JP3796865B2 - ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2,6−ジメチルフェノールの遷移金属錯体触媒を用いた酸化重合(例として、特公昭63−6091号公報、特開昭59−131627号公報等、多数を挙げることができる。)によって得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(以下、PPEと略すことがある。)は有用な樹脂であることが知られている。しかし、PPEは、芳香環に置換されたメチル基が酸化劣化を受けやすいため、PPE単独で溶融成形することが難しいという欠点があり、一般にはポリスチレンとのポリマーアロイとして汎用エンプラに位置づけられている。
【0003】
一方、酸化劣化を受けにくいフェニル基の置換したフェノールの酸化重合体として、2,6−ジフェニルフェノールの酸化重合体であるポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)(以下、PDPOと略すことがある。)が提案されている(特公昭40ー16423号公報)。PDPOは、耐酸化劣化性の高いポリマーであるが、融点が480℃と高温であるため、通常の射出成形法では成形できないという問題があった。
【0004】
これに対し、2−フェニルフェノールの酸化重合体であるポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)(以下、PPPOと略すことがある。)は、やはり高耐熱性であって、置換基はフェニル基であるが比較的低融点又は非晶性であり、耐酸化劣化性に優れた射出成形可能なポリマーとして期待される。
【0005】
2−フェニルフェノールの酸化重合の例として、特公昭36−18692号公報には、反応溶媒としてニトロベンゼンを用いた反応温度150℃での酸素による酸化重合が記載されている。しかし、反応温度150℃で得られた酸化重合体は、重合体中にカルボニル構造が多く存在し、また重合体の熱安定性が悪いなどの問題があった。
【0006】
また、特開平8−53545号公報には、反応溶媒として水溶性であるエチレングリコールジメチルエーテルを用いた反応温度0℃での2−フェニルフェノールの過酸化水素による酸化重合の記載がある。しかしながら、重合体中のカルボニル構造の抑制、重合体の熱安定性の点では十分ではなかった。
【0007】
なお、ここでいう重合体中のカルボニル構造とは、下記に例示するようなキノン構造やジフェノキノン構造等のカルボニル基含有構造を指す。
【0008】
これらのカルボニル構造は、酸素原子添加反応や炭素−炭素結合反応等の副反応によって生じるもので、本来望まれる炭素−酸素結合反応によるエーテル構造の連鎖を乱す構造である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、現状の酸化重合法ではカルボニル構造が多く生成し、熱安定性が悪いなど、有用なポリマーは得られていない。本発明の目的は、カルボニル構造が少ないという構造の制御された、熱安定性に優れるポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような状況下にあって、本研究者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、2−フェニルフェノールを酸素酸化重合する際に、配位原子が窒素原子である三座配位子を有する銅錯体触媒を用いて、反応溶媒として非水溶性の有機溶媒を使用し、反応温度を55℃以下とするポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法にかかるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳細に説明する。
(1)銅錯体触媒
本発明で使用する触媒は、配位原子が窒素原子である三座配位子を有する銅錯体触媒である。
本発明において配位子とは、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子またはイオンを指す。結合に直接かかわっている原子を配位原子という。三座配位子は配位原子数が3個の配位子である。
【0012】
本発明で使用する三座配位子は、それ自体が中性分子であってもイオンであってもよい。好ましく用いられる三座配位子は、中性分子または1価の陰イオンである。
【0013】
本発明の銅錯体として、一般式(I)で表される銅錯体が望ましい。
(式中、R1 は水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表す。R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R1 とR2 および/またはR2 とR3 が環を形成してもよい。R4 は二官能性の炭化水素基または置換炭化水素基であり、nは0または1である。Xは
で表される三官能性の基である。ここで、R5 は水素原子、炭化水素基または置換炭化水素基を表す。また、Yはカウンターアニオンであり、yはYの個数であって、Cuの価数により決定される。)
【0014】
上記一般式(I)における炭化水素基としては炭素原子数1〜20のアルキル基、アラルキル基及びアリール基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−t−ブチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
【0015】
上記一般式(I)における置換炭化水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された炭化水素基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0016】
上記一般式(I)における炭化水素オキシ基としては炭素原子数1〜20のアルコキシ基及びアリールオキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
【0017】
上記一般式(I)における置換炭化水素オキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基等で置換された炭化水素オキシ基であり、具体例としては、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエトキシ基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙げられる。
【0018】
上記一般式(I)におけるハロゲン原子として好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0019】
上記一般式(I)における二置換アミノ基としては炭素原子数1〜20の二置換アミノ基が好ましく、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等が挙げられる。
【0020】
上記一般式(I)において、R4 は二官能性の炭化水素基または置換炭化水素基であり、具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等のアルキレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基等を挙げることができ、好ましくは、メチレン基である。
【0021】
上記一般式(I)において、nはR4 の個数を表し、0または1である。好ましくは0である。
【0022】
上記一般式(I)において、Xは、
で表される三官能性の基である。ここで、R5 は水素原子、炭化水素基または置換炭化水素基を表す。
【0023】
かかるXの具体例としては、
等が挙げられ、好ましくは
である。
【0024】
上記一般式(I)のCuの価数は1価または2価であり、好ましくは2価である。
【0025】
上記一般式(I)のYはカウンターアニオンであり、yはYの個数であって、Cuの価数により決定される。かかるカウンターアニオンとしては特に限定はないが、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。
【0026】
本発明の遷移金属錯体触媒として、さらに好ましくは下記一般式(II)で表される遷移金属錯体が挙げられる。
(式中、R6 は炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R7 、R8 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表す。R6 とR7 および/またはR7 とR8 が環を形成してもよい。Yはカウンターアニオンであり、yはYの個数であって、Cuの価数により決定される。)
【0027】
上記一般式(II)におけるCu、Y、yは、上記一般式(I)におけるCu、Y、yと同様である。
上記一般式(II)における炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素基、置換炭化水素基、ハロゲン原子、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基は、前記一般式(I)についてしたと同様に例示できる。
【0028】
上記一般式(II)において、R6 として好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、アラルキル基、アリール基であり、さらに好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基またはアリール基である。また、R7 、R8 として好ましくは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アラルキル基、アリール基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基である。R6 とR7 および/またはR7 とR8 が環を形成してもよい。
特に好ましくは、R6 はiso−プロピル基、t−ブチル基、フェニル基、2−ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基であり、R7 は水素原子であり、R8 はiso−プロピル基、t−ブチル基、フェニル基、4−t−ブチルフェニル基である。
【0029】
本発明の遷移金属錯体において、三座配位子と遷移金属原子以外の構造は、触媒能を失活させないならば特に限定されるものではない。
また本発明の遷移金属錯体触媒には、錯体の原料、合成過程および/または酸化反応過程で、溶媒などが配位していても良い。
【0030】
本発明の遷移金属錯体の合成法は、例えば J. Am. Chem. Soc., 112, 3210(1990).に記載の方法等を挙げることができる。
該遷移金属錯体は、あらかじめ合成された錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよい。
【0031】
本発明においては、該触媒を単独でまたは混合して使用することができる。
本発明においては、該触媒は任意の量で用いることができるが、一般的には2−フェニルフェノールに対する遷移金属化合物の量として0.01〜50モル%が好ましく、0.02〜10モル%がより好ましい。
【0032】
(B)酸化剤
本発明において、酸化剤は酸素を使用する。酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素の使用量に特に限定はなく、2−フェニルフェノールに対して通常、当量以上大過剰に使用する。
【0033】
(C)反応溶媒
本発明の反応溶媒は、水と任意の割合で相溶することのない、非水溶性の溶媒である。水溶性の溶媒を用いた場合は、ポリマー中のカルボニル構造量が多くなり、ポリマーの熱安定性が悪くなるので、好ましくない。好ましい反応溶媒の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン、ニトロベンゼン、メトキシベンゼン、ジメトキシベンゼン、ベンゾニトリル等の芳香族化合物類;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化合物類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル化合物類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素類等が挙げられ、さらに好ましくは芳香族化合物類である。これらは単独あるいは混合物として使用される。
【0034】
該溶媒は、2−フェニルフェノールの濃度が好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%になるような割合で使用される。
【0035】
(D)反応温度
本発明を実施する反応温度は、55℃以下である。55℃より高い温度で反応する場合は、ポリマー中のカルボニル構造量が多くなり、ポリマーの熱安定性が悪くなるので、好ましくない。好ましい温度範囲は−20℃〜50℃であり、より好ましくは0℃〜45℃である。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
【0037】
重合体の赤外吸収スペクトル分析およびピーク面積定量:
パーキンエルマー社製1600赤外分光光度計(KBr法)を用いて測定した。ピーク面積の定量は解析ソフト(パーキンエルマー社製GRAMS Analyst 1600)を用いて行った。
