JP3797408B2 - 画像形成装置のサブユニット取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置のサブユニット取付構造に係り、特に、装置本体に形成されたユニット受部にサブユニットを着脱自在に押し込み装着する際の操作性を改善するようにした画像形成装置のサブユニット取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における画像形成装置においては、例えば感光体ドラムなどの像担持体、帯電器、現像器、クリーナ等を一体構造にまとめたプロセスカートリッジとし、装置本体に形成されたカートリッジ受部に前記プロセスカートリッジを着脱自在に押し込み装着するようにしたものが既に知られている(例えば特開平6−317959号公報参照)。
このような態様によれば、トナーの補給や寿命に達した像担持体の部品交換をまとめて行うことが可能になる分、メンテナンス作業がきわめて容易になるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のプロセスカートリッジ取付構造にあっては、プロセスカートリッジとカートリッジ受部との間に各種の操作反力発生機構(プロセスカートリッジと装置本体との間の電気的接続部、プロセスカートリッジとドラムシャフトとの嵌合部での抵抗力、両者の装着状態を維持するラッチ機構の係合力など)が存在するため、カートリッジ受部にプロセスカートリッジを押し込み装着する際に、プロセスカートリッジの装着完了の直前で押し込み操作力が急激に上昇してしまうという事態が見られる。
このような状況下において、一般的ユーザーにとっては、押し込み操作力が大きすぎてプロセスカートリッジの交換作業がきわめて困難になるという技術的課題が見い出された。
【0004】
この種の技術的課題を解決するために、プロセスカートリッジとカートリッジ受部との間の各種の操作反力発生機構で生ずる操作反力をそれぞれ小さく設計する工夫がなされているが、各種の操作反力発生機構による操作反力の作用タイミングは全てプロセスカートリッジの装着完了の直前に集中しているため、押し込み操作力の低減については限度があり、如何にして押し込み操作力を低減させるかが大きな技術的課題になっている。
尚、このような技術的課題は、プロセスカートリッジの取付構造に限られるものではなく、その他のサブユニット(例えば現像ユニットなど)の取付構造についても同様に生じ得るものである。
【0005】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、ユニット受部へのサブユニットの押し込み操作力を効果的に低減することが可能な画像形成装置のサブユニット取付構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、操作反力要因を分析した結果、ラッチ機構について操作反力の作用タイミングをシフトさせることが可能であることを見出し、本発明を案出するに至ったのである。
すなわち、本発明は、図1に示すように、装置本体1に形成されたユニット受部2にサブユニット3を着脱自在に押し込み装着する画像形成装置において、サブユニット3とユニット受部2との間には、両者の装着状態を維持するためにサブユニット3及びユニット受部2のそれぞれに設けられるラッチ部材4a,4bが係脱自在に係合するラッチ機構4を具備させ、いずれか一方のラッチ部材は、先端に弾性変形可能なラッチ爪を有する一方、前記他方のラッチ部材は、前記ラッチ爪が弾性変形した状態で係合し且つサブユニット3装着操作時におけるラッチ機構4の係合反力が増加する増加係合部6と、この増加係合部6の後に設けられて前記ラッチ爪が弾性変形した状態で係合し且つ前記係合反力が減少若しくは平衡する非増加係合部7と、この非増加係合部7の後に設けられて非増加係合部7より窪んで前記ラッチ爪が弾性復帰した状態で係合可能な係合凹部とを有し、前記増加係合部6と非増加係合部7との境界位置に対応するラッチ機構4の係合反力のピーク点位置mをラッチ機構以外の操作反力発生機構による操作反力が集中するラッチ機構4の係合完了位置n(サブユニット3の装着完了位置に相当)より手前側に変位させたことを特徴とする画像形成装置のサブユニット取付構造である。
【0007】
