JP3797299B2 - 高電圧用カソード及びその接合方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧用カソード及びその接合方法に係り、特に、高電圧が印加される加速器の電子銃などに用いられるカソード及びその接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素系電子放出材の1つであるカーボンナノチューブ(以下、CNTと称す)は、線径が数nmと非常に細いことから、電界中にCNTを配置した場合、先端部において電界集中が生じ易い。その結果、CNTの先端から電子が大量に放出される。このため、CNTは、近年、電子源として注目されており、主に、電界放出ディスプレイのコールドカソードなどに応用されている。
【0003】
電界放出ディスプレイ用カソードは、微小なカソード本体に、CNTを配向配置させた配向性CNT層を有する基板を接合・固定することで形成される。ここで、カソード本体の構成材としては、Cu、Cu合金、ステンレス鋼、又はW等の真空下における電気・磁気特性が良好なものが用いられている。これらの金属又は合金に対しては配向性CNT層を形成し難いため、通常は一旦、Ni又はFe−Ni合金などからなる基板に配向性CNT層を形成し、この基板とカソード本体とを接合するようにしている。
【0004】
この電界放出ディスプレイ用カソードの構成を、数kV以上の高電圧が印加される電子線発生装置(例えば、加速器の電子銃など)のカソードに応用しようという試みがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この場合、以下に示す問題が生じた。
【0006】
▲1▼ ディスプレイ用カソードは低電圧下での使用が前提であるため、高電圧用カソードのように放電が生じるような高電圧下で使用することはない。このため、ディスプレイ用カソードにおいては、放電によって基板がカソード本体から剥離することを心配する必要はない。つまり、ディスプレイ用カソードにおいては、基板とカソード本体との接合強度は殆ど考慮されていないことから、放電が生じるような高電圧下で使用するには強度が不十分であった。
【0007】
▲2▼ また、ディスプレイ用カソードで、基板とカソード本体とを樹脂製バインダで接合しているものは、基板とカソード本体とが電気的に接続されておらず、基板−カソード本体間の電気伝導が良好でない。
【0008】
▲3▼ また、ディスプレイ用カソードでは、配向性CNT層−基板間の接合強度及び電気伝導について考慮されていなかった。
【0009】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、高電圧下、配向性CNT層、基板、及びカソード本体が、機械的及び電気的に良好に接合された高電圧用カソード及びその接合方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る高電圧用カソードは、カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードにおいて、上記基板と上記カソード本体との間にろう材を設け、上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、かつ、基板とカソード本体とをろう材でろう付け接合したものである。
【0011】
また、本発明に係る高電圧用カソードは、カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードにおいて、上記基板と上記カソード本体との間にインサート材を設け、上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、かつ、インサート材と基板及びインサート材とカソード本体とをそれぞれ液相拡散接合したものである。
【0012】
さらに、本発明に係る高電圧用カソードは、カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードにおいて、上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板及び上記基板と上記カソード本体とをそれぞれ固相拡散接合したものである。
【0013】
具体的には、請求項4に示すように、上記基板がSi、Ti、Nb、又はそれらの合金で、また、上記カソード本体がCu、Cu合金、又はステンレス鋼で構成されている。
【0014】
これによって、配向性CNT層、基板、及びカソード本体が、機械的及び電気的に良好に接合され、高電圧を印加しても、カソード本体から基板及び配向性CNT層が剥離することはない。
【0015】
一方、本発明に係る高電圧用カソードの接合方法は、カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードの接合方法において、上記基板に熱処理を施して上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、その基板と上記カソード本体との間にろう材を配置して積層した後、ろう材の融点以上の温度でろう付けを行い、基板とカソード本体とをろう付け接合するものである。
【0016】
また、本発明に係る高電圧用カソードの接合方法は、カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードの接合方法において、上記基板に熱処理を施して上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、その基板と上記カソード本体との間にインサート材を配置して積層した後、その積層体を、インサート材の再結晶温度以上の温度に保持して、インサート材と基板及びインサート材とカソード本体とを融着し、その後、積層体を、その温度よりも更に高い温度に保持して、インサート材と基板及びインサート材とカソード本体との間でそれぞれ液相拡散接合を生じさせるものである。
