JP2003039315A - バニシング加工装置およびバニシング加工方法 - Google Patents

バニシング加工装置およびバニシング加工方法

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JP2003039315A JP2001229364A JP2001229364A JP2003039315A JP 2003039315 A JP2003039315 A JP 2003039315A JP 2001229364 A JP2001229364 A JP 2001229364A JP 2001229364 A JP2001229364 A JP 2001229364A JP 2003039315 A JP2003039315 A JP 2003039315A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バニシング工具の撓みによる加工品質への影
響をなくす。 【解決手段】 バニシングローラ16を備えたローラア
タッチメント12を用いてワークWのアール面取り部Q
へバニシング加工を施すに際し、そのアール面取り部Q
の曲率に倣うようなバニシングローラ16の移動軌跡デ
ータD1を予め設定しておく。加工開始前に、アタッチ
メント12に低圧を付与したときの撓み変位と同じく高
圧を付与したときの撓み変位をそれぞれ変位センサ19
にて検出して、撓み量nを算出する。撓み量nに応じた
オフセット量mを求め、それに応じて当初の移動軌跡デ
ータD1がD2となるようにオフセットさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕上げ加工の一つ
であるバニシング加工装置およびバニシング加工方法に
関し、より詳しくは、疲労強度と耐摩耗性の向上を目的
としてワーク表面にバニシングローラを押し付けながら
滑らせることにより圧縮残留応力を付与するようにした
バニシング加工装置およびバニシング加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、図14に示すようなトロイダル
型無段変速機のパワーローラPのうち特にその内周のア
ール面取り部Paは、熱処理後に旋削加工が施され、そ
の後にショットピーニング加工により疲労強度と耐摩耗
性の向上を目的として圧縮残留応力が付与されている。
なお、上記パワーローラPについては例えば特開200
1−90795号公報等に記載されている。
【0003】また、上記ショットピーニング加工に代わ
り同様の圧縮残留応力を付与する方法として、例えば特
開平2−41870号公報に記載されているようなバニ
シングローラタイプの工具を用いて行うバニシング加工
法がある。
【0004】そして、旋削に続いてショットピーニング
加工を行う場合には、旋盤等の工作機械とショットピー
ニングマシンが必要となって設備費の増大とコストアッ
プが余儀なくされる。一方、旋削とバニシング加工との
組み合わせとするといずれの加工をも旋盤等の工作機械
にて行うことができるようになり、設備費の低減および
コストダウンの上で有利となるとされている。すなわ
ち、旋盤に代表されるような工作機械にてバニシング加
工を行う場合には、バイト等の切削用工具に代えて上記
特開平2−41870号公報に記載されているようなロ
ーラタイプのバニシング加工工具を装着すれば足りる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように旋盤等の
汎用工作機械を使って先に述べたパワーローラPのアー
ル面取り部Paにバニシング加工を施す場合、その工具
の軸線が常に加工部位の法線方向を指向するようにその
工具の姿勢を制御するのが望ましいにもかかわらす、工
作機械の機能上の制約から工具の軸線をワーク軸線に対
して所定角度だけ傾けた一定姿勢のままで行われる。そ
の理由は、工具の軸線が常に加工部位の法線方向を指向
するように姿勢制御するためには移動軌跡の制御が極端
に複雑となり、汎用工作機械では対応できないためであ
る。
【0006】ところが、バニシング加工工具を傾斜した
一定姿勢に保ったままで加工を行うと、加工中にバニシ
ングローラ以外の工具構成要素が加工圧力のために撓み
を生じることになる。そして、この撓みのためにワーク
に局部的に過剰な応力が作用してワークが変形し、著し
い場合にはワークに亀裂が生じる可能性があるという問
題があった。
【0007】本発明はこのような課題に着目してなされ
たもので、特に加工中におけるバニシング加工工具の撓
みに基づく不具合を解消したバニシング加工装置とバニ
シング加工方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ワークの表面にバニシングローラを押し付けながら