このような技術的手段において、サブユニット3は、画像形成装置に組み込まれるものであれば、少なくとも像担持体を含むプロセスカートリッジを始め、現像ユニット、定着ユニット、転写ユニット、用紙搬送ユニット、用紙トレイユニット、廃トナー回収ユニット、現像剤補給ユニットなど適宜選定して差し支えない。
【0008】
また、ラッチ機構4の構成については、サブユニット3側、ユニット受部2側にそれぞれ係脱自在なラッチ部材4a,4bを備えていれば、その構造(ラッチスタッド、ラッチハンドル、ラッチアームなど)、数、配置関係など適宜選定して差し支えない
【0009】
更に、ラッチ機構4の係合反力のピーク点位置mについては、ラッチ機構4の係合完了位置nより手前に変位していればよいが、操作力をより低減するという観点からすれば、サブユニット3装着操作時におけるラッチ機構4の係合反力のピーク点位置mはラッチ機構4以外の操作反力発生機構8(図1では例示として二箇所を示す)による操作反力作用域の開始点付近の位置に設定されるのが好ましい。
【0010】
次に、上述した技術的手段の作用について説明する。
図1において、ユニット受部2にサブユニット3を装着操作するとき、サブユニット3を押し込んでいくに従って、ラッチ機構4の各ラッチ部材4a,4bが係合していき、サブユニット3が装着完了位置に達した段階で係合動作を完了する。
このとき、ラッチ機構4の係合反力のピーク点位置mはラッチ機構4の係合完了位置n(サブユニット3の装着完了位置に相当)より手前側に変位しているため、他の操作反力発生機構8からの操作反力が集中するサブユニット3の装着完了直前では、少なくともラッチ機構4による係合反力の影響は少なくなり、その分、サブユニット3の装着完了直前における押し込み操作力は小さく抑えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図2及び図3は本発明が適用されるプロセスカートリッジの実施の一形態を示す説明図である。
同図において、本実施の形態に係るプロセスカートリッジ20は、感光体ドラム21、感光体ドラム21を帯電する帯電器22、感光体ドラム21上の残留トナーを清掃するクリーナ23などを一体化したものであり、画像形成装置の装置本体50(具体的にはフロントフレーム50a,リアフレーム50b:図4参照)内に形成されたカートリッジ受部40(図4参照)に着脱自在に押し込み装着されるものである。
【0012】
このプロセスカートリッジ20は、感光体ドラム21の両端が回動自在に保持されるハウジング24を有すると共に、このハウジング24の手前側(カートリッジ離脱方向側)にカバー部材25を設けたものである。
そして、ハウジング24及びクリーナ23の上壁長手方向両端には断面T字状のガイドシュー26が設けられており、カートリッジ受部40側のガイドレール45(図12参照)に摺動自在に係合し、プロセスカートリッジ20の挿入軌跡を案内するようになっている。また、上記カバー部材25が取り付けられた手前側ハウジング24には二つの位置決め孔27、28が開設されると共に、奥側のハウジング24には一つの位置決め孔29が開設されている。
【0013】
また、本実施の形態において、プロセスカートリッジ20の奥側には、帯電器コネクタ31、除電器コネクタ32、プロセスカートリッジ20の使用履歴を記録/保持する為の装置であるクラムのコネクタ(以下クラムコネクタという)33が設けられており、装置本体50側の図示外のコネクタに連結される。
一方、クリーナ23からの廃トナー排出口シャッタ34も設けられている。
ここで、廃トナー排出口シャッタ34は、図5に示すように、クリーナ23の搬送ダクト231の廃トナー排出口232に対して開閉自在に配設されており、スプリング341にて所定方向に付勢されている。一方、カートリッジ受部40側にはトナー回収装置41が設けられており、このトナー回収装置41の回収ダクト411の先端には廃トナー受入口412が開設され、回収ダクト411の先端が前記シャッタ34の係止突起342に突き当たることで、前記シャッタ34がスプリング341の付勢力に抗して開き、廃トナー排出口232が廃トナー受入口412に連通接続されるようになっている。
一方、カバー部材25の手前側にはプロセスカートリッジ20を着脱操作する際の把手35が設けられている。
尚、符号36はエアダクトである。
【0014】
