JP3794297B2 - バニシング加工装置およびバニシング加工方法 - Google Patents

バニシング加工装置およびバニシング加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仕上げ加工の一つであるバニシング加工装置およびバニシング加工方法に関し、より詳しくは、疲労強度と耐摩耗性の向上を目的としてワーク表面にバニシングローラを押し付けながら滑らせることにより圧縮残留応力を付与するようにしたバニシング加工装置およびバニシング加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図14に示すようなトロイダル型無段変速機のパワーローラPのうち特にその内周のアール面取り部Paは、熱処理後に旋削加工が施され、その後にショットピーニング加工により疲労強度と耐摩耗性の向上を目的として圧縮残留応力が付与されている。なお、上記パワーローラPについては例えば特開2001−90795号公報等に記載されている。
【0003】
また、上記ショットピーニング加工に代わり同様の圧縮残留応力を付与する方法として、例えば特開平2−41870号公報に記載されているようなバニシングローラタイプの工具を用いて行うバニシング加工法がある。
【0004】
そして、旋削に続いてショットピーニング加工を行う場合には、旋盤等の工作機械とショットピーニングマシンが必要となって設備費の増大とコストアップが余儀なくされる。一方、旋削とバニシング加工との組み合わせとするといずれの加工をも旋盤等の工作機械にて行うことができるようになり、設備費の低減およびコストダウンの上で有利となるとされている。すなわち、旋盤に代表されるような工作機械にてバニシング加工を行う場合には、バイト等の切削用工具に代えて上記特開平2−41870号公報に記載されているようなローラタイプのバニシング加工工具を装着すれば足りる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように旋盤等の汎用工作機械を使って先に述べたパワーローラPのアール面取り部Paにバニシング加工を施す場合、その工具の軸線が常に加工部位の法線方向を指向するようにその工具の姿勢を制御するのが望ましいにもかかわらす、工作機械の機能上の制約から工具の軸線をワーク軸線に対して所定角度だけ傾けた一定姿勢のままで行われる。その理由は、工具の軸線が常に加工部位の法線方向を指向するように姿勢制御するためには移動軌跡の制御が極端に複雑となり、汎用工作機械では対応できないためである。
【0006】
ところが、バニシング加工工具を傾斜した一定姿勢に保ったままで加工を行うと、加工中にバニシングローラ以外の工具構成要素が加工圧力のために撓みを生じることになる。そして、この撓みのためにワークに局部的に過剰な応力が作用してワークが変形し、著しい場合にはワークに亀裂が生じる可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたもので、特に加工中におけるバニシング加工工具の撓みに基づく不具合を解消したバニシング加工装置とバニシング加工方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ワークの表面にバニシングローラを押し付けながら所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシング加工を施す装置であって、ベッド上に配置されるとともに主軸モータにより回転駆動されるスピンドルを有するヘッドストックと、上記スピンドルの先端に装着されてワークを把持するチャックと、上記ベッド上に設けられ、少なくとも水平面内での直交2軸のスライド自由度を有する工具ヘッドと、上記工具ヘッドに装着されるとともに、ハウジング内にスライド可能に挿入支持された保持部材にバニシングローラが静水圧によって転動可能に保持されたローラアタッチメントと、このローラアタッチメントに設けられて、バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検出手段と、バニシング加工に際して上記バニシングローラを動かすべき移動軌跡データが予め設定されているとともに、上記検出手段の出力に基づいてバニシングローラの移動軌跡データの修正量を算出して、この修正量をもって移動軌跡データを修正する演算制御手段と、上記演算制御手段からの指示を受けてバニシングローラをローラアタッチメントごと移動軌跡データに沿って移動させる制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、回転駆動されるワークの表面にバニシングローラを押し付けながら所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシング加工を施す方法であって、ベッド上に設けられたヘッドストックのスピンドル先端に装着されたチャックにワークを把持させるとともに、同じくベッド上に水平面内での直交2軸のスライド自由度をもって配置された工具ヘッドに、ハウジング内にスライド可能に挿入支持された保持部材にバニシングローラが静水圧によって転動可能に保持されてなるローラアタッチメントを装着し、上記バニシングローラを予め設定された移動軌跡データに沿ってローラアタッチメントごと動かしてバニシング加工を施すにあたり、上記バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出し、この検出された位置変位に基づいてバニシングローラを動かすべき移動軌跡データを修正することを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のバニシング加工方法を前提として、上記静水圧を低圧状態としてバニシングローラをワークに当接させたときのそのバニシングローラの位置変位と、静水圧を実加工時と同等の高圧状態としてバニシングローラをワークに当接させたときのそのバニシングローラの位置変位とをそれぞれ検出し、これらの検出値とローラアタッチメントの傾斜角度とに基づいて、予め設定されている移動軌跡データを修正すべきオフセット量を算出し、このオフセット量をもって移動軌跡データをオフセットした上で、そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣ってバニシングローラを移動させることを特徴としている。
【0011】
したがって、これらの請求項1〜3に記載の発明では、ローラアタッチメント各部の撓み量に応じてバニシングローラの移動軌跡データが予め修正もしくはオフセットされることになるので、バニシングローラの移動軌跡データにローラアタッチメント各部の撓み量が忠実に反映されることになる。その結果、従来のような局部的な過剰応力の発生が防止される。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のバニシング加工方法を前提として、上記ローラアタッチメントに、バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検出手段と、同じくローラアタッチメントの軸心方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検出手段とを設けるものとする。そして、バニシング加工中において、一定時間ごとにローラアタッチメントの軸直角方向および軸心方向の位置変位をそれぞれ検出し、これらの検出値に基づいて、予め設定されている移動軌跡データを修正すべきオフセット量をその都度算出するとともに、このオフセット量をもって移動軌跡データをその都度オフセットさせ、そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣ってバニシングローラを移動させることを特徴としている。
【0013】
したがって、この請求項4に記載の発明では、バニシング加工中にリアルタイムでローラアタッチメント各部の撓み量に応じてバニシングローラの移動軌跡データが修正もしくはオフセットされることになる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1〜3に記載の発明によれば、ローラアタッチメントの撓み量に応じてバニシングローラを移動すべき移動軌跡データが修正もしくはオフセットされることになるので、そのローラアタッチメントの撓みを原因としてワークに局部的に生じる過剰応力の発生を未然に防止できる効果がある。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、バニシング加工中にリアルタイムでローラアタッチメントの撓み量に応じてバニシングローラの移動軌跡データが修正もしくはオフセットされるので、上記と同様にワークに局部的に生じる過剰応力の発生を未然に防止できる効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1,2は本発明に係るバニシング加工装置の好ましい実施の形態を示す図で、図1はその平面図を、図2は正面図をそれぞれ示している。
【0017】
図1,2に示すように、ベッド1上にはヘッドストック2とテールストック3が対向配置されている(ただし、図2ではテールストック3を図示省略してある)。ヘッドストック2は主軸モータ4によって回転駆動されるスピンドル5の先端にワークWを把持するためのチャック6が装着されている。テールストック3は進退移動可能なテールストックスピンドル7を備えており、そのテールストックスピンドル7の先端には回転センタ8が装着されている。そして、加工対象となるワークWはチャック6と回転センタ8とで両持ち支持されて回転駆動される。
【0018】
また、ベッド1上には水平面内においてX,Yの直交2方向のスライド自由度をもつ工具ヘッド9が配置されている。すなわち、ベッド1上にはX方向にスライド可能なコラムベース10が設けられ、そのコラムベース10上にはY方向にスライド可能なコラム11が設けられていて、さらにコラム11上にはコラム水平面内で傾転可能な工具ヘッド9が配置されている。そして、この工具ヘッド9にはバニシング加工工具であるローラアタッチメント12がワーク軸線に対して所定角度傾斜して装着されている。
【0019】
ローラアタッチメント12は、図3に示すように先端に保持部材13を有する軸体14をハウジング15内にスライド可能に挿入支持させるとともに、保持部材14にボール状のバニシングローラ16を転動可能に保持させたもので、軸体14はハウジング15内に収容された図示外の圧縮コイルスプリングによって前方に付勢されている。そして、上記保持部材14にはベッド1上に設けた圧力ポンプ17から所定の静水圧が導入されるようになっていて、バニシングローラ16はこの静水圧と保持部材13とをもって転動可能に保持され、その状態をもってワークWに押し付けられることになる。
【0020】
保持部材13の外側にはブラケット18に支持された変位センサ19が装着されている。この変位センサ19は、加工圧力が加わった場合の特に軸体14の撓みによるバニシングローラ16の位置変位を検出するためのもので、その検出出力は演算処理装置20に取り込まれるようになっている。また、その演算処理装置20に隣接して加工ヘッド9の移動軌跡すなわちコラムベース10やコラム11の移動量を制御する制御装置21が設けられている。
【0021】
このように構成されたバニシング加工装置による加工手順を図4のフローチャート等を併用しながら説明する。
【0022】
図4のStep1では、図5にも示すようにワークWのうち加工対象となるアール面取り部(以下、角R部という)Qの曲率形状に対してバニシングローラ16の半径r分だけオフセットさせたバニシングローラ16の移動軌跡データすなわちNCデータD1を作成して、演算処理装置20に入力しておく。
【0023】
Step2では、図1,2のチャック6と回転センタ8とで両持ち支持したワークWを回転駆動させる一方、圧力ポンプ17からローラアタッチメント12の保持部材13に対してバニシング作用が発生しない程度の低圧(例えば、9.8MPa程度)の静水圧を導入して、その低圧が作用しているバニシングローラ16をワークWに押し付ける。そして、Step3としてその時のバニシングローラ16の位置変位を変位センサ19で検出して演算処理装置20に取り込む。
【0024】
続いて、Step4では圧力ポンプ17からローラアタッチメント12の保持部材13に導入されている静水圧を実加工時と同等の高圧(例えば、39.2MPa程度)に切り換える。これにより、図6に示すようにワークW側からの反力を受けてローラアタッチメント12のうち特に軸体14が弾性変形による撓みを生じる。この撓みに伴い先端のバニシングローラ16の位置が変位することから、Step5の処理としてこの位置変位を上記と同様に変位センサ19にて検出して演算処理装置20に取り込む。
【0025】
Step6では、演算処理装置20での処理として、上記の低圧付加時のバニシングローラ16の位置変位と高圧付加時のバニシングローラ16の位置変位のほかローラアタッチメント12の取り付け角度αに基づいて、図6に示すようにワーク軸線方向でのローラアタッチメント12全体としての撓み量nを算出する。
【0026】
Step7では、演算処理装置20での処理として、図6に示すように予め設定されているバニシングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD1を修正すべき量すなわちオフセット量mを算出する。このオフセット量mについては上記撓み量nとの相関を予め実験等により求めておき、例えばそのオフセット量mはm=n±0.2程度とする。
【0027】
Step8では、同じく演算制御装置20での処理として、予め設定されているバニシングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD1を先に求めたオフセット量mだけオフセットさせた新しい移動軌跡データすなわちNCデータD2を作成し、これを制御装置21に付与する。
【0028】
そして、Step9の処理として、制御装置21はその新しい移動軌跡データD2に基づいてコラムベース10およびコラム11に駆動指令を与えて、ワークWのうち角R部Qについてのバニシング加工を実行する。すなわち、図7にも示すように、先に高圧の静水圧を付加したバニシングローラ16を加工ヘッド9ごと移動軌跡デーであるNCデータD2に沿うように合成送りを与えながら始点から終点まで動かしてバニシング加工を行う。
【0029】
図8,9にはバニシング加工における加工位置と応力との関係についての実験結果を示す。
【0030】
図8の(A),(B)に示すように、バニシングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD1をバニシングローラ16の半径r分だけオフセットさせて撓み量に応じた修正を行わない場合には、角R部Qの加工中においてその応力が局部的に約40%増大する。この局部的な応力増大のためにワークWが変形し、著しい場合にはワークWに亀裂が発生することになる。
【0031】
これに対して、図9の(A),(B)に示すように、バニシングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD1を上記のようにローラアタッチメント12全体の撓み量mだけさらにオフセットさせてNCデータD2とした場合には、バニシング加工中に角R部Qに作用する応力は局部的に増大することなくほぼ一定のものとなり、その角R部Qにバニシング加工として適切な応力を付加することができる。
【0032】
図10,11には本発明の第2の実施の形態を示す。
【0033】
加工対象となるワークW1の外周面は連続する二つの曲率面31,32をもって円弧状に形成されている。また、ローラアタッチメント12にはブラケット18を介して、ローラアタッチメント12の軸直角方向でのバニシングローラ16の位置変位を検出する変位センサ19と、ローラアタッチメント12の軸心方向でのバニシングローラ16の位置変位を検出する変位センサ29とが設けられている。
【0034】
この実施の形態では、図10のStep21の処理として、図11にも示すようにワークW1の輪郭形状に対してバニシングローラ16の半径r分だけオフセットさせたバニシングローラ16の移動軌跡データであるNCデータD3を予め作成して演算処理装置20に入力しておき、これをその演算処理装置20から制御装置21に付与する。
【0035】
そして、Step22では、ローラアタッチメント12の保持部材13に先の場合の同等の低圧(例えば、9.8MPa程度)の静水圧を付加した状態で、図12に示すようにバニシングローラ16をワークW1の加工開始点Psに押し付け、それに続いて、上記静水圧を高圧(例えば、39.2MPa程度)に切り換えて、バニシング加工圧を発生させる。
【0036】
Step23では、予め設定した移動軌跡に関するNCデータD3をもとにローラアタッチメント12を移動させて、バニシング加工を開始する。
【0037】
Step24では、バニシング加工中において、図13に示すようにローラアタッチメント12の撓みに基づくローラアタッチメント12の軸直角方向および軸心方向でのバニシングローラ16の位置変位を変位センサ19,29にて検出する一方、加工開始後、微小な時間間隔Δt後に時刻Tn(n=0,1,2,3…)の加工位置Pn(n=0,1,2,3…)の座標とともにその時点での各変位センサ19,29の検出値Fxn,Fyn(n=0,1,2,3…)を演算処理装置20に取り込んで記憶する。
【0038】
Step25では、再び微小な時間間隔Δt後、時刻Tn+1(n=0,1,2,3…)の加工位置Pn+1(n=0,1,2,3…)の座標とともにその時点での各変位センサ19,29の検出値Fxn+1,Fyn+1(n=0,1,2,3…)を演算処理装置20に取り込んで記憶する。
【0039】
Step26では、Fxn+1,Fyn+1とその直前に取り込んだFxn,Fynとの差を演算処理装置20で算出し、時刻Tn+1から時刻Tnまでの間Δtのバニシングローラ16の撓み方向と撓み量すなわち撓みベクトルFtnを算出する。
【0040】
Step27では、演算制御装置20での処理として、図12に示すように最初に設定されたバニシングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD3に対して、先に算出された変位方向に同じく算出された変位量だけオフセットさせた移動軌跡データすなわち上記の撓みベクトルFtnだけオフセットさせたNCデータD4を作成し、これを制御装置21に付与する。
【0041】
そして、制御装置21はその新しい移動軌跡に関するNCデータD4に基づいてコラムベース10およびコラム11に駆動指令を与えて、ワークW1のうちその円弧状の曲率面31,32についてのバニシング加工を実行する。すなわち、図11,12にも示すように、先に高圧の静水圧を付加したバニシングローラ16を加工ヘッド9ごと上記NCデータD4に沿うように合成送りを与えながら始点Psから終点Peまで動かしてバニシング加工を行う。
【0042】
この時、バニシングローラ16を含むローラアタッチメント12の撓みが減少する前にバニシング保持部材13がバニシングローラ16とともに圧力によって押し出されることが予想されるが、バニシング保持部材13が押し出される速度よりもローラアタッチメント12の撓みの減少速度の方がはるかに速いため、バニシング保持部材13が押し出される量は無視できる。
【0043】
Step28では、バニシング加工中において現在の加工位置PnのX座標Pxnが最終加工位置である終点Pexに達したかどうか判定し、終点Pexに達していない場合にはStep24に戻って微小な時間間隔Δt毎に上記のようにバニシングローラ16の移動軌跡に関するNCデータのオフセットを繰り返してバニシング加工を続行する。
【0044】
このように本実施の形態によれば、上記の測定時間間隔Δtを微小にすることで、連続した曲率面31,32をもつ形状のワークW1であっても、局部的に生じる過大な応力の発生を防止でき、その曲率面31,32に適切な応力を付加することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態としてバニシング加工装置の概略構成を示す平面図。
【図2】同じく上記バニシング加工装置の正面図。
【図3】図1のB部拡大図。
【図4】図1,2のバニシング加工装置での加工処理手順を示すフローチャート。
【図5】図3に示すバニシングローラの移動軌跡の説明図。
【図6】上記バニシングローラの移動軌跡に関してオフセット処理したときの説明図。
【図7】バニシング加工の始点と終点との関係を示す説明図。
【図8】従来のバニシング加工における加工位置と応力との関係を示す説明図。
【図9】上記の実施の形態における加工位置と応力との関係を示す説明図。
【図10】本発明の第2の実施の形態として別のバニシング加工処理手順を示すフローチャート。
【図11】同じく上記第2の実施の形態で使用されるバニシング加工装置の要部構成を示す説明図。
【図12】図11に示すバニシングローラの移動軌跡を示す要部拡大図。
【図13】図11に示すローラアタッチメントの撓み変形時の説明図。
【図14】トロイダル型無段変速機のパワーローラを示す断面図。
【符号の説明】
1…ベッド
2…主軸モータ
5…スピンドル
6…チャック
9…工具ヘッド
12…ローラアタッチメント
13…保持部材
15…ハウジング
16…バニシングローラ
19…変位センサ(検出手段)
20…演算処理装置(演算処理手段)
21…制御装置(制御手段)
29…変位センサ(検出手段)
D1,D2,D3,D4…移動軌跡データ
W…ワーク

Claims (4)

  1. ワークの表面にバニシングローラを押し付けながら所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシング加工を施す装置であって、
    ベッド上に配置されるとともに主軸モータにより回転駆動されるスピンドルを有するヘッドストックと、
    上記スピンドルの先端に装着されてワークを把持するチャックと、
    上記ベッド上に設けられ、少なくとも水平面内での直交2軸のスライド自由度を有する工具ヘッドと、
    上記工具ヘッドに装着されるとともに、ハウジング内にスライド可能に挿入支持された保持部材にバニシングローラが静水圧によって転動可能に保持されたローラアタッチメントと、
    このローラアタッチメントに設けられて、バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検出手段と、
    バニシング加工に際して上記バニシングローラを動かすべき移動軌跡データが予め設定されているとともに、上記検出手段の出力に基づいてバニシングローラの移動軌跡データの修正量を算出して、この修正量をもって移動軌跡データを修正する演算制御手段と、
    上記演算制御手段からの指示を受けてバニシングローラをローラアタッチメントごと移動軌跡データに沿って移動させる制御手段と、
    を備えていることを特徴とするバニシング加工装置。
  2. 回転駆動されるワークの表面にバニシングローラを押し付けながら所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシング加工を施す方法であって、
    ベッド上に設けられたヘッドストックのスピンドル先端に装着されたチャックにワークを把持させるとともに、
    同じくベッド上に水平面内での直交2軸のスライド自由度をもって配置された工具ヘッドに、ハウジング内にスライド可能に挿入支持された保持部材にバニシングローラが静水圧によって転動可能に保持されてなるローラアタッチメントを装着し、
    上記バニシングローラを予め設定された移動軌跡データに沿ってローラアタッチメントごと動かしてバニシング加工を施すにあたり、
    上記バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出し、
    この検出された位置変位に基づいてバニシングローラを動かすべき移動軌跡データを修正することを特徴とするバニシング加工方法。
  3. 上記静水圧を低圧状態としてバニシングローラをワークに当接させたときのそのバニシングローラの位置変位と、静水圧を実加工時と同等の高圧状態としてバニシングローラをワークに当接させたときのそのバニシングローラの位置変位とをそれぞれ検出し、
    これらの検出値とローラアタッチメントの傾斜角度とに基づいて、予め設定されている移動軌跡データを修正すべきオフセット量を算出し、
    このオフセット量をもって移動軌跡データをオフセットした上で、そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣ってバニシングローラを移動させることを特徴とする請求項2に記載のバニシング加工方法。
  4. 上記ローラアタッチメントに、バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検出手段と、同じくローラアタッチメントの軸心方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検出手段とを設けてなり、
    バニシング加工中において、一定時間ごとにローラアタッチメントの軸直角方向および軸心方向の位置変位をそれぞれ検出し、
    これらの検出値に基づいて、予め設定されている移動軌跡データを修正すべきオフセット量をその都度算出するとともに、このオフセット量をもって移動軌跡データをその都度オフセットさせ、
    そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣ってバニシングローラを移動させることを特徴とする請求項2に記載のバニシング加工方法。
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