JP3799266B2 - 誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム - Google Patents

誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP3799266B2
JP3799266B2 JP2001349699A JP2001349699A JP3799266B2 JP 3799266 B2 JP3799266 B2 JP 3799266B2 JP 2001349699 A JP2001349699 A JP 2001349699A JP 2001349699 A JP2001349699 A JP 2001349699A JP 3799266 B2 JP3799266 B2 JP 3799266B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
light
noise
noise light
brillouin scattering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001349699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003152645A (ja
Inventor
俊博 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2001349699A priority Critical patent/JP3799266B2/ja
Priority to US10/092,305 priority patent/US7142782B2/en
Publication of JP2003152645A publication Critical patent/JP2003152645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3799266B2 publication Critical patent/JP3799266B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/29Repeaters
    • H04B10/291Repeaters in which processing or amplification is carried out without conversion of the main signal from optical form
    • H04B10/2912Repeaters in which processing or amplification is carried out without conversion of the main signal from optical form characterised by the medium used for amplification or processing
    • H04B10/2916Repeaters in which processing or amplification is carried out without conversion of the main signal from optical form characterised by the medium used for amplification or processing using Raman or Brillouin amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J14/00Optical multiplex systems
    • H04J14/02Wavelength-division multiplex systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信の分野において信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去技術に関し、特に、誘導ブリリュアン散乱(Stimulated Brillouin Scattering;SBS)を利用して光の状態のまま雑音光を除去する雑音光除去方法および装置、並びに、それを用いた光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の波長分割多重(WDM)伝送システムにおいては、例えば、エルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA)等を用いて構成される光中継器の数を増やしたり、あるいは、ラマン増幅器の導入により中継距離を延ばしたりするなどした、一般にロングホールシステム(Long Haul System)と呼ばれる長距離の光伝送システムが登場してきている。具体的に、信号光の送信部から受信部までの最大距離は、従来のシステムでは500km〜1000km程度であったが、ロングホールシステムでは2000km〜4000kmを超えるようになる。
【0003】
ところで、上記のようなロングホールシステムにおいては、EDFAで発生する自然放出光によるASE(Amplified Spontaneous Emission)雑音光や、ラマン増幅器で発生する励起光のラマン散乱によるASS(Amplified Spontaneous Scattering)雑音光が光中継器ごとに蓄積される。このような雑音光の蓄積は、光SN比(OSNR)を劣化させ、光受信器における信号光の識別特性を劣化させることになるため、システムの中継距離を延ばすことの制約となる。
【0004】
上記のASEやASSの雑音光成分は、主信号光の波長帯域で数10nmの幅で発生する。このような雑音光成分に対して現行のシステムは、所要の中継スパンおきに光を電気信号に変換した後に再度変調を行った信号光を生成し送信する手法や、WDM信号光を各チャンネルの光信号に分離してから再度合波して送信する手法などを採用することにより、雑音光成分を除去して長距離化を図るようにしている。
【0005】
図18は、光/電気変換に基づく雑音光除去を行う従来のWDM光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。この従来システムでは、光送信装置100が複数の光送信器(OS1〜OSN)101から出力される各波長の光信号を合波器(MUX)102で波長多重して生成したWDM信号光を光伝送路103に送信し、そのWDM信号光が光伝送路103上に所要の間隔で配置された複数の光中継器104で増幅されながら図示しない光受信装置に向けて中継伝送される。このとき、各光中継器で発生し蓄積された雑音光成分は、n個の光中継器おきに配置された雑音光除去装置300により光/電気変換に基づいて除去される。具体的に雑音光除去装置300では、n段目の光中継器104から出力される雑音光の蓄積したWDM信号光が、分波器(DMUX)301で各波長の光信号に分波されて各々に対応した光受信器(OR)302で電気信号に変換される。そして、各光受信器302から出力される電気信号に従って変調された各々の波長の光信号が光送信器(OS1〜OSN)303から出力され、合波器(MUX)304で波長多重される。これにより、雑音光成分の除去されたWDM信号光が光伝送路103に出力されるようになる。
【0006】
また、図19は、WDM信号光の分波および合波に基づいて雑音光除去を行う従来のWDM光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。この従来システムでも、各光中継器104で発生し蓄積された雑音光成分が、n個の光中継器104おきに配置された雑音光除去装置400により、WDM信号光の分波および合波に基づいて除去される。具体的に雑音光除去装置400では、n段目の光中継器104から出力される雑音光の蓄積したWDM信号光が、各チャンネルの中心波長に対応した狭い透過帯域を持つ分波器(DMUX)401によって分波され、透過帯域外の雑音光成分が除去された各チャンネルの光信号が、合波器(MUX)によって合波されて光伝送路103に出力されるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のWDM光伝送システムにおける雑音光除去の手法については次のような問題点がある。まず、図18に示したような光/電気変換に基づく雑音光除去の場合には、雑音光除去装置300から出力されるWDM信号光の各波長光にパワーのばらつき(チルト)が発生する可能性があるため、このチルトを補正するための機能を雑音光除去装置300に具備させる必要がある。具体的には、雑音光除去装置300について、各チャンネルの信号光ごとにパワーを調整する可変光減衰器や、各波長の光信号パワーをモニタするためのスペクトラム測定ユニット(Spectrum Analyzer Unit;SAU)、また、それらに付随する電気回路等を設けることが必要となる。このような雑音光除去装置300の使用は、システム全体のコスト上昇を招いてしまうことになる。
【0008】
また、雑音光除去装置300が配置される中継スパンが長くなると、光/電気変換時に、光受信器302の入力光に含まれる雑音光成分が多くなりOSNRが劣化するため、光受信器302における信号識別処理でエラーが発生してしまう可能性もあり問題である。
