JP3795955B2 - ホログラフィ撮像装置、ホログラフィシステムおよびホログラフィ表示方法 - Google Patents
ホログラフィ撮像装置、ホログラフィシステムおよびホログラフィ表示方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の3次元情報を記録するホログラフィ撮像装置、および、このホログラフィ撮像装置から物体の3次元情報を読み出して物体の3次元像を表示するホログラフィ表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物体の3次元像の表示技術としてホログラフィ技術が注目されている。このホログラフィ技術は、物体の3次元情報を記録するホログラフィ撮像技術と、ホログラフィ撮像技術によって記録された物体の3次元情報を読み出して物体の3次元像を表示するホログラフィ表示技術とから構成される。
【0003】
従来のホログラフィ技術は、一般に、ホログラム撮像にあたって、撮像素子が高分解能を有することを前提として構築されており、ホログラフィ撮像装置の撮像素子として高分解能の写真乾板やサーモプラスチックを用いるものが大部分である。
【0004】
こうした撮像技術は、高分解能であるが故に、基本的に高度な写真技術であるため、ホログラム撮像には多大の労力を必要とする。そこで、比較的低分解能の撮像素子であるCCDカメラを用いたホログラフィ技術が、「佐藤 他、テレビジョン学会誌 Vol.45,No.7,pp.873−875(1991)」(以後、従来例1と呼ぶ)や「橋本、画像電子学会誌 Vol.22,No.4,pp.315−322(1991)」(以後、従来例2と呼ぶ)に提案されている。
【0005】
従来例1は、ホログラフィ撮像技術で通常は使用されるレンズを使用しない、フレネル型ホログラフィ技術の例である。また、従来例2に開示されているホログラフィ撮像技術は、実像の空間分解能を撮像素子の空間分解能に合せるように、結像レンズを用い、結像レンズの物体側直前に開口を配置している。
【0006】
そして、干渉縞に物体の光軸方向への距離情報と光軸に対する垂直方向の位置情報の双方を担わせて撮像し、また、この干渉縞から像再生を読み出し光から行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のホログラフィ撮像装置やホログラフィ表示装置は上記のように構成されるので、以下のような問題点があった。
【0008】
従来例1および従来例2のホログラフィ撮像装置では、一般にCCDの空間分解能は10μm程度であることから、物体光と参照光との成す角度は2〜3°以内である必要である。物体光と参照光との成す角度が大きくなると、干渉縞の間隔が撮像素子の分解能よりも小さくなってしまい、コントラス良く干渉縞を撮像することができない。
【0009】
そこで、従来例1では、撮像対象物の大きさをCCDの大きさ程度とするとともに、撮像対象物とCCDとの距離を大きくとっている。しかしながら、撮像対象物とCCDとの距離の最適化の指針がなく、従って、性能を維持しつつ小型化を図ることが困難である。
【0010】
また、従来例1では、レンズを使用しないことから、視野を可変とすることができない。
【0011】
従来例2では結像レンズの撮像対象物側の直前に絞りを配置するので、視野を大きくとるためには縮小系を選択しなければならない。したがって、視野を大きくとると物体光の光軸に対する角度は、レンズ通過後にレンズ入射前よりも拡大されることになる。
【0012】
このため、物体光と参照光との角度を小さく保つために絞りの開口を小さく絞ることになるが、開口を小さく絞ると、物体光を有効に使用することができない。したがって、撮像対象物として反射率の高い物体を選択しなければならないという制約や、強力な光源が必要となるという制約が課されることになる。
【0013】
従来例1および従来例2のホログラフィ表示装置は、撮像素子であるCCDの画素ピッチ、画素サイズと、画像再生時に使用される空間変調素子の画素ピッチ、画素サイズとは異なる。
【0014】
従来例1はフルネル型ホログラム方式を採用しているのにもかかわらず、表示光学系にレンズが使用されている。また、従来例2は結像タイプの表示光学系とはなっていない。
【0015】
すなわち、従来例1および従来例2では、ホログラム撮像時の光学系と画像再生時の光学系とが異なるため、再生表示像の位置による拡大率が本質的に異なることとなるので歪が発生することになる。
【0016】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、部品の交換や調整無しに、視野を可変とするとともに、比較的低い空間分解能の撮像素子を使用して質の高いホログラムを撮像するホログラフィ撮像装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、本発明のホログラフィ撮像装置で撮像したホログラムから原像に対する歪を低減して表示可能なホログラフィ表示装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のホログラフィ撮像装置は、視野を可変とするために正の屈折力を有する光学系、例えば、凸レンズを用いるとともに、必要な干渉縞の間隔を確保するために、物体の光軸方向の距離は干渉縞の間隔に反映させるとともに、物体の光軸方向と垂直方向の位置は干渉縞の分布範囲に反映させることとして、物体の光軸方向距離の反映機能と物体の光軸垂直方向位置の反映機能とを分離し、撮像素子の光軸方向の位置を調整することにより、撮像素子の分解能よりの小さな間隔の干渉縞の発生を抑制するとともに、凸レンズなどの部品の交換や再調整無しで視野を可変とする構成とした。
【0019】
すなわち、請求項1のホログラフィ撮像装置は、(a)撮像対象物に照射する光を発生する第1の光源と、(b)第1の光源から出力された光が撮像対象物に照射された結果、撮像対象物で反射された物体光を通過させる開口を有する絞り手段と、(c)焦点距離が可変であり、絞り手段が物側焦点面となる位置に配設された正の屈折力を有する第1の結像光学系と、(d)第1の結像光学系の物側焦点距離を変化させるとともに、物側焦点距離に応じて前記絞り手段と第1の結像光学系との距離および前記開口の径を変化させる第1の連動手段と、(e)物体光と同一の波長を有する可干渉光を発生する第2の光源と、(f)第2の光源から出力された可干渉光を、第1の結像光学系の光軸に平行に進む平面波である参照光とし、第1の結像光学系を介した物体光と参照光とを干渉させる干渉光学系と、(g)第1の結像光学系の物体光出力側の焦点面から第1の距離だけ離れた位置に第1の結像光学系の光軸と垂直な撮像面を有し、干渉光学系から出力された干渉光が形成する像を撮像する撮像手段とを備え、物体光の波長=λ、絞り手段の開口の口径=a、第1の結像光学系の物側焦点距離=f、および、撮像手段の空間分解能=pとした場合、
a≦λ・f/p …(1)
なる関係を満足することを特徴とする。
【0020】
ここで、第1の光源と第2の光源とは同一の光源とすることが可能である。
【0021】
また、撮像手段の撮像結果は、(i)撮像面における光の強度としてもよいし、また、(ii)撮像面における光の波の振幅と光の波の位相ととしてもよい。前者の場合は強度ホログラムが得られるし、また、後者の場合は複素ホログラムが得られる。複素ホログラムは、縞走査法によって得られる。
【0022】
請求項1のホログラフィ撮像装置では、まず、第1の光源から出力された光で撮像対象物を照射する。この照射の結果、撮像対象物で反射された光であって、物体光を(1)式を満たす径の開口を介して第1の結像光学系に入力する。
【0023】
結像光学系に入力した光の内、開口の中心、すなわち、結像光学系の撮像対象物側の焦点を通過した主光線は、第1の結像光学系への入射角に応じて、第1の結像光学系の中心軸(以後、単に光軸とも呼ぶ)と一定の距離の第1の結像光学系の出射位置から出力され、光軸と平行な光路で撮像面に垂直に入射する。また、開口を通過した光は、結像光学系を通過することにより、結像点に向かう光となる。したがって、開口を通過した波面は、結像光学系を通過から結像点までは収斂する球面波となり、また、結像点を通過後は発散する球面波となる。