更に、カートリッジ受部40には、図4に示すように、リアフレーム50bにベアリング43を介して回動自在なドラムシャフト42が設けられており、一方、プロセスカートリッジ20の前後のハウジング24には当該ドラムシャフト42を挿通するための挿通孔241が開設されており、位置決めコマ242を介して挿通孔241に回動自在に支承されている。
そして、感光体ドラム21内にはドラムシャフト42からの駆動力を感光体ドラム21に伝達する駆動伝達機構37(図4,6参照)が設けられ、また、手前側のハウジング24にはドラム押圧機構38(図7参照)が設けられている。
ここで、駆動伝達機構37は、図6に示すように、フロント側ドラムフランジ211にボス部371を設ける一方、ドラムシャフト42にはリング状の駆動カップリング372を嵌挿し、この駆動カップリング372には係止ピン373を突設すると共に、ドラムシャフト42のスライド溝374に前記係止ピン373を係合させ、さらに、コイルスプリング375で前記係止ピン373を付勢し、駆動カップリング372に例えば180度間隔で形成された二つの係止爪376をボス部371に形成された係止溝377に連結係合させるようにしたものである。
また、ドラム押圧機構38は、図7に示すように、手前側のハウジング24のカバー部材25側側壁24aに位置決めコマ242が収納されるホルダ381を装着し、このホルダ381内にはスプリング382及びスプリング受け383を組み込み、このスプリング382にて前記位置決めコマ242をドラムシャフト42の軸方向奥側に向けて押圧し、図4に示すように、位置決めコマ242の先端でフロント側ドラムフランジ211を外側から押圧するようにしたものである。尚、ホルダ381内にはドラムシャフト42の先端を回転支承するベアリンク44も保持されている。
【0015】
更に、本実施の形態では、プロセスカートリッジ20とカートリッジ受部40との間には、両者の装着状態を維持するためのラッチ機構60が設けられている。
このラッチ機構60は、プロセスカートリッジ20のカバー部材25の内部に設けられる第1ラッチ部材61と、カートリッジ受部40を構成するフロントフレーム50aに設けられる第2ラッチ部材62とで構成されている。
本実施の形態において、第1ラッチ部材61は、図4、図8及び図9に示すように、把手35につながるラッチハンドル611を回転支点612にて回動自在に支承し、更に、この回転支点612からラッチハンドル611を第2ラッチ部材62側に延ばしたものであり、その先端に断面楔形状のラッチ爪613を形成する一方、回転支点612からは更にラッチスプリング片614を一体的に形成し、カバー部材25の上壁内面にラッチスプリング片614の先端を当接させ、ラッチハンドル611の先端ラッチ爪613の第2ラッチ部材62との係脱動作を確保するようにしたものである。尚、図8中、符号615はラッチハンドル611が正規の位置(ラッチしている状態)から更に押し込まれることを防ぐ為のストッパであり、図2及び第4に示すように、第1ラッチ部材61に対応したハウジング24には第2ラッチ部材62が挿入するラッチ開口30が開設されている。
【0016】
また、第2ラッチ部材62は、図10(b)に示すように、フロントフレーム50aに取付けられるものであって、第1ラッチ部材61に対向する方向に突出している。
特に、本実施の形態では、第2ラッチ部材62は、棒状のラッチスタッド621を有し、その先端側には断面楔形状のラッチ爪622(区間S1)を有すると共に、このラッチ爪622の傾斜部623に隣接した部位には水平方向に延びる水平部624(区間S2)を形成し、この水平部624に隣接した部位に第1ラッチ部材61のラッチ爪613が係合する係合凹部625を形成したものである。
【0017】
次に、本実施の形態に係るプロセスカートリッジの取付構造について説明する。
今、プロセスカートリッジ20を新しいものに交換する場合について述べると、カートリッジ受部40から古いプロセスカートリッジ20を取り外した後に、カートリッジ受部40に新しいプロセスカートリッジ20を押し込み挿入するようにすればよい。
このとき、プロセスカートリッジ20の押し込み操作時に生ずる押し込み操作反力としては以下のものが挙げられる。
1.プロセスカートリッジ20を構成する電気部品と装置本体50とを接続する各種コネクタの挿入力。
本実施の形態では、帯電器コネクタ31、除電器コネクタ32、クラムコネクタ33等(図2参照)がある。
