用されるため、アントラキノン類の水素化で生成したアルキルオキサントロン、アルキルテトラヒドロアントラキノン及びその他のもはや過酸化水素を生成することのできない副生成物が、過酸化水素の製造を継続するにつれて作動溶液中に徐々に蓄積される。これらの副生成物の生成は、供給した水素を損失するだけでなく、高価なアントラキノン類を損失するため、過酸化水素の製造コストを上昇させる好ましくない反応である。また、これらの副生成物の一部は適当な処理により元のアントラキノン類に戻すことができるが、過酸化水素の製造コストが増加してしまう。そのため、触媒の選択性は、触媒の強度、活性及び寿命と同様に、あるいはそれ以上にアントラキノン類の水素化触媒の欠くことができない重要な要素である。
しかし、上述のように従来の触媒は、強度、活性及び寿命については向上してきているが、選択性については充分とは言えるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような従来技術の持つ欠点を解消し、従来の触媒の強度、活性及び寿命を損なうことなく選択性の高いアントラキノン類の水素化触媒を提供し、さらに該触媒を使用する経済的に優れた過酸化水素の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ金属を含有したシリカ担持パラジウム触媒が強度、活性及び寿命を損なうことなくアントラキノン類の水素化における副生成物の生成を抑制できることを見出し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、アントラキノン法による過酸化水素の製造に使用されるアントラキノン類の水素化触媒において、シリカの重量に対して0.1〜5重量%のアルカリ金属を含有することを特徴とするシリカに担持されたパラジウム触媒と該触媒を使用する過酸化水素の製造方法に関するものである。
アルカリ金属の含有が0.1重量%未満であると、副生成物の生成抑制の効果が小さくなり、5重量%を超えて含有させることは、触媒の強度、活性及び寿命を損なう。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の触媒に用いられるシリカは、通常触媒担体として用いられるシリカであればよく、特に規定はされない。
本発明の触媒のパラジウム含有量は、本発明の効果に決定的ではないが、通常シリカの重量に対して0.1〜10重量%である。また、該触媒のパラジウムは通常金属の状態で担持されているが、反応条件下で容易に還元されてパラジウム金属となる酸化物のような化合物の形態で担持されていてもよい。
【0014】
本発明の触媒のアルカリ金属は、周期表第Ia族のアルカリ金属であればよいが、ナトリウムあるいはカリウムが好ましい。アルカリ金属の含有量は、シリカの重量に対して0.1〜5重量%であることが必要である。
【0015】
本発明の触媒を製造するには、シリカにパラジウムとアルカリ金属を担持する。パラジウムとアルカリ金属の担持は、同時に行ってもどちらかを先に行ってもよい。
【0016】
パラジウムの担持は、パラジウム化合物イオンをイオン交換によりシリカに吸収させるイオン交換法あるいは含浸法によって行うことができるが、イオン交換法が特に優れたパラジウム担持法である。
【0017】
イオン交換法によってパラジウムを担持するには、シリカをアンモニウムイオンを含んだ溶液に接触させてアンモニウムイオンとイオン交換させた後、パラジウム化合物の溶液と接触させてパラジウムを含んだイオンとイオン交換させる。アンモニウムイオンとのイオン交換とパラジウムを含んだイオンとのイオン交換は別々の溶液で順次行ってもよいが、同一の溶液で同時に行うこともできる。イオン交換によってパラジウムを含んだイオンを担持した後は、焼成を行ってパラジウムを含んだイオンを分解して、場合によってはさらに還元処理を行ってパラジウム金属とする。
【0018】
上記のアンモニウムイオンを含んだ溶液は、所望する量のパラジウムを担持するのに必要なアンモニウムイオンを含んでいればよい。また、用いられるパラジウム化合物は、溶液中でパラジウムを含んだ陽イオンとなる化合物であればよく、具体的にはテトラアンミンパラジウム(II)塩化物一水和物などのパラジウム錯陽イオンの塩、あるいはアンモニアの溶液中で錯陽イオンとなる塩化パラジウム、硝酸パラジウムなどが例示される。
【0019】
含浸法によってパラジウムを担持するには、パラジウム化合物の溶液にシリカ粒子またはアルカリ金属を担持したシリカ粒子を浸して溶媒を蒸発させる。その後、焼成を行い、場合によってはさらに還元処理を行ってパラジウム化合物をパラジウム金属とする。
【0020】
この方法によるパラジウムの担持に用いられるパラジウム化合物は、水や有機溶媒などの溶媒に溶解するパラジウム化合物であればよい。具体的には、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム(II)アセチルアセトナートなどのパラジウム塩類及びテトラクロロパラジウム酸アンモニウム、テトラアンミンパラジウム(II)塩化物一水和物などのパラジウム錯塩などが例示される。
【0021】
アルカリ金属の担持は、シリカあるいはパラジウムを担持したシリカをアルカリ金属化合物の溶液、好適にはナトリウムあるいはカリウムの化合物の溶液に接触させた後、場合によっては水洗し、その後乾燥あるいは焼成を行ってなされる。その際、最終的に調製された触媒にシリカの重量に対して0.1〜5重量%のアルカリ金属を担持する。
