JP3795012B2 - 薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法 - Google Patents

薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜製造装置、及びそのクリーニング方法に関し、特に、薄膜形成後の薄膜形成装置から残留ガスを除去し、クリーニングガスに置換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Si系薄膜の製造には、P−CVD装置(プラズマCVD装置)が用いられることが多い。P−CVD装置においては、その内部に基板が設置され、真空に引かれた後に、原料ガスが封入されると共にプラズマ放電が行われることで、分解された原料ガス(以下、「分解生成物」と記す)が基板上に積層して薄膜が形成される。このとき、分解生成物は、薄膜形成の対象である基板以外のP−CVD装置内部の壁面等にも付着するため、通常、酸化剤(ハロゲン原子を含む物質が主に用いられる)によるP−CVD装置内部のクリーニングが行われる。一般的に、Si系薄膜の製造には、SiHガスを主成分としたプロセスガスが用いられる。このガスは酸素、フッ素等と激しく反応するため、クリーニング時にプロセスガスがP−CVD装置内部に残留していると、爆発的な反応が起きる。従って、残留しているプロセスガスと、クリーニングガス(酸化剤)との反応による発熱を抑制しながら、クリーニングを行うことが望ましい。
【0003】
従来のP−CVD装置内部のクリーニング方法は、特許文献1(プラズマCVD装置におけるクリーニングモニタ方法及びプラズマCVD装置)に例示される。特許文献1によれば、プラズマCVD装置においては、成膜室内に接地電極と非接地電極とが設けられ、基板を接地電極によって支持した状態で製膜室内に製膜ガスを導入すると共に、非接地電極に高周波電流を給電することで製膜室内にてプラズマを生じさせて製膜ガスを分解し、基板上に積層させることで基板上に膜が施される。その後、基板上への製膜の間に、基板以外の製膜室の構成部材(壁面等)に付着した付着物を除去するために、製膜室内部にクリーニングガス(ここでは、NFガスとする)を導入し、同様の方法でプラズマを発生させる。その結果、フッ素ラジカルが生成して付着物と反応し、SiFガスが生成して排出される。このとき、フッ素ラジカルとSiとの反応は発熱反応であり、従って、この反応が進行することで製膜室の温度は上昇し、反応の終了によって温度上昇は停止する。即ち、温度上昇が停止したときに付着物の除去が終了したと考えられることから、特許文献1におけるプラズマCVD装置においては、製膜室の構成部材の温度をセンサによって検出し、その検出結果に基づいてクリーニングが終了したかどうかが判断される。尚、構成部材に抵抗検出センサを設置すると、それに付着物が付着することで電気抵抗値が減少することから、この電気抵抗値を検出し、その値が所定の値に上昇したときに、クリーニングが終了したかどうかが判断される方法も例示されている。
【0004】
また、従来において、プラズマCVD装置(アルミニウムのドライエッチングにも用いられる)と共に用いられるガスの排出装置が、特許文献2(反応装置のガス排出装置)の図1と図2に例示される。特許文献2によれば、反応装置のガス排出装置を用いた一連の処理を特許文献2の図1に基づいて説明すると、次のようなものとなる。不要アルミの露出された真空反応室をターボポンプ、ロータリーポンプを使用して真空にし、塩素ガスを反応ガス導入管から導入して、不要アルミニウムをドライエッチングして除去する。このとき、塩素ガスとアルミニウムの反応によって三塩化アルミニウムが生成し、水平ダクトの底部に析出する。水平ダクトには、給水バルブと排水バルブが接続されており、三塩化アルミニウムは給水バルブから注入された水に溶解した後、排水バルブから排出される。尚、図2のように、傾斜バルブが備えられる構成であってもよく、この場合においても給水バルブと排水バルブが接続され、同様にして三塩化アルミニウムは排出される。
【0005】
更に、従来において、CVD装置の内部の洗浄を行うための生成物排出処理装置が、特許文献3の図1に例示される。この生成物排出処理装置においては、真空反応室内壁に付着した付着物を除去するために、真空反応室内部にクリーニングガスを加えてヒータによって加熱することで、付着物とクリーニングガスとの反応によるガス状の反応生成物を生成し、生成された反応生成物を真空ポンプによって真空排気する。その後、真空排気された反応生成物を再凝固させ、トラップによって捕獲し、更にヒータによって昇華される。昇華された反応生成物は、排気用ポンプによって排気され、再凝固用トラップによって再度凝固される。再凝固用トラップには、水を供給するための給水バルブが備えられており、凝固された反応生成物は水に溶解して排水ラインから排出される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−212734(第2−7頁、第1図、第3図)
【特許文献2】
特開平8−92763(第2、3頁、第1図、第2図)
【特許文献3】
特開平11−200055(第2−5頁、第1−4図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、太陽電池の膜形成をするための膜形成室内のクリーニング(膜の原料となる原料ガスの除去)を行うときに、その内部に残留している原料ガスとクリーニングガス(原料ガスと反応するガス)との反応による発熱を抑制する薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、クリーニングプロセス(膜形成室内をクリーニングガスに置換させるためのプロセス)を開始する前に、膜形成室内に残留している原料ガスをクリーニングガスと反応させることで、クリーニングプロセスにおける反応の発熱を抑制する薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、クリーニングプロセスを開始する前に、膜形成室内に残留している原料ガスを酸化ガスと反応させることで、クリーニングプロセスにおける反応の発熱を抑制する薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、膜形成装置内において、原料ガスが相対的に残留し易い箇所でも原料ガスを効率良く除去する薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、膜形成室内に含まれるガスの温度上昇を抑制することで、クリーニングプロセスにおける反応の発熱を抑制する薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、クリーニングプロセスの前における、原料ガスの反応(クリーニングガス、又は酸化ガスとの反応)の速度を増大させることで、膜形成室からの原料ガスの除去プロセス、及びクリーニングプロセスに係る所要時間を短縮する薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、膜形成室内のガスの温度変化を計測することで、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かの判断を可能とする薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、膜形成装置内において、原料ガスが相対的に残留し易い箇所のガスの温度変化を計測することで、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かの判断を可能とする薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、膜形成装置内において、多数の箇所の温度変化を計測することで、より確実に、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かの判断を可能とする薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、膜形成装置内における箇所の温度変化を計測するための温度計として、計測可能な温度範囲が広く、耐食性の高い材料で構成されるものを用いることで、より確実に、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かの判断を可能とする薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0017】