所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシング加工を施
す装置であって、ベッド上に配置されるとともに主軸モ
ータにより回転駆動されるスピンドルを有するヘッドス
トックと、上記スピンドルの先端に装着されてワークを
把持するチャックと、上記ベッド上に設けられ、少なく
とも水平面内での直交2軸のスライド自由度を有する工
具ヘッドと、上記工具ヘッドに装着されるとともに、ハ
ウジング内にスライド可能に挿入支持された保持部材に
バニシングローラが静水圧によって転動可能に保持され
たローラアタッチメントと、このローラアタッチメント
に設けられて、バニシングローラ以外のローラアタッチ
メント構成要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタッ
チメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変位
を検出する検出手段と、バニシング加工に際して上記バ
ニシングローラを動かすべき移動軌跡データが予め設定
されているとともに、上記検出手段の出力に基づいてバ
ニシングローラの移動軌跡データの修正量を算出して、
この修正量をもって移動軌跡データを修正する演算制御
手段と、上記演算制御手段からの指示を受けてバニシン
グローラをローラアタッチメントごと移動軌跡データに
沿って移動させる制御手段と、を備えていることを特徴
とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、回転駆動
されるワークの表面にバニシングローラを押し付けなが
ら所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシング加工を
施す方法であって、ベッド上に設けられたヘッドストッ
クのスピンドル先端に装着されたチャックにワークを把
持させるとともに、同じくベッド上に水平面内での直交
2軸のスライド自由度をもって配置された工具ヘッド
に、ハウジング内にスライド可能に挿入支持された保持
部材にバニシングローラが静水圧によって転動可能に保
持されてなるローラアタッチメントを装着し、上記バニ
シングローラを予め設定された移動軌跡データに沿って
ローラアタッチメントごと動かしてバニシング加工を施
すにあたり、上記バニシングローラ以外のローラアタッ
チメント構成要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタ
ッチメントの軸直角方向でのバニシングローラの位置変
位を検出し、この検出された位置変位に基づいてバニシ
ングローラを動かすべき移動軌跡データを修正すること
を特徴としている。
【0010】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載のバニシング加工方法を前提として、上記静水
圧を低圧状態としてバニシングローラをワークに当接さ
せたときのそのバニシングローラの位置変位と、静水圧
を実加工時と同等の高圧状態としてバニシングローラを
ワークに当接させたときのそのバニシングローラの位置
変位とをそれぞれ検出し、これらの検出値とローラアタ
ッチメントの傾斜角度とに基づいて、予め設定されてい
る移動軌跡データを修正すべきオフセット量を算出し、
このオフセット量をもって移動軌跡データをオフセット
した上で、そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣
ってバニシングローラを移動させることを特徴としてい
る。
【0011】したがって、これらの請求項1〜3に記載
の発明では、ローラアタッチメント各部の撓み量に応じ
てバニシングローラの移動軌跡データが予め修正もしく
はオフセットされることになるので、バニシングローラ
の移動軌跡データにローラアタッチメント各部の撓み量
が忠実に反映されることになる。その結果、従来のよう
な局部的な過剰応力の発生が防止される。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
のバニシング加工方法を前提として、上記ローラアタッ
チメントに、バニシングローラ以外のローラアタッチメ
ント構成要素の撓みに伴う該ローラアタッチメントの軸
直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出する検
出手段と、同じくローラアタッチメントの軸心方向での
バニシングローラの位置変位を検出する検出手段とを設
けるものとする。そして、バニシング加工中において、
一定時間ごとにローラアタッチメントの軸直角方向およ
び軸心方向の位置変位をそれぞれ検出し、これらの検出
値に基づいて、予め設定されている移動軌跡データを修
正すべきオフセット量をその都度算出するとともに、こ
のオフセット量をもって移動軌跡データをその都度オフ
セットさせ、そのオフセット処理後の移動軌跡データに