【0017】
さらに、本発明に係る高電圧用カソードの接合方法は、カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードの接合方法において、上記基板に熱処理を施して上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、その基板と上記カソード本体とを積層した後、その積層体を、基板又はカソード本体のいずれか一方が再結晶する温度以上に保持して、基板とカソード本体との間で固相拡散接合を生じさせるものである。
【0018】
これによって、配向性CNT層、基板、及びカソード本体を、機械的及び電気的に良好に接合することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、第1の実施の形態に係る高電圧用カソード10は、一方の面(図1中では上面)に配向性CNT層12を有する基板11と、カソード本体13との間に硬ろう材(ろう材)14を設け、配向性CNT層12と基板11とを固相拡散接合し、かつ、基板11とカソード本体13とを硬ろう材14でろう付け接合したものである。
【0021】
配向性CNT層12は一方向に配向したCNTが面状に配置されたものであり、基板11におけるカソード本体13と接合しない方の面に一体に形成される。ここで、CNTの配向方向は任意であり、特に限定するものではないが、後述する電子e(図9参照)の放出を考慮すると、基板11の厚さ方向(図1中では上下方向)と同じ方向が好ましい。
【0022】
基板11は、Si、Ti、Nb、又はそれらの合金からなる薄板で構成されるものであり、図2に示すように、その上面にNi又はニッケル合金からなる極薄のメッキ膜21を有している。基板11の板厚は、配向性CNT層12を支持できるだけの厚さがあれば十分であり、これによって、カソード10の機械的及び電気的特性に及ぼす影響を最小限に抑えている。また、メッキ膜21は、CVD法によるCNT形成の際の核とするために形成されるものであって、配向性CNT層12の形成後においては、図3に示すように、少なくとも各CNTが位置する部分のメッキ膜21は消失する。
【0023】
カソード本体13の構成材としては、真空下での電気・磁気特性が良好なものであれば特に限定するものではなく、加速器のカソードに慣用的に用いられている全ての金属又は合金が適用可能であり、例えば、Cu、Cu合金、ステンレス鋼、又はWなどが挙げられ、好ましくはCu、Cu合金、又はステンレス鋼である。
【0024】
硬ろう材14は、例えば、カソード本体13の構成材が銅の場合、Agろうなどが挙げられるが、特にこれに限定するものではなく、基板11とカソード本体13とを電気的及び機械的に良好に接合することができるものであればよい。
【0025】
本実施の形態においては、配向性CNT層12を有する基板11を用いた場合について説明を行ったが、炭素系電子放出材としてはCNTに特に限定するものではなく、電界集中が生じやすい形状を呈しており、電子放出に適したもの、例えば、GNF(グラファイトナノファイバー)等が適用可能である。
【0026】
次に、第1の実施の形態に係る高電圧用カソード10の接合方法を、添付図面に基いて説明する。
【0027】
図4に示すように、硬ろう材14を介して基板11とカソード本体13とを重ね合わせる。この時、基板11には予め熱処理(例えば、真空中、約900℃)を施しておき、配向性CNT層12と基板11とを固相拡散接合させたものを用いる。具体的には、Si、Ti、Nb、又はそれらの合金で構成した基板11に、真空中、約900℃の温度で熱処理を施すことで、各CNTと基板11との境界部において固相状態の原子拡散(固相拡散)が生じ、各境界部近傍に炭化物(SiC、TiC、NbCなど)が生成する。その結果、各CNTと基板11との間で固相拡散による接合が生じる。この固相拡散接合によって、CNT及び基板の接合界面に、組成が厚み方向に連続的に変化する傾斜機能層(図示せず)が形成され、配向性CNT層12と基板11との機械的接合が強固となると共に、電気伝導は良好となる。
【0028】
次に、この積層体を、硬ろう材14の融点以上の温度に保持してろう付けを行う。これによって、基板11とカソード本体13とがろう付け接合され、高電圧用カソード10が得られる。
【0029】
ここで、基板11、硬ろう材14、及びカソード本体13の材質の組み合わせによっては、基板11と硬ろう材14及び/又は硬ろう材14とカソード本体13との間で原子拡散が生じる場合がある。この場合、ろう付け後、硬ろう材14の融点未満の温度に保持して拡散熱処理を施し、基板11と硬ろう材14及び/又は硬ろう材14とカソード本体13との間で原子拡散を促進させ、拡散による接合を生じさせることが好ましい。この拡散接合によって、基板11と硬ろう材14、硬ろう材14とカソード本体13、又は基板11と硬ろう材14とカソード本体13の接合界面に、組成が厚み方向に連続的に変化する傾斜機能層が形成され、基板11と硬ろう材14及び/又は硬ろう材14とカソード本体13との機械的接合はより強固に、電気的接合もより良好となる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図5に示すように、第2の実施の形態に係る高電圧用カソード50は、一方の面(図5中では上面)に配向性CNT層12を有する基板11と、カソード本体13との間にインサート材54を設け、配向性CNT層12と基板11との間を固相拡散接合し、かつ、インサート材54と基板11及びインサート材54とカソード本体13とをそれぞれ液相拡散接合したものである。
【0031】
