JP3796880B2 - 成形用二軸延伸ポリエステルフイルム - Google Patents

成形用二軸延伸ポリエステルフイルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成形用二軸延伸ポリエステルフイルムに関するものである。更に詳しくは白色性、成形性、耐削れ性、印刷性に優れていることから、金属板にラミネートした後に絞り成形などの成形により製造される金属缶の外面に好適な成形用二軸延伸ポリエステルフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶の缶内面及び外面は腐食防止を目的として、エポキシ系、フェノ−ル系等の各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しかしながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料の乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、金属缶の材料である鋼板、アルミニウム板あるいは該金属板にめっき等各種の表面処理を施した金属板にフイルムをラミネ−トする方法がある。そして、フイルムのラミネ−ト金属板を部材として3ピース缶、2ピース缶を製造する場合、缶の外面用フイルムには白色性、密着性、成形性、成形工程での耐削れ性などのような特性が要求される。
【0004】
これらの要求を解決するために多くの提案がなされており、例えば特開平5−170942号公報には、粒子濃度および結晶配向度を限定したポリエステルフィルム、特開平6−39980号公報には粒子を低濃度含有する層と高濃度含有する層を積層したポリエステルフィルム、特開平7−97469号公報には金属板にラミネートするための低比重の白色ポリエステルフィルムが開示されている。しかしながら、これらの提案は上述のような多岐にわたる要求特性を総合的に満足できるものではなく、特に高白色性を達成するフィルムでは、密着性、成形性、耐削れ性が悪化するなどの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記した従来技術の問題点を解消することにあり、成形性に優れた成形用二軸延伸ポリエステルフィルム、特に白色性、密着性、成形性、成形工程での耐削れ性に優れた金属缶に好適な成型用二軸延伸ポリエステルフイルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の目的は、光沢度が25〜110%かつ光学濃度/厚み(μm)が0.04〜0.1である積層ポリエステルフィルムであって、着色剤として酸化チタンを20〜50重量%含有するポリエステルからなるA層と、A層より着色剤としての酸化チタン含有量が少なく、かつ着色剤としての酸化チタン含有量が3〜22重量%であるB層を少なくとも1層積層してなることを特徴とする成形用二軸延伸ポリエステルフィルムによって達成することができる。
【0007】
本発明では、特定の光沢度、光学濃度を有する二軸延伸積層ポリエステルフィルムを得ることにより、金属板にラミネート後、3ピース、2ピースなどの缶に良好に成形することが可能となるだけでなく、良好な白色性、耐削れ性が得られることを見いだしたものであり、特に高白色性、成形性、密着性、耐削れ性を満足する点では従来技術に比べて非常に大きいものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分からなるポリマであり、ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。なかでもこれらのジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が耐衝撃性、味特性の点から好ましい。一方、グリコ−ル成分としては例えばエチレングリコ−ル、プロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレングリコール等が挙げられる。中でもこれらのグリコール成分のうちエチレングリコールが耐衝撃性、味特性の点から好ましい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよい。
【0009】
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロ−ルプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
【0010】
本発明のポリエステルの融点が150〜280℃であると耐熱性が向上するので好ましい。
【0011】