【0024】
一方、第2の光源から出力された可干渉光が干渉手段に入力する。干渉手段では、第2の光源から出力された可干渉光を平面波である参照光とした後、結像光学系を介した物体光と参照光とを干渉させる。
【0025】
ここで、第1の光源と第2の光源とを同一として構成し、光分岐器によって、撮像対象物への照射光と参照光の元となる可干渉光とすることができる。
【0026】
結像光学系を通過後の物体球面波を同一波長の平面波と干渉させ、結像光学系の後方の光軸に垂直な断面で観測すると、主光線を中心とする余弦波フレネルゾーンプレートとなり、様々な位置の余弦波フレネルゾーンプレートの中心を結ぶと光軸と平行となる。
【0027】
この結果、光軸方向の距離が同一の場合、撮像対象物の各輝点の光軸に対して垂直方向の距離がこの輝点に由来する干渉縞の分布範囲を規定することになる。また、撮像対象物の各輝点の光軸方向の距離が余弦フレネルゾーンプレートの干渉縞間隔を規定することになる。
【0028】
請求項1の装置では、撮像手段の空間分解能、すなわち、撮像手段で採用する撮像素子の単位の大きさ(以後、ピッチとも呼ぶ)pよりも小さな間隔の干渉縞の発生を押えるために、(1)式を満たす径aの開口を採用する。
【0029】
撮像素子に入射する参照光が、撮像素子に垂直に入射するとすれば、ピッチpを有する撮像素子上に発生する干渉縞をナイキスト間隔以下で撮像できる物体光の入射角θは、
θ≦sin-1((λ/2)/p) …(2)
なる関係を満たす必要がある。
【0030】
一方、(1)式の関係を満たす径aの開口を有する請求項1の装置では、物体光と光軸との成す角(以後、結像点への入射角とも呼ぶ)θiは、
θi<tan-1((λ/2)/p) …(3)
であり、λ>0より、
θi<sin-1((λ/2)/p) …(4)
となる。
【0031】
したがって、請求項1の装置では、干渉縞をナイキスト間隔で撮像することが可能であり、サンプリング定理から再現性良く情報の格納ができる。
【0032】
仮に、請求項1の装置の開口の径aが(1)の関係を満たさないと、解像されない干渉縞が発生する場合がある。この場合、解像されない干渉縞の光量は直流成分として認識され、解像された干渉縞のコントラストを低下させることとなる。開口の形状は、長方形や円形が簡便であり、実用的である。
【0033】
また、請求項1の装置では、視野を変化させるにあたって、第1の結像光学系の正の屈折力、すなわち、第1の結像光学系の物側焦点距離を第1の連動手段で変化させるが、第1の連動手段は、第1の結像光学系の物側焦点距離の変化に連動して、適切に前記絞り手段と第1の結像光学系との距離および前記開口の径を変化させる。したがって、第1の結像光学系を構成する、例えば凸レンズなどの光学部品の交換や、絞り手段、第1の結像光学系、および撮像面の幾何学的配置の調整無しで視野を変化させる。
【0034】
請求項5のホログラフィシステムは、請求項1のホログラフィ撮像装置と、このホログラフィ撮像装置で撮像された光学情報に基づいて撮像対象物の像を再生表示するホログラフィ表示装置と、を備える。そして、ホログラフィ表示装置は、(a)請求項1のホログラフィ撮像装置での撮像結果を入力する情報入力部と、(b)情報入力部から通知された情報に基づいて、請求項1のホログラフィ撮像装置で撮像された時点での撮像面におけるホログラムを形成するホログラム形成部と、(c)焦点距離が可変であり、ホログラム側の焦点面がホログラムの位置からホログラム形成光の平均進行方向へ請求項1のホログラフィ撮像装置における第1の距離だけ離れた位置となる第2の結像光学系と、(d)第2の結像光学系のホログラム側とは反対側の焦点に配置された0次光遮光手段と、(e)第2の結像光学系の0次光遮光手段側の焦点距離を変化させるとともに、第2の結像光学系の0次光遮光手段側の焦点距離に応じて、第2の結像光学系と前記0次光遮光手段との距離を変化させる第2の連動手段とを備えることを特徴とする。
【0035】
ここで、ホログラム形成部は、強度ホログラムの場合には、(i)情報入力部から通知された撮像結果の光学像を表示する表示手段と、(ii)表示手段に表示された光学像に応じた空間光変調像が書き込まれる空間光変調器と、(iii)空間光変調器に照射される読み出し光を発生する光源と、(iv)読み出し光が空間光変調器を介することにより位相又は振幅変調された位相又は振幅変調光を入力し、ホログラフィ撮像装置の撮像素子と同一の大きさのホログラムを形成するホログラム形成光学系とを備えて、好適に光学部品で構成できる。
【0036】
また、ホログラム形成部は、請求項1のホログラフィ撮像装置での撮像結果が、撮像面の各点における入射光の振幅情報および位相情報である複素ホログラムの場合には、(i)情報入力部から通知された振幅情報および位相情報に応じて、入射光に位相変調および振幅変調を施して出力する位相振幅変調部と、(ii)位相振幅変調部に照射される読み出し光を発生する光源と、(iii)読み出し光が位相振幅変調部を介することにより位相振幅変調された位相振幅変調光を入力し、ホログラフィ撮像装置の撮像素子と同一の大きさのホログラムを形成するホログラム形成光学系とを備えて、好適に光学部品で構成できる。
【0037】
請求項5のホログラフィ表示装置では、まず、第2の連動手段が、撮像時の第1の結像光学系の正の屈折力と同等の正の屈折力を有するように、第2の結像光学系の焦点距離を設定する。この設定と同時に、0次光遮光板を第2の結像光学系のホログラム側の焦点位置となるように、第2の結像光学系と0次光遮光板との位置を調整する。
【0038】
次に、読み出し光などを使用して、ホログラム形成部が、請求項1のホログラフィ撮像装置で撮像されたホログラムえを形成する。このホログラムを形成する光が第2の結像光学系を介することによって、撮像対象物の像が再生される。
【0039】
なお、ホログラム形成部、第2の結像光学系、および0次光遮光板の機能は、計算機を用いた演算処理によっても実現することが可能である。
また、本発明に係るホログラフィ表示方法は、上述のホログラフィシステムに含まれるホログラフィ表示装置と同一の技術的思想を有する。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明で採用した原理の概要を説明する。
【0041】
図1は、本発明のホログラフィ撮像装置の原理の説明図である。図1に示すように、本発明のホログラフィ撮像装置は、(a)正の屈折力を有する結像光学系110と、(b)結像光学系110の撮像対象物側の焦点付近に開口211を有する絞り210と、(c)物体光と参照光とを干渉させる干渉光学系300と、(d)光軸と垂直な撮像面410を有し、干渉光学系300から出力された干渉光の干渉縞を撮像する撮像器400とを備える。
【0042】
図1の撮像装置では、撮像対象物の各輝点(P1、P2、P3、…)からの物体光が開口211を通過した後、結像光学系110に入力する。
【0043】
結像光学系110に入力した光の内、開口211の中心、すなわち、結像光学系100の撮像対象物側の焦点を通過した主光線は、結像光学系110への入射角に応じて、結像光学系110の光軸と一定の距離の結像光学系110の出射位置から出力され、光軸と平行な光路で撮像面410に垂直に入射する。また、開口211を通過した光は、結像光学系110を通過することにより、各輝点(P1、P2、P3、…)に対応した結像点(Q1、Q2、Q3、…)に向かう光となる。したがって、開口211を通過した波面は、結像光学系110を通過から結像点(Q1、Q2、Q3、…)までは収斂する球面波となり、また、結像点(Q1、Q2、Q3、…)を通過後は発散する球面波となる。
【0044】
図2は、物体光の結像点への入射角度の説明図である。輝点Pを始点として、開口211を介して結像光学系110に入力した物体光は、結像点Qに収斂する。開口211の径をL、
L=λf/p
ここで、λ:物体光の波長