ここで言うインサート材54は、基板11及びカソード本体13の両母材を溶融することなく、基板11とカソード本体13との間で液相拡散による接合(接着)を生じさせることができるものであり、厚さ約0.1mm以下の薄膜材である。液相拡散接合は、拡散接合の際の加圧が不要であり、かつ、接合に要する時間が短いという特長を有しており、液相拡散接合部においては高い接合強度が得られる。
【0032】
インサート材54は、例えば、基板11の構成材がTi、カソード本体13の構成材がステンレス鋼の場合はCu又はCu−Ti合金が、基板11の構成材がTi、カソード本体13の構成材がCu又はCu合金の場合はAl又はAl−Cu合金、基板11の構成材がNb合金(Nb−Zr合金)、カソード本体13の構成材がステンレス鋼(耐熱ステンレス鋼)の場合はNb合金(Nb−Zr合金)などが挙げられる。
【0033】
次に、第2の実施の形態に係る高電圧用カソード50の接合方法を、添付図面に基いて説明する。
【0034】
図6に示すように、インサート材54を介して基板11とカソード本体13とを重ね合わせる。この時、前実施の形態と同様に、基板11には予め熱処理を施しておき、配向性CNT層12と基板11とを固相拡散接合させたものを用いる。
【0035】
次に、この積層体を、インサート材54の再結晶温度以上、具体的には共晶点以上の温度に保持して熱処理を施し、インサート材54を溶融させる。これによって、基板11とインサート材54及びインサート材54とカソード本体13とが融着する。
【0036】
その後、積層体を、前工程の熱処理温度よりも更に高い温度(ΔT<約100℃)に保持して拡散熱処理を施す。これによって、インサート材54と基板11及びインサート材54とカソード本体13との間でそれぞれ液相拡散による接合が生じる。この液相拡散接合によって、基板11とインサート材54及びインサート材54とカソード本体13の各接合界面に、組成が厚み方向に連続的に変化する傾斜機能層が形成され、インサート材54と基板11及びインサート材54とカソード本体13とがそれぞれ液相拡散接合された高電圧用カソード50が得られる。
【0037】
(第3の実施の形態)
図7に示すように、第3の実施の形態に係る高電圧用カソード70は、一方の面(図7中では上面)に配向性CNT層12を有する基板11と、カソード本体13とを直接接合してなるものであり、配向性CNT層12と基板11及び基板11とカソード本体13とをそれぞれ固相拡散接合したものである。
【0038】
基板11及びカソード本体13は、互いに原子拡散が容易な金属又は合金で構成する必要があり、例えば、基板11の構成材がTi又はTi合金の場合、Cu又はCu合金が好ましい。
【0039】
次に、第3の実施の形態に係る高電圧用カソード70の接合方法を、添付図面に基いて説明する。
【0040】
図8に示すように、基板11とカソード本体13とを直接重ね合わせる。この時、第1の実施の形態と同様に、基板11には予め熱処理を施しておき、配向性CNT層12と基板11とを固相拡散接合させたものを用いる。
【0041】
次に、この積層体の、基板11とカソード本体13との接合を行う。具体的には、積層体を、基板11又はカソード本体13のいずれか一方(殆どの場合はカソード本体13)が再結晶する温度以上に保持して熱処理を施し、基板11とカソード本体13との間で原子拡散を促進させ、固相拡散による接合が生じる。この固相拡散接合によって、基板11とカソード本体13の接合界面に、組成が厚み方向に連続的に変化する傾斜機能層が形成され、基板11とカソード本体13とが固相拡散接合された高電圧用カソード70が得られる。
【0042】
次に、第1〜第3の実施の形態に係る高電圧用カソード10,50,70の作用を、添付図面に基いて説明する。
【0043】
基板11と、基板11の表面に形成した配向性CNT層12との間で、固相拡散による接合を生じさせることで、各CNTと基板11との接合界面に、CNT及び基板の組成が厚み方向に連続的に変化する傾斜機能層が形成される。このため、配向性CNT層12と基板11とが機械的に強固に接合されると共に、電気伝導も良好となる。
【0044】
特に、カソード10の一部(基板11と硬ろう材14及び/又は硬ろう材14とカソード本体13との間で原子拡散が生じるもの)およびカソード50,70においては、基板11とカソード本体13との間でも拡散接合を生じさせることで、その接合界面に、基板11からカソード本体13にかけて組成が厚み方向に連続的に変化する傾斜機能層が形成されている。このため、基板11とカソード本体13とが機械的に強固に接合されると共に、電気伝導も良好となる。また、カソード10の残部(基板11と硬ろう材14及び/又は硬ろう材14とカソード本体13との間で原子拡散が生じないもの)については、傾斜機能層は形成されていないものの、硬ろう材14が基板11とカソード本体13との隙間を充填するため機械的接合は強固であり、かつ、硬ろう材14自体の電気伝導特性により電気伝導も良好である。
【0045】
よって、カソード10,50,70に放電が生じるような高電圧を印加しても、カソード本体13から基板11及び配向性CNT層12が剥離することはない。また、カソード10,50,70の、カソード本体13から配向性CNT層12にかけての電気伝導が、従来のディスプレイ用カソードと比較して良好であるため、配向性CNT層12における各CNTから、電子が放出され易くなる。
【0046】
また、カソード10,50,70は、例えば、電子線を発生させる装置の1つである加速器の電子銃に適用される。加速器は、真空中に高周波又は正電場で電位勾配を形成し、図9に示すように、高電位勾配中に電子源(カソード(陰極)K)とアノード(陽極)Aを設けることで電子eを発生させるものであり、カソードKとアノードAとの間に、適宜、グリッドGが設けられる。ここで、カソード10,50,70は、カソードKを加熱するためのヒータがなくても、電圧を印加するだけで各CNTから大量の電子eが放出されるため、加速器用カソードに要求される性能を十分に満足するコールドカソードとなる。