2.プロセスカートリッジ20の位置決め孔27〜29に対する装置本体50側の位置決めピン(図示せず)の挿入力。
3.駆動伝達機構37において、ドラムシャフト42から感光体ドラム21に駆動伝達する駆動カップリング372のコイルスプリング375圧力(図4、図6参照)。
4.廃トナー排出口シャッタ34開放に抗するスプリング341圧力(図5参照)。
5.プロセスカートリッジ20のベアリング44がドラムシャフト42に嵌合挿入する際の抵抗力(図4,図7参照)。
【0018】
6.リア側ドラムフランジ212が位置決めコマ242に嵌合する際の押込み力(図4参照)。
この点について補足すると、
▲1▼ 図4に示すように、リア側ドラムフランジ212のボス部213外径とハウジング24の挿通孔241内径とは稼動時の干渉を避けるために、0.2mm程度の隙間が設けられている。このため、プロセスカートリッジ20がカートリッジ受部40への装着が完了していない状態では、図11に示すように、クリーナ23のクリーニングブレード235が感光体ドラム21を押す力により、感光体ドラム21はクリーニングブレード235と反対の方向にδだけ偏倚している。
▲2▼ プロセスカートリッジ20をカートリッジ受部40に挿入しつつある状態では、図12に示すように、プロセスカートリッジ20の重量は主としてガイドシュー26とガイドレール45とで支えられている。このため、プロセスカートリッジ20はガイドシュー26とガイドレール45との垂直方向のガタ分(例えば約0.5mm)下方に偏倚している。
従って、プロセスカートリッジ20の挿入が完了する手前では、図11に示すように、リア側ドラムフランジ212先端が偏倚位置(▲1▼▲2▼)から作用力に抗して位置決めコマ242の斜面に沿ってずり上がり、本来の位置にセットされる。このときに必要とされるプロセスカートリッジ20の押込み力は本実施の形態では例えば約3kgf程度であり、全体の約半分を占める。尚、この値が小さいと感光体ドラム21が正規位置よりずれてしまい、高精度が要求される現像ロールと感光体ドラム21との隙間(必要公差±50μm)が保てなくなる。
【0019】
7.ラッチ機構60を構成する第1ラッチ部材61と第2ラッチ部材62との係合力。
この点についての詳細は後述する。
そして、プロセスカートリッジ20がカートリッジ受部40に装着された状態では、プロセスカートリッジ20はカートリッジ受部40から抜け出す方向の力が継続的に働いており、その力は、▲1▼ドラム押圧スプリング382(図7参照)、▲2▼駆動カップリング372に対するコイルスプリング375(図4、図6参照)、▲3▼廃トナー排出口シャッタ34に対するスプリング341(図5参照)によるものである。これらの力に抗してプロセスカートリッジ20を正規の位置に保持させるのが上述したラッチ機構60である。
【0020】
次に、本実施の形態に係るラッチ機構60の挙動について説明する。
図13は、プロセスカートリッジ20がカートリッジ受部40への装着が完了するまでの状態を示す。
同図において、プロセスカートリッジ20の装着が完了する手前でプロセスカートリッジ20のカバー部材25内に設けられた第1ラッチ部材61のラッチ爪613は、フロントフレーム50aに固定された第2ラッチ部材62のラッチスタッド621の先端ラッチ爪622に当接する。
更に、プロセスカートリッジ20が押込まれると、第1ラッチ部材61のラッチ爪613は第2ラッチ部材62のラッチ爪622の傾斜部623をずり上がり、同時に第1ラッチ部材61のラッチ爪613は回転支点612を中心として回転する。このとき、ラッチスプリング片614の上部は初期状態で既にカバー部材25の上壁内面を押している状態に構成されているので、第1ラッチ部材61の回転でラッチスプリング片614は更に撓められる。
従って、第1ラッチ部材61のラッチスプリング片614を撓める力とラッチ爪613が第2ラッチ部材62のラッチ爪622の傾斜部623をずり上がる時の摩擦力の和がプロセスカートリッジ20を押込む操作力の一部に消費される。
【0021】
この後、第1ラッチ部材61のラッチ爪613が第2ラッチ部材62のラッチ爪622の傾斜部623を乗り越えると、第1ラッチ部材61のラッチ爪613は第2ラッチ部材62の水平部624に沿って摺動した後、第2ラッチ部材62の係合凹部625に係合する。