f:結像光学系の物側焦点距離
p:撮像器の空間分解能
とすると、開口211の両端を通過し、結像光学系を介した光線と光軸との成す角θi0は、
θi0=tan-1((λ/2)/p)
となる。したがって、開口211を通過し、結像光学系を介した光線と光線と光軸との成す角θiは、
θi≦tan-1((λ/2)/p)
となる。ところで、A>0で、
tan-1A<sin-1A
より、
θi<sin-1((λ/2)/p)
であり、(2)式の条件を満たす。
【0045】
結像光学系110を介した物体光と平面波である参照光(波長が物体光と同一の可干渉光)とは干渉光学系300に入力し干渉する。なお、干渉光学系300を介した参照光は、光軸と平行に進行し、撮像面410に垂直に入射するように干渉光学系300で進行方向が設定される。
【0046】
ところで、(本発明での開口の径a)<Lであることより、本発明のホログラフィ撮像装置では、結像点への入射角が必ず(2)式の条件を満たすことより、結像光学系110を介した物体光と平面波である参照光(波長が物体光と同一の可干渉光)とが干渉光学系300で干渉した結果として生じる干渉縞をナイキスト間隔以下でサンプリングすることが可能である。
【0047】
次に、本発明のホログラフィ表示装置で利用する、ホログラム再生の原理の概要について説明する。本発明のホログラフィ表示装置では、上記の原理で撮像した干渉縞像を読み出してホログラム表示を行う。
【0048】
まず、ホログラム撮像において、撮像面を後焦点面に配置した場合について説明する。
【0049】
図3は、最も基本的な再生光学系の構成図である。図3に示すように、この光学系は、(a)撮像光学装置で使用した結像光学系110と同等な結像光学系110と、(b)結像光学系110に対する撮像面410に対応する位置、すなわち、結像光学系120の一方の焦点面に配置された複素ホログラム510と、(c)結像光学系120に対する絞り210に対応する位置、すなわち、結像光学系120の他方の焦点面に配置された、開口211と同等の開口221を備える絞り220とを備える。
【0050】
この再生光学系で、複素ホログラム510に撮像時の参照光の共役波である平行光、すなわち、読み出し光を照射すると、再生波面は撮像時の結像光学系101での結像による物体像を虚像IM1とする波面の光が発生する。この光は結像光学系120に入力し、撮像時の撮像対象物体の位置に応じた位置に、開口221を介して、実像RL1が結像される。
【0051】
なお、再生時において、再生光束は開口221付近に集中するので、図3の再生光学系において、絞り220は必ずしも必要は無い。
【0052】
また、複素ホログラム510では共役像は発生しないので、上述の虚像IM1および実像RL1以外は再生されない。
【0053】
実像RL1は、撮像時における撮像対象物の背後側である、視点P11や視点P12から観測されることになる。したがって、観測される像は、再生像が裏返された像となる。
【0054】
また、視点P11や視点P12では、開口221を通過し、夫々の視点に入射する再生光のみに関わる実像RL1の一部のみしか観測することができない。
【0055】
上記の図3の再生光学系の欠点は、改善することが可能である。図4は、図3の再生光学系の欠点を改善した再生光学系の構成図である。
【0056】
図4に示すように、この再生光学系は、(a)撮像光学装置で使用した結像光学系110と同等な結像光学系120と、(b)結像光学系110に対する撮像面410に対応する位置、すなわち、結像光学系120の一方の焦点面に配置され、図4の紙面垂直方向を回転軸として180゜回転させた複素ホログラム510と、(c)結像光学系110に対する絞り210に対応する位置、すなわち、結像光学系120の他方の焦点面に配置された、開口211と同等の開口221を備える絞り220とを備える。
【0057】
この再生光学系で、複素ホログラム510に撮像時の参照光の共役波である平行光、すなわち、読み出し光を照射すると、再生波面が図3における虚像IM1の焦点面に対して対象な位置に実像RL2を形成する波面の光が発生する。この光は結像光学系120に入力し、結像光学系120と絞り220との間の虚像IM2を形成する波面の光となる。開口221を視点として虚像IM2を観測することにより、正しい像方向の像の全体像が歪が無しで観測される。
【0058】
次に、強度記録型ホログラム装置で、ホログラムを記録した場合の再生光学系について、説明する。
【0059】
図5は、強度ホログラムの再生光学系の最も基本的な構成図である。図6に示すように、この再生光学系は、複素ホログラム510を強度ホログラム560とした点のみが図3の再生光学系と異なる。
【0060】
図5の再生光学系の強度ホログラム560に読み出し光が照射されると、図3の再生光学系と同様の撮像時の結像位置に虚像IM1を形成する波面と、強度ホログラム560を対称面として虚像IM1の面対称位置に実像RL3を形成する波面とを有する再生光が発生する。
【0061】
虚像IM1を形成する波面の光は、結像光学系120によって、撮像時の撮像対象物体位置に実像RL1として再生される。また、実像RL3を形成する波面の光は、結像光学系120によって、絞り220を対称面として実像RL1の面対称位置に虚像IM3として再生される。
【0062】
そして、開口221を視点として虚像IM3を観測すれば、再生像全体を観測することができる。
【0063】
しかし、こうして観測される像は、図3の場合と同様に、上下が逆のものとなっている。
【0064】
この問題点は、図3の再生光学系における同様の問題点を図4の再生光学系で改善した手法と同様の手法で改善が可能である。
【0065】
図6は、図5の再生光学系の問題点を改善した再生光学系の構成図である。図6に示すように、この再生光学系は、強度ホログラム560を紙面垂直方向を軸として180゜回転して配置した点が異なる。
【0066】
図6再生光学系の強度ホログラム560に読み出し光が照射されると、図4の再生光学系と同様の位置に実像RL2を形成する波面と、強度ホログラム560を対称面として実像RL2の面対称位置に虚像IM4を形成する波面とを有する再生光が発生する。
【0067】
虚像IM4を形成する波面の光は、結像光学系120によって、撮像時の撮像対象物体位置に実像RL4として再生される。また、実像RL2を形成する波面の光は、結像光学系120によって、絞り220を対称面として実像RL4の面対称位置に虚像IM2として再生される。
【0068】
そして、開口221を視点として虚像IM2を観測すれば、図4の再生光学系と同様に、再生像全体を撮像時の像と同様の方向関係で観測することができる。
【0069】
以上、撮像時に撮像面を結像光学系の焦点面(焦点距離=f)に配置した場合について説明したが、撮像時に撮像面を結像光学系の焦点面に配置しなかった場合の再生について、以下に説明する。なお、以下の説明においては、撮像時の撮像面は結像光学系の後焦点面からzだけ離れていたとする。
【0070】
図7は、撮像時の撮像面位置に複素ホログラム510を配置した、図3に応じた再生光学系の構成図である。図7の再生光学系に読み出し光を照射すると、撮像時における結像光学系による結像位置(結像光学系から結像位置までの距離=bとする)に虚像IM1を形成する波面の光を再生する。このとき、複素ホログラム510と虚像IM1との距離cは、
c=b−(f+z) …(5)
となる。
【0071】
そして、虚像IM1を形成する波面の光は結像光学系120によって、撮像時における撮像対象物体の位置に結像され、実像RL1が再生される。この再生光学系においては、再生像である実像RL1に関しては結像にあたって歪は発生しない。
【0072】
しかし、上述の図3の場合と同様の問題点が、図7での実像RL1の観察にあたっても存在するので、図3の再生光学系に対する図4の再生光学系と同等の改善が行われる再生光学系を採用する。
【0073】
