JP3799957B2 - 感光性重合体組成物、パターンの製造法及び電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性重合体組成物、この組成物を用いたパターンの製造法及び電子部品に関し、さらに詳しくは、加熱処理により半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等として適用可能なポリベンゾオキサゾール系耐熱性高分子となるポジ型で耐熱性の感光性重合体組成物、この組成物を用いたパターンの製造方法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子の表面保護膜又は層間絶縁膜としては、耐熱性、機械特性及び電気特性に優れ、また、膜形成が容易であり、表面を平坦化できる等の利点から、ポリイミドが幅広く使用されている。
ポリイミドを表面保護膜又は層間絶縁膜として使用する場合、スルーホール等の形成工程は、主にポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセスによって行われている。しかし、工程にはフォトレジストの塗布や剥離が含まれ、煩雑であるという問題がある。そこで作業工程の合理化を目的に感光性を兼ね備えた耐熱性材料の検討がなされてきた。
【0003】
感光性ポリイミド組成物に関しては、1.エステル結合により感光基を導入したポリイミド前駆体組成物(特公昭52−30207号公報等)、2.ポリアミド酸に化学線の照射により2量化又は重合可能な炭素−炭素二重結合及びアミノ基と芳香族ビスアジドを含む化合物を添加した組成物(特公平3−36861号公報等)などが知られ、用いられている。
【0004】
感光性ポリイミド組成物の使用に際しては、通常、溶液状態で基板上に塗布後乾燥し、マスクを介して活性光線を照射し、露光部を現像液で除去し、パターンを形成する。
上記1及び2の組成物は、現像液に有機溶剤を使用するネガ型である。有機溶剤の現像液は、廃液処理の際の環境への負荷が大きく、近年環境への配慮から、廃現像液の処理の容易な水性現像液で現像可能な感光性耐熱材料が求められている。また、ポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセスからネガ型の感光性ポリイミドに切り替えるためには、露光装置のマスクや現像設備の変更が必要となる。上記1、2の組成物は以上述べたような問題点がある。
【0005】
一方、ポジ型感光性ポリイミドとしては、3.o−ニトロベンジル基をエステル結合により導入したポリイミド前駆体(特開昭60−37550号公報)、4.フェノール性水酸基を含むポリアミド酸エステルとo−ジアゾキノン化合物を含む組成物(特開平4−204945号公報)等が知られている。また、ポジ型の耐熱性材料として、ポリイミドと同等の、耐熱性、機械特性、電気特性を有するポリベンズオキサゾールを使用した感光剤材料、5.ポリベンズオキサゾール前駆体とo−ジアゾキノン化合物を含む組成物(特開昭64−6947号公報、特開平9−302221号公報等)も知られている。
【0006】
しかし、上記3は感光する波長が主に300nm以下であるため、感度が低く、特に最近使用されているi線ステッパ(365nmの単波長光)等では使用が困難であるという問題がある。上記4、5の組成物は、上記3の前駆体より感度はよいが、十分ではないという問題がある。このように、十分な感度を有するポジ型感光性耐熱材料は得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した、従来技術の問題点を克服するものである。
すなわち、本発明は、感度が高く、パターンの形状や未露光部の残膜率も良好なポジ型の感光性重合体組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記の組成物の使用により、解像度が高く、良好な形状のパターンが得られるパターンの製造法を提供するものである。
さらに本発明は、良好な形状の精密なパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)一般式(I)
【化5】
(式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す)で表される繰り返し単位を有するポリアミド、
(b)光により酸を発生する化合物、並びに、
(c)分子中にアルコキシメチル基とフェノール性水酸基とを有する化合物を含有してなる感光性重合体組成物に関する。
【0009】
また本発明は、前記(c)成分が、一般式(II)
【化6】
(式中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、個々のRは独立にアルキル基又はアルケニル基を示し、R1及びR2は各々独立にアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnは各々独立に1又は2であり、p及びqは各々独立に0〜3の整数である)で表される化合物である感光性重合体組成物に関する。
【0010】
また本発明は、前記のXで表される基が、
【化7】
(式中、2つのAは各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を示す)である感光性重合体組成物に関する。
【0011】
また本発明は、前記の一般式(II)で表される化合物が、ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタンである感光性重合体組成物に関する。
また本発明は、(a)成分100重量部に対して、(b)成分5〜100重量部、(c)成分1〜30重量部を配合する前記の感光性重合体組成物に関する。
【0012】
また本発明は、さらに(d)アルカリ水溶液に対する(a)成分の溶解を阻害する化合物を含有する前記の何れかに記載の感光性重合体組成物に関する。
また本発明は、前記(d)成分が、一般式(III)
【化8】
(式中、X-は対陰イオンを示し、R3及びR4は各々独立にアルキル基、アルケニル基を示し、a及びbは各々独立に0〜5の整数である)で表されるジアリールヨードニウム塩を含む感光性重合体組成物に関する。
【0013】
また本発明は、(a)成分100重量部に対して、(b)成分5〜100重量部、(c)成分1〜30重量部、(d)成分0.01〜15重量部を配合する前記の感光性重合体組成物に関する。
また本発明は、前記の何れかに記載の感光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法に関する。
【0014】
また本発明は、前記の露光する工程において使用する光源が、i線であるパターンの製造法に関する。
また本発明は、前記の製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明における前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する成分(a)は、一般にアルカリ水溶液可溶性でありフェノール性水酸基を有するポリアミドである。
ここで、アルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の溶液である。一般式(I)で表される、ヒドロキシ基を有するアミド酸の繰り返し単位は、最終的には硬化時の脱水閉環により、耐熱性、機械特性、電気特性に優れるオキサゾール体に変換できるものが好ましい。
【0016】
本発明で用いる一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリアミドは、その分子中に前記繰り返し単位を有していればよいが、ポリアミドのアルカリ水溶液に対する可溶性は、フェノール性水酸基に由来するため、この繰り返し単位が、ある割合以上含まれていることが好ましい。
【0017】
即ち、次式
【化9】
(式中、Uは4価の有機基を示し、VとWは2価の有機基を示す。jとkは、モル分率を示し、jとkの和は100モル%であり、jが60〜100モル%、kが40〜0モル%である)で表されるポリアミドであることが好ましい。ここで、式中のjとkのモル分率は、j=80〜100モル%、k=20〜0モル%であることが好ましい。
【0018】
(a)成分の分子量は、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
【0019】
本発明において、一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリアミドは、一般的にジカルボン酸誘導体とヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成できる。具体的には、ジカルボン酸誘導体をジハライド誘導体に変換後、前記ジアミン類との反応を行うことにより合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
【0020】