本発明のポリエステルの製造は、従来公知の任意の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えばポリエチレンテレフタレ−トにイソフタル酸成分を共重合し、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウムを添加する場合で説明する。テレフタル酸成分、イソフタル酸成分とエチレングリコ−ルをエステル交換またはエステル化反応せしめ、次いで二酸化ゲルマニウム、リン化合物を添加し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリコール含有量になるまで重縮合反応せしめ、ゲルマニウム元素含有重合体を得る。次いで得られた重合体をその融点以下の温度において減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアデルヒドの含有量を減少させ、所定の固有粘度、カルボキシル末端基を得る方法等を挙げることができる。
【0012】
本発明のポリエステルを製造する際には、従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することができ、反応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物等、着色防止剤としては例えばリン化合物等挙げることができる。
【0013】
本発明における成形用二軸延伸ポリエステルフィルムは、光沢度が25〜110%であることが、印刷性、美麗性の点で必要である。好ましくは、光沢度が30〜100%、特に好ましくは35〜95%である。本発明の光沢度を得る手法としては、着色剤の大きさ、濃度、分散性、積層厚みなどを制御することが挙げられる。好ましくは、B層表面の光沢度が25〜110%であることが、印刷性、美麗性の点で好ましい。
【0014】
さらに、本発明では光学濃度/厚み(μm)が0.04〜0.1であることが印刷性、成形性、美麗性の点で必要である。好ましくは0.045〜0.9、特に好ましくは0.05〜0.8である。
【0015】
本発明における成形用二軸延伸ポリエステルフィルムは、上述の光沢度、光学濃度/厚み(μm)に加えて、ポリエステルに着色剤を20〜50重量%含有するA層に、A層より着色剤含有量が少ないB層を少なくとも1層積層していることが必要である。
【0016】
本発明における着色剤としては、特に限定されないが、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンなどの酸化チタン、亜鉛華、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸カルシウムなどの無機顔料、公知の有機系顔料などが好ましい。特に着色剤としては、酸化チタンが好ましく、白色無機顔料の平均粒子径としては、0.001〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.005〜2μmである。ここで平均粒子径とは電子顕微鏡観察により得られる平均粒子径である。
【0017】
ポリエステルに着色剤を含有させる方法としては各種方法を用いることができる。代表的な方法としては、ポリエステル製造時のエステル交換もしくはエステル化反応の開始前、反応時、終了後にスラリーまたは粉体の形態で添加、もしくは重縮合反応開始前、反応時、終了後にスラリーまたは粉体の形態で添加する方法、ポリエステルペレットを溶融押出する際に系内にスラリー、粉体の形態で添加し溶融混合する方法などが挙げられる。さらに、該方法で作成した着色剤を高濃度に含有するマスターペレットを、粒子を含有しないもしくは低濃度に含有するポリエステルと所定濃度の着色剤含有量になるように混合して溶融する方法なども挙げることができる。
【0018】
本発明におけるA層に使用するポリエステルとしては、上記ポリエステルが挙げられるが、フィルムの製膜性の点で、構成単位の2〜100モル%をシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位とするポリエステル、構成単位の2〜100モル%をブチレンテレフタレート単位とするポリエステル、構成単位の2〜100モル%をエチレンナフタレート単位とするポリエステルの中から選択されるポリエステルであることが好ましい。さらに好ましくは、A層は構成単位の2〜100モル%を上記単位とするポリエステルの中から選択されるポリエステルと他のポリエステルを混合して得られるポリエステルで形成することが好ましい。そして、着色剤が構成単位の2〜100モル%をシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位とするポリエステル、構成単位の2〜100モル%をブチレンテレフタレート単位とするポリエステル、構成単位の2〜100モル%をエチレンナフタレート単位とするポリエステルの中から選択されるポリエステルで被覆されていることが好ましく、着色剤と該ポリエステルの間に例えば着色剤の表面処理剤などの他の化合物が介在しても良い。このように、着色剤が該ポリエステルに被覆されると二軸延伸性が安定化するので好ましい。
【0019】