まず、図7の再生光学系において、複素ホログラム510を紙面垂直方向を軸として180゜回転すとともに、複素ホログラム510を距離yだけ移動させてして配置する。この再生光学系で読み出し光を照射すると、複素ホログラムの回転軸と同一の軸について虚像IM1を180゜回転した位置に実像RL2が再生される。この実像RL2と結像光学系120との距離dは、
d=f+z−c−y=2f+2z−b−y …(6)
となる。
【0074】
この実像RL2を形成する波面が結像光学系120によって結像され、歪の無い虚像IM2が再生されるためには、実像RL2の位置が、図7における虚像IM1の焦点面に対する対称の位置に形成される必要がある。この条件は、
d=2f−b …(7)
である。
【0075】
したがって、(6)式と(7)式より、位置による拡大率の差異無しで虚像IM2を得るための条件は、
y=2z …(8)
となる。
【0076】
図8は、(8)式の条件を満たした再生光学系の構成図である。
【0077】
強度ホログラムを用いた場合も図8と同様の再生光学系で、正しい像方向の像の全体像が歪が無しで観測される。
【0078】
以下、添付図面を参照して本発明のホログラフィ撮像装置およびホログラフィ表示装置の実施の形態を説明する。なお、図面の説明にあたって同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0079】
[ホログラフィ撮像装置の実施形態]
(第1実施形態)
図9は、本発明のホログラフィ撮像装置の第1実施形態の構成図である。本実施形態のホログラフィ撮像装置は、強度記録型撮像装置である。図9に示すように、この装置は、(a)撮像対象物に照射する照射光と参照光とを発生する光源部610と、(b)光源部610から出力された光が撮像対象物900に照射された結果、撮像対象物900で反射された物体光を通過させる開口211を有する絞り210と、(c)焦点距離が可変であり、絞り210が物側焦点面となる位置に配設された正の屈折力を有する結像光学系110と、(d)結像光学系110の焦点距離を設定するとともに、物側焦点距離に応じて絞り210と結像光学系110との距離および開口211の径を変化させる連動手段270と、(e)結像光学系110を介した物体光と参照光とを干渉させる干渉光学系310と、(f)結像光学系110の光軸に垂直な撮像面410を有し、干渉光学系310から出力された干渉光が形成する像を撮像する撮像手段400と、(g)撮像手段400から出力された撮像情報を入力し、格納する格納手段710と、(h)撮像手段400から出力された撮像情報を入力し、ホログラフィ表示装置へ向けて撮像情報を伝送する伝送手段720とを備える。
【0080】
そして、物体光の波長=λ、絞り手段の開口の口径=a、結像光学系の物側焦点距離=f、および、撮像手段の空間分解能=pとした場合、
a≦λ・f/p …(1)
なる関係を満足する。
【0081】
光源部610は、(i)可干渉光を発生するレーザ光源611と、(ii)レーザ光源611から出力された光を2分岐する光分岐器612と、(iii)光分岐器612から出力された一方の光を入力し、偏光方向を選択して出力する偏光子613と、(iv)偏光子613を介した光を撮像対象物900へ向けて球面波の照射光を出力する光学系614と、(v)光分岐器612から出力された他方の光を入力し、偏光方向を選択して出力する偏光子615と、(vi)偏光子615を介した球面波の光を干渉光学系300へ向けて出力する光学系616とを備える。
【0082】
図10は、結像光学系110の構成図である。図10に示すように、結像光学系110は、(i)焦点距離f1=300mmの前側の凸レンズ121と、(ii)凸レンズ111とDの距離に配置された、焦点距離f2=150mmの後側の凸レンズ112とを備える。
【0083】
結像光学系110では、合成焦点距離fは、
f=f1・f2/(f1+f2−D)
となり、前方焦点から凸レンズ111までの距離ffは、
ff=f1(f2−D)/(f1+f2+D)
となる。また、後方焦点から凸レンズ112までの距離L2は、
L2=f2(f1−D)/(f1+f2−D)
となる。
【0084】
図11は、連動手段270の構成図である。図11に示すように、連動手段270は、(i)沈頭ピン2711を有する、凸レンズ121用のホルダ271と、(ii)沈頭ピン2721を有する、凸レンズ122用のホルダ272と、(iii)沈頭ピン2731と開口径を制御する沈頭レバー2732を有する、絞り210用のホルダ273と、(iv)沈頭ピン2741と沈頭ピン2742を有し、ホルダ271と、ホルダ272と、ホルダ273とを内部に収納するとともに、沈頭ピン2711、沈頭ピン2721、および沈頭ピン2731の動きを水平方向に制限する切り欠き2743と、沈頭レバー2732の動きの範囲内で沈頭レバー2732の動きを制限しないための切り欠き2744を有する中間ホルダ274とを備える。更に、連動手段270は、(v)中間ホルダ274を内部に収納するとともに、沈頭ピン2741の動きを光軸を中心にした回転に制限する切り欠き2751、沈頭ピン2742の動きを光軸を中心にした回転に制限する切り欠き2752、沈頭ピン2711の動きを制限する切り欠き2753、沈頭ピン2721の動きを制限する切り欠き2754、沈頭ピン2731の動きを制限する切り欠き2755、および沈頭レバー2732の動きを制限する切り欠き2756を有する外部ホルダ275を備える。
【0085】
連動手段270で、中間ホルダ274を基準として外部ホルダ275を回転させると、切り欠き2743と切り欠き2753、切り欠き2754、切り欠き2755との交点が、絞り210、凸レンズ121、および凸レンズ122の水平位置を規定する。そして、切り欠き2756による沈頭レバー2732の位置の規定が、絞り210の開口211の径を規定することになる。
【0086】
図11の連動手段270で、凸レンズ121および凸レンズ122を使用して、合成焦点距離の最小値fmin=110mm、合成焦点距離の最小値fmax=220mmとするとともに、外部ホルダ275の中間ホルダ274に対する回転角θを0°〜90°として、
f=fmin+kθ
の関係を満たすとともに、θ=0°でf=fmin、θ=90°でf=fmaxとの条件で設計を行った。
【0087】
この条件では、
k=(fmax−fmin)/90°=1.222[mm/°]
となる。
【0088】
上記の後方焦点から凸レンズ122までの距離L2の式、
L2=f2(f1−D)/(f1+f2−D)
から、距離L2を回転角θを変数として表すことができる。
【0089】
また、後方焦点から凸レンズ121までの距離L1は、
L1=D+L2
より、回転角θを変数として表すことができる。
【0090】
更に、後方焦点から前方焦点、すなわち、絞り210までの距離L3は、
L3=D+L2−ff
より、回転角θを変数として表すことができる。
【0091】
図12に、距離L1、距離L2、距離L3、および、合成焦点距離fと回転角θとの関係を、上記の数値設定とした場合に示す。
【0092】
一方、開口211の径aを、
a=λf/p
とし、沈頭レバー2732の回転角θmと回転角θとについて、
θm=k2・θ+θ0
となるように設定し、
a=amin+k1・θm
の関係を満たすとともに、θm=0°でa=0、θm=90°でa=38×10-3との条件で設計を行った。
【0093】
この条件では、
k1=4.222×10-4[/°]
となる。これより、
θm=λf/(k1・p)
となる。これより、回転角θmを、回転角θを変数として表すことができる。
【0094】
図13に、回転角θmと回転角θとの関係を、上記の数値設定とした場合に示す。
【0095】
干渉光学系310は、(i)光学系616を介した光を入力し、平面波化する光学系311と、(ii)光学系311を介した光を反射して、光路を設定するミラー312と、(iii)結像光学系110を介した物体光とミラー312を介した参照光とを入力し、双方の光を略同一方向へ出力して干渉させるハーフミラー313とを備える。
【0096】