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロ化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
【0021】
ジクロリド誘導体を合成する方法としては、ジカルボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法で合成できる。反応溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
【0022】
これらのハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合は、ジカルボン酸誘導体に対して、1.5〜3.0モルが好ましく、1.7〜2.5モルがより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、4.0〜50モルが好ましく、5.0〜20モルがより好ましい。反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
【0023】
ジクロリド誘導体とジアミン類との反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。また、有機溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
【0024】
ここで、一般式(I)において、Uで表される4価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する、2個のOH基がそれぞれアミノ基のオルト位に位置した構造を有するジアミンの残基であり、4価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の4価の芳香族基がより好ましい。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。
【0025】
このようなジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
また、前記ポリアミドの式において、Wで表される2価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する、ジアミンの残基であり、前記Uを形成するジアミン以外の残基であり、2価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価の芳香族基がより好ましい。
【0027】
このようなジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物、この他にもシロキサン結合を有するジアミンとして、LP−7100、X−22−161AS、X−22−161A、X−22−161B、X−22−161C及びX−22−161E(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
【0028】
また一般式(I)において、Vで表される2価の有機基とは、ジアミンと反応してポリアミド構造を形成する、ジカルボン酸の残基であり、2価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の2価の芳香族基がより好ましい。2価の芳香族基としては、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。
【0029】
このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
本発明に使用される(b)成分である光により酸を発生する化合物は、感光剤であり、酸を発生させ、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。その種類としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特に制限はないが、o−キノンジアジド化合物が感度が高く好ましいものとして挙げられる。
【0031】
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
【0032】
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
【0033】
アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが使用できる。
【0034】
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
【0035】
反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。
脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどがあげられる。
【0036】
本発明の感光性重合体組成物において、(b)成分の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、(a)成分100重量部に対して5〜100重量部が好ましく、8〜40重量部がより好ましい。
【0037】
本発明に使用される(c)成分は、分子内に2個以上のアルコキシメチル基と、フェノール性水酸基とを有する化合物である。ここでアルコキシメチル基とは、アリル基を含むアルケニルオキシメチル基およびアルカニルオキシメチル基を含むものである。これらの基は分子内に2個以上あることが好ましい。この(c)成分の使用により、アルカリ水溶液で現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が上がり、また、パターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる。(c)成分は、分子量が大きくなると露光部の溶解促進効果が小さくなるので、一般に分子量が1,500以下の化合物が好ましい。アルコキシメチル基としては、アルコキシ部分の炭素原子数が1〜10のものが好ましい。
(c)成分としては、前記一般式(II)で示される化合物が好ましいものとして挙げられる。
【0038】
一般式(II)において、Xで示される2価の基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数が1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数が2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数が6〜30のアリーレン基、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等が挙げられ、また下記一般式
【化10】
(式中、個々のX’は、各々独立に、単結合、アルキレン基(例えば炭素原子数が1〜10のもの)、アルキリデン基(例えば炭素数が2〜10のもの)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等から選択されるものであり、R9は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基又はハロアルキル基であり、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよく、mは1〜10である)で示される2価の有機基が挙げられる。
【0039】
一般式(II)の中で、Zで表される基が、
【化11】
(式中、2つのAは各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を示す)であるものはその効果が高く好ましいものとして挙げられる。
【0040】
一般式(II)で表される化合物としては、ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−エトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−プロポキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(1−プロペニルオキシ)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−エトキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、3,3’−ビス(メトキシメチル)−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ビス(エトキシメチル)−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラキス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラキス(エトキシメチル)ビフェニル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エトキシメチルフェニル)メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(メトキシメチル)フェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(エトキシメチル)フェニル]メタン等が挙げられる。