図19に示したようなWDM信号光の分波および合波に基づく雑音光除去の場合には、光/電気変換に基づく雑音光除去の場合に比べて、雑音光除去装置400に光受信器および光送信器を設ける必要がなくなるものの、前述したような各チャンネルの信号光についてのチルト補正は同様に必要となるため、可変光減衰器やSAU等を設けることで装置構成が複雑になり、システム全体のコスト上昇を招いてしまうことになる。
【0009】
また、WDM信号光をチャネルごとに分波することによって、信号波長とは異なる波長の雑音光成分は除去できるが、信号波長と同じ波長の雑音光成分は除去することができない。このため、信号波長と同じ波長の雑音光成分は、そのまま信号光と伴に雑音光除去装置400から光伝送路103に送られることになるので、中継数が多くなるとOSNRが劣化して伝送特性の著しい劣化が生じてしまうようになる。
【0010】
さらに、雑音光除去装置400については、前段の光中継器104から出力されたWDM信号光が、3〜6dB程度の挿入損失を有する分波器401および合波器402や、数dB程度の挿入損失を有するチルト補正用の可変光減衰器などを通過して光伝送路103に送られることになるため、後段の光中継器104に入力される各波長の光信号パワーが、光中継器104に用いられる光増幅器の入力ダイナミックレンジを満足しないような小さなパワーになってしまう可能性もある。
【0011】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、信号光に含まれる雑音光成分を、信号波長と同じ波長成分をも含めて光の状態のまま除去できる簡易な雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明にかかる雑音光除去方法は閾値を超えるパワーの光が入力されると誘導ブリリュアン散乱による戻り光を発生する誘導ブリリュアン散乱発生媒体に対して、光増幅部により前記閾値を超えるパワーまで増幅した信号光を与え、当該誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光を信号光として取り出すことにより、信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去方法において、前記閾値が、前記光増幅部の出力光パワーと、前記光増幅部の出力端および前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定されるようにしたものである。
【0013】
また、本発明にかかる雑音光除去装置は閾値を超えるパワーの光が入力されると誘導ブリリュアン散乱による戻り光を発生する誘導ブリリュアン散乱発生媒体と、信号光を前記閾値を超えるパワーまで増幅する光増幅部と、前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体に対して前記光増幅部で増幅された信号光を与え、当該誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光を信号光として取り出す光入出力部と、を備え、信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去装置において、前記閾値が、前記光増幅部の出力光パワーと、前記光増幅部の出力端および前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定されるものである。
【0014】
上記のような雑音光除去方法および装置によれば、光増幅部の出力光パワーと、光増幅部の出力端および誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定される閾値を超えるパワーで誘導ブリリュアン散乱発生媒体に入力された信号光は、誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光として取り出される。一方、閾値に達するまでには増幅されていない、信号波長以外の雑音光成分および信号波長と同じ波長の雑音光成分は、誘導ブリリュアン散乱発生媒体に入力されても誘導ブリリュアン散乱を発生しないため戻り光としては取り出されない。これにより、入力時の信号光に含まれる雑音光成分が、従来の雑音光除去方式に比べて簡易な手法により光の状態まま除去されると共に、スペクトラム幅の狭い信号光を得ることができるようになる。
【0015】
また、上記の雑音光除去方法および装置については、誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光のパワーを調整するようにしてもよい。これにより、雑音光除去後の信号光のレベルを所望の値に合わせることができるようになる。
本発明にかかる光伝送システムは、光送信装置から光伝送路に送信された信号光を、光伝送路上に配置された光中継器で増幅して光受信装置まで中継伝送する光伝送システムであって、前述したような本発明にかかる雑音光除去装置を光伝送路上に少なくとも1つ以上備えて構成されるものである。このような光伝送システムとすることにより、システム構成の小規模化および低コスト化を図ることが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる誘導ブリリュアン散乱(以下、SBSと略す)を利用した雑音除去方法が適用された光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。なお、上述した従来の光伝送システムの構成と同様の部分には同一の符号が付してある。
【0017】
図1において、本光伝送システムは、光送信装置100から光伝送路103に送信されたWDM信号光が、光伝送路103上に所要の間隔で配置された複数の光中継器104で増幅されながら光受信装置105に向けて中継伝送されるシステムについて、例えば、n個の中継スパンおきに設置される光中継器として高出力型の光増幅器を備えた光中継器1を設けると共に、その光中継器1の出力側に位置する光伝送路103上に雑音光除去ユニット2を挿入した基本構成を備える。
【0018】
光中継器1は、前段の光中継器104から光伝送路103を介して送られてくるWDM信号光を、後述する雑音光除去ユニット2内のダミー伝送路13においてSBSによる戻り光が発生可能なパワーレベルになるように、高出力型光増幅器で増幅して出力する。この光中継器1に用いられる高出力型の光増幅器としては周知の光増幅器を使用することが可能であり、具体的には、例えば希土類元素ドープ光ファイバ増幅器、ラマン増幅器、半導体光増幅器およびそれらの組み合わせによる光増幅器などを利用することができる。
【0019】
雑音光除去ユニット2は、例えば、入力端子10と出力端子16の間に、光アイソレータ11、光カプラ(CPL)12、SBS発生媒体としてのダミー伝送路13、無反射終端器(T)14およびレベル調整部15を備えて構成される。なお、ここでは光アイソレータ11および光カプラ12が光入出力部として機能する。また、図1にはn段目の雑音光除去ユニット2についてのみ具体的な構成を示したが、2n段目の雑音光除去ユニット2の構成についても同様である。
【0020】
光アイソレータ11は、入力端子10と光カプラ12の間に配置され、入力端子10から光カプラ12に進む光を通過し、光カプラ12から入力端子10に進む光の通過を阻止する一般的な光部品である。
光カプラ12は、ここでは例えば3つのポートを有し、図1で左上側に位置する第1ポートに光アイソレータ11が接続され、図1で右側に位置する第2ポートにダミー伝送路13が接続され、図1で左下側に位置する第3ポートにレベル調整部15が接続される。この光カプラ12は、光アイソレータ11から第1ポートを介して入力される光を第2ポートを通ってダミー伝送路13に伝達すると共に、ダミー伝送路13からの戻り光を第2ポートを介して入力して2分岐し、第1および第3ポートからそれぞれ出力する。このような光カプラ12の具体例としては、一般的な4つのポートを有する3dBカプラ等を用いることが可能である。4ポートの3dBカプラを使用する場合には、ダミー伝送路13が接続されるポートと同じ側に位置するポートには無反射終端器などを接続して未使用ポートとし、上記のような光の伝達経路が構成されるようにする。
【0021】
ダミー伝送路13は、入力光のパワーが所要の閾値を超えると非線形光学現象の一種であるSBSを発生する光伝送路である。このダミー伝送路13は、後述するように、カプラ12を介して一方の端部に与えられるWDM信号光のうちで1チャンネル当たりの光パワーが閾値を超える成分(信号光成分)についてSBSによる戻り光を発生し、その戻り光を一方の端部から光カプラ12に出力する。また、1チャンネル当たりの光パワーが閾値よりも小さい成分(一部の信号光成分および雑音光成分)については、SBSによる戻り光を発生することなく他方の端部に向けて伝搬して無反射終端器14に出力する。
【0022】
上記のダミー伝送路13として、ここでは所要の長さの光ファイバ伝送路を用いるものとする。光ファイバ伝送路の長さは、SBSによる戻り光を確実に得ることができるように、使用する光ファイバの特性に応じて予め設計されており、具体的には、数km〜20km程度とすることが可能である。ダミー伝送路13として用いる光ファイバの具体例としては、通常の光ファイバ伝送路として利用されている1.3μm零分散単一モードファイバ(SMF)や分散シフトファイバ(DSF)、ノンゼロ分散シフトファイバ(NZ−DSF)、分散補償ファイバ(DCF)等を使用することが可能である。特に、分散補償ファイバを使用すれば入力光のパワーが小さな値(例えば4dBm/ch程度)でもSBSが発生するため、光中継器1の出力レベルを抑えることが可能である。
【0023】