【0047】
よって、このカソード10,50,70を電子源として用いた装置、例えば、電子銃においては、ヒータ加熱による機器寿命の低下を招くことはない。また、コールドカソードは、発生する電子eの放出方向が電界方向(図9中では右方向)のみであるため、電子線の品質が良好である。
【0048】
カソード10,50,70は、加速器の電子銃のカソードの他に、送信管のカソードにも適用することができる。また、高電圧が印加され、大電流が要求される全てのカソードにも適用可能である。さらに、高電圧用のカソードだけに限定するものではなく、電子線描画、低電圧での電子線照射、太陽電池などに用いられるカソード・電極にも適用可能である。
【0049】
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0051】
(1) 本発明に係る高電圧用カソードによれば、基板と、基板表面に形成した配向性CNT層とを拡散接合により接合すると共に、その基板とカソード本体とをろう付け又は拡散接合により接合することで、高電圧を印加しても、カソード本体から基板及び配向性CNT層が剥離することはない。
【0052】
(2) 本発明に係る高電圧用カソードの接合方法によれば、配向性CNT層、基板、及びカソード本体を、機械的及び電気的に良好に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る高電圧用カソードの断面図である。
【図2】配向性CNT層を形成する基板の断面図である。
【図3】基板に配向性CNT層を形成した状態を示す断面図である。
【図4】図1の高電圧用カソードの積層構造を説明するための断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る高電圧用カソードの断面図である。
【図6】図5の高電圧用カソードの積層構造を説明するための断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る高電圧用カソードの断面図である。
【図8】図7の高電圧用カソードの積層構造を説明するための断面図である。
【図9】図1、図5、及び図7の高電圧用カソードを電子線発生装置に適用した際の回路図である。
【符号の説明】
10,50,70 高電圧用カソード
11 基板
12 配向性CNT層(配向性カーボンナノチューブ層)
13 カソード本体
14 硬ろう材(ろう材)
54 インサート材
Claims (7)
- カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードにおいて、上記基板と上記カソード本体との間にろう材を設け、上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、かつ、基板とカソード本体とをろう材でろう付け接合したことを特徴とする高電圧用カソード。
- カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードにおいて、上記基板と上記カソード本体との間にインサート材を設け、上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、かつ、インサート材と基板及びインサート材とカソード本体とをそれぞれ液相拡散接合したことを特徴とする高電圧用カソード。
- カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードにおいて、上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板及び上記基板と上記カソード本体とをそれぞれ固相拡散接合したことを特徴とする高電圧用カソード。
- 上記基板がSi、Ti、Nb、又はそれらの合金で、また、上記カソード本体がCu、Cu合金、又はステンレス鋼で構成された請求項1から3いずれかに記載の高電圧用カソード。
- カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードの接合方法において、上記基板に熱処理を施して上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、その基板と上記カソード本体との間にろう材を配置して積層した後、ろう材の融点以上の温度でろう付けを行い、基板とカソード本体とをろう付け接合することを特徴とする高電圧用カソードの接合方法。
- カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードの接合方法において、上記基板に熱処理を施して上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、その基板と上記カソード本体との間にインサート材を配置して積層した後、その積層体を、インサート材の再結晶温度以上の温度に保持して、インサート材と基板及びインサート材とカソード本体とを融着し、その後、積層体を、その温度よりも更に高い温度に保持して、インサート材と基板及びインサート材とカソード本体との間でそれぞれ液相拡散接合を生じさせることを特徴とする高電圧用カソードの接合方法。
- カーボンナノチューブが配向配置された配向性カーボンナノチューブ層を有する基板を、カソード本体に接合してなる高電圧用カソードの接合方法において、上記基板に熱処理を施して上記配向性カーボンナノチューブ層と上記基板とを固相拡散接合し、その基板と上記カソード本体とを積層した後、その積層体を、基板又はカソード本体のいずれか一方が再結晶する温度以上に保持して、基板とカソード本体との間で固相拡散接合を生じさせることを特徴とする高電圧用カソードの接合方法。
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