【0022】
上記のシリカとアルカリ金属化合物の溶液との接触の方法は、該シリカをカラムに充填して該溶液を流通させる方法あるいは該溶液に該シリカを浸す方法などがある。また、上記のアルカリ金属化合物の溶液は、上記のシリカに0.1〜5重量%のアルカリ金属を担持できる量のアルカリ金属化合物を含んでいればよいが、高濃度の溶液を用いると担体であるシリカが溶解する場合があり、その場合は希薄な溶液を用いる方が好ましい。しかし、高濃度の水溶液でも接触時間を短くして、あるいは接触温度を低くしてシリカの溶解を抑制することができる。
【0023】
本発明の触媒を製造する上で最も重要な点は、シリカの重量に対して0.1〜5重量%のアルカリ金属を担持することである。担持された金属の量は蛍光X線により定量する。
【0024】
本発明で使用するアントラキノン類は、アルキルアントラキノン、アルキルテトラヒドロアントラキノンあるいはそれらの混合物が好ましい。アルキルアントラキノン及びアルキルテトラヒドロアントラキノンは、各々が複数のアルキルアントラキノンあるいはアルキルテトラヒドロアントラキノンの混合物であってもよい。アルキルアントラキノンとしては、エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、アミルアントラキノンなどが例示される。また、アルキルテトラヒドロアントラキノンとしては、エチルテトラヒドロアントラキノン、t−ブチルテトラヒドロアントラキノン、アミルテトラヒドロアントラキノンなどが例示される。
【0025】
本発明において作動溶液を調製するために用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、好ましい溶媒としては、芳香族炭化水素と高級アルコールとの組み合わせ、芳香族炭化水素とシクロヘキサノールもしくはアルキルシクロヘキサノールのカルボン酸エステルとの組み合わせ、四置換尿素などが例示される。
【0026】
【実施例】
本発明は以下の実施例によりさらに理解されるであろう。実施例中、%は特に指定のない限り重量による。また、アルカリ金属の含有量はシリカに対する重量%で示した。
【0027】
触媒の副生成物の生成量の評価は、作動溶液が還元工程、酸化工程及び抽出工程を循環して過酸化水素を生成する循環装置を用いて行った。以下にその評価試験の実施法を説明する。
【0028】
上記の循環装置の還元工程の水素化反応器に試験する触媒150gを投入し、連続的にアントラキノン類の水素化を行い、過酸化水素を製造した。水添反応器内の作動溶液は約4リットルに保たれ、0.25リットル/分の作動溶液と1.8リットル/分の水素が供給された。アントラキノン類が水素化された作動溶液は、キャンドルフィルターを通して触媒から分離されて水素化反応器から抜き出された。攪拌は、傾斜したタービン翼にて行われ、反応器内壁に取り付けたバッフルによって充分な混合が得られるようにした。水素化反応の反応温度は40℃とした。
【0029】
作動溶液は、1,2,4−トリメチルベンゼン60容量%とジイソブチルカルビノール40容量%からなる混合溶媒に、アミルアントラキノンを濃度が0.60mol/lとなるように溶解したものを用いた。循環装置内の作動溶液の全量は約50リットルとした。
【0030】
触媒の活性は、反応を開始してから24時間後の水素分圧(以下、初期水素分圧と称す)で評価し、触媒の活性劣化は水素分圧の増加速度で評価した。この評価では、活性の高い触媒ほど初期水素分圧は低くなり、活性劣化の小さい触媒ほど水素分圧の増加速度が小さくなる。
また、循環反応器で200時間過酸化水素の製造を行った後に、作動溶液中のアミルアントラキノン、アミルオキサントロン、アミルテトラヒドロアントラキノンの濃度を液体クロマトグラフィーを用いて測定した。得られた濃度から還元工程におけるアミルオキサントロン、アミルテトラヒドロアントラキノン及びその他の副生成物の生成量を算出し、主生成物の生成量に対する比を求めた。
【0031】
実施例1
富士シリシア化学社製シリカゲルCARiACT Q−10をふるいで200〜350メッシュに分級した。このシリカゲル200gを室温で25%アンモニア水680mlに懸濁させた。この懸濁液を撹拌しながら、25%アンモニア水120mlに塩化パラジウム3.35gを溶解した溶液を滴下させた。次いでこの懸濁液を濾過し、純水2000mlで洗浄した後、120℃で12時間乾燥した。さらに、600℃で3時間焼成した。次いで、焼成した触媒を純水680mlに懸濁し、4%水酸化ナトリウム溶液をpH9になるまで添加した。その後、37%ホルムアルデヒド溶液20mlを加え、懸濁液の温度を60℃に上昇させて30分間撹拌を継続した。この間、pH9となるように4%水酸化ナトリウム溶液を添加した。次いで、懸濁液を濾過し、純水2000mlで洗浄した後、120℃で12時間乾燥した。触媒のナトリウム含有量は0.56重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0032】
実施例2
実施例1と同じ方法でパラジウムの担持、乾燥及び焼成を行った。次いで0.5%水酸化ナトリウム溶液2000mlに懸濁して60℃で30分間撹拌した後、濾過して純水1000mlで水洗した。その後、120℃で12時間乾燥した。触媒のナトリウムの含有量は、0.41重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0033】