なお、ここではダミー伝送路13として所要の長さの光ファイバ伝送路を使用するようにしたが、本発明におけるSBS発生媒体は上記のような光ファイバを使用した伝送路に限られるものではなく、所要の長さに設計された光導波路を用いてもよい。また、SBS発生媒体の形態は、光ファイバや光導波路等を用いたの伝送路に限定されるものではなく、入力光のSBSによる戻り光を有効に得ることができる任意の形態とすることも可能である。
【0024】
無反射終端器14は、ダミー伝送路13の光カプラ12が接続された一方の端部は異なる他方の端部に接続され、ダミー伝送路13の通過光を吸収して終端するものである。
レベル調整部15は、光カプラ12の第3ポートから出力される光、すなわち、ダミー伝送路13におけるSBSによる戻り光の一部が入力され、その戻り光を増幅または減衰することにより所要のパワーレベルに調整したWDM信号光を出力端子16に出力する。
【0025】
光送信装置100と、各雑音光除去ユニット2の前段に位置する各光中継器1以外の他の光中継器104と、光受信装置105とは、従来の光伝送システムで用いられているもの同様である。具体的には、光送信装置100は、複数の光送信器(OS1〜OSN)101および合波器(MUX)102を有し、各光送信器101から出力される波長の異なる光信号を合波器(MUX)102で波長多重して光伝送路103に送信する。
【0026】
各光中継器104は、光伝送路103を伝送されるWDM信号光を所要のレベルまで増幅して中継伝送する。各光中継器104の出力光レベルは、光中継器1の出力光レベルに比べて十分に低く設定されていて、光伝送路103における非線形光学現象の発生が抑制されるようにしてある。
光受信装置105は、分波器(DMUX)106および複数の光受信器(OR1〜ORN)を有し、光伝送路103を伝搬してきたWDM信号光を分波器106で各チャンネルの信号光ごとに分波し、各々の信号光を対応する光受信器107で受信処理する。
【0027】
次に、上記のような基本構成を備えた光伝送システムの動作について説明する。
本光伝送システムにおいて、光送信装置100から光伝送路103に送信されたWDM信号光は、所要の中継間隔で配置された光中継器104で順次増幅されながら中継伝送されて、n段目の高出力型光増幅器を備えた光中継器1に到達する。このn段目の光中継器1に入力されるWDM信号光は、1〜(n−1)段目の各光中継器104で発生するASEやASSなどの雑音光成分が光増幅帯域全体に亘って蓄積した光となっている。光中継器1では、上記のような雑音光を含んだWDM信号光が、雑音光除去ユニット2のダミー伝送路13においてSBSによる戻り光が発生し得る光パワーレベルに達するまで増幅され、その増幅されたWDM信号光が雑音光除去ユニット2に送られる。
【0028】
図2は、光中継器1から雑音光除去ユニット2に入力されるWDM信号光の波長λに対する光パワーPINの一例を示す図である。図2に示すように、光中継器1では、WDM信号光に含まれる1チャンネル当たりの信号光パワーが予め設定したレベルP1に達するまでWDM信号光全体が増幅される。この1チャンネル当たりの出力光パワーP1は、ダミー伝送路13でSBSが発生して有効な戻り光が得られるようになるダミー伝送路13への入力光パワーの閾値PTHと、光中継器1の出力端およびダミー伝送路13の入力端の間に配置される各光部品(ここでは光アイソレータ11および光カプラ12)の挿入損失とに基づいて設定される。なお、図2中の光パワーP104は、各段の光中継器104で増幅され出力されるWDM信号光の1チャンネル当たりのパワーを示したものである(P1>P104)。
【0029】
上記の設定について具体例を挙げておくと、ダミー伝送路13においてSBSが発生可能になって戻り光が得られるようになる入力光パワーの閾値PTHは、ダミー伝送路13として1.3μm零分散SMFを使用する場合には約10dBm/ch以上に設定することが可能であり、DSFを使用する場合には約7dBm/ch以上に設定することが可能であり、DCFを使用する場合には約4dBm/ch以上に設定することが可能である。光アイソレータ11の挿入損失を1dB、光カプラ12の挿入損失を4dBと見積もるようにすれば、光中継器1の出力光パワーP1は、上記の各ダミー伝送路13に対応した各々の閾値に5dBを加えたレベル以上に設定することができる。なお、光中継器1の出力光パワーP1の設定は上記の一例に限られるものではない。
【0030】
光中継器1から雑音光除去ユニット2の入力端子11に与えらたWDM信号光は、図3の太線矢印で示すように、光アイソレータ11および光カプラ12を順に通過してダミー伝送路13の一端に入力される。ダミー伝送路13では、入力光のうちの上記閾値PTHを超えるパワーを持った成分について、SBSによる戻り光が発生し、その戻り光が入力端から出力されて光カプラ12に再入力される。一方、ダミー伝送路13への入力光のうちの閾値PTHよりも小さいパワーを持った成分については、ダミー伝送路13内を入力端とは反対側の端部に向けて伝搬して無反射終端器14によって吸収される。
【0031】
ここで、ダミー伝送路13において発生するSBSによる戻り光について詳しく説明する。
非線形光学現象の一種であるSBSは、高出力の狭帯域光信号を伝送路等に入力させた場合に、入力光とは逆方向に進む散乱光が増幅されて戻ってくる現象であり、その戻り光のパワーは、例えば図4に示すように、入力光パワーPINおよび変調ビットレートに応じて変化することが知られている。具体的には、入力光パワーPINが大きいほど戻り光のパワーも大きくなり、入力光パワーPINがある値以上になると入力光の大半が戻ってくるようになる。また、変調ビットレートが高いほど戻り光のパワーは小さくなる傾向を示す。
【0032】
このような特性を持つSBSによる戻り光を利用して、WDM信号光に蓄積された雑音光を除去するための原理は、例えば図5に示すように、ダミー伝送路13に入力される各チャンネルの信号がすべて「1」になる発光状態と、すべて「0」になる消光状態とを考えることで容易に説明できる。
図5(A)の左側に示すように、ダミー伝送路13への入力光がすべて「1」になる場合、各チャンネルの信号光パワーは、SBS発生の閾値PTHを超えるレベルにまで増幅されているため、各々の信号光はSBSによる戻り光としてダミー伝送路13の入力端に戻ってくる。これに対して、信号波長以外の成分、すなわち、各チャンネルの中心波長の中間に位置する累積されたASEやASS等の雑音光成分は、SBSが発生するパワーレベルに達していないため、戻り光としてダミー伝送路13の入力端に戻ってくることはなく、入力端とは反対側の端部に向けて伝搬する。これにより、図5(A)右側の戻り光パワーPSBSに示すように、各チャンネルの信号光成分(実線部分)だけが取り出され、雑音光成分(点線部分)が除去されたWDM信号光を得ることができるようになる。なお、図5(A)に例示した戻り光パワーPSBSは、前述の図4に示したように信号光の入力パワーおよび変調ビットレートに応じてそのレベルが変化するものである。
【0033】
一方、図5(B)の左側に示すようにダミー伝送路13への入力光がすべて「0」になる場合には、信号波長以外に存在するASEやASS等の雑音光成分は、SBSが発生するパワーレベルに達していないため、戻り光としてダミー伝送路13の入力端に戻ってくることはない。また、各チャンネルの中心波長付近には雑音光成分のみが存在することになるが、この雑音光成分も上記の場合と同様にSBSが発生するパワーレベルに達していないため、SBSによる戻り光が得られることはない。これにより、図5(B)の右側に示すように、WDM信号光の全波長帯域に存在する雑音光成分(点線部分)を除去することが可能になる。
【0034】
このようにSBSによる戻り光を利用した雑音光の除去方式によれば、ダミー伝送路13に入力されるWDM信号光について、「1」を示す信号光成分のみが取り出され、信号波長以外の雑音光成分および信号光が「0」を示す場合の信号波長の雑音光成分の双方が確実に除去されるようになる。
さらに、SBSによる戻り光を利用した雑音光の除去方式によれば、戻り光として取り出した信号光のスペクトラムが細くなる(波長成分が少なくなる)という作用効果も生じる。具体的には、例えば図6の左側に示すように、信号光パワーがSBS発生の閾値PTHを超える波長領域は、信号波長の幅よりも狭くなるので、図6の右側に示すように、戻り光として取り出される信号光成分のスペクトラム幅は入力時よりも細くなる。このような作用効果は、例えば光伝送路103における波長分散の影響等が軽減されるため、WDM信号光の伝送に有利である。
【0035】
上記のようにしてダミー伝送路13で発生したSBSによる戻り光は、光カプラ12に再び入力されて2分岐され、光アイソレータ11およびレベル調整部15にそれぞれ接続する各ポートから出力される。光アイソレータ11側に出力された戻り光は、光アイソレータ11で通過が阻止されることによって、光中継器1の増幅動作に影響を及ぼすことが回避される。一方、レベル調整部15側に出力された戻り光は、レベル調整部15において、各チャンネルの信号光がそれぞれ増幅または減衰されることにより、例えば図7に示すように、所望のパワーレベルPOUTに調整されたWDM信号光が出力端子16を介して光伝送路103に出力される。そして、光伝送路103に出力されたWDM信号光は、以降、1〜n段目と同様にして光受信装置に向けて中継伝送される。
【0036】
ここで、上述したような雑音光除去方式におけるSBS以外の他の非線形光学現象の影響について簡単に説明しておく。