【0038】
重合体のカルボニル構造量(C=O/C−H):
赤外吸収スペクトルについて、C=O結合構造ピーク面積を1620〜1720cm-1の範囲で最大となるピーク面積とし、C−H結合構造ピーク面積を2956〜3130cm-1の範囲で最大となるピーク面積とした。重合体のカルボニル構造量の目安として、C=O結合構造ピーク面積/C−H結合構造ピーク面積により求めた値(C=O/C−H)を用いた。
【0039】
重合体の数平均分子量(Mn):
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポンプ:ウォーターズ社製600Eシステム、検出器:ウォーターズ社製UV/VIS−484、検出波長:254nm、カラム:ウォーターズ社製Ultrastyragel Linear=1本+1000A=1本+100A=1本、展開溶媒:クロロホルム)により分析し、標準ポリスチレン換算値として数平均分子量(Mn)を測定した。
【0040】
重合体の熱安定性(加熱減量):
窒素雰囲気下の示唆熱天秤(リガク社製TAS−200)による分析で、10℃/minで室温から500℃まで昇温したときの、100℃〜400℃までの加熱減量(%)を、重合体の熱安定性の目安とした。
【0041】
以下の実施例に用いた銅錯体触媒は、下記構造の銅錯体であり、Cu-tpzb[iPr,iPr]と記す。
【0042】
Cu-tpzb[iPr,iPr]は、J. Am. Chem. Soc.,112, 3210 (1990)に記載された方法に従って、以下のように行った。
アルゴン雰囲気下、ポタシウムハイドロトリス(3,5−ジ−iso−プロピル−1−ピラゾリル)ボーレートと1等量の塩化第2銅2水和物をアセトンと塩化メチレンの混合溶媒中で室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を真空下で溶媒を留去し、塩化メチレンで錯体を抽出した。抽出した錯体をアセトニトリルで洗浄することにより、赤色の錯体を得た。
【0043】
実施例1
電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これに、Cu-tpzb[iPr,iPr]0.025mmolを入れ、2−フェニルフェノール0.6mmolと塩基として2,6−ジメチルピリジン0.30mmolをトルエン(PhMe) 1.2gに溶解したものを加えた。これを室温で240時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノール20mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール10mlで3回洗浄し、100℃で5時間減圧乾燥した後、重合体を得た。この重合体の分析結果を表1に示し、赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0044】
比較例1
電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これに、塩化第一銅(CuCl)0.10mmolを入れ、2−ベンジルピリジン(BzPy) 0.30mmolと2−フェニルフェノール0.6mmolをニトロベンゼン(PhNO2) 1.25gに溶解したものを加えた。内容物を攪拌しながら、フラスコを150℃のオイルバスで2.6時間保温した。反応終了後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノール20mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール10mlで3回洗浄し、120℃で5時間減圧乾燥した後、重合体を得た。この重合体の分析結果を表1に示し、赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0045】
比較例2
電磁撹拌機を備えた50ml丸底フラスコに、2−フェニルフェノール681mgと触媒のμ−オキソビス[N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミナト鉄(III)]([Fe(salen)]2O) の13mgを入れ、これにエチレングリコールジメチルエーテル(EGDME) 5mlとピリジン0.1mlを加えて、氷浴中0℃で撹拌し溶解させた。さらに30%過酸化水素水0.5mlを30分間にわたって加え、その後3時間0℃で撹拌した。反応終了後、メタノール20mlを加えてポリマーを析出させた。これを濾取し、120℃で5時間減圧乾燥して、褐色の粉末を得た。この重合体の分析結果を表1に示し、赤外吸収スペクトルを図3に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、2−フェニルフェノールを酸素酸化重合する際に、特定の触媒および反応溶媒を用いて、かつ特定の反応温度で行うことによって、カルボニル構造が少ないという構造の制御された、熱安定性に優れるポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の重合体の赤外吸収スペクトル。
【図2】比較例2の重合体の赤外吸収スペクトル。
【図3】比較例3の重合体の赤外吸収スペクトル。
Claims (4)
- 2−フェニルフェノールを酸素酸化重合する際に、一般式(I)で表される銅錯体触媒を用いて、反応溶媒として非水溶性の芳香族化合物類、ニトロ化合物類、エーテル化合物類、ハロゲン化炭化水素類または脂肪族炭化水素類を使用し、反応温度を−20℃〜50℃とすることを特徴とするポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法。
(式中、R 1 は水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表す。R 2 、R 3 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R 1 とR 2 および/またはR 2 とR 3 が環を形成してもよい。R 4 はメチレン基であり、nは0または1である。Xは
で表される三官能性の基である。また、Yはカウンターアニオンであり、yはYの個数であって、Cuの価数により決定される。) - 反応溶媒が、非水溶性の芳香族化合物類であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法。
- 反応温度が、0℃〜45℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)の製造方法。
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