実施例3
実施例1と同じ方法でパラジウムの担持、乾燥及び焼成を行った。次いで、焼成した触媒をガラス製のカラムに充填して3%炭酸ナトリウム水溶液4000mlと4000mlの純水を室温で流通した。その後、120℃で12時間乾燥した。触媒のナトリウムの含有量は0.67重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0034】
実施例4
実施例1と同じ方法でパラジウムの担持、乾燥及び焼成を行った。次いで0.1%水酸化ナトリウム400mlに浸して湯浴上で加熱乾固した。その後、120℃で12時間乾燥した。触媒のナトリウムの含有量は0.13重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0035】
実施例5
実施例1と同じ方法で触媒を製造した。但し、4%水酸化ナトリウム溶液の代わりに4%水酸化カリウムを用いた。触媒のカリウムの含有量は0.43重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0036】
実施例6
実施例1と同じ方法で触媒を製造した。但し、4%水酸化ナトリウム溶液の代わりに4%炭酸カリウムを用いた。触媒のカリウムの含有量は0.52重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0037】
比較例1
対照としてアルカリ金属の含有量が0.1重量%未満のシリカ担持パラジウム触媒を製造した。実施例1と同様の方法でパラジウムの担持、乾燥及び焼成を行い、次いで0.05%水酸化ナトリウム400mlに浸して湯浴上で加熱乾固した。その後、120℃で12時間乾燥した。触媒のナトリウムの含有量は0.07重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0038】
比較例2
対照として実施例1と同様の方法でパラジウムの担持、乾燥及び焼成を行い、その後の処理を実施しないシリカ担持パラジウム触媒を製造した。触媒のアルカリ金属の含有量は0.01重量%であった。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.6kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧の増加はほとんどなかった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0039】
比較例3
対照としてアルミナ担持パラジウム触媒を以下のように調製した。200〜350メッシュに分級したγ−アルミナ200gを純水400mlに浸して撹拌しながら、塩化パラジウム3.35gを0.5N塩酸65mlに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後80℃に昇温して30分撹拌を継続した後、濾過して水洗した。次いで、120℃で12時間乾燥した後、600℃で3時間焼成した。製造した触媒を上記の評価試験で評価した。初期水素分圧は0.7kgf/cm2 であり、200時間の運転で水素分圧は1.0kg/cm2 となった。副生成物の生成比の結果を第1表に示す。
【0040】
【発明の効果】
本発明の触媒をアントラキノン法による過酸化水素の製造におけるアントラキノン類の水素化に使用すると、従来の触媒に比較して水素や高価なアントラキノン類の損失が少なくなる。
【0041】
Figure 0003800254

Claims (7)

  1. アントラキノン法による過酸化水素の製造に使用されるアントラキノン類の水素化触媒において、シリカの重量に対して0.1〜5重量%のアルカリ金属を含有することを特徴とするシリカに担持されたパラジウム触媒。
  2. パラジウムの含有量がシリカの重量に対して0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の触媒。
  3. アルカリ金属がナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする請求項1または2記載の触媒。
  4. アントラキノン法による過酸化水素の製造において、シリカの重量に対して0.1〜5重量%のアルカリ金属を含有するシリカに担持されたパラジウム触媒でアントラキノン類を水素化することを特徴とする過酸化水素の製造方法。
  5. シリカに担持されたパラジウム触媒のパラジウムの含有量がシリカの重量に対して0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 含有するアルカリ金属がナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする請求項4または5記載の製造方法
  7. アントラキノン法による過酸化水素の製造に使用されるアントラキノン類の水素化触媒を製造する方法において、(1)パラジウムをイオン交換法あるいは含浸法によりシリカに担持させ、(2)パラジウムを担持した該シリカをアルカリ金属化合物の溶液に接触させた後、乾燥あるいは焼成を行うことを特徴とする、シリカの重量に対して0.1〜5重量%のアルカリ金属を含有するアントラキノン類の水素化触媒の製造方法
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