倣ってバニシングローラを移動させることを特徴として
いる。
【0013】したがって、この請求項4に記載の発明で
は、バニシング加工中にリアルタイムでローラアタッチ
メント各部の撓み量に応じてバニシングローラの移動軌
跡データが修正もしくはオフセットされることになる。
【0014】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、ロ
ーラアタッチメントの撓み量に応じてバニシングローラ
を移動すべき移動軌跡データが修正もしくはオフセット
されることになるので、そのローラアタッチメントの撓
みを原因としてワークに局部的に生じる過剰応力の発生
を未然に防止できる効果がある。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、バニシン
グ加工中にリアルタイムでローラアタッチメントの撓み
量に応じてバニシングローラの移動軌跡データが修正も
しくはオフセットされるので、上記と同様にワークに局
部的に生じる過剰応力の発生を未然に防止できる効果が
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】図1,2は本発明に係るバニシン
グ加工装置の好ましい実施の形態を示す図で、図1はそ
の平面図を、図2は正面図をそれぞれ示している。
【0017】図1,2に示すように、ベッド1上にはヘ
ッドストック2とテールストック3が対向配置されてい
る(ただし、図2ではテールストック3を図示省略して
ある)。ヘッドストック2は主軸モータ4によって回転
駆動されるスピンドル5の先端にワークWを把持するた
めのチャック6が装着されている。テールストック3は
進退移動可能なテールストックスピンドル7を備えてお
り、そのテールストックスピンドル7の先端には回転セ
ンタ8が装着されている。そして、加工対象となるワー
クWはチャック6と回転センタ8とで両持ち支持されて
回転駆動される。
【0018】また、ベッド1上には水平面内において
X,Yの直交2方向のスライド自由度をもつ工具ヘッド
9が配置されている。すなわち、ベッド1上にはX方向
にスライド可能なコラムベース10が設けられ、そのコ
ラムベース10上にはY方向にスライド可能なコラム1
1が設けられていて、さらにコラム11上にはコラム水
平面内で傾転可能な工具ヘッド9が配置されている。そ
して、この工具ヘッド9にはバニシング加工工具である
ローラアタッチメント12がワーク軸線に対して所定角
度傾斜して装着されている。
【0019】ローラアタッチメント12は、図3に示す
ように先端に保持部材13を有する軸体14をハウジン
グ15内にスライド可能に挿入支持させるとともに、保
持部材14にボール状のバニシングローラ16を転動可
能に保持させたもので、軸体14はハウジング15内に
収容された図示外の圧縮コイルスプリングによって前方
に付勢されている。そして、上記保持部材14にはベッ
ド1上に設けた圧力ポンプ17から所定の静水圧が導入
されるようになっていて、バニシングローラ16はこの
静水圧と保持部材13とをもって転動可能に保持され、
その状態をもってワークWに押し付けられることにな
る。
【0020】保持部材13の外側にはブラケット18に
支持された変位センサ19が装着されている。この変位
センサ19は、加工圧力が加わった場合の特に軸体14
の撓みによるバニシングローラ16の位置変位を検出す
るためのもので、その検出出力は演算処理装置20に取
り込まれるようになっている。また、その演算処理装置
20に隣接して加工ヘッド9の移動軌跡すなわちコラム
ベース10やコラム11の移動量を制御する制御装置2
1が設けられている。
【0021】このように構成されたバニシング加工装置
による加工手順を図4のフローチャート等を併用しなが
ら説明する。
【0022】図4のStep1では、図5にも示すよう
にワークWのうち加工対象となるアール面取り部(以
下、角R部という)Qの曲率形状に対してバニシングロ
ーラ16の半径r分だけオフセットさせたバニシングロ
ーラ16の移動軌跡データすなわちNCデータD1を作
成して、演算処理装置20に入力しておく。
【0023】Step2では、図1,2のチャック6と
回転センタ8とで両持ち支持したワークWを回転駆動さ
せる一方、圧力ポンプ17からローラアタッチメント1
2の保持部材13に対してバニシング作用が発生しない
程度の低圧(例えば、9.8MPa程度)の静水圧を導
入して、その低圧が作用しているバニシングローラ16
をワークWに押し付ける。そして、Step3としてそ
の時のバニシングローラ16の位置変位を変位センサ1
9で検出して演算処理装置20に取り込む。
【0024】続いて、Step4では圧力ポンプ17か
らローラアタッチメント12の保持部材13に導入され
ている静水圧を実加工時と同等の高圧(例えば、39.