本雑音光除去方式において、ダミー伝送路13内で入力光のパルスとSBSによる戻り光のパルスとがすれ違うときには、相手のパルスの立ち上がり部と立下り部により相互位相変調(XPM)が発生する場合がある。しかし、XPMにより生じる波長シフトの方向は入力光および戻り光で逆方向となるため、各方向の波長シフトはパルスがダミー伝送路13を往復することで結果的にキャンセルされることになる。従って、SBSによる戻り光に対するXPMの影響は殆ど生じないものと考えられる。
【0037】
また、光中継器1からの高出力の信号光がダミー伝送路13に入射し、SBSにより戻ってくるまでの間では、自己位相変調(SPM)や4光波混合(FWM)が発生する場合がある。しかし、それらにより発生した別波長の光はSBSを起こさないため、ダミー伝送路13の入力端に戻ってくることはない。従って、SBSによる戻り光に対するSPMおよびFWMの影響は残らないものと考えられる。
【0038】
上述したように本光伝送システムによれば、雑音光を除去するノード(中継区間)について、光中継器に設けられる光増幅器を高出力型のものに変更し、ダミー伝送路13および数点のパッシブ部品からなる雑音光除去ユニット2を設けるだけで雑音光を確実に除去することができるようになるため、従来の光/電気変換や信号光の分波および合波に基づく雑音光除去方式に比べてシステム構成の小規模化および低コスト化を図ることが可能になる。また、SBSによる戻り光を利用することによって信号波長と同じ波長の雑音光成分を効果的に除去することができるため、光送信装置100から送信された時の状態に極めて近い状態のWDM信号光を作り出すことが可能になる。さらに、スペクトラム幅の狭い信号光が得られるため、光伝送路103における波長分散等の影響を軽減することもできる。
【0039】
なお、上述の図1に示した基本構成では、ダミー伝送路13に対する信号光の入力および戻り光の取り出しを行う光入出力部として光アイソレータ11および光カプラ12を設けるようにしたが、本発明における光入出力部の構成はこれに限られるものではない。例えば図8に示すように、光アイソレータ11および光カプラ12に代えて光サーキュレータ17を設けるようにしてもよい。この光サーキュレータ17は、第1ポートに光アイソレータ11が接続され、第2ポートにダミー伝送路13が接続され、第3ポートにレベル調整部15が接続されて、第1ポートから第2ポートへの方向および第2ポートから第3ポートへの方向に進む光を伝達することが可能な光デバイスである。このような光サーキュレータ17を使用することによって、雑音光除去ユニット2の構成をより簡略なものにできる。
【0040】
次に、上述したような基本構成を備えた光伝送システムの具体的な実施形態について説明する。
図9は、第1実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。なお、上述の図1に示した基本構成と同様の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、以下、他の実施形態においても同様とする。
【0041】
図9において、第1実施形態の光伝送システムは、例えば図1の基本構成について、雑音光除去ユニット2のレベル調整部15として、SBSによる戻り光を光増幅器により所要のレベルまで増幅する具体的な構成を適用したものである。上記以外の雑音光除去ユニット2の他の部分の構成および光伝送システム全体の構成は、図1の基本構成の場合と同様である。
【0042】
具体的にレベル調整部15に相当する構成は、例えば、光増幅器20、光カプラ(CPL)21、受光器(PD)22、ADコンバータ23および制御回路24を含んでなる。
光増幅器20は、光カプラ12の第3ポートと雑音光除去ユニット2の出力端子16との間の光路上に配置され、光カプラ12で取り出されたSBSによる戻り光を制御回路24からの出力信号に従った利得で増幅して出力する。この光増幅器20としては、例えば希土類元素ドープ光ファイバ増幅器や半導体光増幅器などの公知の光増幅器を使用することが可能である。
【0043】
光カプラ21は、光増幅器20から出力端子16に出力されるWDM信号光の一部を分岐して受光器22に送るものである。受光器22は、光カプラ21からの分岐光を受光し、パワーに応じた電気信号を発生してADコンバータ23に出力する。ADコンバータ23は、受光器22からのアナログの電気信号をデジタルに変換して制御回路24に送る。
【0044】
制御回路24は、ADコンバータ23からの出力信号および光中継器1からの伝送情報に基づいて、光増幅器20から出力されるWDM信号光のパワーが目標値になるように、光増幅器20の増幅動作を制御するための制御信号を生成する。この制御回路24の具体例としては、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を用いることが可能である。
【0045】
上記のような構成の雑音光除去ユニット2では、ダミー伝送路13において発生したSBSによる戻り光が光カプラ12によって取り出され、光増幅器20で増幅されて出力端子16に出力される。このとき光増幅器20からの出力光の一部が光カプラ21によって分岐され、トータルパワーが受光器22によってモニタされて、そのモニタ結果がADコンバータ23を介して制御回路24に伝えられる。制御回路24では、光中継器1から伝えられるチャンネル数や出力レベル目標値等の伝送情報に従い、ADコンバータ23から伝えられるモニタされたトータルパワーをチャンネル数で割り算した値を基に、光増幅器20から出力されるWDM信号光の1チャンネル当たりの光パワーが求められ、その結果が目標値に一致するように光増幅器20の増幅動作を制御する制御信号が生成される。そして、この制御信号に従って光増幅器20の利得が調整されることで、前述の図7に示したような各チャンネルの信号光パワーが所望のレベルで揃ったWDM信号光が、出力端子16を介して光伝送路103に出力されるようになる。なお、SBSによる戻り光を光増幅器20で増幅することによりASE等の雑音光が発生することになるが、この光増幅器20で発生する雑音光は1〜n段目で発生し蓄積した雑音光に比べて僅かであるため、ダミー伝送路13における雑音光除去の効果は十分に得られることになる。
【0046】
このように第1実施形態の光伝送システムによれば、雑音光除去ユニット2のダミー伝送路13で発生するSBSによる戻り光のレベルが、例えば信号光の変調ビットレートが高い場合などのように小さくなるようなときでも、後段の光増幅器20によって所望のレベルまで増幅したWDM信号光を安定して出力することが可能になる。
【0047】
次に、第2実施形態による光伝送システムについて説明する。
図10は、第2実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
図10において、第2実施形態の光伝送システムは、前述の図9に示した第1実施形態の変形例であって、SBSによる戻り光をラマン増幅によって所要のレベルまで増幅するようにしたものである。具体的には、雑音光除去ユニット2のレベル調整部15に相当する構成として、ラマン増幅用の励起光源(LD)30、WDMカプラ31、ADコンバータ32、制御回路33およびメモリ34を含んでなる。
【0048】
ラマン増幅用の励起光源30は、伝送されるWDM信号光の波長帯域に対応して予め設定された波長帯の励起光を発生し、その励起光をWDMカプラ31および出力端子16を介して受信側の光伝送路103に供給することで、その光伝送路103を伝搬するWDM信号光のラマン増幅を可能にする。ADコンバータ32は、励起光源30の駆動状態を示す電気信号をAD変換して制御回路33に出力する。
【0049】
制御回路33は、ADコンバータ32からの出力信号、光中継器1からの伝送情報およびメモリ34の記憶情報に基づいて、光伝送路103を伝搬して次段(n+1段目)の光中継器104に入力されるWDM信号光のパワーが所望のレベルとなるように励起光源30の駆動状態を制御するための制御信号を生成する。この制御回路24としては、FPGA等の集積回路を用いることが可能である。また、メモリ34には、予め調べておいた励起光源の出力光パワーとラマン増幅利得との関係や、次段の光中継器104までの伝送距離(=減衰量)などに関する情報が記憶されているものとする。
【0050】
上記のような構成の雑音光除去ユニット2においては、ダミー伝送路13において発生したSBSによる戻り光が光カプラ12によって取り出され、WDMカプラ31を通過して出力端子16に接続された光伝送路103に出力される。この光伝送路103には、制御回路33によって駆動状態が制御された励起光源30から出力される励起光がWDMカプラ31を介して供給されていて、光伝送路103を伝搬するWDM信号光(戻り光)がラマン増幅されながら次段の光中継器104に送られる。これにより、所望のレベルにラマン増幅されたWDM信号光が次段の光中継器104に入力されるようになる。なお、SBSによる戻り光を後段の光伝送路103でラマン増幅することによりASS雑音光が発生することになるが、このASS雑音光は1〜n段目で発生し蓄積した雑音光に比べて僅かであるため、ダミー伝送路13における雑音光除去の効果は十分に得られることになる。
【0051】
このように第2実施形態の光伝送システムによれば、雑音光除去ユニット2のダミー伝送路13で発生するSBSによる戻り光のレベルが小さくなるようなときでも、後段の光伝送路103をラマン増幅媒体として利用することによって、所望のレベルまでラマン増幅したWDM信号光を次段の光中継器104に安定して送ることが可能になる。
【0052】