【0041】
これらの中で、特にビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタンは効果が高く最も好ましいものとして挙げられる。
本発明の感光性重合体組成物において、(c)成分の配合量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅の点から、(a)成分100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、5〜20重量部がより好ましい。
【0042】
本発明において、必要に応じて使用される(d)成分は、(a)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物(但し、前記(b)成分の光により酸を発生する化合物を除く)である。このような(d)成分としては、オニウム塩、ジアリール化合物及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択される。オニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩等のヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、ホスホニウム塩、アリ−ルジアゾニウム塩等のジアゾニウム塩などが挙げられる。ジアリール化合物としては、ジアリール尿素、ジアリールスルホン、ジアリールケトン、ジアリールエーテル、ジアリールプロパン、ジアリールヘキサフルオロプロパン等の二つのアリール基が結合基を介して結合したものが挙げられ、前記アリール基としては、フェニル基が好ましい。テトラアルキルアンモニウム塩としては、前記アルキル基がメチル基、エチル基等のテトラアルキルアンミニウムハライドが挙げられる。
【0043】
これらの中で良好な溶解阻害効果を示すものとしては、ジアリールヨードニウム塩、ジアリール尿素化合物、ジアリールスルホン化合物、テトラメチルアンモニウムハライド化合物等が挙げられ、ジアリール尿素化合物としてはジフェニル尿素、ジメチルジフェニル尿素等が挙げられ、テトラメチルアンモニウムハライド化合物としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨーダイドなどが挙げられる。
【0044】
中でも、一般式(III)
【化12】
(式中、X-は対陰イオンを示し、R7及びR8は各々独立にアルキル基又はアルケニル基を示し、a及びbは各々独立に0〜5の整数である。)で表されるジアリールヨードニウム塩化合物が好ましい。陰イオンとしては、硝酸イオン、4弗化硼素イオン、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、チオシアン酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等が挙げられる。
【0045】
ジアリールヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイト等が使用できる。
【0046】
これらの中で、ジフェニルヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート及びジフェニルヨードニウム−8−アニリノナフタレン−1−スルホナートが、効果が高く好ましいものとして挙げられる。
【0047】
(d)成分の配合量は、感度と、現像時間の許容幅の点から、(a)成分100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましく、0.05〜3重量部がさらに好ましく、0.1〜2重量部が特に好ましい。
本発明の感光性重合体組成物は、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び、必要に応じて(d)成分を溶剤に溶解して得ることができる。
【0048】
溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶剤が好ましく、これらを単独で又は2種以上併用して用いられる。
【0049】
また、塗布性向上のため、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、乳酸エチル、プロピレンフリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶剤を併用することができる。
溶剤の量は特に制限はないが、一般に組成物中溶剤の量が20〜90重量%となるように調整される。
【0050】
本発明の感光性重合体組成物は、さらに必要に応じて接着助剤として、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等を含むことができる。
有機シラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
接着助剤の量は特に制限はしないが、(a)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
【0051】
本発明の感光性重合体組成物は、支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を経て、ポリベンゾオキサゾールのパターンとすることができる。
支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、この感光性重合体組成物をスピンナーなどを用いて回転塗布後、ホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。
【0052】
次いで、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性重合体組成物に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。
現像工程では、露光部を現像液で除去することによりレリーフ状のパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とされることが好ましい。さらに上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
【0053】
ついで、加熱処理工程では、得られたレリーフパターンに好ましくは150〜450℃の加熱処理をすることにより、一般にオキサゾール環を有する耐熱性のポリベンゾオキサゾールのパターンになる。
【0054】
本発明の感光性重合体組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
本発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0055】
本発明の半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0056】
次に塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0057】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0058】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してポリベンゾオキサゾール膜とする。このポリベンゾオキサゾール膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性重合体組成物を用いて形成することも可能である。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1
攪拌機及び温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル21.7g(0.084モル)及びN−メチルピロリドン(NMP)125gを仕込み、フラスコを0℃に冷却し、塩化チオニル20.0g(0.168モル)を反応温度を10℃以下に保持しながら滴下し、滴下後10℃付近で30分間撹拌して、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルジクロリドの溶液(α)を得た。
【0060】