2MPa程度)に切り換える。これにより、図6に示す
ようにワークW側からの反力を受けてローラアタッチメ
ント12のうち特に軸体14が弾性変形による撓みを生
じる。この撓みに伴い先端のバニシングローラ16の位
置が変位することから、Step5の処理としてこの位
置変位を上記と同様に変位センサ19にて検出して演算
処理装置20に取り込む。
【0025】Step6では、演算処理装置20での処
理として、上記の低圧付加時のバニシングローラ16の
位置変位と高圧付加時のバニシングローラ16の位置変
位のほかローラアタッチメント12の取り付け角度αに
基づいて、図6に示すようにワーク軸線方向でのローラ
アタッチメント12全体としての撓み量nを算出する。
【0026】Step7では、演算処理装置20での処
理として、図6に示すように予め設定されているバニシ
ングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD1を修
正すべき量すなわちオフセット量mを算出する。このオ
フセット量mについては上記撓み量nとの相関を予め実
験等により求めておき、例えばそのオフセット量mはm
=n±0.2程度とする。
【0027】Step8では、同じく演算制御装置20
での処理として、予め設定されているバニシングローラ
16の移動軌跡に関するNCデータD1を先に求めたオ
フセット量mだけオフセットさせた新しい移動軌跡デー
タすなわちNCデータD2を作成し、これを制御装置2
1に付与する。
【0028】そして、Step9の処理として、制御装
置21はその新しい移動軌跡データD2に基づいてコラ
ムベース10およびコラム11に駆動指令を与えて、ワ
ークWのうち角R部Qについてのバニシング加工を実行
する。すなわち、図7にも示すように、先に高圧の静水
圧を付加したバニシングローラ16を加工ヘッド9ごと
移動軌跡デーであるNCデータD2に沿うように合成送
りを与えながら始点から終点まで動かしてバニシング加
工を行う。
【0029】図8,9にはバニシング加工における加工
位置と応力との関係についての実験結果を示す。
【0030】図8の(A),(B)に示すように、バニ
シングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD1を
バニシングローラ16の半径r分だけオフセットさせて
撓み量に応じた修正を行わない場合には、角R部Qの加
工中においてその応力が局部的に約40%増大する。こ
の局部的な応力増大のためにワークWが変形し、著しい
場合にはワークWに亀裂が発生することになる。
【0031】これに対して、図9の(A),(B)に示
すように、バニシングローラ16の移動軌跡に関するN
CデータD1を上記のようにローラアタッチメント12
全体の撓み量mだけさらにオフセットさせてNCデータ
D2とした場合には、バニシング加工中に角R部Qに作
用する応力は局部的に増大することなくほぼ一定のもの
となり、その角R部Qにバニシング加工として適切な応
力を付加することができる。
【0032】図10,11には本発明の第2の実施の形
態を示す。
【0033】加工対象となるワークW1の外周面は連続
する二つの曲率面31,32をもって円弧状に形成され
ている。また、ローラアタッチメント12にはブラケッ
ト18を介して、ローラアタッチメント12の軸直角方
向でのバニシングローラ16の位置変位を検出する変位
センサ19と、ローラアタッチメント12の軸心方向で
のバニシングローラ16の位置変位を検出する変位セン
サ29とが設けられている。
【0034】この実施の形態では、図10のStep2
1の処理として、図11にも示すようにワークW1の輪
郭形状に対してバニシングローラ16の半径r分だけオ
フセットさせたバニシングローラ16の移動軌跡データ
であるNCデータD3を予め作成して演算処理装置20
に入力しておき、これをその演算処理装置20から制御
装置21に付与する。
【0035】そして、Step22では、ローラアタッ
チメント12の保持部材13に先の場合の同等の低圧
(例えば、9.8MPa程度)の静水圧を付加した状態
で、図12に示すようにバニシングローラ16をワーク
W1の加工開始点Psに押し付け、それに続いて、上記
静水圧を高圧(例えば、39.2MPa程度)に切り換
えて、バニシング加工圧を発生させる。
【0036】Step23では、予め設定した移動軌跡
に関するNCデータD3をもとにローラアタッチメント
12を移動させて、バニシング加工を開始する。
【0037】Step24では、バニシング加工中にお
いて、図13に示すようにローラアタッチメント12の
撓みに基づくローラアタッチメント12の軸直角方向お
よび軸心方向でのバニシングローラ16の位置変位を変
位センサ19,29にて検出する一方、加工開始後、微