なお、上記の第1、第2実施形態では、光増幅器20の出力光レベルまたは励起光源30の駆動状態をモニタしてWDM信号光に対する利得を制御するようにしたが、SBSによる戻り光のパワーが実験結果またはシミュレーションなどによって予め分かっている場合には利得を固定にするようにしても構わない。
次に、第3実施形態による光伝送システムについて説明する。
【0053】
図11は、第3実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
図11において、第3実施形態の光伝送システムは、例えば図1の基本構成について、雑音光除去ユニット2のレベル調整部15として、SBSによる戻り光を可変光減衰器により所要のレベルまで減衰させる具体的な構成を適用したものである。上記以外の雑音光除去ユニット2の他の部分の構成および光伝送システム全体の構成は、図1の基本構成の場合と同様である。
【0054】
具体的にレベル調整部15に相当する構成は、例えば、可変光減衰器(ATT)40、光カプラ(CPL)41、受光器(PD)42、ADコンバータ43、制御回路44およびトランジスタ(TR)45を含んでなる。
可変光減衰器40は、光カプラ12の第3ポートと雑音光除去ユニット2の出力端子16との間の光路上に配置され、光カプラ12で取り出されたSBSによる戻り光を可変の減衰量に応じて減衰して出力する。この可変光減衰器40の減衰量は、制御回路44からの出力信号をトランジスタ45によって電流に変換した信号に従って制御される。
【0055】
光カプラ41は、可変光減衰器40から出力端子16に出力されるWDM信号光の一部を分岐して受光器42に送るものである。受光器42は、光カプラ41からの分岐光を受光し、パワーに応じた電気信号を発生してADコンバータ43に出力する。ADコンバータ43は、受光器42からのアナログの電気信号をデジタルに変換して制御回路44に送る。
【0056】
制御回路44は、ADコンバータ43からの出力信号および光中継器1からの伝送情報に基づいて、可変光減衰器40から出力されるWDM信号光のトータルパワーが目標値となるように、可変光減衰器40の可変の減衰量を制御するための制御信号を生成し、その制御信号をトランジスタ45を介して可変光減衰器40に伝達する。この制御回路44の具体例としては、FPGA等の集積回路を用いることが可能である。
【0057】
上記のような構成の雑音光除去ユニット2では、ダミー伝送路13において発生したSBSによる戻り光が光カプラ12によって取り出され、可変光減衰器40で減衰されて出力端子16に出力される。このとき可変光減衰器40からの出力光の一部が光カプラ41によって分岐され、トータルパワーが受光器42によってモニタされて、そのモニタ結果がADコンバータ43を介して制御回路44に伝えられる。制御回路44では、ADコンバータ43からのモニタ結果に基づいて、光中継器1から伝えられるチャンネル数や出力レベル目標値等の伝送情報に従い、可変光減衰器40から出力されるWDM信号光の1チャンネル当たりの光パワーが求められ、その結果が目標値に一致するように可変光減衰器40の光減衰量を制御する制御信号が生成される。そして、この制御信号に従って可変光減衰器40の光減衰量が調整されることで、各チャンネルの信号光パワーが所望のレベルで揃ったWDM信号光が、出力端子16を介して光伝送路103に出力されるようになる。
【0058】
このように第3実施形態の光伝送システムによれば、雑音光除去ユニット2のダミー伝送路13で発生するSBSによる戻り光のパワーが、例えば後段の光伝送路103において非線形光学現象を生じてしまうような大きなレベルになるときでも、可変光減衰器40によって非線形光学現象の生じないレベルまで減衰させたWDM信号光を安定して出力することが可能になる。
【0059】
なお、上記の第3実施形態では、可変光減衰器40の出力光レベルをモニタして可変の減衰量を制御するようにしたが、SBSによる戻り光のパワーが実験結果またはシミュレーションなどによって予め分かっている場合には減衰量が固定の光減衰器を用いるようにしても構わない。
また、上述した第1〜第3実施形態では、光入出力部として光アイソレータ11および光カプラ12を使用する構成について適用したが、上述の図8に示したように光入出力部として光サーキュレータ17を用いる構成についても同様にして応用することが可能である。
【0060】
次に、第4実施形態による光伝送システムについて説明する。
図12は、第4実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
図12において、第4実施形態の光伝送システムは、例えば図8に示した構成についての応用例であって、高出力型の光中継器1としての機能と、雑音光除去ユニット2内のレベル調整部15としての機能とを1つの光増幅器で実現するようにしたものである。
【0061】
具体的には、光伝送システムの例えばn段目の光中継器として、上述した雑音光除去ユニット2としての機能を内蔵した光中継器1’を設け、その光中継器1’は、入力端子10’と出力端子16’の間に、光サーキュレータ17’、光増幅器50、ダミー伝送路13および無反射終端器(T)14を備えて構成される。
【0062】
光サーキュレータ17は、ここでは、第1ポートに入力端子10’が接続され、第2ポートに光増幅器50が接続され、第3ポートに出力端子16’が接続されて、第1ポートから第2ポートへの方向および第2ポートから第3ポートへの方向に進む光を伝達することが可能である。
光増幅器50は、ここでは例えば、2段増幅構成のエルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA)を用いるものとし、具体的には、第1および第2のエルビウムドープ光ファイバ(EDF)51A,51Bと、各EDF51A,51Bへの励起光を発生する励起光源52A,52Bと、各励起光源52A,52Bからの励起光をEDF51A,51Bに供給するWDMカプラ53A,53Bと、EDF51A,51Bの段間に設けられた可変光減衰器54と、を備えて構成される。また、ここでは図示を省略したが、光増幅器50から出力されるWDM信号光パワーのモニタ結果に応じて、励起光源52A,52Bの駆動状態または可変光減衰器54の減衰量を制御する制御回路も設けられているものとする。
【0063】
なお、光増幅器50の構成は上記の具体例に限定されるものではなく、双方向に伝搬する光を高い利得で増幅可能な任意の構成の光増幅器を用いることが可能である。
ダミー伝送路13は、光増幅器50の光サーキュレータ17とは反対側に位置する入出力端に一端が接続され、他端には無反射終端器14が接続されている。このダミー伝送路13および無反射終端器14は、上述の基本構成において用いたものと同様である。
【0064】
上記のような構成の光伝送システムでは、光送信装置100から光伝送路103に送信されたWDM信号光が、1〜(n−1)段目の光中継器104で順次増幅されながら中継伝送されてn段目の光中継器1’に入力される。光中継器1’では、雑音光の蓄積したWDM信号光が、入力端子10’および光サーキュレータ17を介して光増幅器50に送られる。この光増幅器50では、励起光源52A,52Bからの励起光の供給を受けて励起状態にされた各EDF51A,51BをWDM信号光が一方向に伝搬することによって、そのWDM信号光のパワーが、ダミー伝送路13におけるSBS発生の閾値PTHを超えるレベルにまで増幅された後に、ダミー伝送路13に出力される。そして、ダミー伝送路13では、閾値PTHを超えるパワーを持つ信号波長の信号光成分のみがSBSによる戻り光として光増幅器50に再入力され、閾値PTHに達していない信号波長以外の雑音光成分および信号波長と同じ波長の雑音光成分はダミー伝送路13を通過して無反射終端器14に吸収される。
【0065】
ダミー伝送路13において発生したSBSによる戻り光は、光増幅器50内を入力側に向けて伝搬することにより所要のレベルにまで増幅されて光サーキュレータ17に出力される。このとき、光増幅器50から光サーキュレータ17に出力されるWDM信号光(戻り光)のパワーがモニタされ、そのモニタ結果に従って、励起光源52A,52Bの駆動状態または可変光減衰器54の減衰量が制御されて、WDM信号光のパワーが目標値に一致するように調整される。
【0066】
光増幅器50から光サーキュレータ17の第2ポートに送られたWDM信号光は、光サーキュレータ17の第3ポートから出力されて、出力端子16’を介して後段の光伝送路103に送出される。
このように第4実施形態による光伝送システムによれば、上述した基本構成の場合と同様の作用効果を得ることができると共に、WDM信号光をSBS発生の閾値PTHを超えるレベルまで増幅する機能と、SBSによる戻り光のレベルを調整する機能とが1つの光増幅器50によって実現されるようになるため、システム構成のさらなる簡略化を図ることが可能になる。
【0067】
次に、第5実施形態による光伝送システムについて説明する。
第5実施形態の光伝送システムでは、SBSによる波長シフトの影響を考慮したシステム構成について説明する。ここで、SBSによる波長シフトとは、入力光の波長に対して、SBSによる戻り光の波長が11GHz程度(例えば1550nm帯の光では0.09nm程度)長波長側にシフトする現象である。このようなSBSによる波長シフトは、例えば、光受信装置におけるWDM信号光の分波処理に影響を及ぼす可能性がある。
【0068】
具体的には、例えば図13の中段に示すように、WDM信号光に含まれる各チャンネルの信号光の波長間隔が広いシステム(図の例では400GHz間隔、すなわち、1550nm帯で3.2nm程度の間隔)の場合、光受信装置105内に設けられる分波器106のフィルタ特性(各チャンネルに対応した透過帯域幅)も広くできるため、伝送されるWDM信号光が雑音光除去ユニット2を通過する回数が少なければ、上記分波器をそのまま用いて受信されたWDM信号光から各チャンネルの信号光を取り出すことが可能である。