この区間では、第1ラッチ部材61のラッチスプリング片614の変形が起こらないため、両ラッチ部材61,62間では摩擦力のみが作用する。
【0022】
このようなラッチ機構60の挙動によれば、以下のような効果を得ることができる。
今、プロセスカートリッジ20が所定量、例えば350mm押し込まれた時点でのラッチ機構60によるラッチ動作が完了すると仮定する。
このとき、図10(b)に示すように、第2ラッチ部材62の先端位置からラッチ爪622の区間をS1(例えば5mm)、前記水平部624の区間をS2(例えば5mm)とすれば、第2ラッチ部材62の先端位置から係合凹部(ラッチ動作完了位置に相当)625までの距離はS1+S2(例えば10mm)で表される。
この態様において、ラッチスプリング片614を変形させるのに要する操作力Aは、図14に実線で示すように、ラッチ動作完了位置の10mm手前より順次増加していき、係合完了位置から5mm手前以降では0になる一方、第1ラッチ部材61のラッチ爪613と第2ラッチ部材62のラッチ爪622の傾斜部623との摩擦に費やされる操作力Bは、図14に実線で示すように、係合完了位置の10mm手前より順次増加していき、ラッチ動作完了位置から5mm手前以降では略平衡の値を保つ。
このため、本実施の形態に係るラッチ機構60においては、図15(b)に実線で示すように、ラッチ動作完了位置の10mm手前よりラッチ動作に必要な操作力が発生し、5mm手前で最大となり、その後、ラッチ完了までの区間はラッチスプリング片614の変形が生じないので、摩擦力のみとなる。
従って、ラッチ機構60以外の要因(No.1〜No.6)については、ラッチ動作完了前5mm付近が各動作要因に必要な操作力が集中しているタイミングであるが、本実施の形態では、ラッチ動作に必要な操作力が生ずるタイミングを他の要因に対する操作力に対して作用時期をシフトさせるようにしているため、合計の最大操作力が低減したものになっている。
【0023】
一方、第2ラッチ部材62’が図10(a)に示すような比較の形態にあっては、第2ラッチ部材62’の先端位置からラッチ爪622’の区間をS(例えば5mm)とし、ラッチ爪622’を乗り越えた段階で直ちに係合凹部(ラッチ動作完了位置に相当)625’としたため、ラッチ機構60で消費される操作力は、図14に点線で示すように、ラッチ動作完了(実施の形態と同様にプロセスカートリッジ20が350mm押込まれた時点と仮定)の5mm手前より発生し、ラッチ動作完了寸前で最大値となる。
このため、ラッチ機構による合計の操作力は、図15(b)点線で示すように、ラッチ機構以外の他の要因の操作力と共にラッチ動作完了前5mm以降増加していく。このため、プロセスカートリッジ20を押し込み操作する際の合計の操作力は、図15(a)に示すように、ラッチ動作完了前5mm付近に集中してしまい、非常に大きな値になる。
【0024】
本実施の形態モデル及び比較の形態モデルにて具体的な操作力を調べたところ、比較の形態モデルでは、図15(a)に示すように、最大操作力は6.2kgfに達していたが、本実施の形態モデルでは、プロセスカートリッジ20をカートリッジ受部40に押し込み装着する際に、複数の操作反力発生要因の内の一つのタイミングをシフトさせることにより、最大操作力を約1.2kgf軽減することが可能になり、最大操作力を一般的なユーザーが容易に操作可能な操作力のレベル(5kgf)まで下げることが可能であることが把握される。
【0025】
更に、ラッチ機構60の構成については、本実施の形態の態様に限られるものではなく、適宜設計変更して差し支えない。
例えば図10(c)示すように、第2ラッチ部材62のラッチ爪622についてより急な傾斜部626とし、更に、この傾斜部626を乗り越えた部位には前記傾斜部626と逆方向に傾斜する逆傾斜部627を設け、この逆傾斜部627に隣接した部位に係合凹部625を設けるようにしてもよい。
この変形の形態においては、図14及び図15に二点鎖線で示すように、ラッチ動作完了の10mm手前よりラッチ動作に必要な操作力が発生し、5mm手前で最大となる点で、実施の形態(図10(b)の態様)と同様であるが、第1ラッチ部材61のラッチスプリング片614の変形量が実施の形態に比べて大きく、当然ラッチ動作に必要な操作力も高い。