次いで、攪拌機及び温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン100gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン23.4g(0.10モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン26.6gを添加した。この溶液を冷却し、温度を0〜10℃に保ちながら、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルジクロリドの溶液(α)を30分間かけて滴下した後、10℃付近で30分間撹拌した。
反応液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、40℃で二日間減圧乾燥して、重量平均分子量が25,000のポリヒドロキシアミドを得た。
【0061】
ポリヒドロキシアミド15.00g及びトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドを、1/2.9のモル比で反応させたオルトキノンジアジド化合物2.25g、ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン1.5g、尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液0.30gを、N−メチルピロリドン23.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0062】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーによりシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、7.5μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし40秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフ状のパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は300mJ/cm2と判断され、この露光量で良好な形状のパターンが形成された。未露光部の残膜率は80%であった。得られたレリーフ状のパターンを窒素雰囲気下、350℃で1時間加熱処理したところ、良好な形状のポリベンゾオキサゾール膜のパターンが得られた。
【0063】
実施例2
実施例1で作成したポリヒドロキシアミド15.00g、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドを1/2.9のモル比で反応させたオルトキノンジアジド化合物2.25g、ビス(2−ヒドロキシ−3−エトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン1.5g、及び、尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液0.30gを、N−メチルピロリドン23.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0064】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、7.6μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし60秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフ状のパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は300mJ/cm2と判断され、この露光量で良好な形状のパターンが形成された。未露光部の残膜率は81%であった。得られたレリーフ状のパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ、良好な形状のポリベンゾオキサゾール膜のパターンが得られた。
【0065】
実施例3
実施例1で作成したポリヒドロキシアミド15.00g、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドを1/2.9のモル比で反応させた化合物2.25g、ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン1.5g、ジフェニルヨードニウムニトラート0.15g及び尿素プロピルトリエトキシシランの50重量%メタノール溶液0.30gをNMP23.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0066】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、7.5μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この感光性ポリイミド前駆体塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液として80秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフ状のパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は250mJ/cm2と判断され、この露光量で良好な形状のパターンが形成された。未露光部の残膜率は84%であった。このパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理したところ良好な形状のポリベンズオキサゾール膜のパターンを得た。
【0067】
比較例1
実施例1で得られたポリヒドロキシアミド15.00g、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドを1/2.9のモル比で反応させたオルトキノンジアジド化合物2.25g及び尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液0.30gを、N−メチルピロリドン23.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0068】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、7.5μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし40秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフ状のパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は450mJ/cm2と判断された。未露光部の残膜率は80%であった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の感光性重合体組成物は、感度が高く、解像度が高く、パターンの形状や未露光部の残膜率も良好で、耐熱性にも優れる。
また、本発明のパターンの製造法によれば、前記の、感度が高い組成物の使用により、解像度が高く、良好な形状のパターンが得られる。
また、本発明の電子部品は、良好な形状のポリベンゾオキサゾールのパターンを表面保護膜または層間絶縁膜として有するため、信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁膜層、5…感光樹脂層、6A、6B、6C…窓、7…第2導体層、8…表面保護膜層。
Claims (11)
- 一般式(II)で表される化合物が、ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタンである請求項2記載の感光性重合体組成物。
- (a)成分100重量部に対して、(b)成分5〜100重量部、(c)成分1〜30重量部を配合する請求項1〜4記載の何れかに感光性重合体組成物。
- (d)オニウム塩、ジアリール化合物及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択されるアルカリ水溶液に対する前記(a)成分の溶解を阻害する化合物(但し、前記(b)の光により酸を発生する化合物を除く)を含有する請求項1〜5の何れかに記載の感光性重合体組成物。
- (a)成分100重量部に対して、(b)成分5〜100重量部、(c)成分1〜30重量部、(d)成分0.01〜15重量部を配合する請求項6又は7記載の感光性重合体組成物。
- 請求項1〜8の何れかに記載の感光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法。
- 露光する工程において使用する光源が、i線である請求項9記載のパターンの製造法。
- 請求項9又は10記載の製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品。
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