小な時間間隔Δt後に時刻Tn(n=0,1,2,3
…)の加工位置Pn(n=0,1,2,3…)の座標と
ともにその時点での各変位センサ19,29の検出値F
xn,Fyn(n=0,1,2,3…)を演算処理装置
20に取り込んで記憶する。
【0038】Step25では、再び微小な時間間隔Δ
t後、時刻Tn+1(n=0,1,2,3…)の加工位
置Pn+1(n=0,1,2,3…)の座標とともにそ
の時点での各変位センサ19,29の検出値Fxn+
1,Fyn+1(n=0,1,2,3…)を演算処理装
置20に取り込んで記憶する。
【0039】Step26では、Fxn+1,Fyn+
1とその直前に取り込んだFxn,Fynとの差を演算
処理装置20で算出し、時刻Tn+1から時刻Tnまで
の間Δtのバニシングローラ16の撓み方向と撓み量す
なわち撓みベクトルFtnを算出する。
【0040】Step27では、演算制御装置20での
処理として、図12に示すように最初に設定されたバニ
シングローラ16の移動軌跡に関するNCデータD3に
対して、先に算出された変位方向に同じく算出された変
位量だけオフセットさせた移動軌跡データすなわち上記
の撓みベクトルFtnだけオフセットさせたNCデータ
D4を作成し、これを制御装置21に付与する。
【0041】そして、制御装置21はその新しい移動軌
跡に関するNCデータD4に基づいてコラムベース10
およびコラム11に駆動指令を与えて、ワークW1のう
ちその円弧状の曲率面31,32についてのバニシング
加工を実行する。すなわち、図11,12にも示すよう
に、先に高圧の静水圧を付加したバニシングローラ16
を加工ヘッド9ごと上記NCデータD4に沿うように合
成送りを与えながら始点Psから終点Peまで動かして
バニシング加工を行う。
【0042】この時、バニシングローラ16を含むロー
ラアタッチメント12の撓みが減少する前にバニシング
保持部材13がバニシングローラ16とともに圧力によ
って押し出されることが予想されるが、バニシング保持
部材13が押し出される速度よりもローラアタッチメン
ト12の撓みの減少速度の方がはるかに速いため、バニ
シング保持部材13が押し出される量は無視できる。
【0043】Step28では、バニシング加工中にお
いて現在の加工位置PnのX座標Pxnが最終加工位置
である終点Pexに達したかどうか判定し、終点Pex
に達していない場合にはStep24に戻って微小な時
間間隔Δt毎に上記のようにバニシングローラ16の移
動軌跡に関するNCデータのオフセットを繰り返してバ
ニシング加工を続行する。
【0044】このように本実施の形態によれば、上記の
測定時間間隔Δtを微小にすることで、連続した曲率面
31,32をもつ形状のワークW1であっても、局部的
に生じる過大な応力の発生を防止でき、その曲率面3
1,32に適切な応力を付加することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態としてバニシング
加工装置の概略構成を示す平面図。
【図2】同じく上記バニシング加工装置の正面図。
【図3】図1のB部拡大図。
【図4】図1,2のバニシング加工装置での加工処理手
順を示すフローチャート。
【図5】図3に示すバニシングローラの移動軌跡の説明
図。
【図6】上記バニシングローラの移動軌跡に関してオフ
セット処理したときの説明図。
【図7】バニシング加工の始点と終点との関係を示す説
明図。
【図8】従来のバニシング加工における加工位置と応力
との関係を示す説明図。
【図9】上記の実施の形態における加工位置と応力との
関係を示す説明図。
【図10】本発明の第2の実施の形態として別のバニシ
ング加工処理手順を示すフローチャート。
【図11】同じく上記第2の実施の形態で使用されるバ
ニシング加工装置の要部構成を示す説明図。
【図12】図11に示すバニシングローラの移動軌跡を
示す要部拡大図。
【図13】図11に示すローラアタッチメントの撓み変
形時の説明図。
【図14】トロイダル型無段変速機のパワーローラを示
す断面図。
【符号の説明】
1…ベッド 2…主軸モータ 5…スピンドル 6…チャック 9…工具ヘッド 12…ローラアタッチメント 13…保持部材 15…ハウジング 16…バニシングローラ 19…変位センサ(検出手段) 20…演算処理装置(演算処理手段) 21…制御装置(制御手段) 29…変位センサ(検出手段) D1,D2,D3,D4…移動軌跡データ W…ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C001 KA02 KA05 KC00 TA02 TB02 3C034 AA20 BB92 CA16 CB01 DD07 3C058 AA01 AA12 AC01 BA07 BB02 CB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの表面にバニシングローラを押し
    付けながら所定の移動軌跡に沿って移動させてバニシン
    グ加工を施す装置であって、 ベッド上に配置されるとともに主軸モータにより回転駆
    動されるスピンドルを有するヘッドストックと、 上記スピンドルの先端に装着されてワークを把持するチ
    ャックと、 上記ベッド上に設けられ、少なくとも水平面内での直交
    2軸のスライド自由度を有する工具ヘッドと、 上記工具ヘッドに装着されるとともに、ハウジング内に
    スライド可能に挿入支持された保持部材にバニシングロ
    ーラが静水圧によって転動可能に保持されたローラアタ
    ッチメントと、 このローラアタッチメントに設けられて、バニシングロ
    ーラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに伴う
    少なくとも該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバ
    ニシングローラの位置変位を検出する検出手段と、 バニシング加工に際して上記バニシングローラを動かす
    べき移動軌跡データが予め設定されているとともに、上
    記検出手段の出力に基づいてバニシングローラの移動軌
    跡データの修正量を算出して、この修正量をもって移動
    軌跡データを修正する演算制御手段と、 上記演算制御手段からの指示を受けてバニシングローラ
    をローラアタッチメントごと移動軌跡データに沿って移
    動させる制御手段と、 を備えていることを特徴とするバニシング加工装置。
  2. 【請求項2】 回転駆動されるワークの表面にバニシン
    グローラを押し付けながら所定の移動軌跡に沿って移動
    させてバニシング加工を施す方法であって、 ベッド上に設けられたヘッドストックのスピンドル先端
    に装着されたチャックにワークを把持させるとともに、 同じくベッド上に水平面内での直交2軸のスライド自由
    度をもって配置された工具ヘッドに、ハウジング内にス
    ライド可能に挿入支持された保持部材にバニシングロー
    ラが静水圧によって転動可能に保持されてなるローラア
    タッチメントを装着し、 上記バニシングローラを予め設定された移動軌跡データ
    に沿ってローラアタッチメントごと動かしてバニシング
    加工を施すにあたり、 上記バニシングローラ以外のローラアタッチメント構成
    要素の撓みに伴う少なくとも該ローラアタッチメントの
    軸直角方向でのバニシングローラの位置変位を検出し、 この検出された位置変位に基づいてバニシングローラを
    動かすべき移動軌跡データを修正することを特徴とする
    バニシング加工方法。
  3. 【請求項3】 上記静水圧を低圧状態としてバニシング
    ローラをワークに当接させたときのそのバニシングロー
    ラの位置変位と、静水圧を実加工時と同等の高圧状態と
    してバニシングローラをワークに当接させたときのその
    バニシングローラの位置変位とをそれぞれ検出し、 これらの検出値とローラアタッチメントの傾斜角度とに
    基づいて、予め設定されている移動軌跡データを修正す
    べきオフセット量を算出し、 このオフセット量をもって移動軌跡データをオフセット
    した上で、そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣
    ってバニシングローラを移動させることを特徴とする請
    求項2に記載のバニシング加工方法。
  4. 【請求項4】 上記ローラアタッチメントに、バニシン
    グローラ以外のローラアタッチメント構成要素の撓みに
    伴う該ローラアタッチメントの軸直角方向でのバニシン
    グローラの位置変位を検出する検出手段と、同じくロー
    ラアタッチメントの軸心方向でのバニシングローラの位
    置変位を検出する検出手段とを設けてなり、 バニシング加工中において、一定時間ごとにローラアタ
    ッチメントの軸直角方向および軸心方向の位置変位をそ
    れぞれ検出し、 これらの検出値に基づいて、予め設定されている移動軌
    跡データを修正すべきオフセット量をその都度算出する
    とともに、このオフセット量をもって移動軌跡データを
    その都度オフセットさせ、 そのオフセット処理後の移動軌跡データに倣ってバニシ
    ングローラを移動させることを特徴とする請求項2に記
    載のバニシング加工方法。
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