【0069】
しかし、図13の下段に示すように、信号光の波長間隔が狭いシステム(図の例では50GHz間隔、すなわち、1550nm帯で0.4nm程度の間隔)の場合には、分波器106のフィルタ特性も狭くなるため、WDM信号光が雑音光除去ユニット2を通過する回数がたとえ少なくても、SBSによる波長シフトの影響により分波器106で各チャンネルの信号光を正しく取り出すことが難しくなる。
【0070】
そこで、第5実施形態の光伝送システムでは、伝送光がシステム全体で雑音光除去ユニットを何回通過するかを基にSBSによる波長シフト量を予め計算し、送信時における各チャンネルの中心波長を上記波長シフト量だけずらしたフィルタ特性を有する分波器を光受信装置内に備えるようにした構成を採用する。
図14は、第5実施形態の光伝送システムの具体例を示す概念図である。ここでは、伝送光が雑音光除去ユニットを2回通過する場合の一例を具体的に考えることにする。この場合、システム全体でのSBSによる波長シフト量は、11GHz×2=22GHzと計算され、1550nm帯のWDM信号光を想定すると約0.18nmとなる。例えば、WDM信号光の波長間隔が50GHzで、送信時における各チャンネルの中心波長が1549.60nm、1550.00nm、1550.40nmの各信号光は、受信時には中心波長が1549.78nm、1550.18nm、1550.58nmにそれぞれシフトすることになる。従って、光受信装置105’内の分波器106’としては、透過中心波長が1549.78nm、1550.18nm、1550.58nmに位置するフィルタ特性を備えたデバイスを用いるようにする。光受信装置105’内の各光受信器107については、SBSにより波長がシフトした信号光がそれぞれ入力されることになるが、各々の光受信器107には基本的に波長依存性がないため、SBSによる波長シフトに応じた変更の必要は特にない。
【0071】
このような構成を採用することにより、システム全体を伝送されたWDM信号光に含まれる各チャンネルの信号光を分波器106’で確実に取り出すことが可能になる。
なお、上記の第5実施形態では、光受信装置105’内の分波器106’として固定のフィルタ特性を有するデバイスの使用を考えたが、例えば、可変のフィルタ特性を有するデバイスを用いるようにしてもよい。具体的には、例えば図15に示すような、温度変化によりフィルタ特性の中心波長が変化するアレイ型導波路格子(Arrayed Waveguide Grating;AWG)等を使用することが可能である。ただし、図15には、ある1つの透過帯に着目した温度変化が示してある。
【0072】
AWGを使用する場合、温度変化に対する波長の変動率が0.01nm/℃であると仮定すると、前述した伝送光が雑音光除去ユニットを2回通過する一例においては、SBSによる波長シフト量0.18nmは制御温度差に換算して0.18/0.01=18℃となる。従って、AWGの温度を変化させるヒータやペルチェ等の動作状態を調整して、図16に示すように、AWGの制御温度を基準温度から18℃変化させて透過帯の中心波長を0.18nmシフトさせれば、雑音光除去ユニットを2回通過したことによる波長変動をデバイス自体を変更することなく光受信装置で吸収することができるようになる。
【0073】
また、上述した第1〜第5実施形態では、光伝送システムのn個の中継スパンおきに高出力型の光中継器および雑音光除去ユニットを配置するようにしたが、システム上でSBSを利用した雑音光除去を実施する位置は上記に限られるものではない。例えば図17に示すように、光受信装置105の直前に高出力型の光中継器1および雑音光除去ユニット2を配置して、光受信装置105に入力するWDM信号光に蓄積した雑音光を一度に除去するようにしてもよい。このようなシステム構成は、例えば伝送途中のノードにおいて信号光が挿入または分岐(Add/Drop)されないようなシステムの場合、基本的に伝送途中での伝送光のOSNRは関係なく、あくまで光受信装置に入力される際のOSNRが重要になるため好適である。
【0074】
さらに、本発明による雑音光除去方式は、上述の図6に示したように、SBSによる戻り光として取り出した信号光のスペクトラムが細くなる(波長成分が少なくなる)という作用効果が得られるため、光送信装置や光中継器から信号光が送出された直後に本方式を適用して、伝送光の波長広がりを抑圧するという応用例も可能である。
【0075】
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
(付記1) 閾値を超えるパワーの光が入力されると誘導ブリリュアン散乱による戻り光を発生する誘導ブリリュアン散乱発生媒体に対して、光増幅部により前記閾値を超えるパワーまで増幅した信号光を与え、当該誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光を信号光として取り出すことにより、信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去方法において、
前記閾値が、前記光増幅部の出力光パワーと、前記光増幅部の出力端および前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定されることを特徴とする雑音光除去方法。
【0076】
(付記2) 付記1に記載の雑音光除去方法であって、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光のパワーを調整することを特徴とする雑音光除去方法。
【0077】
(付記3) 閾値を超えるパワーの光が入力されると誘導ブリリュアン散乱による戻り光を発生する誘導ブリリュアン散乱発生媒体と、
信号光を前記閾値を超えるパワーまで増幅する光増幅部と、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体に対して前記光増幅部で増幅された信号光を与え、当該誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光を信号光として取り出す光入出力部と、を備え、信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去装置において、
前記閾値が、前記光増幅部の出力光パワーと、前記光増幅部の出力端および前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定されることを特徴とする雑音光除去装置。
【0078】
(付記4) 付記3に記載の雑音光除去装置であって、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光のパワーを調整する調整部を備えたことを特徴とする雑音光除去装置。
【0079】
(付記5) 付記4に記載の雑音光除去装置であって、
前記調整部は、前記戻り光を増幅する光増幅器を含むことを特徴とする雑音光除去装置。
【0080】
(付記6) 付記4に記載の雑音光除去装置であって、
前記調整部は、前記戻り光を減衰させる光減衰器を含むことを特徴とする雑音光除去装置。
【0081】
(付記7) 付記4に記載の雑音光除去装置であって、
前記調整部から出力される戻り光のパワーを検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づいて前記調整部の動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする雑音光除去装置。
【0082】
(付記8) 付記3に記載の雑音光除去装置であって、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体は、光伝送路の形態を備えたことを特徴とする雑音光除去装置。
【0083】
(付記9) 付記8に記載の雑音光除去装置であって、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体は、光ファイバを用いたものであることを特徴とする雑音光除去装置。
【0084】
(付記10) 付記8に記載の雑音光除去装置であって、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体は、光導波路を用いたものであることを特徴とする雑音光除去装置。
【0085】
(付記11) 付記8に記載の雑音光除去装置であって、
前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体は、前記光増幅部で増幅された信号光が入力される一端とは反対側に位置する他端が無反射終端処理されることを特徴とする雑音光除去装置。
【0086】
(付記12) 付記3に記載の雑音光除去装置であって、
前記光入出力部は、少なくとも3つのポートを有する光カプラと、光アイソレータとを備え、前記光増幅部で増幅された信号光が前記光カプラの第1ポートに入力され第2ポートから前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体に出力され、前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光が前記光カプラの第2ポートに入力され2分岐されて第1ポートおよび第3ポートから出力され、前記光カプラの第1ポートから出力される戻り光の前記光増幅部への伝達が前記光アイソレータによって阻止されることを特徴とする雑音光除去装置。