本発明の更に他の目的は、膜形成室内部へのクリーニングガスの注入量を除去プロセスの開始後、徐々に増大させることで、膜形成室内部に付着した粉末に吸着された原料ガス(表面近傍に吸着されるもの程、反応性が高い)の除去を効率よく行うことの可能な薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0018】
本発明の更に他の目的は、膜形成室内部へ注入されるガス(クリーニングガス、及びクリーニングガス又は原料ガスと反応性の低いガスを含む)中のクリーニングガス濃度を除去プロセスの開始後、徐々に増大させることで、膜形成室内部に付着した粉末に吸着された原料ガスの除去を効率よく行う薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を提供することにある。
【0019】
本発明の更に他の目的は、上記の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を適宜組み合わせて用いることで、膜形成室内部からの原料ガスの除去、及び膜形成室内部のクリーニングガスへの置換を安全に、効率良く行うことを可能とすることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧付で用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0021】
本発明の薄膜製造装置(100)は、シリコン含有プロセスガス(1A)を供給するための第1ガス供給部(1)と、前記第1ガス供給部(1)からの前記シリコン含有プロセスガス(1A)を用いて基板(K1)上にシリコン含有膜(K2)が形成される反応室(8)とを具備する。また、本発明の薄膜製造装置(100)は、前記反応室(8)から前記シリコン含有プロセスガス(1A)を排気するための排気ポンプ(27)と、前記シリコン含有プロセスガス(1A)の供給が停止された後、ハロゲン含有ガス(3A)を供給するための第2ガス供給部(3)と、前記排気ポンプ(27)に接続される排気管(17、34)とを具備する。更に、本発明の薄膜製造装置(100)は、前記排気管(17、34)内の温度(Ti)を検出するための温度検出部(47−i)と、前記温度検出部(47−i)からの前記排気管温度(Ti)に基づいて前記第2ガス供給部(3)からの前記ハロゲン含有ガス(3A)の供給量を制御するための制御部(48B)とを具備する。
【0022】
本発明の薄膜製造装置(100)において、前記制御部(48B)は、前記温度検出部(47−i)からの前記排気管温度(Ti)と、前記第2ガス供給部(3)から供給される前記ハロゲン含有ガス(3A)の温度(Tj)とに基づいて、前記供給量を制御する。
【0023】
本発明の薄膜製造装置(100)において、前記温度検出部(47−i)は、複数であり、前記複数の温度検出部(47−i)の各々は、前記排気管(17、34)内の異なる箇所に設置される。前記制御部(48B)は、前記各々の温度検出部(47−i)からの前記排気管温度(Ti)と、前記第2ガス供給部(3)から供給される前記ハロゲン含有ガス(3A)の温度(Tj)とに基づいて、前記供給量を制御する。
【0024】
本発明の薄膜製造装置(100)において、前記排気管(17、34)には、前記シリコン含有プロセスガス(1A)の分解により形成された粉末が付着して粉末付着部(49−i)が形成される。前記粉末付着部(49−i)の前記粉末には、前記シリコン含有プロセスガス(1A)が吸着される。前記排気管温度(Ti)は、前記粉末付着部(49−i)の温度(Ti)である。前記温度検出部(47−i)は、前記粉末付着部温度(Ti)を検出する。前記制御部(48B)は、前記温度検出部(47−i)からの前記粉末付着部温度(Ti)と、前記第2ガス供給部(3)から供給される前記ハロゲン含有ガス温度(Tj)とに基づいて、前記供給量を制御する。
【0025】
本発明のクリーニング方法は、第1ガス供給部(1)、反応室(8)、第2ガス供給部(3)、排気管(17、34)、温度検出部(47−i)、制御部(48B)の各々を具備する薄膜製造装置(100)に対して実行される。前記排気管(17、34)は、排気ポンプ(27)に接続されている。前記反応室(8)においては、前記第1ガス供給部(1)からの前記シリコン含有プロセスガス(1A)を用いて基板(K1)上にシリコン含有膜(K2)が形成される。また、本発明のクリーニング方法は、前記第1ガス供給部(1)が、シリコン含有プロセスガス(1A)を供給するステップ(S21)と、前記排気ポンプ(27)が、前記反応室(8)から前記シリコン含有プロセスガス(1A)を排気するステップ(S26)とを具備する。更に、本発明のクリーニング方法は、前記第2ガス供給部(3)が、前記シリコン含有プロセスガス(1A)の供給が停止された後、ハロゲン含有ガス(3A)を供給するステップ(S24)と、前記温度検出部(47−i)が、前記排気管(42)内の温度(Ti)を検出するステップ(S27b)と、前記制御部(48B)が、前記温度検出部(47−i)からの前記排気管温度(Ti)に基づいて前記第2ガス供給部(3)からの前記ハロゲン含有ガス(3A)の供給量を制御するステップ(S28)とを具備する。
【0026】
本発明のクリーニング方法において、前記制御部(48B)は、前記温度検出部(47−i)からの前記排気管温度(Ti)と、前記第2ガス供給部(3)から供給される前記ハロゲン含有ガス(3A)の温度(Tj)とに基づいて、前記供給量を制御する。
【0027】
本発明のクリーニング方法において、前記温度検出部(47−i)は、複数であり、前記複数の温度検出部(47−i)の各々は、前記排気管(17、34)内の異なる箇所に設置される。前記制御部(48B)は、前記各々の温度検出部(47−i)からの前記排気管温度(Ti)と、前記第2ガス供給部(3)から供給される前記ハロゲン含有ガス(3A)の温度(Tj)とに基づいて、前記供給量を制御する。
【0028】
本発明のクリーニング方法において、前記排気管(17、34)には、前記シリコン含有プロセスガス(1A)の分解により形成された粉末が付着して粉末付着部(49−i)が形成される。前記粉末付着部(47−i)の前記粉末には、前記シリコン含有プロセスガス(1A)が吸着される。前記排気管温度(Ti)は、前記粉末付着部(49−i)の温度(Ti)である。前記温度検出部(47−i)は、前記粉末付着部温度(Ti)を検出する。前記制御部(48B)は、前記温度検出部(47−i)からの前記粉末付着部温度(Ti)と、前記第2ガス供給部(3)から供給される前記ハロゲン含有ガス温度(Tj)とに基づいて、前記供給量を制御する。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
添付図面を参照して、本発明の薄膜製造装置100に係る実施の形態について説明する。実施の形態1の薄膜製造装置100(図1に構成が示される)は、ガスボンベ1、2、3、4、5A、ガス導入管4、ガス導入管4に備えられる開閉弁5、6、7、7A、7B、プラズマCVD装置8の各々を具備する。また、薄膜製造装置100は、プラズマCVD装置8の内部に設置される製膜ユニット9、製膜ユニット9を構成する放電用電極10、電極カバー11の各々と、放電用電極10に接続されるRFケーブル12、高周波電源12A、基板加熱ヒータ13、基板加熱ヒータ13を構成するヒータ14、ヒータカバー15の各々とを具備する。
【0030】
更に、薄膜製造装置100は、排気管17、放電装置18、排気管17と放電装置18とを接続するガス導入管20B、放電装置18を構成する放電ユニット19、放電用電極19A、放電用電極19Aに接続されるRFケーブル19B、RFケーブル19Bに備えられる高周波電源19Cの各々を具備する。更に、薄膜製造装置100は、ガスボンベ21、22、23、ガスボンベ21、22、23と放電装置18とを接続するガス導入管20A、ガス導入管20Aに備えられる開閉弁24、25、26、排気管17に接続される排出ポンプ27の各々を具備する。更に、薄膜製造装置100は、排出ポンプ27及び排気管34の各々と放電装置28Aとを接続するガス導入管28、放電装置28Aを構成する放電ユニット28B、放電用電極28Cの各々と、放電用電極28Cに接続されるRFケーブル28D、RFケーブル28Dに備えられる高周波電源28Eの各々を具備する。