また、着色剤が実質的に構成単位の2〜100モル%をシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位とするポリエステル、構成単位の2〜100モル%をブチレンテレフタレート単位とするポリエステル、構成単位の2〜100モル%をエチレンナフタレート単位とするポリエステルの中から選択されるポリエステルにより被覆されていると、ラミネート鋼板の成形性が向上するので好ましい。なお、粒子表面の被覆性は、たとえばポリエステルをオルソクロロフェノールで溶解し、粒子を遠心分離した後、溶解ポリマ組成と粒子表面ポリマ組成を比較して求めることができる。
【0020】
また、本発明では、耐削れ性を良好にする点で、A層のポリエステルの融点が246℃以上であることが好ましく、より好ましくは248℃以上275℃以下である。
【0021】
さらに、二軸延伸性、耐削れ性改良の点で高濃度の着色剤を含有するA層に加えて、該A層より低濃度の着色剤を含有するB層を積層することが必要であり、B層の着色剤含有量としては、1〜25重量%が好ましい。高白色性の点ではB層の着色剤含有量として3〜22重量%であることが好ましく、特に5〜20重量%であることが望ましい。
【0022】
本発明のフィルム厚みは、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは5〜25μmであり、特に好ましくは6〜20μmである。A層およびB層の厚みの比(A層/B層)としては、好ましくは200/1〜1/1、さらに好ましくは50/1〜2/1である。さらに、着色剤の平均粒子径dとB層厚みDの比d/Dは0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5であることが望ましい。
【0023】
さらに、A層またはB層にはフィルムエッジの回収原料を含有しても良い。
【0024】
本発明における金属板ラミネートフィルムを2ピース、3ピースなどの缶に成形する際には、A層側を金属板にラミネートし、B層を比ラミネート面とすることが耐削れ性の点で好ましい。さらに密着性の点で好ましくは、積層構成がB層/A層/B層であることが望ましく、金属との密着性をさらに改良する上ではC層を積層したB層/A層/C層であることが望ましい。C層としては、C層融点とA層の融点の差の絶対値が10℃以下であることが望ましく、さらに、金属とC層の間に他の層が介在してもよい。また、上記積層構成以外の構成であっても良い。
【0025】
金属缶外面に本発明のフィルムB層を非ラミネート面として使用すると、製缶時のフィルムと接触される他素材との耐削れ性が向上するだけではなく、輸送時、ホットベンダーなどで使用される際にも傷などがつきにくいので好ましい。
【0026】
また、本発明のフイルムは取扱い性、加工性を向上させるために、着色剤以外の粒子が含有されていても良く、平均粒子径0.01〜5μmの公知の内部粒子、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定されるが0.01〜5重量%含有されていてもよい。
【0027】
本発明の二軸延伸フイルムは、長手方向及び幅方向の延伸倍率は目的とするフイルムの配向度、強度、弾性率等に応じて任意に設定することができるが、テンター方式による同時二軸延伸、逐次二軸延伸が挙げられる。延伸倍率としてはそれぞれの方向に1.5〜5.0倍、好ましくは2.0〜4.0倍である。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくしてもよく、同一としてもよい。また、長手方向の延伸速度は好ましくは2000%/分〜200000%/分、幅方向の延伸速度は2000〜20000%/分であることが望ましく、長手方向延伸速度>幅方向延伸速度であることが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲であれば任意の温度とすることができるが、通常は80〜150℃が好ましい。更に二軸延伸の後にフイルムの熱処理を行うことができる。この熱処理はオ−ブン中、加熱されたロ−ル上等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処理温度はポリエステルの結晶化温度以上250℃以下の任意の温度とすることができるが、好ましくは120〜240℃である。また熱処理時間は任意とすることができるが、通常1〜60秒間行うのが好ましい。熱処理はフイルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつおこなってもよい。熱処理後フィルムは急冷、徐冷してもよい。さらに、再延伸を各方向に対して1回以上行ってもよく、その後熱処理を行っても良い。
【0028】
ポリエステルフィルムの固有粘度としては二軸延伸性、成形性の点で0.4〜1.0が好ましく、さらに好ましくは0.45〜0.8、特に好ましくは0.5〜0.8である。
【0029】
本発明のフィルムを製造するにあたり、必要により酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用することができる。特に、酸化防止剤の併用は製缶工程での熱履歴によるポリエステルの劣化を防止し好ましい。その量としては、全フィルム重量に対し0.001〜1重量%程度が好ましい。
【0030】
また、コロナ放電処理などの表面処理を施すことにより密着性を向上させることはさらに特性を向上させる上で好ましく、積層フィルムにおいてB層またはC層に処理することが好ましい。その際、E値としては10〜50、好ましくは20〜50である。
【0031】
本発明の金属板とは特に限定されないが、成形性の点でティンフリー鋼板、ブリキ板、アルミニウムなどを素材とする金属板が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板の場合、その表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸化物被膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、クロムクロメート処理などで代表される化成処理被覆層を設けてもよい。特に金属クロム換算値でクロムとして6.5〜150mg/m2 のクロム水和酸化物が好ましく、さらに、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどを設けてもよい。スズメッキの場合0.5〜15mg/m2 、ニッケルまたはアルミニウムの場合1.8〜20g/m2 のメッキ量を有するものが好ましい。
【0032】
金属板に本発明のフィルムをラミネートする際には、金属板を加熱して融着させる方法、フィルムまたは金属板にプライマーコートをしてラミネートする方法などが挙げられるが、金属板に本発明のフィルムをラミネートする際には、金属板の逆面に他のフィルムをラミネートしてもよい。
【0033】
本発明の成形用二軸延伸フィルムは、絞り成形やしごき成形によって製造されるツーピース金属缶、及び3ピース缶の外面被覆用に好適に使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。なお特性は以下の方法により測定、評価した。
【0035】
(1)ポリエステルの固有粘度
ポリエステルをオルソクロロフェノ−ルに溶解し、25℃において測定した。
【0036】
なお、着色剤粒子を含有している場合は、粒子と遠心分離し、測定した。
【0037】
(2)ポリエステルの融点
ポリエステルまたはフィルムを示差走査熱量計(パ−キン・エルマ−社製DSC−2型)により、20℃/minの昇温速度で測定した。
【0038】
(3)粒子の平均粒径
フィルムから樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は樹脂は灰化するが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡で粒子数5000〜10000個を観察し、粒子画像を画像処理装置により円相当径から求めた。
【0039】
粒子が内部粒子などの確認が行いにくい粒子の場合上記方法ではなく、透過型顕微鏡により求めた。
【0040】
(4)層厚み
超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡で観察し求めた。この際により鮮明に層を確認するために公知の染色法などを併用してもよい。
【0041】
(5)厚み
電子マイクロメーターを用いて測定した。
【0042】
(6)光学濃度
光学濃度計(Macbeth製TR927)を使用して求めた。
【0043】
(7)光沢度
日本電色工業株式会社(VG107、角度60゜)を使用して求めた。
【0044】
(8)成形性
140〜280℃に加熱された鋼板にフィルムを両面ラミネート、急冷した後、絞り成形機(成形比(最大厚み/最小厚み)=2.0)で成形した缶を得た。得られた缶の美麗性を次のように判断した。
【0045】
A級:クラック等の傷の発生が見られない。
B級:浅い傷が1〜5本/缶に見られるが問題ないレベルである。
C級:浅い傷が5本以上/缶に見られる。
D級:深い傷やクラックが多数生じる。
【0046】
(9)耐削れ性
缶を100缶製缶した後の白粉の発生量を次のように判断した。
【0047】
A級:白粉の発生が見られない。
B級:極めて少量の白粉の発生が見られるが問題ないレベルである。
C級:少量の白粉の発生が見られる。
D級:多量の白粉の発生が見られる。
【0048】
(10)印刷性
製缶後、100缶を6色印刷し、印刷後の美麗性を下記の通り判断した。
【0049】
A級:印刷がはっきりとし、欠点などがまったくみられない。
B級:印刷がはっきりとし、欠点などがほとんどみられない。
C級:印刷が不鮮明であるが、欠点などはほとんどみられない。
D級:印刷が不鮮明であり、欠点もみられる。
【0050】
実施例1
ポリエステルとしてシクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.80)と表面処理ルチル型酸化チタン(平均粒子径0.2μm)粉末を真空ベント式二軸押出機を用いて270℃にて溶融混合し、酸化チタン70重量%含有マスタペレットを作成した後、チップを高速撹拌機にて120〜130℃、30分処理し、結晶化ペレットとした。さらに、イソフタル酸12.0モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム触媒、固有粘度0.69、ジエチレングリコール0.91重量%、融点228℃)を重合し、得られたペレットを高速撹拌機にて120〜130℃、20分処理し、結晶化ペレットとした。これらのペレットを酸化チタン含有量が30重量%となるように混合し、150℃3時間真空乾燥して単軸押出機に供給した(A層)。さらに、別の単軸押出機にも酸化チタン含有量が15重量%となるように上記ペレットを混合、乾燥し供給した(B層)。これらポリマを別流路として270℃で溶融しフィードブロックでB層/A層/B層(積層比1/10/1)となるように積層し、口金から吐出後、静電印加(7kv)で鏡面冷却ドラム(25℃)にて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを温度100℃にて延伸速度10000%/分で長手方向に3.3倍延伸し、温度110℃で延伸速度3000%/分で幅方向に3.2倍延伸した後、180℃にてリラックス5%、5秒間熱処理し、80℃5秒冷却後室温まで冷却し、厚さ12μmのフィルムを巻き取った。一方、鋼板に両面ラミネートするフィルムとしては、縦延伸(95℃、3.0倍延伸)、横延伸(108℃、2.9倍延伸後180℃で熱処理したイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み20μm、面配向係数=0.110、融点228℃)を使用した。特性は表1に示した通りであり、良好な白色性、成形性、耐削れ性を得ることができた。
【0051】
実施例2〜、比較例1〜
ポリエステルの種類、フィルムの積層構成、製膜条件などを変更し実施例1と同様にして製膜し、フィルムを得た。
【0052】
結果を表1〜4に示す。
【0053】
実施例2では、B層に使用する酸化チタンを変更し、B層/A層/B層(積層比2/8/2)とした以外は実施例1と同様に製膜、特性評価したところ、表1に示すように光沢度が低下し、耐削れ性がやや低下した。
【0054】
実施例3では、A層においてマスタペレットおよびエッジ回収後粉砕、溶融して得たペレット、及び希釈用ポリマを混合して層中のチタン含有量を21%とし、B層のチタン含有量を5重量%とした以外は実施例1と同様に製膜、特性評価したところ、表1に示すように白色性がやや低下し、印刷性が低下した。
【0055】
実施例4では、マスタペレットをポリブチレンテレフタレート(固有粘度1.20)で作成し、A層を形成し、各層の着色剤含有量、厚みを変更した以外は実施例1と同様に製膜、特性評価した。さらにA層のポリエステルをオルソクロロフェノールで溶解し、粒子を遠心分離した後、溶解ポリマ組成と粒子表面ポリマ組成を比較したところ、粒子表面はポリブチレンテレフタレート濃度が高く表2に示すように得られたフィルム特性は良好であった。
【0056】
実施例5では、マスタペレットをイソフタル酸12.8モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(アンチモン触媒、固有粘度0.70、ジエチレングリコール0.51重量%、融点226℃)を使用して作成し、希釈用ポリマとしてポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸12.0モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた以外は実施例4と同様に製膜、特性評価したところ、ポリエステルをオルソクロロフェノールで溶解し、粒子を遠心分離した後、溶解ポリマ組成と粒子表面ポリマ組成を比較したところ、粒子表面はポリブチレンテレフタレート濃度が低く表2に示すように得られたフィルム特性は、やや特性が低下する傾向であった。
【0057】
実施例6では、マスタペレットをジエチレングリコール3モル%含有ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム触媒、固有粘度1.0、融点249℃)を用いて作成し、希釈用ポリマとして、イソフタル酸5モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(アンチモン触媒、固有粘度0.68、ジエチレングリコール0.51重量%、融点244℃)を使用して作成し、A層、B層の着色剤含有量を変更し、実施例1と同様にして製膜した。さらに、鋼板に両面ラミネートするフィルムとしては、縦延伸(110℃、3.0倍延伸)、横延伸(115℃、2.9倍延伸後185℃で熱処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(ジエチレングリコール2.0モル%、厚み25μm、面配向係数=0.115、融点256℃)を使用した。特性評価したところ、表2に示すように得られたフィルム特性は、やや成形性が低下するが良好な特性であった。