【0087】
(付記13) 付記3に記載の雑音光除去装置であって、
前記光入出力部は、前記光増幅部の光出力端と前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の光入力端との間に配置された光サーキュレータを有することを特徴とする雑音光除去装置。
【0088】
(付記14) 光送信装置から光伝送路に送信された信号光を、前記光伝送路上に配置された光中継器で増幅して光受信装置まで中継伝送する光伝送システムであって、
付記3に記載の雑音光除去装置を前記光伝送路上に少なくとも1つ以上備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
【0089】
(付記15) 付記14に記載の光伝送システムであって、
前記光受信装置は、前記光伝送路を伝送された信号光を波長に応じて分波する分波器を有し、該分波器は、前記雑音光除去装置で発生する誘導ブリリュアン散乱による波長シフト量に応じて透過帯の中心波長が設定されたフィルタ特性を持つことを特徴とする光伝送システム。
【0090】
(付記16) 付記15に記載の光伝送システムであって、
前記分波器は、フィルタ特性が調整可能なアレイ型導波路格子を含むことを特徴とする光伝送システム。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるSBSを利用した雑音光除去技術によれば、光増幅部の出力光パワーと、光増幅部の出力端および誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定される閾値を超えるパワー信号光を誘導ブリリュアン散乱発生媒体に与え、SBSによる戻り光を信号光として取り出すようにしたことで、従来の雑音光除去方式に比べて簡易な手法により信号光に含まれる雑音光成分を光の状態のまま除去することができる。このような雑音光除去技術を光伝送システムに適用すれば、システム構成の小規模化および低コスト化を図ることが可能になる。また、SBSによる戻り光を利用することによって信号波長と同じ波長の雑音光成分を効果的に除去することができるため、送信時の状態に極めて近い状態の信号光を作り出すことが可能になる。さらに、スペクトラム幅の狭い信号光が得られるため、光伝送路における波長分散等の影響を軽減することも可能になる。加えて、SBSによる戻り光のパワーを調整するようにすれば、雑音光除去後の信号光のレベルを所望の値に合わせることができ、また、実伝送路での非線形光学現象の発生を低減させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるSBSを利用した雑音除去方法が適用された光伝送システムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光伝送システムにおいて、雑音光除去ユニットに入力されるWDM信号光の波長に対する光パワーの一例を示す図である。
【図3】図1の光伝送システムにおける信号光の伝達経路を示す図である。
【図4】入力光パワーに対するSBSによる戻り光パワーの関係を変調ビットレートに応じて示した図である。
【図5】本発明のSBSを利用した雑音光除去の原理を説明する図であって、(A)は各チャンネルの信号がすべて「1」になる発光状態、(B)は各チャンネルの信号がすべて「0」になる消光状態を示す。
【図6】本発明のSBSを利用した雑音光除去において信号光スペクトラムを細くする効果を説明する図である。
【図7】図1の光伝送システムにおいて、雑音光除去ユニットから出力されるWDM信号光の波長に対する光パワーの一例を示す図である。
【図8】図1の光伝送システムの基本構成に関連する他の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第4実施形態による光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
【図13】SBSによる波長シフトの影響を説明する図である。
【図14】本発明の第5実施形態による光伝送システムの具体例を示す概念図である。
【図15】第5実施形態に関連して、分波器に使用可能なAWGの温度特性を説明する図である。
【図16】図15のAWGを使用した場合のフィルタ特性の制御例を示す図である。
【図17】本発明の各実施形態に関連して、光受信装置の直前で雑音光除去を実施するようにした一例を示す図である。
【図18】光/電気変換に基づく雑音光除去を行う従来の光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図19】信号光の分波および合波に基づいて雑音光除去を行う従来の光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1’ 光中継器(高出力型)
2 雑音光除去ユニット
10 入力端子
11 光アイソレータ
12 光カプラ(CPL)
13 ダミー伝送路
14 無反射終端器(T)
15 レベル調整部
16 出力端子
17 光サーキュレータ
100 光送信装置
103 光伝送路
104 光中継器
105 光受信装置
106,106’ 分波器(DMUX)

Claims (5)

  1. 閾値を超えるパワーの光が入力されると誘導ブリリュアン散乱による戻り光を発生する誘導ブリリュアン散乱発生媒体に対して、光増幅部により前記閾値を超えるパワーまで増幅した信号光を与え、当該誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光を信号光として取り出すことにより、信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去方法において、
    前記閾値が、前記光増幅部の出力光パワーと、前記光増幅部の出力端および前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定されることを特徴とする雑音光除去方法。
  2. 閾値を超えるパワーの光が入力されると誘導ブリリュアン散乱による戻り光を発生する誘導ブリリュアン散乱発生媒体と、
    信号光を前記閾値を超えるパワーまで増幅する光増幅部と、
    前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体に対して前記光増幅部で増幅された信号光を与え、当該誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光を信号光として取り出す光入出力部と、を備え、信号光に含まれる雑音光成分を除去する雑音光除去装置において、
    前記閾値が、前記光増幅部の出力光パワーと、前記光増幅部の出力端および前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体の入力端の間に配置された光部品の挿入損失とに基づいて設定されることを特徴とする雑音光除去装置。
  3. 請求項2に記載の雑音光除去装置であって、
    前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体で発生する戻り光のパワーを調整する調整部を備えたことを特徴とする雑音光除去装置。
  4. 請求項2に記載の雑音光除去装置であって、
    前記誘導ブリリュアン散乱発生媒体は、光伝送路の形態を備えたことを特徴とする雑音光除去装置。
  5. 光送信装置から光伝送路に送信された信号光を、前記光伝送路上に配置された光中継器で増幅して光受信装置まで中継伝送する光伝送システムであって、
    請求項2に記載の雑音光除去装置を前記光伝送路上に少なくとも1つ以上備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
JP2001349699A 2001-11-15 2001-11-15 誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム Expired - Fee Related JP3799266B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349699A JP3799266B2 (ja) 2001-11-15 2001-11-15 誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム
US10/092,305 US7142782B2 (en) 2001-11-15 2002-03-07 Noise light elimination method, noise light elimination apparatus and optical transmission system, using stimulated brillouin scattering

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349699A JP3799266B2 (ja) 2001-11-15 2001-11-15 誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003152645A JP2003152645A (ja) 2003-05-23
JP3799266B2 true JP3799266B2 (ja) 2006-07-19

Family