【0031】
更に、薄膜製造装置100は、ガス導入管28に備えられる開閉弁33A、33B、ガスボンベ29、30、30A、ガスボンベ29、30、30Aと放電装置28Aとを接続するガス導入管28´、ガス導入管28´に備えられる開閉弁31、32、32Aの各々を具備する。更に、薄膜製造装置100は、排出ポンプ27とガス導入管28とに接続される排気管34、排出ポンプ27に接続されるガス導入管48E、ガス導入管48Eに接続されるガスボンベ48Cと開閉弁48Dの各々を具備する。更に、薄膜製造装置100は、排気管34に備えられる開閉弁35、排ガス処理装置37、排気管34に備えられる開閉弁36、排ガス処理装置38の各々を具備する。
【0032】
ガスボンベ1には基板K1へシリコン含有膜K2を製膜するための原料であるSiHガス(シリコン含有プロセスガス)1A、ガスボンベ2には製膜時に用いられるH(水素)ガス2A、ガスボンベ3にはプラズマCVD装置8の内部のクリーニングに用いられるクリーニングガス3A(NF、CF,ClF,CClのいずれかに例示される)が各々充填されている。ガスボンベ4にはSiHガス1A、又はクリーニングガス3Aとの反応性の低い不活性ガス4A(窒素ガス(N)、希ガス(He、Ne、Ar)のいずれかに例示される)、ガスボンベ5Aには支燃性ガス5B(酸素、亜酸化窒素、NOx、塩素、フッ素のいずれかに例示される酸化ガス)が各々充填されている。不活性ガス4Aは、SiHガス1A、クリーニングガス3A(又は、支燃性ガス5B)の希釈のために用いられ、可能な限り比熱の大きいガスであることが望ましい。開閉弁5、6、7、7A、7Bは、制御装置48Aによって(所定開度への)開閉処理が行われ、その結果、各々、SiHガス1A、H(水素)ガス2A、クリーニングガス3A、不活性ガス4A、支燃性ガス5Aがガス導入管4内を流通して、プラズマCVD装置8の内部に供給される。
【0033】
開閉弁5は、基板K1上への製膜が行われるときに、所定開度1Bで開放される。開閉弁6は、基板K1上への製膜が行われるときに、所定開度2Bで開放される。その結果、ガス導入管4を介して、プラズマCVD装置8の内部にSiHガス1AとHガス2Aが供給される。開閉弁7は、基板K1上への製膜が終了した後に、所定時間、所定開度3Bで開放され、その後、所定時間、所定開度4B(但し、3B<4B)で開放される。その結果、ガス導入管4を介して、プラズマCVD装置8の内部にクリーニングガス3Aが供給される。所定開度3Bで開放するのは、プラズマCVD装置8の内部に残留しているSiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの反応(SiHガス1Aの除去プロセス)を急激にではなく、安全に進行させるためである。所定開度4Bで開放するのは、プラズマCVD装置8内の気相部をクリーニングガス3Aへの置換(クリーニングガス3Aへの置換プロセス)を行うためである。
【0034】
開閉弁7Aは、基板K1上への製膜が終了した後に、所定時間、所定開度5B´で開放される。その結果、ガス導入管4を介して、プラズマCVD装置8内部に所定量の不活性ガス4Aが供給される(この結果、プラズマCVD装置8内部のガス量は増大し、従ってSiHガス1A、Hガス2A、及びクリーニングガス3Aの各々の濃度は減少し、反応性も小さくなる)。開閉弁7Bは、基板K1上への製膜が終了した後に、所定時間、所定開度6Bで開放される。この結果、ガス導入管4を介して、プラズマCVD装置8内部に所定量の支燃性ガス5Aが供給される(この結果、プラズマCVD装置8内部に残留するSiHガス4Aは、支燃性ガス5Aと反応する)。尚、支燃性ガス5Aが供給されるときには、基板K1上への製膜が終了した後に、開閉弁7が所定時間、所定開度3Bで開放される処理は行われない(即ち、除去プロセスにおいて、クリーニングガス3Aの代わりに支燃性ガス5Aが用いられる)。
【0035】
開閉弁5、6が各々所定開度1B、2Bで開放されているときには、開閉弁7〜7B(7、7A、7B)は閉じられている。即ち、製膜時には、クリーニングガス3A、不活性ガス4A、及び支燃性ガス5Aの各々は、プラズマCVD装置8内部に供給されない。また、開閉弁7が所定開度3B(又は4B)で開放されているとき、開閉弁7Aが所定開度5Bで開放されているとき、又は開閉弁7Bが所定開度6Bで開放されているときには、開閉弁5、6は閉じられている。即ち、上記の除去プロセスと置換プロセス(以下、これらを総称するときには、「除去・置換プロセス」と記す)においては、SiH4ガス1A、H2ガス2Aの各々は、プラズマCVD装置8内部に供給されない。
【0036】
仮に除去・置換プロセスを行うときに、最初から開閉弁7を所定開度4Bで開放すると、プラズマCVD装置8内部におけるクリーニングガス3Aの濃度が急激に大きくなる。その結果、SiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの間で、爆発を伴った急激な反応が発生することがある。この反応は、次の(1)式で示される。
4F・ + Si → SiF + 1439kcal/mol−(1)
【0037】
一方、最初に開閉弁7を所定開度3Bで開放し、SiHガス1Aとクリーニングガス3Aの反応を完了させてから、所定開度4Bで開放して置換プロセスを行うことで、プラズマCVD装置8内部において、SiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの間で急激な反応を発生させることなく安全に、最終的にクリーニングガス3Aへの置換を行うことが可能となる。
【0038】
所定開度1B〜6Bは、制御装置48Aによって開閉弁5〜7Bに対して指示される。所定開度1B〜6B、及び所定開度1B〜6Bで開放弁5〜7Bを開放されるように定められた所定時間(所定開度1B〜6Bと所定時間により、供給量が決定される)は、製膜に係るプロセスによって変更される数値であり、これらの数値は、制御装置48Aによって予め記憶されている(各プロセスにより、SiHガス1A、Hガス2Aの供給量、及び使用される薄膜製造装置100の内部容積に例示される要素が異なることが考えられる)。
【0039】
除去・置換プロセスを行うときに、クリーニングガス3Aと共に不活性ガス4Aを用いることで、プラズマCVD装置8内の気相部における、クリーニングガス3Aの濃度の急激な上昇が抑制される。その結果、特に粉末の堆積し易い排気ポンプ27、排気管34におけるSiHガス1Aの濃度、及びクリーニングガス3Aの濃度がそれぞれ低下し(希釈され)、反応による温度上昇が抑制される。この結果、プラズマCVD装置8内部において、SiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの間で急激な反応を発生させることなく安全に、最終的にクリーニングガス3Aへの置換を行うことが可能となる。また、不活性ガス4Aによる希釈を行わないときのように、SiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの爆発的な反応を抑制するために、徐々にクリーニングガス3Aを導入していくような処理(所定開度3Bで開閉弁7を開ける処理に相当する)が必ずしも必要なくなる(温度上昇を許容するガス量が増大するため)。従って、除去・置換プロセスに係る所要時間の短縮に繋がる。
【0040】
電極カバー11は、製膜ユニット9のうち、放電用電極10の備えられる部分を除いた箇所を覆っている。これにより、放電時に製膜ユニット9の内部に供給され、分解されることで生成した、SiHガス1A、Hガス2Aの分解生成物(電子とイオン、又は分子ラジカル種同士に電離して生成される)同士の反応により生成する粉末が、プラズマCVD装置8の内部の壁面に必要以上に吸着することが防止されている。放電用電極10は、RFケーブル12を介して高周波電源12Aから供給された高周波電流に応答して放電する(プラズマCVD装置8はアースされており、かつ、プラズマCVD装置8とRFケーブル12とは離れるように設置されている)。
【0041】
尚、SiHガス1A、Hガス2A、クリーニングガス3A、及び支燃性ガス5Bが供給されるときには、高周波電源12AはONに設定されている。一方、不活性ガス4Aがガスボンベ4から供給されるときには、高周波電源12AはOFFとなっており、従って、このときには、放電は行われない。
【0042】
基板加熱ヒータ13は、それを構成するヒータ14とヒータカバー15の各々と製膜ユニット9とが平行になるように配置され、ヒータカバー15の表面上には基板K1が支持されている。ヒータ14は、図示されないヒータ制御装置によって制御され、その結果、ヒータカバー15の表面は均一に、目的とするシリコン含有膜K2(Si系薄膜(アモルファスシリコン(a−Si)、ポリシリコン、SiO膜に例示される))の製膜に必要な所定温度にまで昇温する。
【0043】
ガスボンベ21には、クリーニングガス3Aが充填されている。ガスボンベ22には、不活性ガス4Aが充填されている。ガスボンベ23には、支燃性ガス5Bが充填されている。製膜終了後、開閉弁24が所定開度3Bで開放、又は、開閉弁26が所定開度6Bで開放される。開閉弁24、25、26は、開閉弁5〜7Bと同じで、制御装置48Aによって制御される。但し、ガスボンベ3(又はガスボンベ29)からクリーニングガス3Aが供給されるとき、又はガスボンベ5A(又はガスボンベ30A)から支燃性ガス5Bが供給されるときには、ガスボンベ21からのクリーニングガス3Aの供給、又はガスボンベ23からの支燃性ガス5Bの供給は行われない。
【0044】
放電装置18は、製膜終了後に、クリーニングガス3A又は支燃性ガス5Bが除去プロセスにおいて用いられるときに、高周波電源19CからRFケーブル19Bを介して放電用電極19Aに高周波電流を流すことによって起動される。放電装置18の内部に導入されたクリーニングガス3A又は支燃性ガス5Aは、活性化される。従って、クリーニングガス3Aと比較して活性の低い支燃性ガス5Bについても、活性が増大された上で排気管17に導入されることから、SiHガス1Aと支燃性ガス5Aとの反応速度を増大させることが可能となり、結果的に除去・置換プロセスに要する処理時間の短縮に繋がる。
【0045】
排気ポンプ27は、プラズマCVD装置8の内部からSiHガス1AとHガス2Aを排気するためのものである。排気ポンプ27には、作動ガスとして窒素ガス(不活性ガス4A)が流通している。この窒素ガスは、ガスボンベ48Cからガス導入管48Eを介して供給され、この窒素ガスの流量は、開閉弁48Dの開度を調節することで、調節される。
【0046】
プラズマCVD装置8、排気管17、及び排気ポンプ27内は、製膜時、及び除去・置換プロセスの実行されているときには、ほぼ真空に近い状態に保たれており、仮にSiHガス1Aが残留していても、クリーニングガス3Aとの反応性は小さい。一方、排気管34内の圧力は大気圧に近く、また、排気ポンプ27と接していることから双方で大きな圧力差があり、排気ポンプ27から排気管34にガスが流通するときにおいて、ガス流速が低下する。このガス流速の低下のために、排気管34の内部においてはSiの粉末が堆積され易く、この粉末にはSiHガス1Aが吸着される。従って、排気管34においては特にSiHガス1Aの除去の必要性が高いが、プラズマCVD装置8を介さずに、排気管34により近い箇所からクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Aを導入することで、排気管34内のSiHガス1Aの除去をより効率良く行うことが可能となる。
【0047】
ガスボンベ21からクリーニングガス3Aを供給、又はガスボンベ23から支燃性ガス5Bを供給するときには、プラズマCVD装置8の内部にはクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bが流通しない。従って、除去プロセスの後、表面にシリコン含有膜K2の形成された基板K1の外部への搬出を含む除去・置換プロセスの準備を容易に行うことが可能となる(クリーニングガス3Aを含むプラズマCVD装置8の内部を開放することが不要となるため)。また、支燃性ガス5Bのように置換プロセスには用いられないガスを除去プロセスにおいて用いるときには、置換プロセスの前にプラズマCVD装置8の内部の支燃性ガス5Bによる汚染が防止される。
【0048】
ガスボンベ30には、不活性ガス4Aが充填されており、製膜終了後、開放弁32を所定開度5B´で開放することで、所定量の不活性ガス4Aが排気ポンプ27、排気管34に導入される(排気ポンプ27に不活性ガス4Aが導入されるのは、開放弁33Bが開放され、開放弁33Aが閉塞されているときである)。これにより、SiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの反応に起因する温度上昇を抑制することが可能となると共に、不活性ガス4Aの流通経路がガスボンベ4又は23から導入されるときと比較して短くなることから、除去・置換プロセスにおける、不純物の混入を低減することが可能となる。
【0049】
ガスボンベ29には、クリーニングガス3Aが充填されている。ガスボンベ30Aには、支燃性ガス5Bが充填されている。製膜終了後、開閉弁31が所定開度3Bで開放、又は、開閉弁32Aが所定開度6Bで開放される。開閉弁29、30、30Aは、制御装置48Aによって制御される。但し、ガスボンベ3(又はガスボンベ21)からクリーニングガス3Aが供給されるとき、又はガスボンベ5A(又はガスボンベ23)から支燃性ガス5Bが供給されるときには、ガスボンベ29からのクリーニングガス3Aの供給、又はガスボンベ30Aからの支燃性ガス5Bの供給は行われない。
【0050】
放電装置28Aは、放電ユニット28Bと放電用電極28Cを具備しており、製膜終了後に、クリーニングガス3A又は支燃性ガス5Bが除去プロセスにおいて用いられるときに、高周波電源28EからRFケーブル28Dを介して放電用電極28Cに高周波電流を流すことによって起動される。放電装置28Aの内部に導入されたクリーニングガス3A又は支燃性ガス5Aは、活性化される。従って、ガスボンベ23から支燃性ガス5Bが供給されるときと同様に、支燃性ガス5Bのように活性の低いガスを活性化した上で、排気ポンプ27、又は排気管34に導入することが可能となる。従って、SiHガス1Aと支燃性ガス5Aとの反応速度を増大させることが可能となり、結果的に除去・置換プロセスに要する処理時間の短縮に繋がる。
【0051】
尚、放電装置18、28Aの各々によって行われる放電はRF放電の他に、DC放電、AC放電、無声放電、縁面放電に例示される。
【0052】
開閉弁33Aと開閉弁33Bは、ガス導入管28に備えられており、開放又は閉塞されている。開閉弁33Aが開放されているときは、開放弁33Bは閉塞されている。このとき、クリーニングガス3A、不活性ガス4A、又は支燃性ガス5Bは排気管34に供給される。一方、開閉弁33Aが閉塞されているときは、開放弁33Bは開放されている。このとき、クリーニングガス3A、不活性ガス4A、又は支燃性ガス5Bは排気ポンプ27に供給される。
【0053】
ガスボンベ29、30、30Aからガスを供給することで、更に次の効果が得られる。
【0054】
排気管17にクリーニングガス3A又は支燃性ガス5Aを導入するときと比較して、導入されたクリーニングガス3A又は支燃性ガス5AのプラズマCVD装置8への逆流を確実に防止することが可能となる。また、排気ポンプ27の内部においては、導入されたクリーニングガス3Aは高度に圧縮されるため、瞬間的に温度が上昇し、SiHガス1Aとの反応性が生じる。従って、排気ポンプ27からクリーニングガス3Aを導入することで、排気ポンプ27内、又は排気管34内に残留しているSiHガス1Aを更に確実に除去することが可能となる。
【0055】
開閉弁35は、製膜時には開放され、除去・置換プロセスの時には閉塞されている。開閉弁36は、除去・置換プロセスの時には開放され、製膜時には閉塞されている。排ガス処理装置37は、可燃性ガスを分解して処理するための装置である。排ガス処理装置38は、支燃性ガス5Bを分解して処理するための装置である。
【0056】
以下に、図2を参照して、本発明の薄膜製造装置100のクリーニング方法において行われる処理の過程について説明する。尚、以下においては、基板K1上への製膜に係る処理については概略のみ説明し、製膜後に行われる処理については詳細に説明する。
【0057】
SiHガス1A、Hガス2AをプラズマCVD装置8の内部に導入し、高周波電源12Aを起動してプラズマを発生させてSiHガス1A、Hガス2Aの各々を分解する。その結果、分解生成物の一部は基板K1上に堆積してシリコン含有膜K2を形成し、残りは導入されたSiHガス1A、Hガス2Aと共に図1のa方向に流通し、プラズマCVD装置8、排気管17、排気ポンプ27、排気管34の内部に付着する。(ステップS11)。開閉弁5、6、開閉弁35は閉塞され、開閉弁36は開放される(ステップS12)。高周波電源12Aが停止される。開閉弁7Aが所定開度5B´で開放され、その結果、不活性ガス4Aがガスボンベ4からガス導入管4を介して供給され、排気ポンプ27によって吸引されてa方向に流通する(ステップS13)。
【0058】
高周波電源28Eが起動され、高周波電流が流される(ステップS14a)。開閉弁31が所定開度3Bで開放され、又は、開閉弁32Aが所定開度6Bで開放される(ステップS15a)。それらの結果、所定量のクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bが放電装置28Aに供給され、放電によって分解される(ステップS16a)。分解された、クリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bは、排気ポンプ27によって吸引され、ガス導入管28を介して排気ポンプ27、又は排気管34に供給され、c方向に流通する(ステップS17a)。
【0059】
尚、図2において、ステップS13aとステップS14aの各々の処理は、除去プロセスにおいて、ガス導入管28から排気ポンプ27又は排気管34に対し、クリーニングガス3A又は支燃性ガス5Bが供給されるときの例である。ガス導入管20Bから排気管17に対し、クリーニングガス3A又は支燃性ガス5Bが供給されるときには、「高周波電源28E」は「高周波電源19C」、「開閉弁31」は「開閉弁24」、「開閉弁32A」は「開閉弁26」、「c方向」は「b方向」にそれぞれ読み替えられる。また、不活性ガス4Aは高周波電源28E(又は19C)の起動前に、ガスボンベ22又はガスボンベ30から供給されてもよい。このときには、図2のステップ13において、「ガスボンベ4」は「ガスボンベ22」、「ガス導入管4B」は「ガス導入管20A、20B及び放電装置18」の各々、又は、「ガスボンベ4」は「ガスボンベ30」、「ガス導入管4B」は「ガス導入管28、28´及び放電装置28C」の各々にそれぞれ読み替えられる。
【0060】
更に、ステップS13は、「開閉弁48Dの開度が大きくなるように調節される」処理(ステップS13a)に読み替えられてもよい。更に、クリーニングガス3Aはガスボンベ3から、又は支燃性ガス5Bはガスボンベ5Aから供給されてもよい。このときには、次のステップ14b、ステップ15bの処理が行われる。また、このとき、ステップ16aの代わりにステップ16b、ステップ17aの代わりにステップ17bの処理が行われる。
【0061】
高周波電源12Aが起動される(ステップ14b)。開閉弁7が所定開度3Bで開放されてクリーニングガス3Aが放電ユニット9に供給され、又は開閉弁7Bが所定開度6Bで開放されて支燃性ガス5Bが放電ユニット9に供給される(ステップ15b)。放電ユニット9に供給されたクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bは、放電によって分解される(ステップ16b)。分解されたクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bは、排気ポンプ27によって吸引され、a方向に流通する(ステップ17b)。
【0062】
排気ポンプ27によって吸引されるクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bの一部は、プラズマCVD装置8、排気管17、排気ポンプ27、排気管34の内部に残留しているSiHガス1Aと反応してSiFガスを生成し、排ガス処理装置38に送出される(ステップS18)。排ガス処理装置38は、SiFガスの処理を行う(ステップS19)。
【0063】
尚、ステップ18においてSiFガスが生成するのは、NFガス(クリーニングガス3A)が用いられたときである。NFガス以外のクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bが用いられたときには、SiFガス以外のガスが生成する。
【0064】
(実施の形態2)
図3に、本発明の薄膜製造装置100に係る実施の形態2の構成を示す。尚、図3に示される各構成要素のうち、実施の形態1と同じ処理を行うものについては図1と同一の番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0065】
実施の形態2の薄膜製造装置100は、ガスボンベ1、2、3、4、5A、ガス導入管4、ガス導入管4に備えられる開閉弁5、6、7、7A、7B、プラズマCVD装置8の各々を具備する。また、薄膜製造装置100は、プラズマCVD装置8の内部に設置される製膜ユニット9、製膜ユニット9を構成する放電用電極10、電極カバー11の各々と、放電用電極10に接続されるRFケーブル12、基板加熱ヒータ13、基板加熱ヒータ13を構成するヒータ14、ヒータカバー15の各々とを具備する。更に、薄膜製造装置100は、排気管17、排気ポンプ27、排気管34、開閉弁35、開閉弁36、排ガス処理装置37、排ガス処理装置38、熱電対47−i(i=1,2,…,n)、制御装置48Bの各々を具備する。
【0066】
排気管17、34は、複数の屈曲形状部(図3では4箇所であるが、通常、更に多くの屈曲形状部を有している)49−iを有しており、屈曲形状部49−iを含む複数の箇所に熱電対47−iが備えられている。熱電対47−iは、耐食性が高く、計測可能な温度範囲の広いシースタイプの材料により構成された温度計であり、排気管17、34の底部の壁面から10mm程度以内の高さに設置されており、温度Tを計測し、計測された温度Tを制御装置48Bに出力する。
【0067】
制御装置48Bは、開閉弁5〜7Bに対し、所定開度1B〜6B(1B、2B、3B、4B、5B´、6B)を指示する。また、制御装置48Bは、入力した各々の箇所の温度Tに基づいて、薄膜製造装置100の気相部からのSiHガス1Aの除去の程度を判断し、判断結果に基づいて開閉弁5〜7Bのうち、少なくともいずれかの開度を所定開度1B〜6Bから最適な程度に調節する。その調節は、以下のようにして行われるが、この調節処理は、実施の形態1において上述したように、F・(フッ素ラジカル)とSiHガス1Aとの反応が発熱反応であることに基づいている。
【0068】
制御装置48Bは、温度Tの上昇を検出したときには、薄膜製造装置100の気相部からのSiH4ガス1Aが十分に除去されていないものと判断し、温度上昇の度合いに応じて開閉弁7又は開閉弁7Bに対し、開度を大きくすることを要求する開度調節信号1Sを出力する(開度調節信号1Sは、除去プロセスにおいて、クリーニングガス3Aが用いられているように設定されているときには開閉弁7へ、支燃性ガス5Bが用いられているように設定されているときには開閉弁7へ出力される)。一方、温度Tの低下(又は上昇の停止)を検出したときには、制御装置48Bは、薄膜製造装置100の気相部からのSiH4ガス1Aが十分に除去されたものと判断し、開閉弁7Bに対して閉塞することを要求する閉塞要求信号2Sを出力し(但し、除去プロセスにおいて支燃性ガス5Bが用いられているとき)、開放弁7に対して所定開度4Bで開放するように要求する開度変更要求信号3Sも共に出力する。また、制御装置48Bは、熱電対47−iから入力した温度Tが非常に高く、薄膜製造装置100の内部で爆発の危険が生じているものと予測されるときには、開閉弁7Aに対し、開度を所定開度5B’から大きくすることを要求する開度調節信号4Sを出力すると共に、開閉弁7Bに開度を小さくすることを要求する開度調節信号1Sを出力する。
【0069】
上記の実施の形態2により、次に述べるような効果が得られる。
【0070】
薄膜製造装置100の気相部にSiHガス1Aが残留しているときには、排気管17、34内の温度上昇が起こる。逆に、SiHガス1Aがほぼ完全に除去されたときには、排気管17、34内の温度低下(又は温度上昇の停止)が起こることになり、制御装置48Bは、SiHガス1Aの除去が終了したか否かの判断を確実に行うことが可能となり、除去プロセスにおける無駄なクリーニングガス3A(又は支燃性ガス5B)の使用が防止される。
【0071】
Siの粉末には、SiHガス1Aが吸着し、吸着したSiHガス1Aとクリーニングガス3A、又は支燃性ガス5Bとの反応による温度上昇が起こる。Siの粉末は、排気管17、34内の各所に分布するが、排気管17、34内における、多数の箇所に熱電対47−iが設置されることから、Siの粉末が多く蓄積している箇所の温度検出も可能となり、それに基づいて開放弁5〜7Bの開度を調節することも可能となる。特に、屈曲形状部49−iは通常、Siの粉末が蓄積し易い箇所であることから、この効果は大きい。また、薄膜製造装置100内のガスの流れにより、Si粉末の堆積状態が変化したときにおいても、各箇所の温度Tの変化から堆積状態の変化を検出することが可能であり、それに基づいて開放弁5〜7Bの開度を調節することも可能である。
【0072】
次に、図4を用いて、本発明の薄膜製造装置100のクリーニング方法の処理の過程について説明する。尚、ステップS21についてはステップS11、ステップS22についてはステップS12と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0073】
開閉弁7Aが所定開度5B’で開放されることで、不活性ガス4Aがガス導入管4を介してプラズマCVD装置8に導入される(ステップS23)。高周波電源12Aが起動され、開閉弁7(又は、開閉弁7B)が所定開度3B(又は、所定開度6B)で開放されることで、クリーニングガス3A(又は、支燃性ガス5B)が供給される(ステップS24)。供給されたクリーニングガス3A(又は、支燃性ガス5B)は、高周波電源12Aから供給される高周波電流によってプラズマ状に分解され(ステップS25)、吸引ポンプ27からの吸引によってa方向に流通する(ステップS26)。ステップS26のときに、プラズマCVD装置8、排気管17、34、及び排気ポンプ27からSiF4ガスが排ガス処理装置38に対して送出される。
【0074】
以下、ステップS27aとステップS27bの処理が平行して行われ、更にステップS28、ステップS29の処理が行われる。
【0075】
プラズマ状に分解されたクリーニングガス3A又は、支燃性ガス5Bは、プラズマCVD装置8、排気管17、排気ポンプ27、排気管34を流通して、その一部は、内部に残留するSiH4ガス1Aと反応して、SiF4ガスを生成する(ステップS27a)。熱電対47−iは、温度Tを計測して制御装置48Bに出力する(ステップS27b)。制御装置48Bは、熱電対47−iから入力した温度Tに基づいて、開閉弁7(又は7B)の開度を所定開度3B(又は6B)から調節するための開度調節信号1Sを出力する。このとき、制御装置48Bは、ステップS28において、入力した温度Tが非常に高く、薄膜製造装置100の内部で爆発の危険が生じているものと予測されるときには、開閉弁7A、及び開閉弁7(又は7B)に対して開度調節信号4S、及び1Sを出力する(ステップS28)。排ガス処理装置36は、排気管34を介して導入されたSiF4ガスの処理を行う(ステップS29)。
【0076】
(実施の形態3)
実施の形態3においては、図5に示される構成の薄膜製造装置100が用いられる。ここでは、製膜終了後、次の(a)〜(d)のいずれかに基づいて、薄膜製造装置100に導入されるガス量が調節される。尚、制御装置48Cは、制御装置48A又は制御装置48Bとは異なり、開閉弁7〜7B、24〜26、31〜32Aに対する、所定開度3B、5B´、6Bの指示は行わない(但し、(a)〜(d)の処理が行われた後、制御装置48Cは、置換プロセスの開始前に開閉弁7に対し、所定開度4Bで開放するように要求する)。
【0077】
(a)制御装置48Cから開閉弁7に対し、設定時間間隔(例えば5分間隔)で開度調節信号1S´が出力される。開度調節信号1S´においては、例えば、製膜終了直後(終了後の経過時間=0分)から設定時間間隔で、徐々に開度を大きくする(但し、所定時間後(例えば20分)以降は閉塞する)ように要求されている。この結果、例えば、製膜終了後の時間=0〜5分においては1SLM(Standard Liter per Minutes)、5〜10分においては2SLM、10〜15分においては4SLM、15〜20分においては6SLMのクリーニングガス3Aが薄膜製造装置100に供給される。
【0078】
(b)制御装置48Cから開閉弁7に対し、設定時間間隔で開度調節信号2S´が出力され、開閉弁7Aに対して設定時間間隔で開度調節信号3S´が出力される。開度調節信号2S´においては、製膜終了直後から設定時間毎に、徐々に開度を大きくする(但し、所定時間後(例えば30分)以降は一定)ように要求されている。開度調節信号3S´においては、例えば、製膜終了直後から設定時間毎に、徐々に開度を小さくする(所定時間後(例えば30分)以降は閉塞する)ように要求されている。この結果、例えば、▲1▼:製膜終了後の時間=0〜5分においては不活性ガス4A(窒素ガスが主に用いられる):9.5SLM、クリーニングガス3A:0.5SLM、▲2▼:5〜15分においては不活性ガス4A:8SLM、クリーニングガス3A:2SLM、▲3▼:15〜25分においては不活性ガス4A:6SLM、クリーニングガス3A:4SLM、▲4▼:25〜30分においてはクリーニングガス3A:10SLMが各々、薄膜製造装置100に供給される。
【0079】
(c)制御装置48Cから開閉弁7に対し、設定時間間隔で開度調節信号4S´が出力され、開閉弁7Aに対し、設定時間間隔で開度調節信号5S´が出力される。開度調節信号4S´においては、例えば、製膜終了直後から設定時間毎に、徐々に開度を大きくする(但し、所定時間(例えば15分)以後は一定とする)ように要求されている。開度調節信号5S´においては、製膜終了直後から設定時間毎に、徐々に開度を小さくする(但し、所定時間後(例えば10分)以降は閉塞する)ように要求されている。この結果、例えば、▲1▼:製膜終了後の時間=0〜5分においては不活性ガス4A(窒素ガスが主に用いられる):9.5SLM、クリーニングガス3A:0.5SLM、▲2▼:5〜10分においては不活性ガス4A:6SLM、クリーニングガス3A:4SLM、▲3▼:10〜15分においては不活性ガス4A:0SLM、クリーニングガス3A:5SLM、▲4▼:15〜20分においてはクリーニングガス3A:10SLMが各々、薄膜製造装置100に供給される。
【0080】
(d)制御装置48Cから開閉弁7に対し、設定時間間隔で開度調節信号6S´が出力され、開閉弁7Aに対して設定時間間隔で開度調節信号7S´が出力される。開度調節信号6S´においては、製膜終了直後から徐々に開度を大きくする(製膜終了直後は開度0、即ち閉塞する)ように要求されている。開度調節信号7S´においては、製膜終了直後から徐々に開度を小さくするように要求されている(所定時間後(例えば15分後)には開度0、即ち閉塞するように要求されている)。この結果、例えば、▲1▼:製膜終了後の時間=0〜5分においては不活性ガス4A(窒素ガスが主に用いられる):10SLM、クリーニングガス3A:0SLM、▲2▼:5〜10分においては不活性ガス4A:8SLM、クリーニングガス3A:2SLM、▲3▼:10〜15分においては不活性ガス4A:6SLM、クリーニングガス3A:4SLM、▲4▼:15〜20分においてはクリーニングガス3A:10SLMが各々、薄膜製造装置100に供給される。
【0081】
(a)は導入されるクリーニングガス3Aの量を徐々に増大させる処理であり、(b)は導入されるクリーニングガス3Aの不活性ガス4Aによる希釈率を徐々に低下させる処理である。(c)はクリーニングガス3Aの不活性ガス4Aによる希釈率を徐々に低下させ、導入されるクリーニングガス3Aの量が予め規定された値(ここでは、5SLM)に達した後に、導入されるクリーニングガス3Aの量を増大させる処理であり、(d)は、(b)において製膜終了直後にはクリーニングガス3Aを導入せず、不活性ガス4Aを導入する処理である。これらの処理の結果、次のような効果が得られる。
【0082】
薄膜製造装置100内部の壁面には、上述のようにSi粉末が付着しており、このSi粉末にはSiHガス1Aが吸着している。このSiHガス1Aは、相対的にSi粉末表面に近い部位に吸着している分子程、クリーニングガス3Aとの反応性が高い。従って、一定時間内に導入されるクリーニングガス3Aが一定のときには、反応初期はSiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの反応速度は相対的に速いが、反応の進行に従って、徐々に反応速度は遅くなる。ここで、反応初期においてもSiHガス1Aとクリーニングガス3Aとの反応が急激に進行しないように、導入されるクリーニングガス3Aの量を調節すると、その分、除去プロセスに多くの時間を要する。しかしながら、(a)、(b)のように、徐々に導入されるクリーニングガス3Aの量を増大させていくか、導入されるクリーニングガス3Aの希釈率を低下させていくことで(又は、(c)、(d)のように、(a)、(b)を組み合わせて用いることで)、Si粉末に吸着されるSiHガス1Aの反応性に基づいて、時間あたりに導入されるガス量の調節を行うことが可能となる。これは、結果的に、除去プロセスに対する所要時間の短縮に繋がる。
【0083】
更に、薄膜製造装置100において、反応初期における、導入されるクリーニングガス3Aの流量の調節が薄膜製造装置100の性能上、困難であるときにおいても、(d)のように製膜直後には不活性ガス4Aのみを導入し、その後に徐々に導入されるクリーニングガス3Aの量を増大させていくことで、Si粉末に吸着されるSiHガス1Aの反応性に基づいて、時間あたりに導入されるガス量の調節を行うことが可能となる。
【0084】
更に、製膜終了後、制御装置48Cは、熱電対47−iから排気管17、34内の温度Tを入力し、入力した温度Tに基づいて、開度を調節するように開閉弁7〜7B、24〜26、31〜32Aに対して要求することも可能である。このとき、制御装置48Cは、開度調節信号1S´〜7S´(1S´、2S´、3S´、4S´、5S´、6S´、7S´)において所定時間毎に開度を調節するように要求するのではなく、入力した温度Tに基づいて薄膜製造装置100のガスの希釈が必要か、又は更にクリーニングガス3A(又は、支燃性ガス5B)を加える必要があるかどうかを判断する。更に、制御装置48Cは、その判断結果に基づいて、開閉弁7〜7B、24〜26、31〜32Aに対し、開度の調節を要求する((開閉弁7、24、31のいずれか)、(開閉弁7A、25、32のいずれか)、(開閉弁7B、26、32Aのいずれか)の各々に対し、開度の調節が要求される)。
【0085】
次に、図6を用いて、本発明の薄膜製造装置100を用いたクリーニング方法の実施の形態3に係る処理の過程について説明する。ここでは、ステップS33の後に、ステップS34aの後にステップS35a、又はステップS34bの後にステップS35bが行われる。尚、ステップS31はステップS11、ステップS32はステップS12、ステップS33はステップS13、ステップS34aはステップS14a、ステップS35aはステップS15aとそれぞれ同じであるので、その詳細な説明は省略する。また、ステップS34bはステップS14b、ステップS35bはステップS15b、ステップS36はステップS37a、ステップS38aはステップS27a、ステップS37bはステップS27b、ステップS40はステップS20とそれぞれ同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0086】
制御装置48Cは、開閉弁7〜7B、24〜26、31〜32Aに対し、開度調節信号1S´〜7S´を出力する(ステップS34c)。
【0087】
制御装置48Cは、熱電対47−iから温度Tを入力し、入力した温度Tに基づいて開度の調節の必要があるかどうかを判断する。判断の結果、その必要があると判断したときには、制御装置48Cは、開閉弁7〜7B、24〜26、31〜32Aに対し、開度を調節するための信号を出力することで、開閉弁7〜7B、24〜26、31〜32Aの開度は、その信号に基づいて調節される。これにより、クリーニングガス3A(又は支燃性ガス5B)とSiHガス1Aとの供給比が調節される。(ステップS39)。
【0088】
上述した薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法の実施の形態1〜3は、適宜、組み合わせて用いることが可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、太陽電池の膜形成をするための膜形成室内のクリーニング(膜の原料となる原料ガスの除去)を行うときに、その内部に残留している原料ガスとクリーニングガス(原料ガスと反応するガス)との反応による発熱を抑制することが可能となる。
【0090】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、クリーニングプロセス(膜形成室内をクリーニングガスに置換させるためのプロセス)を開始する前に、膜形成室内に残留している原料ガスをクリーニングガスと反応させることで、クリーニングプロセスにおける反応の発熱を抑制することが可能となる。
【0091】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、クリーニングプロセスを開始する前に、膜形成室内に残留している原料ガスを酸化ガスと反応させることで、クリーニングプロセスにおける反応の発熱を抑制することが可能となる。
【0092】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成装置内において、原料ガスが相対的に残留し易い箇所でも原料ガスを効率良く除去することが可能となる。
【0093】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成室内に含まれるガスの温度上昇を抑制することで、クリーニングプロセスにおける反応の発熱を抑制することが可能となる。
【0094】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、除去プロセスにおける、原料ガスの反応(クリーニングガス、又は酸化ガスとの反応)の速度を増大させることで、膜形成室からの原料ガスの除去プロセス、及びクリーニングプロセスに係る所要時間を短縮することが可能となる。
【0095】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成室内のガスの温度変化を計測することで、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かを判断することが可能となる。
【0096】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成装置内において、原料ガスが相対的に残留し易い箇所のガスの温度変化を計測することで、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かを判断することが可能となる。
【0097】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成装置内において、多数の箇所の温度変化を計測することで、より確実に、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かを判断することが可能となる。
【0098】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成装置内における箇所の温度変化を計測するための温度計として、計測可能な温度範囲が広く、耐食性の高い材料で構成されるものを用いることで、より確実に、膜形成室内部の原料ガスが必要十分に除去されたか否かを判断することが可能となる。
【0099】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成室内部へのクリーニングガスの注入量を除去プロセスの開始後、徐々に増大させることで、膜形成室内部に付着した粉末に吸着された原料ガス(表面近傍に吸着されるもの程、反応性が高い)の除去を効率よく行うことが可能となる。
【0100】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法により、膜形成室内部へ注入されるガス(クリーニングガス、及びクリーニングガス又は原料ガスと反応性の低いガスを含む)中のクリーニングガス濃度を除去プロセスの開始後、徐々に増大させることで、膜形成室内部に付着した粉末に吸着された原料ガスの除去を効率よく行うことが可能となる。
【0101】
本発明の薄膜製造装置、及びそれに対するクリーニング方法を適宜組み合わせて用いることで、膜形成室内部からの原料ガスの除去、及び膜形成室内部のクリーニングガスへの置換を安全に、効率良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜製造装置の実施の形態1に係る構成を示す図である。
【図2】本発明の薄膜製造装置に対するクリーニング方法の実施の形態1における処理を示す図である。
【図3】本発明の薄膜製造装置の実施の形態2に係る構成を示す図である。
【図4】本発明の薄膜製造装置に対するクリーニング方法の実施の形態2における処理を示す図である。
【図5】本発明の薄膜製造装置の実施の形態3に係る構成を示す図である。
【図6】本発明の薄膜製造装に対するクリーニング方法の実施の形態3における処理を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5A、24、25、26、31、32、32A:ガスボンベ
1A:SiHガス
1B、2B、3B、4B、5B´、6B:所定開度
2A:Hガス
3A:クリーニングガス
4A:不活性ガス
5B:支燃性ガス
5、6、7、7A、7B:開閉弁
8:プラズマCVD装置
9:製膜ユニット
10:放電用電極
11:電極カバー
12:RFケーブル
12A:高周波電源
13:基板加熱用ヒータ
14:ヒータ
15:ヒータカバー
17:排気管
18:放電装置
19:放電ユニット
19A:放電用電極
19B:RFケーブル
19C:高周波電源
21、22、23:ガスボンベ
24、25、26:開閉弁
27:排気ポンプ
28:ガス導入管
28A:放電装置
28B:放電ユニット
28C:放電用電極
28D:RFケーブル
28E:高周波電源
29、30、30A:ガスボンベ
31、32、32A、33A、33B:開閉弁
34:排気管
35、36:開閉弁
37、38:排ガス処理装置
47−i:熱電対
48A、48B、48C:制御装置
49−i:屈曲形状部

Claims (12)

  1. シリコン含有プロセスガスを供給するための第1ガス供給部と、
    前記第1ガス供給部からの前記シリコン含有プロセスガスを用いて基板上にシリコン含有膜が形成される反応室と、
    前記反応室から前記シリコン含有プロセスガスを排気するための排気ポンプと、
    前記シリコン含有プロセスガスの供給が停止された後、第1ハロゲン含有ガスを供給するための第2ガス供給部と、
    前記排気ポンプに接続される排気管と、
    前記排気管の屈曲形状部内の温度を検出するための温度検出部と、
    前記温度検出部からの前記排気管温度に基づいて前第1ハロゲン含有ガスの供給量を制御するための制御部と
    を具備し、
    前記制御部は、前記第1ハロゲン含有ガスを第1供給量で供給し、その後、前記排気管温度の下降に対応して、前記第1ハロゲン含有ガスを前記第1供給量よりも大きい第2供給量で供給するように制御する
    薄膜製造装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御部は、前記排気管温度の上昇に対応して、前記第2供給量未満の範囲内で前記第1供給量を上昇させて前記第1ハロゲン含有ガスを供給し、その後、前記排気管温度の下降に対応して、前記第1ハロゲン含有ガスを前記第2供給量で供給するように制御する
    薄膜製造装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記反応室を介さずに前記排気管へ接続され、前記シリコン含有プロセスガスの供給が停止された後、第2ハロゲン含有ガスを供給するための第3ガス供給部を更に具備し、
    前記制御部は、更に、前第2ハロゲン含有ガスを第3供給量で供給するように制御する
    薄膜製造装置。
  4. 請求項3において、
    前記第3ガス供給部と前記排気管との間に設けられ、前記第2ハロゲン含有ガスの放電に用いる放電装置を更に具備する
    薄膜製造装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記温度検出部は、複数であり、前記複数の温度検出部の各々は、前記排気管内の異なる箇所に設置され、
    前記制御部は、前記各々の温度検出部からの前記排気管温度に基づいて、各供給量を制御する
    薄膜製造装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記排気管の屈曲形状部には、前記シリコン含有プロセスガスの分解により形成された粉末が付着して粉末付着部が形成され、前記粉末付着部の前記粉末には、前記シリコン含有プロセスガスが吸着され、前記排気管温度は、前記粉末付着部の温度であり、
    前記温度検出部は、前記粉末付着部温度を検出し、
    前記制御部は、前記温度検出部からの前記粉末付着部温度に基づいて、各供給量を制御する
    薄膜製造装置。
  7. 第1ガス供給部、反応室、排気ポンプ、第2ガス供給部、排気管、温度検出部、及び制御部の各々を具備する薄膜製造装置に対するクリーニング方法において、
    前記排気管は、前記排気ポンプに接続され、前記反応室においては、前記第1ガス供給部からの前記シリコン含有プロセスガスを用いて基板上にシリコン含有膜が形成され
    (a)前記排気ポンプが、前記第1ガス供給部から前記反応室へ供給されたシリコン含有プロセスガスを前記反応室から排気するステップと、
    (b)前記第2ガス供給部が、前記シリコン含有プロセスガスの供給が停止された後、第1ハロゲン含有ガスを供給するステップと、
    (c)前記温度検出部が、前記排気管の屈曲形状部内の温度を検出するステップと、
    (d)前記制御部が、前記温度検出部からの前記排気管温度に基づいて、前第1ハロゲン含有ガスを第1供給量で供給し、その後、前記排気管温度の下降に対応して、前記第1ハロゲン含有ガスを前記第1供給量よりも大きい第2供給量で供給するように制御するステップと
    を具備する
    クリーニング方法。
  8. 請求項7において、
    前記(d)ステップは、
    (d1)前記制御部が、前記排気管温度の上昇に対応して、前記第2供給量未満の範囲内で前記第1供給量を上昇させて前記第1ハロゲン含有ガスを供給し、その後、前記排気管温度の下降に対応して、前記第1ハロゲン含有ガスを前記第2供給量で供給するように制御するステップを備える
    クリーニング方法。
  9. 請求項7又は8において、
    前記薄膜製造装置が第3ガス供給部を更に具備し、
    (e)前記第3ガス供給部が、前記シリコン含有プロセスガスの供給が停止された後、前記反応室を介さずに前記排気管へ、第2ハロゲン含有ガスを供給するステップと、
    (f)前記制御部が、前第2ハロゲン含有ガスを第3供給量で供給するように制御するステップと
    を更に具備する
    クリーニング方法。
  10. 請求項9において、
    前記薄膜製造装置が放電装置を更に具備し、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記放電装置が、前記排気管へ供給される前に前記第2ハロゲン含有ガスの放電を行うステップを備える
    クリーニング方法。
  11. 請求項7乃至10のいずれか一項において、
    前記温度検出部は、複数であり、前記複数の温度検出部の各々は、前記排気管内の異なる箇所に設置され、
    前記制御部は、前記各々の温度検出部からの前記排気管温度に基づいて、前記供給量を制御する
    クリーニング方法。
  12. 請求項7至11のいずれか一項において、
    前記排気管の屈曲形状部には、前記シリコン含有プロセスガスの分解により形成された粉末が付着して粉末付着部が形成され、前記粉末付着部の前記粉末には、前記シリコン含有プロセスガスが吸着され、前記排気管温度は、前記粉末付着部の温度であり、
    前記温度検出部は、前記粉末付着部温度を検出し、
    前記制御部は、前記温度検出部からの前記粉末付着部温度に基づいて、前記供給量を制御する
    クリーニング方法。
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