撮像手段400は、(i)干渉光学系300から出力された干渉光を入力し、偏光方向を選択して出力する検光子430と、(ii)検光子430を介した光を受光する撮像面410を備え、撮像面410上の光像を撮像する撮像器420と、(iii)撮像面410の位置を干渉光学系300に対して相対的に移動させる移動手段440とを備える。
【0097】
なお、撮像器420にCCDカメラを使用する場合は、結像光学系110による上下左右の反転をするように走査させる方向に設置する。また、撮像面410の保護ガラスによる反射の防止のため、通常の保護ガラスに代えて、コア径が撮像分解能以下の光学ファイバプレートを使用することが好適である。
【0098】
以下、結像光学系110に合成焦点距離f=18cm、ピッチp=11μmで撮像素子が512(=N)個×512個で配列された撮像面410、使用する光の波長λ=0.628μmを採用し、撮像対象物900が結像光学系110の前方約46.4cmに配置された場合を例にとって説明する。この場合、撮像対象物900の結像光学系110による結像点は、結像光学系110から29.4cm離れた位置となる。また、開口211の径aとして、
a=λf/p=1.0cm
の円形を採用した。
【0099】
なお、物体光の光軸をz軸とし、図9の紙面上下方向をy方向、紙面垂直方向をx方向とする。
【0100】
本実施形態のホログラフィ撮像装置は以下のようにして撮像対象物900の強度ホログラムを撮像する。
【0101】
まず、連動手段によって、絞り210と結像光学系110との位置を、撮像手段の分解能に応じて、撮像面410を撮像対象物900から適当な距離Lの位置に設置する。
【0102】
距離Lは、以下のようにして、求めることができる。
【0103】
光源部100から出力された照射光が測定対象物900で反射された物体光が結像光学系110を介した後の球面波光と光源部100から出力された参照光が辺面波化された平面波光との干渉によって生じる、撮像面410上での余弦波フレネルゾーンプレートF(x,y,L)は、
F(x,y,L)
=1+cos((2π/λ)(x2+y2+L2)1/2) …(9)
となる。
【0104】
簡単のため、距離Lを波長λの整数(=倍と近似し、xy平面で撮像面410の中心からの距離をrxyとすると、
F(x,y,L)
=1+cos((2π/λ)(rxy 2+L2)1/2) …(10)
である。
【0105】
したがって、余弦波フレネルゾーンプレートF(x,y,L)のn次明部の位置rxyb(n)は、
rxyb(n)=(2Lnλ+n2λ2)1/2 …(11)
となり、また、余弦波フレネルゾーンプレートF(x,y,L)のn次暗部の位置rxyd(n)は、
rxyd(n)
=(2Ln(λ+1/2)+(n+1/2)2λ2)1/2 …(12)
となる。
【0106】
そして、分解能pの撮像面410で、最大n次までの余弦波フレネルゾーンプレートF(x,y,L)を解像するための条件は、
rxyd(n)−rxyb(n)>p …(13)
となる。
【0107】
(13)式で右辺と左辺とが等しくなるnを最大解像次数nmaxpとすると、最大解像次数nmaxpは距離Lの関数であり、概略としては距離Lに反比例している。
【0108】
また、
rxyb(n)=(N/2)p …(14)
となる場合、つまり、おおよそn次明部の位置が撮像面410の両端となるnを最大撮像次数nmaxdとすると、最大撮像次数nmaxdは距離の関数であり、距離Lに比例する。
【0109】
図14は、本実施形態における最大解像次数nmaxpおよび最大撮像次数nmaxdの距離L依存性を示すグラフである。
【0110】
そして、
nmaxp=nmaxd …(15)
となる距離Lが最適距離となる。この最適距離に設定すれば、最大解像次数nmaxp次の明部が撮像面410の両端となり、その内側の干渉縞の間隔は全て分解能pよりも大きくなる。すなわち、撮像面410を最大効率で使用できる。
【0111】
図14から、本実施形態においては、(15)式の条件を満たすnは64であり、最適距離Loptは約9.8cmであることがわかる。
【0112】
本実施形態のホログラフィ撮像装置では、最適距離Loptは結像光学系110による結像点から撮像面410までの距離として設定すればよい。
【0113】
なお、距離Lを9.8cmより大きくすると、本来撮像可能な情報を受光できないが、撮像面全体で解像可能な縞情報を受光することには変りが無い。
【0114】
すなわち、連動手段270により、撮像対象物体900の結像点と撮像面410との距離Lを10cm、すなわち、撮像面410を結像光学系110から19.4cmだけ離れた位置に設置する。
【0115】
引き続き、光源部100から撮像対象物900の照射光と参照光とを出力する。照射光が照射された撮像対象物900では反射が生じ、球面波である物体光が生じる。
【0116】
物体光の一部は、開口211を介して結像光学径110に入力し、結像点へ向けて出力され、干渉光学系300に入力する。一方、光源部100から出力された参照光が干渉光学系300に入力し、物体光と干渉する。
【0117】
干渉光学系300から出力された干渉光は、検光子430で物体光および参照光が選択され、撮像面410で受光される。撮像面410で受光された光の形成する縞像は撮像器420で撮像され、撮像結果が距離Lの情報とともに、格納手段710に格納されたり、伝送手段720からホログラフィ表示装置へ向けて伝送されたりする。
【0118】
なお、レーザ光源611として、光の3原色を順次出力可能なレーザ光源を用意し、各色について順次ホログラム撮像を行うことにより、カラー再生可能な撮像情報の取得ができる。光の3原色を順次出力可能なレーザ光源としては、各色の光を夫々出力するレーザ素子を用意して、順次駆動することとしてもよいし、また、光の3原色を含む光を出力するレーザ光源と光の3原色の内の1色を選択するフィルタを順次使用することとしてもよい。
【0119】
(第2実施形態)
図15は、本発明のホログラフィ撮像装置の第2実施形態の構成図である。本実施形態のホログラフィ撮像装置は、複素ホログラム記録型のホログラフィ撮像装置である。図15に示すように、この装置は、(a)撮像対象物に照射する照射光と参照光とを発生する光源部610と、(b)光源部610から出力された光が撮像対象物900に照射された結果、撮像対象物900で反射された物体光を通過させる開口211を有する絞り210と、(c)絞り210が物側焦点面となる位置に配設された正の屈折力を有する結像光学系110と、(d)結像光学系110の焦点距離を設定するとともに、物側焦点距離に応じて絞り210と結像光学系110との距離および開口211の径を変化させる連動手段270と、(e)結像光学系110を介した物体光と参照光とを干渉させる干渉光学系320と、(f)結像光学系110の光軸に垂直な撮像面410を有し、干渉光学系310から出力された干渉光が形成する像を撮像する撮像手段400と、(g)撮像手段400から出力された撮像情報を入力し、処理して、撮像面410における物体光の強度と位相を求めるとともに、干渉光学系320に対して参照光の位相を指示する処理部800と、(h)処理部800で求められた強度情報と位相情報とを格納する格納手段710と、(i)撮像手段400から出力された撮像情報を入力し、ホログラフィ表示装置へ向けて撮像情報を伝送する伝送手段720とを備える。
【0120】
そして、物体光の波長=λ、絞り手段の開口の口径=a、結像光学系の物側焦点距離=f、および、撮像手段の空間分解能=pとした場合、
a≦λ・f/p …(1)
なる関係を満足する。
【0121】
干渉光学系320は、(i)光学系616を介した光を入力し、平面波化する光学系311と、(ii)光学系311を介した光を入射し、処理部800から指示された量だけ出力光の位相を調整して出力する位相調整器321と、(iii)位相調整器321を介した光の光路を設定するハーフミラー322と、(iv)結像光学系110を介した物体光とハーフミラー322を介した参照光とを入力し、双方の光を略同一方向へ出力して干渉させるハーフミラー313とを備える。なお、位相調整器321は、λ/4ごとに4段階の位相調整を行う。
【0122】