ID=19162328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001349699A Expired - Fee Related JP3799266B2 (ja) 2001-11-15 2001-11-15 誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7142782B2 (ja)
JP (1) JP3799266B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005051598A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Kddi Submarine Cable Systems Inc 光伝送システムのアップグレード方法及び光送信装置
JP4713837B2 (ja) * 2004-02-10 2011-06-29 株式会社日立製作所 光分岐挿入多重化装置
JP2005333311A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Chugoku Electric Power Co Inc:The 2心双方向通信網における事故回復方法
JP4193805B2 (ja) * 2004-07-27 2008-12-10 セイコーエプソン株式会社 発光装置および画像形成装置
JP4783648B2 (ja) * 2006-02-28 2011-09-28 富士通株式会社 中継装置及び中継方法
US8620155B2 (en) * 2007-06-14 2013-12-31 The University Of Sydney Optical signal to noise monitor
US9419408B2 (en) * 2013-12-27 2016-08-16 Arris Enterprises, Inc. Optical amplifier with self-adjusting gain based on reflected feedback
US10277352B2 (en) * 2016-05-24 2019-04-30 Ciena Corporation Noise suppression and amplification systems and methods for colorless optical add/drop devices
KR102299905B1 (ko) * 2021-02-26 2021-09-09 주식회사 에니트 광 검출부 이득조절 기반 광섬유 분산 음향 감지 센서를 이용한 감시 시스템 및 그 방법

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07199244A (ja) 1994-01-07 1995-08-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光波形劣化補償装置
US6025947A (en) * 1996-05-02 2000-02-15 Fujitsu Limited Controller which controls a variable optical attenuator to control the power level of a wavelength-multiplexed optical signal when the number of channels are varied
US6226296B1 (en) * 1997-01-16 2001-05-01 Physical Optics Corporation Metropolitan area network switching system and method of operation thereof
JPH10308703A (ja) 1997-03-05 1998-11-17 Fujitsu Ltd 光伝送装置及び光伝送方法並びに光通信システム
US5986782A (en) * 1997-05-29 1999-11-16 Ciena Corporation Signal-to-noise monitoring in WDM optical communication systems
JPH11275020A (ja) * 1998-03-19 1999-10-08 Fujitsu Ltd 波長多重光伝送システム及び波長多重光伝送システムに使用される光デバイス用損失差補償器の設計方法並びに波長多重光伝送システムの構築方法
US6580536B1 (en) * 1999-01-14 2003-06-17 Lucent Technologies Inc. Power and wavelength management for mixed-rate optical data systems
US6549696B1 (en) * 1999-08-10 2003-04-15 Hitachi Cable, Ltd. Optical wavelength multiplexer/demultiplexer
US6619864B2 (en) * 2001-03-15 2003-09-16 Optinel Systems, Inc. Optical channel monitor with continuous gas cell calibration

Also Published As

Publication number Publication date
US7142782B2 (en) 2006-11-28
JP2003152645A (ja) 2003-05-23
US20030090757A1 (en) 2003-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3527671B2 (ja) ラマン増幅による光伝送パワーの波長特性制御方法、並びに、それを用いた波長多重光通信システムおよび光増幅器
US5696615A (en) Wavelength division multiplexed optical communication systems employing uniform gain optical amplifiers
EP1248392B1 (en) Optical amplifier device and bidirectional wavelength division multiplexing optical communication system using the same
JP4057214B2 (ja) 分布型光増幅装置および該方法ならびに光通信システム
US8774624B2 (en) Optical transmission apparatus and optical communication system
US8041231B2 (en) Supervisory controlling method and supervisory controlling system of optical repeater
US7372622B2 (en) Optical transmission system, optical repeater, and optical transmission method
AU7469400A (en) Optical transmission systems including optical amplifiers and methods of use therein
US6671083B2 (en) Raman amplifier and optical transmission system
JP2000244398A (ja) 光通信システム実現方法
US20070230968A1 (en) Optical transmission apparatus
JPWO2002035665A1 (ja) 光送信機、光中継器及び光受信機並びに光送信方法
US6823107B2 (en) Method and device for optical amplification
JP3799266B2 (ja) 誘導ブリリュアン散乱を利用した雑音光除去方法、雑音光除去装置および光伝送システム
US20060126998A1 (en) Lumped raman amplifier for adaptive dispersion compensation
JP2002164845A (ja) 波長多重光送受信装置、波長多重光中継器、及び波長多重光通信システム
JP2001168841A (ja) 波長多重光増幅器
JP3482962B2 (ja) 光増幅装置及びそれを用いた光伝送システム
US6697575B1 (en) System and method for increasing capacity of long-haul optical transmission systems
US6501870B1 (en) System and method for reducing effects of optical impairments in optically amplified lightwave communication systems
JP2714611B2 (ja) 光中継器及びそれを使った光伝送路網
US7813650B2 (en) Optical system
JP2000077757A (ja) 光増幅器、光伝送装置および光伝送システム
WO2023162208A1 (ja) 光監視装置、光監視システム、および光監視方法
JP4661027B2 (ja) 雑音光除去装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees