JP2001023554A - X線管用陽極及びその製造方法 - Google Patents

X線管用陽極及びその製造方法

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JP2001023554A
JP2001023554A JP11197590A JP19759099A JP2001023554A JP 2001023554 A JP2001023554 A JP 2001023554A JP 11197590 A JP11197590 A JP 11197590A JP 19759099 A JP19759099 A JP 19759099A JP 2001023554 A JP2001023554 A JP 2001023554A
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Tadashi Arikawa
正 有川
Shiyouriyuu Son
正龍 孫
Akira Ichida
晃 市田
Shigehiko Takaoka
重彦 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱放散性及び耐熱衝撃性に優れ、機械的強度
が大きく故障や破損等の変形が起こりにくい寿命の長い
接合体と、その接合体を用いたX線管用回転陽極と、接
合体の製造方法と、X線管用回転陽極の製造方法とを提
供すること。 【解決手段】 高融点金属からなる第1の基体1,2
と、炭素からなる第2の基体3とをろう材によって形成
された接合層11を介して張り合わせてなる接合体にお
いて、前記第1の基体1,2は、Wを含む金属及びMo
を含む金属の内のいずれかの単層又はこれらの金属の多
層構造を備え、前記Wを含む金属は、W又はW合金から
なり、前記Moを含む金属は、Mo又はMo合金からな
り、前記第2の基体3は、グラファイト又は炭素繊維複
合材料からなり、前記ろう材は、実質的にZrからな
り、前記接合層11は、厚みが10〜200μmのZr
化合物層を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線管用陽極とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高出力のX線を発生させうるX線発生装
置においては、通常回転陽極が使用されている。一般的
な回転陽極は、電子線を照射(X線が発生)する側がタ
ングステン(W)あるいはW合金の基材で構成され、こ
の背面には、熱吸収体として比較的厚いモリブデン(M
o)基体が一体的に接合された複合体構造をしている。
【0003】さらに、X線技術の進歩にともない、連続
負荷あるいは瞬間的な負荷に耐え得るような熱容量の大
きい回転陽極が必要となってきている。また、回転陽極
に供給される電気エネルギーの極く一部の約1%がX線
エネルギーに変換されるに過ぎず、大部分は熱に換えら
れ、著しい熱的ダメージを回転陽極に与えているため熱
放散性に優れた材料でなければならない。
【0004】熱容量を高めて高出力化を図るためには、
回転陽極の直径を大きくしたり厚みを増したり、あるい
は回転速度を増加させたりすれば良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、回転陽極用材
料の金属は耐熱材料であり、比重が大きく、X線管の他
の構造部材への機械的負担が大きくなるため、装置の故
障や破損を招き易い。従って、回転陽極の軽量化を図る
と共に、熱容量の大きい材料であることが必要である。
【0006】その一つの方法として、電子衝撃面のみを
薄いWあるいはRe−W等のW合金基体を用い、その裏
面に比重の小さいMoあるいはMo合金基体、またその
裏面に熱放射能に優れた等方性黒鉛(グラフアイト、以
下、Grと略記)基体を接合した複合の回転陽極の開発
が試みられている。
【0007】しかし、WあるいはW合金とMoあるいは
Mo合金との接合は強固な接合が可能であるのに対し、
MoあるいはMo合金、もしくはWあるいはW合金とG
rとの接合には強度的な問題がある。一般に、高融点金
属とGrを張り合わせる方法としては、ろう付け法、C
VD法などが用いられている。MoあるいはMo合金と
Grのとの接合には、高融点金属がろう材として用いら
れているが、ろう材との濡れ性が悪かったり、接合層に
空隙が生じたり、接合層の厚みにバラツキがあったりと
問題は多い。そうすると、機械的強度や熱的特性の低下
は免れない。
【0008】そこで、本発明の技術的課題は、熱放散性
及び耐熱衝撃性に優れ、機械的強度が大きく故障や破損
等の変形が起こりにくい寿命の長い接合体と、その接合
体を用いたX線管用回転陽極と、接合体の製造方法と、
X線管用回転陽極の製造方法とを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、高融点
金属からなる第1の基体と、炭素からなる第2の基体と
をろう材によって形成された接合層を介して張り合わせ
てなる接合体において、前記第1の基体は、Wを含む金
属及びMoを含む金属の内のいずれかの単層又はこれら
の金属の多層構造を備え、前記Wを含む金属は、W又は
W合金からなり、前記Moを含む金属は、Mo又はMo
合金からなり、前記第2の基体は、グラファイト又は炭
素繊維複合材料からなり、前記ろう材は、実質的にZr
からなり、前記接合層は、厚みが10〜200μmのZ
r化合物層を有していることを特徴とする接合体が得ら
れる。
【0010】また、本発明によれば、前記接合体におい
て、前記ろう材は、Zr箔またはZr粉末からなること
を特徴とする接合体が得られる。
【0011】また、本発明によれば、前記接合体におい
て、ろう付けすべき第2の基材表面の全体に0.05〜
0.2mmピッチ、0.05〜0.5mm高さの波紋状
の溝、および前記第2の基体表面に直角に直径1〜3m
m、深さ1〜10mmの孔を形成したことを特徴とする
接合体が得られる。ここで、前記溝は、ろう付けの際に
発生するガスや余分なろう材を接合面から排除させるた
めに設けられている。
【0012】また、本発明によれば、前記接合体におい
て、前記接合体の接合部分において、室温での三点曲げ
応力で30MPa以上の接合強度を有することを特徴と
する接合体が得られる。
【0013】また、本発明によれば、前記いずれかの接
合体を用いたことを特徴とするX線管用陽極が得られ
る。
【0014】また、本発明によれば、前記接合体を製造
する方法であって、熱間一軸プレス機あるいは熱間等方
プレス機によって、真空あるいは不活性ガス雰囲気で、
温度1550〜1800℃、プレス圧力30MPa以下
の条件で接合することを特徴とする接合体の製造方法が
得られる。
【0015】また、本発明によれば、前記接合体の製造
方法において、急熱急冷に耐えられるように、前記第2
の基体表面全体に0.05〜0.2mmピッチで0.0
5〜0.5mm高さの波紋状の溝を形成したことを特徴
とする接合体の製造方法が得られる。
【0016】さらに、本発明によれば、前記いずれかの
接合体の製造方法を用いたことを特徴とするX線管用陽
極の製造方法が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本発明のX線管用回転陽極
について、更に、具体的に説明する。
【0018】図1(a)は本発明のX線管用回転陽極の
一例を示す断面図、図1(b)は図1(a)のX線管用
回転陽極の半分平面断面図である。図2は図1(b)の
II−II´線に沿う断面の輪郭のみを示す図である。
図3は図1(a)及び図1(b)のX線回転陽極のグラ
ファイトとMo又はMo合金との接合部分を示す断面概
略図である。
【0019】図1乃至図3を参照すると、X線管用回転
陽極(以下、単にターゲットと呼ぶ)10は、Mo又は
Mo合金からなるX線管用回転陽極基板1と、この基板
1の上面の周縁側の斜面1a上に配置されたW又はW合
金からなるX線発生層2とによって第1の基体が構成さ
れている。基板1の下面1bには、カーボン製の第2の
基体からなるヒートシンク3が配置されている。
【0020】ヒートシンク3の基板1との接合面には、
同心円状で且つ半径方向に波紋状の断面を備えた溝6
と、一半径上に配列された円形の孔5とが形成されてい
る。
【0021】図2に示すように、溝6は、断面V字状を
有し、0.05〜0.5mmの等しい高さ8で、0.0
5〜0.2mmの等しいピッチ7で形成されている。
【0022】図3に示すように、Mo又はMo合金から
なる基板1と、グラファイト(Gr)からなるヒートシ
ンク3とは、Zrからなるろう材の化合物層である厚み
が10〜200μmのZr化合物の接合層からなるろう
材層11を介して接合されている。
【0023】ここで、一般に、本発明のX線管用回転陽
極(ターゲット)10のようなターゲットは、高電圧が
印加されてX線発生面(X線発生層2の表面)が非常に
高温になり、接合界面は1000〜1300℃に達し、
また、10000rpmにもおよぶ高速で回転するた
め、耐熱性や熱放射性に優れ機械的強度も大きくなけれ
ばならない。
【0024】ここで、本発明のように、第1の基体であ
るX線を発生するWあるいはW合金基板からなるX線発
生層2と、MoあるいはMo合金基板1とは、従来通り
の方法で容易に接合強度の高い接合ができる。
【0025】しかし、MoあるいはMo合金基板1とヒ
ートシンク3となるGrとの接合は、接合強度的、耐熱
衝撃的などに問題が多いため様々な方法が試みらてい
る。
【0026】例えば、ろう接合のためのろう材として
は、蒸気圧が低く耐熱性があり、被接合物との濡れ性や
化合物の生成具合が良く、また製造コスト(安価なこ
と)を鑑みた高融点金属を用いられる。
【0027】本発明においては、MoあるいはMo合金
とGrとの接合に関して、ジルコニウム(Zr)をろう
材として用いた方法を採用している。
【0028】また、高性能化を図るためには、大型大径
ターゲットが求められており、その場合には、Grの代
わりに強度や熱放散性の優れた炭素繊維複合材(CC
材)を用いればより効果的である。
【0029】ここで、ヒートシンク3として用いられる
GrとCC材の諸特性を比較して下記表1に示す。CC
材は、繊維積層方向を0゜と90゜と交互にクロス積層
した炭素一炭素繊維複合材である。特に、0゜方向の熱
伝導性とが高く熱放散性に優れており、また引張強度が
大きいためGrよりもCC材を大型大径ターゲットヘ利
用することが有効である。
【0030】
【表1】
【0031】一方、Mo合金には、純Moより靭性や強
度に優れたTZM(製品名)やTiC−Moを用いれ
ば、より効果的である。しかし、Zrは、脆い炭化物が
生成し易い物質であり、接合界面での剥離はほとんどが
このZr/カーボン(C)界面で起き易く、接合強度に
問題が残るため使用を敬遠されることが多い。
【0032】そこで、MoあるいはMo合金基板1と接
合する側のGrあるいはCC材表面に、図1(b)及び
図2に示すような溝加工を施し、接触面積を大きくすれ
ば接合強度だけでなく熱応力変形に耐えられるようにな
る。
【0033】つまり、GrあるいはCC材表面の全体に
は、図2の符号7に示す0.05〜0.2mmピッチ
で、符号8で示す0.05〜0.5mm高さの波紋状の
溝6を形成し、また、GrあるいはCC材表面と直角に
直径1〜3mm、深さ1〜10mmの孔5を形成してい
る。
【0034】この溝6及び孔5は、ろう付けの際のガス
抜きを効率良くし接合層であるろう材11に空隙を発生
させないようにすることと、それに伴い接合強度を高
め、また温度差による熱膨張や熱収縮に耐えられ、接合
界面での剥がれが生じないようにする効果がある。
【0035】ここで、GrあるいはCC材に施す溝ピッ
チ7は、0.05mmより小さければ温度差による熱膨
張や熱収縮に耐えられず接合界面での剥がれが生じ、ピ
ッチ7が0.2mmより大きければろう材が行き渡らず
空隙や空洞が生じ易くなる。また、溝6の高さ8が0.
05mmより小さく、0.5mmより大きくても前述と
同様のことが言える。
【0036】また、孔5の深さが1mmより小さい場合
は、ろう付けの際のガス抜きが十分行われなず余分なろ
う材が溢れ易くなり、10mmより大きくなるとGrの
強度が低下してしまう。孔5の直径としては、接合強度
への影響やろう材の挙動を鑑みると1〜3mmが良い。
そして、接合層の厚みは、10〜200μmが良い。接
合層の厚みが、10μmよりも薄くなれば、急熱急冷に
よる熱の膨脹・収縮の差を吸収できなくなるため、剥が
れが生じ易くなり、接合層の厚みが200μmより厚く
なれば、機械的接合強度(例えば、曲げ等)が小さくな
る。また、ろう付け方法としては、加熱加圧する方法が
良い。
【0037】つまり、加熱加圧方法として、熱間一軸プ
レス機(ホットプレス)あるいは熱間等方プレス機(H
IP)により、真空あるいは不活性ガス雰囲気で、温度
1550〜1800℃、プレス圧力30MPa以下の条
件で行なう。また、ろう材のZrは、箔状、粉状だけで
なく線状、フレーク状等いずれの形態でも使用できる。
【0038】このようにGrあるいはCC材をヒートシ
ンク3として接合したWあるいはW合金/Moあるいは
Mo合金/GrあるいはCC材からなるターゲット10
は、一般的な高融点金属を組み合わせたRe−W/Mo
ターゲットよりも3倍以上の軽量化が図れる。その結
果、より一層の高速回転に耐えられようになり、また熱
放散性も大きくなるため、X線回転ターゲットとしての
効果は十分期待できる。
【0039】以下、本発明の実施の形態によるX線管用
ターゲットの具体例について説明する。
【0040】(例1)図1に示したようなX線管用Re
−W/Mo/Grターゲット10を作製するため、ろう
材として0.1mm厚みのZr箔を使って、第1の基体
であるRe−W/Mo基体とヒートシンク3となるGr
板を接合した。Re−W/Mo基体は、一般的な粉末冶
金法で接合したものを用いた。
【0041】また、Grは、表面形状が0.2mmピッ
チで0.1mm高さの波紋状の溝6があり、また、Gr
表面と直角に直径2mm、深さ5mmの孔5を設けたも
のを用いた。そして、Re−W/Mo基体とGr基体の
間に、ろう材としてZr箔を挟み、これをホットプレス
機に装填し、真空雰囲気において、20MPaに加圧し
て1640℃で5分間加熱した。その結果、外観上ろう
材が溢れ出すことなく良好に接合された。
【0042】また、図3に接合断面を示すように、25
〜120μmの空洞がない健全なろう材層(接合層)1
1を有していた。また、超音波探傷装置により空洞や空
隙などの欠陥の有無を調べたが全く検出されなかった。
このMoとGrの接合界面の室温における三点曲げ応力
は、45MPaを有し接合強度に優れていた。また、熱
衝撃試験として、急熱(室温→1100℃)急冷(11
00℃→水中)を繰り返した(急熱急冷で1回とカウン
卜した)結果、60回目でMoとGrの界面で剥離し
た。
【0043】比較例として、市販されているX線管用タ
ーゲットを上述と同様に、三点曲げ試験および熱衝撃試
験を行なった結果、三点曲げ応力は45MPaで同等だ
ったが、熱衝撃試験では50回目で剥離し、本発明品の
方が耐熱衝撃性に優れていることが判った。
【0044】(例2)上記例1と同様にX線管用Re−
W/TiC−Mo/Grターゲット10を作製するた
め、ろう材としてZr粉末を使って、第1の基体である
Re−W/Mo基体と第2の基体であるGr基体を接合
した。Grは、上記例1と同様のものを用いた。そして
Re−W/Mo基体1,2とヒートシンク3となるGr
基体の間にZr粉末を平たく平均的に敷き、これをホッ
トプレス機に装填し、真空雰囲気において、20MPa
に加圧して1650℃で5分間加熱した。その結果、外
観上ろう材が溢れ出すことなく良好に接合され、また、
20〜120μmの空洞がない健全な接合層11を有し
たものが得られた。
【0045】また、超音波探傷装置により空洞や空隙な
どの欠陥の有無を調べたが、全くそのようなものは検出
されなかった。このMoとGrの接合界面の室温におけ
る三点曲げ応力は、43MPaを有し接合強度に優れて
いた。
【0046】また、上記例1と同様の熱衝撃試験した結
果、例2によるものは、58回目でMoとGrの界面で
剥離した。従って、例2によるものは、市販されている
X線管用ターゲットよりも耐熱衝撃性に優れていること
が判った。
【0047】(例3)上記例1と同様にX線管用Re−
W/Mo/Grターゲット10を作製するため、ろう材
として0.1mm厚みのZr箔を使って、Re−W/M
o基体1,2とGr基体とを接合した。Gr基体は、上
記例1と同様のものを用いた。そして、Zr箔をRe−
W/Mo基体1、2とGr基体との間に挟み、これをH
IP機に装填し、Arガス雰囲気において、20MPa
に加圧して1600℃で5分間加熱した。その結果、外
観上ろう材が溢れ出すことなく良好に接合され、また、
20〜120μmの空洞がない健全な接合層からなるろ
う材層11を有したものが得られた。また、超音波探傷
装置により空洞や空隙などの欠陥の有無を調べたが、そ
のようなものは全く検出されなかった。このMoとGr
の接合界面の室温における三点曲げ応力は、50MPa
を有し接合強度に優れていた。また、上記例1と同様の
熱衝撃試験した結果、63回目で地とGrの界面で剥離
した。従って、例3によるものは、市販されているX線
管用ターゲットよりも耐熱衝撃性に優れていることが判
った。
【0048】(例4)上記例1と同様にX線管用Re−
W/Mo/Grターゲット10を作製するため、ろう材
として0.1mm厚みのZr箔を使ってRe−W/Mo
基体1,2とヒートシンク3となる第2の基体としてC
C材を接合した。
【0049】上記表1に示す0゜方向のCC材とRe−
W/Mo基体との間にZr箔を挟み、これをホットプレ
ス機に装填し、上記例1と同様の方法で接合した。その
結果、外観上ろう材が溢れ出すことなく良好に接合さ
れ、また、20〜120μmの空洞がない健全な接合層
からなるろう材層11を有したものが得られた。
【0050】また、超音波探傷装置により空洞や空隙な
どの欠陥の有無を調べたが、そのようなものは仝く検出
されなかった。このMoとGrの接合界面の室温におけ
る三点曲げ応力は、50MPaを有し接合強度に優れて
いた。また、上記例1と同様の熱衝撃試験した結果、6
2回目でMoとGrの界面で剥離した。市販されている
X線管用ターゲットよりも耐熱衝撃性に優れていること
が判った。
【0051】(例5)上記例1〜4で作製した接合体を
室温において高速回転試験を実施したところ、いずれも
48000〜53000rpmまで破壊することなく耐
えることができ、X線回転ターゲットとして十分効果が
期待できることが判った。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱放散性及び耐熱衝撃性に優れ、機械的強度が大きく故
障や破損等の変形が起こりにくい寿命の長い接合体と、
その接合体を用いたX線管用回転陽極と、接合体の製造
方法と、X線管用回転陽極の製造方法とを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のX線管用回転陽極の一例を示
す断面図である。(b)は図1(a)のX線管用回転陽
極の半分平面断面図である。
【図2】図1(b)のII−II´線に沿う断面図であ
る。
【図3】図1(a)及び図1(b)のX線回転陽極のグ
ラファイトとMo又はMo合金との接合部分を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 X線管用回転陽極基板 1a 斜面 2 X線発生層 3 ヒートシンク 5 孔 6 溝 7 ピッチ 8 高さ 10 X線管用回転陽極(ターゲット) 11 ろう材層(接合層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市田 晃 富山県富山市岩瀬古志町2番地 東京タン グステン株式会社富山製作所内 (72)発明者 高岡 重彦 富山県富山市岩瀬古志町2番地 東京タン グステン株式会社富山製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点金属からなる第1の基体と、炭素
    からなる第2の基体とをろう材によって形成された接合
    層を介して張り合わせてなる接合体において、 前記第1の基体は、Wを含む金属及びMoを含む金属の
    内のいずれかの単層又はこれらの金属の多層構造を備
    え、前記Wを含む金属は、W又はW合金からなり、前記
    Moを含む金属は、Mo又はMo合金からなり、前記第
    2の基体は、グラファイト又は炭素繊維複合材料からな
    り、前記ろう材は、実質的にZrからなり、前記接合層
    は、厚みが10〜200μmのZr化合物層を有してい
    ることを特徴とする接合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接合体において、前記ろ
    う材は、Zr箔またはZr粉末からなることを特徴とす
    る接合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の接合体において、前記ろ
    う付けすべき第2の基材表面の全体に0.05〜0.2
    mmピッチ、0.05〜0.5mm高さの波紋状の溝、
    および前記第2の基体表面に直角に直径1〜3mm、深
    さ1〜10mmの孔を形成したことを特徴とする接合
    体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の接合体において、前記接
    合体の接合部分において、室温での三点曲げ応力で30
    MPa以上の接合強度を有することを特徴とする接合
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    接合体を用いたことを特徴とするX線管用陽極。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の接合体を製造する方法で
    あって、熱間一軸プレス機あるいは熱間等方プレス機に
    よって、真空あるいは不活性ガス雰囲気で、温度155
    0〜1800℃、プレス圧力30MPa以下の条件で接
    合することを特徴とする接合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の接合体の製造方法におい
    て、急熱急冷に耐えられるように、前記第2の基体表面
    全体に0.05〜0.2mmピッチで0.05〜0.5
    mm高さの波紋状の溝を形成したことを特徴とする接合
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の接合体の製造方法
    を用いたことを特徴とするX線管用陽極の製造方法。
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