位相調整器321は、(i)入射した光を反射するミラー326と、(ii)処理部800からの指示に応じて、ミラー326を移動するピエゾ素子327とを備える。
【0123】
図16は、処理部800の構成図である。図16に示すように、(i)各調整位相量ごとの撮像面410における各画素の光強度データを格納するフレームメモリ8100〜8103と、(ii)フレームメモリ8100〜8103に格納された各画素のデータに基づいて各画素位置における物体光の振幅と位相とを算出する演算部820と、(iii)フレームメモリ8100〜8103および演算部820を制御するとともに、位相調整器321の位相調整指示信号を発行する制御部830とを備える。
【0124】
本実施形態のホログラフィ撮像装置では、以下のようにして、複素ホログラムの撮像を行う。
【0125】
まず、第1実施形態と同様にして、連動手段270により、絞り210と結像光学系110と位置関係を保ったまま、撮像手段の分解能に応じて、移動手段440によって撮像面410を撮像対象物900から適当な距離Lの位置に設置する。
【0126】
また、処理部800から、位相調整量=0の位相調整指示が発行され、位相調整器321は、位相調整量=0の位置にミラー326を設置する。
【0127】
引き続き、光源部100から撮像対象物900の照射光と参照光とを出力する。照射光が照射された撮像対象物900では反射が生じ、球面波である物体光が生じる。
【0128】
物体光の一部は、開口211を介して結像光学径110に入力し、結像点へ向けて出力され、干渉光学系320に入力する。一方、光源部100から出力された参照光が干渉光学系320に入力し、位相調整量=0で物体光と干渉する。
【0129】
干渉光学系320から出力された干渉光は、検光子430で物体光および参照光が選択され、撮像面410で受光される。撮像面410で受光された光の形成する縞像は撮像器420で撮像され、撮像結果が位相調整量=0のデータ(I0)としてフレームメモリ8100に格納される。
【0130】
次に、処理部800が、位相調整量=π/2、π、3π/2の位相調整指示を順次発行し、都度の撮像結果(I1、I2、I3)をフレームメモリ8101〜8103に夫々格納する。
【0131】
位相調整量をφΔとし、物体光をAOexp[jφO]、参照光をARexp[j(φR+φΔ)]とすると、撮像面410上の光強度Iは、
となる。
【0132】
したがって、φΔ=0、π/2、π、3π/2であるI0〜I3は、
I0=AO 2+AR 2+2AOARcos(φO−φR) …(17)
I1=AO 2+AR 2+2AOARsin(φO−φR) …(18)
I2=AO 2+AR 2−2AOARcos(φO−φR) …(19)
I3=AO 2+AR 2−2AOARsin(φO−φR) …(20)
となる。
【0133】
(17)〜(20)式より、
I0−I2=4AOARcos(φO−φR) …(21)
I1−I3=4AOARsin(φO−φR) …(22)
である。
【0134】
(21)および(22)式より、
φO−φR=tan-1((I1−I3)/(I0−I2)) …(23)
と物体光の参照光に対する位相が求まる。参照光は平面波なので、参照光の位相φRは撮像面410のどの点においても一定なので、(23)で求まる各画素のφO−φRから、各画素間の相対的な位相が得られる。
【0135】
(21)および(23)式から、物体光の振幅AOが、
AO=(I0−I2)/(4ARcos(φO−φR)) …(24)
と求まる。
【0136】
上記(21)〜(24)の演算は、制御部830のシーケンス制御のもとで、演算部820において以下のうようにして行われる。
【0137】
まず、フレームメモリ810i(i=0、1、2、3)から撮像結果Iiがビデオレートで同時に読み出される。
【0138】
I0、I2は差分演算器821に入力して(I0−I2)が演算され、(I0−I2)は同期レジスタ823および除算演算器824に入力する。また、I1、I3は差分演算器822に入力して(I1−I3)が演算され、(I1−I3)は除算演算器824に入力する。除算演算器824では(I1−I3)/(I0−I2)が演算され、結果が逆正接演算器825に入力する。逆正接演算器825では(23)式の演算が実行され、演算結果である(φO−φR)が余弦演算器826に入力するとともに、同期レジスタ828を介して演算部820の第1の演算結果として出力される。
【0139】
余弦演算器826では4ARcos(φO−φR)が演算され、演算結果が除算演算器827に入力する。除算演算器827では、余弦演算器826の演算結果に加えてレジスタ823の格納データ(I0−I2)を入力して、(24)式の演算を実行する。そして演算結果である物体光の振幅AOが演算部820の第2の演算結果として出力される。
【0140】
演算部820の演算結果は、距離Lの情報とともに、格納手段710に格納されたり、伝送手段720からホログラフィ表示装置へ向けて伝送されたりする。
【0141】
なお、第実施形態と同様に、レーザ光源611として、光の3原色を順次出力可能なレーザ光源を用意し、各色について順次ホログラム撮像を行うことにより、カラー再生可能な撮像情報の取得ができる。光の3原色を順次出力可能なレーザ光源としては、各色の光を夫々出力するレーザ素子を用意して、順次駆動することとしてもよいし、また、光の3原色を含む光を出力するレーザ光源と光の3原色の内の1色を選択するフィルタを順次使用することとしてもよい。
【0142】
[ホログラフィ表示装置の実施形態]
(第1実施形態)
図17は、本発明のホログラフィ表示装置の第1実施形態の構成図である。本実施形態のホログラフィ表示装置は、図9のホログラフィ撮像装置によって撮像された強度ホログラムに基づいて、撮像対象物900の像を再生する装置である。
【0143】
図17に示すように、この装置は、(a)図9のホログラフィ撮像装置されたホログラム情報を入力する情報入力部750と、(b)情報入力部750を介したホログラム情報を入力し、このホログラム情報に基づいてホログラム511を形成するホログラム形成部650と、(c)ホログラム511を形成する波面の光を入力して結像する、図9の結像光学系110と同等の結像光学系120と、(d)ホログラム511と結像光学系110との間の距離を変化させる移動手段150と、(e)結像光学系110のホログラム511側とは反対側の焦点位置に配置された0次光遮光板250と、(f)結像光学系120の0次光遮光板250側の焦点距離を変化させるとともに、結像光学系120の0次光遮光板250側の焦点距離に応じて、結像光学系120と0次光遮光板250との距離を変化させる連動手段280とを備える。
【0144】
情報入力部750は、(i)ホログラフィ撮像装置の撮像結果の格納媒体から格納情報を読み出す情報読み出し装置751と、(ii)ホログラフィ撮像装置から伝送された撮像結果を受信する受信器752とを備える。
【0145】
ホログラム形成部650は、(i)情報入力部750から通知された情報に基づいて、画像表示する表示装置651と、(ii)表示装置651で表示された画像のを書き込む、空間光変調器652と、(iii)空間光変調器652に照射する、平面波である可干渉光を発生するレーザ光源653と、(iv)レーザ光源653から出力された光を空間光変調器652へ導くリレー光学系654と、(v)空間光変調器652で位相変調された光を入力し、撮像時の撮像面での大きさと一致した空間光変調器652のホログラム511を形成するアフォーカル光学系655とを備える。
【0146】
連動手段280は、図9の連動手段270で設定される結像光学系110と同等の結像光学系120を実現できるように、連動手段270と類似した構成で構成される。
【0147】
以下、図9のホログラフィ撮像装置に合せて、結像光学系120を合成焦点距離f=18cm、使用する光の波長λ=0.628μmを採用した場合を例にとって説明する。
【0148】
このホログラフィ表示装置では、以下のようにして、図9のホログラフィ撮像装置での撮像結果から撮像対象物の像を再生表示する。
【0149】