【0058】
比較例4では、酸化チタンを変更しB層チタン含有量27重量%のフィルムを作成した。表3に示すように光沢度が低下し、成形性、耐削れ性、印刷性がやや低下した。
【0059】
実施例では、ポリエステルを変更するとともに積層構成をB層/A層とし、A層、B層の着色剤含有量を変更し、A層を金属板にラミネートし、評価したところ、表3に示すように成形性、耐削れ性がやや低下した。
【0060】
実施例では、積層構成をB層/A層/C層とし、C層を酸化チタン10重量%としたところ、表3に示すように良好な特性であった。
【0061】
比較例1では、ポリエステルを変更するとともにB層の粒子含有量を0.5重量%としたところ、表4に示すように光沢度が130%となり、耐削れ性、印刷性が低下した。
【0062】
比較例2では、ポリエステルを変更するとともにB層の粒子、濃度を変更したところ、表4に示すように光沢度が著しく低下し、耐削れ性、成形性が悪化した。
【0063】
比較例3では、A層のポリエステル、粒子を変更し、酸化チタン濃度15重量%の単層フィルムとしたところ、印刷性、耐削れ性が悪化した。
【0064】
実施例では、マスタペレットをポリエチレンナフタレート(固有粘度0.78)とPET(重量比=1:4)で溶融温度295℃で作成し、ポリエチレンテレフタレート(融点258℃)と混合して295℃で押し出してフィルムを製膜した。得られたフィルムのA層の融点主ピークは247℃であり、特に良好な白色性、耐削れ性であった。
【0065】
【表1】
Figure 0003796880
【0066】
【表2】
Figure 0003796880
【0067】
【表3】
Figure 0003796880
【0068】
【表4】
Figure 0003796880
【0069】
【表5】
Figure 0003796880
【0070】
なお、表中の略号は下記の通りである。
【0071】
PET/CHDM:シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート(数字は共重合モル%)
PET/I:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(数字は共重合モル%)
PET/DEG:ジエチレングリコール共重合ポリエチレンテレフタレート(数字は共重合モル%)
PET:ポリエチレンテレフタレート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
【0072】
【発明の効果】
本発明の成形用二軸延伸ポリエステルフイルムに関するものである。更に詳しくは白色性、成形性、耐削れ性、印刷性に優れていることから、金属板にラミネートした後に絞り成形などの成形により製造される金属缶に好適に使用できる。

Claims (7)

  1. 光沢度が25〜110%かつ光学濃度/厚み(μm)が0.04〜0.1である積層ポリエステルフィルムであって、着色剤として酸化チタンを20〜50重量%含有するポリエステルからなるA層と、A層より着色剤としての酸化チタン含有量が少なく、かつ着色剤としての酸化チタン含有量が3〜22重量%であるB層を少なくとも1層積層してなることを特徴とする成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. A層のポリエステルが、その構成単位の2〜100モル%をシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位とすることを特徴とする請求項1に記載の成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  3. A層のポリエステルが、その構成単位の2〜100モル%をブチレンテレフタレート単位とすることを特徴とする請求項1に記載の成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  4. A層のポリエステルが、その構成単位の2〜100モル%をエチレンナフタレート単位とすることを特徴とする請求項1に記載の成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  5. A層のポリエステルの融解の主ピークが、246℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  6. 着色剤としての酸化チタンが、請求項2〜4のいずれかに記載のポリエステルにより実質的に被覆されていることを特徴とする成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  7. 金属板に熱ラミネート後に成形されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
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