しかしながら、ラッチ動作完了の手前5mmからラッチ動作完了までの区間は負の操作力が働き、合計の最大操作力が最も小さくなる点で効果的である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユニット受部とサブユニットと間に設けられるラッチ機構を工夫し、このラッチ機構の係合反力のピーク点位置をラッチ機構以外の操作反力発生機構による操作反力が集中するラッチ機構の係合完了位置よりも手前に変位させるようにしたので、操作反力要因の一つを他の操作反力要因の作用タイミングからずらすことが可能になり、その分、ユニット受部にサブユニットを押し込み装着する際の最大操作力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置のサブユニット取付構造の概要を示す説明図である。
【図2】 本実施の形態で用いられるプロセスカートリッジを示す説明図である。
【図3】 図2中III方向から見た矢視図である。
【図4】 実施の形態に係るプロセスカートリッジの取付構造の概要を示す説明図である。
【図5】 図2のシャッタ部の取付構造を示す断面説明図である。
【図6】 図4中VI部の詳細を示す説明図である。
【図7】 図4中VII部の詳細を示す説明図である。
【図8】 プロセスカートリッジのカバー部材の内部構造を示す斜視図である。
【図9】 プロセスカートリッジ側のラッチ部材の詳細を示す説明図である。
【図10】 (a)は比較の形態に係る装置本体側のラッチ部材を示す説明図、(b)は本実施の形態に係る装置本体側のラッチ部材を示す説明図、(c)は本実施の形態の変形形態に係る装置本体側のラッチ部材を示す説明図である。
【図11】 プロセスカートリッジの装置本体(M/C)への装着過程を示す説明図である。
【図12】 プロセスカートリッジ挿入時の案内部構造を示す説明図である。
【図13】 プロセスカートリッジ挿入時のラッチ機構の挙動を示す説明図である。
【図14】 比較の形態、本実施の形態及びその変形形態に係るラッチ機構についての操作力を示す説明図である。
【図15】 (a)は比較の形態、本実施の形態及びその変形形態に係るラッチ機構を用いたプロセスカートリッジの取付構造についての操作反力変化を示すグラフ図、(b)は各ラッチ機構における操作反力変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1…装置本体,2…ユニット受部,3…サブユニット,4…ラッチ機構,4a,4b…ラッチ部材,6…増加係合部,7…非増加係合部,8…操作反力発生機構

Claims (3)

  1. 装置本体に形成されたユニット受部にサブユニットを着脱自在に押し込み装着する画像形成装置において、
    サブユニットとユニット受部との間には、両者の装着状態を維持するためにサブユニット及びユニット受部のそれぞれに設けられるラッチ部材が係脱自在に係合するラッチ機構を具備させ、
    いずれか一方のラッチ部材は、先端に弾性変形可能なラッチ爪を有する一方、前記他方のラッチ部材は、前記ラッチ爪が弾性変形した状態で係合し且つサブユニット装着操作時におけるラッチ機構の係合反力が増加する増加係合部と、この増加係合部の後に設けられて前記ラッチ爪が弾性変形した状態で係合し且つ前記係合反力が減少若しくは平衡する非増加係合部と、この非増加係合部の後に設けられて非増加係合部より窪んで前記ラッチ爪が弾性復帰した状態で係合可能な係合凹部とを有し、
    前記増加係合部と非増加係合部との境界位置に対応するラッチ機構の係合反力のピーク点位置をラッチ機構以外の操作反力発生機構による操作反力が集中するラッチ機構の係合完了位置より手前側に変位させたことを特徴とする画像形成装置のサブユニット取付構造。
  2. 請求項1記載の画像形成装置のサブユニット取付構造において、
    サブユニット装着操作時におけるラッチ機構の係合反力のピーク点位置は、ラッチ機構以外の操作反力発生機構による操作反力作用域の開始点付近の位置に設定したものであることを特徴とする画像形成装置のサブユニット取付構造。
  3. 請求項1記載の画像形成装置のサブユニット取付構造において、
    サブユニットは、少なくとも像担持体を含むプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置のサブユニット取付構造。
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