まず、連動手段280によって、ホログラム511の形成位置と結像光学系120とを(8)式の条件に従って調整する。すなわち、図9のホログラフィ撮像装置では、z=1.4cmであったので、この位置から図9における結像光学系110への方向へ2.8cm(=2z)移動する。この結果、結像光学系110から16.6cmの位置にホログラム511が形成されることになる。
【0150】
次に、情報入力部750からホログラム情報である画像情報を入力し、表示装置651に表示して、その画像情報を空間光変調器652に書き込む。表示装置651としては小型CRTを、空間光変調装置652としては、光書き込み型液晶空間光変調素子を好適に使用できる。なお、表示装置651には撮像結果を、光軸(z軸)回りに180゜回転して表示する。
【0151】
引き続き、レーザ光源653から出射された光がリレー光学系654を介して空間光変調器652に照射される。そして、空間光変調器652で位相変調された光はアフォーカル光学系655を介して撮像時と同一の大きさで空間光変調器652のホログラム511を形成する。アフォーカル光学系の倍率は、表示装置651の画素の大きさと、撮像時の画素の大きさとの比で決まる。例えば、表示装置651として1.5インチの小型CRTを使用した場合には、画素の大きさは約40μmであり、撮像時の画素の大きさは上記のように11μmなので、約4:1のアフォーカル光学系を使用する。
【0152】
ホログラム511によって再生される実像RL2は、ホログラム511より結像光学系120側で、結像光学系120から約6.6cmの位置に再生される。この実像RL2を形成する波面を結像光学系120で虚像IM2を形成する波面とする。結像光学系120から出力された光の内の0次光を、結像光学系120の焦点位置に配置された0次光遮光板250によって遮光し、1次以上の光を通過させる。
【0153】
そして、0次遮光板250で遮光されなかった光を0次遮光板250の後方から観測することにより、歪の無い撮像対象物900の再生像を観測する。
【0154】
なお、光の3原色ごとにホログラム撮像された場合には、各色についての再生画像を合成することにより、また、光の3原色についてのホログラム撮像がなされた場合には上記と同様にして撮像対象物900の像をカラー再生できる。
【0155】
(第2実施形態)
図18は、本発明のホログラフィ表示装置の第3実施形態の構成図である。本実施形態のホログラフィ表示装置は、図15のホログラフィ撮像装置によって撮像された複素ホログラムに基づいて、撮像対象物900の像を再生する装置である。
【0156】
図17に示すように、この装置は、(a)図15のホログラフィ撮像装置で撮像されたホログラム情報を入力する情報入力部750と、(b)情報入力部750を介したホログラム情報を入力し、このホログラム情報に基づいてホログラム513を形成するホログラム形成部660と、(c)ホログラム513を形成する波面の光を入力して結像する、図15の結像光学系110と同等の結像光学系120と、(d)ホログラム511と結像光学系110との間の距離を変化させる移動手段150と、(e)結像光学系110のホログラム511側とは反対側の焦点位置に配置された0次遮光板250と、(f)結像光学系120の0次光遮光板250側の焦点距離を変化させるとともに、結像光学系120の0次光遮光板250側の焦点距離に応じて、結像光学系120と0次光遮光板250との距離を変化させる連動手段280とを備える。
【0157】
ホログラム形成部660は、(i)情報入力部750から通知された位相情報に基づいて、入力光の位相を変調する位相変調器661と入力光の振幅を変調する振幅変調器662とを備える位相振幅変調部663と、(ii)位相振幅変調部663に照射する、平面波である可干渉光を発生するレーザ光源653と、(iii)レーザ光源653から出力された光を位相変調器661および振幅変調器662へ導くリレー光学系654と、(iv)位相振幅変調部663を介した光を入力し、撮像時の撮像面での大きさと一致した空間光変調器652のホログラム511を形成するアフォーカル光学系655とを備える。
【0158】
以下、図15のホログラフィ撮像装置に合せて、結像光学系120に合成焦点距離f=18cm、使用する光の波長λ=0.628μmを採用した場合を例にとって説明する。
【0159】
このホログラフィ表示装置では、以下のようにして、図15のホログラフィ撮像装置での撮像結果から撮像対象物の像を再生表示する。
【0160】
まず、第1実施形態と同様に、連動手段280によって、ホログラム511の形成位置と結像光学系120とを(8)式の条件に従って調整する。すなわち、図14のホログラフィ撮像装置では、z=1.4cmであったので、この位置から図14における結像光学系110への方向へ2.8cm(=2z)移動する。この結果、結像光学系110から16.6cmの位置にホログラム511が形成されることになる。
【0161】
次に、レーザ光源653から出射された光がリレー光学系654を介して位相振幅変調部663に照射される。また、情報入力部750からホログラム情報である位相情報および振幅情報を入力し、位相変調器661が位相変調動作を振幅変調器662が振幅変調動作を実行する。位相変調器661および振幅変調器662は、特開平5−127139や特開平5−119341に開示された技術を用い、液晶パネルを用いて実現することができる。
【0162】
そして、空間光変調器652で位相変調された光はアフォーカル光学系655を介して撮像時と同一の大きさで空間光変調器652のホログラム511を形成する。アフォーカル光学系の倍率は、表示装置651の画素の大きさと、撮像時の画素の大きさとの比で決まる。
【0163】
ホログラム511によって再生される実像RL2は、ホログラム511より結像光学系120側で、結像光学系120から約6.6cmの位置に再生される。この実像RL2を形成する波面を結像光学系120で虚像IM2を形成する波面とする。結像光学系120から出力された光の内の0次光を、結像光学系120の焦点位置に配置された0次光遮光板250によって遮光し、1次以上の光を通過させる。
【0164】
そして、0次遮光板250で遮光されなかった光を0次遮光板250の後方から観測することにより、歪の無い撮像対象物900の再生像を観測する。
【0165】
なお、光の3原色ごとにホログラム撮像された場合には、各色についての再生画像を合成することにより、また、光の3原色についてのホログラム撮像がなされた場合には上記と同様にして撮像対象物900の像をカラー再生できる。
【0166】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、請求項1のホログラフィ撮像装置によれば、結像光学系の物側の焦点位置に所定の開口を有する絞りを配置するとともに、この開口を介した物体光を結像光学系で結像するとともに、結像光学系を介した物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞を撮像することとし、設定した結像光学系の焦点距離に応じて、絞りと結像光学系との距離および絞りの開口の径とを連動して変化させることとしたので、視野を可変とするとともに、比較的低い空間分解能の撮像素子を使用して質の高いホログラムを撮像することができる。
【0167】
また、本発明のホログラフィシステムまたはホログラフィ表示方法によれば、撮像時の結像光学系と同等の結像光学系を採用するとともに、撮像時の結像光学系と撮像面との位置関係に応じて、形成ホログラムと結像光学系との位置関係を設定して撮像対象物の像再生を行うので、請求項1のホログラフィ撮像装置で撮像したホログラムから原像に対する歪を低減して撮像対象物の像の再生表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラフィ撮像装置の原理の説明図である。
【図2】物体光の結像点への入射角度の説明図である。
【図3】基本となる複素ホログラムの再生光学系の構成図である(ホログラムを焦点面に配置)。
【図4】図3の再生光学系を改善した再生光学系の構成図である。
【図5】基本となる強度ホログラムの再生光学系の構成図である(ホログラムを焦点面に配置)。
【図6】図5の再生光学系を改善した再生光学系の構成図である。
【図7】基本となる再生光学系の構成図である(ホログラムを焦点面以外に配置)。
【図8】図7の再生光学系を改善した再生光学系の構成図である。
【図9】本発明のホログラフィ撮像装置の第1実施形態の構成図である。
【図10】結像光学系120の構成図である。
【図11】連動手段270の構成図である。
【図12】距離L1、距離L2、距離L3、および、合成焦点距離fと回転角θとの関係を示すグラフである。
【図13】回転角θmと回転角θとの関係を示すグラフである。
【図14】本発明のホログラフィ撮像装置の第1実施形態における最大解像次数と最大撮像次数との距離Lによる変化を示すグラフである。
【図15】本発明のホログラフィ撮像装置の第2実施形態の構成図である。
【図16】本発明のホログラフィ撮像装置の第2実施形態の処理部の構成図である。
【図17】本発明のホログラフィ表示装置の第1実施形態の構成図である。
【図18】本発明のホログラフィ表示装置の第2実施形態の構成図である。
【符号の説明】
110,120…結像光学系、210,220…絞り、211,221…開口、270,280…連動手段、310,320…干渉光学系、410…撮像面、420…撮像器、650,660…ホログラム形成部、770,780…演算部、800…処理部。
Claims (10)
- 撮像対象物に照射する光を発生する第1の光源と、
前記第1の光源から出力された光が前記撮像対象物に照射された結果、前記撮像対象物で反射された物体光を通過させる開口を有する絞り手段と、
焦点距離が可変であり、前記絞り手段が物側焦点面となる位置に配設された正の屈折力を有する第1の結像光学系と、
前記第1の結像光学系の物側焦点距離を変化させるとともに、前記物側焦点距離に応じて前記絞り手段と前記第1の結像光学系との距離および前記開口の径を変化させる第1の連動手段と、
前記物体光と同一の波長を有する可干渉光を発生する第2の光源と、
前記第2の光源から出力された可干渉光を、前記第1の結像光学系の光軸に平行に進む平面波である参照光とし、前記第1の結像光学系を介した前記物体光と前記参照光とを干渉させる干渉光学系と、
前記第1の結像光学系の物体光出力側の焦点面から第1の距離だけ離れた位置に前記第1の結像光学系の光軸と垂直な撮像面を有し、前記干渉光学系から出力された干渉光が形成する像を撮像する撮像手段と、
を備え、
前記物体光の波長=λ、前記絞り手段の開口の口径=a、前記第1の結像光学系の物側焦点距離=f、および、前記撮像手段の空間分解能=pとした場合、
a≦λ・f/p
なる関係を満足することを特徴とするホログラフィ撮像装置。 - 前記第1の光源と前記第2の光源とは同一の光源である、ことを特徴とする請求項1記載のホログラフィ撮像装置。
- 前記撮像手段の撮像結果は前記撮像面における光の強度である、ことを特徴とする請求項1記載のホログラフィ撮像装置。
- 前記撮像手段の撮像結果は前記撮像面における光の波の振幅と光の波の位相とである、ことを特徴とする請求項1記載のホログラフィ撮像装置。
- 請求項1のホログラフィ撮像装置と、このホログラフィ撮像装置で撮像された光学情報に基づいて撮像対象物の像を再生表示するホログラフィ表示装置と、を備えるホログラフィシステムであって、
前記ホログラフィ表示装置は、
請求項1のホログラフィ撮像装置での撮像結果を入力する情報入力部と、
前記情報入力部から通知された情報に基づいて、請求項1のホログラフィ撮像装置で撮像された時点での撮像面におけるホログラムを形成するホログラム形成部と、
焦点距離が可変であり、前記ホログラム側の焦点面が前記ホログラムの位置からホログラム形成光の平均進行方向へ請求項1のホログラフィ撮像装置における第1の距離だけ離れた位置となる第2の結像光学系と、
前記第2の結像光学系の前記ホログラム側とは反対側の焦点に配置された0次光遮光手段と、
前記第2の結像光学系の前記0次光遮光手段側の焦点距離を変化させるとともに、前記第2の結像光学系の前記0次光遮光手段側の焦点距離に応じて、前記第2の結像光学系と前記0次光遮光手段との距離を変化させる第2の連動手段と、
を備えることを特徴とするホログラフィシステム。 - 前記ホログラム形成部は、
前記情報入力部から通知された撮像結果の光学像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記光学像に応じた空間光変調像が書き込まれる空間光変調器と、
前記空間光変調器に照射される読み出し光を発生する光源と、
前記読み出し光が前記空間光変調器を介することにより位相又は振幅変調された位相又は振幅変調光を入力し、前記ホログラフィ撮像装置の撮像素子と同一の大きさのホログラムを形成するホログラム形成光学系と、
を備えることを特徴とする請求項5記載のホログラフィシステム。 - 請求項1のホログラフィ撮像装置での撮像結果は、撮像面の各点における入射光の振幅情報および位相情報であり、
前記ホログラム形成部は、
前記情報入力部から通知された振幅情報および位相情報に応じて、入射光に位相変調および振幅変調を施して出力する位相振幅変調部と、
前記位相振幅変調部に照射される読み出し光を発生する光源と、
前記読み出し光が位相振幅変調部を介することにより位相振幅変調された位相振幅変調光を入力し、前記ホログラフィ撮像装置の撮像素子と同一の大きさのホログラムを形成するホログラム形成光学系と、
を備えることを特徴とする請求項5記載のホログラフィシステム。 - 請求項1のホログラフィ撮像装置で撮像された光学情報に基づいて撮像対象物の像を再生表示するホログラフィ表示方法であって、
請求項1のホログラフィ撮像装置での撮像結果を情報入力部により入力し、
前記情報入力部から通知された情報に基づいて、ホログラム形成部により、請求項1のホログラフィ撮像装置で撮像された時点での撮像面におけるホログラムを形成し、
焦点距離が可変であり、前記ホログラム側の焦点面が前記ホログラムの位置からホログラム形成光の平均進行方向へ請求項1のホログラフィ撮像装置における第1の距離だけ離れた位置となる第2の結像光学系により、前記撮像対象物の像を再生表示し、
前記第2の結像光学系の前記ホログラム側とは反対側の焦点に配置された0次光遮光手段により0次光を遮光し、
第2の連動手段により、前記第2の結像光学系の前記0次光遮光手段側の焦点距離を変化させるとともに、前記第2の結像光学系の前記0次光遮光手段側の焦点距離に応じて、前記第2の結像光学系と前記0次光遮光手段との距離を変化させる、
ことを特徴とするホログラフィ表示方法。 - 前記ホログラム形成部は、
前記情報入力部から通知された撮像結果の光学像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記光学像に応じた空間光変調像が書き込まれる空間光変調器と、
前記空間光変調器に照射される読み出し光を発生する光源と、
前記読み出し光が前記空間光変調器を介することにより位相又は振幅変調された位相又は振幅変調光を入力し、前記ホログラフィ撮像装置の撮像素子と同一の大きさのホログラムを形成するホログラム形成光学系と、
を備えることを特徴とする請求項8記載のホログラフィ表示方法。 - 請求項1のホログラフィ撮像装置での撮像結果は、撮像面の各点における入射光の振幅情報および位相情報であり、
前記ホログラム形成部は、
前記情報入力部から通知された振幅情報および位相情報に応じて、入射光に位相変調および振幅変調を施して出力する位相振幅変調部と、
前記位相振幅変調部に照射される読み出し光を発生する光源と、
前記読み出し光が位相振幅変調部を介することにより位相振幅変調された位相振幅変調光を入力し、前記ホログラフィ撮像装置の撮像素子と同一の大きさのホログラムを形成するホログラム形成光学系と、
を備えることを特徴とする請求項8記載のホログラフィ表示方法。
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